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ライブドア上場廃止

報道によると、東証がライブドア株の上場廃止を決めつつあるようだ。先般来、西室社長が「上場廃止には基準があるので、これに抵触したら廃止することになると思う」と予防線を張っていたが、いよいよ現実化するようだ。この種の不祥事の場合、社長逮捕で管理ポスト、基礎で上場廃止が決まって整理ポストへ、というのがスタンダードらしいから、起訴と前後して上場廃止になるのは、市場参加者にとって、それこそ「想定の範囲内」だ。

影響が重大な粉飾(有価証券報告書の虚偽記載)が組織的に行われていたなら上場廃止、という基準に照らすと、ライブドア株を上場廃止にしないことの論理構成はかなり困難だ。カネボウや西武鉄道など、他の事例との比較からも、上場を継続すした場合に集まる首尾一貫性の無さへの批判には抗し難いということだろう。私も、今上場を廃止することについて東証を批判する積もりはない。

ただし、22万人と言われる個人株主には相当の不便を掛けることになる。また、「上場廃止では仕方がない」と見切り売りして、ライブドア株を不当に安く売ることになる投資家が多数出そうだ。

ところで、考えてみると、この事件の主な時期は2004年の秋である。ライブドアは、100分割を二度も行うなど、まことに行儀の悪い会社だったし、また、悪い噂が頻繁に流れていた会社でもある。東証も、そして、証券取引等監視委員会も、もっと早期に摘発できなかったのか。いわゆる「垂れ込み」「告発」は多数あった筈だ。なぜ、これを早期に見抜けなかったのかは、検証する必要がある。

もっとも、この点については、総選挙の時に自民党が見抜けなかったくらいなのだから、仕方がないのか。

尚、国民は、総選挙の時に、自民党が間抜けだったことを見抜けなかったのだから、他人ばかりを責められない、という皮肉な構造になっている。ちなみに、私は自民党には投票しなかったが、それは、ライブドアの悪事を見抜いていたから、というわけではないから、私も似たようなものだ。だが、プロである監視委員会と東証はもっと早く見抜いてくれないと困る。

放火犯は勿論悪いが、大火になったのは、防災体制がしっかりしていなかったからだ。

ライブドア株では、今回のショックで、ざっと6000億円の時価総額が消し飛び、それだけ投資家が損をしたということだが(TVコメンテーター風には、「3億円犯人が、2千回盗まなければ追いつかないくらいの被害をもたらした」とでも表現するか)、もちろんライブドア社の経営陣が一番悪いとしても、市場の監督者が、その用をなさなかったことで、これだけ被害が拡がったのだともいえる。

東証に関しては、多分割への対応が遅かったし、ライブドアが売買単位を余りに小さくしたことに対しても無頓着すぎた、という点の非難も受けなければならないだろう。金額だけでなく、件数という意味で、これだけ被害が拡がったことの責任の一端は東証にもある。
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コメント
 
 
 
マオ (knockoff handbags)
2012-02-06 23:48:48
とても興味がひかれるブログでした。
また遊びに来ますね。
頑張ってください!hnsdrr
 
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