評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
個人投資家のための、夏休みの推薦図書
株式市場は、ライブドアショックから半年後の信用整理の期日をこえたこともあり、個人投資か好みの、新興市場銘柄、IT銘柄がやっと息を吹き返してきたものの、原油高や中東戦争、日本の金融引き締めリスク、米国の景気低迷リスクなどがあって、主力株が冴えない(出来高、売買代金が低調です)状態が続いています。
こうした、今ひとつパッとしない相場環境の中で、夏休みでもあるし、久しぶりに投資の本でも読もうか、という個人投資家に、良い本を一冊ご推薦します。
二、三週後の「週刊ダイヤモンド」の私の連載コラムにもこの本の事を書いたので、詳しくは、後日そちらをご参照いただきたいと思いますが、実際にヘッジファンドの運用をやっていた著者の書いていることは、初老のロックスターのような風貌にもかかわらず(気付いてみると、多くのロックスターが、初老であり、ロック自体が伝統芸能化していますね)、たいへんマトモであり、内容の98%くらいは賛成できるものでした。
たとえば、この著者は、チャート分析が実際の運用に役立たないことを分かっているし、分散投資の重要性も正しく認識しています。自分がかつてやっていたヘッジファンドについても、顧客がいいファンドを選ぶのは無理だ、ということを正直に書いています。また、運用の方法についても、自分のポートフォリオの銘柄をランク付けするなど、実践的な方法を教えてくれています。
理論的な説明は、ほとんどPERと成長率だけに割り切っている本なので、内容的に難しいということは、どんな読者にとっても無いと思います。
但し、「バイ・アンド・ホールド」ではなく、「バイ・アンド・ホームワーク」が大切だと、著者は言っており、なかなか手間の掛かる運用方法を実践すべきだと言っています。好き嫌いはあるかも知れませんが、著者は、間違いなく「本物」ですし、内容の実用性からすると、正しく読むならば、ウォーレン・バフェットの関連本や、ピーター・リンチの本よりも上を行くと、私は思います。
ところで、たとえば、私が同じような本を書くとすると、運用の方法については、もっと手間の掛からない割り切った方法を書きそうですが、理論的な背景については、行動ファイナンスのあれこれ(批判も含めて)なども交えて、つい、いろいろな話を書いてしまいそうです。
尚、写真に一緒に写っている万年筆と携帯電話も最近買って気に入っているものです。
万年筆はモンブランの定番マイスターシュティック149ですが、神保町の金ペン堂で買いました。ペン先の太さは中字で、個体差的にはやや細めですが、非常にスムーズに書けます。同店は、ペン先を日本字向けに調整して売ってくれる店で、頑固な職人肌のオヤジさんが、大いに威張って定価で販売しますが、十分ここで買う価値があると思います。(たとえば、万年筆を裏返すと、表の半分くらいの太さでスムーズに字が書けます!)
今回買ってきたモンブランは、個体の当たりが良かったようで、気に入っています。同クラスの万年筆としては、ペリカンのM800の方が書き味はいいかも知れませんが(細・太字、各一本ずつ持っています)モンブランは元気な感じ、ペリカンはしっとりした感じと、性格がかなり違います。モンブランの方が軸が丈夫そうだし、ペリカンはキャップの引っかかり部分がペリカンの嘴の形になっていて、間違って引っかけやすいこともあって、今回、モンブランを購入してみました。どれもいい万年筆で、個人的には、自分がもっと字が上手ければなあ、ということが大いに残念です。
携帯は、ソニー・エリクソンのSO902iですが、最近、シャープのSH901iTから乗り換えました。これは非常にコンパクトながら使いやすくて、こちらも気にいっています。
こうした、今ひとつパッとしない相場環境の中で、夏休みでもあるし、久しぶりに投資の本でも読もうか、という個人投資家に、良い本を一冊ご推薦します。
二、三週後の「週刊ダイヤモンド」の私の連載コラムにもこの本の事を書いたので、詳しくは、後日そちらをご参照いただきたいと思いますが、実際にヘッジファンドの運用をやっていた著者の書いていることは、初老のロックスターのような風貌にもかかわらず(気付いてみると、多くのロックスターが、初老であり、ロック自体が伝統芸能化していますね)、たいへんマトモであり、内容の98%くらいは賛成できるものでした。
たとえば、この著者は、チャート分析が実際の運用に役立たないことを分かっているし、分散投資の重要性も正しく認識しています。自分がかつてやっていたヘッジファンドについても、顧客がいいファンドを選ぶのは無理だ、ということを正直に書いています。また、運用の方法についても、自分のポートフォリオの銘柄をランク付けするなど、実践的な方法を教えてくれています。
理論的な説明は、ほとんどPERと成長率だけに割り切っている本なので、内容的に難しいということは、どんな読者にとっても無いと思います。
但し、「バイ・アンド・ホールド」ではなく、「バイ・アンド・ホームワーク」が大切だと、著者は言っており、なかなか手間の掛かる運用方法を実践すべきだと言っています。好き嫌いはあるかも知れませんが、著者は、間違いなく「本物」ですし、内容の実用性からすると、正しく読むならば、ウォーレン・バフェットの関連本や、ピーター・リンチの本よりも上を行くと、私は思います。
ところで、たとえば、私が同じような本を書くとすると、運用の方法については、もっと手間の掛からない割り切った方法を書きそうですが、理論的な背景については、行動ファイナンスのあれこれ(批判も含めて)なども交えて、つい、いろいろな話を書いてしまいそうです。
尚、写真に一緒に写っている万年筆と携帯電話も最近買って気に入っているものです。
万年筆はモンブランの定番マイスターシュティック149ですが、神保町の金ペン堂で買いました。ペン先の太さは中字で、個体差的にはやや細めですが、非常にスムーズに書けます。同店は、ペン先を日本字向けに調整して売ってくれる店で、頑固な職人肌のオヤジさんが、大いに威張って定価で販売しますが、十分ここで買う価値があると思います。(たとえば、万年筆を裏返すと、表の半分くらいの太さでスムーズに字が書けます!)
今回買ってきたモンブランは、個体の当たりが良かったようで、気に入っています。同クラスの万年筆としては、ペリカンのM800の方が書き味はいいかも知れませんが(細・太字、各一本ずつ持っています)モンブランは元気な感じ、ペリカンはしっとりした感じと、性格がかなり違います。モンブランの方が軸が丈夫そうだし、ペリカンはキャップの引っかかり部分がペリカンの嘴の形になっていて、間違って引っかけやすいこともあって、今回、モンブランを購入してみました。どれもいい万年筆で、個人的には、自分がもっと字が上手ければなあ、ということが大いに残念です。
携帯は、ソニー・エリクソンのSO902iですが、最近、シャープのSH901iTから乗り換えました。これは非常にコンパクトながら使いやすくて、こちらも気にいっています。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
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面白そうな本ですね。早速読んでみます。「バイ・アンド・ホームワーク」ですか、、。確かにめんどくさそうです。アマチュア投資家の場合、時間をかけずに収益をあげられた方が時間の使い方としてはよいようにも思うのですが、例えば四季報をじっくり読んで見つけた銘柄を買ってたまたま値上がりしたりすると得も言えぬ快感がありますし、「趣味」と割り切って投資に一定の時間を割くくらいが丁度いいのでしょうかね。
株式投資における売買回転率をどれくらいにするか、というのは個人投資家にとって特に大きな問題だと思います。年金資金と違って実現益をあげるたびにいちいち税金を納めないといけなくなりますから、、。私個人はホールド型でやっておりますので(「アホールド」とも言うそうですが:笑)いまのところ年間0.25回転くらいの勘定ですが、山崎様の次の本でこのあたりについても何か指針を示していただけるものと大いに期待しております。「ファンドマネジメント」では、回転率は事前に規定できるものではないが、現世の知恵として抑制した方がいい場合が多い、といった書き方をされていたかと思います。年金資金の場合はスポンサーの意向も大きいのでしょうね。
こちらのブログで、山崎様の推薦図書にいち早く触れられるのはファンとして大変うれしいです。またよい本がありましたら教えて下さい。
はじめまして
いつも楽しく、拝読させて頂いております。
さて、推薦図書についてですが、
【株価の大底をこうして見極める】
の章について、
私には難しく理解できませんでした・・・
日本株にも応用できますでしょうか?
夏休み期間が過ぎ去って仕舞ったのですが、休みと昨日土曜日を久方振りに丸々一日中使い切って、積読であったジムクレイマーさんと本音の投資教室(全てWordにしてPC Fileに所蔵しました)を兎に角最後まで読みました。
一番の目的であった適正株価(時価)の数理的な理解が私には如何に難しいかを改めて認識し、いやあ肩も凝ったし眼もショボショボ、数値に対する私のセンスの無さを痛感しました。
バイ・アンド・ホームワーク、これは2~3年は掛かりそうで、厭でも長期保有しか道はなさそうです。
今日もまた関東地方は厳しい残暑ですが、少し気分を変えに汗をかきに行ってきます。