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【楽天証券】お金のアドバイザー、七つの悪い癖

 楽天証券のホームページの連載「山崎元のホンネの投資教室」に「 お金のアドバイザー、七つの悪い癖 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 この中で、お金のアドバイザーが陥りやすい「誤った考え」を七つ、紹介しています。

1.資金使途別に運用商品を割り当てるのがいいと思っている
 お金とは、そもそも後から使い道を決めることができる柔軟性が大きな長所の一つであり、また、十分な分散投資を行うには少額であることの多い個人の資金を、さらに将来の使途別に分割するのは非効率です。

2.インカム・ゲインをキャピタル・ゲインと区別して重視する
 金融の基本は、インカム・ゲインとキャピタル・ゲインを「合わせて」、税金などの要素も考慮して「実質的な損得」を計算して、意思決定すべきです。

3.アクティブ・ファンドを他人に勧めてもいいと思っている
 運用業界の「不都合な真実」として、(1)運用成績で見てアクティブ・ファンドの平均はパッシブ・ファンドに劣っており、(2)アクティブ・ファンドの中で相対的に今後の成績のいいファンドを事前に選び分けることは不可能だ、ということを知っておきましょう。

4.投資期間が長くなると、リスクが縮小すると考えている
 運用期間が長期化すると、運用額に対する期待収益も拡大するから、運用期間と「最適なリスク」の関係は概ね中立と見るのが正解です。
 
5.ドルコスト平均法が有利な投資法だと信じている
 機会費用、手数料、手間が余計にかかる可能性の他に、ドルコスト平均法が有利だと過信した場合、単一のリスク資産に過剰な投資を積み上げてしまう不都合が生じることも問題です。
 
6.NISAやDCでバランス・ファンドへの投資をアドバイスする
 バランス・ファンドではNISAやDCの税制上のメリットが十分生きず、また、投資家が実際にどのようなリスクを取っているのか正確に把握することが難しく、加えて、同等の運用を単品のファンドの組み合わせで行うよりも手数料率が高く付きます

7.市場予測と商品評価を混ぜて考える
 金融商品としての優劣と、その時の市場環境に対する判断とは、別個に出来るものであり、(他の商品と比べた場合に)同じ内容のリスクを取るのに、実質的な手数料が高い金融商品は、市場環境にかかわらずダメな商品です。

 FPなど、アドバイザーの立場にある人が拙稿を読んで「改心」してくれるといいのですが、なかなか難しいだろうなあ、というのが率直な実感です。
 アドバイスを受ける側の人が、アドバイザーの頭(知識と論理は正確か)と腹(腹黒いビジネスをしていないか)を見分けるために、上記7点に気をつけてくれるといいなと思います。
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