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投資番組として「スーパー競馬」を見る

フジテレビ日曜午後3時からの「スーパー競馬」は、ほぼ毎週見る番組だ。私は、週のテレビの視聴時間がトータルでだいたい5-6時間なのだが、その中の1時間弱を占める。私が、最初に見たダービーはシンボリルドルフのダービーだったから、もう20年くらい見ていることになる。

競馬も株式投資も、お金を使い、あわよくば儲けようと考える人が興味を持つ点がよく似ている。ところで、この毎週見ている「スーパー競馬」を株式投資番組の視点で見ると、なかなか「大変な」番組であることが分かった。

番組に登場する専門家は、株式投資に世界でいうと、アナリストか投資評論家のような立場だが、彼らは、堂々と「個別銘柄」(=具体的な馬)の名前を挙げて、良し悪しを言う。しかも、「ディープインパクトから馬単二着流しで○▲・・・」とか「3,5,8,9番の馬連ボックス」といった調子で、「投資配分」まで言うではないか。また、専門家ばかりでなく、女性司会者も予想を述べ、買い目を提示する(それにしても、馬の名前や数字はもう少しきちんと読んで欲しいなあ・・)。

個別銘柄の判断をテレビ番組で伝えるには、十分な根拠(証券会社のアナリストの分析など)がないと、視聴者のクレームに耐えられないし、そもそも、個別の売り買い判断を伝える事に対して、テレビ局は消極的だ。しかも、投資の配分まで言うのだから、株式投資であれば、投資顧問業法の問題があるかも知れない。

加えて、こうした「情報」が流されているのは、馬券が買える時間であり、株式市場で言えば、出来高の多い、ザラバ中である。最近は、PCや携帯で馬券を買えるIPATなどで自宅に居てテレビを見ながら、馬券を買う競馬ファンが多いだろう(私もそうだ)。現実に、テレビで何と言ったかによって、オッズが動くこともある。投資番組で言えば、番組が、株価に影響を与えているのだ。

しかも、番組を見ていると、出演者達は自分で馬券を買っているようであり、その事を隠さない。隠さないばかりか、それをネタにした話題もある。株式投資番組であれば、インサイダー取引として大問題になるだろう。

しかし、番組全体は明るいし、競馬という題材を楽しませることに成功している。

各種の法律の問題を別とすると、競馬情報番組と、株式情報番組に、本質的に大きな差はない。前者は、オッズが実現するか否かにレースが介在する点が、オッズそのものの変化に賭けるような株式投資と異なるが、たとえば、番組の内容でオッズを意図的に動かすことで、何らかの収益機会が生じることは同じだ。お金の損得に直結している点も同じだ。

競馬評論家の場合「普通は外れるものだ」(吉田さん、井崎さん、ごめんなさい!)という了解があるから、「馬券の購入はご自身の判断で」とテロップを入れなくてもいいのか。だが、考えてみると、アナリストやファンドマネジャーの能力も、投資成績で正しく評価する限り、競馬評論家と変わるものではない。テレビ番組で、個別の株式について話すことに関しても、もっと大らかでいいのかも知れない。

もっとも、「どうせ外れるのだし・・・」という前提条件で、誇り高き金融マンたちがテレビに出て、自分の見解を話してくれるかどうか。また、「それでも話したい」という自称評論家などの専門家の中には、アブナイ(色々な意味で)人も入ってくることだろう。

ただ、どうせ外れるかもしれないという前提の下で、金儲けや情報を大いに楽しむという競馬番組のあり方は、投資番組を考える上で参考になるように思う。「儲けるための」「有益な情報を届けます」とかしこまっている間は、投資番組は面白くない。投資に関わる情報そのもの、あるいは運用そのものを「深く楽しませる」番組が見たい。
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コメント
 
 
 
この番組はフィクションであり・・・ (ny)
2006-08-23 17:03:25
評論家やアナリストは「予想を当てる」ことを仕事だと思っていて、視聴者はそれが当たる物なのだと思い込んでいる、という構図はもうそろそろ崩れ始めるのではないかと思います。



近年はインデックス投資やバリュー投資が流行ですから、プロの予想が思った以上に当たらない事はだんだん広まってきているのではないかと思います。



「利益予想をもとに株価を予想する」のは間接のゆるいマジックハンドでモノをつかむようなモノだ、と表現したのは確か山崎さんだった思いますが、そういったやり方は、沢山ある投資手法の中でもトップクラスに難しいモノではないかと思います。



投資番組を娯楽として楽しむには、この番組はフィクションであり・・・などのテロップを入れるというのはどうでしょう?
 
 
 
競馬ファンでないのにコメントしてごめんなさい (bun)
2006-08-23 18:39:06


私も若かりし頃、大井のトゥインクルレースなんかもはじまって、競馬がだんだん楽しくなってきた、そんな時期もあったのですが、絶対の自信をもって迎えたとある年のエリザベス女王杯に敗れてそれを最後に失意とともに引退しそれっきりです。



あのときの実況がいまだに耳から離れません。「おっとびっくりダイユウサクー」という。

 
 
 
まるでド素人で済みませんが (のんきなとうさん)
2006-08-23 18:58:31
えーと競馬の場合はいわゆる高率な寺銭が取られて、結局はみんながソンをして、胴元が大きな利益を得るという周知公然の前提がありますよね。(それがなんとか組だか公共機関だかは別として)。だからみんな遊びと心得て評論も楽しむわけでしょう。株式投資は胴元が寺銭を稼いで参加者はほとんどソンをすると言うあっけらかんとした原則は存在するのでしょうか。そうでないとすると仲々仰るような楽しい解説評論の場は出来上がらないでしょうね。

以前のいわゆる大手が適当にやって結局素人衆が身ぐるみはがれるの常識だったマーケットならゲーム感覚の解説もなりたっかも知れませんね。「巫山戯るな。そんなマーケットは昔から無かった。馬鹿者!」 というお叱りがあればもちろん株式も競馬も知らないド素人としては素直に引き下がります。お邪魔いたしました。

 
 
 
投資番組のタイトル (山崎元)
2006-08-23 19:08:40
nyさま



プロの予想がどれくらい当たらないものかが、本当に十分に知れ渡っているのかについては、正直なところ、まだまだ大いに心配があります。



プロ自体がハッタリをかますし、たまたま自分が幸運だったプロ(一定の割合必ず存在します)は勘違いしているし、番組制作者は、しばしば、安易に「視聴者目線」(≒儲かる情報を提供します!路線)に立ちたがるでしょう。



たとえば、そもそも番組名から「大外れ(でも、面白い)! 株式投資相談所」とでも名乗るのはどうでしょうか。



「当たる」ことを売るのではなく、「当たり・外れ」を(あくまでも副次的に)楽しむのでないとダメだと思いますし、当たり・外れ抜きで面白い内容の番組を作らないと、長続きしないと思います。



かつて、BSジャパンで放映していた「ルック@マーケット」は”面白い”の部分で、かなりいい線を行っていたと思うのですが、あの番組が打ち切られてから、同様の路線のもっと先にチャレンジする番組は出ていないようです。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-08-23 19:26:56
>bunさま



「おっとびっくりダイユウサクー」は有馬記念ではなかったでしょうか。確か、メジロマックイーンか何か、強い本命がいて、2500mでは距離が長過ぎると思われていた、ダイユウサクは全くの不人気であったような。もちろん、あのレース、私も損をしています。



>のんきなとうさん様



確かに、競馬の寺銭の大きさは格別ですね。ただし、株式投資番組で、「儲けさせます」をコンセプトにするのは、やっぱり無理だと思います。時々の相場にも影響されます。



また、「収益獲得という意味で専門家にさしたる能力がない」という点は、競馬と株式投資で、さほど違いはありません。オッズとか株価の形で情報が価格に反映する「市場」という仕組みの威力です。
 
 
 
Unknown (ずんちゃか)
2006-08-23 20:16:33
またもTBさせて頂きました。割安馬券のことなど駄文を記しております。



キャラクターとして楽しめる、そういう意味での面白さについては、競馬界の井崎大先生に対し、日本株の世界では北浜御大がいらっしゃるわけで、彼をうまくプロデュースすることで仰るような楽しめる投資コンテンツができるのではないかと思います。



最近、「行列のできる法律相談所」「大改造!!劇的ビフォーアフター」など、過去あまり日の当たらなかった世界のプロの仕事ぶりやコメントを(極めて表層的ながら)バラエティ化して愉しむ文化・層がそれなりに形成されており、投資の世界ももう一歩踏み込むことで、現在の「不労所得」「相場師」的な世間一般の見方からほんの少し地位の向上を図れる段階に来ているのではないか、そんな風に思います。無論、そのイメージを助長するようなコンテンツでは仕方がないのですが。



しかし山崎さんのメディアに対する興味がこちらの方向に向いてくるとは、少々意外でした。レギュラー出演者:山崎元・板倉雄一郎・北浜流一郎・若林史江、司会:松尾貴史ってな深夜枠の投資バラエティ番組を想像してしまいました。うわ、見てぇ・・・。
 
 
 
Unknown (ny)
2006-08-24 02:08:25
山崎様



最近はデイトレードや短期での大もうけをうたう本に混ざって、真っ当な本もそれなりに売れているようなので、勉強熱心な投資家はもうプロの言うことなんてアテにしていない、というイメージもあったんですが。まだまだ一部なんでしょうか。



株の深夜番組はそろそろ出てきてもよさそうなものですね。

ワイドショーでよくやっている、新聞の記事を読み上げて、それにコメンテーターが短くコメントするコーナーがありますが、あれを株雑誌でやってみると面白いのでは。

アナリストのもっともらしい利益予想+株価予想というのは、ある種滑稽と言ってもいいような常套句のオンパレードですから、茶化すにはもってこいの素材だと思いますね。



深夜ではないですけど、日曜朝の儲かりマンデーなんて結構面白いと思うですけど、山崎さんは出演依頼などないんでしょうか。
 
 
 
投資? (傘寿生)
2006-08-24 09:39:06
最近、JMMでこのブログを知り愛読しています。



小生、20年前に無事職を終え、今は年金暮らしをしています。

お恥ずかしい話ですが、退職時、僅かな退職金を少しでも増やそうと、当時、人気?だった「金」を購入したのです。



株も全くの素人、手を出す気持ちもなかったのですが、息子が会社に入った時、少しでも息子のためになるのでは・・と思い、その会社の株を購入しました。

同時に巧みなセールスマン薦めに乗って、丸○と投資信託一件を購入することにしました.



その結果、金は約3年後、半減した頃に諦めて売却、昨年、息子から「会社が危ないので早く売るように・・」と知らせがあり、これも慌てて半減以下で売却したのです。

丁度、投資信託も満期になり3割強の損でした.



結局、その後も何となく残していた丸○を、傘寿を迎えての清算の意味で売却したのですが、年初の最高値で処分でき、これが唯一の慰めとなりました。



因みに金は元値を越えましたし、息子の会社の株は存続していて、現在でも売却時の30%以上の高値をつけています.

今つくづくと思うのですが・・「投資」は源資を超えるまで長く持つもの・・・だと。

 
 
 
ところで (山猿)
2006-08-24 12:17:21
話変わってすみませんが、北越製紙のTOB問題がまた新しい様相を見せてきましたが、山崎先生はどう御覧になりますか。新しいエントリーを立てて論じられるのでしょうか。興味しんしんです!
 
 
 
競馬と株式投資の違い (toyshop)
2006-08-24 22:10:46
いつも、楽しみにしています。

最近、山崎さんのネタが幅広くなったために私も勉強することが増えました。



どういう点で、エンターテイメントとしての投資番組が

難しいか私なりに考えてみました。



競馬が、エンターテイメントして楽しめる理由は、

マイナスサムだからではないかなと、考えました。



競馬の場合、マイナスサムのため、

評論家が買い推奨しておいて、本人は実は売るという利益相反(?)に相当する行為(例えば、本人の買っている馬券と違う馬券を推奨することが考えられるが、これで競馬評論家が得をするとは思えない。結局、JRAに持ってかれる。)ができないので、視聴者側も素直に楽しめるのかな、と思いました。



もし、推奨した馬券の売り上げの何%を手数料としてJRAから評論家が受け取っているとなったら、多分楽しめないですよね。(殺される評論家もでそうです。)



株式の場合、期待値がゼロに近い分、プラスにもマイナスにも簡単に転ぶので、言っていること(推奨している投資行動)とやっていること(本人が実行している投資行動)が違うんじゃないか?と疑ってかかってしまうので、エンターテイメントとするのが難しいところではないでしょうか?



競馬の場合、参加する人は期待値ではみんな敗者なので、共感(「お互い、負け戦の戦友」ぐらいの感じ)しやすい一方、株式投資は互いに「味方のふりしているが、実は敵じゃないか?」と常に疑心暗鬼になってしまうからではないでしょうか?



 
 
 
はじめまして。 (まさくん)
2006-08-24 22:16:23
こんばんわ。

はじめてコメントいたします。

競馬は、僕も数年ほど前に、5、6回ほどやったことがあります。

悪友に誘われて中山競馬場に行ったのが、僕が競馬を知ったきっかけです。

少し勝った事もあって、競馬の本も読みかじったことがあります。

その本の中で、「たかだか、一冊千円ほどの本で、必ず勝つ方法を教えてくれるようなお人好しトンマはいないのである。」と書いてあったのが、妙に印象に残っています。

そして、僕が競馬から遠ざかった理由は、あの、競馬場やWINDSでの独特の”異臭”と、短時間で勝敗が決まる”あっけなさ”です。

でも、ごく短期間の馬券買いの経験で、「お人好しのトンマはいない」という教訓を得たことは、僕の宝物の一つとなっています。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-08-24 22:32:37
>ずんちゃか様



司会、松尾貴史というキャスティングはいいかも知れませんね(もっとも、私は彼のことをよく知るわけではありませんが。あくまでもイメージとして)。頭が良くて、投資の本質を良く理解している人でないと、他の出演者のトークを整理できません。中途半端に投資通だと、我流の思いこみがあったりするし、チャートに凝ったり、外人ファンドマネジャーに感心したりするので、ダメです。



>nyさま



「儲かりマンデー」は一度出たことがありますが(VTR出演も含めると二度)私は朝早くに起きていないので、まだ見たことがありません。私が出たときは、タレントの「はなわ」さんがゲストで、なかなか数字が出た(視聴率の)回だと聞いていますが、投資そのものを話題にするような内容ではありませんでした(たしか「県民性」の話がテーマでした)。あの番組自体は、楽しい番組だったので、ご縁があれば、喜んで出たいと思っています。



>傘寿生さま



いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。



投資は、難しいですね。こうすれば「絶対にいい」という方法はないので、どこかを運に任せなければなりません(よく言う駄洒落は「運を用いるから運用」です)。



あくまでもセオリーで言えば、まず、原資=元本にこだわって判断してはいけませんし、株式を持つことは生産への資本提供ですから「投資」ですが、金(gold)を持つことはそれ自体が生産活動に参加していないので、経済的性質としては「投機」です。



ただ、セールスマンの薦めに影響されてはダメというのは、普遍的に言えそうな話ですね。



>山猿さま



北越への王子のTOBはどうやら成立しないようですね。ただ、今後、正しくは860円、少なくとも800円の株価を割らないように北越を経営しないといけないのは、なかなか大変かも知れませんね。今後、それが可能なら、王子のTOB価格が低すぎたということでしょう。アドバイザーの野村證券の失敗です。さて、どうなることやら。



新しいエントリーを立てるかどうかは、思案中です。



 
 
 
Unknown (ny)
2006-08-25 02:37:55
山崎様



はなわさん、という事は雪国もやしの回でしたっけ。それとももっと昔の出演でしょうか。勘違いしてました。スイマセン。。



今回の記事は「根拠のないことをさも真実かのように語る」講釈師のような人間が余りにも多い証券・運用業界にたいする、痛烈な皮肉でもあると思います。



今後の投資アドバイスの真っ当な方向性としては、山崎さんの書かれたように競馬予想と同様に外れる事を前提とするか、より厳しく法的に整備するかの両方を突き詰めていくことではないかと思います。



個別銘柄のアドバイスに関しては投資顧問業法がありますが、手法に関するアドバイスは無法地帯であり、間違ったアドバイスをしても何の法的責任も無いという恐ろしい状況です。

いうなればヤブ医者が放置されていて、医療被害を受けてもすべての結果は自己責任、とでもたとえられます。



雑誌やテレビは別にして、投資アドバイスを対面で行う個人(FPなど)や法人(証券会社や投資セミナー会社)には、医者のように法的な裏づけのある責任を負わせるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。



会計知識の無い人間が証券営業(しかもそれなりの大手会社で)を行っている実態を見ると、これはもう犯罪といってもいいのではないかと思うくらいあきれてしまいます。

 
 
 
Unknown (renny)
2006-08-25 11:51:07
「スーパー競馬」といえば、大川慶次郎さんが印象的でした。ご健在ならディープインパクト、ハーツクライをどのように評論されたか、と思っています。

ところで、競馬番組といえば、何度か競馬予想TV(http://www.fujitvcs.jp/keibayosoutv/index.html)という番組を見たのですが、ものすごいマニアックな「アナリスト」が毎度数名出演されて、しかも自分で自腹の買い目、金額を開示されています。時折とんでも無い馬券を当てている人がいて、ビックリします。
 
 
 
馬主になってしまうとか? (Blessings)
2006-08-25 13:51:56
またまた祖父の話になりますが、彼は若い頃(たぶん今から5,60年ほど前)自分の馬に乗って近くの河原で開かれていた競馬をよく見に行っていたらしいです。牧農地帯でも何でもない地域の河原でのいわゆる草競馬に親戚が出していた何頭かの馬を見物に行くのを楽しみにしていたそうですが、(本人は一度も賭けたことはないそうです)そんな娯楽が近くにあったとは何とも風流(?)な気がしました。そのせいかどうかわかりませんが、祖父は認知症が進んでも日曜午後の競馬番組にはじっと見入っていました。彼の影響でうちは気付いたらカレンダーからブランケットにいたるまで「馬」物です。



最近、あるカード会社が小口で馬主を募るプランを発売していました。そのプランも夢があっていいと思いましたが、何より将来のホープ候補の全体写真や情報の詰まったパンフレットが欲しくて取り寄せてみました。

これがどのくらい有効な投資になるのかは未知数ですが、自分で発掘した馬を自分で育ててみるような気分を味わうだけでも十分楽しめるのではないかと思いました。私自身はそれとは関係なくパンフレットの美しい馬の姿を眺めるだけで満足してしまっていますが。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-08-25 16:03:43
>nyさま



運用の「手法に関するアドバイスは無法地帯」とは、まったく仰るとおりです。



考えてみると、私は、証券時代(90年代)は投資手法に関する情報提供をして、お客様から注文を頂く形の商売をしていましたし、その後、投資の手法に関わる本を何冊か書いています。実質的な違法行為になっていないことを祈っておりますが・・・。



手法に関するアドバイスや投資判断に関する情報提供に関して、ある種の基準や規制が必要なことも確かだと思うのですが、完全な規制はなかなか難しいし(下手に規制するとむしろ違法者に収益が生じる)、ある種の活力を奪うことも事実です。



何はろもれ、「投資に旨い話はない!」というプロパガンダを、政府も一緒になって、社会教育として積極的に行うことがいいのではないか、というのが私の意見です。しかし、現実には、この種の教育の担い手は、金融関係者であることが多く、結局、「貯蓄から、投資へ」(≒皆さん、もっと手数料を払いましょう!)という話になってしまうのが悩ましいところです。



>rennyさま



大川慶次郎さんは懐かしいですね。私は、レースの最後の直線で、メジロライアンに向かって思わず「ライアン!」と声が出た有馬記念と共に、「大川さん、これまで生涯通算で、競馬の収支は幾らですか?」と番組中に質問したバカなタレント・ゲストに、「うん。5億(円)くらいやられてるね」と平然とお答えになった場面が忘れられません。



>Blessingsさま



一口馬主は、あまり儲かりませんが、一つの楽しみ方ですね。私も何頭か持ったことがあります(代表は準オープンくらいで細く長く活躍したシンボリフォルテかな)。馬一頭の維持費を口数で割ったものが費用として、投信の信託報酬のようにかかるので、気を付けて楽しんでください。
 
 
 
知りませんでした (Blessings)
2006-08-26 02:02:36
私は、スポンサー募集(一口馬主と呼ぶのですか)は、なかなか良いアイデアの新商品だと思っていました。そんなに昔からあったのですか。それも山崎先生は既に出資経験者とは..(!)。購入に至った経緯や感想など、いつか機会があればお聞かせいただければと思います。



さて、今朝の(厳密には昨朝の)得ダネ!のおすぎさんのコーナーでは良い作品が取り上げられていましたね。今回のあのコーナーの雰囲気はいつもと違っていました。初めて得ダネが良い番組だと思いました。
 
 
 
おすぎさんのコーナー (山崎元)
2006-08-26 10:10:52
Blessingsさま



おすぎさんのコーナーは、毎週新作で素晴らしい映画があるはずもなく、傍目には、なかなか大変だと思って見ています(時々一言言いますが)。



今週紹介されたように、アメリカのドラマは制作のシステムも予算も競争も激しい中から出てくるので、ハリウッドの勘違い大作よりは、上出来のものが多いとの声をよく聞きます。私も見たいと思っているのですが、残念ながら、当面、時間がないのが悩みです。



そういえば、おすぎさん、今週は、大きな指輪に、ブレスレットなどをしゃらしゃらさせていましたが、本番中はお使いではありませんが、なかなかお洒落な老眼鏡をお持ちで、さすが!と感心しました。



一口馬主については別にエントリーを立てます。
 
 
 
Unknown (ny)
2006-08-27 07:24:05
山崎様



返信ありがとうございます。山崎さんでしたら、「犯罪者」を追求する側の立場の人だと思いますので、安心してよいかと思います。



山崎さんの正反対のような人で前々から胡散臭いなあと思っていたとある株式評論家がいたのですが、最近その人は対談形式のネットの記事でなんと投資の完全初心者にFXを薦めるという暴挙に出ておられました。

理由が「24時間取引可能だから仕事から遅く帰ってきても取引できるため」と、なんともあいた口がふさがらないような理由です。

他の金融商品と比べてなぜFXが良いのか、何の比較も説明もありません。



もしやと思ってページを進めてみるとやはりFXの会社とのタイアップ記事。

評論家を名乗るのであればタイアップなどとても考えれら無いと思うのですが。。



アドバイスの無法地帯と化している日本の現状に関してもぜひ改めてご意見を伺いたいものです。

 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-08-27 15:09:39
>まさくん様



「たかだか、一冊千円ほどの本で、必ず勝つ方法を教えてくれるようなお人好しトンマはいないのである。」とは至言ですね!



株式の世界は、動くお金が大きいだけに、この法則がますます強力に働いているはずなのですが、甘い期待をする情報の受け手が後を絶ちません。一つには、株式投資の場合、検証に時間が掛かるという難しさもありますね。



>nyさま



経済的なインセンティブの力は偉大です。FXといえば、さるFX会社主催のセミナーで、某東大教授が、「円だけで資産を持つのはリスクだから、先ず米ドルをたくさん持って・・・、」と滔々と外貨投資のススメをしていたのには驚きました。別の例としては、「主婦」を売り物にしているマネー・ライターも初心者向けの株本に信用取引のススメを書いたりしています。



評論家にも、FPにも、講演や原稿の依頼元に迎合する人はたくさんいますし、その場合、彼らの理解が曖昧であることが役に立っているようで、彼らは意図的にバカなのか、とさえ思うことがあります。



或いは、「評論家」ではなくて、「生活ジャーナリスト」とか「経済ジャーナリスト」など、ジャーナリストを名乗れば、何でも言えると思っているのかもしれません。



お金の問題は前提条件をハッキリさせれば、余程難しい問題以外は、結果論はともかく、意思決定として正しい答えは一つに決まります。そもそも「あれもあるし、これもある。一つに決まらない・・・」などと言っているいる人が怪しいというのは、怪しいアドバイザーの一つの見抜き方です。



もう一つ、別のタイプは、相場の流れが見えているかのように話をする人で、「これからは、住宅は買った方が良い」などと、マンション投資会社が喜びそうなことを、相場観に基づいて語るインチキ占い師です。



山崎元商店としては、こういうクズのようなマネー・アドバイザーが居る方が、叩くネタが多くて助かることもあるのですが、もう少し高いレベルで、やりとりをしたい、というのが本音ではあります。
 
 
 
意図的にバカ (ny)
2006-08-28 01:56:14
山崎様



たびたびの返信ありがとうございます。



意図的にバカ、とはすごい表現ですね(笑)。

確かにこの人は一体何を根拠にこんな事を言っているのだろうと思う人は沢山いますね。そういう人は大抵テクニカル信者です。



何年か前に、年収300万で有名な森永さんの著書で「ポジショントーク」という言葉を知りました。



ある特定のポジションにある人は、自分や自分と同じ立場にある人が損をするような事は絶対に言わない、というもので、投資アドザバイスを考える上で欠かすことの出来ない考え方だと思います。

これを知っているかいないかでかなり大きい差が生まれるのではないかと思うのですが、どうでしょか。



投資教育の担い手は金融機関だからその中身はポジショントークにならざるを得ない、という事でしたが、今後は手数料の急激な下落で方向性が変わってくると良いなあ、と期待しております。



松井証券の社長は「手数料をドンドン下げて、ブローキング(売買執行)業務のパイを小さくしてしまえば、野村みたいな図体のでかいところはやっていけなくなる」と語っています。



投資関連のアドバイスでは売買手数料が売り上げのメインである事が、ポジショントークの原因になっている面は非常に大きいと思います。

それに変わって預かり資産に対する手数料が金融機関のメインになれば、正確なアドバイスで客の資産を増やさない限り会社の利益も増えない、という良い意味での真っ当なポジションに金融機関も立てるのではないかと思います。



広告文句は、当社は平均でインデックスから○○%のアウトパフォームをお客様に実現させた!・・・みたいな感じでしょうか。



そうなればリスクをとらずに利益を得ているプールサイダー的な人種も態度を改めざるを得ないと思います。

少なくともFXは良いですよとか外貨貯金はいいですよ、なんて言うだけでお金を貰える立場の人はいなくなると思うのですが。



机上の空論ですかね。。。
 
 
 
ポジショントーク (山崎元)
2006-08-28 02:49:04
nyさま



「ポジショントーク」という言葉を私が最初に聞いたのは、為替のディーリングの仕事をしている時(23-24歳)で、トレーダーなどが、自分のポジションに有利な方向に人を誘導するために相場観などの意見を語る時に使われた言葉でした。



金融機関に勤めていたり、金融機関から講演・セミナーなどの依頼という「餌」を貰う関係にあったりする人は、トレーダーではありませんが、一種のポジションを持っていることは確かなので、モリタク先生の使われた意味のポジショントークと本質的には同じものだと思います。



さて、金融機関の収入源が、売買から発生する手数料(ブローカレージ・フィー)でなく、運用残高に比例して発生するような手数料(マネージメント・フィー)なら、ポジショントークがなくなるかというと、私は、懐疑的です。



実は、私は先に運用サイド(業界用語で「バイサイド」)の仕事に関わったこともあり、ブローカー側の仕事(「セルサイド」)を「汚い」と見る職業的な先入観を持っていた時期があったのですが、その後よく考えてみると、運用会社とて顧客にいかに過大な期待を抱かせてがっちり稼ぐか、という、マーケティング行為の「汚さ」から本質的に自由な訳ではありませんでした(気付いた時は、残念でした)。



たとえば、過去にいいパフォーマンスを挙げていても、今後がいいパフォーマンスかどうか、運用者は、自分でも分かりませんし、さりとて、成功報酬型の手数料はオプション価値のタダ取りみたいなもので、これも「良心的商売」の解決策にはなりません。「○○%アウトパフォーム」は、過去の結果に過ぎません。



それに、たとえば「ドルコスト平均法は、購入単価が下がるので有利ですし、相場の変動に影響されずに投資が出来るので、誰にでも勧められる投資の王道です」みたいな間違い(分からない人は拙著「お金をふやす本当の常識」でも読んでみてください)を平気で言って歩くマネー・アドバイザーを飼っていることは、販売会社だけでなく、運用会社にとっても好都合です。



害虫駆除は長期戦です。気長にプチプチ潰していきましょう。
 
 
 
Unknown (ny)
2006-08-28 20:53:05
山崎様



返信ありがとうございます。



なかなかいアイディアかと思ったんですけど、まだ駄目ですか。。



まあ、根本的な話をするとダメアドバイザーがあふれていた方がアドバイスを受ける必要が無い人にとっては良いんですけどね。

投資家のレベルが上がりすぎてしまうと利益を出すのも大変です。



日本がこ投資後進国としてまい進するのも、真っ当な投資家だけに限れば悪いことじゃないかもしれないです。

 
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