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小沢一郎氏は早急に民主党代表を辞任すべきだ

 西松建設の献金をめぐる容疑で小沢一郎民主党代表の公設第一秘書が逮捕され、小沢氏の政治資金管理団体が東京地検の強制捜査を受けた。この問題に関して、小沢代表は、記者会見で、政治資金の処理は適正であり何ら問題はないとの認識を示し謝罪をせず、さらに、総選挙が取りざたされる時期に行われた捜査自体が不適切だと捜査批判を展開した。

 しかし、ここまでの報道では、(1)西松建設の社員が構成員となり献金分が賞与で支給される政治団体からの小沢代表の政治資金管理団体への献金は実質的に企業からの政治献金であり、管理団体及び小沢氏の認識の如何に関わらず、政治資金の流れとして不適切であり、しかも、(2)西松建設は小沢氏をはじめとする献金先の政治家の影響力に期待してこうした献金を続けていた、という2点が明らかだ。

 (1)の点は、この献金が実質的に企業献金であるかどうかを受け取り側が認識していたかどうかが、政治資金規正法の観点から重要で、公設秘書あるいは小沢代表の有罪無罪に関わるが(おそらく、小沢氏本人は「秘書その他に任せていたので知らなかった」と言い逃れするのだろうが)、この点が有罪と立証されなかったとしても、西松建設から問題のある献金を受け取り続けていたことに対する政治倫理的な責任は免れない。
 小沢代表は、自分がこの点を認識していなかったことを強調するために、捜査自体が不当だと開き直って見せたのかも知れないが、お金の流れ自体に問題があることは明白なので、これに受け取り側として最大の金額で関わってきたことに関して、少なくとも「申し訳なかった」という謝罪が必要だったと思う。民主党の立場からすると、会見は失敗だった。
 仮に秘書の起訴が証拠不十分で見送られるような事態になっても、国民はこの点を見逃さないだろうし、当面、この問題が沈静化するとは思えない。
 一回あたりが数百万円単位の献金であったとしても、その出所(どんな相手なのか?、ヤバイお金ではないのか?)も意図(どうして献金してくれのだろうか?)も知ろうとしないということは異様である。現実問題としても、そんなはずはあるまい。
 また、今後(2)の点に関して、小沢氏側からの何らかの影響力の行使が立証されて、単なる献金ではなく賄賂であったとの嫌疑を受ける可能性もある。
 そもそも、何の見返りも期待できないのだとした場合に、西松建設がこのような面倒で且つ違法性の高い資金の流れを作ることが不自然だ(もちろんお金も使うわけだし)。

 私は、小沢氏自身が、一方で代表辞任は仕方がないと思っていて、その先の議員辞職を避けるために、初期の反応として「自分は知らない」と献金の不適切性について一切認識がなかったことを印象づけようとしているのではないかと推測しているが、資金に対する認識の如何に関わらず、彼が民主党の代表にとどまり続けることは不適当だ。
 民主党にとって、党の代表がこうした問題を抱えた状態にあることは大きなマイナスであり、一刻も早く解消しなければならない。問題は既に起こってしまったので、このトラブルの処理を考えなければならないが、党内から辞任を要求せざるを得ない状況になる前に、小沢代表自身が代表から身を引いて、後任者(岡田克也副代表が適任だと思う)に党を託するべきだ。民主党が政権交代を実現するためには、一日も早くそうすべきだ。
 道義的にマズイ状況は存在するのだから、引責は早く且つ自発的である方が印象がいい。「国策捜査」(そんなことはないと思うが)であろうとなかろうと、関係ない。追い込まれてから辞めることの対世論上のまずさは、近年、自民党の閣僚達が悪い見本をいくつも見せてくれた。
 西松建設から不明朗な資金を受け取っていた政治家は自民党にもいる。代表交代が早ければ、大きなマイナスにせずに次の総選挙を迎えられるのではないだろうか。

 小沢一郎氏は早急に民主党代表を辞任すべきだ。本当は、一転して大いに自己批判して、政界引退を発表するのが一番いい。
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