山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌68 -vol.3(中島記)

2018-05-09 21:37:55 | 練習日誌
 この練習日誌など、読んで下さっている方は少ないと思いますので、個人的に思うことを書いてみます。

 
 「音楽の素晴らしさ」は、どういうところにあると思いますか?

 酔いにまかせて言えば、私は、音楽の特性は「時間をあやつれる」だというところにあると思います。

 人間は、いやこの世に生きるものは全て、限られた時間に縛られている。1日のサイクル、1年のサイクル、そして一生のサイクル…。

 そこから自由になってみたい。

 それは現実には不可能ですが、しかし、人間の持つ、イマジネーションの世界であれば可能です。

 実際に、楽しい時間はあっという間だったり、苦しい時間は無限に長く感じられたりする。そんな「伸び縮み」みたいなものが感覚の世界には実在します。それを、音楽の世界では意図的に創り出せるのです。

 時間を操作することは、本来は人智を超えたもので、いわば神にしか許されないようなことですが、音楽というフィクションの中では「少しだけ」可能になる。それこそが音楽の醍醐味であると私は思います。


 初めてフルトヴェングラーやストコフスキーのCDを聴いた時にそれを感じました。あと、ピアノのフランソワ。

 音楽の息遣いに合わせて時空が歪むような感じがする。…高校の頃、夢中になりました。

 少しでも、そんな世界に近づきたい。…それが自分の原動力になっているような気がします。


 指揮者のいない弦楽四重奏をやっているのも、それが一番の理由です。自分たちで、時間の「ゆらぎ」を創り出せる。

 しかしそこには、正確な時間感覚が必要です。四人でそれを共有できれば、さらにそれをお客さんに伝えられればと思います。

チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。
 ただいま14箇所
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