浜坂へ来たなら、是非、寄ってみたい所があった。
浜坂は、孤高の登山家「加藤文太郎」さんの生れ故郷。
その加藤文太郎さんを顕彰して建てられた「加藤文太郎記念図書館」。
図書館の2階が、加藤文太郎記念図書館となっている。
開館の10:00を待って中に入る。
前にたんぼが広がり、近辺に立派な家が立ち並ぶ一角にある。
1階は、一般の図書館で、司書さんに声を掛けて2階へ上がる。
右の部屋が遺品などの展示室、左の部屋は、山岳関係の書籍を集めたコーナー。
加藤文太郎さんが愛用した品々が展示されている。
新田次郎著「孤高の人」は、この加藤文太郎さんがモデル。
作中、スキーのシーンでシールがはずれる場面などがあるが、このスキーだったのか・・・とか、
これでは、はずれても仕方ないなぁ・・・などと、小説の一こまを思い浮かべて興味深く展示物を眺めた。
28.5センチの登山靴。
竹製のストック。
スキーは、美津濃製とある。
随分昔からミズノはあったのだ・・・と、驚く。
遭難死に関する当時の新聞記事。
そのうちの1枚に、遺骨を出迎える写真があり、そこには赤ん坊を抱いた婦人の姿が写っていた。
それは、きっと奥様と生後半年ほどの赤ん坊だろう。
結婚してわずか1年で、夫に逝かれた奥様の心境を思うと、大事にしなきゃ・・・と、思う。
何を大事に・・・?
単独行だった加藤文太郎、ほんとに登ったかどうか疑われる事もあり、その証拠に登った山の写真を撮っていた。
それらの写真も飾られている。
展示内容の詳しい説明は、こちらの方のサイト参照。
驚いたのは、左側にある記念図書室。
山に関する書籍がずらり。
貴重な古い書籍の棚は施錠されていて、貸し出しは無理かもしれないが、閲覧は出来るようだ。
その他多くの書籍は貸し出し可能。
全国から貴重な山岳関係の書籍が寄贈されてくるらしい。
つくづく、浜坂の登山愛好家は幸せだなぁ・・・と、思った。
「孤高の人」を読んだ後のやるせない思いをひきずりながらこの記念館にやって来た。
しかし、こんな立派な施設に、加藤文太郎さんの足跡が残されている事が凄く嬉しく、浜坂は、単にカニだけの街でないと認識。