大木昌の雑記帳

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「子宮頸がんワクチン」の定期接種化の問題点-有効性・副作用・費用-

2013-05-31 21:18:29 | 健康・医療
「子宮頸がんワクチン」の定期接種化の問題点-有効性・副作用・費用-


政府・厚生労働省は4月から,子宮頸がんで年間2700人ほどが死亡している現状にたいして有効であると考えられる
予防ワクチンの接種を,小学校6年生から高校生を対象に,自治体への補助も含めて定期接種(無料化)とすることを
決めました。

たとえば栃木県大田原市で今年の5月に実施された事例では,1人当たり4万5000円を全額市が負担して小学6年
の女子334人のうち,329人の希望者に集団接種を実施しました。

ここで,子宮頸がんとワクチンについて三つ確認しておきたいことがあります。

まず子宮頸がんは,性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因とされており,厚労省はワクチン
接種によって予防できると考えています。

ただし,これは既に感染(必ずしも発病しているとは限りません)している場合には全く治療効果はありません。

したがって,まだ性行動に入る前の小学生から高校生までがワクチン接種の対象となります。

このため,上に示したように,接種は自治体の主導で学校単位の集団接種という形を取ることが多くなります。

この小学校の場合,98.5%の女子児童が接種を受けています。

二つは,子宮頸がんはワクチンを接種しなくても定期的に検診を受けることでほぼ100%予防が可能であることです。
これは厚労省も医師も一般に認めています。

以上を念頭において,ワクチン接種に関連した最近の動きをみてみましょう。

毎年,2700人から3000人が子宮頸がんで亡くなっていることを踏まえ,政府はワクチン接種でこれを減らすことが
できると考え定期接種を導入しました。

しかし,これまでにワクチン接種の副反応(副作用)であると考えられる2件の死亡および重症の事例を含む,
多くの被害者が発生しています。

こうした現実を背景として,ワクチン接種の被害者の保護者が中心となって組織された「全国子宮頸がんワクチン
被害者連絡会」は,厚生労働省にたいして,4月から定期接種(無料接種)を始めた子宮頸がんワクチン接種の
中止を求める嘆願書を提出しました。

これを受けて5月16日,子宮頸(けい)がんのワクチン接種後の健康被害が報告されている問題で,厚労省の
検討会は医療機関などから,報告されていない例も含めて実態調査を行うことを決定しました。

販売が開始された2009年12月から2013年3月末までに推定で,計340万人が接種を受け,副作用が認められ
たのは1926人(0.05%),このうち重篤なものは861人(0.025%)でした。(注1)

厚労省によると,製薬会社のグラクソ・スミスクライン製造のワクチンでは医療機関から1001件,製造販売会社
から704件,別の製薬会社(旧万有製薬)機関から1001件、製造販売会社から704件、別の製薬会社のMSD
(旧万有製薬)製造のワクチンは,医療機関から195件,製造販売会社から68件,接種後に何らかの異常な
反応があったとの報告がありました。

厚労省は,データが不足しているので,接種と副作用の因果関係は断定出来ないので調査は続けるが,定期接種
を中断する必要はない,という姿勢を貫いています。

私は,製薬会社と製造販売会社からの報告が本当かどうか,この点でも疑問をもっています。

『産経新聞』の電子版(2013年5月29日)は,ワクチンを接種することによって子宮頸がんを70%減少させる
ことが期待できること,「ワクチンで防げるがんは防ぎたい」という医師の声を引用しています。

つまり,ワクチンをしなくても定期検診さえしていれば,子宮頸がんはほぼ100%予防できるが,
この検診率が欧米先進国では60~80%であるのにたいして日本は20%に留まっていることが問題だ,
というのです。

ワクチン導入に積極的な人たちは,2006年にアメリカで承認されて以来,このワクチンは世界で100カ国以上で
使用され,既に1億人以上が接種していること,そして,それらの国では子宮頸がん病変の減少が認められている
ことなどを,主張の根拠としています。

しかし,こうした主張をそのまま受け容れるのは危険です。

子宮頸がんのワクチンが定期予防接種として認められた直後の3月28日,「生活の党」のはたともこ参議院議員
は薬剤師でもあり,その立場から厚生労働委員会の委員ではないのに特別にこの委員会での質疑を認められて質問
をしています。

この時の質疑応答の内容は新聞などであまり詳しく報道されていないので,重要な部分だけを引用しておきます。
なお,はた氏は自身のブログでさらに詳しい調査結果と解説をしているので,それも合わせて,ワクチンの定期接種
の問題点を要約しておきます。(注2)

まず,性活動をしている日本の女性の50%はHPVに感染しているが,そのうち90%は自然に排泄され自然
治癒しているので,何の症状ももたらさないことを厚労省も認めています。

次に,現在日本で認可されているワクチンはガーダシル(MSD社)とサーバリックス(グラクソ・スミソクラ
イン社)ですが,日本ではほとんどが後者です。

これらは16型と18型のウイルスに対してのみ有効である,という点が重要です。この二つは欧米に多いウイルス
のタイプですが,日本では52型と58型も高危険なウイルスです。

日本人の一般女性でHPVの16型に感染している人は0.5%,18型は0.2%です。うち,18型は日本では
自然治癒することが多いので,実際には,99.5%の人は感染していないウイルスのためのワクチン接種だった
ことになります。
厚労省も99.9%意味がないことを認めているようです。

しかも,万が一感染していても,発病する可能性はさらに低く,そして,たとえ持続的に感染して前駆病変が現れ
ても,適切に治療すれば100%治癒することは広く認められています。

ワクチンの問題は,その副作用にありますが,これについても現在使用されているワクチンにはかなり重大な問題
があります。

日本では医薬品として認可されるためには,その薬品の効果や有害性などを,人間に適用して確かめる「治験」が
義務づけられています。

主として日本で使われているグラクソ・スミスクライン社のサーリバックスについての治験は612例(年齢などは
不明)あり,そのうち99%に疼痛(筋肉注射時の疼痛だと思われる),発赤が88.2,腫脹が78.7%,
57.7%に疲労,その他,頭痛,吐き気,下痢などの胃腸症状,関節痛,発疹,発熱などの報告があります。

死亡例やショック・アナフラキシー様症状などの重篤なものについては,海外では報告がありますが,日本での
治験ではみられなかったために,「頻度不明」とされています。

『毎日新聞』(5月16日)に14才の被害者の保護者から寄せられた実例では,接種後に足や腕の痛みを訴え,
現在,歩行時には車椅子が必要となってしまい,今年の3月からは休学に追い込まれています。

他方のガーダルシアも危険がいっぱいで,アメリカ,オーストラリア,インド,韓国などでワクチン接種により
高頻度の重篤患者が発生しています。日本ではあまり普及していないガーダルシアを個人輸入で入手し使用して
いる日本人医師もいるようですが,非常に危険です。

これだけの問題がありながらも,本来欧米人に多く見られる16型,18型のウイルス用に開発されたワクチン
を日本の若年女子に定期接種を適用するのは,かなり問題です。

ワクチンが副作用をともなう危険をもっている上に,ワクチンの有効期限も不明なままです。一説には6~8年
と言われていますが,製薬会社はこれについて確かなことは言っていません。

さらに,ある意味で馬鹿げているのは,これらのワクチンの説明によれば,ワクチンは定期検診の代わりには
ならないから,かならず定期検診と併用することを謳っています。

定期検診をすればほぼ100%予防でき来ることがわかっているのに,なにもわざわざ危険を伴うワクチン接種
する意味は全くありません。

さらに私は,このワクチンを製造しているグラクソスミスクラインという会社(本社はイギリス)に,大きな
疑念をもっています。

この会社は,抗うつ剤としてよく使われる「パキシル」を製造販売していますが,パキシルが自殺の誘因となる
薬であるにもかかわらず不正販売促進したとの理由で訴えられ,2012年には医療訴訟の和解金としては全国史上
最高額の30億ドル(当時の為替レートで2400億円)を連邦政府と州政府に払っています。

さらに,この薬を売るためにホストの医師と「さくら」の被験者を使って宣伝させました。その際,その医師に
27万5000ドルのキックバックを支払ったこともあります。

また,未成年には使用できなことになっているこの抗うつ剤を,平気で販売していることもこの企業に対する
批判の対象になっています。

パキシルは,日本では何の批判もなくほとんど無制限に使用されています。そのため,2003年には310億円,
2005年には450億円,2007年には590億円を,たった一つの薬だけで売り上げています。(注3)

また,以前,インフルエンザの世界的流行が懸念されたとき,そのワクチンを提供したのもグラクソスミスク
ライン社で,それが日本に到着したときには下火になっていましたので,ほとんど使用しないまま,廃棄され
ました。

この時の金額は1400億円でしたが,同社は途中解約を認めず,日本は全額払いました。

私は,ほとんど効果がない,あるいは意味のない子宮頸がんワクチンを日本の厚労省なぜ集団接種させようとし
ているのか,とうてい理解出来ません。

健康上の問題に加えて,経済的にも大いに問題があります。冒頭に引用した栃木県の例では,1人当たり
ワクチン接種費用は4万5000円でした。このうちいくらがグラクソスミスクライン社に入るのかは分かりま
せんが,仮に3万円としても,既に340万人が接種しており,これだけでも1000億円を超えます。

さらに,これから厚労省は,小・中・高校で女子にたいする集団接種を公費で行おうとしています。これまで
グラクソスミスクラインがやってきたことを考えると,どうしてもこの会社も厚労省も信用できません。

実質的な効果がなく,反対に危険をはらんだワクチンに日本は莫大なお金をグラクソスミスクライン社に与える
ことになるのでしょうか?

医療の問題はいつも,「因果関係が確認できない」という言い方で歴代の政府は対応をごまかしてきました。
その結果,水俣病やサリドマイド禍で,多数の悲惨な被害者を出してきたのです。今回の子宮頸がんワクチン
の定期接種は是非止めるべきです。



(注1)これらの数値については,新聞や製薬会社,医療機関によって異なるが,次の新聞やインターネットサイトを参照されたい。
『毎日新聞』(2013年5月16日)
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201305160077.html (『朝日新聞』電子版 2013/5/16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1600X_W3A510C1CR0000/ (『日本経済新聞』 電子版 2013/5/29)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130529/bdy13052907530001-n2.htm (「産経新聞ニュース」 電子版 2013/5/29)

(注2)この時の質疑応答の映像は,http://memogoldentama2.blog.fc2.com/blog-entry-333.html 
(ブログ 「放射能・災害・経済関連ニュースメモ」2013/4/7 )に埋め込まれた You Tubeでみることができます。また,畑ともこ氏は氏のブログでさらに詳しく説明しています。
http://blog.goo.ne.jp/hatatomoko1966826/e/e20a38c2b991d514c59fcf958644094d.

(注3)パキシルの問題に関しては,さし当たり,
http://www.news-postseven.com/archives/20120806_132299.html (2013/05/31参照)
http://www.yakugai.gr.jp/inve/fileview.php?id=67 (2013/05/31 参照)
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