安保法案は無効化できます―カギは来年の参議院選と支持率―
安倍政権は,安保関連法案を衆議院で強行採決までして通過させ,7月27日から参議院での審議に入りました。
憲法学者のほとんどは,法案は憲法違反の疑いが極めて高いと考えています。しかも,改憲という正規の方法をとらず,
まるで裏口入学のように,こっそりと解釈の変更で憲法の実質的な効力を葬ってしまおう,という立憲主義を根底から
否定する蛮行です。
いくら反対しても,現在の衆議院の議席数を考えれば,たとえ参議院で賛成を得られなくても,そして最悪でも「60日
ルール」を用いれば法案は,通ってしまうかもしれません。
それは,それで仕方ないかもしれませんが,たとえ法律が通っても,それで終わりではありません。
今すぐ,廃案にすることはできませんが,安保法案を実際に使用できなくする,言い換えると無効化する方法はあるのです。
7月26日,野田市「9条の会」主催で行われた,柳澤協二氏の講演会(野田市中央公民館)に出席し,まだまだできること,
やるべきことはある,と力強い勇気を与えられました。
柳澤氏は1970年,東大法学部を卒業し,同年防衛庁(当時)に入省し,2002年1月,防衛庁長官官房長,同年8月,防衛庁
防衛研究所所長を経て,2004~2009年,内閣官房副長官補を務めた後,退官し,2011年からはNPO法人,国際地政学研究
所理事長に就任しています。
この簡単な経歴からもわかるように,柳澤氏は,防衛庁の文官として40年間,エリート官僚の道を歩んできた,防衛に
関するエキスパートです。
合わせて,内閣官房副長官という政治の中枢にもいて,政策の立案や実施についても実務的な知識を豊富にもっています。
現役かつてイラク戦争の際には,自衛隊をイラクに送った経験も持っています。
こうした経験だけをみると,柳澤氏は,体制寄り(政府・自民党寄り)の人物との印象を持ちます。
しかし,今回の安倍政権の安保関連法案に対しては,その内容が法律的にも実際的にもあまりにもひどく,しかも非現実的
であり,日本を間違った方向に導いてしまう,という強い危機感から,安保関連法案に非常に強く反対し,講演や著作を通
じて,その問題点を指摘しています。
たとえば,安保関連法案に関して出版された,『亡国の安保政策―安倍政権と「積極的平和主義」の罠』(岩波書店,2014),
『亡国の集団的自衛権』(集英社新書,2015)『新安保法制は日本をどこに導くか』(かもがわ出版)などは,彼の経験に
基づく,非常に貴重な著作です。
これらの本で何が書かれているかは別の機会に譲るとして,彼の指摘の中で,私が最も勇気づけられたのは次の点でした。
つまり,私たちは,一旦,法案が通ってしまったら,それで終わりだと思いがちですが,そうではありません。
安保関連法案を現実に使わせない,無効化する方法もあるのです。それは,参議院で,国会承認を拒否することです。
たとえ,自衛隊が集団的自衛権の行使が法律で認められていたとしても,実際に自衛隊を派遣するためには,国会
承認が必要です。
この国会承認は衆議院だけでなく参議院も同等の権利を持っており,しかも両院での承認が必要です。したがって,
もし参議院で否決されれば,派遣はできません。
なぜなら,法案の成立時には,「60日ルール」が適用可能で,たとえ参議院が否決しても,あるいは60日以内に議決
しなくても,再び衆議院に戻されて3分の2以上の賛成で可決できます。
ところが,この国会承認には「60日ルール」は適用されません。したがって,今回の安保関連法案があっても,実際に
自衛隊を動かすのはそれほど簡単ではありません。
そこで,非常に重要となるのが来年夏の参議選挙です,と柳澤氏は訴えていました。
まだ時間があるから,参議院選にむけて,少なくとも,現政権与党の議員を減らすこよう心がけましょう,と示唆していました。
これは,「戦争法案」である安保関連法案を無効化する,非常に重要なポイントだと思いました。
もう一つ,私は個人的に,選挙まで待たなくても,人々の内閣支持率を下げることも,政府に勝手なことをさせない大きな力
になると考えてきました。
安倍政権の支持率は,6月の調査と比べて,直近の7月18-19日の,日経新聞の調査でも,支持率は38%,不支持率は
50%を超えていました。支持率は6月と比べて10ポイント以上下がっています。
自民党の担当大臣の高村氏も官房長官の菅氏も「想定の範囲内」と言っています,支持率を気にする安倍首相も,内心では
相当,戦々恐々としているはずです。
私たちは,内閣支持に関するアンケートにでも当たらなければ,直接に支持率を下げることはできませんが,自分にできる範囲
で,周囲の人に戦争法案の危険性を語り合い勉強することは必要だと思います。
ところで,政府は,集団的自衛権の発動に先だって,「原則として」国会の事前承認を必要とするとは言っています。
しかし,緊急事態につき,事前の審議は間に合わない事態だから,事後承認にする,という詭弁を用いるでしょう。
また,政府は自衛隊を派遣する理由も目的も,すべて「秘密保護法」を口実として,一切,明かさないかもしれません。
しかし,もし,国民の代表である国会の事前の承認もなく,自衛隊派遣の理由も目的も明らかにしないで集団的自衛権
を行使(実際には戦闘行為を)したら,戦前の日本が満州,中国で経験したように,いつの間にか,日本は泥沼の戦争
にのめり込んでしまいます。
これには,さすがに国民の間にも,与党の中でさえ,反対が多いでしょうから,政府としても,国会を無視した軍事行動
を繰り返し発動できるわけではありません。
もっとも,来年の参院選の結果次第で,安倍政権がそのまま続くかどうかも分かりませんが・・・・・。
参議院選は来年の夏なので,政府は,多くの国民はバカだから,きっとそれまでには安保法案のことなど忘れている
だろう,と高をくくっています。
自民党の実行部は,国民をこの程度に見下いしているのですが,実に国民をバカにした話です。
おそらく,「アベノミクス」という目くらまし戦略が予想以上に効を奏し,高い支持率を得ることができたので,安保法案
もうまくゆくだろう,との驕りと慢心があるのでしょう。
ただし,柳澤氏は,人は怒りを長い間持ち続けるのは難しい,だから,すくなくとも来年の参議院選挙まで,この問題を
考え続け反対の声を上げ続けるる努力が必要です,とも言っていました。
もちろん,この問題は参議院選のあとも,日本という国が立憲主義国家であり,民主国家であり,さらに平和憲法をも
った誇り高い国であることを守ってゆくためには,これからもずっと続く長期の戦いになるので,その覚悟が必要で
あることも語っていました。
これらの崇高な理念は,何もしないでただ与えられることはありませんから,それが侵される危険があったら,反対の
声を上げる,不断の努力が長期間必要だということも再認識しました。
私は昨日(7月27日),若手弁護士が立ち上げた「憲法を考える千葉県若手弁護士の会」の第1回の「未来のための
憲法講座」に出席しました。
この日には,日弁連憲法対策本部副部長の伊東 真氏の講演がありました。伊東氏も,多くの著作や公演で,今回の
安保法制反対の活動をしています。
その彼も,今回の安保法制に対する戦いは,非常に長期間にわたる,ひょっとすると,30年,100年という単位で続け
る必要がある,と述べていました。
私たちは,なにげなく「戦後70年」という言葉を口にします。しかし,よくよく考えてみると,これは「最後に戦争をしたのは
70年前」,同時にそれは,「それ以後70年も戦争をしてこなかった」ということも意味しています。
アメリカのように,第二次世界大戦以後,今日までどこかで(20か所で)戦争をしてきたことを考えれば,日本がこれほど
長期に戦争で人を殺し,殺される経験をしてこなかったことは,とても誇れることです。
それには「憲法9条」が大きな柱となってきたことは確かですが,自民党も含めて国民的意志として,二度と戦争はしない,
という強い意志を持ち続け,努力もしてきたからこそ可能だったと思います。
実際,これまでも,自衛隊が戦争へ参加するよう,アメリカの強い要請が何度もありました。とりわけ中曽根首相時代には,
自衛隊を派遣しようとしまいしたが,ギリギリのところで世論と自民党内部の抵抗もあって,実現しませんでした。
こうした経緯については,柳澤氏が自身の体験も含めて豊富な事例を上に挙げた著作で示しています。
伊藤氏も,「戦後70年」とは言わず,「戦後100年,200年」という長期にわたって,戦争のない時代を伸ばしてゆく必要が
あることを訴えていました。
ただ,心配なのは,安倍首相のように戦争体験のない世代が,戦争の悲惨さ,虚しさを知らずに,「強い国」を目指そうとして
いることに危惧を感じる,とも語っています。
現在,憲法と立憲制を守れ,戦争法案反対,違憲立法反対の動きが性別,年代,地域を超えて広がっています。大学生が立
ち上げたSIELDsの呼びかけで,多くの大学生がデモに参加し,最近では高校性も声を上げ始めました。
これらは,近年にない国民的な動きと言っていいと思いますし,それはそれですごく重要だと思います。
しかし,柳澤氏の講演でも伊藤氏の講座でも強く感じたのは,こうした大枠での抗議活動と同時にもっと,具体的に,どこがどの
ように間違っているのか,おかしいのかを勉強する必要があるということです。
今さら,という感じはしますが,今回の安保関連法案がなぜ,違憲なのか,そして解釈改憲がなぜ立憲主義の否定になるのか,
などをもう一度しっかりと理解する必要があると思います。
憲法の条文をもう一度学び直すことも一つです。また,自民党が出している,集団的自衛権が行使できる15の事例が,一つ一つ
がいかに非現実的であり,憲法や自衛隊法に照らして無理があるかを理解することです。
柳澤氏は,上記の著作で,非常に分かり易く解説していますし,伊藤氏は,かなり具体的に法的な問題(少なくとも80~100,
あるいはそれ以上)があると言っています。
最後に,伊藤氏の講座でとても強く印象に残ったことばがあります。
政府は,先進国の中で集団駅自衛権を認めていないのは日本だけだ,だから日本も「普通の国」になるために,集団的自衛権を
認めるべきだ,といます。
他の国がこうだから,日本もそうなるべきだ,というのは理由にはなりません。
個人個人に個性があるように,国の形にも個性があっていいし,それを尊重すべきだ。
これは日本国憲法でも謳っている,個人の尊重の理念とも重なります。
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ある朝の,トマト(大,中,小),キュウリ,オクラの収穫。苗は大玉2本,中玉2本,ミニが1本です。

葉に隠れて見過ごしたキュウリが,巨大化してしまいました。これも1本の苗から,ある日1日で採れた分です。

ミニトマトは,干して,ドライトマトにします。これは冷凍して置くと,パスタやスープに1年中使えます。
安倍政権は,安保関連法案を衆議院で強行採決までして通過させ,7月27日から参議院での審議に入りました。
憲法学者のほとんどは,法案は憲法違反の疑いが極めて高いと考えています。しかも,改憲という正規の方法をとらず,
まるで裏口入学のように,こっそりと解釈の変更で憲法の実質的な効力を葬ってしまおう,という立憲主義を根底から
否定する蛮行です。
いくら反対しても,現在の衆議院の議席数を考えれば,たとえ参議院で賛成を得られなくても,そして最悪でも「60日
ルール」を用いれば法案は,通ってしまうかもしれません。
それは,それで仕方ないかもしれませんが,たとえ法律が通っても,それで終わりではありません。
今すぐ,廃案にすることはできませんが,安保法案を実際に使用できなくする,言い換えると無効化する方法はあるのです。
7月26日,野田市「9条の会」主催で行われた,柳澤協二氏の講演会(野田市中央公民館)に出席し,まだまだできること,
やるべきことはある,と力強い勇気を与えられました。
柳澤氏は1970年,東大法学部を卒業し,同年防衛庁(当時)に入省し,2002年1月,防衛庁長官官房長,同年8月,防衛庁
防衛研究所所長を経て,2004~2009年,内閣官房副長官補を務めた後,退官し,2011年からはNPO法人,国際地政学研究
所理事長に就任しています。
この簡単な経歴からもわかるように,柳澤氏は,防衛庁の文官として40年間,エリート官僚の道を歩んできた,防衛に
関するエキスパートです。
合わせて,内閣官房副長官という政治の中枢にもいて,政策の立案や実施についても実務的な知識を豊富にもっています。
現役かつてイラク戦争の際には,自衛隊をイラクに送った経験も持っています。
こうした経験だけをみると,柳澤氏は,体制寄り(政府・自民党寄り)の人物との印象を持ちます。
しかし,今回の安倍政権の安保関連法案に対しては,その内容が法律的にも実際的にもあまりにもひどく,しかも非現実的
であり,日本を間違った方向に導いてしまう,という強い危機感から,安保関連法案に非常に強く反対し,講演や著作を通
じて,その問題点を指摘しています。
たとえば,安保関連法案に関して出版された,『亡国の安保政策―安倍政権と「積極的平和主義」の罠』(岩波書店,2014),
『亡国の集団的自衛権』(集英社新書,2015)『新安保法制は日本をどこに導くか』(かもがわ出版)などは,彼の経験に
基づく,非常に貴重な著作です。
これらの本で何が書かれているかは別の機会に譲るとして,彼の指摘の中で,私が最も勇気づけられたのは次の点でした。
つまり,私たちは,一旦,法案が通ってしまったら,それで終わりだと思いがちですが,そうではありません。
安保関連法案を現実に使わせない,無効化する方法もあるのです。それは,参議院で,国会承認を拒否することです。
たとえ,自衛隊が集団的自衛権の行使が法律で認められていたとしても,実際に自衛隊を派遣するためには,国会
承認が必要です。
この国会承認は衆議院だけでなく参議院も同等の権利を持っており,しかも両院での承認が必要です。したがって,
もし参議院で否決されれば,派遣はできません。
なぜなら,法案の成立時には,「60日ルール」が適用可能で,たとえ参議院が否決しても,あるいは60日以内に議決
しなくても,再び衆議院に戻されて3分の2以上の賛成で可決できます。
ところが,この国会承認には「60日ルール」は適用されません。したがって,今回の安保関連法案があっても,実際に
自衛隊を動かすのはそれほど簡単ではありません。
そこで,非常に重要となるのが来年夏の参議選挙です,と柳澤氏は訴えていました。
まだ時間があるから,参議院選にむけて,少なくとも,現政権与党の議員を減らすこよう心がけましょう,と示唆していました。
これは,「戦争法案」である安保関連法案を無効化する,非常に重要なポイントだと思いました。
もう一つ,私は個人的に,選挙まで待たなくても,人々の内閣支持率を下げることも,政府に勝手なことをさせない大きな力
になると考えてきました。
安倍政権の支持率は,6月の調査と比べて,直近の7月18-19日の,日経新聞の調査でも,支持率は38%,不支持率は
50%を超えていました。支持率は6月と比べて10ポイント以上下がっています。
自民党の担当大臣の高村氏も官房長官の菅氏も「想定の範囲内」と言っています,支持率を気にする安倍首相も,内心では
相当,戦々恐々としているはずです。
私たちは,内閣支持に関するアンケートにでも当たらなければ,直接に支持率を下げることはできませんが,自分にできる範囲
で,周囲の人に戦争法案の危険性を語り合い勉強することは必要だと思います。
ところで,政府は,集団的自衛権の発動に先だって,「原則として」国会の事前承認を必要とするとは言っています。
しかし,緊急事態につき,事前の審議は間に合わない事態だから,事後承認にする,という詭弁を用いるでしょう。
また,政府は自衛隊を派遣する理由も目的も,すべて「秘密保護法」を口実として,一切,明かさないかもしれません。
しかし,もし,国民の代表である国会の事前の承認もなく,自衛隊派遣の理由も目的も明らかにしないで集団的自衛権
を行使(実際には戦闘行為を)したら,戦前の日本が満州,中国で経験したように,いつの間にか,日本は泥沼の戦争
にのめり込んでしまいます。
これには,さすがに国民の間にも,与党の中でさえ,反対が多いでしょうから,政府としても,国会を無視した軍事行動
を繰り返し発動できるわけではありません。
もっとも,来年の参院選の結果次第で,安倍政権がそのまま続くかどうかも分かりませんが・・・・・。
参議院選は来年の夏なので,政府は,多くの国民はバカだから,きっとそれまでには安保法案のことなど忘れている
だろう,と高をくくっています。
自民党の実行部は,国民をこの程度に見下いしているのですが,実に国民をバカにした話です。
おそらく,「アベノミクス」という目くらまし戦略が予想以上に効を奏し,高い支持率を得ることができたので,安保法案
もうまくゆくだろう,との驕りと慢心があるのでしょう。
ただし,柳澤氏は,人は怒りを長い間持ち続けるのは難しい,だから,すくなくとも来年の参議院選挙まで,この問題を
考え続け反対の声を上げ続けるる努力が必要です,とも言っていました。
もちろん,この問題は参議院選のあとも,日本という国が立憲主義国家であり,民主国家であり,さらに平和憲法をも
った誇り高い国であることを守ってゆくためには,これからもずっと続く長期の戦いになるので,その覚悟が必要で
あることも語っていました。
これらの崇高な理念は,何もしないでただ与えられることはありませんから,それが侵される危険があったら,反対の
声を上げる,不断の努力が長期間必要だということも再認識しました。
私は昨日(7月27日),若手弁護士が立ち上げた「憲法を考える千葉県若手弁護士の会」の第1回の「未来のための
憲法講座」に出席しました。
この日には,日弁連憲法対策本部副部長の伊東 真氏の講演がありました。伊東氏も,多くの著作や公演で,今回の
安保法制反対の活動をしています。
その彼も,今回の安保法制に対する戦いは,非常に長期間にわたる,ひょっとすると,30年,100年という単位で続け
る必要がある,と述べていました。
私たちは,なにげなく「戦後70年」という言葉を口にします。しかし,よくよく考えてみると,これは「最後に戦争をしたのは
70年前」,同時にそれは,「それ以後70年も戦争をしてこなかった」ということも意味しています。
アメリカのように,第二次世界大戦以後,今日までどこかで(20か所で)戦争をしてきたことを考えれば,日本がこれほど
長期に戦争で人を殺し,殺される経験をしてこなかったことは,とても誇れることです。
それには「憲法9条」が大きな柱となってきたことは確かですが,自民党も含めて国民的意志として,二度と戦争はしない,
という強い意志を持ち続け,努力もしてきたからこそ可能だったと思います。
実際,これまでも,自衛隊が戦争へ参加するよう,アメリカの強い要請が何度もありました。とりわけ中曽根首相時代には,
自衛隊を派遣しようとしまいしたが,ギリギリのところで世論と自民党内部の抵抗もあって,実現しませんでした。
こうした経緯については,柳澤氏が自身の体験も含めて豊富な事例を上に挙げた著作で示しています。
伊藤氏も,「戦後70年」とは言わず,「戦後100年,200年」という長期にわたって,戦争のない時代を伸ばしてゆく必要が
あることを訴えていました。
ただ,心配なのは,安倍首相のように戦争体験のない世代が,戦争の悲惨さ,虚しさを知らずに,「強い国」を目指そうとして
いることに危惧を感じる,とも語っています。
現在,憲法と立憲制を守れ,戦争法案反対,違憲立法反対の動きが性別,年代,地域を超えて広がっています。大学生が立
ち上げたSIELDsの呼びかけで,多くの大学生がデモに参加し,最近では高校性も声を上げ始めました。
これらは,近年にない国民的な動きと言っていいと思いますし,それはそれですごく重要だと思います。
しかし,柳澤氏の講演でも伊藤氏の講座でも強く感じたのは,こうした大枠での抗議活動と同時にもっと,具体的に,どこがどの
ように間違っているのか,おかしいのかを勉強する必要があるということです。
今さら,という感じはしますが,今回の安保関連法案がなぜ,違憲なのか,そして解釈改憲がなぜ立憲主義の否定になるのか,
などをもう一度しっかりと理解する必要があると思います。
憲法の条文をもう一度学び直すことも一つです。また,自民党が出している,集団的自衛権が行使できる15の事例が,一つ一つ
がいかに非現実的であり,憲法や自衛隊法に照らして無理があるかを理解することです。
柳澤氏は,上記の著作で,非常に分かり易く解説していますし,伊藤氏は,かなり具体的に法的な問題(少なくとも80~100,
あるいはそれ以上)があると言っています。
最後に,伊藤氏の講座でとても強く印象に残ったことばがあります。
政府は,先進国の中で集団駅自衛権を認めていないのは日本だけだ,だから日本も「普通の国」になるために,集団的自衛権を
認めるべきだ,といます。
他の国がこうだから,日本もそうなるべきだ,というのは理由にはなりません。
個人個人に個性があるように,国の形にも個性があっていいし,それを尊重すべきだ。
これは日本国憲法でも謳っている,個人の尊重の理念とも重なります。
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ある朝の,トマト(大,中,小),キュウリ,オクラの収穫。苗は大玉2本,中玉2本,ミニが1本です。

葉に隠れて見過ごしたキュウリが,巨大化してしまいました。これも1本の苗から,ある日1日で採れた分です。

ミニトマトは,干して,ドライトマトにします。これは冷凍して置くと,パスタやスープに1年中使えます。