大木昌の雑記帳

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北朝鮮問題(3)―安倍政権の対応は?―

2017-09-24 08:34:13 | 国際問題
北朝鮮問題(3)―安倍政権の対応は?―

9月に入ってから、北朝鮮のミサイルと核実験は、勢いがついたように続けざまに行われました。

9月3日には6回目の核実験が強行されました。北朝鮮中央テレビでは、今回のICBMに搭載可能な大きさに小型化に成功した、
と発表しています。

韓国やアメリカによる観測結果も、周辺でマグチチュード6.3の揺れを観測しており、これは水爆であることは、ほぼ間
違いないと発表しました。

ノルウェーの核研究機関(NORSA)によれば、この規模の核爆発は、120キロトン(1キロトンは、TNT火薬の爆発エネル
ギーの1000倍)に相当し、広島の15キロトン、長崎の20キロトンと比べても、比較にならないほどの威力をもち、
水爆であることは間違いない、との見解をしめしました。

安倍首相はこれに対して、「もし北朝鮮が核実験を強行したとすれば、断じて容認できず、強く抗議をしなければならない」
と官邸で記者団に話しました。

唯一の被爆国として、日本が核実験を非難することは、当然で、強く抗議すべきところです。

ただ、その抗議も、「断じて容認できない、」という決まり文句を繰り返すだけでなく、何か被爆国としての切実な表現を考
えて欲しいと思います。

すでに、前回の記事で書いたように、9月11日(日本時間12日)の国連安全保障理事会で、北朝鮮に対する制裁決議が行われた
3日後の15日の早朝、今度は長距離ミサイルが、日本の津軽海峡の上空を通過して、推定3700キロメートル飛んで太平洋に
落下しました。

この時、テレビ画面に「J アラート」(全国瞬時警報システム)が繰り返し映し出されました。

内容は、北朝鮮からミサイルが発射されたこと、外にいる人は安全な建物の中へ、家の中では窓から離れて、頭を低くしてくだ
さい、との警告と、不審な落下物があったら直ちに警察に通報するように、という要請です。

しかし、この「Jアラート」に関しては、幾つか疑問があります。

まず、ミサイルが発射されたことを知らせることは良いとして、この放送が流れたときには、既に日本の上空を通り過ぎていま
す(北朝鮮から日本の上空を通過するまで、せいぜい6~7分です)。

それに、もし、安全な場所に隠れようとしても、各家にシェルターでも持っていない限り、通常の木造家屋の場合、ミサイル、
およびそれが搭載しているかも知れない爆発物、から身を守る安全な隠れ場所はありません。

まして、家の中で窓から離れて、頭を低くかがむ姿勢をとって、少しは安全性がたかまるのだろうか?

さらに私が疑問に思ったのは、ミサイルはとっくに日本から数千キロ離れた場所に飛んでしまっているのに、列車を止めたり、
小学校を一時休校にしたりしたことです。

ミサイルの発射が失敗して、落下部があるかも知れませんが、それも、20分以上経てば、もうその可能性はありません。

ちなみに高度500キロ以上に達したミサイルの破片が日本の上空に落ちることは現実的にはあり得ませんが、洋上にいる船舶
には警告は必要です。その場合でも、安全な建物に隠れたり、部屋の窓から離れるなどは、意味のない警告です。

こうした、現実を冷静に考えるのではなく、各テレビ局が、政府の指示通り、無批判にJアラートを、危険が去ったかなり後まで、
繰り返し流していたのは、とても違和感をもちました。テレビ局には、政府から、そのように言われているのでしょうか。

政府は、この警戒画面をできるだけ繰り返し放送することで、国民の危機感を煽っているのではないか、それによって、日本を
軍事的に強化しようとしているのではないか、とさえ感じます。

一方、北朝鮮と国境を接し、常に攻撃の危険にさらされている韓国は、北朝鮮のミサイル攻撃にどう反応しているでしょうか。

韓国の『中央日報』(日本語電子版)は8月23日に韓国で行われた、北朝鮮のミサイル攻撃などを想定した退避訓練の際にも、
「ソウル駅前広場にいた人たちは、退避要領の通りに地下に下りていこうとする人はほとんどいなかった」と報じています。

朝鮮日報東京支局長の金秀さんは、日本の対応に関して次のようにコメントしています。

危機に備え訓練するのはもちろん重要です。しかし、断言はできませんが、はるかかなたに着弾するであろうミサイルのために、
学校を休校にしたり、電車の運行を止めたりするのは過剰反応に見えてしまいます。

金さんによれば、韓国にはリアルな危機感があるからこそ冷静にふるまうのにたいして、「日本がこの問題の直接的な当事者でな
いからではないか」と分析する。
 
金さんによると、現在の韓国と北朝鮮は休戦状態。言い換えれば「戦争が継続している」ということだ。本当に危機が差し迫った
状況になれば、韓国経済は、すぐに大きな影響を受ける。韓国の男性には約2年間の兵役義務があるが、それを終えた人でも予備
役に編入され、招集される可能性が出てくる。韓国の人にとって、北朝鮮の脅威や有事はリアルな日常の一部だ。そんな現実感が
あるからこそ冷静に行動するという(以上、『毎日新聞』2017年9月1日 東京夕刊より)。

ところで、安倍首相の北朝鮮問題にたいする姿勢は一貫して、圧力、それも「異次元の圧力」を加えるというものです。

これが、もっとも端的に表現されたのは、現在行われている国連総会でもスピーチです。

9月19日の、国連総会におけるトランプ米大統領が一般討論演説で核実験などを強行した北朝鮮を世界共通の脅威と非難し、米国が
自国や日本など同盟国の防衛を迫られれば「完全に破壊」するしか選択肢がなくなると、強い調子で警告しました。

一つの主権国家を「完全に破壊する」という表現は、いくら脅迫的な表現であるとはいえ、言い過ぎでは成りだろうか。

このトランプ演説を受けて、翌ジ、安倍首相は、トランプ氏を上回る激しい口調で、北朝鮮が繰り返す核実験とミサイル発射につい
て、「(核)不拡散体制は史上最も確信的な破壊者によって深刻な打撃を受けようとしている」と批判しました。

また、「対話とは、北朝鮮にとって我々を欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった」、北朝鮮に対する11日の安全保障理
事会決議の採択後もミサイルが発射された事実を踏まえ、「決議はあくまで始まりにすぎない。必要なのは行動だ」とも強調しまし
た(注1)。

安倍首相は、自国と同盟国が危機にさらされれば軍事オプションも辞さない、北朝鮮を「完全に破壊する」「あらゆる手段がテーブ
ルの上にある」(つまり武力行使も辞さない)という、トランプ大統領の姿勢を支持する、とも発言しました。

つまり、安倍首相は、トランプ大統領の言葉に、完全に同調した強行路線のスピーチをしたのです。しかし、私は安倍首相のこの姿
勢に大きな危惧をいだきました。

トランプ大統領が、北朝鮮を「完全に破壊する」とまで言った、その同じ日に、国防長官のジェームズ・マティス氏は、アメリカはあ
くまでも対話による問題解決を視野に入れている、と語り、また国務省(日本の外務省)の報道官も対話による解決を示唆しています。

トランプ政権では、一方でトランプ氏が過激な発言をし、他方で、他の閣僚などが現実的な見解を示す、という方法を採っています。

しかし、安倍首相の場合、安倍首相の発言を公に修正したり、別の見解を述べる人物はいません。

このような状況で、トランプ氏の発言だけを頼りに国際社会で発言することには大きなリスクを伴います。

というのも、圧力一辺倒であると思っていたアメリカが、ある日突然、日本を飛び越して米中交渉で問題解決に向かうかも知れないの
です。

もう一つ、トランプ氏の、軍事攻撃をも示唆する圧力を強化することには、強い批判もあります。とりわけ、ドイツのメルケル首相も
フランスのマクロン大統領も、北朝鮮の核が脅威であり食い止める必要があることは認めながらも、この問題は対話によって解決すべ
きである、との姿勢を示しています。

おそらく、主要国の中でトランプ氏の姿勢を支持するのは安倍首相だけでしょう。それを象徴するように、安倍首相のスピーチの時、
席はガラガラで、カタールやイラン首脳の合うピーチよりも出席者は少なかったのです。

残念ながら、これが、国際社会における安倍首相の存在感であり評価でしょう。

韓国の文大統領は、制裁と圧力に賛成しながらも、対話をも重視する平行政策を目指しています。最近も、北朝鮮の子どもの教育のた
めに日本円で9億円の援助を与えることを発表しています。

国際関係は、非常に複雑なジクソーパズルから成っており、単純にアメリカに従っていれば安全、ということにはなりません。

首相は演説に先立つ20日昼(日本時間21日未明)、フランスのマクロン大統領と会談し、北朝鮮の行動は「これまでにない重大か
つ差し迫った脅威だ」と強調。マクロン氏は「断固として対応したい」と応じたという(注1)。

しかし、これは『朝日新聞』か安倍首相が勝手に作り上げた話のようです。原文を忠実に訳すと、マクロン氏は、「(北朝鮮への)私
の論点は、圧力を増やすことや、言葉と言葉の応酬ではないです。 私たちがやらなければならないのは、北朝鮮との間の緊張をほぐし
て、人々を守るための適切な方法を見つけることです。」としか言っていないのです(注2)。

安倍首相がスピーチを行った5時間前、別の部屋では核兵器禁止条約の署名式が行われていましたが、河野外相は出席しませんでした。
北朝鮮の核には猛反対し、米、英、仏、中、露の核には反対しない、という。人間で言えば思想、精神の「分裂」状態にあります。

それにしても、 麻生太郎副総理兼財務相は23日、宇都宮市で講演し、北朝鮮で有事が発生すれば日本に武装難民が押し寄せる可能性
に言及し「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と発言したことは問題です。

これは麻生氏の本音なのでしょうが、そもそも「武装難民」なる概念はないし、難民=武装して日本人に危害を加える存在、とみなす思
考回路はあまりにも思慮に欠けています。このような人物が副総理兼財務相であることに危惧を感じます(注3)。

 

(注1)『朝日新聞』デジタル(2017年9月21日09時55分)wwww.asahi.com/articles/ASK9N7V6DK9NUTFK01X.html
(注2)BLOGOS 2017年9月21日 http://blogos.com/article/247487/
(注3)『琉球新報』電子版(2017年9月24日)https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-582051.html





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北朝鮮問題(2)―9回目の安保制裁決議は有効か?―

2017-09-18 06:10:53 | 国際問題
北朝鮮問題(2)―9回目の安保理制裁決議は有効か?―

前回の「ヒフミン・アイで観てみよう」では書ききれませんでしたが、北朝鮮がアメリカに対して強気に出ていること、
逆に、アメリカにとって、強く出ることができない事情があります。

それは、1950年から3年続いた「朝鮮戦争」が1953年に休戦に至り、同年7月27日に休戦協定が締結されました。

その第60節には、休戦協定締結後「3か月以内にあらゆる外国軍の軍隊は撤退すること」が明記され、その上で終戦の
ための「平和協定」を結ぶことが大前提となっていました。

アメリカはこの協定を承諾し、署名までしています。

しかし、アメリカは、その実行のための予備会談を拒否し、出席しませんでした。

そして、この年の10月1日には、韓国と「米韓相互防衛条約」を結び、アメリカの軍隊だけが朝鮮半島に居続け、今日に
至っています。

北朝鮮には、「休戦協定」に違反して軍隊を駐留させ続け、「平和協定」のテーブルに着かないアメリカは、国際協定を無
視している、との言い分があります。

もしアメリカ軍の韓国駐留が認められるなら、立場を変えれば中国やロシアが、北朝鮮から依頼されたという名目で、北朝
鮮に軍隊を駐留させて、「斬首作戦」のような軍事訓練を行うことと同じです。

核の問題に関して、現在、核拡散防止条約 (NPT) で核兵器保有の資格を国際的に認められた核保有国はアメリカ、ロシア、
イギリス、フランス、中国のいわゆる「五大核大国」です。

しかし、実際にはNPTを批准していない核保有国にはインド、パキスタン、北朝鮮の3か国があり、表立っては認めていない
けれどイスラエルも核兵器を保有しているとみられています。

インドとパキスタンが核実験を行い、核兵器の開発をしている最中、その事実を知りながらアメリカを始め、「五大核大国」
は今日のように非難や制裁をしませんでした。それどころか、事実上、核保有国として認めてしまっています。

つまり、核兵器は持ってしまえば、「持ち得」、ということ国際社会でまかり通っているのです。

このため、北朝鮮が核兵器を持つことを認めない(特にアメリカ)のは、明らかなダブルスタンダードである、という点に関
して国際社会は明確な反論ができません。

最後に、金正恩委員長は、もし、生存権のための対抗手段である核兵器を持たなければ、リビアのカダフィ氏やイラクのフセ
イン氏のように殺さるだろう、というアメリカに対する強い不信と恐怖があるようです。

実際、昨年1月の朝鮮中央通信は「イラクのフセイン政権とリビアのカダフィ政権は、体制転覆を狙う米国と西側の圧力に屈し
て核を放棄した結果、破滅した」と書いています(『東京新聞』2017年9月5日)。

さて、以上を念頭に置いたうえで、今回の9回目の制裁がどれほど有効かを考えてみましょう。

9月11日の国連安全保障理事会は、アメリカが提出した北朝鮮に対する第九回制裁決議案を、中国・ロシアも含めて全会一致
で決議しました。

アメリカの提案の意図は、北朝鮮に核兵器とミサイル開発の資金をできる限り制限することでした。

決議された内容の骨子は以下の5点です。
①原油は昨年並の実績450万バレル(ただし中国からは400万バレル)
②石油精製品は年間200万バレルを上限とする
③液化天然ガス液及び天然ガス副産物の軽質原油コンデンセートの輸出禁止
④制裁委員会の許可がない場合、北朝鮮からの繊維製品の輸出禁止
⑤例外規定(既に働いている労働者)を除き、出稼ぎ労働者に対する就労許可を禁止

反対に、アメリカが兼ねて主張していた、石油の全面禁輸は撤回(部分的制限)され、金委員長と高麗航空の資産凍結、金委員
長の国外渡航禁止は盛り込まれず、公海上での貨物船の臨検(船に乗り込んで積荷を検査する)を同意なく許可するという提案
は、貴国(北朝鮮)の同意が必要、に修正されました。

臨検に関して、北朝鮮が許可することはあり得ませんので、これも事実上廃案となりました。

さて、総合的にみて、今回の制裁決議をどのように評価したらよいのでしょうか。

一部には、アメリカの制裁決議にとにかく中国とロシアが賛成し全会一致であったという点で非常に意義があった、という評価
はあります。

また、アメリカがここまで譲歩したのは、スピードを優先し中国・ロシアを引き入れたかったから、という意見もあります。

今回の制裁決議を高く評価する人は、これだけ短期間(9日間)に決議出来たことが「奇跡的」で、もしこれが有効に働かなけれ
ければ、今度こそもっと厳しい制裁を課す、という主張をする根拠ができたことは大成功だと言います。

確かに、今回の決議で北朝鮮の輸出の9割以上が制裁対象となり、石油およびその精製品供給は30%減少することになります。

ただし、それは、もし決議通り実行されればとい条件付きです

さらに強く今回の決議を評価する人は、最初に高くふっかけておいて、最終的にはしっかりとアメリカの利益を確保する、トラ
ンプ氏お得意のビジネス手法、「ディール」戦略だとも言います。

しかし私は、今回の決議内容はアメリカにとって、到底、成功とは言えないと思います。

アメリカは、石油の全面禁止、貨物船の臨検、金委員長の渡航禁止にしても、中国とロシアの反対で決議案そのものが否決される
ことを予想していました。

中でも、当事国の同意なしに「臨検」を実施するとなると、ほぼ確実に武力衝突が起き、戦争状態に突入してしまいますし、これ
を中国やロシアが認めることは考えられません。

それでも、当初の案を提出すれば、中・ロの反対で否決され、アメリカは国際社会が注目する中で、大恥をかくことになってしま
います。それを避けるための、妥協だったと言えます(注1)

今回の制裁決議が当初のアメリカの提案から大幅に後退してしまったにせよ、せめて、「もし、これらの決議が守られなければ、
さらに今度こそさらに厳しい制裁決議を課す」という一文を入れることができたなら、事態は多少、変わるかもしれません。

ただし、その場合、中国とロシアの同意を得られる見込みがなかったので、それを盛り込まなかったのでしょう。この意味では、
アメリカにとって、積極的な妥協ではなく、消極的(仕方なしの)譲歩だったと言うべきでしょう。

私は、今回の制裁決議には、実質的にはあまり有効性はないと思います。その理由は幾つかあります。

まず、今まで、八回も制裁決議を行い、金融や石炭やレアメタルの輸出禁止など、多くの制裁を課してきました。

それにもかかわらず、地上からの長距離ミサイルだけでなく、潜水艦からミサイル発射にも成功し、2006年には最初の核実験を行い、
今年の9月にはついに水爆の実験にも成功しています。

しかも、制裁決議が可決された3日後の9月15日は、太平洋に向かってミサイルの発射実験を行ったのです。

このように考えると、北朝鮮は制裁を課されるたびに、より強硬な軍事開発を進めてきて、しかも進歩させていることが分かります。

北朝鮮(とりわけ金委員長)が望んでいるのは、自分と国家の生存権の保証であり、そのためには核兵器とミサイルの保持は絶対に
必要だと考えています。

したがって、制裁が加えられれば加えられるほど、一層、生存権を確保するために、核と長距離ミサイルを手放すどころか、さらに
開発を進めるという、アメリカにとっては皮肉な結果になっています。

あるコレア・ウォッチャーは、テレビ番組で、これまで、制裁は北朝鮮の核とミサイル開発のブレーキになることを期待してきたが、
実際にはアクセルになっていると言いましたが、これが実情です。

今回の9回目の制裁が時間の経過によってどのような効果をもたらすかは、分かりません。

ただ、ロシアのカーネギー財団モスクワ・センターのアレクサンドル・ガブリエル氏は、今回の制裁決議について「石油輸出や労働者
受け入れが完全に禁止されず、中国とロシアにとって満足な結果になった」とコメントしています(『東京新聞』2017年9月13日)。

次回は、それでは、この問題にどんな解決方法が考えられるのか、そして、日本にとってどのような影響があり、どのように対応すべ
きか、を考えてみたいと思います。

(注1)『日経ビジネス』ONLIONE (2017年9月15日) 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122000032/091400037/?P=1

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久しぶりにマウンテンバイクでいつものコースを走りました。季節はいつしかもう秋で、彼岸花が咲き、ススキが穂を出していました。
 



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北朝鮮問題(1)―「ヒフミン・アイ」で観てみよう―

2017-09-10 08:17:40 | 国際問題
北朝鮮問題(1)―「ヒフミン・アイ」で観てみよう―

将棋の世界で、加藤一二三(ヒフミ)九段は、対局中に席を立って、相手の背後に回り込み、相手の目線で盤上を眺めて、
自分と相手の弱点や攻撃の突破口をみつける方法を実践しました。

加藤氏はこれを、「ヒフミン・アイ」(一二三の視点)と名付けています。

加藤氏は、これまで「ヒフミン・アイ」によって、何度か難局を乗り切って勝ちを収めたと言います。現在、これを採用
しているのは、おなじみの天才少年棋士の藤井聡太君です。

かつて私が留学していた時、オーストラリアを中心とした地図を見ると、日本は世界地図の最上部に、強大なシベリア大
陸の縁にへばりついているヒモのように描かれていて、ショックを受けたことを思いだします。

私は、「ヒフミン・アイ」は、将棋だけでなく、冷静で客観的に自分と相手を見る、という点で、対決や対立という状況
では常に、有効であると思います。

たとえば、現在の北朝鮮問題に、「ヒフミン・アイ」を適用してみましょう。

つまり、北朝鮮の立場に立って、問題を見つめ評価をし直すのです。

最近は、テレビを始め、メディアは連日、これでもか、というほど北朝鮮のミサイルと核開発の報道を流しています。

そして、軍事。政治評論家と称する人たちが、主に、北朝鮮のミサイル、核兵器の開発を、日本にとって脅威であり、国連
決議に反するという観点から、コメントしています。

私自身も、現在の北朝鮮の軍事拡張、軍事優先政策には反対であり、特に核開発などは、唯一の被爆国として、絶対に許し
てはならないことだと思っています。

しかし、現状では、どこに出口があり、そこにどのようにしたらたどり着けるのか、道は見えていません。

ただし、私たちが目にし、耳にするのは、アメリカ発の情報がほとんどで、北朝鮮からの直接的な情報としてはせいぜい、
北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」の記事や、国営放送の一部の映像だけです。

このため、メディアもコメンテーター(評論家)も推測や仮定の話をするばかりです。

こうして、たとえばアメリカ発の北朝鮮関連のニュースでは、金正恩労働党委員長は、とんでもない「ならず者」で何をし
でかすか分からない危険人物、ということになってしまいます。

日本のメディアにも、アメリカという巨大な国を相手に、ワシントンを火の海にしてやる、とか地球上から消してやる、と
か、金正恩の言っていることは常軌を逸している、彼はまともな人間じゃない、などの論調が底流にあるような気がします。

確かに彼の言っていることは、とても現実的とは思えないし、なぜ、このようなことを敢えて言うのか私にも分かりません。

それでは、国際社会の反発を知りながら、そして、恐らく国民の経済的な負担と犠牲を押し付けてまで、なぜ、ミサイルや
核兵器の開発を続けるのでしょうか?

彼は、無知で幼稚で、馬鹿で、妄想に取りつかれているだけの愚か者なのでしょうか?

翻って、私たちは、本当のところ、金正恩委員長と北朝鮮の実態について何をどこまで知っているのでしょうか?

もっと言えば、これまで、私たちは、金委員長および北朝鮮について、客観的に知ろうとしてきたでしょうか?

私たちは、金委員長についても北朝鮮の政治・経済・社会、とりわけ国民の生活実態、かれらの本音などについては、ほとん
ど正確な知識をもっていません。

現在の、北朝鮮をめぐる危機がどのように進展してゆくのかは、分かりません。というのも、この問題は非常に複雑なジクソ
ーパズル構造となっていて、幾つかのピースがどのようになるのか不透明だからです。

そこで、このような時には、推測に推測を重ね、思惑と思い込みに塗り込められた分析をするよりも、一度、日本やアメリカ
の目線ではなく、一旦目線を逆転させて、北朝鮮の指導者たちは、現在の世界と、自分たちの置かれた状況がどのように見て
いるのかを北朝鮮の立場から、つまり、「ヒフミン・アイ」を適用して考えることが有効だと思います。

受けました。視点をどこに置くかによって、世界観が変わるのです。

まず、北朝鮮からみると敵対する勢力が幾重にも並んでいます。

直ぐ南には戦後まもなく戦争をし、現在も「休戦」状態にある韓国と、そこに駐留する、世界最強のアメリカ軍の基地が展開し
ており、その、少し南には、かつて朝鮮半島を植民地化した日本の自衛隊と、同じくアメリカ軍の基地が日本全国に展開してい
ます。

これらに加えて、移動基地ともいえる大小さまざまな戦艦が西太平洋を巡回しており、さらにグアム、サイパン、ハワイの米軍
基地は遠くから朝鮮半島を睨んでいます。

しかも、これらの軍は最新鋭の兵器を装備しています。

これら陸・海・空の軍事的能力を北朝鮮からみると、その比率は北朝鮮1に対して「敵」勢力は100かそれ以上に感じられる
でしょう。

昨年より、通称「斬首作戦」と呼ばれる米韓合同軍事演習が北朝鮮の目の前で行われています。

北朝鮮の指導部(とりわけ金委員長)は、自分たちの殺人を目的とする軍事演習を年に2度も行っている現状に、かなりいらだち
を見せています。

もし日本の周辺で、他国が日本の要人を殺すための「斬首作戦」を展開したら、要人や一般の日本人はどう思うでしょうか?

それでは、北朝鮮の背後の政治地理的配置はどうなっていうのでしょうか?

北朝鮮は背後(北側)で、中国とロシアという大国と国境を接しています。

中国との関係は、8月29日の第六回核実験(水爆と推測されている)に、にわかに悪化していますが、本質的に中国は北朝鮮にと
って、日・米・韓連合のような「敵」勢力ではありません。

北朝鮮は、これらの大国をむしろ、いざという時の支持勢力とも考えていることでしょう。

とりわけ、中国とは1961年に「中朝友好協力相互援助条約」が結ばれており、20年ごとに更新されることになっています。

もっとも最近の更新は2001年ですから、2021年までは有効です。そこには、
    第二条  両締約国は,共同ですべての措置を執りいずれの一方の締約国に対するいかなる国の侵略をも防止する。
    いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて,それによって戦争状態に陥つたとき
    は他方の締約国は,直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える。(参戦条項)
という、いわゆる「参戦条項」が付いています(「Wikipedia 「中朝友好協力相互援助条約」)。

ただし、中国は核戦争が勃発した時には、参戦しない方向を望んでいるようです。

北朝鮮としては、実際に戦争が起こった時、どこまで中国が助けてくれるかは必ずしも確信を持っているわけではないでしょう
が少なくとも、一つの「保険」としては見なしているでしょう。

それよりも北朝鮮には、アメリカにしても日本にしても、北朝鮮に軍事的な攻撃を仕掛ける時には、北朝鮮だけでなく、中国か
らの反撃も考慮せざるを得ないだろう、そう簡単に手出しはできないだろう、という「読み」はあると思います。

中国は、軍事以外にも、北朝鮮への石油供給を行う他、北朝鮮から石炭や鉄の輸入、北朝鮮人労働者の受け入れなど、経済的な
交流や援助を通じて、実質的に助けています。

さらに、平壌と北京とは鉄道が州4便(月、水、木、土)も往き来しており、北京からは中央アジア→モスクワを経由してヨー
ロッパまで鉄道輸送が可能です(注1)

次に、ロシアとの関係ですが、1960年に中国と同様の「朝ソ友好協力相互援助条約」が締結されましたが、1980年代に、これは
解約されました。

しかし、現在のプーチン大統領が率いるロシアは、陰に陽に北朝鮮を援助しているので、北朝鮮にとっては頼りになる隣国とみ
なしているでしょう。

恐らく、中国からの石油の供給が断たれても、ロシアからの石油が入ってくることを想定し期待しているかも知れません。

私は、北朝鮮問題を解くカギは、中国とならんで、あるいはそれ以上にロシアだと思っています。

北朝鮮は世界で孤立している、と決め込んでいる人もいますが、現在、166カ国もの国が北朝鮮と国交を結んでいるのです。
とりわけ東南アジアには、北朝鮮と近い関係を維持している国があります。

北朝鮮は世界で孤立し、経済は極度の荒廃し、人心は現状に心底うんざりしており、アメリカの軍事的圧力に耐えがたい状態で、
パニックに陥っている、などなどの見方には注意が必要です。

将棋や囲碁では、相手の応手を無視して、自分に都合の良い展開だけを考えることを「勝手読み」と言います。

それは、読みが外れたとき、痛いしっぺ返しを受けます。


(注1)http://www.2427junction.com/dprkreportpb.html(2017年9月9日閲覧)
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畑の一角に蒔いた豆類(大豆、枝豆、小豆、大納言小豆、黒豆)は順調に育っています。  畑の端に植えたサトイモと隣のサツマイモは雑草と闘いながら元気に成長しています。
 




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何か変だよ小池さん―小池都知事の本音と実像―

2017-09-03 07:36:07 | 社会
何か変だよ小池さん―小池都知事の本音と実像―

小池都知事が昨年7月に発足して、早くも13か月経ちました。

立候補した時には、東京都議会と都政は「ブラックボックス」、つまり何がどのように決定され実施されてきたのかの経緯が分からない
「密室政治」を打破し、徹底的に情報公開をする、と力強く主張していました。」

次に掲げたスローガンは、都政を、都民のことを第一に考える「都民ファースト」の政治を推し進める、というものでした。

考えてみれば、「都民ファースト」という名称もおかしなものです。以前にもこのブログで書きましたが、都政が「都民ファースト」で
あることは、わざわざ言わなくても当たり前で、「都民セカンド」では困ります。

これが、小池氏がスローガンとする「東京大改革」らしいのですが、しかし、小池都知事発足から1年以上経っても、「大改革」の中身も、
東京都をどのような都市にして行こうとしているのかの方向も全く見えてきません。

しかし、最近の小池都知事と彼女の言動には、少しずつ本音がこぼれ出始めています。

その前に、「都民ファースト」の理念(これが具遺体的に何を意味するのか分かりませんが)に基づいて「都民ファ―ストの会」(以下、
「都民ファ」と略す)という政治団体が結成されていますが、その運用体制に変化がありましたので、それについて確認しておきます。

小池都知事は、都議選で圧勝した後、自らは代表の座を退き、特別顧問として会をリードしてゆく体制をしきました。

その結果、現在、「都民ファ」の代表は野田数氏となっています。野田氏は、旧保守党の衆院議員時代の小池氏の秘書を務め、「小池門
下生」を自任する人物です。

野田氏は大学卒業後に「東京書籍」に入社しましたが、「歴史教科書のあり方に疑問を持ち政治の道へ」転身しました。政治的には右派
的な志向をもっています。

こうした変化を背景として、小池都政に、「あれっ?」と疑問符を付けたくなるような、状況が幾つか現れています。

その一つは、「都民ファ」の、いわゆる「小池チルドレン」(小池ブームに乗って当選した都議)に対して、メディアのインタビューを
受ける際には、個人の判断で勝手に受けず、「都民ファ」の執行部(具体的には野田氏)に事前の了解を得ること、という一種の「かん
口令」がしかれたことですい。

この点に関して野田氏本人は、朝日新聞の取材に対して次のように答えています。

「どの企業も取材は広報経由。うちはこれまでの都議会と違い、民間並みの対応をとる」

行政経営の非効率性や非採算性を改めることにおいて、市場感覚を部分的に取り入れることは至極重要なことですが、野田氏がここで言う

「民間並み」は根本的にはき違えています。

野田氏が「民間並み」という言葉を用いる、その意図は、「都民ファ」の議員は外部への発言に関して、“経営者”である小池知事および
執行部の許可を得ることは当然である、との態度です。

小池チルドレンは、小池氏の人気と公認を得て議員となったことは確かですが、実際に彼らに議員の地位を与えた“株主”は、各選挙区の
都民です。つまり、議員一人一人は、都民によってえらばれた、独立した政治家なのです。

「原理原則でいえば、議員をサラリーマン扱いするようなことは不適当であり、それぞれ一国一城の主として位置づけることのほうが相応
しい」のです(注1)。

また、築地市場と豊洲市場の問題に関して、自民党と共産党が、この問題に関する特別委員会の開催を要求しましたが、議会で圧倒的多数
を占める「都民ファ」議員の反対で否決されてしまいました。

小池都知事は東京都の市場の移転問題について、豊洲市場(江東区地市場(中央区)の双方に市場機能を残す「豊洲移転・築地再開発方針」
(「築地は守る・豊洲を活かす」)を打ち出しました。

この最終判断をする過程では、ごく少数のブレーンだけで検討され、その記録は都に残っていません。

これについて膣文された小池百合子知事は、8月10日の定例記者会見で「一言で言えば政策判断。政策決定者である私が決めたというこ
とで、文書としては残していない」と理由を説明しました。しかし、この巨大プロジェクトの決定が、都民の目に見えないところで、いわ
ば「密室」で行われたことには大いに問題がありあります。(注2)。

知事が最終判断を、政策判断として行うことには問題ありませんが、その結論に至る議論や根拠を文書として残しておかないと、後でその
政策判断が正しかったのかどうかを検証する手掛かりを失ってしまいます。

この問題には、具体的にそこで商売をしている多くの業者や個人がいるわけで、それらの人たちを納得させる根拠を示す必要があります。

小池都知事は、就任以前には、自民党の支配下にあった都議会を「ブラックボックス」(外部からは中身が見えない闇)と批判し、情報公
開を強く求めていました。

しかし、皮肉なことに、今や小池都政下にある都議会が「ブラックボックス」になりつつあるような印象を受けます。

次に、小池都知事の政治的スタンスがはっきり表れたのは、9月1日に都立横網公園(墨田区)で営まれる、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式
への追悼文の送付を断ったことです。

この「朝鮮人犠牲者」とは1923年(大正12年)に関東大震災が発生した時、東京の各地で、「朝鮮人が暴動を起こした」「略奪や放火
をしている」「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などの流言蜚語が流れ、「自警団」などが、朝鮮人を虐殺した事件です。

この際、虐殺された朝鮮人(恐らく朝鮮人と間違えらえた中国人と日本人を含めて)の人数に関して、震災当時の在日朝鮮人慰問班による
「6600人」との調査や、5000人という推計があり、亡くなった人数に関しては確定した数字はありません。

いずれにしても、多くの朝鮮人がいわれのない理由で虐殺されたことは確かです。この出来事を問題にしたくなり人たちは、6000人と
いう人数が不正確だから、特に朝鮮人虐殺を問題にする必要はない、と言います。しかし、人数が、たとえ10人でも100人でも、極端に
言えば、1人でも、人種差別的に虐殺したら、やはり虐殺です。

この歴史的事件を忘れないために、毎年、9月1日に市民団体で構成する主催者の実行委員会が、犠牲者追悼式を行い、歴代知事は追悼文の
送付に応じてきました。

小池都知事も昨年は追悼文を送付しましたが、今年、これを拒否しました。

その理由として、「(朝鮮人犠牲者に対する)特別な形での追悼文の提出は控えた」と説明した。都慰霊協会が毎年春と秋に催す追悼行事で、
都知事として全ての犠牲者に追悼の意を表しており、朝鮮人犠牲者もそこに含める考えを繰り返しました。

また、これは民族差別ではないか、との批判には、「民族差別という観点より、災害の被害、様々な被害で亡くなった方々への慰霊をしてい
くべきだ」とも話し、虐殺犠牲者を特別視しない考えを示しました。

追悼文の送付中止が虐殺行為の否定を意味するとの批判があることについては「様々な歴史的な認識があろうかと思う」などと述べるにとど
めました。また、この問題は「歴史家がひもとくもの」とも言い、自分がとやかく言うべき問題ではない、との姿勢を鮮明にしています(
『東京新聞』2017年9月2日)

会見で、「虐殺の犠牲者は天災による犠牲とは違う」との主催者側の主張への考えを問われると、小池氏は「切り口は異なっているかと思う
が、不幸な死を遂げた方に対する慰霊をする気持ちは変わらない。知事として全ての方に哀悼の意を表することは大変意味の深いことだ」と
も述べています(注3)。

「3月に(都慰霊協会主催の)大法要に出席し、関東大震災で犠牲となられたすべての方々への追悼の意を表した」「特別な形での追
悼文を提出することは控えさせていただいた」とも説明しました。

主催団体の赤石英夫は、「天災による犠牲と、人の手で虐殺された死は性格が異なり、大法要で一緒に追悼するからという説明は納得できない」
と話しています(『東京新聞』2017年8月25日)。

これに対し、インターネット上では「虐殺は大震災で生き残った人々に対してなされた。震災死と同列に置ける訳がない」「災害にひっくるめ
るのは、殺害事件をなかったことにすることだ」などと批判する書き込みが相次ぎました(注4)。

実際、内閣府の『報告書(1923年関東大震災第2編)には、朝鮮人の虐殺に関する、個々の具体的な事例(木の棒や金属棒での撲殺など)が詳し
く記されています(注5)

さらに司法省の「震災後における刑事事犯及之に関連する事項調査」という公文書では、起訴された事件分だけでも233人の案件が記録されて
います(『東京新聞』前掲)。つまり、震災ではなく、その「後」の虐殺なのです。

小池氏は、言葉を変えて、いろいろ追悼文を送付しなかったことを説明していますが、どう言い換えて強弁しようが、やはり、日本人が朝鮮人で
あるがゆえに虐殺した、という事実を公に認めたくない、という本音は隠せません。

これが、「日本会議」のメンバーでもあり、一部には安倍首相よりタカ派という評価もあるほとの小池氏の実像なのかもしれません。

小池氏は、大震災で被害を受けた、とい言いますが、殺された朝鮮人は、この大震災では死なず、生き残った人たちです。それを「様々な被害で
亡くなった」という言葉でうやむやにすることには問題があります。

「様々な被害で」という表現には、トランプ大統領が、人種差別に賛成派(kkk団など)と反対派との衝突で、反対派に死者が出た状況に関して、
「双方に」暴力的な行為があった、と述べ、人種差別に反対しなかったことを、思い起こさせます。

これ対して、共和党のガードナー上院議員は「邪悪なものは名前を挙げて呼ばなければいけない」とインターネットでツイートし、トランプ氏の
発言は不十分だとの認識を示しました。

ところで、8月30日、新生小池都政の第1回都議会が、8月30日に始まりましたが、「都民ファ」の代表質問は、予想通り、小池都知事の「都
政大改革」を賛美する「よいしょ」に終始しました(注6)。

「都政大改革」の内容については触れずに、です。(もっとも小池氏自身も中身は述べていないので仕方ありませんが)

さすがに、野党となった自民党議員から「質問しろよ」とのヤジが飛んだほどでした。

やっぱり、「何か変だよ小池さん」。



(注1)朝日新聞デジタル (2017年5月20日16時43分)
 http://www.asahi.com/articles/ASK5D4VSGK5DUTIL01L.html
(注2)『毎日新聞』デジタル (2017年8月5日)
    https://mainichi.jp/articles/20170805/k00/00m/010/137000c
『毎日新聞』デジタル(2017年8月11日)
    https://mainichi.jp/articles/20170811/k00/00m/040/057000c?fm=mnm
    なお、8月30日の初議会では、相談した相手は誰か、聞かれ、あまりに多くの人に聞いたので、答えられない、と答弁してています(注6)参照。
(注3)『朝日新聞』デジタル(2017年8月25日23時50分)http://www.asahi.com/articles/ASK8T5H5XK8TUTIL022.html

(注4)『毎日新聞』デジタル(2017年8月26日)
    https://mainichi.jp/articles/20170826/k00/00m/040/186000c?fm=mnm
(注5)内閣府 平成20年3月 内閣府政策統括官(防災担当)
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923_kanto_daishinsai_2/index.html
(注5)『日本経済新聞』(デジタル版2017/8/13 21:41)
https://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040010_T10C17A8000000/

(注6)『毎日新聞』デジタル (2017年8月31日21時21分(最終更新 8月31日 00時28分)
     https://mainichi.jp/articles/20170831/k00/00m/010/096000c?fm=mnm 
 



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