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大木昌の雑記帳

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アジアインフラ投資銀行(2)―検証:日本はなぜ事態を見誤ったのか―

2015-04-25 05:57:55 | 経済
アジアインフラ投資銀行(2)―検証:日本政府はなぜ事態を見誤ったのか

お詫び
これまで,私のパソコンのモニターのサイズに合わせて改行していたのですが,他のノートやラップトップパソコンで見ると,
改行が不自然で,とても見にくかったことに,気が付きました。これからは,そのようなことがないように気を付けます。
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前回書いたように,中国はAIIBの創設メンバーになるためには,2015年3月末日までに加盟を正式に申し込むことを
発表していました。

昨年の春,中国は日本に有利な参加条件を打診してきたとき「アジアのインフラ需要に応えたい」と理解を求めました。

日本は「アジア開発銀行とどこが違うのか」と突き放しました。

そして官邸には「『主要7カ国(G7)からの参加は絶対にない』との報告が上がってきた」(政府高官)という。

参加に慎重な米国との関係などを考え「日本が参加しない前提で情報を分析していた」との反省が官邸にはある。

「失敗だった」。

首相周辺がそれに気づいたとき、主導権はすでに中国に移っていたのです(『日本経済新聞』2015年4月15日)。

つまり,日本がAIIB問題で判断を誤り,後手後手に回ることになった,最初の原因は,アメリカが不参加を決めて
いたので,日本も「参加しない前提で情報を分析していた」ことにあったのです。

この前提で情報分析をすると,事態を楽観的,日本に都合がいい方向で分析・解釈してしまうのです。

しかも,昨年10月にインドや東南アジア諸国21か国が設立の覚書に署名した時も,「主要国(G7)は入らない」と高
をくくっていました。

ところが,今年の1月後半,雲行きが少し怪しくなってきました。

G7の事務レべル協議でイギリスの財務省の担当が,AIIBについて「国によってそれぞれの対応があり得る」と発言し,
そして2月後半には「政治的に参加を検討せざるを得ない」と明言しました。

ここまでくると,常識的にはイギリスは加盟に踏み切ると考えるのが普通です。

しかし,日本政府はまだ,楽観論から抜け出せませんでした。というのも,中国の独走を防ぐために,参加国代表による
理事会に大きな発言権々を与えるなどの要求をG7でまとめ,「条件を満たさねば不参加。満たせば後は各国次第」との
妥協案でイギリスを説得してあったからです。

そこで,外務省は,「イギリスの参加する確たる証拠はない」と安倍首相に進言していたのです。

しかし,5月に下院選挙で中国との経済関係強化をアピールしたいキャメロン政権の意向を変えることはできませんでした
(『毎日新聞』2015年4月16日)。

3・12の衝撃
そして,ついに3月12日,政府に激震が走りました。この日,中国財務省が,イギリスの加盟を公式に発表したのです。
日本政府がイギリスから連絡を受けたのはその直前でした。

ある官邸幹部は「えっと思った。あれでG7の共同歩調が乱れた」と,正直に振り返っています。
正午過ぎ,慌ただしく駆けつけた財務,外務省の幹部は,安倍首相に「これはアプローチだけの違いです」と説明しま
した(注1)。

財務,外務両省は間違った情報と先入観から,イギリスの加盟を予想していなかったことが分かります。そこで,官僚
らしく,イギリスが参加したのは,5月の総選挙を控えて経済的メリットを打ち出したいイギリス政府の特殊事情だか
ら,と説明したのです。

日本政府内に「G7の一角が崩れた。追随する国がでる」との懸念が広がりました(『毎日新聞』2015年4月16日)。

外交問題に精通したある与党議員は「日本の財務省は,先進七か国(G7)の参加は絶対ないと言っていた。
一体どうなっているのかと思った」と政府内の誤算をそう振り返っています(『東京新聞』2015年4月4日)。

日本政府は欧州勢が相次いで参加するきっかけとなった3月12日の英国の参加表明を正確につかめていなかったのです。

イギリスの場合は例外とみなすことでショックをいくらか弱めることができたとしても,日本政府は,これによって,
ヨーロッパ諸国が雪崩をうって参加に踏み切るのではないか,との不安はぬぐえませんでした。

その不安はやがて現実のものとなります。

3月9日、来日したドイツ首相のメルケル首相は首脳会談で「参加条件を厳格に設定することが大切」(『毎日新聞』
2015年4月16日),「AIIBは一緒に条件をきちんと見てゆきましょう」。このとき,メルケル首相は参加の意向
は示しませんでした(注2)。

しかし,16日,ドイツから日本の外務省,「参加の方向で議論している」「(英国などとともに)内側から改善を求
める」との連絡が入りました。

そして,翌17日に独財務相のショイブレ氏は突如,参加を表明しました。昨年夏,議長国のドイツを中心に,
「中国の誘いに安易に乗らない」方針で一致していたにも関わらず,である。

一報を聞いた安倍首相は不快感を隠しませんでした。「ちゃんと情報を挙げてくれ」。首相周辺からは財務,
外務両省への不満の声があがりましたが,事実上事後報告で,説得の間もありませんでした。

EUのリーダーであるドイツの参加,「ドイツ・ショック」を機に,ヨーロッパ諸国は雪崩を打って参加に踏み切り
ました。

政府の甘い見通しによる楽観的な想定は、音を立てて崩れていったのです。

こうして,4月15日までに,57か国の加盟が中国当局から発表されました。これにたいして,菅官房長官は記者
会見で「情報収集は全部している。(規模は)想定の範囲だ」と,平静を装いました(『毎日新聞』2015年4月
16日)。

しかし,これまで見たように日本政府の目はアメリカだけに向けられ,世界の動きについて重要な情報を得ることが
できなかったのです。

今回の参加問題でイギリスやドイツが示したように,欧米世界では,自国の利益のためには他を裏切るような行動を
平気で取ることに注意する必要があります。

ところで,日本の政府内部には,二つの大きな不安があります。一つは,今のままの状態が続くと,
日米共に世界の趨勢に遅れ,孤立してしまうのではないか,という不安です。

二つは,政府にとってさらに恐ろしい悪夢で,アメリカが日本を飛び越して突然,独自に突然,
投資銀行に加盟してしまうのではないかという疑心暗鬼です。

1972年,当時のアメリカ大統領が,日本との事前の協議なしに電撃的に中国を訪問した,
いわゆる「ニクソンショック」という苦い過去が甦ります。

今回も,民間シンクタンク「新外交イニシアティブ」事務局長の猿田佐世弁護士は,
  米国は日本と違って,自国の利益を合理的に考える国。決断も速い。
  AIIBの参加をめぐっても,米国は経済的にも軍事的にも中国とは共存すべきだと考えている。
  日本に断りもなくAIIBに参加する可能性もないとはいえない。
  第一,米国内では今回の不参加を外交上の失敗と見る向きが多い。
と述べています(『毎日新聞』2015年4月1日)。

猿田氏が指摘するように,アメリカは自国にとって有利であると判断すれば,日本に義理立てすることなく,
投資銀行に加盟するでしょう。

実際,マスメディアではあまり注目していませんが,3月30日にルー米財務長官は中国を訪れ,
李克強首相,楼継偉財政相と北京の人民大会堂で会談しています。

その席上,ルー財務長官は,「AIIBとの協力に期待し、中国がアジア地域のインフラ建設の分野で,
さらに役割を発揮することを歓迎する」と述べると同時に,「AIIBが高い水準のガバナンスを持つよう希望し
ている」と透明性の高い意思決定など運用面での注文をつけました。

ここで,AIIBのあり方について「意見交換していきたい」とも伝えました。

「意見交換」といい,「注文を付けたこと」といい,これらはアメリカに加盟への意志があることを示唆しています。

北京の米国大使館によると、ルー氏は「グローバルな経済秩序の中で、中国が果たす役割は重要になってきている」
と指摘し,中国がアジア開発銀行(ADB)など既存の国際機関と連携し、経済大国としての責任を負うよう提言
しました(『日本経済新聞』2015年3月31日)

この時期に,米財務長官がわざわざ中国を訪問して関係者と会談した事実をみても,アメリカが日本に断りもなく,
電撃的に投資銀行に加盟する可能性は十分考えられます。

安倍首相は参加することになった場合を想定して,検討を指示しています。その場合は,日本もあわてて,
加盟に踏み切るでしょう。

その時「融資や審査の透明性が確保されていない」という理由を唱えてきた日本は,どんな理屈で加盟することに
なるのでしょうか。

手のひらを返したように,突然“透明性が確保されたから”とでもいうのでしょうか? あるいはもっとストレー
トに,“アメリカのお許しが出たから”,とでもいうのでしょうか?

アメリカとは異なり,日本はアジアの一員です。したがってAIIBの問題は,日本の将来にとって,
経済的にも政治的にも非常に大きな意味をもっています。

日本はアジアにおいても世界においても孤立を避けるよう努力すべきです。

(注1)『朝日新聞 デジタル版』(2015年4月12日)    http://digital.asahi.com/articles/DA3S11700645.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11700645
(注2)『朝日新聞 デジタル版』(2015年4月12日)
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11700740.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11700740



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アジアインフラ投資銀行(1)―中国の思惑と背景―

2015-04-18 06:07:34 | 経済
アジアインフラ投資銀行(1)―中国の思惑と背景―

2013年10月,アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議において,習近平国家主席は,中国主導で,アジアインフラ
投資銀行(以後,AIIBまたは「投資銀行」と略す)を設立することを発表しました。

AIIBは,アジア諸国におけるインフラ(道路,港湾,鉄道,水道,通信,教育など)整備にたいする膨大な資金需要に対応する
ための国際金融機関を目指しています。

中国が新たに投資銀行を提案したのには,いくつかの背景があります。

まず,戦後の,アジア諸国にかかわる主な国際緊急機関は3つあります。金融危機に陥った国への融資を行う国際通貨基金
(IMF),世界銀行,そしてアジア開発銀行(ADB)の三つです。

IMFと世界銀行は第二次大戦末期の1944年の合意に基づいて設立されて、欧米中心の「ブレトンウッズ体制」と呼ばれる
国際金融システムが築かれていました。

IMFと世界銀行はアジア諸国をも対象にはしていますが,特にアジアを対象とした金融機関ではありません。しかもアジア
諸国には,これら国際金融機関への反感が共通してあります。

1977年のアジア通貨危機でIMFから緊縮を強いられたタイやインドネシアでは農村部の経済が疲弊し,不満がくすぶり
続けています(注1)。

これにたいして,アジア開発銀行は1966年に発足し,日本とアメリカが最大の出資国で主導権も持っています(注2)。

中国も一応,これらの国際金融機関に加盟していますが,世界第2位の経済大国となったのに、出資制限のため米国など
に比べて発言権が限られ「自分たちの主張が通らない」と強い不満を持っていました。

また,中国は世界銀行や国際通貨基金の改革を要求してきたのに,日米欧が築いてきた国際金融秩序を崩すことはできま
せんでした。

そこで,自分たちも主導権をもてる国際金融機関を設立し,「新秩序」の形成を目指したのです。これがAIIB設立の
背景にありました(『『毎日新聞』「なるほどドリ」2015年4月1日,『東京新聞』2015年4月16日)。

習主席は,2013年10月以来,東南アジアを歴訪し,各国首脳にAIIBの必要性を説明して回りました。
他方,インフラ整備を進めたい途上国は,中国の呼びかけに応じました。

中国の外交努力は今年に入ってさらに強化されました。

アジア開発銀行の副総裁を務めた中国の金立群氏や経済閣僚などが世界を回り,創設メンバーの「特権」やポストをちら
つかせ,欧州諸国を切り崩しました(『東京新聞』2015年4月15日)。

こうした外交努力の成果として,習主席の提言から1年経った2014年10月には,東南アジア諸国をはじめ,
21か国のアジア諸国が加盟を表明するまでになったのです。

そして,2015年4月15日現在,AIIB加盟国はヨーロッパの17か国を含めて57か国にも達し,この加盟国数は,
アジア開発銀行の67か国に匹敵するまでに膨らんだのです。これは,習体制が各国首脳を説得した積極外交の成果です。

しかも,アジア,アフリカだけでなく,17か国ものヨーロッパ諸国をも引き込むことに成功したことは,「新金融秩序」
の形成という経済面だけでなく,国際社会における政治や軍事など,多方面での発言権をも増大させたことは間違いあり
ません。

これも,AIIBの設立に込められた中国の大きな狙いでした。

ここで注目すべき点は,アメリカがAIIBへの参加を見送るよう世界各国を説得したにもかかわらず,それを無視して,
最大の盟友であるイギリスをはじめ多くのヨーロッパ諸国が加盟したことです。

参加を決めたヨーロッパ諸国にとって,巨大な市場である中国との関係を築いておくことは,自国の経済的発展のために
非常に重要であると判断したのでしょう。

つまり,アメリカの影響力が,もはや以前と比べてかなり低下したことを誰の目にもはっきりと示しています。

中国は,AIIBの創設メンバーの募集を2015年3月末としてきました。創設メンバーは,この銀行の目的や組織体制から、
議決権の分配方法、業務の進め方まで、最も重要な約束事となるのが設立協定の策定作業に参加できます。

中国は当初から日米に加盟を呼び掛けてきましたが,日米はずっと参加を見送っています。

その表向きの理由は「融資や審査の透明性が確保されていない」というものです。しかし,本当の理由は別にあります。

戦後世界の金融システムを支配してきたアメリカは,投資銀行を,既存のアメリカによる金融支配に対する挑戦であると
みなし,相対的な地位の低下を防ごうとしたことにあります。

アメリカが加盟しないスタンスをとっていたため,日本はアメリカに追随して同じ理由で,現在まで加盟を見送っています。

加えて日本の場合,尖閣列島の問題で中国への不信感と警戒感が強く,この感情的な外交姿勢も,加盟を見送ってきた
理由の一つでした。

こうした政府の立場を麻生太郎副総裁・財務相が3月24日の記者会見で次のように説明しています。

つまり,中国はAIIBで最大の出資国となり、総裁も送り込む見通しだ。中国が自由に融資先を決めれば、
域内での影響力は一段と強まる。

日本の経済界には,ビジネスの機会を確保するために参加を求める声もあるが,「中がよく見えない」。したがって,
AIIBの理事会が個別の融資案件を審査できない点が改善されなければ参加は難しい,との考えです(注3)。

しかし,日本の財界は政府とは異なる見解をもっています。というのも,成長著しいアジアのインフラ整備需要には,
日本の産業界は熱い視線を注いているからです。

たとえば経済同友会の長谷川閑史代表幹事は,「AIIBに加盟しないことによって,インフラビジネスが不利になること
は避けてほしい」と語っています。

また,日本財務省の副財務官やADB研究所長を務めた東京大学公共政策大学院の河合正弘人教授は,
AIIBにおける中国の影響と日本の立場について次のように語っています。

日本が参加すれば欧州諸国と合わせた発言権は中国を上回り,中国にたいして日本と欧州がチェックすることができます。

逆に日本が参加しなければ,中国が欧州の発言権を上回り,中国の言いなりになる可能性が高くなってしまうのです。

しかも,日本が加盟しないことには大きな問題があると,河合氏は警告します。

日本がAIIBに入らずに,中国とアジア諸国で新しいインフラ整備のためのルールを作ることは決して望ましいことでは
ありません。

低いレベルでビジネスの競争がなされることになりかねません。

つまり河合氏は,日本も加盟して欧州諸国と協調すれば,中国の独走は防げるが,加入しないと,中国が独走してしまう
だけでなく「低いレベル」でビジネスの競争がなされる危険がある,警告しています(注4)。

河合氏が言う「低いレベルで行われるビジネスの競争」が具体的に何を指すのかは必ずしも明らかではありません。
恐らく,環境への配慮を欠いたインフラ整備への融資や,返済能力を厳しく査定しないで融資してしまうことなどでしょう。

いずれにしても,河合氏は日本は加盟してルール作りに積極的関与すべきだと指摘しています。

日本がアメリカの顔色を伺い,主導権をもっているADB(アジア開発銀行)にこだわるのは理解できますが,
ADBの融資枠はアジアお開発途上国の資金需要をまかなうほど大きくはありません。

ADBは融資枠
のインフラ需要は,少なくとも年間7000億ドル(約84兆円)~7500億ドル(90兆円)と試算されています。

ADBの融資枠では資金がまったく足りておらず、中国はAIIBで資金不足に対応する意義を強調しています。
(なるほどドリ 『毎日新聞』2015年4月1日)

日米にとって,AIIBと関連して気がかりなことが一つあります。それは,米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)
交渉の参加12カ国のうち、5カ国がAIIBに参加を表明し、オーストラリアは既に加盟を決定し,カナダも参加を検討
していることです。

中国がTPPへの対抗手段として重視するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)構想の交渉に参加している16カ国
で見ると、日本を除く15カ国がAIIBに参加を表明または検討しているのです。

中国はTPP陣営の切り崩しに成功し、貿易・サービスと金融という経済の両輪で日米を脅かしています(注5)。

中国は,TPPに対抗して,陸路と海路で中国とヨーロッパとを結ぶ「新シルクロード経済圏」を目指しており,
AIIBをその重要なステップと位置付けているのです。

次回は,日本政府の「想定外」に多くの国がAIIBへ加盟することになった経緯を,日本政府はなぜ事態を見誤った
のかを,アメリカへの追随,それに由来する情勢の誤認,情報不足という観点から検証してみたいと思います。

(注1)『日本経済新聞』(2015年4月15日。電子版)
    http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85670160U5A410C1I10000
(注2)世界銀行はアメリカから,アジア開発銀行は日本から総裁を出しています。
(注3)『日本経済新聞』(2015年3月25日 電子版)
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC24H0F_U5A320C1EA2000/
(注4)『日本経済新聞』(2015年4月15日。電子版)
    http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85670160U5A410C1I10000=2/
(注5)『日本経済新聞』(2015年3月25日 電子版)
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC24H0F_U5A320C1EA2000/
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「粛々と」―住民の声を無視する「上から目線」

2015-04-11 06:06:10 | 政治
「粛々と」―住民の声を無視する「上から目線」―

4月5日,菅義偉官房長官は,沖縄を訪れ,翁長雄志沖縄県知事と会見し,基地問題について会談
を行いました。

翁長県知事は,昨年11月の県知事選で仲井眞弘多前県知事を破って当選して以来,安倍首相,菅
官房長官,中谷防衛大臣との会談を申し入れていました。

しかし,安倍首相と菅官房長官は,表面的には多忙を理由に面会を拒んできましたが,中谷防衛大
臣は3月13日,政府の立場をストレートに語りました。

中谷防衛相は「(翁長知事は)工事を阻止するということしか言われていない。もう少し、沖縄県
のことや国の安全保障、そういう点を踏まえてお考えを頂きたい」と述べました。

さらに翁長知事との会談について,「会って良い結果が出れば良いと思うが、より対立が深くなる
ということでは会っても意味がない」と現段階で会う予定はないと語りました。(注1)

中谷防衛相の発言が,政府の偽らざる本音でしょう。つまり,政府の方針に反対する人間には会
わない,という傲慢な姿勢を中谷氏は語ってしまったということになります。

それでも,今回,菅官房長官が沖縄を訪れたのは,今までの姿勢の転換かと思わせますが,必ず
しもそうとは言えません。

今回の沖縄訪問は,菅官房長官が,ある評論家の表現を借りると,「練りに練った」日程だった
ようです。

会談を拒否してきた菅氏が沖縄を訪問したのは,普天間飛行場付属の米軍住宅地の返還式典に主
席することでした。

この式典に臨んだ後の公式会見で,政府も基地の負担軽減に努力している,ということを知事と
沖縄県民に印象づけることができる,と考えたからのようです。(注2)

しかし,もし,そうだとしたら,あまりにも魂胆が見え透いており,知事や沖縄県民の共感を得
るどころか,その意図のあざとさに反感を買うだけでしょう。

もう一つの理由としては,今までのように露骨な拒否態度や強権的な言動が世論の反発を招き,
4~5月に予定されている統一地方選挙に影響しかねないとの懸念が与党内に広がっていた背景
があります。

菅官房長官の沖縄訪問がようやく実現した背景にはこのような事情があったのです。

つまり住宅地の返還式典を利用し,また統一地方選挙で不利にならないように,という思惑が,
今回の訪問の,本当の理由だったようです。

予想されたことであるとはいえ,今回の会談は平行線でした。菅官房長官は,

     米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設は,日米同盟と抑止力の維持,危険性除去を
    考えた考えたとき唯一の解決策だ,・・・・,政府は承認いただいた関係法令に基づき,
    周辺環境に配慮しながら,工事を「粛々と」進めていく,

と従来の政府見解を繰り返しただけでした。

これに対して翁長知事は,

    今日まで,沖縄県が自ら基地を提供したことはない。県民に大きな苦しみを与え,世界
   で一番危険だから危険性除去のために(新たな基地を)負担しろと。こういう話がされ
  ること自体が,日本国の政治の堕落ではないか。

と強く反発しています。

ここは大切なところです。つまり,普天間基地の土地を,県民が進んで差し出したのなら,それ
を廃止する代わりに別の基地を提供せよ,というなら一応筋は通る。

しかし普天間基地は強制収容された土地であり,それを返すから,別の土地を指し出せ,という
うのは全く理屈に合わない,問題の解決を沖縄に押し付けるのは「日本国の政治の堕落だ」と
言っているのです。実に正しい,筋の通った話です。

また,菅氏が繰り返し「粛々と」という言葉を使用したことに対して翁長知
事は,
   (移設に向けた)工事では,国から「問答無用」の姿勢が感じられる。上から目線で「粛
々」との言葉を使えば使うほど,県民の心は離れ,怒りは 増幅する

と,菅官房長官と政府の強権的な姿勢に怒りをぶつけました。

「粛々と」という表現は,安倍政権では頻繁に使われますが,これは,「あ
なたが何を言おうが,私たちはやりたいことをやります」,「話し合う余地はありません」とい
う,「問答無用」の姿勢を示しています。

さすがに,県民と世間の批判を浴びて菅氏は会見で,「『上から目線』ということだったので、
そう感じられるのであれば、表現は変えていくべきだろう。不快な思いを与えたなら使うべき
ではない」と述べました。

しかし、新基地建設については「関係法令に基づいて適切に対応していく方針に変わりはない」
との表現で進める方針を強調しました。

菅官房長官は,「粛々と」という言葉が「上から目線」という印象を与える
なら表現を変えるべきだ,と弁解しました。

しかし,「そう感じられるのであれば」という弁解には,言われなければ,この言葉の強権的な
意味合いであることに気が付いていないほど,
権力に奢っている本音が表れています。

しかも,批判されているのは,言葉だけの問題ではなく,そのような言葉の背後にある,沖縄
県民の声に耳を傾けない政府の姿勢です。

この重要な点に気が付いていません。そこで,「粛々と」「適切に」
という言葉に代えて,批判をかわしたつもりでいるのです。

翁長知事の菅氏に対する怒りには,「粛々」という言葉の他に,新基地に反対する翁長氏の姿勢を,
「この期に及んで」などと批判してきた経緯もあり,一気に怒りが噴出したようです。

県幹部によると,これほど厳しい口調の翁長氏はめずらしいようです。よほど,腹に据えかねた
のでしょう。

翁長氏は会談の中で,「国民を洗脳するかのように,普天間の危険性除去のためには辺野古が唯一の政策というが,
本当か」と追及しました。これも非常に重要なポイントです。

安倍政権は,普天間の危険性を除くには,あたかも辺野古への移設が唯一の解決策であるかのごとく,
県民にも国民にも信じ込ませようとしてきました。

これを翁長氏は,「洗脳するかのように」と反論しています。

翁長氏の言葉の裏には,もしどうしても別の基地が必要なら,沖縄以外に移設する努力をすべきだし
(それは政府の責任でもある),さらに,政府は日本における米軍基地の縮小に向けた真剣な交渉を
アメリカとすべきだ,という強い主張があります。

そして翁長氏は菅氏に「辺野古の新基地は絶対に建設できないと確信している」と強く断言してい
ます。

この背後には,先の知事選で辺野古への基地新設を容認する仲井前知事にたいして,これに反対す
る翁長氏は10万票以上の大差で勝利した,つまり県民は辺野古への基地新設には反対であるという
意志がはっきり示されている,という確かな根拠があるからです。

今回の会談にたいして6日の『毎日新聞』の夕刊は「国vs沖縄県 普天間移設で緊迫:これでも民
主国家?」という特別枠で3人の識者の意見を掲載しています。

ルポライターの鎌田慧氏は,政府のやり方を,県民を分断する,まるで植民地支配だと述べています。

反対派はゲート前で座り込みを続けていますが,そのゲートを固めるガードマン,移設工事の関係者,
防衛省関係の国の出先機関の人など,
地元の人たちがたくさんいます。

つまり,政府は,同じ県民どうしを対立させることにより分断する,「分断して統治せよ」という,
かつて欧米諸国が植民地支の配際に採用して生きた常套手段をを沖縄にも適用している,と非難して
いるのです。

前滋賀県知事の嘉田由紀子氏は,国と対峙してモノ申すことがどれほど大変か,知事経験を通して骨
身に染みているだけに,基地建設作業の停止を沖縄防衛局に指示した時の会見をテレビで見て,思わ
ず拍手をしたという。

翁長氏の工事停止指示に対して横やりを入れてきたのが国で,これは地方自治の危機だと思う,との
コメントをしています。

最後に,沖縄出身の作家,目取真俊氏は,日本政府と本土の皆さんは,安保条約に基づく基地提供の
義務を沖縄に押し付けていること,先の戦争末期には米軍の爆撃と銃火器による犠牲,日本軍による
銃殺,食料強奪,暴行などを受けた歴史をみようとしない。

続けて目取氏は,「かつて沖縄が本土復帰を願ったのは,人権が保障され,9条がある日本国憲法の
下で暮らしたかったからであるのに,
今や集団的自衛権行使が容認され,9条も危うい。

「官房長官は『粛々と』と繰り返します。つまりこれは聞く耳は持たないということ。独裁国家とど
うちがうのでしょうか。」と,痛烈に政府を批判しています。

鎌田氏と目取氏はそれぞれ,今回の菅官房長官(政府)の姿勢にたいして「植民地主義」「独裁国家」
という,かなり厳しい表現で批判していますが,実態からみるとかなり本質を突いていると思います。

いずれにしても,政府はアメリカの信頼を得るために,一方で沖縄県と法廷で争いつつ,同時にガー
ドマン,警察その他あらゆる手段を使って実力で反対派を排除して辺野古基地の建設を強行するでし
ょう。

しかし,沖縄県民の圧倒的な反対の声を無視して新基地を建設しても,長期的にみて正常に機能する
保障はありません。
政府はこの点を十分考えるべきです。

(注1)「テレ朝news(デジタル版)」(2015年3月13日)
http://news.tv-asahi.co.jp
/news_politics/articles/000046267.html

(注2)この解説も含めて,翁長―菅会談の内容や背景に関しては,4月6日の『東京新聞』,『朝日
新聞』,『毎日新聞』の朝夕刊の記事を参考にしています。

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最近の手術事情―腹腔鏡下手術を受けた私の経験から―

2015-04-04 06:05:24 | 健康・医療
最近の手術事情―腹腔鏡下手術を受けた私の経験から―

私たちは,できることなら手術などしないで一生を終えたいと思う。しかし,こうした希望
とは裏腹に,突然,手術を受けなければならない事態に直面することこがあります。

私自身は,小学校4年生の時に盲腸とヘルニアの手術をしたことから始まり,大小いくつか
の手術を経験してきました。

それらのうち,最近経験した二度の手術は,私の古い手術のイメージを一新させるものでし
た。

一つは,9年前の内視鏡手術です。私が静岡の山中で自閉症児のケアプログラムを行ってい
た時のことです。テントの支柱を支える重い石を持ち上げた瞬間,お腹に激痛を感じました。

それ以後,痛みは激しさを増しほとんど意識がなくなるほどでした。一緒にいた仲間の車で
急いで市内の病院へ搬送してもらいました。

たまたま,その病院の看護師さんが同乗してくれたので,彼女が車から病院に電話し,受け
入れ態勢を手配してくれました。

病院に着くや否やCT,レントゲン,血液検査が行われ,間もなく,「急性膵炎」であること
が判明し,緊急入院ということになりました。

これは,何らかの理由で膵臓が作る消化酵素(脂肪,蛋白,糖を消化する)が逆流し,自ら
の臓器を”消化“してしまう,
致死率が非常に高い危険な病気です。

搬送直後の血液検査(アミラーゼとリパーゼの血中濃度)の結果は,私の命が極めて危険な
状態にあることを物語っていました。
担当医は,そのあまりの高さに驚いて,翌日の朝まで命が持たないかもしれないと思ったよ
うです。

私の体には顔から足の先まで全身に黄だん症状が出ていました。幸い,抗生剤の点滴のおか
げで数時間後には,少しずつ数値が下がり始め,どうやら命の危機は去ったようです。

2日後,別の医師による詳しい説明の後,内視鏡手術が行われました。この方法では,口か
らカメラ,ライト,メスなどが組み込まれた,比較的太い管が挿入され,先端がのどを通過
すると全身麻酔が開始されます。

全身麻酔が投与されると“瞬殺”といっていいほど瞬間的に意識が飛んでしまいます。次に目
が覚めたのは,3時間後,病室のベッドの上でした。

この間に何が行われたのは,当人は全く分かりませんが,多様な検査と処置が行われたよう
です。以下は,後に医師から聞いた話です。

まず,内視鏡による食道の検査で逆流性食道炎が見つかりました。次に,偶然,胃にポリー
プが見つかったので切除されました。また,ピロリ菌の有無を見たところ,無いことが確認
された。

本題の急性膵炎のです。本来,胆汁を送る胆管と膵酵素を送る主膵管とは別々に十二指腸へ
の出口を持っているべきなのに,
私の胆管と主膵管とが十二指腸の手前で合流している(先天性の膵胆管合流異常)ことが,
内視鏡で確認されました。

執刀医は,何らかの原因でこの合流部分が詰まってしまい,膵酵素が逆流してしまったこと
で急性膵炎が発症した,と判断したようです。

そこで,内視鏡に組み込まれたメスで合流部分を分離し,胆管を直接十二指腸に頭を出すよ
う正常位置に移す手術を行いました。

同時に,胆管の出口からメスを挿入して胆のう内部の様子を見ようとしましたが,胆のうが
(私の意志とは無関係に)拒絶反応をしたので止めた,と後で説明してくれました。

手術の後,急性膵炎の症状は急速に消えました。この時の経験から,人の命が生死は本当に
紙一重だとつくづく思いました。

もし,処置が数時間遅れたら,命を失っていたかもしれません。

それと同時に,現代の内視鏡手術というのは,私が想像していた以上に多くのことができる
ことに驚きました。しかも,手術は直接目で見て行われたのではなく,カメラが映し出す映
像を見ながら行われたのです。

次に,つい最近((2015年3月末)に受けた腹腔鏡下手術について書いてみたいと思います。

腹腔鏡下手術とは,体に5~16ミリの穴を複数開け,そこからカメラ(腹腔鏡)その他の手
術器具を挿入して行う方法です。

この方法は,開腹手術に比べて体への侵襲(ダメージ)が少なく,したがって回復も早いと
いう大きなメリットがあります。

まず,腹腔鏡下手術では,あけた穴から炭酸ガスを注入して腹部を膨らませ,臓器と腹部の
皮膚との間に空間を作ります。

この方法も内視鏡手術と同様,直接に臓器や患部を目で見て行うのではなく,体に差し込ま
れたカメラが映し出す画像をみながら,限られた視野と空間で手術をする,という制限があ
ります。

このため,血管が多い肝臓とか胆管のように細い臓器,あるいは神経が複雑に絡み合ってい
る部位の手術には,開腹手術にはない。高度の技量を必要とします。

それだけい,もし,腹腔鏡下で難しいがんの手術を成功させることができれば,患者にとっ
て大きなメリットであるし,その技量をもった医師の評価は高くなります。

反対に,失敗すれば,最悪の場合,患者が死亡することも十分あり得ます。

腹腔鏡下手術と言えば,このころちょうど群馬大学病院の第二外科で行われた手術による死
亡例の問題が浮上していました。

この病院では,2010年12月から2014年6末までに92人が腹腔鏡下での肝臓がん手術が
行われ,8人が死亡したことが判明したことで,一挙に世間の注目を集め,毎日メディア
で報道されていたため,私もかなり不安でした。

上記の数字だけをみると,腹腔鏡下手術そのものが危険であるような印象をうけますが,
この病院では開腹手術でも,同期間に10人が死亡していることからすると,必ずしも腹
腔鏡下手術だけが危険な術式であるとは言えません。

群馬大学の場合,同一の40代の男性医師による手術であること,本来なら手術前に行う
べき臨床試験審査会での検討が,実際には行われていなかったこと,患者への事前の説明
(インフォームドコンセント)が,ほとんど行われてなかったこと,など個人的な問題と
病院としての制度上の問題が大きく関わっていたと考えられます。

この発表のすぐ後に,千葉県がんセンターにおいても,2008年6月から2014年2月までに,
腹腔鏡下手術により,主に膵臓,肝臓,胆管手術をうけた患者のうち11人が死亡したこと
が報道されました。

この病院は,高度な手術例が多い「修練施設」として「A認定」を受けています。この場合
も,亡くなった11人のうち8人の手術は,同一のベテラン男性医師が執刀しました。(『東
京新聞』2015年3月26日)

今回の私の手術は,強大化した胆石を取り除くために,腹腔鏡下で胆のうごと摘出する,比
較的“簡単な”手術でしたが,事前の説明(インフォームドコンセプト)を聞いていると,“簡
単な”とはいえ,手術には実にたくさんの危険性があり,合併症があり得ることが分かり怖く
なってきます。

全身麻酔が施されるので,手術に先立って全身的な検査が行われました。心電図による心臓
機能検査,肺活量,瞬間的な呼気の強さの検査からはじまり,血液,尿,便(大腸)など,
一般的な検査が行われます。

続いて,造影剤を注入してのCT,胃カメラによる上部消化器検査,MRI,レントゲン撮
影,既往症(私の場合,特に過去の急性膵炎)やアレルギーのチェック,などが行われます。

体に開ける穴に関しても,私は4つの穴を開けることを選択しましたが,傷をできるだけ少
なくしたい人は,おへそのところに一つだけやや大きめの穴を開け,そこから必要な器具を
全て挿入して行うこともできます。

これは,手術前の医師との話し合いで決めることができます。

いよいよ手術ですが,腹腔鏡下手術で始めても,いざやってみると開腹の必要が生ずる場合
があります。それに備えて,意識がなくなる麻酔とは別に,鎮痛薬を注入するために背骨の
硬膜のすぐ外側に針を刺し,カテーテルを留置する処置(硬膜外麻酔)が施されました。

この処置は,術後の痛みを大きく和らげ,患者が早くから動くことができるようにする上で
大きな役割を果たします。

このカテーテル挿入後,まもなく全身麻酔のマスクが口に当てられ,数回呼吸するうちに意
識を失いました。そして気が付いた時には病室のベッドに寝ていました。

後で聞いたところ,手術そのものは50分かからなかったそうです。この間に胆のうの切除,
摘出,血管の縫合が,やはり映像を見ながら行われ,最初に開けた穴が縫合されました。

執刀医からは事前に,「手術の翌日にはどんどん歩いてもらいます」,と言われていましたが,
実際,体にチューブは刺さったままですが,私は手術の翌朝には歩くことができました。

これは,背骨からの強力な鎮痛剤投与のおかげで,術後かなり早くから動くことができると
いう大きなメリットがありますが,その反面,尿意を感じなくなる(おそらく中枢神経をブ
ロックしてしまうので),という問題があります。

通常は,しばらく「バルーン」と呼ばれる導尿管が術後2日ほどは装着され,尿は自動的に
排出されるようにします。

しかし私の場合,この導尿管を術後すぐにはずしてもらったので,大変苦労しました。

どんなに簡単に見える手術でも,常に危険は伴います。腹腔鏡下手術では,画像を見ながら
切除部分や血管の縫合を行うので,縫合が不完全だと後で出血することもあるそうです。

このほかにもいくつかの問題や危険性はありますが,私の場合,腹腔鏡手術は体へのダメー
ジが軽く,その分,開腹もはないので,
手術の前日に入院して5日後に退院できました。

今回,感じたもう一つの大切なことは,手術を受ける際,疑問や不安に思うことがあったら
何でも医師に率直に相談し,
十分なコミュニケーションと信頼関係を築くことです。

幸い,私の場合,執刀医の事前説明とは別に,前日に手術に立ち会う医師と話す機会があっ
たため,それまで抱いていた不安はほとんど解消し,安心して手術に臨むことができました。

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サイクリングロード沿いの桜1


サイクリングロード沿いの桜2


桜と菜の花


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