七尾での哲学の会でした。うだるような暑さ、そこの労働者会館が会場である。その会館、すこし前からビル全体が老朽化で、クーラーが効かなくなっている。そこで扇風機3台を使ってしていたが、まるで間に合わず、汗がダラダラ流れながらの会でした。いやはや当地でさえこうなのですから、さぞや大都会では大変なことだろうと思います。どうぞ、十分お気をつけてお暮らしください。この1週間は何やら怒涛の日々でした。子供達が全員そろって、何やら海ダァ。の、よろみチルドレンが集まってのバーベキュウだの。京都のギャラリーさんがツアーを組んで、龍昌寺体験に3泊4日で来られるだの、その合間に何十年ぶりかで子供たちに誘われて和倉の花火大会を見に行ったり、境内の草刈りに追われたりだのが続いて、夜は早々にダウンでした。
で、その「昨日までの世界」の話から。この著書ダイアモンド博士は TV出演をする方ですから、本を読まれた方もおられるでしょう。ざっくりとした内容を申し上げると、今のこの文明社会は人類史600万年からすると、わずか1万年の間に急速に出来上がったもの。博士は伝統社会と読んでますが、いわゆる未開発は今まだこの世界にあり、それらの暮らしを調査している博士に言わせると、先進諸国の暮らしが豊かで進歩的と思っているのは、ある意味幻影で、今のぼくたちから見ると、600万年もの間の暮らしがそこにあり、それは単に原始的だ、などと言う言葉だけでは解決つかない要素がたくさんあり、そこをもう一度見直すことによって、今の我らが見落として来た大切なものがあるのじゃないか。と、言うことであった。その今日読んだ下りでは、博士がパプアニューギニアの調査に入ったのは、1964年だったと。その頃の住民はほとんど病気知らずだった。と言うか、いわゆる今この島国で問題になっているような糖尿病や心筋梗塞などの病気が皆無であったと。それは塩や砂糖などが全くなく、いわばタロ芋が主食、労働に見合うだけの食物はなくいつも空腹との戦いであったと。それが今このわずか数十年の間の西洋化で、急速に糖尿病などの患者が増え、それまでは50歳代が最も長生きで、ほとんどが感染症などが原因で死ぬから数日や数十日で死ぬ。それが糖尿病などの病気はゆっくりとした経過をたどるから、病気そのものに対応することや死そのものに対する態度が、出来上がっていないから、云々という内容だった。こういう指摘そのものがとても今の我らの暮らしを考えることの大きな材料になっていると思った。