年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

日本人と水滸伝・高橋俊男著から

2018年08月12日 | 福神漬

水滸伝と日本人・高橋俊男著を読む。著者によると平成の初め頃までに日本で出版されている水滸伝で推薦できる著書は無いといっている。唯一残るのが年少者向けの松枝茂夫訳本が良いという。年少者向けなので不適切なところは省いているという。

 明治の10年代に出版ブ-ムが起きて数々の水滸伝の本が出てきた。このブ-ムにより梅亭金鵞の本も3回ほど明治の10年代に刊行されている。この梅亭の本に池之端の香煎茶屋が出ることによって、宣伝の意味もあって漬物の命名を酒悦主人が依頼したと思われる。池之端の付近は上野公園の再開発が行われていて、行楽地に適当な食品を出す必要性があった。

 妙竹林七編人と言う本は今の感覚では読むに耐えない本だが文献として読んでもなぜ出版されたかわからない。ただ当時はラジオもテレビも無く読み上げて本を読むという習慣があったようで、活版印刷が普及して本が大量に出回る時期だったという。家族の知識から個人の知識へ変化するのが明治の出版ブ-ムを支えた。この情報をいち早く捕らえたのが池之端の老舗薬圃で当時としては近代的な宣伝を行っていた。

コメント
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