稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

「メイド地獄」から

2018年11月29日 | 日々
 BSドキュメンタリー「メイド地獄」

 ケニア、エチオピア、フィリピンなどからメイドとして中東に働きに渡った女性たち。
 その過酷な現状を取材してまとめた作品だ。

 実際、彼女らの多くが契約とは違う条件に苦しんでいる。

 例えば
 雇用主によるパスポートの預かり
 給料を支払わない
 性的関係を含む暴力、暴行
 外出の禁止
 当初の約束を大幅に超える長時間労働などだ。

 ケニアのメアリー・キブワナの場合。

   
     ( キブワナの自宅 )

 夫が失業し、子育てのため単身ヨルダンに働きに。

 しかし家事の最中、全身に大やけどを負い、雇用主から故国ケニアに送り返され、間もなく死亡。

 パスポートは不明、給料は一切払われずだったという。
 
 中東諸国ではこういった女性が280万人もいるというから驚きだ。

 自殺者が多いというのもその過酷さを表している。

    
   ( ベッドのまま故国に送還されたキブワナ ) 

 ところで近頃の国会、出入国管理法案の改正が課題に。

 深刻な人手不足に対処するためと言われている。

 が、これまでの「技能実習制度」をみただけでも、
約束とは違う労働時間、低い給料、労災事案の放置、ときには暴力など問題は山積だ。

 失踪者があとを絶たないというのがその問題性を物語っておりはしないか?

 外国からの労働者の受け入れは確かに避けられない。
 
 が、「共生」という言葉が口先だけのものにならないよう、
じっくり受け入れ制度を整えてほしいものだ。

 でなければ、日本も中東も五十歩百歩になりかねない。 
コメント
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