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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



先週末から日本列島を大陸からの寒気団すっぽりと包み込み、各地に大雪を降らせている。
新潟では2m以上の積雪を記録したところもあると聞くし、大阪でも雪こそ降らなかったが12月とては20年ぶりに最低気温が氷点下を記録した。
しかしなんといっても中部地方の積雪が凄まじく、名神東名高速道路が滋賀県の栗東から愛知県の岡崎あたりで通行止めになってしまった。
この影響でうちの会社の仕事にも影響が出た。

朝の早くから兵庫県の網干(姫路の西にある街)というところで納品作業があるということで午前5時に若手社員のA君は大阪の家を出発した。
そして約束の時間午前8時までに現地に入り、商品の到着をまったものの待てど暮らせどトラックがやって来ない。
納品作業のために手配した作業員たちは待ちぼうけ。
「どないなってるんですか?」
と工場の出荷担当に確認すると、
「そちらへ向かっているはずなんですが」
という答え。
商品を積んだトラックは福島県の郡山市から網干へ向かっていたのだ。
昼頃になってようやく、
「商品は夜の7時頃に到着します」
という返事を受けとった。
結局A君は朝の早くから夕方まで、寒空の下でボンヤリ過ごすことになってしまった。

大阪でA君の苦悩を聞いて「日頃の報いだ」などと悪口を叩いていた私たちも、身体を暖めるために昼食に熱いうどんを食べようと出かけたところ、いつものうどん屋は満員状態。
寒い入り口で身体の芯まで冷えるほど待たされた。

で、この日一番寒かったのは夕方だった。
気温が低くて寒いのはもちろんのこと、心が凍りつくような一味違った極寒の光景が、会社の目の前で展開されていたのだ。

先々週、うちの会社の近くのマンションで殺人事件があった。
そこに住む20歳代の姉妹が刺殺されて金品を盗まれ部屋に火を放たれたという凶悪事件だったのだ。
週刊誌や新聞、テレビで大々的に報道されたから知っている人も多いだろう。
この事件の容疑者として逮捕された22歳の男が、今日、全面自供を始めたのだ。
「使った凶器は、近くの神社に捨てました」
との供述どおり、神社の境内から包丁が出て来たという。
実はうちの会社のすぐ近くには字は違うが京都にある有名な神社と同じ名前のお宮さんがある。
「まさか、その浪速区内の神社って、八○さんやないやろな」
とインターネットニュースを見たY次長が冗談をいっていると、ヘリコプターの飛ぶ音が聞えてきた。
「報道のヘリコプターちゃうやろな」
とまたまたY次長。
会社の窓から外を見ると、会社の近くにある神社にカメラやビデオカメラを持った報道関係者と思われる人々が。

温度以下に背筋が凍りついたのは言うまでもない。
今後暫く、うちの会社で夜一人残って仕事はしないほうが良さそうだ。

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