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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



広島市で小学校一年生の女の子が殺害された。
その犯人として昨日逮捕されたのがペカルロス・ヤギという名のペルー人労働者。
「日系人」という身分を利用して南米ペルーからやってきた出稼ぎ労働者だ。

ここ一ヶ月ほど、南米からの出稼ぎ労働者が話題に上るニュースが続いた。
先々週は名神高速道路で大手メーカーに務めるペルー人労働者の乗ったワゴン車が故障で路側帯に停車中、居眠り運転の大型トラックが突っ込んで、7人以上が犠牲になった。
聞きところによると、彼らは工場で働く単純作業の労働者としてペルーからやってきた者たちだったということだ。
ペルーに限らず、バブル以降、外国人労働者が増えてきた。
日本は基本的に「単純労働のための出稼ぎ外国人の労働ビザは出さない」という方針を貫いてきたが、バブル以降、日本国籍を自国籍と二重に持っている南米の日系人を労働者として入国させてきた。
始めのうちは、確かに日系だと思われる人がほとんどだったが、今や容姿も言葉もまったく「白人」の日系人が働いていたりして、疑問に感じることが少なくなかった。

韓流関係の悪評ではないが、この日系人で稼ぎ労働者に対する意見を述べるのも、どこかタブー視している風潮が現在の日本にはある。
外国人出稼ぎ労働者のことを語ると、「人種差別だ!」「民族差別だ!」と宣うマスコミや市民団体が大勢いらっしゃるのだ。
ところが冷静な目で見てみていみると、街にはニートが溢れ、一方働きたくても職が見つからない失業者も増えている。
そこに出稼ぎ外国人を雇い入れるのは、どこか変ではないか、と誰も思わないのだろうか。

「日系人」は日系人であって日本人ではない、と私は思っている。
「おじさん、おじさんは日本人としてのアイデンティティで物事を考えていますか」という質問を親戚の日系二世アメリカ人の伯父に訊いたことがある。
「わしゃ、日系人じゃが、そのまえにアメリカ人として生きているつもりじゃ」
と岡山弁で答えてくれた。
アメリカ人は豊かだから、南米の人とは異なるのは当然だ、という意見もあるだろうが、果たしてそうか。

先月、フランス全土で暴動が発生。国家非常事態宣言が出された。
先進国フランスで、である。
原因は旧植民地からの移民と外国人労働者の不当なる待遇。
この騒ぎをドイツやその他周辺諸国がかたずを呑んで見守っていた。
賃金単価の安い単純労働は外国人へ、ということで、ドイツはトルコ人を雇用し、フランスやイギリスは多くの旧植民地から安価な労働力を確保した。
この外国人労働者が治安を乱す元凶の一つであることは、避難される人もいるかも知れないが事実である。
そういうこともあり、日本はそれでも外国人には頼らない社会体制を整ってきた。

今回の事件は哀しい。
しかし、ある意味、外国人労働者は必要なのか(カルロス容疑者は職を転々とし、日系申請も虚偽だという)、ちょっと真剣に考えてみてもいいのではないか。

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