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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



先週号の週刊文春を読んでいて、二年前に松任谷由実が発表した「雪月花」という曲が9000枚、今年発売した新曲も3万枚しか売れなかったことを知って驚いた。
松任谷由実が9000枚。
あのユーミンが1万枚を切っているとは思わなかった。

私の家から歩いて3分のところにレンタルビデオのTSUTAYAがある。
ここは書籍の販売とDVD、CDソフトの販売もしているので、ここでちょくちょく購入しているが、たまに今発売中のシングルCDを見ていて愕然とすることがある。
何に愕然とするかといえば、その種類の少なさに愕然とするのだ。

私がシングルレコードを買いはじめた小学校高学年の頃、近所のレコード店へ行くと、最新のヒット曲を中心に何種類ものシングルレコードが売られていた。
当時アイドルだったキャンディーズに山口百恵、桜田淳子、岩崎宏美、沢田研二、フォーリーブス。
好きではなかった(今も好きでない)演歌も北島三郎、五木ひろし、細川たかし、ぴんから兄弟、殿様キングスなどなど。
1枚だいたい500円で販売されていたと思う。
好みの歌手、今風に言うとアーティストの新曲がでると、レコード店へ行って、シングルレコードを買い求めた。
人気番組「ザ・ベストテン」でもシングルの売り上げランクは重要だった。

今はシングルは買わずにネットだよ。
という意見もあるかも知れないが、変化が出たのはCDが発売されてからだ。
最初、CDのシングルは直径8cmの小さなメディアが一般的で、ジャケットもなぜか真ん中で折れるようになっていてポケットサイズだった。
音質は良いのだか、ジャケットがポケットサイズなので、子どもの頃の小学何年生などという雑誌なんかに付録でついていたソノシートを思い出し、安っぽく感じたのだった。

やがてメーカーもシングルCDのサイズに気づいたのか「マキシシングル」などというフルサイズCDのシングル盤が発売されるようになった。
こうなると、外見上普通のアルバムとの区別がなくなると同時に、なぜフルサイズなのに2~3曲しか入っていないの?ということにもなってしまう。
価格もいちまい1000円前後。
もう500円も足せばアルバムを買うこともできる。
消費者がシングルCDに興味を失うのも当然か。

新曲に胸をときめかしたドーナツ盤。
あのかつての栄光を引き継ぐシングルCDは、いったいどこへ行ってしまったんだろう。

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