人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

スヴェトラーノフのマーラー「第5交響曲」の思い出

2011年12月29日 08時37分28秒 | 日記

29日(木).昨日は仕事治めでした.午前中に消防署に年末のあいさつに行き、午後は机回りの大掃除をやりました 夕方から、会計顧問のT公認会計士のたっての希望により虎ノ門の雀荘で1年ぶりに麻雀をしました.メンバーはT氏のほかにS監査役,E部長,T君と私の5人で,一人交代してやりました.ビールを飲み,カレーライスを食べながらの4時間は身体には良くありません まあ,1年に1回だからいいことにしよう 結果は実力者T氏がトップで,私が2位でした

 

  閑話休題  

 

今年観た映画のうちヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」と園子温監督の「恋の罪」で、マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダ―ジェット」が使われていたこともあって、これまで聴いてきた同曲のうちで一番印象に残った演奏について書いてみようと思います

何年前のことか思い出せないのですが、今は亡きソヴィエト(現ロシア)の指揮者スヴェトラ―ノフが、NHKホールでNHK交響楽団を振ってマーラーの第5交響曲を演奏したときのことです

スヴェトラーノフはいつものように、あの巨体を小刻みに震わせて、最小限の動きで最大限の効果を狙って指揮をしていました ちょうど第4楽章「アダ―ジェット」が始まったころ、白い蝶々が右前方の客席から舞台上空に向かって舞い始めたのです.まるで曲に合わせるかのように、ヴィオラ・セクションの上を舞い、チェロを越え、オーボエ、フルート、ホルンの管楽器群の上に移動し、第2ヴァイオリンを通過して、最後は第1ヴァイオリンの上を通って、再び客席に戻り、どこかに消えて行きました それとほぼ同時に「アダ―ジェット」楽章が終わりました.その間、演奏者たちも「あれまぁ、蝶々が飛んでいるし・・・」という風情で上を見上げ、行方を追っていました.どこから迷い込んできたのか分かりませんが”飛んだ”ハプニングでした.”こんなこともあるのか”と、本当に不思議な出来事でした.

演奏は、バレリーナの代わりに上空を舞った蝶々の粋な演出もあってか、素晴らしい出来でした 舞台上であの蝶々の華麗な舞いに気付かなかったのは、われらの愛すべき巨匠スヴェトラ―ノフ唯一人だったかもしれません

演奏終了後に楽屋で「マエストロ、実は演奏中に蝶々が上空を舞っていたんすよ」「えっ、ほんまかいな」「本当でっせ。アダ―ジェットの楽章だけでしたけど」「それは貴重な体験やったなぁ。演奏中に教えてくれりゃよかったのに」「せんせ、そら、あきまへんがな」という蝶々発止のやり取りがあったとか,なかったとか

ちなみにこの第5番は蝶々ではなく、丹頂の曲です。鶴の一声のようなフレーズもありあますが,決して単調ではありません.マイナーな洒落ですいません

 

〔写真はスヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団によるマーラー「交響曲第4番」のCD〕

               

 

 

 

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