人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シューベルト「第3交響曲」,シュミット「第2交響曲」を聴く~新日本フィル定期演奏会から

2011年12月04日 07時52分05秒 | 日記

4日(日).昨日は新日本フィルと東京交響楽団のコンサートをはしごしました. まず午後2時から,錦糸町のすみだトリフォニーホールで新日本フィル第486回定期公演を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第3番」,②シュミット「交響曲第2番」の2曲.タクトを取るのは2003年から音楽監督を務めるクリスティアン・アルミンクです

今回取り上げられる2人の作曲家の共通点は,①名前がフランツである(フランツ・シューベルト,フランツ・シュミット),②ともにウィーンで活躍した,ことです

シューベルトの「交響曲第3番ニ長調」は,作曲者が18歳の時,1815年5月から7月にかけて作曲されました.この頃は「魔王」や「野ばら」をはじめとする160曲のリートや二重唱,40曲近いピアノ曲などが生まれていた”絶頂期”です

第1楽章はまるでハイドンの後期の交響曲を感じさせる曲想です.全体を通して歌心に溢れ,溌剌としています この曲を東京交響楽団の「シューベルト・チクルス」で初めて聴いたときに思ったのですが,まさにシューベルトの”青春の歌”といった躍動感溢れる曲です.アルミンクの指揮のもと,弦楽器も管楽器もよく歌っていました

フランツ・シュミットは,1874年現スロヴァキアのブラティスラヴァに生まれました.1888年にウィーンに移り,10代半ばでウィーン宮廷歌劇場でチェロを弾きました.この時の常任指揮者はあのグスタフ・マーラーでした 1911年から「交響曲第2番」の作曲を始め13年には初演しています.その当時ウィーンは第1次世界大戦勃発前夜で,複雑な社会情勢下にありました

アルミンクのタクトが振り下ろされ第1楽章が始まります.泉がこんこんと湧き出すような曲想です.シュミットの曲は聴いたことがなかったので,小難しい曲を予想していたのですが,メロディーもしっかりしているし,聴きやすい曲です シュミットはブルックナーに対位法を学んだということで,時にブルックナーのような曲想も現れます.また,R・シュトラウスのような”誇大妄想”的な曲想も顔を出します

第2楽章では管楽器群が活躍しますが,オーボエの古部賢一,フルートの荒川洋,クラリネットの重松希巳江,ホルンの井出詩朗といった首席クラスの演奏は本当に素晴らしいものがあります.弦楽器もよく歌っていました

今回のコンサートは,埋もれていたウィーンにゆかりのある曲を掘り起こして,その価値を問うた意欲的なプログラムだったと思います.それは見事に成功したのではないでしょうか

このコンサートの後,溜池山王のサントリーホールに向かい,午後6時から東京交響楽団の定期演奏会を聴いたのですが,そちらの模様は明日のブログでご紹介します

 

            

 

 

 閑話休題 

 

今日はモーツアルトの「ピアノ協奏曲第25番K.503」が初演された日です.1786年12月4日のことでした.同じ年に書かれたピアノ協奏曲第23番K.488,同第24番K.491と比べると演奏される機会が少ないのですが,堂々たる第1楽章,しみじみとした第2楽章,軽快な第3楽章と,モーツアルトの魅力が詰まった素晴らしい曲です いつもよく聴いているのは内田光子のピアノ,ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団によるCDです

 

            

 

コメント (2)
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