人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

朝日新聞、音楽回顧2011を見て思うこと~東日本大震災を乗り越えて

2011年12月22日 06時36分01秒 | 日記

22日(木).19日付朝日朝刊「アート&カルチャー・音楽」欄に「回顧2011」の記事が載りました 執筆者は吉田純子となっています.彼女は確か朝日の文化部記者です。この「回顧」は毎年の今頃,同じ吉田でも音楽評論家・吉田秀和氏が書いていました.さすがに高齢のため,コンサート通いが出来なくなってしまったのでしょう.お気の毒です 私としては,コンサートに通える健康な身体に感謝しなければなりません

この記事では音楽評論家3人(片山杜秀、白石美雪、東条碩夫)による,クラシック公演の「私の3点」が紹介されています.3×3=9点が挙げられていますが,面白いのは1点もダブりがないことです.オペラあり,オーケストラあり,ピアノ・リサイタルありと多彩です

吉田記者は書きます.

「東日本大震災が引き起こした福島第1原発事故の影響は,今後もボディーブローのように音楽会全体に効いてくるのかもしれない.しかし,と思う.ピンチをチャンスに変えるカギを,私たちはいま手にしているのかもしれない.外来ブランドに頼まず,自分たちの感性を見据え,新たな価値観を創出する.震災という大きな痛手から私たちが前を向くためには,そうした試行錯誤を地道に続けるほかに道はないのではないか」

「そう確信させてくれたのが,新国立劇場が4月に上演した「ばらの騎士」だ.降板した4人の外国人歌手のうち,3人が日本人歌手へと交代した・・・・・個々のキャラクターがしっかり立ったアンサンブルは予想をはるかに超えて充実していた」

私も4月7日の振替公演を4月19日に聴き,その模様を当日のブログに書きました.とくにゾフィー役の安井陽子が素晴らしかったことを思い出します 確かに,吉田記者の言うとおり,日本人歌手は確実に力をつけていると思います 記事はさらに続きます.

「尾高忠明芸術監督の発案で日本人カバーキャストによる演奏会の試みが始まったが,本質的にはレパートリーを育て,公演数を増やす運営側の努力が不可欠だ」

私も”本質的には”そう思います.しかし,この新しい試みはもっと評価されてもいいと思うのですが,どうでしょうか ところで,「カバーキャスト」というのは,出演する歌手がアクシデントなどで歌えなくなった時のために,いつでも同じ役割を果たせるようにスタンバイしている歌手のことをいいます.予定通りのキャストが歌えば,いくらレッスンをしても出番はありません こんなもったいないことはありません.こういう人たちの活躍する場を提供して,光を当てようとする尾高芸術監督は素晴らしいと思います

このほか,記事の中で名前を挙げてコメントされているのは,ソプラノのフェリシティ・ロット,ヴァイオリンの漆原啓子,チェロのウィスペルウェイ,宮田大,そしてピアノの萩原麻未です

萩原麻未については「驚くべき集中力で,シューマンの”謝肉祭”の本質に本能で切り込んだ」と書いています 私も11月17日の紀尾井ホールでのリサイタルを聴きました.その模様は翌日のブログに書きましたが,とにかく凄いピアニストです

今のところ,今年はあと1回コンサートに行く予定です.年間124回通ったことになります.まだ,頭の中で,今年1年間の”整理”が出来ていませんが,年末には個人的な「2011年クラシック・コンサート・ベストテン」を発表しようかと思っています

 

                   〔萩原麻未チラシ・コレクション〕

         

 

         

 

       

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