明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(66)ヘリ放水はアメリカ向けパフォーマンスだった・・・

2011年04月22日 17時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110422 17:30)

なんとも情けなくなる記事がたったいま、舞いこんできました。
事故6日後の3月17日に行われたヘリによる放水が、アメリカに日本政府の
覚悟を示すためのパフォーマンスだったという記事です。

なんということでしょう。

記事は書いています。
「相次ぐ水素爆発と放射性物質の広域拡散……。原発暴走を制御でき
ない無力な日本という印象が世界に広がりつつあり、菅政権は「日本は
見捨てられる」と危機感を強めていた。「放水はアメリカ向けだった。
日本の本気度を伝えようとした」。政府高官は明かした」・・・。

ではどうしてこんなことが必要だったのか。記事は続けてこう書いています。
「『原発の状況が分からない』。米国のいら立ちは震災直後からあった。
NRC先遣隊が12日の1号機水素爆発直後に日本に派遣されたが、
複数の政府関係者によると、経済産業省原子力安全・保安院は『情報開示に
慎重だった』といい、米政府は原子炉の現状を推測するしかなかった。」

要するに保安院は、アメリカに対しても情報開示をしようとしなかった。
そのためにアメリカが焦燥感を深めたわけで、これは私たちがおかれた
状況と同じです。
しかし菅首相は、私たち、国民と住民が、深刻な放射能漏れ事故を前に
情報が開示されないことに、不安と焦りを募らせていることに目を向けず、
アメリカに見放されることを恐れ、自衛官に派手なパフォーマンスを
させたのです。

この記事の最後は、印象的にこう結ばれています。
「『今日が限度と判断をした』。北沢防衛相はヘリ放水後の会見で言った。
米政府は好感し、現実には冷却効果が期待できないヘリ放水は二度と
行われなかった。」・・・。


ヘリによる放水は大変、印象的でした。確かに1回目は多少、建屋にあたって
いたけれど、他のものはほとんど当たらなかった。
僕はあの時、もうこんな手段しか残されていないのか、これはもうダメなの
ではないか・・・と深く落胆したことを覚えています。
世界の報道でもこうした論調は多かった。ヘリの放水は、あまりに効果が
感じられず、失望感が大きかった。

もっともこのとき、僕は気を取り直しました。自衛隊がうまくできないのは
仕方がない。大変な任務だからというよりも、これは自衛隊が実戦経験が
ないことのあらわれだ。つまり自衛隊は戦争的な展開には弱いのであり、
それはこの国の平和の一つのバロメーターでもある。もともと僕は、軍隊の
弱い国ほど、いい国だと思ってきたので、そんな風に考えました。

もちろん、これは自衛隊がまったく無力だということを意味しているのでは
ありません。自衛隊は、あらゆる組織の中で、唯一、自分たちで食糧も
寝るところも、運べる組織であり、いざとなれば風呂もすぐに作って沸かせる。
そのため、被災地での捜索やがれきの撤去には凄い力を発揮しています。
だから早急にもっとレベルの高い、災害救助隊に変えることがのぞましい。
もちろん、現状では殺人部隊であることは間違いないので、隊員のリハビリと
再教育が必要ですが。

これに対して、消防隊は本当に凄かった。消防隊の人々は、いつも燃え盛る
炎の前に身をさらして消火活動をしているのですね。命がけの実践を
かなり重ねて来ている。消防隊は、すでに地震当日からのコンビナート火災
でも大活躍していた。コンビナート火災では、放水場所を間違えると爆発し
自分たちも巻き込まれてしまう可能性がある。そんなところでのピンポイントの
消火能力をこれらの人々は持っている。

この見事な技によって、私たちは最大の危機をとりあえずは一たび乗り越える
ことができました。もちろん消防車からの放水には自衛隊も参加しましたが、
自衛隊は、消防隊の力にひっぱられて頑張れたのではないかと思います。
しかし政府はその意義をきちんと国民にも住民にも伝えませんでした。
消防隊と自衛隊、原発サイトで働くすべての人々が、深刻な被ばくに直面しながら
時間を紡ぎだしていた時、政府は安全ばかりを強調し、人々に被ばくの備えすら
訴えなかった。

意図的なベントが行われ、ほとんどこの数日に、チェルノブイリ事故の10分の1、
あるいはそれ以上と言われる放射能が大気に飛び出し、レベル7の事態に
なっていたにもかかわらず、それを黙りとおした。スピーディーが作動して、
「こちらに逃げてください」という情報が出ていたのに、それも握りつぶして
しまった。およそ、この数日間、国民や住民との間で政府が行ったことは
それが全てでした。

アメリカには見放されることを恐れて、自衛隊に命がけの派手なパフォーマンス
をさせる一方、国民と住民は、危険地帯から逃げさせることもしない。このような
非人道的なことを繰り返している政府、国民と住民ではなく、アメリカの目を
怖がり、アメリカを満足させるために作戦を練っていた政府を、私たちは
このままにしておいていいわけがありません。


ちなみにある友人が次の情報を伝えてくれました。

【地震】東電、英語版サイトと日本語サイトに極端な資料差の不思議
http://www.rbbtoday.com/article/2011/04/19/76286.html

東電のサイトも、日本語版より英語版の方が圧倒的に充実していると言うのです。
英語版でしかみられない情報がたくさん載っている。要するに東電も、国民や
住民ではなく、英語圏の人々、おそらくは投資家のことばかりを考えている・・・。
もはや何をかいわんやです。

私たちの前には、なすべきたくさんのことが横たわっています・・・。


************************* 


検証・大震災:不信洗った、ヘリ放水 原発から白煙…
政権「世界に見放される」
 ◇自衛隊が前面、米に覚悟示す
 晴れ渡る空に陸上自衛隊の大型輸送ヘリCH47が2機、巨大なバケツ
(容量7・5トン)をつり下げて仙台市の陸自霞目(かすみのめ)駐屯地を
飛び立ったのは、東日本大震災6日後の3月17日朝だった。東京電力
福島第1原発3号機からは白煙が上がる。使用済み核燃料プールの水が
沸騰した放射性水蒸気だ。海水をくんで放水し、プールを冷やす前代未聞の
作戦だった。

 「炉心溶融が進行していれば、放水によって水蒸気爆発を起こすおそれ
もある」。菅直人首相らは「最悪のシナリオ」を危惧し、防衛省は搭乗隊員
向けにできる限りの防護策をとった。放射線を極力遮断するため戦闘用
防護衣の下に鉛製ベストを着込み、床部にはタングステン板を敷き詰めた。
原発上空に停止せず、横切りながら放水する方式とした。

 「ヘリ放水開始」。午前9時48分、テレビ画像のテロップとともに映像は
世界に生中継された。計4回(計約30トン)の放水で1回目が目標に
命中したが、爆発は起きなかった。日本政府が命がけの作戦を
開始した--。ニュースが伝わった東京株式市場では全面安の展開
だった日経平均株価の下げ幅が緩んだ。

 「自衛隊などが原子炉冷却に全力を挙げている」。作業終了から約10分後、
菅首相はオバマ米大統領に電話で伝えた。その後、米国防総省は藤崎
一郎駐米大使にこう伝えた。「自衛隊の英雄的な行為に感謝する」

 翌18日、米原子力規制委員会(NRC)代表団や在日米軍幹部と、防衛、
外務当局や東電など日本側関係者が防衛省でひそかに会合を持った。
米側の一人はヘリ放水を称賛した。「よくやりましたね」

 相次ぐ水素爆発と放射性物質の広域拡散……。原発暴走を制御でき
ない無力な日本という印象が世界に広がりつつあり、菅政権は「日本は
見捨てられる」と危機感を強めていた。「放水はアメリカ向けだった。
日本の本気度を伝えようとした」。政府高官は明かした。


 「原発の状況が分からない」。米国のいら立ちは震災直後からあった。
NRC先遣隊が12日の1号機水素爆発直後に日本に派遣されたが、
複数の政府関係者によると、経済産業省原子力安全・保安院は「情報開示に
慎重だった」といい、米政府は原子炉の現状を推測するしかなかった。

 14日には「トモダチ作戦」に参加していた米原子力空母ロナルド・レーガンが
乗員から放射性物質が検出されたとして三陸沖を離れ、16日にはNRCの
ヤツコ委員長が下院公聴会で「4号機の使用済み核燃料プールには
水がない」と証言。17日未明にルース駐日米大使が日本の避難指示より
広範な原発から半径50マイル(約80キロ)以内の米国人に圏外避難を
勧告した。一連の言動は日本への不信と強い危機感の表れと映った。

 日米がかみ合わない中、打開に動いたのは防衛省だった。15日に
東電側と相談して「3号機は上空、4号機は地上から」という放水作戦を立案。
水蒸気爆発を懸念した菅首相は防衛省に「地上の前にまず上空から」と
指示した。隊員から戸惑いの声も漏れたが、「やるしかない」と陸自幹部は
覚悟を決めた。

 16日の夜には北沢俊美防衛相と制服組トップの折木良一統合幕僚長が
「放射線量の数値が高くても踏み切る」と「17日決行」を決める。「隊員の
命にかかわる作戦だ」。17日朝、折木統幕長が東電から「安全」を確認
すると北沢防衛相に最終的なゴーサインを告げた。

 「今日が限度と判断をした」。北沢防衛相はヘリ放水後の会見で言った。
米政府は好感し、現実には冷却効果が期待できないヘリ放水は二度と
行われなかった。【震災検証取材班】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110422ddm001040072000c
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明日に向けて(65)再臨界の可能性、遠のく

2011年04月22日 16時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110422 15:40)

重要な内容が連続的に出て来ているので、幾つかの内容を発信します。
一つは、再臨界の可能性の指標であった、クロル38の検出について
東電から実は検出されてなかったという修正が出されたことです。
このことで1号機が再臨界を続けている可能性はほぼなくなったと言って
よいと思います。

ちなみにこの点を指摘していた小出さんも、クロル38検出の発表があった
当初から、繰り返し、東電の検出ミスかもしれないし、そうであると願いたいと
言っておられましたが、今回の東電の訂正に対しては、この検知ミスは
初歩的で、考えられないようなミスであり、そのことで世界中の多くの科学者が
振り回された。東電は、解釈を加えない前の、一時的な検出データをこそ
明らかにすべきだとラジオ番組の中で述べています。

また再臨界の可能性がなくなったからといって、危険性が去ったわけではない。
相変わらず現状では大量の放射能漏れを起こしながら冷やすしか手段が
なく、その次の進もうにも放射線量が高くて出来ない状態にあり、まだまだ
困難は継続していると強調されています。

以下に、ラジオ番組で小出さんが語られたことのネットにアップされた
要約(僕は番組を聞きましたが、要約は的確です)と、番組がアップされて
いるサイトのアドレス、また東電の発表を記した読売新聞の記事を
載せておきます。

*********************************

クロル38未検出の報に接した小出さんのお話(ラジオ番組当該部分の要約)

クロル38のこと、半減期の短い物質の過大評価と東電は言っていますが、
ばかげた説明である、ゲルマニウム半導体でガンマー線を計っている、
どの核種がどれだけあるか分かり、クロル38のことは分かるのに、生の
データを見たらすぐ分かるのに、今間違いというのか不思議と言うことなのです。
専門家には簡単なことなのです。スペクトルを見せてもらったらすぐに
分かるのに、20日以上スペクトルを出してない、本当かうそが分からないのです。

 分析・再評価は本当のデータを専門家が検討しないと、本当かどうかは
分からない、東電が勝手に解釈して間違いを発表するのを止めて欲しい
のです。みんなにデータ開示をして、再臨界で世界中が驚いたのです。
東電は正確なデータを出して欲しいのです。
http://hiroakikoide.wordpress.com/

*****
放射性塩素38「検出せず」、東電が訂正

2011年4月20日21時46分 読売新聞
 東京電力は20日、先月25日に福島第一原子力発電所の1号機タービン
建屋地下の汚染水から見つかったとした放射性塩素38について、再分析した
ところ検出できなかったと当初の発表を訂正した。

 塩素38については、燃料の再臨界が起こった根拠と指摘する専門家も
いたが、再臨界を示す他の放射性物質は見つかっていなかった。東電は、
分析のプログラムミスが判明し、再評価を進めていた。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110420-OYT1T00882.htm
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明日に向けて(64)岩手大槌町支援活動報告+原発の現状から明日を考える集い

2011年04月22日 02時30分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110422 02:30)

大変、近々のお知らせになって恐縮ですが、23日(土)、午後7時から
下記の内容の集いを行います。お近くの方、ご参加ください!

**************************

岩手県大槌町での被災者支援活動報告と原発の現状から
将来の日本に向けての支援と私達の生き方を考える集い


みなさま。

3.11以降、私たちはそれぞれの思いで被災地の痛みを共有
してきました。

被災者を直接応援しようと走りまわり、
ある人は現地にボランティアに赴き、
また京都で中古自転車を集めて被災地まで持って行った人もい
て、また義捐金を集めて送った方もいます。
ある人は福島原発ウォッチを続けて、
被ばくから身を守る為の情報発信を続けてきました。

そんな思いを持ち寄って、思いをシェアするために、
出来る限り多くの仲間たちで集まり、簡単な報告・討論会をし
ようと思いたちました。急な企画ですが、是非お越し頂ければ
幸いです。

日時: 4月23日午後7時から10時。
場所: 出町柳駅徒歩1分 アカテレテコベ ラファエルガーデン隣
http://www.sovesahva.org/sovesahva/index.html参加無料 
 


報告者と内容:

*大槌町での支援報告 千田悦子

国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)専門職職員

難民支援で身につけた緊急支援のノウハウを日本の被災地で役
に立て 日本の若者に伝えたいと休暇と許可をとり
個人としてパレスチナ子どものキャンペーン(CCP)に
ボランティアとして参加。 3月末から3週間 予算と事業計画
書を作成の上、3箇所の避難所で炊き出し・子どもの支援・瓦
礫から発見された写真の整理等を行う

*福島原発の現状と被災地その他への影響についての解説  
守田敏也 フリーライター

原発の危険性を以前より訴え 3月11日以降
精力的に福島原発のモニタリングを続けて
情報発信・解説等を行っている。


質疑応答の時間をとって、みなさんと一緒に色々と
考えたいと思います。ぜひお越しください。

連絡先 守田敏也
morita_sccrc@yahoo.co.jp
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明日に向けて(63)赤ちゃんを守るために、母乳を検査・・・

2011年04月22日 02時00分00秒 | 明日に向けて4月1日~30日
守田です。(20110422 02:00)

友人の、村上麻衣さんのお母さんの、村上喜久子さんをはじめとする
かたたちが、茨城県のお母さんたち5名、福島県3名、宮城県1名に母乳を
提供していただいて、放射能検査を行いました。その結果、千葉、茨城両県の
4人から1キロあたり最大約36ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを
つかみ、昨日、記者会見を開いて明らかにしました。

母乳からヨウ素が検出されたのはショッキングなことであり、胸が痛くなる
ばかりです。お母さんたちが内部被ばくしており、その影響が母乳に現れてきて
いることが明らかだからです。

しかしこのことを市民の手で調査し、明らかにしたことは画期的です。
赤ちゃんとお母さんを守るため、実に有益で、ありがたい調査だと思います。
拍手と感謝です!!

枝野官房長官も「過度な心配をしなくても大丈夫な状況だと判断しているが」と
いつもの前置きをしつつですが「お母さま方は心配だと思う。念のため、政府
としても一定の調査を行う必要がある」と表明し、厚生省に調査を指示した
ことを明らかにしました。

こうした調査が行われると、赤ちゃんやお母さんの安全が増していきます。
だから本来これは、政府が率先してやるべきことですが、子どもを高い放射線
が飛び交う学校に登校させる政府にそれを期待することなどできない。
ならば市民の側がこうして調査を行い、マスコミに事実を伝え、政府を
動かしていくこともできることが、ここに表れています。

その意味で、この調査は、放射線被ばくへの備えを、市民の側が積極的に
進めて行く一つの好例でもあると思います。わたしたちは、自ら能動的に
被ばくの実態をつかんでいく必要があるし、工夫を凝らせばこのように
進めることができます。

・・・赤ちゃんとおかあさんを守るために、プレスリリースされた、愛情あふれる
声明をお読みください。

*********************

マスコミ関係者のみなさま

母乳に放射能汚染の心配があります。
汚染の高かった地域のお母さんたちに母乳の検査を呼びかけます。
全国の皆さんに母乳検査と母子の支援を訴えます。

 私たちは、「本当に母乳に放射能汚染はないのか」という事を心配して、
茨城県のお母さんたち5名、福島県3名、宮城県1名に母乳を提供していた
だき、放射能検査をいたしました。その結果、茨城県のお母さんの母乳の
複数から、ヨウ素-131が検出されました。福島県の方の母乳は不検出
(1名検査中)、宮城県の方の母乳も不検出でした。(セシウムは不検出)
*数値は記者会見で発表

 実際に母乳の放射能汚染があった事は衝撃です。原因は、様々考えら
れますが、公開されている空気・水・野菜・原乳の汚染の高かった地域の
お母さんたちの母乳は、もしかしたら赤ちゃんに与えるには高いレベルに
あるかもしれないと私たちは心配しています。

 今回母乳を提供してくださったお母さんたちは、赤ちゃんのためを一心に
思い、勇気をふるって協力してくださいました。これからこうしたお母さん
たちを支援するために、母乳の調査を広く実施するとともに、万一数値が
検出された場合でも安全なところへの一時避難や安全な食べ物や水、
粉ミルクや他のお母さんからの母乳の提供など、お母さんが希望される事を
バックアッするネットワークを作りたいと思います。

 国は、繰り返し「直ちに健康障害の恐れはない」とだけ言いますが果たして
そうでしょうか。チェルノブイリでは子供たちの白血病や甲状腺ガンが
ピークに達したのは10年後でした。

 私たちは、市民のネットワークの力で母乳の放射能汚染のデータを持って
おきたいと思います。過去に原爆症、水俣病、カネミ油症、薬害等々、国の
研究は被害者である市民を守るものではなく、長年被害者を苦しめる側に
ありました。今もって母乳の調査がされていない、又は発表されない事は
国は内部被曝の証拠が消えるのを待っているのでしょうか。

 母乳調査は、目には見えない内部被曝の実態を唯一目に見える数値に
する指標ともなります。いろいろな食べ物や環境、生活パターンなどを
合わせてデータ化することは、貴重な内部被曝の実態とその原因や対策を
考えるきっかけにもなると確信します。

 『母乳調査・母子支援ネットワーク』は、福島県、茨城県を始めとする
放射能汚染を受ける可能性のある地域のお母さんに向けて母乳検査を
呼びかけると共に、全国の皆さんに、母子を支援する検査の資金カンパ、
母子を支援する様々な取り組みにお力をお貸しいただけますよう、
呼びかけます。

2011年4月21日

母乳調査・母子支援ネットワーク

発起人 村上喜久子・大賀あや子・宇野朗子・大石光伸・村井和美
・河田昌東・向井雪子・黒部信一・高橋智津子・村上麻衣

連絡先 090-6649-0311 (090-9227-0132 村上)
カンパ先 郵貯 普通 12170 70089991 母乳調査・母子支援ネットワーク

***

福島第1原発:4人の母乳からヨウ素 民間検査会社分析

2011年4月21日 20時55分 更新:4月21日 21時26分 毎日新聞
 市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」(村上喜久子代表)は21日、
福島第1原発事故を受け、福島県など4県の女性9人の母乳を民間検査
会社で分析した結果、千葉、茨城両県の4人から1キロあたり最大
約36ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。

 生活協同組合の組合員から3月下旬に母乳の提供を受け、千葉県柏市の
女性から1キロ当たり36.3ベクレル、茨城県守谷市や同県つくば市の
女性3人から31.8~6.4ベクレルの放射性ヨウ素を検出した。福島県と
宮城県の女性は、不検出か検査中という。

 厚生労働省は、母乳に含まれる放射性物質の安全基準を設定して
いないが、検出した数値は水道水に関する乳児の摂取規制値(1キロ当たり
100ベクレル)以下で、同省母子保健課は「健康への影響を心配する
レベルではない」と話す。

 一方、枝野幸男官房長官は21日の会見で、検査結果について「過度な
心配をしなくても大丈夫な状況だと判断しているが、お母さま方は心配だと
思う。念のため、政府としても一定の調査を行う必要がある」と述べ、厚労省に
調査を指示したことを明らかにした。具体的な調査方法は今後検討する。
【佐々木洋】
http://mainichi.jp/select/today/news/20110422k0000m040118000c.html
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