守田です。(20160229 15:30)
速報です。高浜原発4号機の原子炉が、本日(29日)午後2時1分に緊急停止しました。
発電機の故障を示す警報が出たためとされています。発電機が自動停止し、続いて原子炉も自動停止したようです。
関電は「このトラブルによる環境への影響はない」と報告していますが、詳細は不明です。
そもそも長きにわたって止まっていた原子炉の再起動はそれだけで危険性があります。
高浜4号機の場合、21日に起動試験を行い、26日に再稼働を行うスケジュールでしたが、20日午後3時42分ごろに設備の一部に水を通したところ、警報が鳴ったため、調べてみたら一次冷却水が約34リットル漏れていることが明らかになりました。
このため関電は21日の起動試験を延期し、原因調査を開始しましたが、21日には原因を特定できませんでした。
22日になって1次冷却水から「不純物」を取り除く設備に取りつけられた弁のボルトが緩んでいたことが原因と発表しました。
関電は問題のボルトの加締めを行い、3号機と4号機の同様のボルトについても点検を行ったむね発表しましたが、ここまでで行程が2日ほどずれていたにも関わらず、26日の再稼働強行を表明。
事実上、起動試験から再稼働までの期間を当の予定より早めて再稼働を強行してしまいました。
ボルトの緩みについても、加締めを忘れたのか、自然に緩んだのかなどが判明しておらず、まだまだ解明すべきことがある中での再稼働強行でしたが、今日になってさらに原子炉の緊急停止という重大事態が発生しました。
まだ事態の詳細が明らかになっていませんが、事前の冷却水漏れの発生をも鑑みて、ただちに4号機の稼働をやめるべきです。
そもそも昨年、日本中の多くの原発内の電気ケーブルにおいて、防火対策上、非常系とそうでないものを分けて配線すべきなのに適切な処置がなされていないことが発覚しました。
しかもこれは1975年に決められた基準への違反であり、新規制基準どころか、旧規制基準をも通らない不正でした。なんと40年間まかり通っていた不正でした。
このため原子力規制庁は、日本中の全原発の再点検を電力会社に要望しましたが、なんと新規制基準に合格した川内原発と高浜原発だけはこの点検から除外し、そのまま再稼働を強行させてしまったため、この点も重大な懸念事項となっています。
さらに24日には東京電力が、福島原発事故の3日後の14日には、メルトダウンを把握していながら、公表しなかったという大犯罪も明らかになりました。
これは社内マニュアルに書かれていた「5%損傷で燃料溶融(=メルトダウン)とみなす」という記述を、全社員がその後5年間にわたって忘れていた事態として東電は釈明会見を行いましたが、とんでもない大嘘です。
当時1号機の核燃料の55%が損傷し、2号機で30~35%が損傷していることを東電は把握していたのです。社内マニュアルに5%損傷でメルトダウンとみなすとなっていたものがな55%も損傷していて、燃料溶融が分からなかったはずがない。
いや仮に本当に分からなかったのだとしたら、抜本的に東電の運転資格が問われます。いや東電だけでなくいざという時にまともな判断を行えない東電に運転を任せてきた国の責任問題も重大であり、当然にも現在の再稼働の許認可資格も問われます。
再稼働に向けてトラブルが重なっている上に、この重大犯罪の発覚も合わせて考えるならば、4号機の運転はこのままやめるべきであり、さらに現在稼働中の川内原発1号機、2号機、高浜原発3号機も即時運転を停止すべきです。
危険な全原発の稼働即時停止を訴えていきましょう。
以下にニュースを貼り付けておきます。
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再稼働の高浜原発4号機 警報出て原子炉自動停止
NHKNWESweb 2月29日 14時29分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160229/k10010425761000.html
今月26日に再稼働した福井県の高浜原子力発電所4号機は、29日午後2時すぎ、発電機の故障を示す警報が出たためタービンが自動停止し、原子炉も自動停止したということです。
関西電力によりますと、このトラブルによる環境への影響はないということです。
原子力規制庁によりますと、29日に予定されていた発電と送電を開始する操作をしていたところ、トラブルが起きたということです。
高浜4号機、原子炉緊急停止=発電機トラブルで―関電
時事通信 2月29日(月)14時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160229-00000069-jij-soci
29日午後2時ごろ、関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で、発電と送電の作業中に発電機が止まるトラブルがあり、原子炉が緊急停止した。
関電によると、これまでのところ外部への影響はない。関電が原因を調べている。
4号機は26日に再稼働し、29日から発送電を開始する予定だった。
関電などによると、午後2時ごろに内部故障の警報が鳴り、発電機が自動停止。さらに、タービン、原子炉も自動停止したという。