明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

原発と原水爆から命を守るために被曝被害隠しのテクニックを知ろうー『放射線副読本』読み解き会に  明日に向けて(2155)

2022年01月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220131 23:30)

もう一度、原発反対の大きな声を響かせよう そのために被曝について学ぼう

昨秋の衆院選、連合による脱原発共闘つぶし攻撃の中で、野党共闘が原発反対色を薄めてしまい、思ったような勝利に届きませんでした。
原発不祥事の連続で電力会社が信頼を失い、裁判で次々運転停止などが命じられ、黒い雨裁判が画期的な勝利を得たのに、選挙につなげられなかったことがとても大きかった。
自民党総裁選ですら、原発を続けてよいか否かが論議になってしまう中で、危機感にかられた連合がだまくらかしを行ったのでした。

しかしどうごまかそうと原発はとても危険。稼働を続ける限り、いつかこの国は自滅します。世界の人々を巻き込んで。
そんなことをさせないために、この春、大きな巻き返しをしましょう。この国の民の過半が支持している「原発反対」の声を再度響かせましょう。
そのために被曝についてしっかり学ぶことが大事。ぜひ読み解き会にご参加下さい。あなたの周りでも開催してください。


読み解き会、1回目の動画をお届けします

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を使った読み解き会、1回目が終わっています。
「副読本」「第1章 放射線について知ろう」のうち、「1-1 放射線って、何だろう」の読み解きを行いました。
この動画を「もりもりチャンネル」にアップしました。ご覧下さい。

第1回『放射線副読本』読み解き会

今回は被曝影響を小さく見せるテクニックや、放射性物質が半減していく性質を使った「半減期詐欺」について説き明かしました。
この部分だけでも被曝問題のエッセンスが分かります。質疑応答でレアな情報も語りました。


第2回目は放射線の影響についてコアな読み解きを行います

第2回(2月19日)は、「第1章 放射線について知ろう」の残りの「1-2 放射線を受けると、どうなるの?」について扱います。
メインタイトルを「原発と原水爆から命を守るために~」としたのは、ここで初めて広島、長崎原爆のことが出てくるからです。実はこの点が放射線問題をめぐる最もコアな点です。

今回は原爆のことを扱いつつ、「シーベルト」という放射線を測る単位の中にこもっている矛盾についても解き明かします。
ページ「ぬ」に書いたことですが、けっこう最先端の内容だと自負しています。ぜひ聴いて下さい。


ぜひすぐにお申し込みを

第2回2月19日、第3回3月19日、いずれも土曜日午後2時から4時。
大津市生涯学習センターにて、zoom参加も可能。資料代1回あたり1000円。ぜひすぐにお申し込みを。

『放射線副読本』読み解き会・有志の会
連絡先 申し込み先 080-3791-5345(安齋)/090-8523-6857(石堂)
yomitokkiradiation@gmail.com FAX 077-522-6359

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』は以下からゲットを
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

新BOOK『AFTER TEN YEARS命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』 は以下からゲットを
https://nyoki2pj.com/lp/after10/

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #にょきにょきプロジェクト #半減期詐欺 #原爆 #原水爆 #原発からの命の守り方 #放射線防護 #黒い雨

*****

12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この連続講演にも触れています。

原発や放射線被曝の危険性の暴露など、取材・執筆活動のためのカンパを訴えます。以下からお願いします。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます)

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原発のない明日を~老朽原発このまま廃炉!大集会 in おおさか (5月29日日曜日午後開催)にご参加を! 明日に向けて(2154)

2022年01月30日 11時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220130 11:00)

いまこそ原発反対の声を大きく

1月22日に大阪の天満で「老朽原発うごかすな!実行委員会」が行われました。リアルとzoomで55人ぐらいが参加。
5月29日(日)午後、大阪で関西+福井から集う大集会を行うことが決まりました。
タイトルは「原発のない明日を~老朽原発このまま廃炉!大集会 in おおさか」です。

関西と福井のみなさん。近郊のみなさん。ぜひ5月29日に一緒に集まりましょう。


大阪天満で行われた実行委員会 2枚とも稲村守さん撮影 20210122


昨秋衆院選で原発が争点にならなかったことを越えよう

会議では冒頭に小浜の中嶌哲演さんが主催者挨拶。昨秋衆院選で多くの人が反対しているのに原発が争点にならなかったことを踏まえ、参院選前に大きな集会を!と発話。さらに三つの提案をされました。

一つ「一食断食→フクシマ被災者の救援カンパを」と提案。「11年目に入ったフクシマ」への物心両面の連帯として断食一食分のお金を共通口座に集め、フクシマに送ります。
二つ「関西電力から小口電力消費者は大挙して離脱を」と提案。関西電力への抵抗です。
三つ「市民・議員立法として原発ゼロ法案の再提出運動を」と提案。参院選での争点化もにらんでです。
哲演さんの熱く優しい思いがダイレクトに伝わってきて、胸を熱くしました。


哲演さんの隣に座れたので、とりわけよくお話を聞けました 守田撮影

続いて木原壯林さんが基調的な報告を行われ、討論が始まりました。この点は「脱原発市民ウオークinしが近江八幡2021 沢井清さん」のFacebookへの投稿から引用させていただきます。
「前回実行委員会報告と、この間の取組行動、さらに、エネルギー基本計画で原発を重要ベースロード電源と位置付け、内閣も原発推進派で統一した、との情勢の報告をされた後、情勢認識の討論に入った。」


木原壯林さんが発言 稲村守さん撮影


前夜1月21日に関西電力京都支社前金曜行動(500回目)に参加され、実行委でも貼りだした横断幕を掲げられた木原壯林さん 守田撮影


原子力マフィアの動きにご注目をと発言

いろいろな意見が出ましたが、僕からは原子力マフィアの動きへの注意などを呼びかけました。
「副読本」を書いた高村昇氏が「放射線災害復興学」を立ち上げるなど、次の核事故が想定され、放射能安全論が振りまかれている。原発での「不祥事」の頻発にも、電力会社が過酷事故など防げないと考えていることがのぞかれている。
そんな中で総選挙では連合の画策によって脱原発共闘つぶしが狙われた。次に事故が起こった時に、この共闘が大きな脅威だからだ。ただしあからさまに原発には触れず、異例の会長人事のもと、理不尽な共産党攻撃を行って圧力をかけた。

これらへの対抗として被曝の危険性を訴えることが大事。黒い雨訴訟の意義とも結びつき、「危険な放射能をばら撒く原発は反対」と再び強調しよう。
また大電力消費地の大阪の人々に若狭への矛盾の押し付けを変えることを訴えよう。企画で福島イノベーションコースト構想許さないという点も盛り込もう。
などなど語りました。終了後に僕のところにわざわざ寄って下さった方々が大変喜んで下さり、読み解き会へ参加するとおっしゃって下さった方もいました。


このチラシを示しながらお話しました。読み解き会へのお申し込みは以下まで
yomitokkiradiation@gmail.com FAX 077-522-6359

さらに活発な論議を

この実行委、参加されたみなさんが、実に活発にいろいろと発言されて、とても面白く、楽しかったです。
実は実行委には哲演さんが誘ってくださったのですが、その哲演さんと帰りに最寄りの駅までご一緒した時に「今日は大成功でしたね!」ととても喜んでおられました。なんだか僕まで嬉しくなりました。

次回の実行委員会は2月28日日曜日午後2時から4時半まで。大阪市北区(国労会館3階会議室)で行われます。(2月13日から延期になりました)
会議は誰でも参加可能。もちろん個人でもOK。みんなで参加して、意見も重ねながら大きな集会を作り上げましょう。


この日の帰りに撮った大阪中之島の夜景 この電気の一部も若狭の原発から若狭の人々を素通りして来ている 大阪・京都など大消費地こそが声をあげないと 守田撮影

#老朽原発このまま廃炉 #原発のない明日を #老朽原発うごかすな実行委員会 #中嶌哲演 #脱原発市民ウオークinしが近江八幡2021 #原子力マフィア #放射線災害復興学 #高村昇 #脱原発共闘つぶし #連合会長の理不尽な共産党攻撃

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昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

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福島原発事故から10年経って「発電所を生まれ変わらせる」と柏崎刈羽原発所長ーこんな原発を容認した人々にも責任がある  明日に向けて(2153)

2022年01月27日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220127 23:30)

いまになって「発電所を生まれ変わらせる」だなんて・・・

1月27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稲垣武之所長が、今年初めての会見を開き、次のように語ったことが報道されています。TeNYテレビ新潟の記事から引用します。
「発電所部門および原子力部門をしっかりと生まれ変わらせ、地元の皆さまにご信頼いただき、地元の発電所として受け入れていただけるよう、行動と実績でお示ししてまいりたいと考えております」。
「原子力改革をひとつひとつ進めるしかないと思ってますので皆さま方に目に見える形になるまでは、再稼働時期がどうこうという発言をするつもりもありませんし資格もないと思っております」。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c90b928175fa1db2d33fb10e1be6bf606fbc61dc

同原発では昨年までに、安全対策工事完了と言いながら終わってなかったり、職員が原発制御室に他人のIDで入ってしまったり、重要なセンサーが幾つも壊れたまま放置されていたことなどが、次々と発覚しました。
とにかくめちゃめちゃに酷いです。あの深刻な事故から10年経っても、まともな反省などしてないのです。もはやこの会社に、これ以上原子力に携わらせはいけません。


稲垣所長の初会見を報じるTeNYテレビ新潟 20220127


このひどさを見抜けなかった原子力規制委員会も大問題

電力会社に大甘の原子力規制委員会も、さすがに東電の「不祥事」の連発に耐え切れず、昨年4月に柏崎刈羽原発の運転禁止を命じました。しかしそれも甘い。東電には原子力事業に関わる資格などないです。
同時に問われなければならないのは、こんな東電の原発再稼働を容認した原子力規制委員会自身の責任です。
規制委員会は2020年秋に、この東電のセキュリティ違反などをまったく見抜けず、再稼働許可を与えてしまったからです。更田委員長は東電に対し、自分たちを「なめていたのか」と嘆きましたが、まさにその通り。なめられまくっているのです。

しかも事務局である規制庁が、中央制御室への不正入室問題を知りながら、規制委員会に報告していない間に、許可のプロセスが進んだという大問題もありました。この検証すらしていない。自分たちのことはなんら「規制」しないのです。
これらから明らかなのは、原子力規制委員会にこれ以上、電力会社への稼働の許認可権限を与えていてはならないということです。完全にアウトです。


東電に対して「なめていたのか」と語る更田委員長 20210415 ANNニュースにて


にもかかわらず与党、維新、国民、立憲泉氏は容認ー真の脱原発のうねりを作りだそう!

東電のモラル崩壊は本当に深刻です。何せ「発電所を生まれ変わらせる」必要があると自分たちが言うほどです。規制委員会もこれを、まるまる見過ごしていたのですからアウトです。
にもかかわらず、そんな状態にある原発の運転を与党、維新、国民は容認しているのです。端的に言って、この国の人々の安全を守る気がまったくないのです。
その上、昨年衆院選では、連合が自らの危機感を背景に、このどうしようのない容認の渦に野党共闘を引き込むことを画策しましたが、これにまんまとはめられた立憲泉氏も、いまや容認に舵斬りしています。

泉氏はそのために「共産党切り」を表明していますが、実はそれで連合と共に狙っているのは、野党共闘から原発反対を完全に降ろさせること。しかしいまや原発反対は、この国の民衆の過半が強く支持していることです。
だから、今こそここで真の脱原発のうねりを作りだしましょう。立憲の心あるみなさん、いや与党支持者の心あるみなさんも、この国の民を守る真っ当な流れに合流するでしょう。自信を持って進みましょう!


代表選を前に原発容認を語る立憲泉氏 20211125 BS日テレ「深層ニュース」にて

#柏崎刈羽原発 #発電所を生まれ変わらせる #稲垣武之所長 #他人のIDで制御室入室 #センサー故障放置 #柏崎刈羽原発運転禁止 #原子力規制委員会 #なめていたのか #立憲泉氏は原発容認するな

*****

被曝の危険性を問う学習会に参加を! チラシをご覧下さい。
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0c9ab42167b8aaecdff0ca7b60d52ad9

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市民と野党の共闘は原発反対をすっきり掲げてこそ未来が開ける!連合の脱原発共闘壊しを打ち破ろう 明日に向けて(2152)

2022年01月26日 15時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220126 15:30)

「共産と連携が敗北の一因」に反発続々 立憲、衆院選総括大もめ-毎日新聞(20220125)見出しより

前回の「明日に向けて」で、連合が野党共闘から原発反対の旗を降ろさせることを狙っていることに騙されてはいけないと書きました。
「立憲のみなさん、正念場です」とも書きましたが、立憲民主党は25日の常任幹事会で、「共産党との連携が敗北の一因」とする衆院選総括案を討論。反発が続々とあらわれたそうです。記事のアドレスを示しておきます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ab88e833ae1c1c42b6fbc60c2c2b133289be31c

この「総括案」は、連合のだましに完全に乗ってしまい、共産党との連携の否定ばかりか、原発の容認に舵を切った泉健太氏などが出したもの。
代表選の過程で名乗りを上げた4人が原発反対と容認に分かれる中で、容認派として代表に就任したことを受けたものです。泉氏にとっては、原発容認に舵を切ったがゆえに、余計に共産党が邪魔なのでしょう。


衆院選総括での「大もめ」を報じる毎日新聞


小川氏、泉氏は限定的な原発再稼働を容認 他候補は否定 立憲代表選ー朝日新聞(20211125)見出しより

さてその昨年11月の立憲代表選を振り返ってみましょう。泉氏の発言を朝日新聞の記事から引用します。
「2030年の段階では(厳しい安全基準などの条件を)満たした原発は予備電源として確保する」とした報告書を党でまとめたと紹介。「予備電源という意味で、ごく少数の原発は稼働させられるような状況を考えておかなければいけない」と語った。
https://www.asahi.com/articles/ASPCT3H40PCSUTFK01M.html

この時、原発に反対した二人の代表候補はこう述べました。逢坂氏、西村氏の順で同じように引用します。
「日本の原発は致命的な欠陥がある。過酷事故が起きないとして避難計画を作らなくてもいい前提で立地しているために、計画がつくれない。再稼働は厳しい」。
「東京電力の不祥事が頻発している。とても再稼働の議論などできる状況にない。原発に頼らないカーボンニュートラルの実現を目指すべきだし、実現ができる」。

結果的に原発容認派の泉氏が代表になったわけですが、この結果を見て誰よりも「してやったり」と思ったのは連合の面々だったでしょう。
だからこそ、連合会長はさらに共産党批判のトーンを上げました。ここで決定的に原発反対の声を野党共闘の中から一掃しようというのです。


立憲代表選における原発論議を報じる朝日新聞


野党共闘は原発反対を掲げてこそ未来が開ける

ここで私たちがしっかり見ておくべきことは、この連合会長の動きは、今なお連合が巨大な危機感の中にあることを背景にしていることです。その点を立憲の二氏、逢坂氏と西村氏も明確に語られています。
「日本の原発は致命的な欠陥がある」「東電の不祥事が頻発している。とても再稼働の議論などできる状況にない」。ここです!

そんな原発を支持しているだけで、連合はとても立場が悪い。しかも「東電の不祥事」の実態を実は連合はとても良く知っている。そこで働いている労働者が組合員だからです。現場労働者たちは大事故の可能性だって知って恐れています。
野党共闘を支持するみなさん。思い出しましょう。安倍政権もまた選挙で一度も原発を争点にしませんでした。なぜか。そんなことをしたら負けることが分かっていたからです。どう隠したって原発の危険性は隠しきれないからです。

いやそれだけではありません。そもそも安倍政権のもと、どんなに議席を独占しようとも、老朽原発ばかりかもんじゅまで廃炉が決まり、裁判でも次々と稼働が止められ、原発輸出も全部ダメになりました。この領域は民衆が勝ち続けているのです。
だから前回総選挙の総括は正しくはこの一点。「野党共闘に最も有利だった原発問題を争点から外したから負けた」「原発反対をすっきり掲げてこそ野党共闘に未来がある」です。連合にだまされずに、自信を取り戻しましょう。


トルコへの原発輸出のとん挫を報じるANN 20181204 原発輸出反対運動はすべて民衆側が勝った!


各地で原発反対の企画を続けよう

みなさん。この点をしっかりとおさえましょう。各地で再度、野党共闘の合意作りが目指されると思いますが、原発反対をしっかり大書きしてください。小さくしてはダメ。エネルギー問題と混在させてもダメ。危ないから反対とはっきり書きましょう。
同時にコロナ禍でも原発反対企画を続けましょう。関西では参院選前の5月29日(日)午後に、大阪で関西+福井から集まる大集会の開催が決まりました。「原発のない明日を 老朽原発このままハイロ 大集会in大阪」とのタイトルです。

僕自身ももちろん参加しますが、さらに反原発を推し進めるためにさまざまな形で被曝の危険性を向き合う企画を催しましょう。ここにこそ原発反対の原点があるからです。
さしあたっては滋賀県大津市で、『放射線副読本』読み解き会を行っています。すでに1回目が終了しましたが、2回目からでも参加可能です。ぜひご参加下さい。リモートでも参加できます。案内を貼っておきます。

大津での読み解き会にご参加を!申し込みアドレスはこちら
yomitokkiradiation@gmail.com    Fax 077-522-6359

#連合 #共産党批判 #衆院選総括 #立憲は正念場 #野党共闘は脱原発を鮮明に #野党共闘は原発反対を掲げてこそ未来が開ける #次の核事故が見すえられている #原発はエネルギー問題ではない #原発反対を大書きしよう

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昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

原発そして被曝から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
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チラシ 「放射線副読本」読み解き会 2月19日、3月19日

2022年01月26日 00時37分11秒 | 明日に向けて(2101~2200)


Mail:yomitokkiradiation@gmail.com
Fax 077-522-6359

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』は以下から無料で
ダウンロードできます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

解説動画もご覧になれます。

新BOOKも作りました。
https://nyoki2pj.com/lp/after10/

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「なんて乱暴な」立憲幹部は絶句?連合の狙いは野党共闘から脱原発の旗を降ろさせること。いまこそ原発反対の声を高めよう 明日に向けて(2151)

2022年01月24日 22時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220124 22:00)

連合が共産党と連携する候補者を推薦しない方針を決定!立憲のみなさん。正念場です

夏の参院選に向けて、連合が共産党と連携する候補を推薦しないとの方針をまとめたそうです。「『なんて乱暴な』立憲幹部は絶句 連合の野党離れ、なくした政治の軸」と朝日新聞が記事にしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3aaa31bfad55ea5a719ef1c072471b436fb86c29

記事では、これに続いて、立憲幹部が「『なんと乱暴な』と絶句し、『今までのような共産との連携はできなくなり、新しい方法を考えないといけない。これで得をするのは自民党だけだ』とこぼした」と書かれています。
いやいやいや。立憲幹部のみなさん。「絶句」するほど乱暴なお相手に付き合っていてはダメです!しっかり筋を通してください。正念場です。


連合の「乱暴な」方針を報じる朝日新聞


連合会長の共産党批判の狙いは野党共闘から脱原発の旗を降ろさせること

なぜ連合会長はこれほど共産党批判を繰り返すのか。連合の立場から見てみましょう。答えは明白、前回衆院選の前にかつてなく原発批判のムードが高まりつつあったからです。
一つにここ数年、原発での「不祥事」が繰り返され、電力会社不信が高まっていたこと。裁判でも原発の運転を認めない判決が相次ぎ、避難者裁判でも国と電力会社の責任が次々認められています。

一方で黒い雨訴訟勝利により、被曝被害が過小評価されてきたことが大きく明らかにされました。しかもそんな時に自民党総裁選に原発批判を語る河野太郎氏が立候補し、初めて原発の是非が与党の議論の俎上に登ってしまった。
「このままでは脱原発の動きが加速する!」 電力会社と一体化している連合は、ものすごい危機感から、まさかの人事で女性会長を登場させ、「感情的な」共産党批判を始めたのです。野党共闘から脱原発の旗を降ろさせるためにです。


規制委員会が柏崎刈羽原発の相次ぐ不祥事に耐え切れなくなり運転禁止命令を発令 2021年4月14日


連合は電力会社が「事故は防げない」と思っていることを知っている

実は連合の危機感にはもっと大きな問題が介在しています。まずこの間、電力会社を観察していると、事故対策を真面目にやろうとしていないことが分かります。どうやっても過酷事故を防げないことを知っているからでしょう。
それで例えば西日本の電力会社は、福島原発事故後、10年間もベント設備を作らなかった。特定重大事故等対処施設(テロ対策施設と呼ばれる)とされたものですが、それで全ての原発が期限切れで一度、止まりました。

その後、わずか一年ぐらいの突貫工事で「完成」したと運転に復帰しているのですが、どこも短期間でできていますから手抜き工事なのは明らか。しかももっと早く作れたのに作らなかったことにも、無駄だと思っていることが現れています。
電力会社の現場で働いている連合組合員が、この実情を知らないはずがない。そもそも現場は士気もモラルも低下している。他人のIDカードで運転室に入室したり、センサーが数年壊れていたことを放置したりしている。


美浜原発もベントなどが完成しないまま強引に4ヶ月稼働した後に停止 2021年10月23日 カンテレ


次の核事故が見すえられている

ここには重大な問題があります。電力会社は明らかに次の事故が不可避と思っているのです。さらに原子力マフィアは「放射線災害復興学」という事故後を考えた学問すら立ち上げ、被曝は危険ではないというキャンペーンを繰り返している。
実はそれで多くの連合傘下の労働者も、岐路に立たされているのです。このまま原発の危険な状態を見てみぬふりをして、犯罪に手を染めるのか。今こそ、内部告発などに走るのか。

連合幹部にとって一番恐ろしいのは、原発が事故を起こすことではなく(それなら自ら止めに走ります!)、事故で連合の存在意義がなくなること。電力会社と共に連合にも批判が集中し、労働者が原発反対に走りだすことです。
しかもその時、原発反対をしっかりと掲げた市民と野党の連合があったらもの凄い脅威。たちまち連合は形をなさなくなります。だからこの点も見すえて、組織の存亡をかけ、共産党を批判しつつ、脱原発を降ろさせようとしているのです。


守田講演スライドより


連合のだましに乗らず「危険な原発止めて」と大きく叫ぼう

そこで扱われているのが気候変動問題。例えば「代替エネルギーを促進して原発ゼロに。温暖化ガスも削減しよう」なんてスローガンに代えさせようとしている。
しかしそれでは代替エネルギーが促進されるまで原発が必要となってもしまいます。違います。そもそも原発問題はエネルギー問題ではないのです。安全問題なのです。「原発ゼロは理想」もウソ。だってとにかくリアルに危険ですから。

実はこの流れは連合だけが作っているのではありません。世界的にも気候危機を煽りながら、原発が必要だとの論が起こっている。しかしかりに気候が大変動しても日本列島は沈みません。原発は東西サイトの事故で日本を壊滅させてしまいます。
だからいま、私たちはもう一度、「危険な原発止めて」と大きく叫びましょう。それこそ連合傘下の労働者にも「社会を守ろう。命を守ろう。自らの意志で投票しよう」と呼びかけましょう。連合のだましを越えて、原発ゼロの道を力強く進みましょう!


原発は一つのサイトの過酷事故で日本の半分を壊滅させる

#連合 #共産党批判 #なんて乱暴な #立憲は正念場 #野党共闘は脱原発を鮮明に #次の核事故が見すえられている #放射能災害復興学 #原発はエネルギー問題ではない #自分の意志で投票を

*****

大津市で被曝の危険性をつかむため学習会を行っています。 詳しくは以下の記事をご覧下さい。
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/7f91ed9316f4714611d1c69e08a2b044

昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。

原発そして被曝から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalの場合:https://www.paypal.me/toshikyoto/500(金額は自由に設定できます) 

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にょきプロ新BOOK『命を守り育み伝えるために~AFTER TEN YEARS~ 福島原発事故から10年を振り返る」を配信中です。ぜひお手に取って下さい! 明日に向けて(2150)

2022年01月21日 17時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220121 17:00)



BOOKの無料ダウンロード先と冊子ご注文先を示しておきます。
https://nyoki2pj.com/lp/after10/
https://forms.gle/TqJ6AnTGYTMfXZUr6


原発事故避難者の蝦名さんの思いからスタート

このBOOKは、原発事故時に埼玉から岡山に避難移住し、保養のための「瀬戸内交流プロジェクト」を続けてきた蝦名宇摩さんの依頼で始まりました。
蝦名さんは津軽三味線奏者でもありますが、コロナでキャンプができない中、10年を振り返る冊子作成を発案。それなら一緒にと作りました。

BOOKは「あのとき日本は東日本壊滅になるかもしれなかった」点から説き起こしました。一部の人々はすぐ逃げましたが、多くの人々が深刻に被曝しました。
しかしその後人々が目覚め、原発反対の声が高まって次々原発が止まり、もんじゅも廃炉になり、原発輸出も停まりました。新BOOKでは「このことにもっと自信を持とう!」と説いています。


被曝を受け止め心身を癒すことが大事

一方で福島原発から出た放射能は、今も人々を被曝させ傷つけ続けています。しかしこの認識がまだまだ不十分。それであるテレビ番組を取り上げました。
あの時、東京の世田谷でも多くの放射性物質が飛んできていたことなどを描いたものです。福島のサルの白血球数が減っていることも示されましたが、これを受けて、BOOKで岡山在住の三田茂医師の話を取り上げました。

東京の子どもたち約4000人の血液を検査し、白血球の好中球が減っていることを示し、「新ヒバクシャ」に「能力減退症」が起きていると論文で発表された方です。
この被曝の事実をそのままに受け止め、対応していくことが大切。保養も避難も大事です。


被曝被害は隠されてきた

BOOKではなぜ被曝被害がきちんと取り上げられないのかも論じました。実はこれは広島・長崎での原爆を使った大量殺人から続いていること。
その後の東西冷戦の中でも、資本主義陣営と社会主義陣営が核開発競争を続け、人々を被曝させ続けました。

被害を受け止めることの辛さも、実態隠しに利用されました。差別の中で、被爆を隠さざるをえなくなったり、辛くて影響を認められないこともたびたび起こりました。
「被曝しても大した影響はない」というウソは、こうした点に乗っかって振りまかれてきました。この点をきちんと知ることが大事です

以上、このBOOKでは、こんな点を何度も話し合い、原稿を練り上げました。ぜひみなさんに読んで、活用していただきたいです。

最後にBOOK作成の思いを、蝦名さんが奏でる「即興津軽じょんがら曲弾」に乗せて綴った動画をご紹介します。詩は、にしむらしずえさん作です。
私たちの思いがみなさんに届きますように。

#にょきにょきプロジェクト #AFTERTENYEARS #命を守り育み伝えるために #福島原発事故から10年を振り返る #瀬戸内交流プロジェクト #蝦名宇摩 #即興津軽じょんがら曲弾 #にしむらしずえ #保養と避難

*****

昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。

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科学者たちは沈黙し隠ぺいに加担。このため多くの人々が被害を認められず、苦しみ続けてきたーNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー4 明日に向けて(2149)

2022年01月20日 11時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20210902 13:30)

NHKBS1スペシャルの文字起こしの4回目をお届けします。なお小見出しは守田がつけました。

NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」-4回目
2021年12月29日放映

長崎間の瀬地区も被爆させられ見捨てられ続けている 

残留放射線の研究が進まなかったことで、被爆者として認められないという人たちがいます。西山より遠い、爆心地から7.5キロに位置する間の瀬地区です。

鶴武(つるたけし)さん(84)。原爆の影響によって家族がガンに苦しめられてきたと訴えてきました。

原爆が投下されたとき、8歳だった鶴さん。
「ここが私たちが住んでたとこです。」

その日降った雨に当たり、脱毛の症状が出たといいます。

鶴さん
「私は髪の毛が薄なって、くしにかかってから、くしを外さもできんよと、そげんつらい目に遭ったということは事実や。」
「ここが池になっとったです。」


当時、間の瀬地区では、池や沢の水が暮らしに欠かせないものでした。

「飲んだら危険ちゅうことは誰もわからんけんで、それを飲んだり、料理も、何をすっとも一緒。」

家族に異変が生じたのは、原爆投下から15年ほど経ったころ。

「腹の腫れたり、首の腫れたりしとったけんね。それば思い出して。」


間の瀬地区で育った4つ上の姉、愛子さんが亡くなったのです。

「胃がんにもなっとったけえ。腹がこう、大きくなっとった。人間もあげんなってしもうとやろかって思うごた、辛い目におうとっとじゃもん。」

間の瀬地区でも原因不明の病で亡くなる住民が相次ぎました。しかし国から被爆者として認められていません。
住民たちが綴った国への請願書です。

請願書
「ドシャブリの雨に濡れて」「幼子が原因も解らない病気で日増しに悪くなり、食べ物も食べずに死んでいきました。」
「厚生省のお役人様。私たちは今だに何の命の保障もありません。」



世界は残留放射線を無視したまま核災害を繰り返してきた

その後も、核兵器の開発を押し進めた世界は、残留放射線の存在から目を背け続けました。



1954年、アメリカはビキニ環礁で核実験を実施。

爆発の際に出た放射性物質が広範囲に降り注ぎ、日本の第五福竜丸が被爆しました。


さらに、核の平和利用を掲げた原発で事故が発生。(スリーマイル島原発事故1979年)放射性物質が放出され、その影響が議論されます。



そして1986年、チェルノブイリ原発事故で、史上最悪の放射能汚染事故が起きます。


原子炉から出た大量の放射性物質が、外部に拡散。WHOでは「被爆による死者は9000人に上る可能性がある」と推定しています。


ソビエトも被爆実態をつかみながら恣意的に情報を操作していた

ナレーション
広島・長崎以来、最悪の放射能汚染問題に直面したソビエト。

ロシア国立社会政治史文書館
実は、ソビエトも76年前に、原爆初動調査を行っていました。

ロシア国立社会政治史文書館職員
「これは共産党中央委員会の対外政策関係の資料です。」

ソビエトが被爆地(広島と長崎)に調査員を派遣し纏めた報告書です。
「ソビエト原爆調査報告書 1945年9月~46年9月」



「被爆地は報道されていたほど、恐ろしい状況ではないようだ。放射線で多くの人が亡くなったのは、医療支援を行わなかったためである。」

原爆の被害はほとんど無い・・と報告していたのです。

私たちはウクライナで、当時報告書を纏めた人物の遺族(ラリーサ・トロヒーメンコさん)に会うことができました。

クズマ・デレビヤンコ(対日理事会ソビエト代表)。
当時の指導者スターリンに高い外交手腕を買われ、日本に派遣された人物です。デレビヤンコは手帳を残していました。

手帳
「ヒロシマでの原爆の被害がすさまじい。」

手帳には、報告書とは異なる原爆の被害の凄まじさを物語る内容が記されていました。

ソビエトの調査団が撮影した被爆地の映像です。(1945年9月)調査員は地元の人から残留放射線の被害と見られる実態を耳にしていました。

「被爆地で目にしたのはひどい被害だった。警察官から『街中では恐ろしい疫病が蔓延しているから行かないほうがいい』と言われた。」

デレビヤンコは帰国から4年後、膵臓ガンで死亡しました。

遺族ラリーサ・トロヒーメンコさん
「脱毛が始まって、他にも不調があるようでした。原爆投下から間もない時期に、被爆地で調査したことが原因だろうと思っています。こんなことになるなんて。」


スターリンのアメリカへの対抗意識から原爆の威力を否定。チェルノブイリ事故でも情報操作が行われた

何故、ソビエトの原爆調査員は、実態とは異なる報告をしたのか?スターリンの政策を研究する歴史学者のニキータ・ペドロフさんです。
当時、スターリンはアメリカへの対抗意識から、原爆のあらゆる威力を否定していたと指摘します。

ニキータ・ペドロフ
「報告書は、ソビエトが原爆を恐れていないことを示しています。これはスターリンが当時、個人的な会合で『原爆は報道されている程恐ろしくない』と語った政治方針に沿ったものでした。
調査員には、報告書を読む側の政治的な要求を満たすことが求められたのです。」

ロシアの核政策に長年携わり、チェルノブイリ事故の医療対策責任者を務めたレオニード・イリイン博士です。
イリイン博士は、科学が政治に左右される状況は、今も変わっていないと言います。

レオニード・イリイン博士
「私たちがチェルノブイリの大惨事を調査した時もそうでしたが、放射線の値を引き上げたり引き下げたりする問題は、かなり恣意的なものでした。例えば、ストロンチウムの汚染度など、全て恣意的に決定していたと非難されたものです。」

残留放射線については、データが高く見積もられていても、低く改ざんされていても、私は気にしません。」

そして2011年。東京電力福島第一原子力発電所で水素爆発が発生。今も、世界は放射線を巡る難題に直面し続けています。




残留放射線の影響を日本も無視し続けてきた

アメリカとソビエトが否定する残留放射線の影響に、日本はどう向き合ってきたのか?
原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」。「健康被害を受けた」と訴える住民は、自分たちを被爆者と認めるよう、長年、国と争ってきました。



国は「住民が主張する黒い雨による健康被害の科学的根拠は無い」とし、一定の条件が認められた人以外は、援護してきませんでした。

7月(2021年)、広島高等裁判所は住民の主張を認め、国が指定する区域以外にも健康被害が及んでいると判断。国も上告を断念しました。

そして国は、被害を訴える人を認定する新たな基準を作るため、広島県や市と協議を始めています。

一方、今も被爆者として認められていない、長崎県間の瀬地区の住民たち。長崎県と市は、被害を訴える人を被爆者として認定するよう国に訴えていますが、見通しは立っていません。

鶴武さん
「政府の人にも認めてもらえないちゅうことで 誰に頼ればよかでしょうかっちて。
我々は議員でもないし何でもない。でも苦しむだけ苦しんでいる。言いたいことが全然通じないっちゅうことで、情けなかですたい」


アメリカも被害を受けた元兵士の訴えを無視

アメリカでも残留放射線による被害を訴える人がいます。ジェームス・スネレンさん。94歳です。
原爆投下から五週間後、長崎に駐留していた時に被爆。帰国後に皮膚ガンを発症したと主張しています。

ジェームス・スネレンさん
「異なる2人の医師から、私の皮膚ガンは放射線による被ばくの可能性が50%以上であると診断されました。同じ部隊の上官は白血病で亡くなり、砲術将校も胃がんで亡くなりました。仲間の多くが放射能で亡くなっているんです。」

アメリカ政府もまた、スネレンさんの訴えを却下しています。
今も、核兵器の開発を続けるアメリカ。

トランプ政権で、国防次官補代理を務めていたエルブリッジ・コルビーさんです。
アメリカの核戦略と残留放射線の認識について聞きました。

エルブリッジ・コルビー氏
「アメリカは中国と覇権争いをしており、戦争を抑止する”準備”が必要でした。その為の選択肢として小型の核兵器の配備が議論されようとしています。」

NHKスタッフ
「それは残留放射線を出さないのですか?」

コルビー氏
「地中で爆発させたら多くの残留放射線が発生しますが、空中だと最小限で済みます。爆発させる高度が非常に重要です。」

「高い地点で爆発させれば、残留放射線の影響はほとんどない。」 その論理は76年前と変わっていませんでした。


真実を語らなかった科学者の苦悩

76年前のあの日、原爆初動調査に携わった人たちは、残留放射線の実態を把握しながら、国家の大義を優先し沈黙しました。被爆地を調査した医師や科学者たちはその後、どんな人生を送ったのか・・?

ジェームズ・ノーラン医師の孫のノーラン教授
「これが私の祖父です」

ジェームズ・ノーラン医師。マンハッタン計画に参加し、その後、広島で調査を行った放射線の専門医でした。

ノーラン教授
「祖父に『日本はどうだった』と聞くと『想像を絶する惨状以外の何ものでもなかった』と答え、それ以上、何も話しませんでした。祖父は生涯、深い苦悩にさいなまれていました。」

残りの人生を、患者の命を救うことに捧げたというノーラン医師。真実を言えなかったという負い目があったと、遺族は考えています。

ノーラン教授
「グローブスは『医師たちがこう言っています』などと言うことで、医師の専門性を利用していました。ある意味では、祖父たち科学者も共犯者になっていたのです。
祖父は戦後、核実験が行われたという記事を読むたび、こう嘆いていました。『あいつらは核の恐ろしさをわかっていない』。」

原爆初動調査を統括したグローブス少将。その後、中将に昇進し、核開発計画を指揮し続けました。73歳で亡くなるまで「残留放射線は皆無である」という見解を変えることはありませんでした。

アメリカが長年にわたって残留放射線の調査を続けていた長崎西山地区。現在、「放射線量は減衰し、自然界と同じレベルだ」とされています。

西山地区で生まれ育ち、白血病の為に命を落とした松尾幸子さん。亡くなってから54年が経ちました。

松尾トミ子さん
「訳が分からずに、ただ白血病ということだけで亡くなってですよ、無念だったんじゃないかな。」

幸子さんが亡くなる前、家族に手紙を書いていました。

松尾幸子さんの家族宛の手紙
「私の病気は、今の医学ではどうすることも出来ないものです。どんなに立派な薬を飲もうが、名医であろうが同じことです。くれぐれも体に気をつけて下さいね。ごめんなさいね。さようなら。」

原爆初動調査。
そこで分かった事実が明らかにされていれば、救えた命があったはずでした。何故、調査は隠蔽されたのか?そして何故、痛みは放置され続けるのか?
被爆地からの訴えです。

~資料提供~
広島平和記念資料館
長崎原爆資料館
広島市公文書館
理化学研究所
東京大学総合研究博物館
資料映像バンク 主婦の友社
共同通信社
朝日新聞社
毎日新聞社
中国新聞社
中国放送
長崎放送
岸田貢宜
岸田哲平
尾糠政美
松田弘道
ロシア連邦国立公文書館
ロシア国立社会政治史文書館
Getty Images atom central
Buyout Footage NC State University
US Army Heritage Education Center
Yale University Medical Historical Library
National Museum of Nuclear Science and History
National Archives and Records Administration
UCLA Library Special Collections
McGovern Historical Center
Texas Medical Center Library
Atomic Heritage Foundation

取材協力
高橋博子
港区立郷土資料館
Dr.Janet Brodie
Paul Liebow 
David Holloway

声の出演
小林勝也
菅生隆之
今井朋彦
久保田民絵
田村勝彦
山像かおり
大場泰正
佐古真弓
清水明彦
田中明生
斉藤志郎
外石 咲

語り:広瀬修子 濱中博久
取材:喜多祐介
撮影:三好学
照明:富田弘之
音声:落原徹 若生正和
CG作成:倉田裕史
映像技術:押鐘慎司

コーディネーター:エテリ・サコンチコワ イーゴリ・ヘラスコ
リサーチャー:渡辺秀治 ナタリヤ・ゴリャーチェヴァ
編集:河野達則 樋口俊明
音響:日下英介 田中繁良
ディレクター:佐野剛士 水嶋大悟 大小田紗和子 
制作統括:佐藤稔彦 小口拓朗

制作・著作 NHK広島 福岡

文字起こし終わり

素晴らしい番組を提供してくださったNHKのスタッフのみなさん、番組協力者のみなさんに深い感謝を捧げます。

#原爆初動調査 #隠された真実 #NHKBS1スペシャル #残留放射線 #ソビエト原爆調査 #スターリン #黒い雨 #長崎間の瀬地区 #沈黙した科学者たち #被爆地からの訴え

昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この番組にも触れています。


原発そして被曝から命を守る活動のためにカンパを訴えます。
振込の場合: ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
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米軍は長崎西山地区の人々を被爆されるままに任せつつ観察し続けたーNHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」よりー3 明日に向けて(2148)

2022年01月19日 21時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220119 21:30)

NHKBS1スペシャルの文字起こしの3回目をお届けします。小見出しは守田がつけました。なおここから後編となりますが、冒頭の3分半ぐらいは前半のダイジェストなので割愛しました。
実は論評したい、せねばとうずうずしているのですが、ともあれ全4回の文字起こしを先に進めます。

アメリカは西山地区で被爆による健康被害を克明に調べていた

NHKBS1スペシャル「原爆初動調査 隠された真実」-3回目
後編 見過ごされた被害 そして世界は核を求めた
2021年12月29日放映 

ナレーション
爆心地から3キロにある長崎市西山地区です。
山を隔てているため、原爆の熱戦や爆風は届かず、直接の被害はほとんどなかったとされています。ところが戦後になって、住民の体調不良や、突然亡くなるケースが相次ぎました。

原爆投下から30年余り、それまで元気だった働き盛りの男性が、突然白血病で命を落としました。

岩﨑恒子さん(85)です。
西山地区で生まれ育った夫の岩﨑精一郎さんを44歳で亡くしました。



「これがミカン狩りをした時の写真。」

精一郎さんは、他の農家に先駆けて観光農園を開くなど、地域の期待を背負った存在でした。

「元気だったですもんねえ。『長崎県一になる、みかんば植える』一生懸命、意気込みしてたんですけどね。」



4人の子どもにも恵まれた精一郎さん。それは突然の宣告でした。

「白血球がものすごく多くて、人の何倍もあるって言われて。あとね、三月ぐらいですよって。私には絶対、俺は死ぬってことは、言わなかったですもんね。でも最後にはね。(子どもを)学校だけは出しなさいって。」

「私、(医師に)聞いたんですよ。これ原爆の関係ですか、身から持ち出しですがって聞いたら『わからない』っておっしゃいました。」

夫の死後、農業の仕事を引き継ぎ、四人の子どもを育て上げた恒子さん。なぜ夫は白血病で命を落とさなければならなかったのか。今も考え続けています。

「(婚姻時の写真を指して)これね、私が亡くなったら、ひつぎに入れてくれって言ってるんです。
お年寄りが手をつないで歩いていく姿を見てね。私も年をとったら、あんなんして手をつないで歩きたかったなと。



原爆にあったからこんな病気になったとはっきりしたらねえ、いいんですけど。それも分からないまま。」


こうした住民たちの疑念をよそに、アメリカは西山地区で、長期にわたって調査を続けていたことが分かりました。

原爆投下から5年後の1950に纏められた残留放射線の報告書です。詳しい聞き取りと共に、住民の写真も添付されていました。

報告書
「農家の中尾夫人は、原爆が投下された時にかぶっていた綿のほおかぶりを倉庫から持ってきてくれた。彼女は原爆の後にやってきた泥の雨が、このてぬぐいの上に降ったと語った。」

中尾恒久さん。86歳です。
「ははあ。これはここですねぇ。これはたぶんうちの母親でしょうね」

写真の女性は母親のたかさんでした。原爆が投下された時、10歳だった中尾さん。アメリカの調査団が家を訪れ、雨について調べていたことを覚えていました。

中尾さん
「原爆の落ちたときは暑かったとですもんね。雨降ってきたちゅうて外に出おったとですよ。雨っていうてもドロドロした、ちょっと油っこかった雨だったですよ。」

報告書では、残留放射線と雨との関係について分析していました。
「住民によると西山地区に降った雨は赤みがかった黒色で、異物が混じった大粒の雨だったと言われている。
配水管が詰まるほど濃い雨で、貯水池の水には苦みがあり、1週間ほど飲めなかったと語った。」

中尾さんの母親が8月9日に使っていた手拭いについても調べられていました。

「中尾夫人のほおかぶりをX線フィルムでサンドイッチ状態にした。そして横田基地のラボでそのフィルムを現像すると、おなじみの放射性物質の斑点が見られた。」

アメリカはどれだけ放射線が残留しているか、中尾さんの畑や家の屋根などあらゆるサンプルを集めていたのです。

先祖代々、農業を営んできた中尾さん。調査団はこの畑についても入念に調べましたが、その理由については明かしませんでした。



「ちょうどあそこら辺の、ハナモモが植わっている辺やったですよ。(調査員が)傘をさしてですね、泥をとって。当時は目的とか何とか、そういうことは言わんですね。」

西山地区は核爆発による放射性物質拡散のモデル地区にされていた

なぜ、アメリカは西山地区を調査し続けていたのか?私たちは、報告書を作成した人物の遺族を訪ねました。

マーグレット・レベンソールさんです。

今年父親の遺品を整理した時に、膨大な原爆の資料を発見しました。
「原爆に関する研究は重要性が高いと思ったので全部残しておきました。」

父親の名前は、リオン・レベンソール。



放射線を分析する装置を開発する会社、トレーサーラボ(Traser lab)に務めていました。レベンソール残した手記には、西山地区を訪ねた理由が書かれていました。

「Traser labは空軍と契約していて AFOAT-1(Air Force Office Atomic Energy1)と呼ばれる秘密組織が存在した.。
その目的はソビエトの核実験の爆発の際に出る放射性物質の検知であった。」

当時、ソビエトは初めての核実験を成功(1949年)。米ソの核開発競争が激しさを増していました。



レベンソールは大量の放射性物質が降り注いだ西山地区をモデルに、核爆発で放射性物質がどのように広まるのかをつかもうとしていたのです。

レベンソールの部下の、ロドニー・メルガードさんです。西山地区には大量の放射性物質が残されており、格好の研究場所だったと言います。

NHK取材班スタッフ
「広島・長崎の原爆で、残留放射線は存在していましたか?」

ロドニー・メルガード
「はい、もちろん。原爆を開発した科学者たちは正確に把握していました。爆発直後、放射性物質の90%は空気中にあり、小さな粒子が風に乗って浮遊していたはずです。
風下であれば数㎞離れた場所でも、命を脅かすような放射線の影響が出ていたでしょう。」


西山地区の土をアメリカに持ち帰ったレベンソールは、人体への影響の手がかりも見つけていました。放射性物質の核種です。
核種とは原子核の種類のことで、陽子と中性子の数によって放射性物質の種類を特定できます。

リオン・レベンソール
「我々はバークレーに戻って土を分析したところ、放射性ルテニウム(Ru-106)とセリウム(Ce-144)が見つかった。これらは最初のプルトニウム原爆(長崎原爆)から出たものであることが確認された。」


私たちはレベンソールの資料を、残留放射線を長年研究する物理学者の星正治教授と、放射線影響科学専門の大滝恵教授に見てもらいました。

広島大学星正治名誉教授
「こういう測定ができるというのは、ものすごい量の放射能があります。僕の感覚から言うと。このルテニウムとセリウム。これはよく核実験の後で見つかる「核種」やから。
体にもし入ったとしたら、放射能によって体のどこにいくか、「プルトニウム」や「ストロンチウム」は骨にいくとか、「セシウム」は筋肉とか違うから、だから核種の同定は必要ですよ。
広島・長崎の「核種」を同定(確定)した話はないと思うな。」


もし、核種の情報が日本に伝えられていたら、原因不明の死や、体調不良を訴える住民の為の研究が進んでいた可能性があります。

広島大学大瀧慈名誉教授
「なぜいままで隠されてきたか?公やけな、公的なね、報告がなされてきてなかったか?そちらこそ問題があると思うんです。」



「この結果、このデータに関連するようなですね、調査とか研究が行われていないとは、むしろ考えにくいんですよ。」



1950年にレベンソールが(米)国の原子力委員会で行った報告です。

レベンソール
「長崎と広島で低レベルの放射性物質が、広範囲にわたって点在し続けている証拠に多くの関心が寄せられた。
被爆地域の肥料に現地住民のし尿が用いられるため、除去された放射性物質はその地域に戻されるだけでなく、汚染されていない地域にも散布されることが考えられる。



残留放射線の影響は、アメリカが行っている被爆者の遺伝子研究にも重要な意味を持つ可能性がある。」


アメリカは日本が独立した後も、残留放射線の影響を継続しました。しかしその成果は、西山地区の住民達に伝えられることはありませんでした。

アメリカの調査対象になっていた西山地区の住民、中尾恒久さん(86)です。

訪問した診療所の医師
「きょうは甲状腺の超音波の検査をしますからね。」

長年、病に苦しみ続けてきた中尾さん。二十歳の頃、甲状腺機能低下症を発症。その後、ガンにも見舞われました。西山地区では甲状腺の病に苦しむ人が少なくありません。

医師
「ここにあるのが甲状腺ですよ。ちいとこれが小さい。萎縮しているんですね。」



しかし残留放射線との関係は今もほとんど明らかになっていません。

NHK記者
「(調査結果について)ちゃんと説明を受けたことはありますか?」

中尾さん
「いや、そりゃなか。放射能がそんなに残っとっていうとに知らせずに調査して。ほんとうに。何十年もあれして、住んどっと所に住まれんっていうことは、聞きとうもなかったですけど、しかし聞きとうなかっても、事実ば教えてくれないとですねえ。」

 

被爆するがままに任され観察され続けた西山地区の人々

西山地区に住んでいた義理の妹を亡くした松尾トミ子さんです。松尾さんは幸子さんの死に対して、今も割り切れない思いを抱いています。
今回、幸子さんの死因について1980年に長崎大学がまとめた報告書を入手しました。

長崎医学会報誌 43巻9号  809-813頁
所謂、「西山地区」より発生した慢性脊髄性白血病の一例(急性転化例)長崎大学原研内科教室
富安孝則(とみやすたかのり)・岡部信和(おかべのぶかず)・松本吉弘(まつもとよしひろ)


飲み水を通して、体内に放射性物質が取り入れたれた可能性が指摘されていました。
「しかしこの一例のみでは、残留放射線との因果関係は断言できない」と結ばれていました。

NHKスタッフが松尾トミ子さんと面談し「長崎医学会報誌」を見せて説明
「こういう所にすごく高い残留放射線が測定されていた。だけど公表されていなかったということなんですよね。」

松尾トミ子さん
「ええ、ええ。」

私たちはアメリカが原爆投下の5年後には確証を特定し、人体への影響について研究を続けていたことを伝えました。

松尾トミ子さん
「いやあ、はっきり言って腹が立ちますよね。うん。これは人として見ていないみたいな感じが私はするんですよ。実験みたいにしてるなって。そういうふうにしか取れないですね。」


実は西山地区では、長年放射線の影響が噂されていました。しかし農業で生計を立てる住民が多く、誰もそれを自分から語ろうとしなかったといいます。

松尾トミ子さん
「父もお野菜作っていたんですよ。市場に持っていってたんですよ。それをして生計を立てているから、売らないといけない。だけどそれを言ったら、自分たちの生活が成り立たない。



「何か言ったら、みんなから変な目で見られる。村八分になる。そういう気持ちがあったんじゃないかなと思いますけどね。」

西山地区の白血病と残留放射線との因果関係は今も証明されていません。

長年、西山地区の白血病について研究を行ってきた、長崎大学の朝長万左男(ともながまさお)名誉教授です。原爆との関係を証明するのは容易ではないとしています。


朝長教授
「普通の人からも10万人に1人か2人は慢性骨髄性白血病は出るんですよ。
「それと混同していませんか」と、言われると「いやいや、これははっきり原爆の放射線で起こっているんですよ」と言うにはどうですか。相当な根拠がないといかんですよ。そこですね。
(残留放射線は)累積していくわけだから、本当はそれが計算できないといけないけど、生活パターンが非情に、その時に福島でも同じような問題が起こっているのですけどね。外にどのくらい出ていて、家の中でどのくらい生活していたのか。
そうしたことを毎日記録している人なんていないでしょう。そういうところに壁があってね、福島でも正確な被爆線量を出すことは非常に難しいんですよね。」

アメリカが残留放射線を否定したことは、何をもたらしたのか?

朝長教授
「残留放射能の研究が進んでないでしょ。例えばプルトニウムが人体に入っててね、これも残留放射能でしょ、ある意味でね。それが、今頃分かってんのよ。
一生懸命にその当時にやっていれば、もっといろんなデータが出たはずでしょ。そういう事ですよね。そこに科学者でもない陸軍のトップがね、「無い」と判断するのは、もう、政治以外の何ものでもないですよね。」

続く

#原爆初動調査 #隠された真実 #NHKBS1スペシャル #残留放射線 #長崎西山地区 #黒い雨 #ルテニウム #セリウム #星正治 #大瀧慈

・・・・・・

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京都府は関西電力の原発の危険性ともっと真剣に向き合い、電力消費地の責任にかけて稼働を止めるべく尽力すべきだ 明日に向けて(2147)

2022年01月18日 17時00分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20220118 17:00 0203 20:30改訂)

京都府知事選が近づいてきています。4月10日投開票です。
残念ながらまだ市民側からの候補が決まっていませんが、どんな府政を目指すのかの洗い出しを進めています。
その中で原発問題について大事な点を考えてみました。


原発は地震の直撃にとても持たない

原発の危険性は多々あります。どれも一番危険な理由ですが、分かりやすいものとしてあるのは、原発の耐震性がとても弱いことです。
この点を繰り返し説いているのは、2014年5月に大飯原発3,4号機の運転停止を命じる判決を書かれた、元福井地裁裁判長の樋口英明さんです。

大飯原発の建設時の基準地震動(揺れに耐えられる地震の数値)は405ガルでした。福島原発事故時には700ガル、2018年3月時点で856ガル、ただし設計当初の倍に本当にあげられているかどうかかなり怪しいです。
これに対して、この間、観測された最大の地震は、2008年岩手宮城内陸地震で4022ガル、東日本大震災は2933ガル、2004年の新潟県中越地震は2515ガルでした。2000年以降、1000ガルを越える地震は17回も起こっています。

高浜、美浜原発も基準地震動に大きな違いはありません。つまりどの原発も、日本各地で起こっている地震に直撃されたらひとたまりもないのです。ちなみにハウスメーカ-の三井ホームは5115ガルまで耐えられる家を作っていま
ともあれこんな危険なものを、近くで動かすのは論外。京都府はもっと関西電力に厳しく向き合い、危険で無謀な稼働を止めるべきです。


電力消費地の責任にかけて若狭の人々を守るべきだ

もう一つ、京都府として大事な点は、京都府が大阪に次ぐ、関西電力から生み出された電力の消費地である点です。
原発の運転で最も危険な目にあっているのは若狭の人々ですが、実は若狭の人々は、関西電力の原発から1ワットの電力すら受け取っていません。福井県は北陸電力の管内なのです。(⇒【訂正】関西電力は福井県内の三方郡美浜町以西、つまり若狭地域を管内としており、若狭の原発の電気は若狭地域にも供給されています。ある方のご指摘で誤りに気が付きました。調査不足による恥ずかしい間違いを犯してしまいました。申し訳ありません。お詫びして訂正します。この点を踏まえて続きの文章も少し訂正しますー2月3日)

危険性を立地地域に押し付け、もっぱらある程度離れた大都市で電力をたくさん消費しているあり方は、日本の原発に関連する構造的な矛盾、差別問題と言えます。福島原発の場合は、東北電力の管内にあり、福島の人々に1ワットの電力も供給していませんでした。
新潟県に立地する柏崎刈羽原発も同じ。東電のものでありながら、東北電力の管内にあり、新潟の人々に1ワットの電力も供給していません。

にもかかわらず、原発の大小の事故リスクは直近の方たちによりたくさん押し付けられているのです。小浜市明通寺の中嶌哲演さんは、これを「国内植民地問題です」とおっしゃられました。その通りです。
京都府は若狭の人々を守るために声を上げるべきです。若狭の人々のために心を砕く京都府へとこの町を変えたいです。


原発が立地された内浦湾から望む高浜原発 守田撮影 原発のことは常に直近に住む人々の立場から考えたい


舞鶴市、綾部市は原発直近、京都市もとても近い

もちろん危険性は若狭にばかりあるのではありません。舞鶴市は高浜原発の直近です。綾部市もほとんどが高浜からの半径30キロ以内に入ります。
京都市だって市役所まで大飯原発からも高浜原発からも、たった60キロぐらいしかありません。

一度、過酷事故が起これば、京都府内の多くの町が壊滅的な被害を受けてしまいます。この危険性をすぐにも除去しなければ。
もちろん世界にあるどこのどの町だって、放射能汚染から守らなければならないのは同じことで、ことさら京都のことを強調してはならないかもしれませんが、しかし京都にはさまざまな日本の歴史が詰まった場所でもあります。

この町を守り、未来の人に安全なままに渡していくことで、さまざまな伝統を守り、つなげていくことも、京都府にとって大事な務めだと思うのです。
だから原発に近い府民のためにも、ご先祖や未来世代の人々のためにも、目の前にある巨大な危険性の除去に向けて京都府が奮闘しなければです。


関電の原発からの距離 京都新聞より

#京都府知事選 #原発は地震にとても弱い #原発の耐震性は一般の家より低い #国内植民地問題 #関西電力は若狭に電気を供給していない #樋口英明 #大飯原発運転差止 #若狭の原発を止めよう

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昨年12月19日に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。この連続講演にも触れています。

新BOOK 『AFTER TEN YEARS 命を守り育むために 福島原発事故から10年を振り返る』ダウンロード先
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コメント (2)
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