明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1768)「もりもりチャンネル」を立ち上げました!まずは福山和人さんの演説や山本太郎さんの応援演説をご覧ください!

2019年12月24日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191224 23:30)

「もりもりチャンネル」を立ち上げました!ぜひチャンネル登録を!

みなさま。連日、元気に走り回っています。ついつい「明日に向けて」の更新が遅れてしまいましたが、とにかくあちこち走り回っています。
とくにこの間、YouTubeへの投稿を始めました。自分の番組として「もりもりチャンネル」も立ち上げました!
ぜひご覧下さい。以下がアドレスです。https://www.youtube.com/channel/UCF2nu5ENpXBd0Y61DVsd1Wg


もりもりチャンネルトップページ 写真は大文字山からの夕暮れの京都市 守田撮影

自分の講演や演説をはじめとにかくいろいろなことをアップしていこうと思っていますが、とくに今は来年2月2日投票の京都市長選に向けた動画作成とアップに力を割いています。
YouTubeへのチャレンジを始めたのは発信力をアップするため。また私たち市民派のメディアを作っていくワンステップとしてですが、京都市長選に立候補表明している福山和人さんをなんとしても市長にするためでもあります!
もちろんその後も原発を止めるため、いやこの社会の暴走を止めて、もっと温かい、本当の意味での豊かな方向に転換させるためにもどんどん動画も出しますので、どうかみなさん、ご視聴、シェア、拡散にご協力ください。


京都市長選に向けた12月14日の大演説会を撮影しました!

最初にご紹介するのは、12月14日に京都市内2カ所で午後と夜に行われた京都市長選に向けた福山和人さんの演説会です。実に多様な方が応援に駆けつけて下さいました。
午後の部で福山和人さんの他、つなぐ京都共同代表の白坂ゆうこさんの司会のもと、同じく共同代表の井﨑敦子さん、新社会党党首の岡崎宏美さん、慶応大学名誉教授の小林節さん、日本共産党党首の志位和夫さんが発言されました。
夜の部では福山和人さんの他、つなぐ京都共同代表の西郷南海子さんの司会のもと、井﨑敦子さん、小林節さん、れいわ新選組代表山本太郎さん、日本共産党衆議院議員穀田恵二さんが話されました。


午後の部 守田撮影

これらの動画の特徴は発言者のごく近くから撮影していることです。僕も共同代表の一人として宣伝カーの上に乗ることになったので直近から撮影しました。
午後の部では自撮り棒を使ったのですが意図せずに自分が何度も写りこんでいます・・・。夜の部は自撮り棒では照明をかわせなかったのでカメラを手に持っての撮影にかえました。
すべての方の発言を「もりもりチャンネル」にアップしていますが、その中からまずは福山さんの午後と夜の発言をご紹介します。


福山和人さんの発言、山本太郎さんなどの応援発言などをご覧ください!

みなさんにご覧いただきたいのは何よりも福山さんの目線です。一生懸命に働きながらしかし理不尽な貧しさの中にあえいでいる人々に福山さんは目を向けている。真っ当に働く誰もが真っ当に儲けて豊かになっていける世の中を福山さんは目指しています。
そのために京都市政は何をしたらいいのか、とくにすぐに何をするのかを福山さんは具体的に語られてる。それは京都市の予算のほんのわずかでできることです。
現市長に対して
「ないのはお金やなくてあんたのやる気や」と福山さん。・・・ぜひ福山節をお聞きください。

福山和人弁護士(午後の部)
https://www.youtube.com/watch?v=TUXsA7FfmtA
福山和人弁護士(夜の部)
https://www.youtube.com/watch?v=DHwZfW-WnD0


熱弁する福山和人さん 守田撮影

続いて、れいわ新選組代表の山本太郎さんの応援演説をご紹介します。山本さんの動画、再生回数が一番多い。同時に応援の内容が見事でとても感銘しました。
何が凄かったのかというと、山本さんが福山和人さんのマニュフェストをきちんと読み込み、共感できるところを見つけて心の底からの賛辞を送っておられたことでした。
素晴らしい。応援する相手に対するリスペクトのあり方が尋常ではない。ああ、ここに山本太郎さんの魅力の源の一つがあるのだなと思いました。学びたいです。ぜひご覧ください。

山本太郎れいわ新選組代表
https://www.youtube.com/watch?v=nTa1WkTwQak


見事な応援演説をしてくださった山本太郎さん 守田撮影


京都を変える・京都から変える!

みなさん。京都市長選はもちろん京都市民にとっての課題です。しかし京都の日本社会に占める位置はいろいろな意味でとても大きい。
その京都がいま、お金儲けのためにどんどん売り払われてしまっています。下鴨神社の糺の森が壊され、マンション建設のために売り払われたり、南禅寺無鄰菴や仁和寺の眼前に景観を台無しにするホテルが作られようとしていたり。
市役所職員もどんどん削減されていて公共サービスが縮小されるばかり。子どもの貧困率も高く、国際都市京都がいま、内側からどんどん崩れています。

この流れをなとしても逆転したい。そしてその流れを日本全体に波及させたい。
その意味で今回の選挙に向けた僕のスローガンは「京都を変える・京都から変える」です。
ぜひ京都市民だけではなく京都府下の他の市や町のみなさん、いや全国のみなさんのお力を借りたいです。ぜひ一緒に京都を変え、日本を変えましょう!


大文字山からの夕暮れの京都 ぜひこの町を生まれ変わらせましょう!

 

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明日に向けて(1767)放射線副読本について、東海第二原発について、アメリカの核の終わりを探る旅について、お話しします!(17浦和、18大和、19秩父)

2019年12月16日 17時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191216 17:30)

コープ自然派の環境省、東電、水産庁への申し入れ行動に参加

東京に来ています。先ほどまで参議院会館にて環境省、東電、水産庁への申し入れに参加していました。

ポイントは汚染水問題です。これまで汚染水がひどい形で海に流されてきたことのそれぞれの見解を問いただし、合わせてきちんとした対応を行うこと、海洋投棄をやめることなどを訴えました。

詳しくは後日、紹介します。

 

東海第二原発の危険性についてお話しします

この機会にいくつかの街で講演させていただきます。

まずは明日17日火曜日に埼玉県浦和市の「浦和コミュニティセンター」で18時半からお話しします。

こんなに危ない東海第二原発 こんなにやばい放射線副読本
https://www.facebook.com/events/454469762147358/

課題は一つは東海第二原発の危険性についてです。
ポイントは以下の点です。

1、30キロ圏内に96万人も住んでいる
2、日本の川に挟まれていて避難が難しい
3、老朽原発でケーブルが非難燃性

4、津波対策が心もとない
5、周辺に原子力施設がひしめいている=複合災害の恐れ
6、そもそもベントが付いていることが問題
7、マークⅠの過酷事故は想定されていた 

放射線副読本についてお話しします

二つ目の課題は放射線副読本についてです。

副読本の最大の問題は目的が「風評被害によるいじめを二度と起こさないこと」になっていること。
全ての出発点が福島原発事故が起こされてしまったことにあることや、そこから出てきた放射性物質による被ばくからいかに身を守るのかという大事なポイントがスルーされていることです。
つまりそのことで副読本は被ばくに対する危機感をマヒさせるものになっています。

当日はこの点を1ページずつ検討していきます。
なお僕はこの作業を長い間、京都府宇治市の中村あゆ美さん、滋賀県日野町の高橋さちよさん、近江八幡市のにしむらしずえさんと行っており、もうすぐ出版物にまとめるところまで来ています。
完成したらまずは手にとっていただき、感想などをお聞きかせ願いたいと思い、登録フォームを作りました。我はと思う方は登録してください!
↓↓↓
https://00m.in/d3Y0s

アメリカ訪問=核の終わりを探る旅の報告

18日水曜日は神奈川県大和市のチャンドラ・スーリヤさんで午前10時からお話しします。
アメリカ訪問=核の終わりを探る旅の報告を行います。

【残席わずか】ノーモア核!with守田敏也さん
https://www.facebook.com/events/433663460863537/

お誘いの文言が素敵なのでぜひFacebookページをご覧ください。

19日木曜日は秩父の木工房ナガリ家で19時からお話します。


ナガリ家はダニー・ネフセタイさんと吉川かほるさんの工房です!
ダニーさんとの掛け合いもしたいなあ。
https://www.facebook.com/pg/木工房-ナガリ家-282930358416091/photos/?ref=page_internal

以上、三つの場でお話しします。
ぜひお近くの会場にお越しください!

 
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明日に向けて(1766)中村哲さんのご葬儀に参加して

2019年12月15日 03時11分08秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191215 03:00)

みなさま。 12月11日に心の底から尊敬するペシャワール会の中村哲医師のご葬儀に参列してきました。
現場から3本の記事をFacebookにアップしました。 今宵、これをみなさんにお届けします。
3本なので3回に分けます。最初は11日11時05分に投稿したものです。

*****

● 博多にて

みなさま 博多にいます。午後1時からこちらで行われる中村哲さんのご葬儀に参加するためです。

現地ワーカーだった荒野さんと京都駅で待ち合わせました。こちらで蒔田さんと合流します。
その他、たくさんのワーカーの方、ピースウォーク京都で一緒に中村哲講演会を主催した方などともお会いすることになりそうです。

7日に行ったビジルの場でペャワール会へのカンパ77,385円が集まりました。カンパを頂いた方に2001年12月の中村哲さん講演録を差し上げました。
カンパはその後も増え続けているので少し足してちょっきり10万円を封筒につめて僕が持参しています。香典ではなく寄付としでお渡しします。
ビジルの写真も多数プリントアウトして持ってきました。ペシャワール会のみなさんにお見せし、あの日、京都で寄せられた思いをお伝えします。その後、可能なら棺の中に納めさせて頂こうかなと思っています。

ビジル以降、中村先生のご逝去を悼むたくさんの記事が書かれ、番組やニュースが流されました。 アフガンの空港で棺が大統領などに担がれて飛行機に乗せられたこと。日本に戻られ、福岡へと丁寧に運ばれたことなども報道されました。

でも僕はなんだか観ることができませんでした。辛かったからです。この悲しい事実を避けたかったのかも知れません。
でも今日はご葬儀に参加することであらためて中村先生が亡くなられたことと向き合ってきます。向き合って「必ずご意思を引き継きます」と誓ってきます。








● タバコが好きだった中村先生

中村先生。講演会に来られる時はいつもチャーミングな顔もたくさん見せてくださいましたね。
京都ノートルダム女子大学に来られた時、先生の大ファンであるシスターたちのたっての願いを受けて、修道院の素敵なゲストルームにご一泊されました。

その翌日のこと、僕がお迎えに行くと「喫茶店に入りたいのですが良いでしょうか」とおっしゃいましたね。
「どうぞ、どうぞ」とご案内すると「ここはタバコが吸えますね。実は一服したかったのです」とタバコを出されました。
先生は火をつけて煙をはいてほぉーっとため息をつかれてこう言われました。

「修道院はとてもきれいで本当に快適でありがたい一夜でした。でもあそこは禁煙でして」
「そうでしたか。禁煙の一夜を過ごされたのですね」と僕が言ったら「いや、実は我慢できなくなってこっそりと外に出て一服したのです」とおっしゃる。敷地外にまで出られたのですよね。
「そうでしたか。それは美味しかったでしょう?」とお聞きしたら「それが隠れて吸いに出たらなんだか背徳のタバコのようになってしまいまして、少しもうまくはなかったのです」とはにかまれ「それでわざわざ喫茶店に寄らせていただいたというわけです」と頭をかかれました。

僕は思わず笑ってしまいました。ごめんなさいねえ。
それで「どうぞ。心ゆくまでお吸いください」と言うと「はい。そうさせていただきます」とニコリとされて美味しそうに煙をくゆらせておられました。  
先生、修道院でゆっくり寝ることができてシスターたちへの感謝の気持ちに溢れていただけに、こっそりタバコを吸いにいかれたことをなんだか申し訳なく思われたのでしたよね。
そうやっていつも周りの方に優しく温かくそしてチャーミングに接せられていたことを思い出します。

 


● 中村先生、ゆっくり休まれてください!
 
中村先生。どうぞあちらに行かれたらご自由になんでも好きなことをされてくださいね。タバコも好きにくゆらしてくださいね。
そしていっぱい働いて、愛をふりまいて、ほんとうにたくさんの業績を積み上げられてのですから、どうかたくさん休まれてください。

先生がこちらにおられないのは無性に淋しいです。
もうあのチャーミングなお姿に接したり、喫茶店にお連れしたり、山田堰の話を聞かせていただいたり、水路建設の悲喜交々をお話いただいたり、それらの何一つも叶わないなんてやはり信じたくない。
また何度でも確信を込めて平和への道を話される中村先生の講演会を執り行いたい。 「いやだいやだ」と泣き叫んでいる幼い少年のような自分が心の中にいます。

しかし先生は皆さんに送られて今日、旅立たれます。ご遺体も灰になられます。みんなでその事実をしっかりと受け止めます。
中村先生。それでみんなで本当にしっかりとご遺志を受け継ぎますね。先生の撒かれた平和の種をみんなでしっかりと育てますね。だからどうか安らかにお眠りください! 働いて働いて働かれたのだからもうすべてから解き放たれていただきたいです。

とまらぬ涙をぬぐいながら、万感の思いを込めて、いまご遺体のもとに向かっています。
みんなで中村先生を天空高い星の世界へとお見送りしてきます!

#中村哲 #ペシャワール会 #アフガニスタン #武器より命の水を #まずは生きておれ病は後から治す

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明日に向けて(1765)中村哲さんおよび同行していたみなさんの死を悼みビジルを行います!(12月7日午後5時半三条大橋にて)

2019年12月06日 14時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191206 14:30)

中村哲さんとみなさんの死を悼んで

みなさま。4日のアフガン時間の午前中にペシャワール会の中村哲医師が何者かによって銃撃され、その後にお亡くなりになられました。
同行していた運転手、護衛の方々5名も同時に命を奪われました。
中村医師とお仲間のみなさんの死を悼み、京都市三条大橋にてビジルを行いたいと思います。なお迷いもあるのですがここからは親しみを込めて中村さんと書かせていただきます。

午後5時半から7時まで、三条大橋の上にキャンドルを持って立ちます。基本的に無言のスタイルで静かに死を悼みたいと思います。
この行動を通じ、中村哲さんの思いをみんなで受け継ぎ、ペシャワール会を支えてアフガンへの支援を継続する思いもシェアできたらと思います。
このため2001年12月にピースウォーク京都がはじめて中村哲さんを京都にお招きした際に作った講演録を販売します。もちろん収益はすべてペシャワール会に送ります。あわせてカンパも集めペシャワール会に送ります。


2008年8月31日 ペシャワール会ワーカー伊藤和也さんの死を悼んで行ったビジル。
今度は中村さんを悼むことになってしまいました。守田撮影

なおこちらでキャンドル30本を用意しますがそれぞれでもお持ちいただけるとありがたいです。
キャンドルは2リットルのペットボトルの下三分の一ぐらいを切りとり、飲み口から太めのろうそくを差し込んで作ります。キャップで差込口をふたします。
橋の上は風が強くフードがないと火が消えやすいのでこの方式をとってきました。キャンドルをお持ちくださるときはこの点にご注意されてください。



伊藤さん追悼ビジルより 2008年8月31日 守田撮影

平和の心を繰り返し教えてくれた中村哲さん

中村さんとの思い出はたくさんあります。僕が参加しているピースウォーク京都との出会いは2001年の「911事件」のあと。
アメリカが証拠も何もなしにアフガニスタンへの「報復」戦争を始めたことに対し、ペシャワール会と中村哲医師は緊急援助を呼びかけました。
「2000円あれば一家10人が冬を越せる!」それで油と小麦を買って手渡せると言うのです。



なんども京都で講演してくださいました! 守田撮影

このため中村さんはチャリティを呼びかけて全国を飛び歩かれました。私たちも京都ノートルダム女子大学のユニソン会館を無償でお借りし講演会を行いました。
なんと2000人におよぶ方が参加してくださりカンパも200万円を越えました。1000家族1万人が冬を越えられる額でした。
しかし援助物資を渡すのも一筋縄ではいかなかった。現地アフガニスタンのペシャワール会ワーカーの方たちが空爆に遭うのも覚悟で決死のトラック輸送を敢行してくださったのでした。

以降、私たちは毎年のように中村さんを京都にお呼びしました。いつも京都ノートルダム女子大学が協力してくださいました。
そのたびにカンパを募ってお渡ししました。ある方は講演で中村さんのお話をうかがったことを縁に自らアフガニスタンに赴き、飯炊き人となって現地の活動を支えました。
僕が参加していた同志社大学社会的共通資本研究センターでもお呼びし、中村哲さんとわが師宇沢弘文さんによるジョイント講演と対談を行っていただいたこともありました。なんだか夢のような時間でした。



対談される中村哲さんと宇沢弘文さん 守田撮影

● 平和を築くために最も困難な水の事業に携われた中村さん

たくさんのエピソードがあるのですがみなさんにご紹介したいのは講演会の際に京都の蓮華寺にお連れした時のこと。ほっこりしていただきたくて庭に清流の流れる場を選んだのでした。
ところが中村さんは水の流れをじっと眺めた末に、対応してくださった住職のお連れ合いに「これは手掘りですな」と問われました。
「あら、良くお分かりですね。この付近に水を通した後ですの」。それを聞いて中村さんはさらに「ということはこの辺りには水争いがありましたな」と問われました。

住職のお連れ合いはこの問いに驚きながらも、この付近にあった深刻な水争いのこと、それを治めるために手掘りの水路が作られ、水が流されたことを語って下さいました。
哲さんは腕組みしながらうんうんとうなずかれ、その後にアフガンのクナール川に用水路を作るために、九州の多くの川を歩かれ、古文書も調べたことを教えてくださいました。
「古の川の歴史を紐解くと悲しい話がたくさん出てきます。例えばある堰を開発した人々はその後に藩に暗殺されておる。石高が上がることを藩が幕府に知られたくなかったからです」。

中村さんは古の川の改修を行った方たちの多くが実は非業の死を遂げていることに深く心を寄せられました。水は命の源です。だから人類にとって最も古くから繰り返されてきたのが水争いでもあるのです。
どこかが潤うとどこかの水が減ることになる。あるいはどこかが洪水対策を進めると他のところが洪水にあいやすくなる。上流と下流、右岸と左岸の対立が絶えないのが川と人々の歴史でもあるのです。
そのために中村さんは古文書をくまなく読まれ、どうすれば人々が争わずにすむのか、いやどうすれば争いの目を摘めるのか。そこまで研究を重ねて用水路へのチャレンジを続けられたのでした。



京都の蓮華寺の境内で。涙が止まらなくなる写真です・・・。

平和は作りだすもの! 

この中村さんのお話に痛く感動し、僕自身も九州を訪れた際に幾つかの川を訪れました。
とくにクナール川からの取水口のモデルとなった筑後川山田堰の周りをくまなく歩き、堰の事務所の方にも詳しくお話をうかがいました。
それらをぎゅっと縮めて言えることは、平和とは人々の争いのもとを断って行くこと、人々が共存し協栄していける仕組みを作りだすこと、そのために長い努力、さまざまな苦難を越えて実現できるもの、作りだされるものであるということでした。



筑後川山田堰 江戸時代に作られたこの堰の形や工法がクナール川からの用水路取水口に適用されました。 守田撮影

中村さんはそのことを体現しながら歩み続けられてきました。たくさんの方に「奇跡」といわしめるような形で「水と緑」を提供してきました。
しかしその中で今回、非業の死に合われてしまいました。古に人々に水を届けるために命を落としていった多くの方に心を寄せながら歩み続けられた中村さんも、その非業の列の中に加わられてしまった。
悲しいです。何よりも悲しいのは中村さんが事業を継続してもっとたくさんの方に幸せをとどけたかっただろうにそれが断ちきられてしまったことです。もっとたくさんの方を愛しかったでしょう。もっとあちこちに愛を届けたかったでしょう。

今言えるのは私たちがしっかりと後を継ぐと言うことです。
中村先生!どうもありがとうございました。本当にお疲れさまでした。私たちがみんなで事業を引き継ぎます。何よりも中村先生が実践された平和の作り方に学び、継承します。愛と平和をこそ拡大します。
安らかにお眠りくださいとはなんだかあなたには似つかわしくない気がしてしまう。きっとあなたは天空はるか遠くの星になられるのだと思います。どうかそこから私たちをご覧になっていてください。

みなさま。明日は午後5時半に京都三条大橋にお集まりください!



中村先生!ありがとうございました!

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明日に向けて(1764)ペシャワール会の中村哲医師がアフガンで襲撃され亡くなられました!

2019年12月04日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191204 23:30)

みなさま とてもとても、悲しいお知らせです。

ペシャワール会の中村哲医師が本日、アフガンで乗車中に襲撃され、亡くなられてしまいました。 同乗のドライバー、警護の方などあわせて6名が殺害されました。
心からの哀悼の意を表したいと思います。当時に中村さんたちを襲った何者かに心からの非難を表明します。



追悼 中村哲医師   写真はピースウォーク京都主催の講演会での姿 2006年10月22日 守田撮影

事件を詳しく報じたNHKのニュースをご紹介します。

アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡
NHK 2019年12月4日 18時23分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191204/k10012201951000.html

こちらはAFPのニュースで、まだ命のある中村医師が緊急搬送される姿が写っています。
ただしあまりに悲しく痛ましい写真です。観られる方はその旨を踏まえた上でクリックされてください。

アフガニスタン支援の中村哲医師、現地で銃撃され死亡
AFP 2019年12月4日 19:33 
発信地:カブール/アフガニスタン [ アフガニスタン, アジア・オセアニア ] https://www.afpbb.com/articles/-/3258044?cx_part=topstory

いまはまだ詳しいことは何も分かりませんが、すでにペシャワール会が「このようなことで事業が中止になることはない。それが中村医師の遺志でもある」と語っています。
ペシャワール会とともにみんなで中村医師の思いを引き継ぎ、アフガンへの支援、平和のための尽力を続けましょう。

何をしてよいか分からない状況でもありますが、せめてみんなで集って追悼の声をあげたい。
そのために追悼のビジルを企画しようとピースウォーク京都に集う数人で話しています。
7日午後5時半から7時の時間帯で京都市の三条大橋にキャンドルをもって集まり、無言の追悼ビジル=スタンディングを行おうと思います。
どうか可能な方はお集まりください。

後日にまた呼びかけを発します。

合掌

#中村哲 #ペシャワール会 #ビジル

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明日に向けて(1763)樋口英明さんと福山和人さんの講演対談企画を行います!(12月6日金曜日)

2019年12月02日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191202 23:30)

樋口・福山講演対談企画にご参加を!

樋口英明さんは2014年に大飯原発差止判決を福井地裁で出された元裁判官。
福山和人さんは大飯原発差止訴訟弁護団に参加し原発ゼロを京都市から進めることも念頭に京都市長選への立候補を表明されている弁護士。
このお二人の講演対談企画を行います。コーディネータを守田敏也が務めます。

日時は12月6日(金曜日)午後7時半から9時半まで。
関西電力京都支店前金曜行動が終わった後です。午後7時から開場します。
主催はウチら困ってんねん@京都。参加費500円です。

https://www.facebook.com/events/491868628087636/

原発の耐震性はハウスメーカーの建てた家よりはるかに低くて危ない!だから私は止めた!(樋口さん)

樋口さんとは今年2月に行われた滋賀県大津市での企画お会いしました。
その時、樋口さんは大飯原発を止めた理由をとてもシンプルに解説されました。
それが小見出しの言葉です。そうです。大飯原発はハウスメーカーの建てた家よりもはるかに耐震性が低いのです。

詳しくは以下の記事をご覧ください! 

明日に向けて(1657) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f52d70c487c17a5562960b22c1f96931



大津市で講演された樋口さん 本年2月 守田撮影

原発は巨大地震でダメなのは当たり前で普通の地震でも壊れうる。だから私は止めた!(樋口さん)

樋口さんはこうも言われました。
「脱原発の人は良く言うのです。『巨大地震が来たらどうするの。中央構造線が動いたらどうなるの。東南海地震が来たらどうなるの』。
でも巨大地震が来たらダメなのは当たり前。私は巨大地震よりも小さい普通の地震のことを心配しているのです。 マグニチュード5とか6とか日本では普通の地震ですよ。これでいかれちゃう。
そこから考えれば「巨大地震と原発の危険性」という問題設定は正しいと言えるのでしょうか。むしろ間違っているのではないか」。

詳しくは以下の記事をご覧ください!

明日に向けて(1658) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2a8c305fa091be69942cf6431ac0d9be



樋口さんを囲む会を守田がコーディネート 守田の友人が撮影

原発の危険性は誰にでも分かること!だから私は止めた!しかし多くの司法家がまだまだ専門性に縛られている(樋口さん)

さらに樋口さんは裁判では原発の安全性に関する議論は専門性が高いと誤解されており、裁判官が呪縛されてしまっていることを指摘されました。
いやそればかりか原発を止めようとする原告側弁護団もときにこの呪縛にはまっていると言います。 裁判官の能力を超えた難しいことを言い過ぎだと・・・。
この点は目からうろこが落ちる内容でした。

詳しくは以下の記事をご覧ください!

明日に向けて(1659) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3a261b353f2c8d77f3ea04c698ab9b65



原発裁判に対する「司法家」の呪縛を解き明かす樋口さん 守田撮影

原発の危険性ばかりでなく司法家が陥りやすい呪縛を解き明かした樋口さんに福山さんがいかに答えるのか!

12月6日(金曜日)はあらためてこれらの点を樋口さんに簡潔に提起していただいた上で弁護士としての福山さんの感想をぜひ述べていただこうと思います。
その上で福山さんが京都市長になられたら、原発にどう立ち向かっていくのか、エネルギー問題をどう考えるのかなども語っていただこうと思います。
以上がコーディネータとしての僕からのお願いで後は筋書きなしのライブです!!

みなさま。ぜひお越しください!

12月6日(金)午後7時30分より
キャンパスプラザ京都(京都駅徒歩3分)5階第一講義室
講演・対談 樋口英明(元福井地裁裁判長) 福山和人(弁護士・大飯原発差止訴訟弁護団などに参加)
コーディネーター 守田敏也(ジャーナリスト)

主催 ウチら困ってんねん@京都
参加費 500円(会場カンパもお願いします)



当日の参加者のみなさんと樋口さんを囲んで。福山さんも樋口さんの話をしっかり聞きました!守田の友人が撮影

 

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明日に向けて(1762)今なぜ、社会的共通資本なのか!・・・今日(12月1日)に京都ダイアローグに参加します!(下)

2019年12月01日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191201 11:00)

本日、以下の催しに参加します!

京都ダイアローグ vol.3 「今こそ、社会的共通資本を考える」 https://www.facebook.com/events/1129690760560205/

日時:12月1日(日)12:30〜17:00
場所:mumokuteki ホール 〒604-8061 京都市中京区式部町261 ヒューマンフォーラムビル3F
参加費:2000円 定員:70名
予約サイト:https://00m.in/Foog3
予約なしの当日参加も可能ですのでぜひお越しください!

今こそ社会的共通資本を考える

前回、宇沢さんが「社会的共通資本」の考えに目覚められた時までをお伝えしましたが、その後宇沢さんは自らが手掛けてきた近代経済学を批判的に再検討する道に歩み始められました。かつての同僚を批判することでもあり苦しい道だったそうです。
その中から最初に宇沢さんが編み出したのが『自動車の社会的費用』(1974)です。自動車は町の主人公である人を道の片隅においやってしまいました。自動車を走らせるために人を迂回させる「歩道橋」なども生まれ町が自動車優先で変えられていきました。 宇
沢さんはこのあり方を日本の非人間的な成長の象徴と捉え、本来、自動車はこのような社会に与えている負担を費用として計上しなくてはいけない。そうすると当時の金額で1台1400万円は見積もる必要があると主張されました。

この「自動車の社会的費用」の導出の中で宇沢さんははじめて「社会的共通資本」の考え方を語られ、さらに進んで『近代経済学の再検討』(1977)という本を出版され、歪んだ経済成長の根拠となってきた近代経済学を正そうとされました。
しかし社会は正反対の方向に流れていきました。ベトナム戦争で経済的に疲弊したアメリカが「ドル本位制」を維持できなくなり、変動相場制に移る中でそれまで経済学の主流だったケインズ経済学が批判され「新自由主義」が台頭したからでした。
中心になったのはシカゴ大学で宇沢先生の論敵だったミルトン・フリードマンでした。フリードマンは政府の経済への介入を批判し、社会保障制度を無くしてむき出しの自由競争=弱肉強食の経済戦争に戻すことを主張されました。

この流れと1980年代末に進んだ旧ソ連をはじめとする社会主義国家の行き詰まり=崩壊が重なり、新自由主義は世界のメインストリームになってしまいました。
公共サービスがどんどん削られ、公務員が激減させられ、公共物が切り売りされていく。日本でも「日本国有鉄道」が解体され、私企業のJRに変えられてしまいました。それは国鉄が所有していた駅前の一等地のもぎ取り合戦でもありました。
こうした弊害は様々な領域に及んでいます。なかでも酷いのは社会のごく一部で認められていた非正規雇用が常態化されるなどして世界中で貧富の差が拡大していることです。だから今こそ社会的共通資本を考える必要があるのです!

大事なポイントは社会的共通資本を運営・管理するのは現場の当事者だということ!

この新自由主義の流れ、とくに社会保障政策をどんどん壊し、緊縮財政を呼号する各国政府の政策に対して、いま「反緊縮」という声があちこちで大きくなっています。
確かに私たちはいまの流れを逆転する必要があります。公共の場への投資を増やし、公共サービスの充実のために公務員をもう一度増やしていく必要がある。財源がないなどという騙しをひっくり返す必要があります。
でもそれで新自由主義の前、ケインズ経済学に戻れば良いのかと言うととてもそうは言えません。

大事なのは今の経済はすべてを市場で考えていることにあります。しかし海も空も「社会的共通資本」です。いや医療・教育・金融などの社会的システムもそうです。それらはけして市場の儲け主義にさらしてはいけない。
同時に大事なのはそれらを国家官僚の恣意的な差配のもとにおいてもいけないのです。例えば教育投資を増やすといっても、それが森友学園は加計大学に流れていたようなあり方は、資源を国家官僚が一元的に集約し差配しているがゆえに出てくる歪みです。
そうではない。社会的共通資本は現場の当事者、住民・市民が主体となり、そこに専門家が参加して管理していく必要があります。国家官僚による一元的管理ではなく、地域での自治的な自律的な管理に任せる必要があるのです。

この点でのエピソードをご紹介します。2006年ごろのことだったでしょうか。熊本日日新聞が「水俣病・識者座談会」という企画を立ち上げられ、宇沢さんが呼ばれました。僕もアシスタントしてついていき、外野席に座らせてもらいました。
座談会は熊本日日新聞編集長が座長となり、宇沢先生の他、医師の原田正純さん、県庁のお役人、元水俣市長、弁護士さん・・・などなどが参加されていました。そのとき宇沢さんは開口一番、編集長に対してこう言われたのです。
「君ね、どうしてここに漁民の方がおられないの?バカ言っちゃいけないよ。ここにいる誰が海の専門家なの?」・・・宇沢さん、怒る怒るでしたが、これが宇沢さんの社会的共通資本を誰が管理するかの発想なのです。

そうです。あくまでもその場にいる当事者が主体になること。水俣は海の町です。だから水俣のことを語るなら漁師さんたちがいなければ話にならない。
同じように社会的共通資本はそこに住まい、何らかの営みを行っている人々が中心になって管理される必要があるのです。医療・教育も同じ。地域の人々が参加し、地域の特性や知恵に合わせた運営や管理がなされていく必要がある。
だから社会的共通資本の考え方は自治の拡大、民衆の権限の強化・拡大とこそセットなのです。それがなくして財源を増やしても官僚やそれに群がる人々によって恣意的に運営されてしまう。いやそもそもその場にいない人々に決定権があるのがおかしい。

宇沢さんとドイツの公共交通のあり方を視察 右におられるのは同行した経済学者の間宮陽介さん

みんなで社会的共通資本について、自治的で民衆本意の社会の創造について語り合いたい!

以上、駆け足で社会的共通資本の説明をしてきました。 以下、今日の集まりの案内の詳細を貼り付けます。とにかくいろんな立場の方が参加されます。とても楽しみです。 みなさま、可能な方はぜひお集まりください!

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異なるジャンルで活躍する方々を招き語り合うダイアローグ。 社会的共通資本について対話し考え知ること、現状を理解することで、私たちのつながりや役割がより明確化するのではないでしょうか? (株)ヒューマンフォーラムでは、一昨年から信頼資本財団の「HOSP月間」の賛同イベントを12月に開催してきました。 今年の第3回は「今こそ、社会的共通資本を考える」をテーマに、様々なジャンルの登壇者をお呼びしてダイアログを進めてまいります。 好評のシリーズ企画です。是非、御参集下さい。

登壇者
・中野桂(なかのかつら/滋賀大学経済学部教授/経済学博士)
・平賀緑(ひらがみどり/食料政策研究家/大学非常勤講師)
・熊野 英介(くまのえいすけ/信頼資本財団代表/アミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長)
・Tseng Feilang : 曽 緋蘭(つぇんふぇいらん/株式会社ROOTS/ツクル森)
・堤 卓也(つつみたくや/一般社団法人パースペクティブ/堤淺吉漆店 専務)
・風かおる(かぜかおる/有限会社ガイアコミュニティ~ふうどこむら~主宰)
・守田敏也(もりたとしや/ジャーナリスト)
・丹下紘希(たんげこうき/人間ときどき映像作家/たまにアートディレクター)
・仲西 祐介(なかにしゆうすけ/KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭 共同ディレクター)

司会(ソーシャルメイトキュレーター)
・廣海 緑朗(ひろみろくろう/NPO法人みんなの地球のくらしかた/mumokuteki/京都オーガニックアクション)

懇親会 17:30〜19:30 終了後に懇親会を同会場で開催します。予約は必要ありません。当日自己申告でお願い致します。 お飲み物の用意をします。親交を深め、歓談の場として下さい。 参加費:1000円(ドリンク代別途) ※懇親会のみの御参加も可能です。

連載終わり

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明日に向けて(1761)今こそ、社会的共通資本を考える!・・・今日(12月1日)はこの企画に参加します!(上)

2019年12月01日 10時00分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20191201 10:00)

● 京都ダイアローグ vol.3 「今こそ、社会的共通資本を考える」

ご案内が遅くなって恐縮ですが、今日はこれからこの企画に参加します。12時30分より京都市中京区のmumokutekiホールにてです。
「社会的共通資本」とはわが師である今は亡き宇沢弘文さんが考えだされたもの。その社会的共通資本をめぐる語り合いですからとても楽しみです。 基本情報を貼り付けます。

京都ダイアローグ vol.3 「今こそ、社会的共通資本を考える」 https://www.facebook.com/events/1129690760560205/

日時:12月1日(日)12:30〜17:00
場所:mumokuteki ホール 〒604-8061 京都市中京区式部町261 ヒューマンフォーラムビル3F
参加費:2000円
定員:70名
予約サイト:https://00m.in/Foog3

予約なしの当日参加も可能ですのでぜひお越しください!


今日の参加者です!

● 「耳をすませば」から

宇沢さんの社会的共通資本の考え方を的確に紹介している動画があります。2014年に亡くなられた宇沢先生を追悼して編集されたNHKの番組です。
同じ時期に亡くなられた菅原文太さんとお二人を扱っているのですが、文太さんのパートも含めてとてもよくできていると思います。 ご紹介しますのでぜひご覧ください。宇沢さんのパートは約13分です。

NHK 耳をすませば 第3回
「信じる道を歩んで 未来へ伝えたい言葉」
宇沢弘文(経済学者)、菅原文太(俳優)
2014年12月31日放送
https://www.dailymotion.com/video/x2dtzl8

この番組がよくできていると思うのは宇沢さんにとって大事なものがたくさん踏まえられているからです。
宇沢さんの紹介の最初の映像に出てくるのは成田空港の前に立つ姿。宇沢さんは成田=三里塚闘争に深く共感され、政府の暴力的な建設を批判し農民と政府との対話を切り開くために尽力されたのでした。
またこの番組では宇沢さんはピンクっぽい服を着られていますが、これは旧制一高ラグビー部のユニフォームです。先生が愛着されていたものでした。

宇沢さんは若い時は医師を志しましたが、ある理由から断念し、旧制一高から東京大学数学科に進まれました。しかし戦後の社会的混乱を見て社会に役立つ仕事をしたい、医師が患者を直すように経済学者として社会を直そうと考えたのでした。
その後、1956年にアメリカのスタンフォード大学から招へいを受けて渡米。すぐに頭角を表して35歳でシカゴ大学の経済学教授になりました。
しかしアメリカがベトナム戦争に参戦しのめり込みだす中で、多くの経済学者が戦争に協力するようになったことをみて痛く失望。中でも「新自由主義の祖」と言われるミルトン・フリードマンと鋭く対立しアメリカでの研究を断念。帰国されました。

● 社会的共通資本に目覚める!

宇沢さんはちょうど日本の高度経済成長が始まる頃に渡米され、大きな経済発展が実現されたころに帰られました。
帰国する前は宇沢さんは経済指標からのみ日本を見ており、どれだけの豊さんが実現されているか期待を持っていたそうです。
ところが帰国した宇沢さんの前に広がっていたのは自動車の洪水の中にある東京であり、全国に蔓延する公害の渦でした。大変、ショックを受けた宇沢さんは全国の公害現場を歩かれました。

水俣について語られる宇沢さん。聞き手は原田正純さん

中でも最も大きかったのは水俣病との出会いでした。番組の中にも出てくる水俣病を最も手厚く診た医師である原田正純さんに誘われて胎児性水俣病患者さんの家を訪れたとき、宇沢さんは戸口の前に立って涙を流されたそうです。
宇沢さんが思われたのは「これは経済学者の責任だ」ということでした。後年、宇沢さんはよく「経済学者になって社会を直そうと思ったのだけどね、社会を悪くしていたのが経済学だったんだね」と繰り返しおっしゃられていました。
水俣の海はなぜあれほどまでに汚染されてしまったのか。宇沢さんが着目したのは近代経済学の「自由財」という考え方でした。

近代経済学はすべてのものが市場の中で誰かの所有物になっていることを前提としています。しかし現実には所有の定まってないものがたくさんある。それらを「自由財」とし誰もが自由に使え、勝手に汚してもかまわないものとしてしまったのです。
この考え方のもとに海に、大気に、廃棄物がどんどん出されてしまった。しかし海も空もそれがなければ人々が生きていけない大切なものです。しかも近代以前の時代はさまざまな掟のもとに大切に社会的に管理されてきたものが多い。
宇沢さんはこれらを「社会的共通資本」という概念で捉えることを考えだしたのでした。したがって宇沢さんはこうも言われていました。「水俣はね、僕ら社会的共通資本を考えるものにとっての聖地なんだね・・・」

長くなってきたのでとりあえずここまでで配信します!

続く

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