明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(440)東日本大震災後に心不全が有意に増加、急性心筋梗塞、狭心症、脳卒中も(宮城県)

2012年03月29日 11時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120329 11:00)

日経メディカルに、「東日本大震災後に心不全が有意に増加、ACS、脳卒
中も」という記事が出ました。ACSとは急性心筋梗塞と狭心症のことです
が、宮城県における2008年から2011年6月30日までの、救急車搬送患者の
調査から、これらが震災以前より増加していることが明らかになりました。
東北大学循環器内科学の下川宏明氏が、第76回日本循環器学会で発表し
ました。

注目すべき点は「心不全の増加は、過去の大震災疫学調査では報告例が
なく、東日本大震災の特徴の一つである」とされていることです。ここか
ら、このデータは、放射性障害による急性症状があったことを物語って
いるのではないかと着目し、記事の分析を試みました。

心不全については次のようなことが明らかにされています。

「2月11日~3月10日と3月11日~4月7日の2期間で各疾患の発生数を比較し
た。その結果、2011年だけが、3月11日~4月7日の期間の方が2月11日~
3月10日の期間より、心不全、ACS、脳卒中、心配停止、肺炎のすべてが
有意に多かった。例えば心不全は、2011年の2月11日~3月10日では123件
だったが、同年3月11日~4月7日には220件と有意に増加していた
(P<0.001)。また、2008~2010年の各年の3月11日~4月7日の発生数
は、それぞれ101件、100件、126件であり、2011年の方が有意に高かった
(P<0.001)。」

これらから2011年の大震災前後の1ヶ月を比較すると約1.8倍、2008年から
2010年の同じ時期と比較すると約1.8倍から2.2倍も心不全の発生が多かっ
たことが分かります。なお急性心筋梗塞と狭心症の発症は、6月以降はむ
しろ下がっており、心臓にトラブルを抱えた人の発症が「前倒しになった」
とも指摘されています。

さらに次の点も指摘されています。

「着目点の1つである沿岸部と内陸部の比較では、沿岸部の内陸部に対す
るオッズ比を調べたところ、肺炎で1.54(95%信頼区間:1.06-2.26)と
なり、沿岸部での肺炎の患者が有意に多いことも分かった(P=0.023)。」

これらから、記事ではこの演題へのコメンテーターの次のような指摘を掲
載して記事の締めくくりとしています。

「東日本大震災では地震に加え、津波の被害が甚大であったことから、被
災者のストレスは多大であったと推定される」と指摘。下川氏らの検討に
よって、「こうしたストレスは心不全の要因および増悪因子となりえるこ
とが示された。また肺炎が沿岸部で有意に多かった点については、津波後
の粉塵あるいは冬季であったことの寒冷も関連していると考えられ、この
ことが心不全増加に関与した可能性が高い」などと考察した。」

つまり、タイトルにあげられた心不全等々が有意に増加した原因を、津波
被害に求めているのですが、ここで示させている根拠は、沿岸部と内陸部
を比較した時、肺炎が有意に、沿岸部の方が多い(1.54倍)ことのみです。
心不全に関するこの点でのデータがないのが残念です。

さてこれらからどのようなことが導き出されるのでしょうか。一つには、
事実問題として、宮城県のデータとして、大震災の後の、心不全、急性心
筋梗塞、狭心症、脳卒中、心肺停止、肺炎の有意な増加があったというこ
とです。

その原因として、肺炎が沿岸部が内陸部に対して有意に多かったことから、
津波の影響が指摘されているわけですが、単純に考えても、寒い時期に
おこった津波による大被害が、被災者に大きなストレスを与えたことは想
像しやすく、これらがさまざまな症状の原因になっているという指摘は
うなづけるものです。

しかしそれだけだったのだろうか。宮城県南部にも大量の放射性物質が
降り注いだことを考えたときに、これらの数字は、放射能の影響によるも
のでもあるのではないかと考えると、津波被害と同じように、その可能性
も十分に考えられと僕は思います。バンダジェフスキー博士などが指摘して
いる、セシウムは心筋に集まりやすく、心臓の障害を引き起こしやすいとい
う事実と、心不全・心筋梗塞・狭心症・心肺停止の増加、とくに心不全が
増加したという事実が、ここで符号するからです。実際には、津波被害と
放射線障害が複合して、心臓のトラブルを発生させたことが多かったので
はないか。

しかし少なくとも記事から見る限り、分析者の側がこうした視点を持って
いなかったために、放射能の影響について、はっきりと、あった、なかっ
たと言いうるデータの取り方がされていないように思えます。ないしは
データはあっても、そうした分析が試みられていないのかもしれません。
(例えば宮城県内における放射性物質の降下が多かったところと少なかった
ところを比較するなど)


それらから、こうしたデータの処理・分析、東日本大震災における疾病状況
を解析するにあたっては、放射線障害の可能性を排除せず、それをデータ的
に検証する分析姿勢が求められます。そうした分析を進めれば、放射線障害
が初期から起こっていることが明らかになりうると僕は推論していますが、
あるいはその反対の結論が出てくることもありえます。それを含めて、
放射線のことを視野にいれた分析の必要性を強調したいと思います。

いずれにせよ、「にわかに健康に被害なない」という呪文を振り払い、実は
「にわかに健康に被害が出ていた」可能性を追求していく必要がある。
今回のデータは少なくともそのひとつの足がかりになると思います。

***********************

東日本大震災後に心不全が有意に増加、ACS、脳卒中も
日経メディカルオンライン 2012・3・20

東日本大震災では発災以降、心不全をはじめ、ACS、脳卒中などの循環器
疾患が有意に増加していた。特に心不全の増加は、過去の大震災疫学調査
では報告例がなく、東日本大震災の特徴の1つであることも浮かび上がった。
東北大学循環器内科学の下川宏明氏が、3月18日まで福岡で開催されていた
第76回日本循環器学会(JCS2012)のLate Breaking Clinical Trials
セッションで発表した。

下川氏らは、宮城県で救急車で搬送されたすべての患者記録を調査し、東
日本大震災の発災前後における循環器疾患の変動を明らかにした。加えて
東北大学循環器内科におけるデバイス植え込み患者および冠攣縮性狭心症
患者も対象に、震災の影響を検討した。

救急車搬送の調査は、2008年から2011年6月30日までを対象とした。対象
地域は宮城県全域だった。県医師会の全面的な協力が得られたこともあり、
宮城県内12消防本部すべてが協力に応じてくれたという。

調査期間中の救急車の出動件数は、合計で12万4152件だった(救急搬送例
の初診時診断率は56.2%)。この全例を対象に、心不全、ACS(急性心筋
梗塞と狭心症)、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、心肺停止、肺炎の症例を調
べた。その上で、発災前後および同時期の過去3年間について、各疾患の
発生件数を比較検討した。

下川氏らはまた、今回の震災では津波による甚大な被害を受けた沿岸部と
津波の被害を免れた内陸部では事情が大きく違うと考え、沿岸部と内陸部
に分けた解析も行った。

解析ではまず、各年ごとに2月11日~3月10日と3月11日~4月7日の2期間で
各疾患の発生数を比較した。その結果、2011年だけが、3月11日~4月7日の
期間の方が2月11日~3月10日の期間より、心不全、ACS、脳卒中、心配停止、
肺炎のすべてが有意に多かった。例えば心不全は、2011年の2月11日~3月
10日では123件だったが、同年3月11日~4月7日には220件と有意に増加して
いた(P<0.001)。また、2008~2010年の各年の3月11日~4月7日の発生数
は、それぞれ101件、100件、126件であり、2011年の方が有意に高かった
(P<0.001)。

次に、2011年の2月11日以降、4週間ごとの週間平均発生数を追ったところ、
心不全は30.8件、55.0件、35.0件、31.0件、29.3件と推移していた。同様
にACSは8.25件、19.0件、9.25件、5.0件、10.0件、脳卒中は70.8件、96.5件、
82.0件、73.5件、62.5件、心配停止は49.0件、61.8件、46.0件、42.3件、
40.3件、肺炎は46.5件、89.3件、60.5件、45.5件、47.5件とそれそれ推移
していた。

過去3年間の週間平均発生数と比較すると、2011年3月11日~4月7日の発生数
は、調査した疾患すべてにおいて有意に多くなっていた。

なお、ACSにおいては、2011年5月6日~6月2日の発生件数が過去3年間の平均
週間発生数より有意に少ないことも判明。この点について下川氏は、「ACSの
予備軍が前倒しで発生した可能性がある」と指摘した。

着目点の1つである沿岸部と内陸部の比較では、沿岸部の内陸部に対する
オッズ比を調べたところ、肺炎で1.54(95%信頼区間:1.06-2.26)となり、
沿岸部での肺炎の患者が有意に多いことも分かった(P=0.023)。

このほか、デバイス植え込み患者および冠攣縮性狭心症患者を対象とした
検討では、不整脈(特に心室性)の増加が見られ、心臓再同期療法(CRT)
治療の効果の減弱や冠攣縮の増悪の可能性なども明らかになった。

この演題に対するコメンテーターとして登壇した秋田大学循環器内科の
伊藤宏氏は、「東日本大震災では地震に加え、津波の被害が甚大であった
ことから、被災者のストレスは多大であったと推定される」と指摘。
下川氏らの検討によって、「こうしたストレスは心不全の要因および増悪
因子となりえることが示された。また肺炎が沿岸部で有意に多かった点に
ついては、津波後の粉塵あるいは冬季であったことの寒冷も関連している
と考えられ、このことが心不全増加に関与した可能性が高い」などと考察
した。その上で、「今回の研究データは、災害時の循環器医療だけでなく、
災害を見据えた日常診療のあり方を考える上で重要な指標となりえる」と
評価し、コメントを締めくくった。
(日経メディカル別冊編集)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2012/201203/524102.html
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明日に向けて(439)人と喧嘩しがちなのも、放射線被曝の影響かもしれない・・・

2012年03月28日 17時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120328 17:30)

毎日新聞に「原発事故後に精神科入院、被ばく恐怖「影響」24% 」と
いう記事がでました。原発事故による「心理的ストレス」の問題をいかに
捉えるのか考察していたときだったので、注目したのですが、記事内容が
不鮮明というか、問題の所在がぼやけたものになっています。福島県立大
学のデータに依拠しているのですが、同大の捉え方の限界なのか、取材し
た記者の限界なのか、要領を得ず、また結論も非常によくない記事です。

それでも紹介しようと思ったのは、「原発事故後に、福島県内の精神科に
入院・再入院した患者のうち、放射線被ばくの恐怖が関連した可能性のあ
る人は24・4%と全体の4分の1に達した」という点を紹介しておきた
かったからです。

まず押さえておくべきことは、こうした放射能の恐怖によるストレスもま
た、原発事故の明確な被害の一環であり、東電によって賠償されるべきも
のであるということです。これに対して、山下俊一氏などが、「放射能を
怖がりすぎるからよくないのだ」と、何かあたかも自己責任であるかのよ
うな言辞を繰り返しているのですが、これは被害者を加害者にしたてあげ
る悪質な論理です。

このロジックは、チェルノブイリ事故に際しても、その前のスリーマイル
島事故に際しても用いられたものでした。実際に身体にあらわれている
健康被害をすべてストレスのせいにしてしまい、放射性被害を隠してしま
うものです。山下俊一氏が副学長を務める福島県立医大の調査であるため
に、そうした結論が導出される可能性が懸念されます。


同時に気になるのは記事に「チェルノブイリ原発事故でも放射線が精神面
に与える影響が報告されているが、10年程度たってからの調査だった」
と書かれている点です。「放射線が精神面に与える影響」・・・そのこと
と、放射線を恐るストレスとは別物であることを、記事を書いた記者さん
は理解して書いたのでしょうか。理解しないで、つまりこの違いを差異化
できずに書いているのではないか。

なぜこの点が重要なのかというと、ここで精神疾患と放射線の関係が大き
く別れるからです。通常、問題として指摘されるのは、放射線を恐怖する
ことによるストレスです。先にも述べたように、これとて怖がる当事者が
悪いなどということは断じてなく、放射能漏れ事故が巻き起こした重大な
損害、ないし傷害行為です。

しかしより重要なのは、恐怖によって精神がダメージを受けるだけでなく、
放射線の影響そのものによって、精神がダメージを受けている面があるの
ではないかという点で、僕も、データ的裏付けはないものの、こうした
影響、ないし傷害はありうると考えています。

実はこの点は、僕が「発見」したことではありません。福島市内を訪問し
たとき、あるところでお会いした精神科医の方から聞いた知見です。僕は
この方に「精神科医の立場から、福島の方たちの、精神状態について、
どのような考えているか。精神科の立場から、放射線障害を感じることが
あるか」と質問したのですが、あるという答えがかえってきたのです。

この方の説明によれば、脳の中の記憶などを司る「海馬」という部分が、
細胞分裂が活発であるため、放射線障害を受けやすいところであり、ここ
への放射線によるダメージが、人々の意識の硬直化などにつながっている
可能性があるというのです。この方によれば、放射線が海馬にダメージを
与えること自身は、すでに英語圏で有意なデータに基づく論文が発表され
ているとのことです。(当該論文を僕はみつけていませんが・・・)


もう少し詳しく見ていくと、海馬は新しい記憶の獲得能力や学習能力を
司っている場で、ここが損傷を受けると、古い記憶は保持されていても新
しく認識したことの記憶能力が低下します。アルツハイマー病による記憶
の低下でも、海馬の損傷が伴っていることが確認されています。ここの
損傷が認知症につながってるわけです。

前述の精神科医の方が強調したのは、新しい記憶の中には、新しい発想の
枠組みも入るのだといい点で、それが記憶・学習できないということは、
発想の枠組みを変えにくくなることを意味し、思考の柔軟性が失われれて
いくことにつながるというのです。

ちなみに海馬はまさに精神的ストレスそのものによってもダメージを受け
やすい場所で、それが重なると、うつ病が発症しやすくなることも知られ
ています。その意味で、確かに精神的ストレスによって海馬の損傷や萎縮
がおきやすく、それが免疫力の低下につながり、病気が発生するメカニズ
ムがあるのですが、しかし反対に、放射線によっても海馬はダメージを
受けやすいのです。その場合、「精神的ストレス」が、放射線を直接の契
機によって起こっていることも考えられるわけです。

「今、福島の中では、放射線からいかに身を守るのかをめぐって、大きな
意見対立があり、硬直した相互応酬がみられる場合もあるのですが、私は
確かにそうした硬直性が、ストレスによって生み出されている面もあるも
のの、他方で放射線が海馬にダメージを与えることによって生まれている
面もあると思うのです」。そうこの方が語られてたとき、思わず唸ってし
まいました。


そんなとき、ある友人の話を思い出しました。結婚をし、子どもができて、
今まで住んでいたマンションでは手狭になって、新築の広いマンションに
引っ越した。新居で新しい希望の生活がはじまったはずなのに、その後、
子どもがむずかり続け、お連れ合いが不機嫌になって、夫婦喧嘩が絶えな
くなってしまった。

何度も話し合っても、厳しい状態を抜け出す糸口が見つけられなかったの
ですが、あるとき周りから、「原因はシックハウス症候群なのでは」と言
われた。新築の家屋に使われている化学物質が犯人だというのです。友人
も、確かに新居に入居した時、何かの薬品の匂いのようなものを感じたこ
とを思い出しました。それでもう一度、引っ越したのですが、そうしたら
子どもがすやすや寝るようになり、お連れ合いの機嫌もよくなって問題が
解決した。そのときになって、自分自身が、いつも不機嫌だったことに気
がついた・・・というのです。

この場合、精神的ストレスの引き金になっているのは、化学物質です。こ
れと放射線の害とはメカニズムが違いますが、しかしある意味では似たよ
うなことが起こっている可能性があるのではないか。人々の対立が、全て
ではないにせよ、放射線障害そのもののとしてあらわれているのではない
かということです。


こうした知見を踏まえたうえで、再度、記事の結語部分に返ると、そこに
大きな過ちがあることが見えてきます。とくに記事が「同大神経精神医学
講座の丹羽真一教授は「事故の影響は大きいという印象だ。除染も他人よ
り自分でしたほうが安心できる。住民参加で放射線被ばくの不安を軽減す
る取り組みも(精神的負担を減らすために)重要だ」と話している。」と
結ばれている点です。

何が限界なのか。第一に、除染活動はそれそのものが被曝労働です。なにせ
放射線の高いところにいって、放射性物質を除去する活動をするわけですか
ら、ガンマ線による外部被曝は絶対に避けられない。その上、放射性物質を
扱ったことのない素人が作業に加われば、放射性物質によって、自らを汚染
させてしまい、付着した放射性物質を吸い込んで、内部被曝を受けてしまう
ことも避けられないのです。その意味で除染活動は、脳のストレスを深める
側に物理的に作用する可能性を強くもっており、素人が参加するのは避ける
べきものです。

第二に、「除染は他人よりも自分でしはほうが安心できる」ということ自身
が、まったく根拠がないし、現実を知らないものが言うことです。なぜなら
実際には、自分でしてみると、除染の難しさがわかり、なかなか放射線量が
下がらない現実に突き当たるからです。その点でも、この説明は現状とあま
りに食い違っています。むしろ「精神的ストレス低減にもなるから、除染に
参加しよう」との、現実を無視したプロパガンダにすぎないとすらいえます。

残念なことに、記事を書いた記者さんは、こうした非常に問題の多いコメント
を無批判的に載せて記事を締めてしまっているのですが、再度、確認すべきは、
精神的ストレスの原因は東電の事故にあり、東電はその損害への償いを行うべ
きだということと、放射線そのものが、脳の海馬を傷つけ、記憶低下や新しい
思考の枠組みの形成の困難をもたらし、思考の柔軟性を奪い、結果的に人と
ぶつかりやすい精神状態を生み出している可能性があるということです。

私たちはこうしたことを頭に入れて、互いに接する必要がありそうです。いう
なれば、他者に対して譲歩の気持ちを強め、一歩、優しくなることが、放射線
防護をすすめる上で大切ではないかということです。僕自身、こうした点に
基づいて自らを省みながら、歩んでいきたいと思います。

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東日本大震災:原発事故後に精神科入院、被ばく恐怖「影響」24% 
福島県立医大、県内の患者調査
毎日新聞 2012年3月26日 東京朝刊

東京電力福島第1原発の事故後に福島県内の精神科に入院・再入院した患者の
うち、放射線被ばくの恐怖が関連した可能性のある人は24・4%と全体の
4分の1に達したことが福島県立医大の調査で分かった。外来も事故関連と
みられる新患は3割を占めた。原発事故が精神疾患へ及ぼす影響を示す事故
直後のデータは世界的にもなく、同大は大規模原発事故や長期の避難生活な
どが心にどんな負担となっているのか患者の追跡調査をしていく。【鈴木泰広】

入院調査は同大神経精神医学講座の和田明助教らが、30病院に3月12日か
らの2カ月間のアンケートをし、27病院から回答を得た。

事故による転院などを除いた入院・再入院患者610人(男49%、女51%)
のうち、被ばくへの恐れが関連あると診断されたのは12・1%の74人、
関連があるかもしれないとされた人は12・3%の75人だった。関連がある
患者の割合は原発に近い相双・いわき地域が23~27%と高かった。

関連があるとされた74人中震災前に精神科の受診歴がない人は9人いた。
74人は事故後1カ月以内の入院・再入院が大半。年齢別では40~50代が
ほぼ半数を占めた。自宅の被災や、避難所生活をしていた割合が全体傾向より
高く、大勢が集まる避難所のストレスに被ばくの不安が重なったケースも
みられた。

一方、外来調査は三浦至助教らが77病院・クリニックに3月12日からの
3カ月間(各週1日を抽出)を聞き、57施設が回答した。うつ病や不安障害
などの新患410人を調べたところ、事故関連と診断されたのは19%の78人、
関連があるかもしれないと診断されたのは13・4%の55人だった。
計133人のうち、うつ病が最多で47人、急性ストレス障害・心的外傷後
ストレス障害、適応障害がそれぞれ38人。半数近くが避難生活のストレスを
抱え、4割が放射線の自分への影響、3割が子供など家族への影響の恐怖を
訴えた。

チェルノブイリ原発事故でも放射線が精神面に与える影響が報告されているが、
10年程度たってからの調査だった。同大神経精神医学講座の丹羽真一教授は
「事故の影響は大きいという印象だ。除染も他人より自分でしたほうが安心で
きる。住民参加で放射線被ばくの不安を軽減する取り組みも(精神的負担を減ら
すために)重要だ」と話している。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120326ddm001040073000c.html



コメント

明日に向けて(438)肥田さん講演会(尾道・京都2箇所)松井英介さん講演会(京都)のお知らせ

2012年03月27日 08時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120327 08:30)

本日27日、岩波ブックレット出版記念に際しての講演と昼食の会を開いていた
だきます。僕もこれから会場に向かいます。詳細は下記をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/c/39d9d789a234298eda85751fd2bd0ecc

また今週末から来週月曜日にかけて、わが「市民と科学者の内部被曝問題研究
会」の肥田舜太郎名誉会長と、呼びかけ人の中心のお一人である松井英介さん
が、それぞれ講演をされますので、スケジュールをご紹介します。僕も京都の
すべての企画に参加します。

まず肥田さんですが、3月31日(土)午後13時30分から、尾道しまなみ交流館で、
お話します。主催は「フクシマから考える一歩の会」さんです。
なお講演会場で、岩波ブックレット『内部被曝』も販売してくださいます。
尾道近辺の方、ぜひご参加ください。

4月1日(日)には京都で講演会があります。野呂美加さんとのジョイント講演
です。4月1日、2日にわたって行われる「ここからミーティング2012」の中の
一つの企画ですが、講演会だけの参加も可能です。講演会は15時から17時30分
まで。詳しくはイベント全体の案内をご確認ください。

4月2日には京都・東本願寺にて、全戦没者追弔法会が行われ、その中の記念
講演として肥田さんが「戦争と核の世紀を超えて」という演題でお話されます。
午前10時から12時30分までの企画です。

同じく午後からは以下の参加者によるシンポジウムが行われます。
肥田舜太郎さん、槌田劭さん(「使い捨て時代を考える会」相談役)
満田夏花さん(国際環境 NGO FoE Japan)
コーディネーター:大須賀護さん(京都教区正願寺門徒・出版部非常勤嘱託)

京都近辺で肥田さんのお話をまだお聞きになってない方はぜひご参加ください。


続いて松井英介さんの講演会をご紹介します。
4月1日(日)アバンティ饗都ホールにて行われます。
午前の部 10:00 ~ 11:45  講演会および質疑応答
午後の部 13:30 ~ 15:30   学習会および相談会
という贅沢な構成です。

主催は、僕も何度かお話に呼んでいただいた「ネットワークあすのわ」の「松井
英介講演会プロジェクト」。共催は「子どもと未来を守る会京都」です。
こちらにもぜひお越しください。

なお内部被曝研に講師陣のスケジュールが以下から見えれます。
みなさん、精力的に講演に歩かれていますが、なかでも肥田さんの奮闘には
本当に頭が下がります。95歳にして、この超過密スケジュールです。
どうかそれぞれの会場にお越しください。またその際、肥田さんのお体への
お気遣いもどうかお忘れなく・・・。
http://www.acsir.org/lecture/index.php


以下、各企画の詳細を貼り付けます。

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内部被曝の真実・危険とどう向き合うか 

肥田舜太郎先生講演会
「知らなかった」では済まされない。

内部被曝に「安全区域」はない。
取り込むと、生涯影響を受け続ける。
現代の医学では診断法もなければ治療法もない。

日時:平成24年3月31日(土)
開場:13時
開演:13時30分
会場:尾道しまなみ交流館
(広島県尾道市東御所町10-1)
内容:肥田舜太郎先生講演
入場料500円(中学生まで無料) 託児300円

主催:フクシマから考える一歩の会
窓口:090-2002-8667(小林さん)
託児問合せ:noka.suehisa@gmail.com(末久さん)

協力:社団法人「命・地球・平和産業協会」
後援:尾道市医師会 尾道薬剤師会 広島県保険医協会
   尾道ケーブルテレビ 尾道FM放送 尾道子ども劇場
   尾道地区連合女性会 山陽日日新聞社

情報は以下から転載
http://blog.goo.ne.jp/unitehiroshima/e/6f75feb263011743791d745503238548

*****

東日本大震災、そして福島原発事故から
もうすぐ一年になろうとしています。
皆様 いかがお過ごしでしょうか。

今年度の「ここからミーティング2012 in 京都」は、
ちいさな子どもを持つ会員の皆さんの関心が高い
子どもたちを放射能から守るための知恵を
学び合い、話し合う場です。

「こころとからだをつなぐ」という意味を込めて
スタートした「ここからミーティング」ですが、
東日本大震災・原発事故から、皆でこれからについて語り合い
「ここからつながろう」というもうひとつの意味がかさなりました。

場所を京都に移してのはじめての開催となりますが、
場所と変えても参加者の方がゆっくりとしっかりと
語り合える場をつくっていきたいと思います。
皆さまのご参加をお待ちしております。

15:00~17:30
肥田舜太郎先生 野呂美加さん 講演会
「子どもたちを内部被曝から守るために」
18:30~ 夕食・交流会

講演会のみ参加 2500円

会場: 関西セミナーハウス
〒606-8134 京都市左京区一乗寺竹ノ内町23
TEL:075-711-2115 FAX:075-701-5256

イベントの全体については以下をクリック 情報も以下から
http://shizen-ikuji.org/kozaevent/kokokara2/entry-6337.html

*****

真宗大谷派 東本願寺(京都市下京区)では、4月15日(日)まで参拝接待所
ギャラリーにて『非戦・平和展』を開催しています。なお、関連して4月2日
に全戦没者追弔法会とシンポジウムが行われます。

昨年3月11日の東日本大震災以後、福島第一原子力発電所の事故による放射能
被害は拡大し続けています。広島・長崎の原爆を経験した私たちの国のこれ
までの歴史とこれからを、「被ばく」という視点からもういちど考えてみた
いと思います。

非戦・平和展 「戦争と核の世紀を超えて」
日時:3月16日(金)~4月15日(日)午前9時~午後4時
場所:参拝接待所ギャラリー

テーマ:「往生をねがうしるし 世をいとうしるし ―戦争と核の世紀を超えて―」

展示の柱:1 宗派からのメッセージ
     2 1945年~現在までの核による被害・被ばく       
     3 明治期以降の宗派と戦争の関わり
内容:
 「広島・長崎への原爆投下」
 「第五福竜丸、水爆実験による被は?く」
 「スリーマイル島原子力発電所事故」
 「チェルノフ?イリ原子力発電所事故」
 「東海村 JCO 臨界被曝事故」
 「東京電力福島第一原子力発電所事故」
 「原子力発電所の被は?く労働者」

全戦没者追弔法会
日時:4月2日(月)午前10時~12時30分
会場:真宗本廟(東本願寺)御影堂

●記念講演
講師:肥田舜太郎 氏(日本被団協原爆被爆者中央相談所前理事長)
講題:「戦争と核の世紀を超えて」


シンポジウム
日時:4月2日(月)午後2時~4時30分
会場 真宗本廟(東本願寺)視聴覚ホール(参拝接待所キ?ャラリー地下2階)

パネリスト:
肥田舜太郎 氏
槌田劭 氏(「使い捨て時代を考える会」相談役)
満田夏花 氏(国際環境 NGO FoE Japan)
コーディネーター:大須賀護 氏(京都教区正願寺門徒・出版部非常勤嘱託)

主催 : 真宗大谷派(東本願寺)
お問い合わせ:真宗大谷派解放運動推進本部 電話075-371-9247

チラシは以下から
http://www.higashihonganji.or.jp/info/event/PDF/zensen2012.pdf

情報は以下から転載
http://otsnews.jp/stories/3044

*****

4月1日(日)に京都駅すぐのアバンティ響都ホールにて、松井英介氏を
お招きして、内部被曝について講演会を開きます。

内部被曝とは?なぜ日本はICRPの基準に従うの?など、納得のいく
お話しを聞いて頂けます。
午後からは、松井先生も交えて、じっくりと勉強会と相談会も開く予定です。
ご家族、お友達、お知り合いもお誘い合わせの上、ご参加くださいますよう、
お願いいたします。

転載、拡散希望です。
京都での開催ですので、大阪方面の方々にもお知らせくださると
ありがたいです!!

<<松井英介氏講演・学習会>>  

場所 講演会:龍谷大学アバンティ響都ホール (京都駅八条口すぐ) 
   学習会:京都キャンパスプラザ →下記参照
日時 2012年4月1日(日)
   午前の部 10:00 ~ 11:45  講演会および質疑応答
   午後の部 13:30 ~ 15:30   学習会および相談会
参加対象 一般
募集人数 講演会350名  学習会40名
参加費  午前の部 大人ひとり 800円
      障がい者ひとり 500円 
     午後の部 大人ひとり 500円   
      障がい者ひとり 300円
     午前・午後とも中学生以下無料  
   ・午前の部は託児あります
     要予約 1歳以上 申し込み締め切り3月23日)
   ・午前の部は手話通訳対応あります
     (要相談 申し込み締め切り3月23日) 
   ・午後の部は
     要申し込み(お茶とお菓子付き 定員40名になり次第しめきり)
   ・午後の部は東日本大震災避難者優先
   ・午後は託児はありませんが、親子でご参加いただけます。

主催 ネットワークあすのわ・松井英介講演会プロジェクト  
共催 子どもと未来を守る会京都
後援 NPOベジタリアンフェスティバル実行委員会、NGOe-みらい構想(確定)
   滋賀県教育委員会、京都市教育委員会、滋賀県弁護士会、京都市弁護士会、
   滋賀県保険医協会、京都府保険医協会、滋賀県人権センター(以上申請中)

お申し込み・問い合わせ
ネットワークあすのわ事務局  
(有)暮らしを考える会内  滋賀県野洲市小堤184-1
 Tel 077-586-0623  Fax  077-586-1403
mail asunowa_kouenkai@yahoo.co.jp

○松井英介略歴:
元岐阜大学医学部放射線医学講座助教授。医学部退官後、岐阜環境医学研究所を
開設、所長、現在に至る。この間、呼吸器疾患の画像および内視鏡診断と治療、
肺がんの予防・早期発見、集団検診ならびに治療に携わると同時に、放射線内部
被曝、アスベスト被害、産業廃棄物問題などの研究や調査に取り組んできた。

著書「見えない恐怖―放射線内部被曝」(2011年 旬報社)、ブックレット
監修著「放射線被曝から子どもを守るために」(2011年 旬報社)など執筆。

情報は以下から転載
http://asunowa.shiga-saku.net/e757233.html



コメント

明日に向けて(437)荒木田岳さんのお話を聞きに来てください!(30日ひとまち交流会館)

2012年03月26日 09時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120326 09:30)

福島大学准教授の荒木田岳さんが京都に来られます。29日に立命館大学で他の
3名の福島大学教員の方とこられてシンポジウムを行うのですが、30日の午前中
にも「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」が、荒木田さんを囲んだ
お話会を設定してくださいました。30日の会では、僕が聴き手になって、荒木田
さんのお話をみなさんとシェアしたいと思います。

荒木田さんとは、昨年の10月、京都精華大学と福島大学の教員や福島市民らで
作る「放射能除染・回復プロジェクト」の除染活動に参加した時に知り合いにな
りました。ちょうど荒木田さんが『週刊朝日』に「除染するほど住めないと思う」
という一文を書かれた直後でした。

僕は除染活動にとどまらず、今、「福島市に住む」ことのアンビバレントな思い
を率直に表したこの文章に大変、胸を打たれました。すぐに「明日に向けて」で
紹介させていただくとともに、それ以降、メールでやりとりしたり、福島市で
お会いしたりということを繰り返してきました。

荒木田さんは、「きれいごと」を言わない。かといって、けして斜にかまえて、
ニヒリズムをただよわせているのでもない。ある種、淡々と現状を描写しつつ、
その奥深くにある、人々の複雑な思いを、そのままにつかみ、伝えようとして
います。美しいとはとても言えない。しかしただ醜いというのでもまったく正
確ではない。その狭間にあって揺れ動いているものと言えるものかもしれません。

それをそのまま見つめようとする荒木田さんに、僕は社会学者としての誠実さと
プライドも感じます。そしてまたそんな荒木田さんの語る「福島の今」に一番の
リアリティを感じるのです。ぜひ多くの方に耳を傾けて欲しい、接して欲しいと
思います。それでママパパ会の方にお願いして、場所を作っていただきました。

どうかみなさん。福島市を訪れるつもりで、荒木田さんのお話を聴きに来てくだ
さい。そしてイマジネーションを自らつかみとってください。今後、福島のこと、
原発災害被災地のことを思い考えるときの、とても大事なインスピレーション
を掴むことができると思います。

すでに一度、紹介したものですが、再度、荒木田さんの名分を記して、お誘いに
かえます。

*****

除染するほど、「住めない」と思う
荒木田岳(あらきだたける)

5月から福島大の同僚や京都精華大などの先生たち、市民の方々と一緒に
福島県内の除染に取り組んでいます。最初は、通学路や子どものいる家
から作業を始めました。

政府は「除染をすれば住めるようになる」と宣伝していますが、それは
実際に除染活動をしたことのない人の、机上の空論です。現場で作業し
ている実感からすれば、除染にかかわるたびに、「こんなところに人が
住んでいていいのか」と思います。

原発から約60キロ離れた福島市内ですら、毎時150マイクロシーベルト
なんて数字が出るところがあります。信じられますか?今日もその道を
子どもたちが通学しているんです。

30マイクロくらいの場所はすぐ見つかります。先日除染した市内の民家
では、毎時2マイクロシーベルトを超えていました。つまり、家の中に
いるだけで年20ミリシーベルト近くを外部被曝する。これに内部被曝も
加味したらどうなるのか。しかもそんな家でも、政府は特定避難推奨
地点に指定していません。

そしてどんなに頑張って除染しても、放射線量はなかなか下がりません。
下がっても雨が降ったら元の木阿弥(もくあみ)です。一回除染して
「はい、きれいになりました」という話じゃないんです。

今、私の妻子は県外に避難していますが、電話するたび子どもたちが
「いつ福島に帰れるの」と聞きます。故郷ですからね。でも私には、今
の福島市での子育てはとても考えられません。

そんな私が除染にかかわっているのは、「今しかできない作業」があり、
それによって50年後、100年後に違いが出てくると思うからです。多くの
人が去った後の福島や、原発なき後の地域政策を想像しつつ、淡々と作業
をしています。歴史家としての自分がそうさせるのでしょう。

結局、福島の実情は、突き詰めると、元気の出ない、先の見えない話に
なってしまいます。でもそれが現実です。人々は絶望の中で、今この瞬間
も被曝し続けながら暮らしています。こうして見殺しにされ、忘れられ
ようとしているわが町・福島の姿を伝えたいのです。そうすれば、まだ
この歴史を変えられるかもしれない。今ならまだ・・・・・。

******

荒木田岳さん(福島大学行政政策学類准教授)を囲んで 
お話会のお知らせ

「除染するほど 住めないと思う 福島の今。」

学校給食の「地産地消」の推進?!
「逃げたヒトvs 残ったヒト」の二分化。。
放射線量測定へのタブーや無言の圧力?!
色んな情報が錯綜する中、
日本の美しいふるさと、福島では今、何が起こっているの?

福島とともに歩まれている、「放射能汚染・回復プロジェクト」の
荒木田さんをお招きし、「福島の今」を聴いてみませんか?
これは、福島だけ、日本だけの問題ではありません。

子供たちを放射能の脅威から守るという立場に立つならば、
「避難」と「除染」という2つの方法は、互いに矛盾するものではなく、
相互補完的なものであるはずです。しかし、国や福島県は、避難させない
ことを目的に除染を呼びかけているのです。

聞き手(コーディネーター):守田敏也さん
日時:3月30日(金) 10:30~13:00ごろ
場所:ひとまち交流館 2階 和室
料金:500円程度のカンパ制

*小さなお子様連れのママたちも大歓迎です。
(軽食なども遠慮なくご持参下さい)

予約:不要
主催:京都ママパパの会

荒木田さん(福島大学准教授)プロフィール
http://www.ads.fukushima-u.ac.jp/article/arakida_takeru

荒木田さんの除染活動についての記事
守田敏也さん 

「明日に向けて」(306)より
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/fb3d13f7a57e2316575db56007ff1124
「明日に向けて」(304)より
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3ebae533afd6d0f6a86b9fd668af6153
「明日に向けて」(399)より
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/06c35fc5f3c9b2f575e9fc577752fb4e

放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会

*****

[開催]3/29(木)15:00~原子力と生存学研究会
特別企画「震災・大学・放射能~福島大学教員をお招きして」

人間科学研究所と立命館大学生存学研究センターの共同主催で以下のような
ワークショップが開催されます。
どなたでもご参加いただけます。皆さまのご参加をお待ちしています。

東日本大震災直後に生じた福島第一原発事故。爆発後の南東の風に乗って拡散
した放射能に対して福島大学・教員・市民はどのように対応したのか。現在の
問題点は何か。その実情や大学の危機管理のあり方など、私たちが学ぶべきこ
となどを福島大学原発災害支援フォーラム(FGF)のメンバーによってお話しい
ただきます。

【日時】2012年3月29日(木)(15:00~18:00)
【場所】衣笠キャンパス 創思館303・304号室
【主催】人間科学研究所/生存学研究センター原子力と生存学研究会

登壇者 石田 葉月(福島大学 共生システム理工学類)
   荒木田 岳(福島大学 行政政策学類)
   永幡 幸司(福島大学 共生システム理工学類)
    後藤  忍(福島大学 共生システム理工学類) 

司会・聞き手 サトウタツヤ (立命館大学文学部/元福島大学教員)
指定質問者  中倉智徳 (立命館大学大学院先端総合学術研究科研究指導助手)


福島大学原発災害支援フォーラム. (FGF).
http://fukugenken.e-contents.biz/

立命館大学人間科学研究所
http://www.ritsumeihuman.com/

立命館大学生存学研究センター
http://www.ritsumei-arsvi.org
コメント

明日に向けて(436)OHANA通信 ぼちぼち再始動

2012年03月24日 00時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120324 00:30)

今宵はもう一つ情報を流します。
昨年、京都から被災地に自転車を届ける活動等でご一緒してきた
京都OHANAプロジェクトの森拓哉さんから、久々の「OHANA通信」が
届きました。少し時間が空いてしまったのですが、みなさんにご紹
介したいと思います。僕も再び、OHANAの活動を一緒に行うつもり
です。

今回はすでに終わってしまった大槌写真展の話と、今日(24日)の
イベント案内等です。どうかご活用ください。

***************

いつもお世話になっております。
京都OHANAプロジェクト森拓哉です。

震災から一年の節目、皆様どのように過ごされたでしょうか?
私は、大槌町で一緒に活動した千田さん(チーターさん)と一緒に
京都マラソン会場で、ご当地キャラクターのおおちゃん人形の販売
(沢山、購入頂きました!)、

夜は震災支援のチャリティ上映会、「京都ガイアなかまの会」の
ガイアシンフォニー第六番の上映会にお伺いさせて頂きました。
http://blog.goo.ne.jp/kyotogaia

ガイアの会様からは、昨夏より、収益をOHANAの活動費として、
寄付して頂いています。

3月11日から、3日ほど経過して、朗報が入りました。
財団法人京都地域創造基金様から、助成金の申請が一部認められたとの報です。
活動に向けて、大きな弾みと、責任が生まれました。
これから夏に向かって、再始動していきます(のんびりですが、着実に、、、)

東北の皆様との再会が楽しみです。
2012年 夏、また一緒に東北地方への
心の旅を共にして頂ければ嬉しく思います。
詳細は整い次第、お伝えさせて頂きますね。

OHANAの活動は昨年の4月からスタートしているのですが、
本当に様々な方とご縁頂き、お世話になってきました。
お世話になっている皆様も、それぞれの場所で活躍されています。
そのほんの一部をご紹介させて頂きますね。

①写真展「大槌 被災後の一年」
日時 : 3月13日(日)~18日 10:00~20:00
場所 : 京都市国際交流会館 KOKOKA
入場料 :無料
お馴染ぐるっと大槌の千田悦子さん(チーターさん)が、開催
されています。大槌町で被災された伊藤陽子さんが、
お兄さんを探しながら撮り続けた写真を展示しています。
明日18日が最終日です。お見逃しなく。

②マザーレイク・チャリティ・ファンラン&ウォーク
開催日 : 4月1日(日)
会場  : 滋賀県大津市 サンシャインビーチ周辺
詳細  : http://motherlake.sports.coocan.jp/index.htm
運動不足の解消にも、いかがでしょうか!?

昨年に続いて二回目の開催です。ハワイのアイアンマンワールドチャンピオン
シップにも出場され、トライアスロン仲間でもある、平山美佐子さん
(大津中央鍼灸院)が昨年から尽力されています。今年の収益の一部を
「OHANAにいかが?」とありがたくも言って頂いています。


③それでもなお、桜咲く 
震災直後から、福島を応援されているプレマ株式会社プレマ基金様の
主催です。

時 : 3月24日(土) 15時~18時15分
会場 : 京都商工会議所 3階講堂
会費 :1,000円
主催: プレマ株式会社 プレマ基金

プレマ基金は、震災直後から会津若松市入りするなど、独自に支援物資を
福島県にお届けされています。頭が下がる思いです。

以下、イベント告知のフェイスブックページより転載
3.11とそれに続く原発事故からはや1年。私たちがほんとうに失ったものは
「食の安全」だけだったのでしょうか。この出来事がいつのまにか「誰か知
らない人に起きた、遠くの不幸な出来事」になってしまってもよいので
しょうか。

親として、大人として「食の大切さ、ありがたさ」を子どもたちに残してい
くためには、現実から目をそらすことなく福島の現実に向き合うことが必要
です。大いに苦しみ悩み、学びと気づきを得ること。そしていよいよ京都か
ら、ひとりひとりが小さな、自覚的な行動を起こしていくときがきました。
それが時空を超えた無限のつながりに広がっていくことを信...じることから
まずは始めてみませんか。

「愛の反対は無関心」というマザーテレサの言葉の通り、私たちが「苦しん
でいる誰か」に「私も何かしたい」と感じるのなら、この愛が永久であるよ
うにと、ここ京都から1000年続く関心の光を被災地に届けましょう!

【シンポジウム内容】
MC:中川信男(プレマ株式会社 代表取締役)

~第1部~
■基調講演:川嶋 舟(東京農業大学農学部講師 獣医学博士)
「妻の実家に向かう列車で地震に遭遇、悲惨な光景と生きる強さを見た」

相馬中村神社の禰宜である妻の地元、福島県相馬市への帰省途中、3.11大震災
が起こる。
原発事故による緊急事態、燃料不足に加え危険を恐れて流通が止まり、
救援物資が被災地に十分に届いていない、
そんな状況のもと自らが率先して指揮を執り支援活動を行う。

■現地報告
・小野 芳征 (有限会社 カネヨ水産社長)
「港の警鐘、黒い津波、夢現で見ていたあの日、全部流された3.11」
津波ですべてを流され、現在は仮店舗で営業中。

震災前と同じように地域の人達と一緒に商売をしたいという思いはあるが、
原発問題が収まらない今、まずは自分たちでできる福島の水産業の復興・
再建を考え、 地域で共に行動していくことが大事と考えている。

・高橋 誠 (相馬市飯豊小学校校長)
「すべては子どもたちの安全、避難所からの手紙、故郷・飯舘村の想い」
3.11大震災の日、当時勤務していた相馬海浜自然の家で、押寄せてくる津波
の恐怖を体験。

飯豊小学校に赴任する前は、南相馬市の避難所で職員として避難者と寝食を
共にする。
自身も全員避難命令が出た飯舘村に住む被災者でもある。
現在は小学校の子どもたちの家族と共に除染活動を行ったり、
講演を行い福島の現状や復興の協力を呼びかけたりしている。


~第2部~
第1部講演者によるパネルディスカッション(司会進行役:中川信男)
■ゲストコメンテーター
飯田史彦(元・福島大学経済経営学類教授(東北大学大学院でも開講))
180万部のベストセラー『生きがいの創造』シリーズ著者、
カウンセラー&音楽療法家。今春3月に福島市から家族で京都に移住し、
三条御幸町に社会奉仕施設「光の学校」(無料でカウンセリングや音楽療法
を提供)を開設
(詳細はhttp://homepage2.nifty.com/fumi-rin/ を参照)。
被災地での奉仕活動の内容を、『生きがいの創造Ⅳ』(PHP)として昨秋に発表。
※他、各種企画検討中。


【開催内容】
・日時 2012年3月24日(土) 15:00~18:15(開場14:30)
・会場 京都商工会議所 3階講堂
地下鉄・烏丸線『丸太町』駅下車 南6番出口が当ビル地階に直結
・定員 300名
・費用 1,000円

・主催 「それでもなお、桜咲く。」実行委員会/プレマ株式会社 プレマ基金

・お申し込み方法
▼インターネットからのお申し込みはこちら▼
http://peatix.com/event/3391

▼FAXまたはメールからのお申し込みはこちら▼
下にあるお申込用紙(PDF)をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、
FAX(075-341-1617)またはメール(mail@premakikin.com
に添付してお申込ください。

※お申し込み用紙(PDF)はこちら
http://www.binchoutan.com/seminar/20120324/12-03symposium.pdf

▼お電話からのお申し込みはこちら▼
075-341-1616

※定員になり次第、締め切りますのでお早めにお申し込みくださいませ。


もうすぐ春ですね。
日々の幸せ感じながら、素敵な春をお過ごしください。
心から応援しております。

京都OHANAプロジェクト
森拓哉
コメント

明日に向けて(435)許せない!自民党片山誠治京都府議が子連れのお母さんに恫喝!

2012年03月23日 22時00分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120323 22:00)

京都では昨日、たくさんの方が府議会にかけつけ、受け入れ見直しを求めて
議員団室の訪問を行いましたが、このとき、自民党の片山誠治議員が、
子連れの女性に対して、「神聖な場所に子どもなんか連れてきて!」と恫喝、
さらに手で追い払う仕草をしました。許しがたいです。

ここには、子どものことを何ら考えていない、自民党の思想性が如実に現れて
います。懸命に子どもを守ろうとして、日中わざわざ申し入れをきた市民に
対して、「子どもなんか」と叫び、追い払う仕草をしたというのですから
本当に悪質です。追い払う仕草をしたのは片山議員だけではありません。他
の議員たちも同じ態度をとったとのことです。

しかもその女性は、避難されてきた方でした。その方が、僕のブログに次の
ように投稿しくれています。お読み下さい。

***

悲しくやしい(避難者)

昨日、京都府議会を傍聴、議会前には各党にお母さんたちで要望書を持参し
回りました。自民党の控え室では、南丹市の片山議員に、神聖な場所に子ど
もを連れてくるんじゃないと手で追い払う仕草をされました。他の議員も皆、
追い払う仕草をしました。私は、悲しく悔しく嗚咽してしまいました。
絆?ですか?被災地支援ですか?避難者の私は、母子ともに追い払われまし
たよ!東電支援、瓦礫受け入れ業者との絆なんでしょ、大切なのは!私は、
それを確信しました。そして、夜のNHKの報道。議会で可決された映像を流
した後、京都商工会議所会頭が記者会見し自治体にがれき受け入れを強く要
望していくとの記者会見の報道。被災地をばかにするな!自分たちの懐を
肥やすえさにするな!

引用はここまで

***


被災地をばかにするな!

その言葉が胸に響きます。
そもそもこの国にたくさんの原発を建てたのは自民党です。
金のバラマキで、現地の人間関係をズタズタにしながら、次々と
「過疎地」に原発を建ててきたのです。

そうした党に所属していることを何ら省みず、必死の思いで子どもを連れて
かけつけてきた女性を恫喝して、手で追い払おうとする。こういう人たちの
価値観こそが、今回の事故の背景にあることをしっかりとみすえておきま
しょう。

こうした府議の暴挙に対して、さっそくお母さんたちへの共感の声も
投稿されました。それを紹介します。

***

あきらめない(みき)

京都府議会でお母さんたちが受けた仕打ちはその日一番の酷い出来事として
ツイッターで拡散されています。
みんな応援しています。みんな見ています。みんな頑張っています。

ごみの焼却処分は市町村の単位で行われるので、正念場はこれからだと思い
ます。

京都市長選で残念な結果が出たのは、一つには京都が学生の街だということ
もあるかもしれません。
京都府外から来ている学生は、住民票が地元にあることが多いかと思います。
そうすると、京都では選挙権がありません。

今回の市長選は大学生にも大変関心が高かったようです。
うちの息子もその一人でしたが、残念ながら住民票はやはり地元岡山にあり
ました。

京都市長選の時、よっぽど息子の住民票を京都に移そうかと思いましたが…
そうすればよかった・・・

引用はここまで

***

あきらめない!
その通りです。

選挙権の問題は確かにそのとおりでしょうが、それでも京都ではたくさんの
若者が、脱原発の中村さんを支持してくれました。「がれきは絶対受け入れ
ない」と言っていた中村さんの落選がいまさらながら悔やまれもしますが、
しかし大事なのは若者の大きな支持があったということです。

がれきに関しても、世論が方向転換してるのではまったくありません。
政府の政策が変わり、自民党が上からの命令で現場の意見をかえさせている
のです。ことのとは、自民党のHPでのがれき受け入れ賛成・反対の読者投稿
が反対が完全に圧倒していることなどにも現れています。


以下、次の点が提起されています。
けしてここであきらめてしまわずに、がれき受け入れ反対、放射性物質の
移動反対の声を高めていきましょう!

*****

☆緊急全国署名 バラまかないで!震災がれき 燃やさないで!放射能ごみ
締切は今日23日です!
http://houshanou-shomei.seesaa.net/

★3/22京都新聞「がれき受け入れ、全会一致で決議」
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120322000138

★採択された意見書PDF
http://www.pref.kyoto.jp/gikai/pdf/joho/1202_ik_7.pdf

★受け入れ見直しを求めて議員団室を訪問した子連れママに
「神聖な場所に子どもなんか連れてきて!」と恫喝した
片山誠治府議(自民・南丹市船井郡)
http://www.pref.kyoto.jp/gikai/html/syokai/nantan-1.html

★受け入れを最終的に決めるのは市町村。
3月中に電話・メールアクションを!
4/6が環境省への回答期限!!

○京都市 施設整備課 075-212-8500
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000017307.html

○舞鶴市 生活環境課 0773-66-1005
http://www.city.maizuru.kyoto.jp/modules/mayorroom/index.php?content_id=3

○京丹波町 住民課 0771-82-3803
https://www.town.kyotamba.kyoto.jp/cmsform/enquete.php?id=1

★地元マスコミ重要!少しずつ理解者が増えています。

○京都新聞(京都市内シェア5割。京都の世論に大影響)
604-8577 中京区烏丸通り夷川上ル
京都新聞社 編集局「窓」係 御中 500字

○KBS京都 月~金6:30~10:00「ほっかほかラジオ」
(通勤時間に聞いている人多し。シニア層中心に熱烈ファンも)
https://www.kbs-kyoto.co.jp/mailform/radio/hokkahoka.htm


コメント (10)

明日に向けて(434)岩波ブックレット『内部被曝』出版に際してお話します。(3月27日)

2012年03月23日 20時30分00秒 | 岩波ブックレット『内部被曝』発売中です!
守田です。(20120323 20:30)

放射能から子どもたちを守る・京都・ママ・パパの会が、3月6日に上梓した
岩波ブックレット『内部被曝』の出版記念講演とパーティーを開いてくださ
ることになりました。残念ながらこの本の主役の矢ヶさんは遠方であるた
めお呼びできないとのことですが、僕にこうした機会を与えてくださること
はとてもありがたいです。

照れる気持ちもあって、「明日に向けて」への案内の掲載は見合わせようと
も思っていたのですが、がれきの問題の緊迫化の中で気持ちが変わりました。
今こそ、内部被曝の驚異をより広く、多くの人に知ってもらわなければなら
ず、そのためにこの日のお話も活用させていただこうと思います。そして
参加された方と一緒に、内部被曝の恐ろしい驚異と立ち向かっていく決意を
作り出せたらと思っています。


昨年の原発大災害以降の流れを概括してみたいと思います。当初、政府は
原発事故は大したことないと強調し、非常に限られた避難の指示しかだしま
せんでした。しかしこれを突き破って実に多くの方たちが自主避難しました。
そして避難した先々で、その地域の脱原発運動と出会い、各地でデモがおき
ました。

この大きなうねりに押される形で、定期点検に入った原発のほとんどが再稼
働できず、原発は次々に停まっていきました。そうして原発をすべてとめて
も実は電気が十分に足りていること、さらに言えば、努力すればもっともっ
と電気を節約することができるうえに、節電で暗くなった夜の町も悪くない
こと、いや夜は暗い方がいいという当たり前のことまでが見えてきました。

原発はあまりにも危険だ、そして原発がなくても十分に生活は成り立つ、そ
のことに国民・住民が目覚めてしまった。これは非常に大きなことです。も
ちろんそれでも福井の原発を再稼働させようとする動きがあるなど、けして
油断をしてはなりませんが、少なくとも原発が非常に危険なものであること
自身は、もはや否定しようのないものになったと言えます。


これに対し、膨大な放射能漏れを起こした東電と政府は、もうひとつの大嘘
作りにやっきになってきました。僕の指摘するところの「放射能は怖くない
キャンペーン」です。がれき問題の背後にもこれが大きく動いています。
「微量の放射能など問題ではない」「ガレキを燃やしても、99・5%は
フィルターで取れる(0・5%だったら大丈夫)」と、こうした理屈が繰り
出されているからです。

実際には「バグフィルターで99・5%は取れる」というのも、まったくの
嘘ですが、こうした政府のキャンペーンをいまだ可能にしている根拠こそ、
内部被曝の驚異が隠されてきたこと、さらに言えば、今なお隠されており、
多くの国民・住民がこれに気づいていないことに大きな根拠を持っていると
思います。

なぜ政府は、「放射能は怖くないキャンペーン」にやっきになってきている
るのでしょうか。そのために内部被曝の驚異を隠し続けているのでしょうか。
一つに、実体が明らかになれば、政府や東電の罪の深さが鮮明になり、刑事
罰を受けることが確実になるからです。第二に広範囲にわたる避難を政府が
音頭をとって進めなければならず、賠償問題と含めて、大変な予算がかかっ
てしまうからです。三つにこれらにより、原子力政策が実は金銭的なものを
含めて、膨大なリスクを背負っていることが明らかになることで、その命脈
が完全に断たれてしまうからです。

さらにこのことは、原子力政策の後ろに控えている核戦略が、人々の利益か
ら恐ろしくかけ離れており、人類を滅ぼしかねないものであることを前面に
押し出すことをも意味します。そのために核戦略を推進してきた大きな国際
勢力が、そろって、「放射能は怖くないキャンペーン」を後押ししています。
現在の「がれき受け入れ強制キャンペーン」も、こうした大きな世界的流れ
の中にあることをみておくことが大切です。


そして肝心なことですが、この「放射能は怖くないキャンペーン」は、脱原
発運動の中にまで入り込んできている問題でもあります。なぜなら内部被曝
を隠してきたのは、アメリカを中心とする核戦略推進勢力であり、その見解
が、国際放射線防護委員会(ICRP)の「勧告」としてまとめられてきている
わけですが、それが放射線学の教科書になってしまっているために、大学な
どで放射線の問題を習ってきた多くの人々が、知らず知らず、ICRP的な発想
の中に入り込んでしまっているからです。

そのため「微量な放射能」は危険ではないという原子力推進派が繰り返す宣
伝に今ひとつ太刀打ちできなくなっている。その間隙を付く形で、「がれき
を燃やしても微量な放射能しか出ないから大丈夫」というキャンペーンがお
しだされ、「安全なのに、どうして受け入れないのだ、東北を見殺しにする
のか」という主張が繰り返されている。

そしてICRPの考え方の枠組みで、「確かに、微量なら大丈夫だ」と考える人々
や「革新政党」の中から、「だったらがれきを受け入れてもいいのでは」と、
考えをかえさせられている現実があります。これらの人々は、ICRP的な、放射
能の驚異の過小評価の上に立っているために、「東北を見殺しにするのか」と
いうキャッチに負けてしまうのです。

本来、長年にわたって、東北を差別的に扱ってきたのが日本政府であり、産業
界であって、だから東京の電力のために福島に原発が建てられ、その原発が東
北電力の電気で動いているというどうともならない構造が作られてきたので
あって、そんなことをしてきたうえに、東北の人々を放射能漏れの恐怖の中に
引きずり込んだ政府にそんなことを言われる筋合いはないのですが、しかし、
「優しい」私たちの国の人々はこうした理屈にとても弱い。

であるとするならば、私たちがなさねばならないのは、内部被曝の危険性を
もっときちんと学び、そのメカニズムや、それが隠されてきた歴史を、周知徹
底し、この分野でも政府に騙されないための知識を積み上げ、核兵器や原発の
廃絶に向けた強い決意を作り出していくことにこそあると僕は思います。


岩波ブックレット『内部被曝』を上梓したのは、まさにそのためです。この
内容をできるだけ多くのみなさんに共有していただくことにこそ、僕は今後、
さらにさまざまな形でなされてくる可能性のある「被曝の強制」から身を守
り、その流れを押し返していく重要なキーになると確信しています。

3月27日の記念講演では、主にこうした観点を主軸しつつ、与えられた演題に
ついてのお話をしたいと思います。できるだけ質疑応答に時間をさき、みな
さんと一緒に考えを深められたらと思います。予約で25名までと少ないキャパ
ですが、どうかお近くの方、ご参加ください。この日を内部被曝の驚異から
子どもたちを、そして私たち自身を守っていく新たな出発点としたいと思い
ます。

企画の案内を貼り付けておきます。
『内部被曝』の購入先のリンクも示しておきます。

***************

皆様、こんにちわ。
いつもありがとうございます

ママパパ事務局です。

内部被曝の権威・矢ヶ崎先生と共著「内部被曝」を出版された
守田敏也さんをお招きし、気軽な講演会とランチパーティーを
企画しました。

ご講演は、出版秘話に始まり、
☆内部被曝と食の安全
☆4号機の危険性
☆今後の日本をどう生きるか
☆質疑応答時間、たっぷり

そのような講演内容になる予定です。是非お誘い併せの上、お越し下さい。

おいしくヘルシーなボリュームたっぷりのランチは
内部被曝にも配慮された厳選された素材を使用

完全菜食なメニューですが、本当に味がしっかりしていて、お肉が好きな方々も、
ご満足していただけるとにかく美味しいレストランです。
講演会とセットで、格安価格でお店をお借りします。
守田さんの講演会とランチがセットになった企画です。

*矢ケ崎先生は、遠方なのでお招きしておりません。*

守田さんのサイン会、なども、勝手に企画しちゃいます。


是非、みなさん、お誘いあわせの上、お越し下さい。
3日前までに要予約でお願い致します。
定員25名です。

日時:2012年3月27日(火)
お話会10:30~ パーティー12:00~
料金:¥1700 (パーティランチ ¥1200込みの特別料金です。)
場所:(京阪 藤森駅 徒歩5分)
VEGANS CAFE AND RESTAURANT
http://vegan.japanteam.net/special.htm  

京都市伏見区深草西浦町4丁目88
TEL: 643?3922(コチラはカフェの電話です。)

*問い合わせ・ご予約はメールでお願いします。(2日以内に返信が無い場合は、
恐れ入りますが、もう一度送信して下さい)

kodomokyoto@gmail.com
akikoiwasa@gmail.com


放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会
WEB: http://kodomo-kyoto.sakura.ne.jp/
MAIL: kodomokyoto@gmail.com

********

『内部被曝』購入先
岩波書店販売部 電話03‐5210‐4111
岩波書店ブックオーダー係 電話049‐287‐5721 FAX049‐287‐5742
岩波書店ホームページ http://www.iwanami.co.jp/hensyu/booklet/

またアマゾンの以下のページからも購入できます。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D&rh=n%3A465392%2Ck%3A%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D&ajr=0
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明日に向けて(433)がれき問題・京都は本日(22日)が正念場!

2012年03月22日 08時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120322 08:30)

がれき問題が緊迫しています。京都では自民党が本日(22日)に受け入れを
表明しようとしています。これに対する緊急の呼びかけが、がれき受け入れ
反対で精力的で動いてきた女性たちから発信されています。緊急・拡散の
要請があったので二つのメールを貼り付けておきます。

昨夜、大江健三郎さんによる「僕たちはそんなに騙しやすい国民でしょうか」
という胸のうちから搾り出したような思いを語ったインタビューを記事にして
載せました。そこにも書きましたが、がれき問題で言えることは、そんなに
何度も何度も政府に騙されていいのかということです。

メルトダウンをずっと黙っていた政府、膨大な放射能漏れも教えなかった政府、
スピーディーのデータすら公表せずにあたらたくさんの人々を被曝させた政府、
にもかかわらず誰一人責任を取らずに居直っている政府・・・が、「がれきを
全国で受け入れないと東北が復興できない」「がれきは燃やしてもまったく安
全だ」と言っているのです。

原発は絶対安全だ、事故等絶対におきない、地震や津波でも絶対に壊れない、
と言っていたのに、いざ大事故がおこると「想定外」の一言ですませ、しかも
何らの責任も取らない。だとすれば、がれきを燃やして膨大な放射能が出ても
「想定外」、そんなことに膨大な予算を費やしても、東北の復興にはつながら
なくとも「想定外」、それでまた誰も責任を取らないことは明白です。

もうそんなにやすやすと騙されてないけない!

ゴミは落としたものが拾うべき!
放射能は東電が回収すべき。
東電ができないなら政府がやるべき。

国土にこれ以上の被曝を広げないために、それぞれの持ち場で頑張りましょう!

**************

【緊急・拡散!】(がれき)ひきつづき抗議を!

明日の本会議に自民党は「がれき受け入れ決議案」を出すようです。
最後まであきらめず、抗議を続けましょう!

◆その1
 自民党・京都府議会議員団のみならず、他の会派にも「この決議案に反対
してください」と意見を伝えるのも有効な手かと思われます。

自民党・京都府議会議員団
TEL 075-414-5555
FAX 075-414-5563
 ※お電話はムリな方。メールでも送れるようです。
 http://jimin-kyotofukai.com/toiawase.html
 ↑
 サイト内の「ご意見ページ」
民主党・京都府議会議員団
 TEL 075-414-5570
 FAX 075-414-5573
共産党・京都府議会議員団
 TEL 075-414-5566
 FAX 075-431-2916
公明党・京都府議会議員団
 TEL 075-414-5577
 FAX 075-431-2873

◆その2
以下、「決議案を出す自民党」にかんしての新しい情報が入ったので、
お知らせします。どしどし拡散しましょう!

 ○「谷垣さん、それってどない?」
 自民党総裁・谷垣禎一(京都5区)のブログによると、
 3月14日に「全国の都道府県議会、市町村議会において我が党が
 主導して瓦礫受け入れを求める決議を採択するように、全国の
 都道府県連に要請しました」だそうです。
 http://tanigaki-s.net/diary/index.php
 
○「受け入れ表明の舞鶴市は…」
 受け入れに積極的な舞鶴市は、谷垣氏の選挙区です。
 http://tanigaki-s.net/area.php

 ○「京都よ、谷垣氏よ、自民党よ。こんなことでホンマにええの?」
 京都5区の方たち、そして京都市・関西一円から、
 谷垣氏にメールを送ってはどうでしょう。
 http://entry.tanigaki-s.net/contents/code/inquiry?re=1332313170

◆その3
府会傍聴に行きましょう!
本日、府会本会議(本日で閉会予定)のスケジュールがわかりました。
ぜひ、13時20分から1時40分(終わりは予測)の時間帯を傍聴しましょう。
がれき受け入れの決議が終わったら退出することで、受け入れ反対の
意思表示しませんか?

※本日22日本会議のスケジュール
1時15分…本会議開始。いくつかの報告、人事関係の議案・採択
1時20分~1時40分ごろ…18ほどの意見書・決議案が発表・採択
その後、予算関係の議案
以上 - 場所: 京都市
自民党 京都府議会議員団 問い合わせjimin-kyotofukai.com

*****

◆緊急・拡散!◆
がれき受け入れ意見書を出す自民党京都府議会議員団に抗議の電話を!

3/20付「京都新聞」にも掲載の
「がれき処理促進へ首相要請文 京都府『支援進めたい』」(見出し)の件。
がれき受け入れ促進のために、19日、環境省近畿地方環境事務所の
林課長が京都府、京都市、滋賀県を訪問し、野田首相の要請文を
手渡しました。

→京都府「府民の理解を得て支援を進めたい」
 京都市「専門家の意見を踏まえて検討したい」
 滋賀県(大津市)「国からも市町へ説明してほしい」
「京都府議会の自民党は、がれき受け入れを府に求める決議案を22日の
本会議に提案する方針を決めた」
と報道されています。

その「がれき受け入れを府に求める決議案」は明日公表されるようですが、
「かくかくしかじかの条件を付けたうえで、がれき受け入れを府に求める」
という内容になるのは間違いないようです。

みなさん。正念場です。
以下に、抗議の電話をしてください。
電話が苦手な方はFAXで。

政権党でなくなった自民党は起死回生をめざし、
「世論」を非常に気にしています。
府民のたくさんの声を届けましょう。

自民党京都府議会議員団
TEL 075-414-5555
FAX 075-414-5563


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明日に向けて(432)「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか」(大江健三郎さん談)

2012年03月21日 23時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120321 23:30)

ある方から、興味深いビデオの紹介がありました。「フクシマのうそ」
と題されたドイツで制作された番組です。「フクシマのうそ」が見事に
暴いてあります。菅首相の独白も含まれています。日本語字幕つきです。

「ドイツZDF フクシマのうそ」(29分間)
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news

見事なのですが、これがドイツで作られたことに何とも悲しいような
残念なような気がしました。なぜ私たちの国の内部でこれが作れないのか。
またがれきの問題を見ていても、あれほどウソばかりつく政府に、なぜ
また多くの人々が騙されようとしているのか。何とももどかしい気が
します。

そう考えているときに、大江健三郎さんが、ルモンド紙のインタビュー
の中で、「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか」と語って
いることを目にしました。大江さんはこう述べています。

***

私が最も絶望させられたのは、電力会社、政府の役人、政治家、メディア
関係者が結託して放射能の危険を隠すために行った「沈黙による陰謀」と
も呼ぶべき行為です。去年の3月11日以来、たくさんの嘘が明らかになり
ました。そしておそらくは、まだこれからも明らかになってゆくでしょう。
これらのエリートたちが真実を隠すため陰謀を巡らせていたことが明らか
になって、私は動揺しています。

ぼくたちは、そんなに騙しやすい国民なのでしょうか?

***

僕は、一度も動揺はしませんでしたが、しかし悔しい思いを何度も味わっ
てきました。少なくとも言えることは、もう本当に、こんなに騙されて
ばかりいてはいけないということです。「冷温停止」とか、大嘘をつい
ている政府に「ガレキをなんとかしないと東北は復興できない」などと
言われて、動揺してしまう。そこを変えていかなくてはいけない。

そもそも復興どころか、危険な原発を首都からずっと離して、福島に設置
したのが、この国の政府です。危険を知るからこそ、首都から離したもの
を、安全だ、安全だといいなし、深刻な事故を起こった時の構えを何も
してこなかったのが政府なのです。それを原子力村が支え、電力資本が
支え、巨額のマネーで嘘が固められてきたのです。

その政府が、東電がばらまいた放射性物質を、国民と住民の負担で片付け
させようとしている。それが今、起きていることです。あれだけの事故を
起こし、膨大な被害を出しながら、誰一人責任もとらなければ処罰もされ
ない。

「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか」

私たちはその反芻をわがものとしていかねばならないと思います。
今こそ、そんな「国民」であることから脱するために。

**************

「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか。」
パリ・ブックフェアー特別招待作家・大江健三郎へのインタビュー/
ルモンド紙(3月16日)

3月16日金曜日、今年で第32回目となるパリ恒例ブック・フェアー(本の
見本市)が開幕しました。明日19日までの4日間で、世界40カ国から20万
人の市民、2千人の作家、40の出版社が一堂に会します。フランスでの
日本文学や漫画への関心は高く、今年は『フクシマから一年』と題して
過去二回目の日本特集が組まれています。

福島原発事故の発生以来、精力的に原発廃止に向けた市民活動を盛り上げ
ている大江健三郎氏。他の19人の日本人作家とともにパリに特別招待され
たノーベル文学賞作家へのインタビューを、一部を抜粋して御紹介します。

「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか。」福島原発事故の発生
から1年。原発の廃止に向けてたたかうノーベル文学賞受賞作家、語る
フィリップ・ポンス特派員

日本の著名人たちが自分の考えを述べることをやめ口を閉ざす中、1994年
のノーベル文学賞受賞者である大江健三郎は、日本が1945年の敗戦翌日に
自ら宣言したヒューマニズムの価値を、ひるまず私たちに思い出させ続け
る稀な存在だ。こうしたヒューマニズムの中で最も重視されるのが、平和
主義である。大江健三郎は、原子力エネルギーの使用を含めた現代社会に
おける全ての問題において、良心の問題を最も重視している。福島原発で
起きた惨事は、大江氏が現在「サヨナラ原発」運動を盛り上げる傍ら書き
続ける小説の主要なテーマとなっている。

今回、2回にわたる面会とファックスによる作家からの手書きの追記に基づ
いて構成されたインタビューの中で、大江氏は2つの懸念を挙げている。
一つは2011年3月11日以来、彼の祖国である日本が感じている懸念、そして
「根本的なモラル」のために闘い続ける、人生のたそがれ時にある作家自
身が持つ懸念である。

●あなたは広島と長崎への原爆投下をきっかけに政治への意識を持つように
なりました。福島で起きた大惨事は、あなたにとって広島や長崎と同様に
重要ですか?

ある日、広島から来た新聞記者が私にこう尋ねたことがありました。
「広島への原爆投下の後に起きた人間の悲劇を、世界は記憶し続けるで
しょうか?」

彼の問いは、ずっと私の心に刻まれています。福島での事故が起きて最初に
思い浮かんだのが、原爆投下の後で亡くなった何万人もの人々の姿、そして
生き延びた被爆者たちの際限ない苦しみのことでした。日本を占領していた
アメリカ軍は原爆被害者たちの検査はしましたが、治療はしませんでした。
彼等はただ、核兵器の破壊的な威力を知りたかっただけなのです。私たちは
後に放射能被ばくの影響を、個々の民間団体が行った調査の結果から初めて
知りました。被ばく者に癌が生じていること、そして病気が時に遺伝する
性質のものであることを知ったのです。

福島での原発事故が起きた後、広島で被ばく者を治療した医師たちが、事故
で汚染された地域の住民たちを放射能の危険から守るべく先頭に立っています。
これから何年もの間、私たちは福島原発事故の後遺症に直面することになる
でしょう。現在に至るまで、核兵器の廃絶は私にとって重要な関心事でした。
でも(今の私は)原発を止めることが、一人の市民として、そして作家として
の自分にとって最も重要なことの一つだと考えています。


●今回の原発事故は自然災害によって引き起こされた面もありますが、それ
以上に備えが十分でなかったことが主な原因と考えられています。日本人は、
民主主義よりお金もうけを優先させる経済発展モデルの悪弊に気づくでしょうか?

今回の事故で明らかになったのは、日本社会の民主主義が脆弱なものであった
ということです。ぼくたちは問題に声を挙げることができるでしょうか。それ
とも、このまま黙ったままでいるのか。今から10年たてば、日本が「民主国家」
の名前にふさわしい国であったのかどうかが分かるでしょう。こんなに深く
日本の民主主義が未熟であったことを感じたことはありませんでした。今起き
ている危機は、福島原発事故についてだけのことではないのです。私が最も
絶望させられたのは、電力会社、政府の役人、政治家、メディア関係者が結託
して放射能の危険を隠すために行った「沈黙による陰謀」とも呼ぶべき行為です。
去年の3月11日以来、たくさんの嘘が明らかになりました。そしておそらくは、
まだこれからも明らかになってゆくでしょう。これらのエリートたちが真実を
隠すため陰謀を巡らせていたことが明らかになって、私は動揺しています。
ぼくたちは、そんなに騙しやすい国民なのでしょうか?

●日本人は世界で初めて被ばくを経験した国民です。それなのに、なぜこんな
にたやすく原子力エネルギーが安全だと言う言葉を信じたのでしょうか。

広島と長崎に原爆が落とされた時、僕は10歳でした。終戦の後、安心した気持に
なったのを覚えています。戦争が終わったからこれで学校に行ける、と。でも
年齢を重ねる過程で私は、日本が戦争を放棄する憲法を持っているにもかかわ
らず、沖縄をアメリカに渡してしまったことに気づきました。こうして(米軍の)
核兵器を沖縄に設置し、「原子力の平和利用」に向け突き進んで行ったのです。
私は当時、こうした流れを批判すべく、『広島ノート』と『沖縄ノート』を書
きました。1947年にできた憲法のもう一つの重要な柱である「民主主義」は、
福島での大惨事の発生によって明らかに揺らぎました。私は、市民社会が目を
覚まして代替エネルギーの開発を求め、地震学者たちの警告に耳を傾けるよう
求めることを望んでいます。

福島で事故が起きて以来、何事も良心に照らして考えなければならなくなりまし
た。原子力エネルギーを単なる経済生産性の観点からのみ評価することはでき
なくなったのです。原爆による被ばく者たち自身が、この原爆投下を道徳的な
観点から批判し、もう二度と誰も同じ苦しみを味わうことが無いように、と声
をあげて来ました。政治家たちは彼等の声を無視したのです。裏切りは、1956年
に「平和のための」原子力利用についての法律が成立したときに遡ります。あの
時、私たちは後に福島原発事故の元になる果実を木の枝からもぎとって自分の
ものにしたのです。


●ヒューマニズムが破壊されてゆく中で、文学はどのような役割を果たすので
しょうか。

私が(『群像』に執筆中の)『晩年のスタイル』の中でずっと心に留めている
ミラン・クンデラの言葉にこんなものがあります。

「小説家というものは皆、自分から行動を始める時、一番大切な物以外は全て
切り捨てなければなりません。自分自身と自分以外の人に対して、根本的な
モラルの重要性を強く説かなければなりません。」

日本人の作家としての私の役割は、原発をなくすためにたたかうことです。日本
の市民社会が(原発をなくすという)この「大仕事」を完成することに成功する
日、私の仕事にはやっと意味が与えられるのです。これは国民の意志が、おそら
く歴史上初めて勝利するということに他なりません。「大惨事」という言葉には、
私にとって二つの隠れた意味があります。一つは、今日日本が経験している
(原発事故による)大惨事。そしてもう一つは、人生の黄昏時にさしかかった全
ての作家が経験する大惨事(注)です。

(注)個人としてやがて来る死を目前にしながら、揺らぐ民主主義という「惨事」
の渦中にいる危機感をさしていると解釈できる。

(抜粋、一部編集)

(Philippe Pons, « Kenzaburô ôe, « Sommes-nous un peuple aussi facile à berner ? », Le Monde, 2012.03.17)
http://www.lemonde.fr/livres/article/2012/03/15/kenzaburo-oe-sommes-nous-un-peuple-aussi-facile-a-berner_1669357_3260.html

(copy from: http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/1316-4c14.html)  

***

ルモンドの記事を阿修羅さんのHPより引用させていただきました。
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/192.html
コメント

明日に向けて(431)南相馬マラソンを止めるために、Banshoさんらが会場入口でハンスト中!

2012年03月20日 23時30分00秒 | 明日に向けて(401)~(500)
守田です。(20120320 23:30)

一昨日、南相馬市の放射線管理区域に相当する地域で、小学生以上を対象とする
マラソンが行われようとしていることに対し、中止を求める記事を書きましたが、
その後のツイッター情報から、Banshoさんという方が、このあまりにひどい大会
を止めるために、昨日より会場入口でハンストをはじめたことを知りました。
3月19日17時08分に発信されている情報を転載します。写真も見れます。

***

【南相馬・管理区域で死の駅伝マラソン大会】開催阻止を願い今日から7日間の
ハンガーストライキを実施しています。早朝の薄いコーヒー以降、食を断ってい
ます。現場は会場となる鹿島カントリー倶楽部入口、本日午後の空間放射線量率
0.711μSv/h.
http://pic.twitter.com/WYafhpko

***

FACEBOOKでも繰り返し書き込みがなされていますので、紹介します。

***

3月18日12時23分
《情報支援要請》今月25日に開催が予定される「南相馬ふるさと​復興駅伝・マラ
ソン大会」の走行コース<鹿島カントリー倶楽部>​は全域で現行法の放射線管理
区域に相当する空間放射線量率です。​人権団体、法務団体に対し、保護者の意の
ままに参加させられる児​童の基本的な健康と人権を保護するための呼びかけを
お願いします​。

13時26分
拡散をお願いします。
《人間の鎖》【緊急拡散:子供達の命を守りたい!参加者求む!】​「南相馬駅伝
・マラソン大会」断固開催阻止!当日早朝7時より ​《 人 間 の 鎖 》 
による抗議活動を展開します。参加者求​む!数時間だけ力を貸して下さい。前日、
当日対策本部に宿泊可、​N95マスク・防護服も用意あります。

17時05分
明日より「南相馬復興駅伝・マラソン大会》の会場となる鹿島カントリー倶楽部
入口でハンガーストライキに入ります。 年齢的には少しきつくなりそうですが、
大会阻止に向け、今できることを実行します。 情報支援、よろしくお願いしま
す。合掌
http://www.facebook.com/profile.php?id=100003105572235&sk=wall

***

僕はBanshoさんのことをよく知りませんが、何はともあれ、子どもたちを守るた
めにハンストを開始されたことに、胸をうたれました。心から敬意を評します。
またこの行為が実りある結果につながることを願ってやみません。お近くのみな
さま、どうかこの行為をご援助ください。

この方は、「核-原子力事故救援NGO HCR[Heart Care Rescue]」も担われて
いるようです。FACEBOOKのページが以下から見れます。
http://www.facebook.com/pages/%E6%A0%B8-%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E6%95%85%E6%95%91%E6%8F%B4NGO-HCR-Heart-Care-Rescue-/292544657428998?sk=wall

ただハンストに入ってからの情報発信がありません。どうされているのか心配
です。何か知っている方があればお教えください。

なお南相馬市では、2月に高線量を出す「謎の黒い物質」も発見されています。
南相馬市の大山議員らが作る市民団体の発表では、この黒い物質から、1キロ
グラムあたり、なんと約108万ベクレルの放射性セシウムが検出されています。
これらは藍藻類に集まっているようで、温かくなったときの飛散が懸念されて
います。今は、花粉が飛んでいる時期でもあり、今、ここでマラソンを行う
ことはあまりにも危険です。これを伝えた「報道STATION」の報道内容も以下
に貼り付けておきます。

***

謎の黒い物質から高線量
2012年2月23日(木) 報道ステーション

福島第一原発から25キロ離れた南相馬市で、歩道にたまった黒い物質が異常
に高い放射線を出していることがわかった。南相馬市の原町地区などは、原発
の事故後、緊急時避難準備区域に指定されていたが、去年秋に指定が解除され、
徐々に住民が戻ってきていた。住民の帰還にあたり、学校や通学路を中心に
除染が行われてきた。この過程で、水に流されやすい放射性物質は、雨どいや
排水口などに集まることがわかった。しかし、今回、見つかった黒い物質は、
想定外だった。最初に異常に気がついたのは、南相馬市の大山市議ら市民団体
のメンバーだ。市民団体は19日に記者会見を行い、最大で1キログラムあた
り約108万ベクレルの高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。この
黒い物質について、東北大学の鈴木三男教授は「藍藻類が集まって黒く見える」
と話す。藍藻とは、藻の一種で光合成を行い、水分のあるところに発生する。
鈴木教授は「藍藻類は成長するにあたって、新しい物質を取り込んでいく。
光合成を行うカリウムの代わりにセシウムを取り込んでいくので、高い放射線
量が出ている」と話す。現在、空間線量は問題ないが、今後について専門家は
「(春になって)藍藻が乾燥し、放射性物質が飛散して、それを体内に取り込
むのが心配」と指摘する。
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=23392

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大会まで、まだ数日あります。中止を求める大きな声を上げましょう。
南相馬の子どもたちを内部被曝の危機から守りましょう!






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