明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1958)被曝影響の研究はアメリカ軍が主導、主眼は遺伝的影響だった-ICRPの考察5

2020年12月27日 14時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です。(20201227 14:00)

連載「国際放射線防護委員会(ICRP)の考察」の5回目をお送りします。なおこの記事は中川保雄著『放射線被曝の歴史』に多くを依っています。

加害者であるアメリカ軍が被害者である被爆者を「調査」

前回の最後に、結成直後のICRPが出した「1950年勧告」では「被曝を可能な最低レベルまで引き下げるあらゆる努力を払うべきである」と述べていたことをご紹介しました。
アメリカ放射線防護委員会=NCRPが提唱する、放射線被曝の「リスクを受忍せよ」という考えを受け入れなかったのですが、その理由にあるのは被曝による遺伝的影響への恐れであり、それが人々に広がることでした。
このため当時、核開発を独占的にリードしていたアメリカは、いかに人々の遺伝的影響への恐れをおさえていくのかに力を注いでいきました。この過程を少し見ていきましょう。

当時、アメリカが行っていた主要な研究は次の二つでした。一つは原爆投下後の広島・長崎で行った被爆者調査。もう一つはマンハッタン計画の下で放射線研究を担ってきたオークリッジ国立研究所での動物実験でした。
アメリカは日本占領直後に米軍に「日米合同調査団」を組織させ、広島・長崎に9月に入らせて調査をはじめました。
狙いは二つでした。一つは原爆の殺傷力を知り今後の核戦略の基礎データとすること。もう一つは原爆をアメリカ軍が受けたときに兵士たちがどれだけ生き残り、反撃できるかを調べること。

この初期調査を受けて、後に原爆傷害調査委員会(Atomic Bomb Casualty Commission、ABCC)が作られ、遺伝的影響を軸に、後障害といわれる急性障害後の影響や、一定の年月を得て現れる「晩発的影響」の調査を進めました。
ABCCの設置を命令したのはトルーマン大統領。彼は初期調査に参加したアメリカ陸海軍の軍医総監の意を受けて、1946年11月26日に全米科学アカデミー・学術会議に設置を指令。同組織が翌年1月に作られました。
いずれにせよ加害者が被害者を調べたもので、とても正当で公平な調査機関とは言えませんでした。なおABCC(のちの放射線影響研究所)を題材にした貴重な映像を見つけましたのでご紹介しておきます。

報道特集 知られざる放射線研究機関 ABCC/放影研
https://www.dailymotion.com/video/xsgr38


1950年に比治山に移されたABCCとこれへの怒りを語る中沢啓二さん 同番組から
なおABCCは1947年に広島赤十字病院内に設置され50年に比治山に完成した建物に移った


最初に被爆被害を調査したのは日本陸軍

このように被曝影響調査は、米軍のイニシアチブのもとに進められましたが、最初期に調査を行ったのは実は日本陸軍でした。
陸軍は原爆が落とされてすぐに被害調査を始め、それをただちに英語に翻訳。アメリカ占領軍が来るやいなや差し出したのでした。石井731部隊の犯罪をはじめ、あまたの戦争犯罪の訴追を免れたり、少しでも軽くするためでした。
原爆の殺傷能力を知りたかったアメリカ軍はこれを「革命的リポート」などと名付けています。この点については以下の番組の紹介記事をご覧下さい。

明日に向けて(1914)日本陸軍は原爆被害をすぐに調査しアメリカに差し出していた-(NHK「封印された原爆報告書」より―1)
https://onl.tw/sNxLUxN

明日に向けて(1915)アメリカは広島の子どもたちの死の記録からソヴィエト攻撃をシミュレートした―2
https://onl.tw/e33TWCp

明日に向けて(1919)国は「入市被爆」の記録を黙殺し被曝影響を否定し原爆の本当の恐ろしさを隠してきた―3
https://onl.tw/Xbinz69


遺伝的影響がもっとも着目されていた

それにしてもABCCが最も関心を寄せたのが遺伝的影響だったこと。より正確には遺伝的影響への人々の恐れを払拭するのがABCCの役割であったことは重要です。遺伝的影響をないものとすることで、核戦略を維持しようとしたのだからです。
ABCCは7万人の妊娠例を追跡調査し以下を調べました。(1)致死、突然変異による流産、(2)新生児死亡、(3)低体重児の増加、(4)異常や奇形の増加、(5)性比の増加(母親の被ばくでは男子数減少、父親の被ばくでは男子数が増加)。
調査は1948年から1953年にかけて行われましたが、(5)をのぞいては統計的に有意な事実は確認されず、その(5)も1954年から58年の再調査でやはり有意であるとは確認されませんでした。

しかし当のABCCの中でも、もともとこの調査では有意な値は出ないのではないかと疑問視されていました。理由は次の点にありました。
ABCCが追跡調査した妊娠例はおよそ7万例でしたが、遺伝的影響が現れると推測された100レントゲン(約1シーベルト)以上をあびたと推定される父親数は約1400人、母親数も約2500人で、大部分が低い線量の被爆例だったのです。
調査人口が少なく、しかもABCCが実際に追跡できたのは7万人の3分の1に過ぎませんでした。このため調査の結論は「遺伝的影響があるともないとも言えない」でしたが、ABCCは「遺伝的影響はなかった」と大々的に宣伝しました。

一方でオークリッジ国立研究所では、マウスを使った実験で高線量で遺伝的影響が現れることが確認されるとともに、自然状態での突然変異発生率の倍になる被曝線量=倍化線量が探られました。
得られた値は30~80レム(300~800ミリシーベルト)でした。このためアメリカの遺伝学者の多くは、80レム(800ミリシーベルト)を倍化線量の上限値と捉えるようになりました。
これらから人体における遺伝的影響は確認されないとされたものの、動物においては明確に倍化線量があることを踏まえた上で、公衆の被曝量限度をどの値に設定するのかということが論議されていくようになりました。



日本原子力研究開発機構(JAEA)が運営する原子力百科事典(ATOMICA)から。国連科学委員会は1000ミリシーベルト以上の被曝で遺伝的影響が現れるとしており、二世三世だけでなく「その後の世代に徐々に遺伝的障害が蓄積し、発現する」としている。

続く

#国際放射線防護委員会 #ICRP #原爆傷害調査委員会 #ABCC #封印された原爆報告書 #倍化線量 #被曝の遺伝的影響

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明日に向けて(1957)関西電力の原発ゼロ期間延長は構造的欠陥のため。再稼働をやめて廃炉にすべきだ!

2020年12月24日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2101)

守田です(20201224 23:30)

関電はなぜ稼働原発ゼロになっているのか

12月15日に関西電力が、定期点検中の高浜3号機の当初予定の22日再稼働を断念し、運転再開が1か月半以上遅れるとの見通しと発表しました。これで稼働原発ゼロ期間が延びます。
どうして関電は原発ゼロになったのか。関電は高浜3,4号、大飯3,4号が新規制基準に合格して稼働状態にありますが、高浜3号は8月2日に、4号は10月7日に特定重大事故等対処施設の期限を迎え運転できなくなりました。
大飯原発は同施設の期限が2022年ですが、11月3日に4号機が定期検査に入って停まり、代わりに動かすはずだった3号機で一次冷却材の配管の減肉がみつかり、稼働できなくなって原発ゼロになりました。

この間に、高浜3号機の特重施設が作られ12月11日に完成していますが、しかし3号機は定期点検中の2月18日に蒸気発生器での異常が公表され、以降、今日まで動かせていません。
その後、高浜4号機が特重施設の期限切れで止まったので点検を行ったところ、3号機と同じく蒸気発生器で異常が起こっていることが判明、来年1月下旬に予定していた再稼働が3月以降になると発表されています。
関電は高浜3号に代わって、定期点検中の大飯4号機の運転を1月17日から再開させ、原発ゼロ状態を脱するとしています。しかし大飯原発は12月4日に大阪地裁で設置許可取り消し判決を受けたばかり。問題ありありです。



蒸気発生器での異常が深刻、しかも原因を特定できぬまま動かそうとしている

深刻なのは関電が動かしている4基のうち3基で配管の異常が起きていることです。このうち高浜3号機と4号機は蒸気発生器で配管の損傷が起きている。配管に外側から何かがあたって傷がついている。
しかも原因がつかめていないのです。何らかの異物があたって配管がえぐれているのですが、その異物が特定できていない。3号機は発見が発表された2月から10月まで見つからず、10月14日に異物を特定できずに「対策」をたてました。
原因が特定できないままの対策などおかしいですが、これを規制委員会が了承。

ところが10月7日に停まった4号機を点検していたら、やはり蒸気発生器の配管に同じようなえぐれが見つかりました。これまた異物があたったと推測されていますが、これもまだ原因が特定できていない。
もし原因解明が進んで、何らかの対策が行われることになると、同じような異常が起こっている3号機にも適用しなければならないため、この22日に予定されていた再稼働が断念されたというわけです。
実は同じような配管損傷は、2018年9月に高浜3号機で、2019年10月に4号機でも起こっていて、その後、今年2月3号機、11月4号機と、4回も繰り返されているのです。構造的欠陥です。


福井新聞より


構造的欠陥を抱えた原発の再稼働をやめ、廃炉にすべきだ!

そもそも蒸気発生器は高浜・大飯原発など、加圧水型原子炉を使っている原発のアキレス腱と呼ばれる装置です。
この配管が破断すると、冷却材が一気に抜けてしまうので、原子炉は急速にメルトダウンに向かってしまいます。実際に1991年に美浜原発2号機で配管破断が起こり、メルおダウン寸前で事故がとまりました。
その後、電力会社は蒸気発生器そのものを交換することも含めて、この装置の異常と格闘を続けてきましたが、いまだに原因不明の異常が繰り返されています。蒸気発生器は未完で、構造的欠陥を克服できていないのです。

もちろん蒸気発生器だけが問題なのではありません。加圧水型原子炉では一次冷却水を加圧して150気圧以上にし、300度を越える熱湯をまわしているために、一次冷却材の配管でもたびたび異常が発生しています。
今回はその加圧器へと向かう配管の溶接部に大きな傷ができていました。こうした損傷が続くのも加圧水型原子炉の構造的欠陥です。
直しても直しても繰り返し核心部分で損傷事故が発生している高浜・大飯原発は危険極まりない。再稼働をやめて廃炉にすべきです。


関電による故障事故の説明図

#高浜原発 #大飯原発 #関電稼働原発ゼロ #蒸気発生器 #再稼働反対 #原発廃炉 #関西電力

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明日に向けて(1956)川内原発2号機の再稼働に強く抗議します!

2020年12月23日 20時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201223 20:30)

特定重大事故等対処施設を10年近く作らなかった九電

昨日22日午後7時半ごろ、川内原発2号機が再稼働されました。明日24日には発電と送電を再開するとされています。
この原子炉は本年5月20日に特定重大事故等対処施設が間に合わずに、運転を続けることができなくなりました。
今回、同施設が完成したとして再稼働したわけですが、幾つも問題が積み重なっています。

一つにそもそも特定事故等対処施設は、2013年に定められた新規制基準で求められた施設でありながら、今日まで完成させてことなかったことの理不尽さです。これでどうして安全重視と言えるのか。
九電は当初から5年もの余裕を与えられたのに完成できず、さらに2年の延長を得ても完成させず、5月に止められてしまい、ようやくこの11月になって完成させたというのですが、これまで福島原発事故から9年9か月経っています。
これほどこの施設の完成が遅れたことに、九州電力がいかに安全性を軽視しているかが見てとれますし、規制委員会もあまりに対応が甘い。とてもではないけれど再稼働が認められるわけがありません。


川内原発前で再稼働に抗議 日テレ NEWS24 2020年12月22日


免震重要棟を反故にして再稼働

さらに当初予定されていた免震重要棟が作られなかったことも問題です。地震で倒れない強度を持つ耐震性に加え、地震の揺れを吸収する免震性をもち、内部の設備も守れるし、事故対処の指揮を執ることも可能にする施設です。
九電は新規制基準に申請するときは、この施設を作ると明記していたものの合格後に撤回。免震性のない「緊急時対策所」に変えてしまいました。
規制委員会はこれへの批判を口にしはしたものの許可を撤回せず、結局、同原発は免震構造を持つ指揮所がないままに、「特重施設」完成とされてしまいました。ひどいはなしです。

さらにそもそも新規制基準が求めた重大事故等対処施設も、それに上乗せした特定重大事故等対処施設も、「重大事故」が起こることを前提にしています。格納容器から放射性物質が漏れてくる「想定外」の事故です。
実はこの点でこのプラントは原発は破綻しているのです。格納容器はいざというときに放射性物質を閉じ込める装置。しかしそれがどうしても完成できないから、いざというときに放射性物質が出てきてしまうのです。
その点で新規制基準は、原発が安全を確保できないことを認め、だから重大事故が起きたときに対処せよとうたっているのであって、その時点でアウトなのです。繰り返しますが、重大事故発生を前提としているからこそ認められないのです。


報道ステーション(2015年12月18日より)


そもそも火砕流対策で九電と規制委が大嘘をついている

さらにもっとも根本的な問題として、川内原発が大きな噴火を起こしうる火山に囲まれていて、3万年前には火砕流にも襲われているものの、大噴火を予測てきると大嘘をついて再稼働に漕ぎ着けている点があります。
火砕流が原発に到来することを考えた場合、核燃料を降ろし、安全なところに移しておかいと、噴火後広範な地域が人が立ち入れなくなってしまいます。
しかし降ろすには冷却を考えると5年以上はかかってしまう。運転中の核燃料は、崩壊熱というとても高い熱を持っており、運転停止後も5年はプールの中に入れて冷やさなければ、運び出すことなどできないからです。

これに対して九州電力は、「マグマの様子などを監視をすれば、巨大噴火は予測可能」と大嘘をついたのです。しかも燃料プールでの十分な冷却を可能とする10年という単位です。規制委員会はこの大嘘を認めてしまいました。
実際にはそんなことはできないのです。実際にこの発表の直後後に、火山学者からの批判が相次ぎました。火山噴火予知連絡会会長(当時)の藤井敏嗣さんは、冬季用新聞のインタビューに応えてこう語っています。
「巨大噴火は過去にわずかな例しかなく、噴火時期の予測に必要なデータも技術もない。事前の予知も今のレベルでは、通常の火山ですら、せいぜい数時間から数日前までしかできない」

「規制委判断は科学的根拠に基づいていない」 川内新基準適合 噴火予知連会長が批判
東京新聞 2014年09月11日
https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/419 


専門家と九電・規制委員会の見解を開きする東京新聞の解説図


●  九州電力はただちに川内原発、玄海原発を停止せよ

これらから考えたときに、国内で九州電力のみが稼働を強行している川内原発1号機、2号機、そして同じく阿蘇山などをそばに抱える玄海原発3号機、4号機も動かしておいてはいけないことは明らかです。
その原発も特定重大事故等対処施設を何年もまもとに作らず、やっと作っても免震重要棟を反故にしてしまい、さらに「大噴火は10年以上前から分かる」と大嘘をついている九州電力が動かしているのであって、危険そのものです。
再稼働に抗議して、原発ゲート前で抗議行動をしてくださった鹿児島や九州の皆さんとも連帯し、川内・玄海を停止せよ!の声を挙げ続けましょう。


再稼働抗議行動に立つストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会 向原祥隆さん

#川内原発 #特定重大事故等対処施設 #再稼働反対 #火砕流 #噴火の予知は不可能 #火山噴火予知連絡会

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明日に向けて(1955)『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』、どんどん使ってさい。20日(日)夜もzoomで読む会を行います

2020年12月19日 15時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(1219 15:30)

北海道富良野で読む会を実施

「すっきり読み解きBOOK」を読む会、12月14日午前中に富良野のみなさんを中心に行いました。「ふらのチャリティーウォーク」のみなさんの主催。
「ふらチャリ放射能を学ぶシリーズ1『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会@富良野」として行われました。北海道東川と富良野と僕をZOOMでつないで行いました。
「僕を」と書いたのは僕は京都にはいなかったから。この日は前夜から国内唯一のウラン鉱山のあった人形峠の取材で岡山県奥津町に入っており、その宿からアクセスしたからです。

この読み会、いつものようにみなさんに読んでもらったのですが、福島弁と北海道弁で読んでもらえました。すんごく楽しかった(笑)
ただところどころ福島弁と北海道弁が僕にはシンクロしてきこえ、判別できないところも。
もともと会津藩士をはじめ東北の方々が北海道開拓にたくさんたくさん関わった影響でもあるのですね。

なんだか福島が、北海道が、「被曝なんがさせてはダメだべ・・・(あ、イメージです)」と連呼しているようで、楽しいのだけれど、心に深く染み入ってくる読み会になりました。
そうした言葉をしっかりと受け止めて、午後からの人形峠の視察・取材に赴きました。
富良野のみなさん、参加者のみなさん、どうもありがとうございました。次は北海道でぜひ!



ふらのチャリティウォーク - 投稿 | Facebook


次回は明日20日(日)です!

すでにお知らせしているように、次回は20日(日)、英国時間午前10時、日本時間午後7時からです。
主催 原発を考える在英日本人有志+守田 
参加費:無料(カンパ大歓迎。読書会終了後、カンパの方法をお伝えします)

ZOOMを使いますが、事前登録が必要です。以下からご登録ください。
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZMldOmsqzstGt1B6NMradapUOa0YUZET-XX

登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。
問い合わせ:加藤ウォーバーグ啓子
londonjpdialog@gmail.com

BOOKは以下のページから無料ダウンロードできます!
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

Facebookページもご紹介しておきます。
https://fb.me/e/1OtZHbjzc

この枠組みでの読み会は3回目なので、今回、BOOKの最終ページまで読み解きます。
これまで各地での読み会でおもに前半部を一緒に読み込んだ方にもご参加いただきたいです。



人形峠のことも少し話します

今回は新しいトピックとして人形峠のことも少しお話します。
ここは1955年にウラン鉱山が発見され、採掘がされ、実はウラン濃縮の試験的試みなども行われていたところ。
そこにウラン残土など膨大な核のゴミが溜まっています。

実はこれが運びだされようとしている。どこにかというとユタ州のホワイトメサにです。
先住民の地であるここに全米で唯一稼働しているウラン精錬所があり、そこに持ち込まれようとしているのです。
とはいっても核廃棄物の国際輸送は禁止です。それで「資源」の名目で運ばれようとしている。ウラン残土の中にわずかに残ったウランを取り出すと言うのです。

しかし目的は残りの残土をホワイトメサに捨ててしまうこと。
ひどい話ですが、今後、さまざまな形での核廃棄物の処分が進められていきます。というか進めざるをえない状態です。
僕は「放射線副読本」が狙っているのは、こうした核のゴミの処理を容易にするために、人々の放射線被曝を恐れる意識をぬぐいさろうとすることにもあると思います。

こうした点も踏まえて、被曝の危険性を限りなく見えにくくする騙しのテクニックをみんなでしっかりと知り、けして騙されることのない知恵を身につけたいです。
どうか読み会にご参加ください。


人形峠の展示館にあった「りんかいウラン」・・・きれいに光っていたが2.7μ㏜/hあった

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #被曝防護 #人形峠

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明日に向けて(1954)東京経済界トップが柏崎刈羽原発の再稼働に「強い期待感」を示すーあまりに無責任

2020年12月18日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(1218 23:30)

経済界トップが原発を視察-強い憤りを感じました!

コロナ禍にありながら、止まっている原発を動かそうと経済界が無責任きわまりない動きを示しています。
12月14日に東京商工会議所の三村明夫会頭はじめ13名他が、柏崎刈羽原発を視察しました。
東電が来年4月にも7号機を再稼働しようとしているのを受けてのことで、「これだったら安心だな」などと述べ、再稼働へ強い期待感を口にしたそうです。

強い憤りを感じました。何よりこの方たちは、この国の民衆を守る気がまったくない。
いや産業界だって守る気がない。当然にも持つべき倫理観を喪失しています。
そもそも東日本が壊滅しかけた福島第一原発の事故から何も学び取ろうとしていない。


東京経済界のトップが柏崎刈羽原発を視察 再稼働に“強い期待感”示す 新潟ニュースNST 20201214
https://youtu.be/zGnCFokAyYg


経済界はモラルが崩壊している

最近、こうした産業界のモラル崩壊が極度に進んでいるのではないでしょうか。
端的に自分たちが生きている間だけ、法外な儲けを手にできればいいとしか考えていない。子々孫々のことなど考えていないのです。
それで長い将来を見通した時に、利益などほとんどなく、不利益や危険性ばかりを未来世代に押し付けることを平気で続けている。

福島第一原発が、いまだに線量が高すぎて炉内に入ることすらできず、事故原因の確かな分析もできていないのに、再稼働を求めていることもそうです。
そもそも三村会頭は「我々のスタンスは昔から柏崎刈羽を含めた原子力発電は日本経済にとって絶対に必要だと固い信念」などと述べています。
今回も視察をして安全と感じたからではなくて、もともと「昔から絶対に必要だと固い信念」を持っているので「これだったら安心だな」などと述べたにすぎないのは明白です。


三村明夫会頭の発言はモラルを欠いている


柏崎刈羽原発は巨大地震に襲われた過去を持っている

この原発がとくに危険なのは、巨大地震がたびたび起こる「ひずみ集中帯」の上に位置していることです。
実際に2007年7月16日に起きた新潟中越沖地震(M6.8  最大震度6強)の直撃を受け、3号機変圧器が黒煙を上げて燃えたことをはじめ、さまざまな被害が出ました。
重要なのは設計時の想定を大きく上回る加速度が各所で計測されたことです。

具体的には3号機タービン建屋1階で2058ガル(想定834ガル)、地下3階で581ガル(想定239ガル)、3号機原子炉建屋基礎で384ガル(想定193ガル)です。
このためこの時、東電は会田洋・柏崎市長より、消防法に基づく緊急使用停止命令を受けて運転を止めました。
この後、各炉は長い間、再稼働できませんでした。7号機がやっと動いたのは2年5か月後の2009年12月28日、1号機が2010年8月4日、5号機が2011年2月18日。ダメージの深さが現れています。

2007年の中越沖地震で3号機変圧器から黒煙が 朝日新聞より


● 免震重要棟が耐震性が不足して使えない??

このような地震の巣の上にある原発を絶対に動かしてはなりませんが、それでも同原発を稼働させたい東電は、中越沖地震の教訓から作った「免震重要棟」を緊急時の指揮所に使うとしてきました。
ところが2014年ごろにこの免震重要棟が震度7の地震に耐えられないことが発覚、これを黙り続けていたものの隠しきれなくて2017年2月に、重大事故時の免震重要棟の使用の断念を公表しました。
これに変わるものとして5号機建屋内設置された、もっと手狭な「緊急時対策所」が使用されることになりましたが、この建物は免震構造ではありません。

耐震構造だけでは、地震に建物は耐えられるけど、中は揺れてしまい、構造物が壊れたり、そこで指揮をとることができなくなってしまうもの。そもそも東電は「福島原子力事故調査報告書」(2012年6月20日)でこう述べているのです。
「免震重要棟は、緊急時対応のために設置した免震構造の施設で、震度7クラスに耐える設計としており、通信設備、TV会議システム、自家発電設備や高性能のHEPAフィルタ付きの換気装置などを装備し現地事故対応の拠点となったが、仮に本施設がなければ福島第一原子力発電所の対応は、継続不可能であった。」・・・それがないままに柏崎刈羽原発を再稼働するという。まったくもって酷い話です。

なおこれらについては、「柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟」の「原告準備書面(53)緊急時対策所の欠陥と被告の主張の信用性」に詳しいです。ご参照ください。
http://www.shomin-law.com/katudoukashiwazakikariwasashitomejunbishomen53.html


免震重要棟が使えないことを報じるANNニュース2017年2月 規制委員会田中委員長(当時)は東電は非常に重症と述べたが・・・


柏崎刈羽原発を動かしてはならない

このように柏崎刈羽原発は地震の巣の上にありながら、免震重要棟ももたずに再稼働されようとしています。
またこの他にも、免震重要棟の代替施設となった5号機建屋内緊急対策所が、そもそも6,7号機の中央制御室から200メートルしか離れておらず、重大事故時の放射線防護の点などでもまったく耐久性を欠いていること。
あるいは基準地震動の設定も極めて甘く、ひずみ集中帯で頻発している地震に十分に絶えられる耐震性があるとはとても言えないことなどもあげられます。

さらにそもそもこの原発はとても長く停止しており、その点でも再稼働に大きなリスクを抱えています。
それやこれや安全性の面で、問題山積の原発です。それを「これだったら安全だな」などと言う三村東京商工会議所会頭は、経済人として持つべきモラルを著しく欠いているといわざるを得ません。
「地震の巣の上にあり、免震重要棟も持たない柏崎刈羽を動かすな」の声を強めましょう!


原子力規制を監視する市民の会のブログから

#柏崎刈羽原発 #東京商工会議所 #免震重要棟 #緊急時対策所 #新潟中越沖地震

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明日に向けて(1953)原発を考える在英日本人有志+守田主催のBOOK読み会3回目を20日に行います 『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』読む会のお知らせ

2020年12月16日 14時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(1216 14:00)

「すっきり読み解きBOOK」を読む会 原発を考える在英日本人+守田主催3回目を行います

各地でさまざまな形で行っている「すっきり読み解きBOOK」を読む会、次は20日日曜日にzoomで行います。
原発を考える在英日本人有志+守田主催で行ってきた会の3回目です。
このBOOK、読み会1回では最後まで行けません。2回でも全部は無理。なので3回目となる今回の読み会は、はじめて最後までの読み解きが行えます。

そのため各地で読み会に参加していただいた方に、ぜひ今回も参加していただきたいです。
17ページの「食べものの安全性」のところから始めます。
ここは多くの人の関心の高いところなのですが、後ろの方のぺーじなのでなかなかそこまで進めなかったところ。

食べものの問題、放射性物質により私たちの命の源がいかに汚染されてしまっているのか。
またそれならどうしたら良いのかのお話もしたいです。
この点はBOOKの内容を少し越えるつもりです!


1回目2回目の様子から


20日は英国時間午前10時から、日本時間午後7時から行います!

12月20日の読み会に参加してみようと思われた方に詳細をご説明します!

主催 原発を考える在英日本人有志+守田 
参加費:無料(カンパ大歓迎。読書会終了後、カンパの方法をお伝えします)

日時:2020年12月20日日曜日10:00AM 英国時間 19:00PM 日本時間

ZOOMを使いますが、事前登録が必要です。以下からご登録ください。https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZMldOmsqzstGt1B6NMradapUOa0YUZET-XX

登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。
問い合わせ:加藤ウォーバーグ啓子
londonjpdialog@gmail.com

BOOKは以下のページから無料ダウンロードできます!https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

Facebookページもご紹介しておきます。
https://fb.me/e/1OtZHbjzc

みなさま。ぜひ世界のあちこちからも、日本からもアクセスしてきてください!
どしどしつながって、命を守る温かい輪を広げていきましょう! 


今回はこのページから

#放射線副読本すっきり読み解きBOOK #文科省 #放射線防護 #核兵器反対 #原発反対

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明日に向けて(1952)にょきにょきプロジェクト、動画やオンラインサロンなど充実化をはかっています!ぜひご参加とご協力を

2020年12月13日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201213 11:00)

にょきにょきプロジェクトの活動のご紹介の続きです。

動画作成を広げ、クラウドファンディングコースを充実化していきます

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を作った「にょきにょきプロジェクト」、さらに活動を加速させています。
新たに取り組んでいるのが、解説動画の連続作成。その一つが「半減期動画」。放射性物質の「半減期」という性質を使い、危険なものを安全なものに見せるテクニックを解き明かしたもの。
リアル読み会で、多くの方が「目からうろこが落ちた」との感想を語られたので、BOOKのこの部分の関連個所を集中的に読み解きました。どんなものなのか、さわりだけご紹介した動画を作りましたのでご覧下さい。

にょきぷろ読む会半減期パート1~4
https://youtu.be/uQE1lu9_ygI
https://youtu.be/XXHEriEBm-M

これを4本1000円で販売しています。ぜひお求めください。nyoki2pj@gmail.comで受け付けています。
ただしすでに3000円以上の有料コースに入られている方は、そのままで無料で受け取れます。

ただこうした活動に関してみなさんに一つお詫びをしなければなりません。
リリースを開始して6月にいったんホームページリニューアルを容量増加の必要性などから行い、7月に再会するお約束をしたのに、諸般の事情から大幅に遅れてしまったことです。
これと相まって動画配信も滞ってしまいました。本当にごめんなさいです。幸いにもネックになった課題をクリアできたので、今後、動画配信、オンラインサロンなどさらにパワーアップしていきます。

なお当初、これらのコースをクラウドファンディングではなく「ご寄付」としました。そうすると支持者への寄付行為が公職選挙法で禁じられている議員さんが応じることができないことが分かりました。
クラウドファンディングの場合も、何も見返りがない場合は「寄付行為」となるそうですが、今回のように「動画配信」のお約束が成立し、その対価としてもクラウドファンディングしていただける場合は「寄付」には当たらないです。ご安心ください。


ぜひBOOKの拡散にご協力を!クラウドファンディングからBOOKの豊富化へのご参加を!

みなさん。ぜひぜひBOOKをダウンロードするとともに、お知り合いの方にお勧めください。ダウンロードは無料ですので、気軽にお勧めいただけると思います。
さらにクラウドファンディングコースにご参加ください。被曝の危険性から命を守る活動をお支えいただくと同時に、市民が、自らの力で対話しながらみんなで学んでいき、新しい何かを生み出す一つのモデルケールにもできればと思っています。
そのために動画解説を増やしますし、オンラインサロンも充実化させます。ぜひぜひ、ここにお集まりください。

どちらも以下から行えます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

なお次回のオンラインサロンは12月27日日曜日の午後7時から。zoomにて行います。12月4日に大飯原発3号機4号機の設置許可の取り消しという画期的な判決が出たのでそれを扱います。
その際、2014年に大飯原発運転差止判決を出し、こうした司法判断の流れを作りだされた元福井地裁裁判長樋口英明さんから、守田が直接に教わったコアなお話もご披露します!!

これに関連して新たに「にょきニュース」という動画配信も始めました。オンラインサロンでお話しすることのさわりです。
https://youtu.be/N-atB--St3Y
https://youtu.be/Yx06-Lwi4xw


ぜひこの機会にクラファンコースにご参加下さい。
みんなの力で被曝から命を守る豊かな草の根活動を作っていきましょう!

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #にょきにょきプロジェクト #半減期動画

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明日に向けて(1951)『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を拡げることにご協力を!クラウドファンディングにも力を貸してください。

2020年12月12日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201212 23:30)

人をもやもやさせる『放射線副読本』のテクニックをすっきり読み解き!

すでに何度も扱ってきたことですが、今回、あらためて『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』をご紹介したいと思います。


まず最初にBOOKの入手先をお知らせしておきます。以下のHPから無料でダウンロードできます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

これは文部科学省が出版し全国の小中学校に配布した『放射線副読本』を読み解いたBOOKです。
なぜ「すっきり」という言葉を入れたのかというと、もともとの副読本を読むととてもモヤモヤするからです。

このモヤモヤ感は、「にょきにょきプロジェクト」に参加している小学生のお子さんをお持ちのお母さんたちが、BOOKを読んだときに実際に感じたことです。
「なんかおかしい、モヤモヤする、イラッとする」ということで批判したいのだけれど、字面を追ってもそう間違っているとも思えず、よりモヤモヤする。
もちろんぜんぜん共感できないし、いや~な気持ちも残る。それでこのもやもやの正体を解き明かそうと、始めた学習が「すっきり読み解きBOOK」の出発点になったのでした。

それが進む中で僕、守田を呼んでいただき、学習会を行ったのですが、僕は「この副読本には一番大切なこと、被曝の危険性が書かれていない。それがモヤモヤの正体」と語りました。
実はこれは核兵器など原子力を推進する人々がしばしば使うテクニック。一見すると間違ったことは言ってないけれど、大事なことをスル―して真実をごまかしている。
それで一ページずつ「書かれていないものは何か」を読み解いていきました。それでどんどん「すっきり」したので、みなさんにも開示しようとBOOK作成プロジェクトが始まりました。


いかに分かりやすくするのか、対話の可能性を広げるのか

読み解きBOOK作製は『放射線副読本』が全国に配られてしまったことを逆手にとる発想でもあります。
実際には学校で先生が配るのをやめにしたり、滋賀県野洲市など、教育委員会が回収して下さるなどの例もありました。素晴らしいです。
でも配られてしまったところも多い。それならこの副読本を共通の教材にしてしまおうと考えたのです。

そのために放射線被曝に関心のない方、また素朴に文部科学省を信頼している方とも一緒に読み解きができるように工夫しようということになりました。
それで文科省のページを左におき、右のページで3人の女性が対話で読み解き、最後に「まとめ」を加えましたが、これがなかなあ難しかった!とくに僕にとって難しかった。
僕の場合、被曝の危険性をすでにある程度分かっている方により詳しく語りかけることが多かったからです。その点、にょきぷろの仲間たちに繰り返しポンスカ批判されました。でもなんかとても楽しかった。違う視点、発想が見えたからです。

ただそうやって進歩し続けたのは僕だけではなくて、三人三様に視点の大きな広がりがありました。それで最後までいって最初のページに戻ったら、なんだかずいぶん配慮の足りない対話になっているように思え、やり直しが始まりました。
それで2回、全文を読み解いて最初に戻ったら、さらに足りないところが見えてしまった。それやこれやでほぼ1年間かけて3回、全文を練り直して現行版にいたりました。
ただこれで完成なのかというとそうではありません。分かりやすさを優先して1ページに1ページで対応したこともあって、語り尽くせてないことが多いし、もっと深められるところがある。


無料ダウンロードとクラウドファンディング方式を選んだ理由

それでBOOKが完成するや、公開方法をずいぶん考えて、ネットから無料ダウンロードできるようにしました。「放射線副読本」が全国にばら撒かれたので、できるだけBOOKを拡げたいと思ったからです。
しかし制作には大変な労力がかかったのでやはり費用を回収したい。それでダウンロードを無料にする一方、クラウドファンディング3000円コース、7000円コースを作りました。
ただしこのコースを作ったのは、製作費の回収のためだけでなく、BOOKをダウンロードしてもらうだけで終わらず、新たな対話の可能性を切り開きたいとも思ったからです。

このBOOKは完成したものではありません。もっとたくさんの知恵を重ねたい。またそのことをみなさんと一緒に進めたい。
それでBOOKを読まれた感想、ご注文などを集め、動画集でお応えしながらBOOKを補強しようと考えたのです。この制作費も含めてクラウドファンディングを設定しています。
3000円コースの方には動画を無料配信しています。7000円コースの方には動画に加えて、月1回程度のオンラインサロンにご参加していただき、会話でも理解を深められるようにしています。

さらに「議員さん応援10000円」コースも作りました。放射線防護のために議会などで質問に立つときなどのご相談など、議員活動をがっつり支えるコースで、すでにこれも始動しています。
それで今回、ぜひみなさんにこうしたクラウドファンディングコースへのご参加を訴えたいです。

なおこれらは以下から入れます。
https://nyoki2pj.com/lp/info_yomitokibook/

BOOKにいての説明はまだ続きます!-次回はタイムリーに作っている動画についてご紹介します!

#放射線副読本 #すっきり読み解きBOOK #放射線防護 #にょきにょきプロジェクト

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明日に向けて(1950)許容線量の名で人々に被曝を受け入れさせることがはじまった-ICRPの考察4

2020年12月11日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201211 22:00)

連載「国際放射線防護委員会(ICRP)の考察」の4回目をお送りします。

最初に被曝の危険性を訴えたのは遺伝学者たちだった

前回、放射線防護が核兵器の製造・使用・大量虐殺の過程で、この核戦略を守るものへと変質していったことを述べました。今回はそれをもう少し詳しく見ていきます。そのためにここで中川保雄さんの『放射線被曝の歴史』に戻ります。
ICRPの前身である「国際X線およびラジウム防護委員会」は、当初は放射線はある線量以下であれば生物に影響を及ぼすことはないと考え、安全な値を「耐容線量」と捉えて、1931年に最初の値を決定しました。
委員会はその後1940年に「耐容線量」を大幅に引き下げました。遺伝学者たちからの強い批判があったからでした。とくに生物学者のマラーが1927年にショウジョウバエを用いた実験で放射線突然変異を発見したことに支えられていました。

しかし委員会は第二次世界大戦が激化するなかで活動が停滞しました。同時にアメリカが原爆を作り、広島・長崎での大量虐殺に使用されたことにより「放射線防護」の持つ意味が大きく変化しました。
それまでは一部の限られた職種の問題であった被曝防護の対象が大きく拡大したことも重要なポイントでした。
こうした中でマラーは被曝の拡大に強い危機感を持ち、各地で放射線の危険性を訴える講演を行いました。そのマラーが1946年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことで、被曝の危険性についての社会的関心が広がっていきました。


マラーとショウジョウバエ サイエンスジャーナル 2013年12月06日より


「許容線量」の名で被曝を人々に受け入れさせる

このころアメリカ政府は「国際X線およびラジウム防護委員会(IXRPC)」の母体「アメリカX線およびラジウム防護委員会」にマンハッタン計画の代表を加え「全米放射線防護委員会(NCRP)」に改組し、委員会を核戦略を守るものに変えました。
アメリカはマンハッタン計画に参加したイギリスやカナダとも三国協議を進め、さらにNCRPの主導のもと、フランス、スウェーデン、西ドイツをも加え「国際X線およびラジウム防護委員会」を「ICRP」に改組しました。
全米放射線防護委員会(NCRP)はさらに「耐容線量」という考え方を転換し、「許容線量」という考え方を導入してICRPに追認させました。

放射線が遺伝的障害を生むという批判を踏まえつつ「確かに被曝にはリスクがあるが重要な業務を著しく困難にするのも不利益。このためリスクを十分に低くする」と言い出したのです。遺伝的影響も自然発生率と変わらなくすると言われました。
その際、こんなことが打ち出されました。「放射線障害に対する感受性は、人によって大きく異なるが、誰が放射線に最も大きな感受性を有するかを前もって決めるわけにはいかないので、平均的な人間をもって考えることにする」(p37)
安全値はないがリスクを小さくすればいいと言い出し、その際、子どもをはじめ放射線に弱い人々もいることを知りつつ「平均的人間」を防護の対象として弱者を切り捨ててしまったのです。重要なのはこの考えが今もまかり通っていることです。


ICRP勧告における防護基準の変遷 ウキペディアより 核実験が頻繁になった1954年に初めて「一般公衆」が入ってきた

「社会の発展のため」と言って蛮行を飲み込ませる・・・

中川氏はこれを「被害が生じることがわかっていても、その被害者を”平均以下”の人間として切り捨て、社会の発展のためにはその蛮行も許容されるべきであると、多数の「平均的人間」に思い込ませる」(p40)ものと痛烈に批判しています。
ただしこの考えをリードしたのはアメリカのNCRPで、設立当初のICRPは一定の抵抗を示し、「1950年勧告」では「被曝を可能な最低レベルまで引き下げるあらゆる努力を払うべきである」と述べていたことを踏まえる必要があります。
とくに「遺伝的影響については、それが被曝線量に比例することが否定できないがゆえに、被曝量を可能な限り低くすべきであるとICRPは勧告せざるをえなかった」(p44)そうです。


ICRPも放射線被曝に安全値はないという立場を採っている。ATIMICAより

当時のICRPの立場に大きな影響を与えたのは、広島・長崎の惨劇を目にして心を痛めた世界中の人々の声でした。
さらに1950年に朝鮮戦争がはじまり、アメリカ・トルーマン大統領が原爆投下の可能性を示唆したことに対し、世界中で核兵器の禁止を求める「ストックホルム=アピール署名運動」が高揚、全世界で5億人もの署名が集まりました。
こうした世界の人々の声がICRPの抵抗を後押ししていたのでした。「被曝を最低レベルにせよ」という文言は、広島・長崎の痛みをシェアしようとする世界の人々の願いがこもった言葉だったのです。


ストックホルムアピールに署名する女優原節子さん 『図節国民の歴史』20巻より

続く

#ICRP #国際放射線防護委員会 #全米放射線防護委員会 #耐用線量 #許容線量 #マラー #ストックホルムアピール

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明日に向けて(1949)新型コロナウイルス感染症・・・今の状態は?冷静にデータと向き合ってみよう

2020年12月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201210 23:30)

今回は新型コロナウイルス感染症について書きます。

現在の感染症の状態は?医療崩壊寸前?

このところ新型コロナウイルスが「猛威を振るっている」とする報道があちこちでなされています。ただそれらにデータが付随することがあまりないように感じます。
「過去最多の感染者数」など、目をひくタイトルが多いのですが、全体の状況はどうなっているのかを示す記事がそれほどでない。
それでいまここでご一緒に冷静にデータと向き合ってみましょう。感染症の始まりのころから、厚生労働省の報道発表資料を見やすくビジュアル化してきている東洋経済onlineのデータを使います。

新型コロナウイルス国内感染の状況
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

まず全国の「検査陽性者数」を見ると、今回第三波と言われる山が10月中旬ぐらいから始まりだしていることが分かります。11月20日頃まで緩やかに登り続けましたが、その後、横ばい、やや上向きの状態となっています。
続いて「入院治療等を要する者」をみると同じく11月20日過ぎぐらいまで緩やかに登り続けましたが、この頃から下降に転じ、ほぼ一貫して下がり続けています。「退院・療養解除」をみると右肩上がり。それはそうでしょう。

「重症者数」を見るとやはり11月20日過ぎまで緩やかに登り、25日ぐらいにかけていったん登りが急になりますが、30日ぐらいから下りはじめています。
「死亡者数」は登り続けています。お亡くなりになったおひとりおひとりに哀悼の意を捧げますが、少なくとも激増はしていません。「PCR検査人数」は緩やかに増えていますが、「PCR検査件数」は12月上旬で下降に入ったかどうかという感じです。

さらに重要な数値として「実行再生産数」があります。1人の感染者が平均して何人に感染させるかの数でこれが1.0を下回れば感染は収束してくわけですが、11月14日当たりの1.42をピークに下がりはじめています。
11月30日にいったん1.0よりも下がり、0.97となりましたが、翌日よりまた少し上がり12月3日に1.07となったものの、12月9日では1.01にまで下がってきています。


東京・大阪・北海道を見る

今度は「重症者数」「実行再生産数」に絞って、東京、大阪、北海道を見てみましょう。東京の場合、11月22日まで重症者数の最大の増加は11月11日の5人。他の日はマイナスになる日もあって連日0から2人ぐらいのところにありました。
11月24日に一日で10名増加し、その後26日、28日に6名ずつ増加しましたが、やがて下降を辿りマイナスの日が続きました。8日に再び5名となりましたが、グラフは増減ゼロのところにあります。
実行再生産数者11月13日に1.4を記録したのをピークに、全国の値と同じような感じで緩やかに下降し初め、11月30日に0.96となり、再び少し上がったものの12月9日時点で0.98となっています。

東京についで感染者数の多い大阪では、重症者数は11月のは初めごろから11月25日頃まで波打ちながら横ばい状態となり11月30日に14名の増加となりましたが、その後マイナスの日もあり、グラフは緩やかに下降しつつあります。
実行再生産数も全国や東京に似ていて11月15日に1.47とピークを迎え、やはり11月30日に0.97となり、そこから少し上がったものの12月9日には再び0.96となっています。

感染者数が都道府県の中で5番目の北海道は、11月に入って最大の増加が1日3人で平均値では0から1の間を推移し、現状ではマイナスの日も多く、グラフは0より下にあります。回復していくスピードの早いわけです。
実行再生産数を見ると11月11日時点で1.76と全国や東京・大阪より高い値になっていたものの13日から下降をはじめ、27日から1.0を割り込み、現在は0.92となっています。


年齢別の陽性者数を見て考える

陽性者数と亡くなられた方の数の関係を見ていきます。80代以上陽性者10131人ー死者1275人、70代10905人-556人、60代13121人-194人、50代20614人-67人
40代22901人-23人、30代25526人-6人、20代39125人-2人、10代8992人-0人、10歳未満3637人-0人、不明10233人-8人です。
全年齢を見ると亡くなられた方の数は陽性者の1.2%ですが、50代以下をとってみると0.08%、40代以下では0.03%、30代以下では0.01%です。
(ただしこのデータは他の表での数より数値が低くなっており、最新のものが反映されてない可能性があります。)


ちなみに11月11日時点での同じデータと比較してみると20代、30代は死者が増えておらず、40代で3人、50代で7人の増加になっていることが分かります。
(なお重症者総数がとくにずれているので、重症者の定義に関する東洋経済の説明を付記しておきます。「発表数字が厚生労働省ベースだった5月7日以前は人工呼吸器装着または集中治療室(ICU)を重症と表記していました。それ以降は都道府県の発表ベースであるため定義が異なる場合があります。」)

さてここまで僕の主観を一切交えず、客観的に冷静にデータを見てきました。
その上で幾つかの見解を示したいと思います。一つにマスコミ各社の報道とは裏腹に、この第三波はすでにピークアウトしつつあるのではないでしょうか?
新型コロナウイルスはそれほど感染力が強いとはいえないのでは。また現在の感染対策はおおむねうまくいっているのでは?いずれにせよ幸いなことです。

二つ目に亡くなられた方にはお気の毒なばかりですが、それでも新型コロナの死亡率はけして高いとは言えないのではないでしょうか。季節性のインフルエンザとあまり変わらないのでは?
そして三つ目に現在の報道も、一部の野党の方たちの捉え方も、危険性をあまりに高く見積もりすぎではないでしょうか。
また僕がここにあげたデータ、例えば実行再生産数がピークを越えて1.0ぐらいにあること、地域によっては1.0より下がりつつあることなど、もっとトータルに報じるべきだと思います。

どうも相変わらず危険性があまりに過度に強調され過ぎているように思えます。
客観性を保持したウォッチを冷静に続けます。

#新型コロナウイルス #実行再生産数 #ピークアウトしているのでは #死亡率は高くない

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