明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1631)日立、英原発計画凍結へ! ついに安倍政権の原発輸出計画がすべてとん挫!

2018年12月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181216 23:30)

再びとても嬉しいニュースが飛び込んできました。
日立製作所がイギリスへの原発計画を断念し、凍結を決めて「日米両政府にこの方針を非公式につたえたもようだ」(共同通信)というのです。
面白いことにこの記事を今日、最初に配信したのは、トルコへの原発輸出断念のときは沈黙を決め込んでいた読売新聞でした。
もっとも凍結に向かっているという報道そのものはすでに12月10日にANN-テレ朝からも出されていたので読売新聞が最初に報道したとも言えないのですが。

ともあれ今のところ出ている記事のアドレス一覧を示しておきます。
テレビニュースのアドレスも幾つかご紹介しておきます。興味のある方はお早めにご覧下さい。

日立、英原発計画を凍結へ 安倍政権輸出案件、全て暗礁に
共同通信 2018/12/16 16:28
https://this.kiji.is/446920761068766305

この記事には計画予定地のアングルシー島の位置も紹介されているので全体をご紹介しておきます。

日立の「原発計画」凍結か、出資企業集め難航
読売新聞 2018年12月16日15時00分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181216-OYT1T50004.html

日立製作所 英原発計画を凍結へ
TV TOKYO 12月16日
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/txn/news_txn/post_168426

日立、イギリスでの原発建設計画を凍結へ
TBS NEWS - 12月16日(日) 21時3分
https://news.myjcom.jp/video/story/3550628.html

日立が英原発建設計画「断念も視野」 建設費増大で
ANN 20181210
https://www.youtube.com/watch?v=d1A_hDDPs3Q


さてトルコへの原発輸出の断念が伝えられて時にも詳述しましたが、これは私たち民衆の原発反対運動の積み重ねの中で実現されつつあることです。
またもや私たち民衆の勝利です!嬉しい!素晴らしい!
もちろん「私たち」というのは世界で「原発をゼロに」と歩んできている民衆全体のことです。

トルコでもイギリスでも、計画断念が濃厚な理由は「建設費が高騰した」ことだと報道されています。
しかし問題はなぜ高騰したのかで、それこそ世界の民衆が原発反対の圧倒的に声を強めたからなのです。
だから各国の規制当局が事故対策を強めざるを得なくなり、そうしたらすぐに建設費が倍近くに膨れ上がって採算が採れなくなり、次々と破産してしまったのです。

さらに日本ではこれが安倍政権の屋台骨を揺るがす事態に発展しています。
原発輸出がアベノミクスの一つの柱だったからです。それが完全に折れてしまったのです。
この決定的事実を私たちはしっかりと見据え、さらに「原発いらない!」「再稼働反対!」、そして「安倍政権は退陣せよ」の声を高めましょう。

おごるる平家は久しからず!安倍政権も必ず倒せます!

さらに前へ!!

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明日に向けて(1630)南仏ナルボンヌ反核サマーキャンプ参加報告を群馬で行います!トルコに関する報告も加えます!!(11日)

2018年12月08日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181208 23:30)

11日火曜日に反核サマーキャンプ2018inナルボンヌ報告会を行います。
古民家『くらしや』@榛東町・北群馬郡にてです。
一緒にナルボンヌに行った群馬県在住の辰巳玲子さんのお招きです!

ナルボンヌのことだけでなくこれまでのヨーロッパ各地への訪問の積み重ねをまじえてお話します。
午後と夜と2回開催してくださいます。ありがたい!

トルコに関する報告ももちろんします。これまでの関わりの総体を振り返りつつ、原発輸出計画が断念されたことを参加されたみなさんと祝いたいです!
ぜひ群馬の方、近県の方、お越しください!
なお今回はこれまでの各国への取り組みの紹介として、新聞記事のまとめを作りましたので、それをここにも貼り付けてご紹介しておきます!

*****

2018年12月11日(火) 古民家『くらしや』@榛東町・北群馬郡
国際反核サマーキャンプin ナルボンヌ・フランス 参加報告会
https://www.facebook.com/events/307665396751179/?active_tab=about

京都からフリーライターの守田敏也さんにお越しいただき、本年8月6日~12日まで、1週間にわたってフランス・ナルボンヌで開催されたInternational Anti-Nuclear Summer Camp(国際反核サマーキャンプ)の報告会を開きます。
守田さんは日本コーディネイターとして、今年はヒロシマ・ナガサキデーを日程に組み込むことを提案されました。
それが私の背中を押してくださり、原爆投下と深く関係する映画『ホピの予言』上映、そして、共に参加した日本の方々と祈りのセレモニーをさせていただくことに繋がりました。
古民家「暮らしや」の会里さん新さんのおかげで、交流会もわいわい遅くまで集うことができます。
この機会に、ヨーロッパの原発事情、国際的な輪を結ぶことの手ごたえに触れていただけたら嬉しいです。

★内容
からだもこころも喜ぶおひるご飯 
12:00~13:30 
1,200円(ごはん、汁物、おかず3品以上)
1,500円(+手作りデザート、珈琲など飲み物)
※ご希望の方は、9日までにお申込みください。

報告 午後の部 13:30~15:30 参加費 1,500円

報告 夜の部 18:30~20:30 参加費 1,500円

交流会 夜の部が終わり次第 参加費 500円or 薪割り1カートン+1品持ち寄り 

★お申込み
1、おひるごはん 2、午後の部 3、夜の部 4、交流会 5、お名前、6連絡先
以上を明記して、以下にお申し込みください。
landandlife1986@gmail.com
メッセンジャー辰巳玲子(Reiko Tatsumi)でもOK!

※懐具合の許す方は、カンパもよろしくお願いします。
東奔西走されている守田さんへお渡しします。

※お泊りご希望の方は、寝袋ご持参ください。
お布団貸し出しの場合は500円。
翌朝のかんたんごはん300円です。
お申し出くださいね。

★古民家『くらしや』
https://www.facebook.com/古民家くらしや-261724948019812
370-3504北群馬郡榛東村広馬場176

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明日に向けて(1629)トルコへの原発輸出断念を発表しないのは安倍首相のメンツを守るため?

2018年12月06日 17時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181206 17:30)

● 原発輸出断念は安倍・エルドアン会談で確認された!

トルコへの原発輸出断念に関する記事の続きです。
本日6日にようやく大手の朝日新聞がこのことを記事しました。日経のスクープに2日遅れましたが、重要なポイントが示されています。
ひとつにこの話が出てきたのが、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた主要・地域(G20)首脳会議に出席するために同地を訪れた安倍首相がトルコのエルドアン大統領と1日に会談の場であることです。
両国首脳はこの場で「原発計画について話し合い、実現が難しくなっているとの認識を共有した」というのです。

さらに記事では以下のことが指摘されています。
「ただ、あからさまに交渉決裂の形になれば首脳2人のメンツをつぶしかねない。そこで政府は来年1月、世耕弘成経済産業相をトルコに派遣し、原発の代わりに最新鋭の石炭火力発電所をつくる計画を示す方向だ。
「『断念』という言葉まで使うかは分からないが、石炭火力の話を持って行くということは、そういう意味だ」(政府関係者)」

要するにもう原発計画は無理だとの認識に到達したのだけれど、交渉決裂になれば二人のメンツがつぶれるので、判断をぼかし、石炭火力の話にすげ替えようとしているというわけです。
しかしそんなことをしても安倍首相の進めてきた原発輸出路線が完全な破たんの寸前にあることは明らかです。
朝日新聞はこのことを意識して、主要な原発輸出計画がみなとん挫し、残るイギリスの計画も難航していることを示した図を掲載しています。記事と図を示しておきます。

断念・頓挫…行き詰まる原発輸出政策 トルコは「失望」
内藤尚志、太田成美 桜井林太郎 イスタンブール=其山史晃
2018年12月6日10時20分
https://digital.asahi.com/articles/ASLD5538WLD5ULFA01N.html

日本政府・企業の主な原発輸出計画 朝日新聞2018年12月6日記事より

● 原発を先頭で推進してきた読売新聞は政府の発表待ち・・・政府広報紙になってしまった!

一方でもっとも原発を推進してきた読売新聞は依然沈黙を守ったままです。その理由について読売新聞内部に詳しい方から驚くべき情報を得ました。
なんと今回の件、読売新聞は「政府発表を待ってから論評すると社内決定した」というのです。理由は定かではありません。しかしそれでは政府の広報にしかならないことは明らかです。
報道には「発表報道」と「調査報道」があります。政府の広報などを載せるのは「発表報道」で、取材する側が主体性と継続性をもち、真実を突き止めていこうとするのが「調査報道」です。
そもそも政府の広報を待っていたのでは、政府にとって都合の悪い事実など、明らかにできるはずもない。

実際、今回の朝日新聞の報道では、政府が計画の大失敗に直面している安倍首相とエルドアン大統領の「メンツを守る」ために、公的に認めぬまま、なし崩し的に「石炭火力」に差し替えようとしていることを指摘しています。
これに対して読売新聞の沈黙は、この後に及んでもメンツを守って逃げ切ろうとする安倍首相とエルドアン大統領を助けることにしかなりません。これに対して内部でも「報道機関としてあまりに情けない」という声があがっているそうです。

ただし読売新聞の沈黙は、安倍首相だけでなく自分たちのメンツもまた丸つぶれになってしまっているからであることも指摘しておきたいと思います。
なぜなら読売新聞こそ、正力松太郎氏のもとで中曽根康弘議員と組み、アメリカCIAとすら一体となって日本に原発を導入してきた張本人だからです。原爆に怒る日本の人々を「原子力の平和利用」の名のもとに洗脳したのがこの新聞だったからです。
その点を考える時、読売新聞の沈黙は、むしろ原子力政策が抜本的に行き詰っていることを表す顕著な事態でもあるといえるでしょう。

読売新聞が載せた「原子力講演と映画の会」の広告 1949年6月10日朝刊掲載
CIEとは、Civil Information and Education Sectionの略で、GHQの民間情報教育局

● 原子力政策の破たんは明らか!原子力からの完全撤退を求める声を強めよう!

それにしても朝日新聞が掲載した表からも安倍政権の原発輸出路線が総破産を迎えていることは明らかです。
原発輸出は国内での新規建設がまったく見込めない中で、原発建設の技術を生き延びさせるためにも目指されてきたことでした。
その原発輸出路線が完全に破たんしてしまったのですから、原子力政策の延命策の大きな環が断ちきられたも同然です。だから読売新聞も沈黙しているのです。

私たちは日本政府が原発輸出の断念を発表しないことで守ろうとしているのは安倍首相のメンツだけではないことをおさえなくてはなりません。
いよいよ国策としての原子力政策の命運がつきようとしているのです。だからこれほどのトップニュースが、読売新聞だけでなくNHKでもいまだ報道されていなことにも注目する必要があります。
それだけ政府が、原発路線の大破綻に人々の注目を集めたくないのです。

私たちは今こそ「原子力政策の破たんは明らかだ!完全撤退せよ!」という声を上げていきましょう。
トルコの人々が美しいシノップを守り切ったように、私たちも頑張れば必ずこのことを実現できます!
頑張りましょう!

トルコ・シノップの「原発はいらない」と書かれたフラッグを持つ著者 
2015年5月の「原発いらないコドモデモ」より(京都市三条河原)
 

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明日に向けて(1628)トルコへの原発輸出断念は日本の原子力産業終焉の序曲だ!

2018年12月05日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181205 23:30)

● トルコへの原発輸出断念、その後の報道について

昨日4日に、日本政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念するという報道がなされました。
最初に報じたのは日経新聞です。続いて東京新聞、共同通信、時事通信などが流し、今日になって産経新聞、日刊工業新聞、赤旗などが報じています。
興味深いのは今のところ、NHK、朝日、毎日、読売などの大手が沈黙していることです。
4日の段階では世耕弘成経済産業相が「現在まさに(トルコ側と)協議を行っている最中だ」「何らかの決定が行われた事実はない」と述べたため、政府からの公式声明を待っているのではないかと思われます。

テレビニュースではいまのところ朝日新聞系列の「テレ朝」が報道を行っています。
「計画を断念する方向で検討していることが分かりました」と慎重な言い回しをしていますが、「トルコでの原発計画は日本政府のインフラ輸出戦略の目玉でしたが、暗礁に乗り上げることになります」と結んでいます。

トルコの原発計画中止を検討か 費用負担折り合わず
テレ朝 20181204 11:54
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000142245.html
https://www.youtube.com/watch?v=sYGRsNNrW8g

おそらくはまだ公式発表に至ってない決定をこの問題を追いかけてきた日経新聞がつかみ、すっぱ抜いたのでしょう。
この間、日経新聞は一貫して原発輸出は困難ではないかという観点からの記事を連投してきたので、その点からも先んじて情報をつかみ報道したのではと思われます。

● 「現地の反対運動も懸念材料」と産経、「原発ビジネスは世界的に見ても厳しい」と日経

さてこれらの記事中でも興味深いのは、安倍官邸に最も近い産経新聞の以下のような指摘です。
「東日本大震災を受けて、安全対策費が上昇。総事業費が当初想定の2倍以上の5兆円規模に膨らみ採算確保が難しいとされていた。
加えて、予定地の周辺には活断層があるとされ、政情不安や現地の反対運動も懸念材料となるなど、23年稼働は厳しい情勢だった」

ポイントがきちんと押さえられていると思います。安全対策費の上昇によって総事業費が2倍以上になったことに加えて、活断層の存在、政情不安とともに「現地の反対運動も懸念材料になるなど、23年稼働は厳しい情勢だった」と「過去形」で書いています。
現地の反対運動=シノップの方たちの粘り強い抵抗が、計画の断念される大きな材料であったことがうかがえます。

原発反対市民集会 2013年11月 トルコ・シノップ

一方で大事なのはこの決定の日本および安倍政権に与える影響です。
この点、テレ朝がインフラ輸出戦略が暗礁に乗り上げることになった点を指摘していることを紹介しましたが、日経新聞は以下のように論じています。

「これまでベトナムやリトアニアで日本勢が交渉を進めていたが、東京電力福島第1原発事故以降の安全対策コストの急上昇や政権交代などで撤回や中断に追い込まれた。
日本だけでなく、原発は高価でリスクの高いエネルギー源としての認識が世界的に広がっている」
「再生エネルギーの普及で、原発ビジネスは世界的に見ても厳しい環境に置かれている。
世界大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は今秋、経営不振が深刻な電力部門を組織再編し、ガス火力発電部門と、原子力や石炭を含むその他部門に分割すると発表した。
ドイツでもシーメンスが11年に原発事業から撤退した。東芝は06年に米原子炉大手のウエスチングハウスを買収したものの、巨額の損失が発覚し、経営危機に陥った」

日本の原発事業、岐路に トルコで断念へ 案件、英の計画のみ
日経新聞 20181204 朝刊
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3849942003122018TJ1000/

● 安倍成長戦略の要の原発輸出政策が行き詰まり原子力産業終焉の日が近づいている

日経新聞はさらに原子力産業が極めて厳しい局面にいたっていることを指摘する記事を5日に追加しました。タイトルで原発輸出を「袋小路」と名指しています。

「官民一体で進めてきた原発輸出は袋小路に入った。新設が見込めない国内は事業縮小が相次ぎ、次世代の原子炉開発も暗礁に乗り上げている。日本の原発事業を支える技術力の維持に黄信号がともる」
「原発を敬遠する動きは次世代の技術開発にも影を落とす。日本がフランスと進める次世代原子炉開発で、仏政府は20年以降、計画を凍結する方針を日本に伝えた。
使用済み核燃料を減らす高速炉技術で、自前の高速炉計画を持たない日本にとって大きな打撃となる」
「国内外で原発の新設受注を失う日本メーカーにとって、最大の課題は技能伝承による技術力の維持だ。日本電機工業会の資料によると、日本の原子力従事者はピークだった10年の約1万3700人から16年に約3000人減少。このうち技能職は4割減った」

袋小路の国産原発輸出、三菱重などトルコ計画断念
2018/12/5 2:00 日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38552990V01C18A2EA2000/

● トルコ民衆の勝利は日本民衆への大きな贈り物!

これらから私たちがつかみとっておくべきことは、トルコ民衆の奮闘のもとに実現された日本から原発輸出の断念によって、安倍政権の成長戦略の柱が折れ、日本の原子力産業の大きな行き詰まりがもたらされていることです。
その点でトルコ民衆の頑張りは私たちへの大きなプレゼントにもなっています。日本の核の灯を止める展望が開けてきているからです。

安倍政権はなぜ原発輸出を成長戦略の柱の一つとしてきたのか。一つには強いられた選択でもあったのでしょう。いまここで原発を輸出しなければ、日本の原発建設の技術が衰退し、ダメになることが見えていたからです。
しかし一方で安倍政権は常に自分にとって不利なことをまともに見ずに、嘘やはったりで政策を押し通してきた政権です。だからこそ高まる原発輸出のリスクをみようとせず、トップセールスで強引に展望を開こうとした。
しかしビジネスの世界では嘘もはったりも通用せず、結局、原発輸出はどの国に対してもまったく成功せず、ただの一つの成果もあげられないままに袋小路に陥ってしまったのです。
なかでも福島原発事故を振り返りもせずにひた走った結果、瓦解してしまったのが東芝でした。子会社のウェスチングハウス社がアメリカでの原発建設難航で巨額の赤字を出してしまったのです。東芝は原発輸出から完全撤退するも倒産寸前です。

これを見てすでにこの3月にトルコの計画からいち早く丸紅が逃げ出しました。安倍成長戦略に見切りをつけたわけですが、三菱重工も同様に音を上げ、これ以上、安倍政治に付き合えなくなったのでしょう。
その点でトルコ民衆の奮闘は安倍政権に大きなダメージをもたらし、日本の原子力産業に展望も大きく失わせています。私たちはここにこそ注目し、この貴重なプレゼントをしっかりと受け取って生かすのでなければなりません。

成長戦略の柱が完全に折れたこと、そればかりか各社の離脱が開始されたことで、安倍政権は産業界への影響力も間違いなく落としています。「安倍一強」が崩れ、嘘とはったりだけで政策を押し通してきた姿が隠しようもなくなってきています。
この流れをさらに強くするために私たちは残された原発輸出計画である、日立のイギリスへの輸出計画を食い止める奮闘を強めましょう。そのことでこそ日本の核の灯を止める展望は確実に深まります。

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明日に向けて(1627)【勝利宣言】政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念しました!わたしたち民衆の勝ちです!

2018年12月04日 17時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181204 16:30)

● 勝利宣言!トルコへの原発輸出をくいとめたぞ~~!

みなさま。日本政府と三菱重工がトルコのシノップへの原発輸出を断念しました!やったあ!私たち民衆の大勝利です。ここに高らかに勝利宣言を発します!
この勝利はなんといってもトルコのみなさんの努力によってもたらされたものです。同時に世界民衆の「危険な原発の建設・運転をやめよ」という声の高まりこそがもたらしたものです。

トルコのみなさんに心からの祝福と感謝を述べたいと思います。そして私たちは祝杯をあげましょう!
建設予定地だったシノップの写真をご紹介します。

● 民衆運動の高まりが輸出・建設を阻んだ! 

この事実は本日4日午前中に日経新聞が報じ、午後になって東京新聞によって報じられました。今後各社の報道が続くと思います。東京新聞の以下では以下のように書かれています。
「政府と三菱重工業が、共同で進めてきたトルコへの原発輸出を断念する方向で検討に入ったことが四日わかった。関係筋が明らかにした。建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込みとなり、安価な建設を求めるトルコ側との交渉が難航しているためだ。
安倍晋三政権は原発の海外輸出を成長戦略の柱に掲げており、トルコへの輸出計画が頓挫すれば戦略の見直しは避けられなくなる」

断念の最大の理由は「建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込み」となったこと。採算がまったく合わなくなったことにありますが、理由は安全対策のための建設費が高騰したこと。
ではなぜ安全対策が強化されたかといえば、原発の危険性に目覚めた私たち日本民衆をはじめ、世界各地で民衆が起ちあがり、運転や建設の中止を求める声を高めたからです。
原発路線をひた走る各国政府は「安全対策」を強化することで批判をかわそうとしたわけですが、そのために莫大な費用がかかってしまい、それでもう採算が合わなくなってしまったのです。
だからこの勝利は私たち民衆がつかみとったものです!

日経新聞20181204より

● これでトルコと日本の友情が守られた!

このことでトルコと日本の信頼関係が守れたことも強調したいです!
僕はこれまでトルコに4回招かれ、各地で講演させていただきましたが、そのたびに感じたのはトルコの方たちの日本に寄せてくださっている篤い信頼でした。
トルコでは「エルトゥールル号遭難事件」が広く知られています。オスマン帝国の軍艦が1890年に日本に親善訪問した帰途に和歌山沖で海難事故で沈没。近くの漁民たちが命がけで生存者を救助し、日本海軍が彼らを祖国に送り届けたのでした。

この話は映画にもなっています。予告編をご紹介します。
『海難1890』
https://www.youtube.com/watch?v=Iadt_c4pBwI

こうしたことからも、また日本が原爆を落とされながら平和国家として再建してきたことからも、トルコの方たちの日本への信頼感はとても篤いものがあります。
だからトルコで奮闘している人々に招かれた僕の役割は「日本の安倍首相は大嘘つきです。けして信用しないでください」と繰り返すことでした。
そんな中でトルコの方たちが日本の原発を断固拒否し、さまざまな行動を重ねてくれて中止にいたったわけですが、僕はこれでかえってトルコからの日本への信頼が守れたとも思っています。
原発が事故を起こし、トルコの人々を傷つけ、長年に亘る友情も失ってしまう危険性が遠のいたからです。
僕は日本国の利害のために動いているわけではありませんが、僕の方がよほど日本への信頼を守り、日本人総体のためにもなる活動を重ねているとも思います。

はじめてトルコで講演した翌日(2014年3月)の新聞記事。通訳してくれているのはプナールさん

日本からのアピールをいつも丁寧に大きく扱ってくれるトルコのマスコミ

● いろんな方たちが奮闘した!

ちなみにこうした活動に大きく貢献してくださった二人の日本の友を紹介しておきたいです。
1人は丹下紘希さんです。丹下さんは「あなたを心配する手紙」というトルコ語で語るビデオレターを作り、たくさんのトルコの方たちの胸を打ちました。

あなたを心配する手紙 / Dir TANGE KOUKI NOddIN
https://vimeo.com/92443743

トルコ語でもし日本から輸出した原発が事故を起こしたら「謝っても謝りきれない」と訴えた丹下さん

もう1人は僕がトルコに通い出した時にイスタンブールに在住で、僕の講演のたびにサポートをしてくれ、自らもシノップの集会などを取材して伝えてきてくれた森山拓也さんです。
彼がこの9月に行った写真展の記事をご紹介します。

「原発とたたかうトルコの人々」 同大院生、3年かけ取材写真 59点「現地の声、伝えたい」 北区で /京都
https://mainichi.jp/articles/20180912/ddl/k26/040/357000c

毎日新聞の記事より

僕は丹下さんとも森山さんともトルコを通じて知り合いました。トルコが私たちの友情をももたらしてくれました。
これ以外にも今年トルコを訪問した大熊町議の木幡ますみさんや、長年、アジアへの原発輸出を止めるために奮闘されてきたノーニュークスアジアフォーラムの佐藤大介さんなど、日本側から活躍された方はほかにもたくさんおられます。

● プナールさんに心から感謝を伝えたい!

もちろん僕ら日本側の人々が担えたことはほんの一部で、今回の勝利はなんといってもトルコの方たちの努力でつかみとられたことを再度、強調しておきたいです。
たくさんの方の顔が浮かぶのですが、トルコと日本のかけはしとなっての活躍ということでは、なんといってもプナール・デミルジャンさんの活躍に感謝を述べておきたいです。

イスタンブールの日本領事館の前でトルコ・日本核合意の撤回を求めて行動するプナールさん

彼女は僕がはじめてトルコに招かれた2014年3月、通訳がいなくて困り、プロの通訳協会に頼んだ時に「私がボランティアで引き受けます」と彗星のように現れてきてくれたのでした。
しかもその時から原発に反対するアクティヴィストとして行動し、僕がトルコに行くたびに行動を共にしてくれたり、さまざまな運動に参加して奮闘してきてくれました。
国際会議にもたびたび参加し、日本にも数回にわたって来てくださいました。今年9月に訪日してくれたときの動画をご紹介します。

20180925 UPLAN PinarDemircan「トルコの原発をとりまく状況」
https://www.youtube.com/watch?v=qaacGhnc6Zs

こうしたプナールさんの奮闘のもと、トルコと日本の民衆サイドのがっちりした団結が作られ、今回の本当に嬉しい結果に結びつけられたことをみなさんにご報告したいです。

● 残されたイギリス・アングルシー島への原発輸出をとめよう!

原発輸出は安倍政権の「成長戦略の柱」ですが、これまでベトナム・リトアニア・台湾で失敗しました。東芝も子会社の米ウェスチングハウスが経営破綻し、海外での原発建設事業から完全に撤退しました。
トルコへの輸出計画が失敗に終わることで、あとは日立製作所によるイギリス・アングルシー島の計画だけが残りますが、これまた当初のコストを大幅に上回っています。
私たちがいま声を大きくすればこの計画も確実に止められます!そして原発輸出路線を完全に終わらせれば、日本の原子力政策を止める日も確実に近づきます。
だからこそ、今日はトルコでの勝利にみんなで祝杯をあげ、明日からさらに歩みを強めましょう。団結すれば核の灯は必ず止められます!
 

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明日に向けて(1626)原発はウソのかたまりだ!だからせめてヨウ素剤を持ち、とっとと逃げる準備をする必要がある!

2018年11月30日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181130 22:30)

● 明日12月1日(土)に「ヨウ素剤を配ってよ@京都」の企画を行います!

すでに「明日に向けて(1624)」でお知らせしたように、明日午後1時半から京都市のひとまち交流館にて「ヨウ素剤を配ってよ@京都」第二回ミーティングを行います。
鎌仲ひとみ監督の『カノンだよりvol.1』から「26年後のベラルーシ」とカマレポ№58「安定ヨウ素剤市民配布@鎌倉」をみんなで鑑賞し、その後に僕が各地の様子を報告します。
再度、イベントページをご紹介しておきます。
https://www.facebook.com/events/545110885960354/

● 原発は嘘のかたまり=メルトダウンが起きうることは知られていた!

原発はさまざまな嘘の元に成り立ってきましたが、災害対策の面でとても大きいことは、「格納容器が破損することなどありえない」という嘘をつき続けたことです。
このためにまともな災害対策がなされて来なかったし、放射能が原発の敷地外に飛び出した時の法整備すらもできず、事故後に各地で起こった放射能汚染の責任を東電がまったくとらない根拠にもなってきました。
しかし実は原子力推進派は福島原発事故の前から格納容器が壊れ、放射能が漏れだすことがありうることを熟知していました。

その有力な証拠が「独立行政法人・原子力安全基盤機構」が、原子力防災専門官向け資料として2009年に作成していた炉心溶融のシミュレーション映像です。
残念ながらネット上から削除されてしまい、映像そのものをご案内することができないのですが、以下の記事に内容を文字起こししてありますのでご覧ください。

「明日に向けて(1323)原子力推進派は福島原発事故の流れ=放射能の放出を事前に的確に予測していた!
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/36ffc1c524ad2e8ce8ca6814bc897dd9

● メルトダウンからベントによる放射能放出が解析されていた!

ここでは福島原発と同じマークⅠ型原発が扱われていて、何かの要因で配管破断が起きて炉心が冷却できなくなることから事故が始まるとされています。

事故発生から30分後に炉心融解が起き、溶けた燃料が1時間後には圧力容器下部に到達、3時間後には圧力容器を貫通して格納容器下部に落ちるとシミュレートされています。

このため格納容器の中に超高濃度の放射能を含んだ高圧のガスが充満しますが、これが排気塔から環境に放出されるとされているのです。「ベント」の決行です。

● 福島原発事故はこの動画の通りに進展した!

この動画を観たときに怒りが込み上げました。福島原発事故とまったく同じことがすでに予測されていたからです。つまりこうなることを原子力推進派や電力会社は十分に知っていたのでした。(ただし実際にはベントはうまくいきませんでしたが)
そこで気が付いたのは、事故時に東電が社員の家族を真っ先に逃がしたのは、あらかじめそれが想定されていたからだということです。
動画ではメルトダウンののちに格納容器内に放射能ガスが充満した時に、「排気塔から環境に放出される」とうたわれています。つまり放射能を排出することがシナリオ化されていたのです。だから東電は社員の家族を逃がしたのでした。

当たり前のことですが、ならばそのことを社会にも明らかにし、人々が逃げられる体制を作りだすべきでした。いや「そんなこともありうるけれども運転をしてもいいですか」と社会に問うべきだったのでした。
もちろんそうしたらとてもではないけれども合意など得られずに原発は廃止を余儀なくされたでしょう。だから電力会社はメルトダウンの可能性を知っていたのに「そんなことはありえない」とウソをつき、運転を強行し続けたのでした。

● 原発は再び大きな事故を起こしうる!だから対策が必要!

問題はこれだけの大嘘をついた電力会社も原子力推進派も誰も裁かれていないことです。
だから同じことが起こりうるし起こっている!つまり今また推進派は、大規模な事故が起こる可能性を知りながら運転を続けているのです。
もちろん事故を未然に防ぐためには再稼働そのものをさせないこと、いま動いている原発も止めることが大事です。

しかし残念ながらすでに9基も動いています。それらの原発は明日にも大変な事故を起こす可能性があります。
だから少しでも被害を減らすための努力を傾けておかねければならないのです。
最も肝心なのは事故が起こった時に「とっとと逃げる」ための準備を重ねておくことです。ヨウ素剤を持つのもそのためです。

ヨウ素剤を飲んだら大丈夫などということはありません。ヨウ素以外の放射能も飛んできてしまうからです。だから飲んで逃げるのです。
普段から逃げるための準備をしておくためにもヨウ素剤を手に持ち、事故のリアリティを学んでおくことが大切なのです。

明日はこんなお話もします!ぜひお集まりください!

 

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明日に向けて(1625)原発から命を守るために―6原発事故はどれぐらいに影響するのか

2018年11月27日 15時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181127 15:30)

京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の6回目をお届けします。

● 政府は福島原発事故が最悪化した場合、半径250キロ圏にまで被害が及ぶと推測していた!

原発が事故を起こしたらどれぐらいまで被害が及ぶのでしょうか。この点で参考になるのは2014年に福井地裁が出した大飯原発運転差止判決です。
この時福井地裁は「原発から半径250キロメートル圏内に共住する原告166名の人格権との関係」で大飯原発の運転を禁止しました。地裁は事故が250キロメートルにも及ぶと断定したのでした。
根拠となったのは2011年3月25日に菅直人総理大臣から「福島原発事故が最悪化した場合をシミュレートせよ」という命を受け、内閣府原子力安全委員会委員長が作成した「近藤シナリオ」でした。
福島4号機燃料プールの放射能が全て出てしまうという想定で、原発から半径170キロ圏内が強制移住、東京を含む250キロ圏内が希望者を含む避難ゾーンになると想定されていました。
あの時政府はこれを私たちに隠しつつ対応策を検討していたのですが、福井地裁はこのシナリオを根拠に判決を出したのでした。

● チェルノブイリ原発事故の被曝被害は1000キロ圏を越えた!

ただし250キロというのも絶対的な数値ではありません。例えばトルコの黒海側のシノップに三菱重工とフランスのアレバ社が合同で原発を作ろうとしていますが激しい反対運動があります。
理由の一つは黒海沿岸部の人々がチェルノブイリ原発事故で激しく被曝しがん患者などが多いからです。その黒海沿岸部までチェルノブイリから1000キロ。
では京都市左京区から大飯原発までは何キロかというとわずか56キロです。高浜原発までは58.2キロ。
大飯原発差止判決が覆され運転が強行されているいま、私たちは私たちの人格権に基づいて、もう一度これらの原発を止めましょう。

図は大飯原発から京都市左京区の位置性 距離は56キロ。周辺に高浜、美浜、敦賀原発やもんじゅがある。

続く

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明日に向けて(1624)ヨウ素剤を配ってよ@京都!再び始動します。カマレポ上映会と第二回ミーティングにご参加を!(12月1日京都市)

2018年11月26日 22時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181126 22:30)

● ヨウ素剤を配ってよ@京都、再び始動します!

みなさま。ちょうど1年前に京都市内で僕が中心に呼びかけを行って「ヨウ素剤を配ってよ@京都」のキックオフ集会を行いました。
さらに今年の2月に参加呼びかけ文を作って人を募りはじめたのですが、その後、本当にさまざまに災害が続き、それらへの対応が続いて歩みを進めてくることができずにきました。申し訳なく思います。
この状態を打開して京都市における原子力災害対策を大きく進めるため、再度の動きを開始します。12月1日(土曜日)にひとまち交流館にお越しください。13時半からです。

https://www.facebook.com/events/545110885960354/

● ベラルーシの話と鎌倉の話

この日はまず鎌仲ひとみ監督の『カノンだよりvol.1』から「26年後のベラルーシ」とカマレポ№58「安定ヨウ素剤市民配布@鎌倉」をみんなで鑑賞します。
ともに放射性ヨウ素による甲状腺被曝の問題を扱っています。ヨウ素に被曝するとどうなるかをベラルーシの経験から学んで、鎌倉でのヨウ素剤自主配布会の様子に学びます。

● 各地の原子力災害対策の進展を紹介

続いて僕が講演して各地の対策の進展についてお話します。
まず紹介したいのは鎌倉のその後。ちょうど11月2日にヨウ素剤自主配布を行った「ぐるうぷ未来」のみなさんに招かれて講演してきたので、その時の様子や聞いてきたことを伝えます。
続いてやはり23日に講演を行ってきた鳥取県米子市と境港市のことをお話します。ここでは鳥取県による島根原発から30キロ圏内でのヨウ素剤事前配布がこの秋に行われたのでした。
この他、紹介したいのは滋賀県米原市で動き始めた原子力災害対策、また同じく滋賀県近江八幡市と静岡県富士宮市の例もご紹介します。

● この間の原発再稼働の実態

さて一方でこの間、電力会社は次々と原発の再稼働を進めてきました。
今年に入ってからの動きとしては3月玄海原発3号機が、6月に4号機が再稼働されました。また大飯原発3号機が3月に、4号機が5月に再稼働されました。
つい最近では伊方原発3号機が10月27日に再稼働させられ、これで現状で国内では8基の原発が動いていることになります。(川内2基、玄海2基、伊方1基、大飯2基、高浜1基)。 

これらには問題が山積しています。一つには再稼働の度に故障事故が続いていることです。
これまで再稼働した原子炉は全部で9つですがそのうちの5つで9回も稼働前後にトラブルが起こっています。
今回はこの点の問題点も端的に指摘したいと思います。

● みんなで討論して前へ!

されこれらを踏まえて討論を行いたいと思います。
主要なテーマは二つ。
一つはヨウ素剤配布を求める署名運動についてです。
もう一つは京都市でもヨウ素剤自主配布に取り組むことについてです。
もちろんこれ以外でもなんでも積極的に話題にあげていただきたいです。

ぜひお越しください!

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明日に向けて(1623)原発事故を想定し「とっとと逃げる」心構えを作ろう!(23日に鳥取県境港市でお話します)

2018年11月21日 16時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181121 16:00)

● 23日(金)に鳥取県境港市の夢みなとタワーでお話します

講演タイトルは 「地震・津波・台風・大雪、そして・・・原発からのいのちの守り方」。
主催は「原子力防災を考える県民の会」で13時半から16時までです。チラシを紹介しておきます。

境港市での講演は2回目になります。前回は2016年10月8日でした。
今回の講演は鳥取県が島根県とともに安定ヨウ素剤の30キロ圏内までの希望者への配布に踏み切り、説明会と配布が行われてきた中で行うものとなります。

● 島根原発は危険な地震地帯に立地している

島根原発が立地している松江市の地下には「宍道断層」が走っているのですが、この断層、1998年は福原町から尾坂まで8キロとされていたのに2004年に10キロになり、2008年には22キロとなっています。
もちろん断層そのものが成長しているわけではなく、後から発見されて「長く」なってきたのです。一部の学者さんたちは「断層は30キロ以上ある」とも主張していますが、断層の長さは地震の大きさに直結します。

これだけでも危険なことは明らかですが、近年、山陰地方に大きな「ひずみ集中帯」があることも分かってきました。
「ひずみ集中帯」とは南海トラフで列島の乗ったユーラシアプレートが海側からやってくるフィリピン海プレートに押されてひずみが生じ、エネルギーが溜まって地震が頻発する地帯です。
最近でも2016年10月21日に「鳥取中部地震(M6.6)」が起こりました。これらからここで原発を動かすことなど自殺行為でしかないのです。

● 再稼働を止める努力をしつつ災害対策も進めよう!

原子力災害対策を考える時、一番大事なのは原発を動かさないこと。正しい対策はこれしかないです。事故の時にすべての人が確実に被曝を避ける道などないからです。
ではなぜそれ以外の対策を進める必要があるのかというと、すでに9基が動かされてしまっているし、今後も動かされるかもしれないからです。
動いている以上、深刻な事故を起こす可能性があるので少しでも被害を減らすために備えをしなくてはです。

対策の骨子は一にも二にも「とっとと逃げる」こと。原発事故は一度始まったらどこまで拡大するか分からない。だから可能な限り原発から遠くに逃げた方がいい。
そのためにはあらかじめ逃げる想定をしておくことが大切です。そうでないといざとなると「逃げなくていい口実」を探してもしまいがちだからです。
そんなときに「俄かに健康に被害はない」とか言われると不安定な心理に付け込まれて安心してしまいかねない。だから常日頃から「とっとと逃げる」心構えを作っておくことが必要です。なお篠山市のハンドブックからこの点をご紹介します。

● 安定ヨウ素剤事前配布の意義

この際、安定ヨウ素剤を飲んで逃げることが大事。早い段階で原子炉から飛び出してくる放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、被曝することを防ぐためにです。
日本は海産物が多いので、住民は日常的に自然界の安全なヨウ素を摂取していて、甲状腺の中は8割から9割は埋まっていますが、その残りを薬で満たし、放射性ヨウ素の取り込みを防ぐのです。
ただし防げるのは放射性ヨウ素だけ。他の放射能も間違いなく飛んできますから、同時に「とっとと逃げる」べきです。

なぜ事前配布が必要か。一つに事故が起こった混乱状態の中で配ることは困難で、間に合わない可能性も高いからです。
二つに市役所の側も仕事をあらかじめ減らして違うことに力を振り向ける余裕がもてるし、放射能が降る中で住民に薬を配りにいった職員が被曝する可能性も減らせます。
さらに大事なのは、さまざまな薬害が起こっているため、多くの方が効能と副作用についての事前説明を受けていないと飲めないこともあります。だから事前配布でこそ十分な効果が期待できるのです。この点も篠山市のハンドブックから紹介します。

● 昆布は大量に煮だせば代用できるけれども食べない方がいい

安定ヨウ素剤を得られないときに昆布で代用できるのでは?という声もあります。確かに煮だして飲むことで代用できますが、真昆布40グラムは必要です。通常だと味噌汁20杯ぐらいになるでしょうか。
これを煮詰めればヨウ素は煮汁に95%移行するので代用になります。しかし昆布は緊急時は食べない方がいい。消化がよくなくて、お年寄りの場合、腸閉塞を起こすこともあるからです。
また毎日、昆布などを使った料理を食していてもヨウ素は日々消費されるのでいつも隙間はあり被曝防護のためには十分とは言えない。やはり薬を飲んで隙間を埋めるのが一番手軽で確実です。

以上、地震のこととと安定ヨウ素剤のことにフォーカスしてアウトラインを書きましたが、講演では被曝の危険性を過小評価するあらゆる騙しにひっかからないことや被曝の避け方もお話します。
山陰地方の方、ぜひお越しください!

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明日に向けて(1622)東海第二「市民の安全安心を第一に考えれば再稼働はあり得ない」-10市町村+1が反対!( NNNドキュメンより‐3)

2018年11月18日 08時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20181118 08:00)

NNNドキュメントの文字起こしの3回目です。

*****

NNNドキュメント首都圏の巨大老朽原発 再稼働させるのか(11月12日1時~2時放送) その3
https://www.dailymotion.com/video/x6x1slt

なお同番組の再放送が本日(18日)午前11時から行われます。11時30分までです。
BS日テレ 141チャンネルにおいてです。

● 茨城県44市町村のアンケートから

原発の再稼働のカギを握るのは地元の同意。今までは茨城県と立地する東海村の同意だけで済みました。
それが今年周辺5市にまで拡大。反対する自治体が1つでもあった場合は日本原電は話し合いを続けるとしています。

番組では茨城県44全ての市町村長にアンケートを行いました。質問は再稼働に賛成か反対か。そして避難計画は作れるか。
全ての市町村から回答を得ました。
再稼働に「賛成」と回答したのは常陸大宮市長のみ。
「科学的技術的見地から安全性について判断されることから国と原電の責任において再稼働すべき」

再稼働に「反対」と回答したのは赤で示した10の市町村。このうち7つは避難を受け入れる側の自治体でした。
理由は「市民の安全安心を第一に考えれば再稼働はあり得ない」「避難計画を策定しなければならない危険性がわずかでもあるのであれば再稼働をすべきでない」

そして残り33の市と町のトップは「どちらともいえない」と回答。再稼働への同意が必要とされる6つの市と村、全てが判断を保留しました。

一方、避難計画については「策定には大きな困難」「現実的に不可能」。
10の市町村のトップが困難さを指摘しました。

● 障がい者施設の場合は?

ここは原発から4㎞の場所にある障がい者施設。60人が入所しています。案内された先にあったのは放射能を取り除くシェルターでした

テロップ
「東海村 第二幸の実園」

一同
「いただきます」

事故が起きた場合障がいのある人は避難が難しいため数日間屋内にとどまることになっています。
福島の事故では高齢者や入院患者らが避難途中や避難後に亡くなりました。そのため今新たな対策が行われています。

記者
「すごい大っきなのが建って…」
村上さん
「あれが空気を浄化して入れ換えします」

この施設では国からおよそ2億円の補助を受けて空気を浄化できる装置を取り付けシェルターにしました。さらに1週間分の食料や水防護服放射線測定器も準備しました。

村上忠夫第二幸の実園理事長
「障害者だって生きる権利はあるんですよ。その時はやっぱり一般と同じように生き延びたい…。そういうのに我々も力を貸すその責務があるんですよね」
「(この浄化設備を)稼働してはいけない。最後は記念物にするのが一番いいんじゃないですか」

● 「安全対策」というけれど

東海第二原発は2021年3月の完成を目指して安全対策の工事を行っています。
津波対策では原発の三方を取り囲む高さ20mの防潮堤を建設する予定です。こうした工事にかかる1800億円は国の支援を受け経営再建中の東京電力などが支援します。

火災対策も行われますが審査では電源ケーブルが問題となりました。原発では中央制御室を中心に1000㎞以上ものケーブルが張り巡らされています
東海第二原発は古くに造られたためケーブルの防火対策がされておらず、火災が起こればケーブルを伝って建屋全体に燃え広がり原発をコントロールできなくなる危険性があります。
国は「燃え広がらない難燃ケーブルを使用する」という基準を作りましたが燃えにくいケーブルへの交換は半分にとどまり残りは代用品の防火シートで覆うことで審査に合格しました。
日本原電は「防火シートは燃えにくいケーブルと同等以上の性質を有するので問題はない」との回答を寄せました。

先月24日、番組アンケートで「どちらともいえない」と回答していた那珂市の市長が再稼働反対を正式に表明しました。
再稼働の同意が必要な6つの市と村の中で反対を表明したのは那珂市が初めてです。

海野徹那珂市長
「危険を承知で動かすというその神経が理解できない」

● なぜ再稼働に向かうのか

再稼働に向け着々と準備を進めている日本原電。しかし「再稼働したい」と表明したことは一度もありません
運転延長が決まった今週水曜日。

記者
「「再稼働表明したい」と言わない理由は何ですか?」
日本原電 和智信隆副社長
「一言で言えば決めてないからということです」
記者
「何が決まってないのですか?」
副社長
「このあと我々が工事を進めて行くということ、地元への説明をするということを申し上げております。それ以外のことは決めてないからだと思っています」
記者
「再稼働することはまだ決めていない?」
副社長
「そうですね。はい」

なんで再稼働に向かうのか。経済産業省の幹部は私たちの取材にこう答えました。
「国は日本原電をつぶさないということですよ」。
原発推進の旗は降ろさない。これが原子力政策を続ける国の本音なのです。

東京から110㎞。巨大原発東海第二発電所。
再びスイッチが入った時あなたは安心して電気を使えますか?


ナレーター あおい洋一郎
取材 川崎正明 中村洋介
撮影 副枝保孝 
音声 飯田清孝
編集 小林弘幸
EED 細野昌美
ミキサー 浜口崇
音効 石橋裕司
番組デスク 小島都
構成 加藤就一
ディレクター 川崎正明
プロデューサー 今村忠
チーフプロデューサー 有田泰紀
製作著作 日テレ

連載終わり

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