明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1527)靖国神社の原型、京都霊山護国神社を訪問し、明治以降のこの国の成り立ちと向かい合います!(20日午後)

2018年05月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180517 22:30)

すでにお知らせしたように5月19、20日に京都市で被爆2世3世の交流と連帯のつどいを行います。

第3回 被爆2世・3世 交流と連帯のつどい
2018年5月19日(土)~20日(日)
http://aogiri2-3.jp/indexbox/2018051920.pdf

この20日の午後の「京都と平和の歴史跡などのフィールドワーク」で、京都霊山護国神社を訪問します。
この神社こそは靖国神社の原型、明治以降のこの国の成り立ちと向かい合うのにとても良い場です。
誰でも参加可能ですが、キャンパスプラザ京都での午前中のセッションを終えて、昼食を採ってから市バスを使っていきます。
もしこれだけに参加したい方がおられたら、メールなどでご連絡の上、現場に直接お越しください。概ね午後1時半に到着です。

ここにもともとあったのは「霊明神社」。創建は1806年で幕末の動乱の中で長州藩とのゆかりを深めていきました。
その動乱は1853年ペリーの黒船来航に対して幕府が「開国」に踏み切ったことに対し、諸藩が「攘夷」を掲げ幕府を批判する中で深まっていきました。
とくに1858年4月に井伊直弼が幕府の大老に就任し、「安政の大獄」と呼ばれる一大弾圧で臨んだため、かえって攘夷派によるテロルが誘発され、井伊大老自身が60年3月に桜田門外で討たれてしまいました。

長州藩は尊王攘夷派の筆頭でしたが、安政の大獄で刑死した吉田松陰と親しかった陽明学者の船越清蔵が1862年9月に倒れた際に霊明神社に藩士50人が集まって「招魂祭」を行いました。
「魂を招き寄せる」儀式で、陰陽道で行われてきましたが、しかしその際に招くのは病で身体から遊離してしまった魂などであって、死者の魂を呼び寄せることは厳しく戒められていました。
ところが霊明神社で禁を破って死者が招き寄せられ、12月には安政の大獄で「殉難」した魂も招かれて、命を賭した攘夷決行が誓われたのでした。

1863年になると長州は、京都での勢力争いの末、会津・薩摩連合に京都から追い落とされてしまいました。
これに地元の藩士たちが激怒。「天子様に直訴しよう!」と武装して京に登ってしまい、幕府軍の警戒網を破って御所に殺到。
すると通称「蛤御門」を背に会津藩が登場。長州は矢玉をいかけましたが、これで御所を攻撃したこと=「朝敵」にされてしまいました。

会津軍と長州軍は互角で戦況は膠着しましたが、西郷隆盛率いる薩摩軍が登場したことで均衡が破れ、長州は撤退を開始。会津、薩摩両軍が追撃しましたが、双方が相手を攪乱せんとそこら中に火を放ったため京都は大火に包まれました。
後に「どんどん焼け」と呼ばれた大火事で、たくさんの老舗や祇園祭の山鉾のほとんどが灰燼に帰しました。これを「蛤御門の変」あるいは「禁門の変」と呼びます。この時、敗れた長州藩士の亡骸が霊明神社に運びこまれました。

やがて朝廷は「長州征伐」を発令。これに対し長州は恭順派が主力となり、主戦派の重役が切腹あるいは斬首になって全面降伏。この時、新政府樹立も考えていた西郷隆盛が「謝罪と責任者の処断」だけで長州の存命を図りました。
ところが長州内では高杉晋作ら奇兵隊がクーデターを起こし主戦派が実権を奪還。これに対して幕府は「第二次長州征伐」を発動しましたが、この間に坂本龍馬の暗躍で「薩長同盟」が成立し、薩摩軍が「討伐」をサボタージュ。
なおも攻め込んだ幕府軍を高杉晋作の奇兵隊が諸所で打ち破りました。ちなみに山口県には今も「長州征伐」という言葉はありません。長州のすべての入り口を攻められたが打ち破ったという意味を込めて「四境戦争」と呼んでいます。

これで時勢は大きく転換。一気に薩長連合による討幕の流れができて、幕府による大政奉還がなされ、明治天皇を担いだ明治維新政府が発足しました。
しかしその直前の1867年に坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺されてしまいました。このときも二人の遺骸は霊明神社に運びこまれ「神葬祭」が行われました。

「維新」を成し遂げた明治政府は直ちに大規模に招魂祭を行うことを命じ、この地に長州藩招魂社を建てさせ、続いて維新に参加した諸藩のものも建てさせました。しかし薩摩は入っていません。あくまで長州が主体なのです。
慶応4年(1868年)、明治元年(同)と繰り返し招魂祭が行われ、新首都にも東京招魂社が建てられましたが、これが明治12年に「靖国神社」と改名させられました。このとき各藩‐県の招魂社も「護国神社」に名を改めました。
霊明神社に至っては境内の多くを政府に召し上げられてしまい、そこに新たに京都霊山護国神社が建てられたのでした。(霊明神社は規模を縮小していまも隣に存在しています)。

このように明治維新は、黒船に象徴される西洋の暴力に刺激された「志士」たちのテロルの連続と、内戦の中で成立しました。そのエッセンスが招魂社にこもっています。
特徴は「天皇の為に戦死したものを祀る」ことにあり天皇の「朝敵」は絶対に招かないことですが、
実はこれは日本史の伝統からも著しく切り離されています。この国では戦乱の双方を祀ることが多かったからです。そこには自らが倒した政敵が怨念となって復讐にくることを拝み倒して許してもらう意も含んでいたのですが・・・。

ところが靖国神社は「天皇の敵は許さない」思想で凝り固まって建てられました。根っこにあるのは「我らこそが天皇の真の家臣。我らを朝敵としたものを絶対許さない」という長州の怨念でした。
このなんとも言えない不寛容な思想が、明治、大正、昭和を貫くこの国の原型になってしまい、アジア侵略によって激しく爆発していきました。

その流れは、第二次世界大戦の敗戦でひとたび断ち切られてもいますが、いま、長州の末裔の安倍首相をトップにいただいた政権が進めている改憲策動を見ていると、亡霊たちがまたうごめいているようにも思えます。
相手の言っていることをまともに受け入れず、論敵を嘲笑したり侮蔑したりする安倍首相の態度をみるにつけ、幕末以来のテロルの応酬の歴史が彷彿としてきます。
平和の道を歩むためには、この国の近代の根っこにあるテロル性、暴力性と向き合わなくてはいけない。そのためにこそ20日にみなさんと京都霊山護国神社を訪れ、平和への思いを逞しくしたいと思うのです。

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明日に向けて(1526)イスラエル軍がどんどんパレスチナ人を殺している!あまりに惨い殺人を止めるためにできることをしよう!(ダニーさん・岡さん講演会にご参加を!)

2018年05月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180516 23:30)

アメリカが在イスラエル大使館を5月14日にエルサレムに移すという暴挙を行いました。世界中の反対を押し切ってです。
パレスチナの多くの人が怒りのデモに訴えていますが、パレスチナ自治区のガザでの4万人のデモにイスラエル軍が発砲を繰り返し、現時点で子どもを含む62人が射殺されてしまいました。けが人は3000人近くにおよんでいます。

なぜこんなことが起こったのか。
もともとエルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が重なるところで、だからこそ長い歴史の中でたびたび衝突が起こってきたところでもあります。
イスラエルはこのエルサレムを「首都」と宣言してきましたが、世界中の国々や人々がこれを認めず、テルアビブを首都ととらえて大使館をおいてきました。アメリカもでした。

ところがトランプ大統領は選挙中から、エルサレムの首都「認定」とアメリカ大使館の移転を公約に掲げ、就任後も実行をほのめかしてきました。
これに対し昨年12月に国連総会でエルサレムの首都認定の撤回をアメリカに求める決議が128か国の賛成で採択されています。
にもかかわらずトランプ大統領はこうした世界の人々の反対を押し切って14日に大使館移転を強行したのです。

パレスチナの人々は猛反発。激しい抗議を繰り返していますが、その根拠の一つはパレスチナの人々も独立国家が認められたらエルサレムを首都にすることを共通の意志にしているからです。
ただしその場合は「東エルサレム」のみをパレスチナの首都とすることが考えられてきたのでした。
トランプ大統領はこうしたパレスチナの人々の意志を無視し、世界中から批判を浴び続けているイスラエルの主張だけを受け入れてしまったのです。

しかもこの移転の日が最悪でした。なぜなら5月15日のイスラエル建国70年周年の日にあわせてたのですが、この日はパレスチナの人々にとっては、自分たちが生まれ故郷を追われ始めた大厄災=「ナクバ」の初めの日を意味しているからです。
そこに合わせて大使館移転が強行されたため、より激しい怒りのデモが沸き起こったのです。ところがアメリカの暴挙を歓迎するイスラエルが直ちに軍を出動し、デモ隊に対してガス弾や実弾での射撃を浴びせかけ、多数の人々を殺害しているのです。

あまりにもひどいです。なんとかこの殺人を止めたい!
抗議の声をあげていきたいですが、同時にみなさんにこの時期にイスラエルのこと、パレスチナのことへの認識を深めていただきたいです。事態を知ることから解決の糸口も見えてくるからです。

そのために推薦したいのがユダヤ人のダニー・ネフセタイさんが書かれた『祖国のために死ぬのはすばらしい?』という本を読むこと、またダニーさんのお話を聞くことです。
またパレスチナの問題を最も積極的に解き明かしてきた広河隆一さんや岡真理さんの本を読み、講演会などに参加して欲しいです。

具体的な企画としては関西でのものになってしまいますが、5月26日土曜日夜に京都市内でダニーさんの講演会があるのでぜひお越しください。この日は僕も駆けつけて一言挨拶させていただきます。午後6時半からウイングス京都にてです。イベントページを貼り付けておきます。

国のために死ぬのはすばらしい? ~外国人の目に映る人権~
https://www.facebook.com/events/170650453756149/

5月27日には大阪市西淀川区民ホールで岡真理さん講演会が行われます。この日もダニーさんも参加!他の方からも報告があります。チラシのアドレスを示しておきます。

パレスチナ「建国」70年の意味~パレスチナから日本を撃つ 岡真理講演会
http://www17.plala.or.jp/kyodo/0527.pdf

世界全体が平和になることを目指して、学びを深めながら声を上げ続けましょう!

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明日に向けて(1525)被爆2世・3世交流と連帯のつどいを京都市で行います!(5月19日、20日)

2018年05月15日 21時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180515 21:30)

表題のように5月19、20日に僕が世話人として参加している京都「被爆2世3世の会」や、岡山、広島の会などを中心に構成している「被爆2世・3世交流と連帯のつどい実行委員会」主催の「交流と連帯のつどい」を開催します。
1日目は西本願寺「聞法(もんぽう)会館」2日目は「キャンパスプラザ京都」が会場です。その他、龍谷大学大宮キャンパス食堂での交流会や20日午後のオプショナルツアーもあります。

このつどいは被爆者、被爆2世・3世であるかどうかに関わりなく参加できます。
とくに岡山在住の三田茂医師が定義するところの福島原発事故によって被曝した「新ヒバクシャ」のみなさんにもぜひ参加して欲しいです。

初日は木戸季市(きどすえいち)さんの講演があります。「核をめぐる今日の情勢と2世・2世に期待すること」というタイトルです。
木戸さんは1991年、岐阜県の被爆者団体(岐朋会)結成当初から事務局長を務め、2008年より日本被団協事務局次長を歴任、2017年6月より事務局長に就任された方です。
被爆者は「決して誰にもあの地獄を体験させてはいけない」と考え、そのために核兵器廃絶を訴えるとともに「被爆者は報復の思想と無縁で報復を厳しく拒否している」と訴え続けてこられたそうです。

2日目午前中は2つの分科会を行います。被爆体験の継承についてと被爆2世3世の健康問題と対策についての話し合いです。
このうちの「健康問題と対策」の会で僕がコーディネータを務めます。
三田医師が3月に出された「『新ヒバクシャ』に『能力減退症』が始まっている」という論文や三田さんのメッセージも参照しながら、それぞれが幼年期からいままでを含めて、身体に起こってきたことを検証し、対策についても話し合います。
この分科会にはぜひ「新ヒバクシャ」のみなさんにも参加していただきたいです。

20日午後はオプショナルツアーで「立命館平和ミュージアム」と「京都霊山護国神社」への訪問を行いますが、後者のガイドも僕が務めます。
この訪問については後日、詳しい内容を提示します。

以下、案内を貼り付けます。
なおすでに受付終了となっていますが、当日まで申し込み可能です。
誰でも参加できますのでぜひご参加下さい!

*****

第3回 被爆2世・3世 交流と連帯のつどい
~京都で会いましょう~
2018年5月19日(土)~20日(日)
http://aogiri2-3.jp/indexbox/2018051920.pdf

被爆2世・3世の皆さん
昨年は国連において核兵器禁止条約採択、続いて「ican」がノーベル平和賞を受賞するなど朗報が相次ぎました。私たちの運動に明るい光が見えはじめています。この流れを止めるわけにはいきません。
今年もお互いの思いや活動の経験交流と学び合いを通して、より充実した「2世・3世」の運動を考え合う機会をもちたいと、交流と連帯のつどいを開催します。
誘い合って集まりましょう!おしゃべりしましょう!

全体会 
記念講演「核をめぐる今日の情勢と2世・2世に期待すること」
講師 木戸季市さん 日本原爆被爆者団体協議会(日本被団協)事務局長

分科会 
被爆体験の伝承・普及を2世・3世はどう取り組んでいる?
被爆2世・3世の健康問題と対策を話し合ってみよう

タイムスケジュール
5月19日(土)
全体会 14時~18時
会場 西本願寺「聞法(もんぽう)会館」 京都市下京区堀川花屋町上がる
夕食交流会 18時半~20時半
会場 龍谷大学大宮キャンパス生協食堂

5月20日(日)
分科会 9時半~12時
会場 キャンパスプラザ京都 京都市下京区西洞院塩小路下がる

オプション 午後
立命館大学国際平和ミューアム訪問
京都と平和の歴史跡などのフィールドワーク(京都霊山護国神社訪問)

主催 被爆2世・3世交流と連帯のつどい実行委員会

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明日に向けて(1524)大飯原発4号機が再稼働されましたがとても危険!後藤&守田対談動画をご覧ください。文字起こしの後半です(下)

2018年05月13日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180513 23:00)

大飯原発4号機が9日に再稼働し、10日にさっそく水位計の不具合で間違って警報が鳴りましたが、関電は「問題なし」として送電を開始。出力をあげています。
こうした事態を前に、2015年夏、川内1号機が再稼働されたときに後藤政志さんと守田で行った対談動画を観ていただきたいと思って再度掲載し、文字起こしも紹介してきました。
4回にわたる文字起こしの前半をすでにご紹介しましたが、今宵は後半をご紹介します。再稼働問題のエッセンスとは何かをつかんでください!


福島原発事故からつかむべきこと
2015年8月14日 後藤政志&守田敏也 対談 東京品川にて
https://www.youtube.com/watch?v=TKJNkgNOgaI&feature=youtu.be

明日に向けて(1125)ベント後付けの条件設定を無理強いされて(後藤&守田対談から-3)‐20180820
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b6723e704fd2df6cea3f4b429f55ec80
http://toshikyoto.com/press/1962

3回目では後藤さんが初めて「ガス抜き装置」のない格納容器をみて思ったこと。また格納容器の設計師となるや「ガス抜き装置=ベント」をつけることを求められた時のことをお聞きしました。

守田
「先ほどお話をうかがったときのことで、ちょっと突っ込んでしまいますけれども、ちょうど後藤さんが東芝に入られた後にベントをつけることになったということをお聞きしました。あの話をもう少し聞かせて下さい」。

後藤
「私が会社に入ったのは1989年です。ちょうどチェルノブイリ事故もありましたし、格納容器の持つ意味が大事だとされていました。
それで格納容器を担当する時に、一番最初にビックリしたのは、普通、ボイラーなどは圧力が高まると爆発してしまうから、設計上耐えられるとされる圧力より1割ぐらい越えると確実にバルブが開いて圧力が逃げるようにしています。
バルブは何個もついています。危ないから。そうなっていることを知っていましたから、格納容器を見たときに逃し弁がないので「えっ、大丈夫?」と思いました。
でも「ちょっと待って。格納容器は違うよな」と考え直しました。原子炉圧力容器はいいのですよ。圧力容器はそこから圧力を逃がして格納容器の中に吹けばいいのですけれども、格納容器は放射能を閉じ込めるので外に出してはいかんわけです。
そうするとガス抜きできないという立場なのですよ。そうすると設計気圧が4コンマ幾つとか、3コンマ幾つとか言うのですけれども、それって絶対的なのです。絶対に越えてはいけない。それって結構、厳しくて、真剣に設計を見ていたわけです。

その時に何年もしないうちに、1992年にはもう言われていたと思いますが、社内で安全担当というのがいます。それが技術の上流側にいるわけです。その安全担当が来て、今ある格納容器は何気圧まで、何度まで持つのか。「言え」と言うのです。
「言え」たって、そんなのは「設計は3コンマ幾つ、温度は171℃」とか説明するわけです。当たり前じゃないですか。それを越えるなどありえないのです。
ところがそれを何とかという意味は、システムがうまく作動しなくて、本当は緊急炉心冷却系、ECCSで、配管破断が起こった時にそれで水をぶち込む、それが何個もついているのだけれど多重故障を起こしてみんな停まってしまう。
そうなると冷却できなくなって温度が上がっていく。そうすると格納容器がぶっ壊れたら大変なことになるので、どこかでガス抜きしなくてはならない。それを決めるのに「どこまで持つか、頑張って欲しい」とこう言われたのです」。


明日に向けて(1126)安全についての考え方を身につけることが問われている(後藤&守田対談から-4)‐20180821
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0643e26193fcc0fd7471b3f25e51ee0f
https://toshikyoto.com/press/1965

4回目では安全工学の考え方を市民が身に着けることが社会の安全性を高めることになることを話し合いました。

後藤
「もともと格納容器というのはパッシブセーフ、受動的安全、つまり何も機械を動かさなくても、格納容器を隔離弁を閉じて鎮めると何もしなくてもそれで持つというのが格納容器の概念なのです。
それを「ある時には持たなくなる」と言ったとたんに破綻しているわけです。ですから「自殺」と言う表現もとりましたが破綻しているわけなのです、設計思想が。
そうすると破綻したものを取り繕うこと自身が、私も教えている設計工学で言っても設計のあり方として間違っているのです。
根本のところを変えずに付けたし付けたしでやれば必ず破綻するというのが設計学の常識で、いつも「やめろ」と教えているのです。それなのに自分がやったことがそうなっているでしょう。どうみても納得できないですよ。それが正直なところです」。

守田
「私は、直接的には後藤さんとは原発の問題でお話しているわけですけれども、これはやはり技術論全体に関わることだと思うのですよね。
その点で単に原発のことだけではなくて、多くの市民の方が安全工学の観点と言いますが、そういうものを見につけることが私たちの社会全体の安全性を高めることになると思うのです」。

以上で動画と文字起こしの紹介を終わります!
ぜひ多くの方にお伝えください。

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明日に向けて(1523)大飯原発4号機がもうトラブルを起こした!再稼働はやはりとても危険だ!

2018年05月12日 02時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180512 02:30)

9日に再稼働を強行した大飯原発4号機、もうトラブルを起こしました。
10日午後5時38分に蒸気発生器の水位計が異常を検知。「原子炉を止めよ」という警報を発信しました。
以下、正確を期すために関西電力のプレスリリースを貼り付けておきます。

「大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、平成25年9月15日から第15回定期検査中のところ、本日17時38分、中央制御室原子炉盤に「原子炉トリップパーシャル※作動(原子炉系)」警報が発信し、同時刻に復帰しました。同時刻に、プラント計算機に「C蒸気発生器水位低原子炉トリップパーシャル」警報が発信し復帰しました。
プラントパラメータ等を確認したところ、蒸気発生器(2次系)の水位は規定値内であり、プラント状態に異常はありませんでした。
これにより、17時00分から実施していた原子炉出力上昇操作は中断していますが、今後、念のため水位計について問題がないか点検し、問題がないことが確認できれば、原子炉出力上昇操作を再開する予定です。
また、周辺環境への放射線の影響はありません。

※原子炉をトリップ(停止)させる信号は4系統で構成されており、そのうち1系統の信号が作動した時に発信する警報である。なお、2系統以上の信号が同時に作動すれば、原子炉は自動停止する。
[平成30年5月10日 お知らせ済]

本日20時25分から21時05分において、C蒸気発生器の水位計について点検を行い、異常は認められなかったことから、今後、準備が整い次第、原子炉出力上昇操作を再開する予定です。」

大飯発電所4号機の状況について(「原子炉トリップパーシャル作動(原子炉系)」警報の発信)(第2報)
2018年5月10日 関西電力株式会社
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2018/0510_4j.html

要するに蒸気発生器という部品の水位に異常がないのに水位計が「危険」を感知し、警報を鳴らしたというのです。
「原子炉トリップ」というのは原子炉を止めることで、4系統のうち2つが動いたら原子炉が止まるのですからあと一つで緊急停止していたわけです。

このリリース、良く読み込むとなんとも奇妙です。
水位が危ないわけではないのに水位計がアラームを出した。それで念のために水位計も点検した。でも問題がなかったから中止していた出力上昇作業に入ると言っているからです。実際に大飯4号機は11日17時から発電を開始しています。

ではなぜアラームが鳴ったのでしょう?点検して問題がないと言ったって、水位がおかしくないのに「おかしい」という警報を発したのですから、どう考えたって水位計の誤作動なのです。
しかし「異常は認められなかった」という。これは実際には「異常が起こったけれど原因が分からなかった」ということなのではないでしょうか。プレスリリースを読む限りそうしか解釈できません。「なぜ誤報が発せられたのか」がどこにも書いてないからです。

今回のこの故障事故は、明日にも大事故が起こるような兆候ではないだろうとは思います。
しかし安全装置の不具合で、適正に働いていないわけで、そうなると他の水位計は大丈夫なのかという懸念も生じます。
水位が下がってもいないのに「警告」を出してしまったのに、その原因も特定しなければ修繕もしていないからです。

いや恐ろしいのは今回は安全な状態なのに危険と判断したわけですが反対も起こりうるのではないか。危険になっているのに感知しない。そういう危機的な誤作動もありうるのではないか。それなのに原因究明がなされない。このあり方に僕は巨大な危険性が潜んでいると思います。

なんでこんなことになるのか。一次冷却水ポンプについて指摘してきたように、実は原発はさまざまな点で完成していないプラントで、計器の不具合など、頻繁に起こっているからだと思います。実は細部では分からないことだらけ。しかし「そんなことにかまっていたら運転できない!」というのが電力会社側の本音でしょう。そこに危機が大きく介在しているのです。

ともあれ大飯4号機のウォッチを続けます!

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明日に向けて(1522)米朝首脳会談6月12日シンガポール開催決定!私たちも平和のための努力を積み上げよう!

2018年05月11日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180511 09:00)

史上初の米朝首脳会談の開催日程が決まりました。6月12日シンガポールにおいてだそうです。
米国トランプ大統領は金正恩朝鮮労働党委員長と「ともに世界の平和にとって特別な瞬間にしたい」とTwitterに投稿しました。

投稿原文をご紹介します。

The highly anticipated meeting between Kim Jong Un and myself will take place in Singapore on June 12th. We will both try to make it a very special moment for World Peace!

We will both try to・・・
ここでトランプ大統領は、Weを自分と金委員長の意味で使っています。

このニュースをさまざまな報道機関が流していますが、NHKは以下のように伝えています。

「トランプ大統領は地方遊説に向かうため大統領専用機に乗り込む際、記者団に対し、米朝首脳会談について「大成功となるだろう」と述べ、親指を立てて自信を見せました。
開催地にシンガポールを選んだのは、アメリカと北朝鮮、双方と国交がある第三国で、中立的と言えることに加えて、キム委員長が専用機で直行できる距離にあることなどを考慮した結果だと見られます。
これに先立って北朝鮮に拘束されていたアメリカ人3人が解放され米朝首脳会談の開催に向けて大きく前進した形となっていました。

史上初となる米朝首脳会談で、トランプ大統領はキム委員長に対し、完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に向けて具体的な行動をとるよう求める考えで、北朝鮮の非核化に道筋をつけることができるのかどうかが最大の焦点となります。
また、トランプ大統領は65年前から休戦状態となっている朝鮮戦争の終結や、弾道ミサイルの放棄、それに日本人の拉致問題の解決なども訴えるとしていて、キム委員長の出方が注目されます」。

米朝首脳会談は来月12日 シンガポールで 非核化の道筋が焦点
NHK 5月11日 4時38分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180511/k10011434481000.html

米朝首脳会談が成功し、朝鮮戦争が正式に終結すれば東アジアから戦争の火種が無くなります!
あの悲惨な戦争によって塗炭の苦しみを味わった朝鮮半島の人々にとってこれほど素晴らしいことはないですし、私たち日本に住まうものにとっても本当にありがたいこと。
だから私たちは平和の流れを促進させるための努力を、この一月、積み上げていきましょう。

なすべきことは何か。そのうちの一つはこの間の朝鮮半島をめぐる情報の歪み、情報の捻じ曲げを正していくことだと思います。
この間、繰り返し述べてきましたが、南北首脳会談以降にやっと「常識化」したものの、それまで日本の報道機関は、米朝がいまだに戦争状態にあること、その中の休戦状態にすぎないという決定的な事実をほとんど報道してきませんでした。
その上で一方的に朝鮮を、「常に約束を破るトラブルメーカー」のように描き続け、「朝鮮バッシング」を続けてきました。
僕の知る限り、すべての野党もこれと大差ない表現を採り続けてきました。この歪みをきちんと正しておかなくてなりません。

とくに昨年の総選挙の過程は本当にひどかった。安倍政権が「朝鮮半島危機」を政権維持、選挙の勝利のために最大限に利用するため、危機を煽り続けたからです。
麻生副総理などは「今回は大量の難民、覚悟しなきゃ」などと戦争勃発後のことを語り、挙句の果てに選挙後に「北朝鮮のおかげで勝てた」と本音を漏らす始末でした。

しかし残念なことにマスコミも野党も、朝鮮だけを悪ものにしたて、戦争の脅威を煽ることで政権を維持しようとする安倍政権の愚行を正面から批判しえたとは言い難かった。
そのため僕は強い危機感の中で以下の記事を書きました。

明日に向けて(1424)一番大事なのはアメリカに朝鮮との平和友好条約を結ばせること!
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1a73bcbdaa45f8f91eefa1889fcdb488
http://toshikyoto.com/press/2361

いま私たちはこの歪んでいた流れを変えなくてはなりません。そもそもそうでないと米国のトランプ大統領にも韓国の文大統領にも朝鮮の金委員長にもついていけない!
東アジアの平和を促進するために日本民衆は何をなすべきなのか。その論議をこそ私たちは起こしましょう!
平和は私たち民衆こそが紡ぎ出すもの。一緒に頑張りましょう!

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明日に向けて(1521)ベトナムはなぜ原発をやめたのか~止めたのは誰?どうやったの?~5月24日に企画を行います!

2018年05月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180510 23:30)

大飯原発が再稼働されましたが原発産業は原発輸出の道がどんどん狭まる中で坂を転げ落ちるように没落の道を進んでいます。
原発政策は終わらせることができる!僕はそう確信しています。問題はそれまでに大きな事故を起こさせないでいられるかどうかなのですが・・・。
ともあれ原発ゼロへの道をさらに広げていくために5月24日に原発輸出を止めたお話を聞く企画を行います。ベトナムへの輸出計画です。ぜひご参加下さい。

ベトナム国会でロシアと日本が相次いで計画していた原発建設中止が決議されたのは2016年11月。日本政府や原発メーカーは大打撃を受けました。
ベトナムへの原発輸出はオールジャパン体制で進めらてきた輸出政策だったからです。
しかも安倍政権下では安倍首相自身が原発売り込み交渉で走り回ってきました。「トップセールス」などと言われてきました。
それがいま次々と破たんしつつあるのです。先日、トルコへの輸出計画からも伊藤忠が撤退を表明しました。

ベトナムへの計画もオールジャパンで行われているので、これを止めるのはかなり困難だとも思われましたが、ある方たちが大奮闘され、ベトナム政府が撤退へと大転換することになりました。
ある方たちとは日本のベトナム研究者の中で原発建設を憂いていた方たちのこと。この方たちが原発の危険性を示すさまざまな日本の論文をどんどん翻訳しては政府高官に渡し続けたそうです・・・。
ついにはベトナムの首相までもがそれに目を通すようになり・・・ベトナム政府は「こんなものを輸入したら損だ!」と悟るにいたったのです。

「どこまで効果があったか検証できたわけではない」とのことですが、しかしたくさんの翻訳が影響を与えたのは間違いない。輸出阻止の大きな成功体験です!
これをみんなでシェアし、さらに原発輸出政策を止めていくための一助としたい!そのためにその中のおひとりの吉井美知子さん(沖縄大学教授)さんをお招きすることにしました。

ベトナム政府が日本からの原発輸入を白紙撤回した背景は何だったのか、そこに市民は、そして吉井さんがどのように関わっていたのか…お話いただきます。
後半で守田が対談の形でさらに吉井さんからいろいろなことをうかがいます!

京都市内での開催ですが、可能な方、ぜひご参加下さい!
なお中継は無理なのですが、録画して後にIWJで流していただくことも検討中です・・・。

*****

ベトナムはなぜ原発をやめたのか
~止めたのは誰?どうやったの?~
https://www.facebook.com/events/1022466614576504/

日時:2018年5月24日(木)18:00 開場/18:30 開演
場所:ハートピア京都 第5 会議室
参加費:800円

18:30 ~ 19:40 講演 吉井美知子さん   
19:40 ~ 20:30 対談 吉井美知子さん&守田敏也さん 質疑応答 全員


主催:市民環境研究所
〒606-8227 京都市左京区田中里ノ前21 石川ビル305
Tel & Fax 075-711-4832  Email pie@zpost.plala.or.jp

主催:世界とつながる公開秘密会議


吉井美知子さんのプロフィール:
沖縄大学人文学部教授。京都市出身。1991年パリ第7大学ベトナム語学科修士号、商社勤務、JICA専門家等を経て、2007年東京大学大学院国際協力学博士号。専門はベトナムNGO研究。
3.11を機に、ベトナムへの原発輸出を止める活動を行う。主な著書に『立ち上がるベトナムの市民とNGO』(明石書店)、共編著『原発輸出の欺瞞』(明石書店)など。

守田敏也さんのプロフィール:
同志社大学社会的共通資本研センター客員フェローを経てフリーライター。兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員を兼ねる。
福島原発事故降、各地で放射線防護と原子力災害対策の講演を行い、ヨーロッパやトルコでも度々講演。著書に『内部被曝』『原発からの命の守り方』がある。

☆★カンパのお願い☆★
この夏(8月)「反核サマーキャンプ」がフランスで開かれ、本講演会の主催メンバーも原発事故の避難者と共に参加します。こうした世界的な脱原発の活動を続けていくため、カンパを募集しています。ご協力をお願いします。

ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
なお口座については「世界とつながる公開秘密会議」のものを開設中のため暫定的に守田敏也個人のものを使います。
開設後、メンバーの確認のもとに移します。それまではカンパしていただけるときはメールでもご一報ください。   
morita_sccrc@yahoo.co.jp

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明日に向けて(1520)大飯原発4号機が9日に再稼働されますがとても危険です。後藤&守田対談動画をご覧ください。文字起こしもあります(上)

2018年05月09日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180509 09:00)

本日9日に大飯4号機が再稼働しようとしています。これを前にご覧いただきたい動画を紹介します。30分です。

福島原発事故からつかむべきこと
2015年8月14日 後藤政志&守田敏也 対談 東京品川にて
https://www.youtube.com/watch?v=TKJNkgNOgaI&feature=youtu.be

昨夜の記事でも紹介した動画ですが、文字起こしも行っているのでそれも紹介します。

明日に向けて(1123)福島原発事故からつかむべきこと(後藤政志&守田敏也対談から)-1‐20150818
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9b5b445e16ed2fa9cbaac7e336870bda
http://toshikyoto.com/press/1957

後藤さんと僕の交流のいきさつなどから話し始め、とくに僕が一番目を開かされた「ベント」のことに触れました。一部をご紹介します。

守田
「僕が内容のことで一番、伝えなくてはいけないと思ったのは「ベント」のことですね。多くのその時の論調は『ベントはちゃんとやれたのか』みたいなものでした。基本はそうなっていました。
あるいは今でも『ベントはちゃんとつけたのか』みたいな話になっていることに対して、後藤さんは『ベントは格納容器の自殺行為である』『放射能を閉じ込めるための格納容器を守るためにそこに穴をあけるというのは抜本的矛盾だ』
『ベントがあること自身がプラントとしてダメなんだ」とおっしゃられました。今でもそうなんですがそこをマスコミがなかなかちゃんと書いてくれない」。

後藤
「今も川内原発の再稼働の問題があって、鹿児島県の伊藤知事がおっしゃっていました。
『世界に冠たる規制をしていて、福島のような事故は起こらないし、仮に起こったとしても出てくる放射能は福島の1000分の1だ』と、そうおっしゃったのです。
1000分の1というのは何なのかなあと思ったのですが、あれは多分、格納容器が壊れないことが前提なのですね。格納容器が壊れると桁が違うし、福島どころじゃすまないのですね。
つまり『そういうことはありえない』とおっしゃっているわけですね。私はそこが一番納得がいかない。なぜかというとまさにそれがベントの話なのです」。


明日に向けて(1124)川内原発再稼働の危険性と「過酷事故」の曖昧化の問題(後藤&守田対談よりー2)‐20150819
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/6e90c7394a36315234d435aeb267da78
http://toshikyoto.com/press/1959

川内原発の再稼働にあたり、「4年以上停止していた原発の再稼働の危険性」についてお聞きしました。
実際にこのわずか10日後に川内1号機は故障事故を起こしました。
今日、再稼働する大飯4号機は2013年9月以来4年8か月ぶりに稼働します。以下、一部をご紹介します。

守田
「再稼働の問題でぜひ後藤さんにお聞きしたいことがありまして、今回停止が4年を越えているのですね。・・・3年以上停まって動かした例が世界で7例しかないそうです。
それらは全部、動かしたあとで何らかの事故を起こしているそうです。素人考えでも機械は動かしていなければどんどん動きが悪くなりますよね。
(守田注、ニュースソースは「ブルームバーク」。その後、「最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたケースは世界で14基」。と記事を訂正)
そういう意味では、もちろんこんなことはやってみないと分からないことであって、なかなか予想はできないことでしょうけれども、技術者の観点からして、4年停めておいた原発を動かすと言うのはどういう意味を持つのでしょうか」。

後藤
「当然ですけれども、そもそも停まっているプラントを立ち上げるということ自身が、ある種のトライなのです。ものが壊れている可能性もあるし、ミスってバルブを開け忘れている可能性もある。
スリーマイル島事故などはそうですからね。点検の時に給水ポンプのバルブを開け忘れたのです。それで立ち上げてしまって事故が起こってしまった。そういうリスクもあります。だから立ち上げるときはそれなりの緊張感があるのです。
さらに今、おっしゃったように4年も停まっていると、結構、長いので、プラントの水が溜まっているところ、つまり水が普段、流れているところと溜まっているところがあって、場所によっては腐食環境になりやすい。
そこで4年も淀んだまま腐食が進んでいることがないとは言えません。そうするとそれをきちんと検査をしたのかということになります。
建前は検査をやることになっているのだけれど、実際にはすべてが検査にかかるとは限らない。実際には欠陥とかあったときに運転してみて、『ボン』となって慌てて欠陥が分かるということもあるのです」。

美浜の3号機で昔、タービンのところの配管が切れたのがそうです。厚さ10ミリのものが1.4ミリまで減っていた。そこに流れが当たってぐっと力が生じたときに破裂したわけです。
普通は「10ミリあるものが2ミリ以下に減ってくるまで気が付かないことがあるのか」と思いますよね。でも現実にはそういうことがある。管理が間違っているということなのです。
物事を「建前としてこうあるはずだ」と考えていると事故というのは分からない。事故と言うのはそういう形で起こるのです。そういう潜在的な欠陥が生じやすいのが4年です、ということになります」。

ここまでで文字起こしは半分。次号で後半をご紹介します。

続く

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明日に向けて(1519)大飯4号機再稼働を前にぜひ観て欲しい動画があります!再稼働の危険性をつかんでください。

2018年05月08日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180508 23:00)

明日9日に関西電力大飯発電所4号機が再稼働しようとしています。危険でまったくもって愚かです。
大飯4号機は新規制基準の制定以降、再稼働する8基目の原発になろうとしています。

しかしたった8基なのに再稼働のたびに故障事故が繰り返されている。
最初に動かされたのは川内1号機で2015年8月11日のことでしたが直前の7日に計測器の異常が発生、さらに再稼働10日後に復水器内の配管にピンホールがあき二次系に海水が混入する故障事故が起こりました。
2016年1月から3月に高浜3,4号機が再稼働しましたが、4号機が再稼働直前の3月20日に34リットルの放射能汚染水漏れを発生。それでも再稼働を26日に強行しましたが29日に送電を開始するや原子炉が緊急停止。安全装置への入力ミスのせいでした。

7月には伊方3号機の再稼働が目指されましたが直前の17日に一次冷却水循環ポンプから水漏れ。部品交換のために再稼働が遅れました。さらに今年になって玄海3号機を3月23日に再稼働しましたが30日に配管の一部から蒸気漏れが発生。配管を覆う保温材の隙間から雨水が染み込み腐食させて穴があいていたのでした。

7回の再稼働に際し4基で6回の故障事故が起きています。
それで九電の瓜生元社長は玄海3号機の故障事故のときに「(運転を)7年間止めていたため『何が起こるか分からない』と言っていたが、現実になってしまい、非常に残念だ」と言い放ちました。

故障事故はまだ続いています。5月3日に現在再稼働を目指している玄海4号機で、伊方3号機の時と同じように一次冷却水ポンプでの水漏れが起きてしまいました。伊方のときも今回も問題箇所を新品にしていたのに同じ故障の繰り返し。一次冷却材ポンプは欠陥装置なのです。

これらはすべて三菱重工製の加圧水型原子炉。同タイプでこれだけ故障が繰り返されているのにまたも再稼働強行。あまりに危険で愚かです。
私たちは再度の故障事故に備えざるを得ません。しかも次には大事故にならないとも限らない。

そこで今、問題点を端的につかむため、川内1号機が送電を開始したときに元東芝の格納容器設計者後藤政志さんと僕が対談した動画をご紹介しますのでご覧になってください。
この時、僕は4年以上停止して再稼働した原子炉が数えるほどしかなく、そのすべてで故障事故が起こっていることをつかんでいまて後藤さんに質問しました。すると以下の点を教えてくださいました。

「当然ですけれども、そもそも停まっているプラントを立ち上げるということ自身が、ある種のトライなのです。ものが壊れている可能性もあるし、ミスってバルブを開け忘れている可能性もある。
スリーマイル島事故などはそうですからね。点検の時に給水ポンプのバルブを開け忘れたのです。それで立ち上げてしまって事故が起こってしまった。そういうリスクもあります。だから立ち上げるときはそれなりの緊張感があるのです。
さらに今、おっしゃったように4年も停まっていると、結構、長いので、プラントの水が溜まっているところ、つまり水が普段、流れているところと溜まっているところがあって、場所によっては腐食環境になりやすい。
そこで4年も淀んだまま腐食が進んでいることがないとは言えません。そうするとそれをきちんと検査をしたのかということになります。
建前は検査をやることになっているのだけれど、実際にはすべてが検査にかかるとは限らない。実際には欠陥とかあったときに運転してみて、「ボン」となって慌てて欠陥が分かるということもあるのです。

美浜の3号機で昔、タービンのところの配管が切れたのがそうです。厚さ10ミリのものが1.4ミリまで減っていた。そこに流れが当たってぐっと力が生じたときに破裂したわけです。
普通は「10ミリあるものが2ミリ以下に減ってくるまで気が付かないことがあるのか」と思いますよね。でも現実にはそういうことがある。管理が間違っているということなのです。
物事を「建前としてこうあるはずだ」と考えていると事故というのは分からない。事故と言うのはそういう形で起こるのです。そういう潜在的な欠陥が生じやすいのが4年です、ということになります」。

この点を含めてわずか30分の対談に重要なエッセンスがつまっています。ぜひご覧になって拡散してください。
そのままコピペしてツイッターに流せるようにご紹介しておきます。

【拡散希望】明日9日に大飯4号機が再稼働しようとしています。これを前にしてぜひご覧いただきたい動画を紹介します。30分です。
福島原発事故からつかむべきこと
2015年8月14日 後藤政志&守田敏也 対談 東京品川にて
https://www.youtube.com/watch?v=TKJNkgNOgaI&feature=youtu.be
#原発再稼働反対

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明日に向けて(1518)玄海原発4号機で故障を起こした一次冷却水ポンプは欠陥装置だ!

2018年05月08日 07時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180508 07:00)

再稼働を準備中の玄海原発4号機で5月3日に一次冷却水ポンプが故障事故を起こしました。
前回は再稼働の度に故障が連続しているのは、そもそも日本中の原発が4年以上も止まっていたので、機械としての限界に瀕しているからであることを述べました。
だから川内1号機、高浜4号機、伊方3号機、玄海3号機、玄海4号機と、再稼働するたびに故障事故を起こしているのです。

今回はそれだけでなく、今回故障した「一次冷却水ポンプ」はこれらの原発に共通する「加圧水型原子炉」のアキレス腱であり、欠陥装置であることを明らかにしたいと思います。
この点に僕が気が付いたのは2016年7月17日に伊方3号機で今回とまったく同じ故障事故が起こった時でした。

まず今回の故障事故がどのようなものであるのか、九州電力の説明に基づいてみておきたいと思います。以下の図をご覧ください。
玄海4号機 1次冷却材ポンプ
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0132/0123/bgojodfjdfk5.pdf

この炉は格納容器内にある「加圧器」で水圧を150気圧にまで高めています。そうすると水の沸点があがるのでより大量の熱を運べるようになるためです。
この炉の場合、300度でもまだ沸騰せずに熱水として「蒸気発生器」で二次冷却水に熱を渡し、蒸気を発生させてタービンを回しています。
ところがこの蒸気発生器が矛盾した役割を抱くことになります。細管が通っていて150気圧300度の熱湯が回っているのですが、圧力と温度に耐えるためには細管は肉厚が大きい方がいい。
一方で熱を伝えるためには小さい方がよく、どちらにも振り切れないまま、結局、何度もピンホールが空いてしまってきたのです。美浜原発では細管が破断する最悪の事故も起き、メルトダウン寸前に至りました。

このため開発者である三菱重工は、ピンホールが多くなると蒸気発生器本体を交換するようになりました。しかし図から見ても分かるようにこの装置はいざというときの砦のはずの格納容器の中に入っている。
設計段階では交換など予定していなかったので、容器を切断して交換せざるを得ず「心臓移植手術」などと揶揄されてきました。
一方でこの蒸気発生器の危険性の大きさのために他の部分の点検が十分には追いつかず、二次系の配管が破断してしまう大事故も同じ美浜原発で起きました。
定期点検中の作業員の頭上で熱湯が噴出し、4名が即死、もう1名が後から亡くなる大惨事でした。

さらに今回、また壊れたのが「一次冷却水ポンプ」でした。150気圧の熱水の循環を促進するためプロペラを回している装置です。そのためにはモーターが必要で軸が配管に対して直角に差し込まれています。
軸が回るためには当然にも隙間が必要ですが、しかし熱水が150気圧もあるのでここから上がってきてしまうのです。そのために三重のシールドが施されているのですが実はこの部分がうまくいかない。
このため伊方3号機も今回の玄海4号機も、あらかじめここを新品に交換したのですがそれでも事故を繰り返してしまった。

伊方3号機のときに調べてみたら、なんと同様の故障事故が過去にも起きているのです。2003年10月に伊方3号機で。2005年10月に美浜1号機で。
さらに川内1号機で2008年4月にプロペラを回している主軸が破断し、玄海3号機でも2011年12月に同じ主軸破断事故が起きました。根本的に欠陥装置なのです。

2016年夏にこれらを論じた記事を並べておきますので詳しくは以下をご覧ください。

明日に向けて(1282)伊方原発3号機ポンプ故障事故は大問題!再稼働を断念すべきだ!上‐20160724
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/643579af330808d6be892623cd6ed94b

明日に向けて(1283)伊方原発3号機ポンプ故障事故は大問題!再稼働を断念すべきだ!下‐20160724
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9a7954d2d3903adade7e5affa003fb26

明日に向けて(1295)事故を繰り返している伊方原発3号機はただちに停めるべきだ!‐20160828
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/2412481f98cbc23293ee38df3546e2a8

明日に向けて(1296)伊方原発3号機1次冷却水ポンプは耐圧試験で壊れた!ただちに停止すべきだ!‐20160829
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/bd1bfc81022eb59c30aa507aef2c5edc


さらに僕なりに問題の解明に至り切って書いた記事をご紹介します。

明日に向けて(1299)一次冷却材ポンプ、再循環ポンプは原発のアキレス腱!川内、伊方原発をただちに停止すべきだ!‐20160901
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/15be99138463055eb10641f091bb8341

これは冷却水ポンプが欠陥装置だと確信した僕が、元東芝の原子炉設計者の小倉志郎さんにお尋ねして得られた知見です。小倉さんはBWR(沸騰水型炉)でも同様の再循環ポンプがアキレス腱なのだと教えてくださり、こう語られました。
「私がBWRの原子炉再循環ポンプをはじめ各種のポンプでのシール部漏洩を起こした場合に良く見たのは『シール面=こすれ合う面=に微細な異物が侵入した』という理由です。しかし、分解してみてもそんな微細な遺物が見つかったためしがないのです。
今回の伊方の場合もそうですが、本当は漏洩の原因は不明なのです。しかし、『原因不明』と公表してしまえば『対策の妥当性』を説明できなくなります。そこで、苦し紛れの誰も確認できない理由を挙げざるを得ないのです。」

要するにどうして壊れるのか理由が分からないから抜本的な解決ができず、故障を繰り返してきたのです。
このことは原発が実は技術的に完成などしてないこと、核心部分に分からないことを抱えてたまま運転していることを示しています。

だから「何が起こるか分からない」(九電瓜生元社長)と言いながら再稼働しているのですが、そんなことがこれ以上、許されていいわけがない!
欠陥装置を抱えた原発をすぐに止めるべきです。玄海4号機一次冷却水ポンプ故障事故はそのことを私たちに告げています。

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