明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日にむけて( 12 )避難を遅らす「正常バイアス」

2011年03月31日 14時10分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110331 14:00)

非常に大事な記事を友人が紹介してくれました。
「避難を遅らす「正常バイアス」という記事です。この記事は昨年5月1日に
中日新聞に載ったもの。スマトラなどの津波のときに、目の前に津波が
迫りくるのを見ながら、なお避難しない人がいた理由などを解明したものです。

記事にはこう書かれています。
「現代人は今、危険の少ない社会で生活している。安全だから、危険を
感じすぎると、日常生活に支障が出てしまう。だから、危険を感知する能力を
下げようとする適応機能が働く。これまでの経験から「大丈夫だ」と思って
しまいがちだ。これが「正常性バイアス」と呼ばれるものだ。」

つまり危機が迫っても、それを打ち消す「適応機能」が働く。まさに
これが今、この国を覆っているのだと思います。
僕が「何とも奇妙な数週間」と呼んだものの実態がこれなのだと
「膝を打つ」気がしました。

記事はさらにこう続いています。
「私たちの調査で、災害でパニックが起こったと確認できる例はほとんどない。
特に日本のように地域の人同士がつながっている社会では、パニックは
起こりにくい。「自分を犠牲にしても」と互いに助け合おうとする心理が
強くなるからだ。

現状では、強い正常性バイアスの結果、パニックになる以前、つまり何が
起こっているのか分からないうちに災害に巻き込まれる。日本では避難警報が
出ても避難率はいつもゼロから数%程度と低いことからも明らかだ。
行政側はパニックを恐れて災害情報を過小に公表してはいけない。」

これまた膝を打つ思い。(実際には打ちませんが・・・)

ではこうした正常バイアスはいかにすれば解決できるのか。
記事はこう続きます。
「いざというときに正常性バイアスを打ち破り、「危険だ」と直感できるような
訓練をしておくことが大切だ。そのためにはある程度、災害の恐怖感を体に
覚えさせておかなければならない。」
ウーン、これも納得です。


今、原発事故を前にして起こっているのは、こうした「訓練」を行っていたか
いないかの大きな違いであるように思います。この場合の「訓練」とは、
シミュレーションも含みます。

原発に反対してきた人、批判的してきた人は、たいていチェルノブイリ事故に
よる放射能汚染地図などを見てきていると思うのです。半径数100キロずつ、
円が描いてあるものなどです。

瀬尾健さんなどは、これを日本地図に移した図をたくさん作ってくれました。
このおかげでこれを見た人々は、いわば図上訓練を行えていたと思うのです。
いざとなったら逃げなくてはという思いがインプットされてきた。

僕もその一人です。同時に僕には、こうした時に、政府はまず間違いなく
事態を明らかにしない。人々を逃がそうとはしない。だからそういうときは
逃げることを呼びかけなくてはという、非常に強い思いがインプットされて
きました。

こんな思いが的中したことなど、まったく嘆かわしいばかりですが、
しかし3月26日の原子力資料情報室の田中三彦さんの記者会見で、
地震当時、1号炉では冷却水喪失事故という「絶対にありえない」と言われて
きた深刻な事態が起こっていた可能性が極めて高いことが明らかにされました。

本当に不幸中の幸いで、とりあえず、大爆発には至りませんでしたが、
しかしあの段階で、逃げなければと思ったのは正しかったし、東電や政府は
それを人々に伝える義務があった。後々、裁きを受けることになる可能性が
極めて高いと思いますが、事態はそこまでいっていたのです。


では東電は政府はなぜそれを明らかにしなかったのか。第一にそういう
体質だからでしょう。チェルノブイリ事故のときも共産党幹部はまっさきに
「パニックを起こしてはならない」と考えたことが記録されています。それで
事故を3日間も秘密にしていた。周辺の人々はあの大惨事の中、普通に
暮していたのです。

東電も政府も旧ソ連と非常に似通った体質を持っている。それが『原発事故を
問う-チェルノブイリからもんじゅ』(岩波新書)の中で、作者の七沢潔さんが
書かれたことです。

しかし第二に、実は東電も、政府も、そしてマスコミの多くも、同じように
「正常バイアス」の虜になっているのではないかと、この記事を読んで
僕には思えました。

「パニックを起こすな」とは、実は自分に向けられている言葉でもあるのでは
ないか。なぜならこれらの人々は、原発は絶対に安全だと唱えてきたため、
事故時の訓練やシミュレーションをしてきてないのです。だからここでも
正常バイアスが働くのではないか。

ただ危機を隠ぺいしているだけでなく、ほかならぬ自分たち自身が、
大丈夫だ、これ以上悪いことにはならないのだ、事態は沈静するのだと
思いこみたい心理に捕われているのではないかと思えるのです。

そしてパニックを起こさないことこそが使命だと思いこんでしまい、
実際に人々を避難させる大変さ、責任を負う心理的苦痛から目をそむけてしまう。
だから避難対策でも、事故終息に向けた対応でも、後手後手になる。

繰り返し報道されていることですが、東電と政府は、事故直後に冷却材を
空輸してきた米軍の協力を断ったといいます。理由はそれを使うと廃炉になる
からだったそうです。つまり1号炉で冷却材喪失事故まで起こっているのに、
まだこれらの炉を廃炉にする判断ができなかった。

というか、最良の道をたどったとしても廃炉は免れない現実を直視できな
かったのだと思います。理由はここでも「正常バイアス」が働いていたから
です。危機回避の訓練をしてきていない以上、それはある意味で当然だとも
言えます。「想定外」のことに遭遇したら、人は無力になってしまうのです。


それでは多くの人々はどうでしょうか。それぞれの職歴や経験などで
大きな違いがあると思いますが、少なくとも原発に関して安全だと思って
いた人ほど、「正常バイアス」が働きやすいと思います。また報道で「安全」が
繰り返されることにより、これが増幅される「同調バイアス」というものも
働きます。

それで普段から原発の危険性を感じて、避難の必要性を感じた人、また
そうした信頼に足る友人が周りにいて、自分も家族や友人に避難の必要性を
説こうとした人は、この「正常バイアス」に直面してしまうことになります。

しかも今回の事故は少なくともここまで「ゆっくりとしたチェルノブイリ」として、
徐々に、進行してきています。だから避難を呼びかける側も、
一体どれぐらいの範囲が危険で、どこまで逃げなければいけないか、
明確に提示できないし、いつまで避難すればいいかも提示できない。

ここで重要なのは直面しているのは「正常バイアス」ばかりではなく
生活の現実性でもあることです。そもそも避難をしたとして、その先で
生活できるのか。収入や仕事はどうなってしまうのか、それが確保でき
ないと人はとても移動できない。放射能からのがれても、生活崩壊という
リスクを抱えてしまう可能性があるからです。

だから余計に、説得力を失ってしまう。でも家族のため、友人のため、
何とかしなければいけないという思いは強く、勢い、説得は感情的に
もなり、ますます相手の正常バイアスや、生活の現実性との距離を
埋められなくなってしまう。それが今、あちこちで起こっていることでは
ないでしょうか。


どうすればいいのか。まず第一に、この「正常バイアス」の心理構造を知り、
危険だと思う人と、思わない人に、心理的落差があることを受け止めること
だと思います。心理的な訓練を経てきてない人に、危機の全体像を
即座に飲み込むことはなかなか難しいと考え、すぐに説得できるとは思わない
こと、少なくともそうした心理的余裕を持つことです。

第二に、そこから自分自身が、「正常バイアス」とは逆の「危機バイアス」
に陥っていないかも問い返してみることです。これは正常バイアスが
強ければ強いだけ、不可避的に生じがちなことでもあると思います。
そうなると危機を訴える側は、ともすれば危機を誇張し、かえって説得力
を失う面があるように思えます。

第三、「正常バイアス」だけでなく、生活の現実性がそこにあることを冷静
に見つめることです。たとえ危険性は認識できても、避難する経済的根拠が
ないととてもできないし、それだけでなく、人には当然にも、それぞれ愛着の
ある土地をにわかに離れられない様々な理由があるわけです。これは
バイアスなどとはけして言ってはいけない、大切な思いだと思います。


これらを踏まえて、建設的な議論の可能性を探ることが大事ですが、
ではどのような事が可能でしょうか。僕は今からでも遅くはないので、多くの
人々に訓練を行ってもらうことが大事ではないかと思います。訓練には、
原発の危険性を知ってもらうことも含みますが、実効性の高いものと
して、放射線被ばくへの対処を進めるのが最も良いと思います。

放射能汚染の広がりへの不安は東日本では、すでに多くの人に共有され
つつあります。その点で、厚労省が乳児が飲む水のヨウ素汚染基準値を、
厳しくしてくれたことは、とても大事なことだったと思います。ある意味で、
被ばくから身を守る一つのシミュレーションになっただろうからです。

その後、汚染度が下がることによって、危機感は薄れているかとも思いますが、
しかし多くの人が、政府の「安全宣言」は信用できないと思って
いるのではないでしょうか。そうしたところで、放射線被ばくとは何か、その
知識を分かち合っていけば、みんなで実践的な訓練が重ねられるように
思います。

同時に放射線そのものは、現代医学の治療など、多様に使われているもので、
多くのことが解明されてきてもいること、そのためいろいろな対応が
可能であること、それを知らずに恐れてばかりいることもまた危険で
あることなど、専門家の知見に学びながら、共有していきたいところです。
こうした過程で、「危機バイアス」に捕われる可能性も越えていきたいものです。

その点で、避難の呼び掛けの討論が、現実的根拠も含めて、うまく進まない
場合には、放射線被ばくから身を守ることを呼びかけると良いのでは
ないでしょうか。何よりもいいのはここで学んだことは、これから長く、
有効な知識になっていくことです。


おそらく私たちは、早晩、汚染された土地に住み続けることや、汚染された
ものを食べたり飲んだりする選択を強いられると思います。いや実際に
それは始っています。何せ放射能が出続けているからです。
しかしその場合でもリスクを軽減する道はさまざまにあるし、そもそも危険
物質との共存は今に始まったことでもありません。そうしたことを冷静に見つ
めることも大事だと思います。

だからこそ、ここで得た知識は、先々も有効なものになります。
みんなで学び、みんなで賢くなっていきたいものです。結局それが、
放射能汚染に対する私たちの防御力を強めます。防御とは、汚染が
避けられなかった場合の対処も含みます。

こうしたことの中で、きっと道を大きく開くことができると僕は確信しています。
みんなで知恵を集めて、努力を重ねていきましょう。

・・・情報発信を続けます。


追記
なお、僕はこれまでの記事の中で、放射線被ばくへの対処などについて
触れてきました。それを含めたバックナンバーを見やすいようにしたと
考えていたのですが、3人の友人がそれぞれにページを作ってくれました。


一つはまずサクセスランニングのサイトです。
http://www.success-running.com/news/2011/03/post-66.html

また僕専用のブログも作っていただけました。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/

さらにピースウォーク京都のHPの中にも、特集コーナーを作っていただきました。
http://abc.pwkyoto.com/

ご活用いただければと思います。
ご友人に紹介していただける場合は、好きなページを使っていただけたらと
思います。


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避難遅らす「正常性バイアス」 広瀬弘忠・東京女子大教授

 津波の避難勧告が出ても避難しない人が問題になっている。「自分は
大丈夫」。そんな根拠のない気持ちを抱いてはいないだろうか。そんな心
には「正常性バイアス(偏見)」が強く働いていると災害心理学の専門家、
広瀬弘忠東京女子大教授は言う。打ち破るにはどうしたらいいのかを聞いた。

 避難が遅くなる仕組みは?
 現代人は今、危険の少ない社会で生活している。安全だから、危険を
感じすぎると、日常生活に支障が出てしまう。だから、危険を感知する能力を
下げようとする適応機能が働く。これまでの経験から「大丈夫だ」と思って
しまいがちだ。これが「正常性バイアス」と呼ばれるものだ。

 強い正常性バイアスのために、現代人は今、本当に危険な状態でも
「危険だ」と思えない。チリ大地震の津波が押し寄せているのに、見ている
だけで逃げない人の映像が日本でも流れた。強力な正常性バイアスの
例と言える。

 災害でパニックはめったに起こらないと指摘している。
 私たちの調査で、災害でパニックが起こったと確認できる例はほとんどない。
特に日本のように地域の人同士がつながっている社会では、パニックは
起こりにくい。「自分を犠牲にしても」と互いに助け合おうとする心理が
強くなるからだ。

 現状では、強い正常性バイアスの結果、パニックになる以前、つまり何が
起こっているのか分からないうちに災害に巻き込まれる。日本では避難警報が
出ても避難率はいつもゼロから数%程度と低いことからも明らかだ。
行政側はパニックを恐れて災害情報を過小に公表してはいけない。

 逃げ遅れないために必要なことは?
 いざというときに正常性バイアスを打ち破り、「危険だ」と直感できるような
訓練をしておくことが大切だ。そのためにはある程度、災害の恐怖感を体に
覚えさせておかなければならない。

 人間の脳は自分が意識して何かを感じる前に行動を決定する。例えば
戦場のベテラン兵士は訓練の結果、思考する前に、「危険だ」と行動できる。
兵士ほどではなくとも、災害に対してそういった感覚を磨くことが、生き残る
ために大事だろう。

 具体的に必要な訓練とは?
 文字や映像だけで災害の恐ろしさを知るのではなく、実践に近い形の訓練が
有効だと思う。日常生活に身体的、心理的なマイナスの影響があるかも
しれないが、それを補って余りあるプラスがある。訓練で出るマイナスを
認めるような姿勢が世論にも必要だ。

 バーチャルリアリティー(仮想現実)技術を活用して造った装置でも、かなり
現実に近い体験ができるかもしれない。予告せず、抜き打ちで実施する防災
訓練も一案。病院ならば入院患者がいる状態で避難訓練をするのもいい。
現実味を帯びた状況を演出しなければいけない。

 結局、災害で生き残るのはどういう人か。
 正常バイアスを打ち破ったうえで落ち着いて判断し行動する人が最終的には
生き残る。1954年、青函連絡船の洞爺丸が沈んだ。そこで生き残った
乗客の1人は船が座礁したことから海岸に近いと判断し、救命胴衣をつける際、
衣服を全部身につけるなどこういう場合に不可欠な準備をし生き抜いた。
冷静に状況を分析し行動した結果だ。

 災害を生き抜いた人は周囲が犠牲になったことを不当だと感じず、私たちは
社会全体で生還者を心から祝福する雰囲気をつくることが大切だ。それが
復興の原動力となる。

(中村禎一郎)

【ひろせ・ひろただ】 1942(昭和17)年東京都生まれ。東京大文学部卒。
著書は「人はなぜ逃げおくれるのか」「災害防衛論」(以上集英社新書)
「無防備な日本人」(ちくま新書)など。


◆世界で起きたバイアス

韓国・大邱(テグ)市で発生した2003年2月の地下鉄放火事件は、正常性
バイアスが招いた災害での悲劇の象徴的な例だ。

 放火された車両から火が燃え移った対向電車で、煙が立ち込める中、
ハンカチで口を覆いながら車内でじっと待つ乗客の姿が撮影されている。
「安心してください」との車内放送も流され、運行側が乗客のパニックを恐れて
情報を出さないのと、乗客側の正常性バイアスが重なり、被害の拡大に
つながったとされる。避難が遅れ、死者192人を出した。

 1977年5月、米ケンタッキー州のクラブで164人が死亡した火災でも、
ボーイが「火事です。近くの出口から慌てず逃げて」と呼び掛けても、客たちの
反応は鈍かった。コメディアンのショーの一部だと思われ、火事と気付くのに
1分はかかったという。

 01年9月の同時多発テロで旅客機が突っ込んだニューヨークの世界貿易
センタービルでは、警察の誤ったアドバイスが正常性バイアスを高めたといえる。
北棟64階の公社職員がすぐに避難すべきかを尋ねると、警察署は「動かない
でください。警察官の来るのを待って」と指導。プロの言葉を過信した結果、
避難は1時間後になり、多くの人が地上までたどり着けなかった。
 (安田功)

2010年5月1日
http://www.chunichi.co.jp/article/earthquake/sonae/201005/CK2010050102000172.html

コメント

明日にむけて( 11 )福島原発の今(原子力資料情報室公開研究会より)

2011年03月31日 01時08分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

守田です。(20110331 1:00)

3月29日に、原子量資料情報室の公開研究会が行われました。
ノートテークしましたので、みなさんにお知らせしますが、今回の後藤政志さんのお話はなかなか難しいです。また実際にはスライドを示しながら話しているのですが、ここでは文章だけになるため、さらに難しいかと思います。

その点で、ノートテークした全文を最後につけますが、この点は細かい点を知りたい方のみお読みください。簡単な要約を守田が行っておきます。(なお今回も、引用などの場合は、後藤さんの言葉そのものとしてではなく、あくまでも守田が聞きとった内容として紹介して下さい)

研究会では、まず上澤千尋さんより、今回の事故の概要と推移が話されました。これはまとめとして便利だと思います。

続いて後藤政志さんが、1時間近くお話しされました。
今回のお話で一番、重要な点は、このところ、タービン建屋の下に溜まった放射能汚染水をどうするかに報道の焦点がいっていますが、その合間に、原子炉の底が1号機から3号機まで抜けているという重大な事実が明らされた。何の説明もなかったが、これは大問題だという点にあります。

いまだ原子炉内の核燃料は、崩壊熱を持っており、冷やさなければどんどん溶けてしまう状態にあるし、何よりこれが外に漏れてしまうことが一番、深刻な事態です。ところがそれがすでにもう一部で、起こっているというのです。

その場合、後藤さんは、原子炉の下から差し込む形になっている制御棒のさやの溶接部分が弱いので、そこから漏れているのではないかと推測しています。ともあれタービン建屋の汚染水よりも、原子炉の
漏れが最も注意すべきことであるにも関わらず、ここがどうなっているのか分からなくて、心配だとのことです。ここが今回のお話で一番、重要な点だったと思います。

他の話は、これまでも強調されてきた点です。
一つには、原子炉も格納容器も、圧力だけでなく、温度で壊れてしまう可能性があるにも関わらず、温度情報が出ていない。センサーが壊れて測れないかもしれないが、そうなると温度に容器がもたなくなる可能性がある、これが心配だと言うことです。

またこれまで繰り返されてきたベントという行為が、設計思想上、あってはならないことであり、本来、「平身低頭して、これから毒ガスを出します」と言うべきものだということも強調されていました。後藤さんは、他のところでベントを、設計者たちは「原子炉格納容器の自殺」と呼んでいたことも紹介しています。そのため今後のベントに注意し、そのような批判的な眼を持って見て欲しいとのことです。

最後に、実は福島原発で今回のような事故が起こる可能性が解析されていたことが紹介されました。それは天文学的な確率とされていたそうです。そこからたとえどれほど確率が低かろうと、物理的に絶対にあってはならないものが起こりうる可能性があるものは、選択してはいけないのではないかと後藤さんは話をまとめられました。

以上を、要点の紹介としておきます。

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2011/03/29 CNIC第73回公開研究会
『福島原発で今なにが起きているのか』
講師
後藤政志さん(元原子力設計技術者、博士(工学))
小倉志郎さん(柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える技術者・科学者の会)
上澤千尋(原子力資料情報室・原子炉安全問題担当)
海老沢徹(元京都大学原子炉実験所)


「事故の概要と推移について」
上澤千尋さん

3月11日14時26分 地震発生
他の原発はどうだったのか。
女川原発、1,2,3号運艇中→原子炉緊急停止→冷温停止
東海第二原発、タービン停止→原子炉停止→冷温停止
東通原発→定期点検中
六ヶ所再処理工場→非常用電源による冷却→通常電源に復帰
福島第二1,2,3,4号→圧力抑制機能喪失(外部電源は確保)→冷却機能復旧→冷温停止

福島第一原発→非常に深刻
地震を受けた後に、津波で沿岸施設の多くを失う。
重油タンク類が流出し、ポンプ類も水をかぶる。

1号から3号まで止まったが、電源を喪失。非常用ディーゼルを起動させたが、津波でそれも失われた。冷却ができない状態が発生。

12日15時36分 1号炉水素爆発
13日11時01分 3号炉水素爆発
14日06時30分 2号炉水素爆発(サブレッション・チェンバーで)
15日05時45分~11時16分4号炉プールで水素爆発と火災
(このときかなりの放射能が発生)
16日0:00頃1号炉?ベント(かなりの放射能発生)
16日12:00頃2号炉、3号炉ベント(かなりの放射能発生)

このためかなり広い範囲に汚染が広がる。
第一原発から北東側が特に高濃度。
スピーディーが小児被ばくを予測(ただし公表は3月24日)
ドイツの気象庁なども、今後どのように放射能が拡散しうるかの予測を出しているが、日本ではこのような発表がない。

原子炉内の主な放射性物質
これまで報道させたもの。ヨウ素131(半減期8日、甲状腺にたまりやすい)。セシウム137。
28日にプルトニウムも検出。揮発性のものだけではなく燃料が大きく破損しなければ出てこないもの。
検出はサイト内の少し離れた所からもされている。

以上。



福島第一原発事故
炉心溶融、原子炉破損、格納容器破損
後藤政志さん

後藤です。私は東芝で原子炉プラントの設計に関わった。
地震当日は調布にいて家に帰らずに止まった。家に帰って原発が危ないと聞いた。格納容器の圧力が設計圧が2倍になっていた。緊急時代で、炉心溶融が始まっている。これはスリーマイル島事故にいくとすぐに分かった。

いてもたってもいられなくて、たまたま発言する場があったので実名で話をさせていただいた。
私は、福島のものは設計していない。女川、柏崎、浜岡の一部に関わった。

実際にやった仕事は、格納容器がどのぐらい持つか。どのぐらいの温度で壊れるかが専門だった。
日本のBWR(沸騰水型原子炉)の全部について研究をしてきた。米国や英国の研究所とも共同研究をした。

原子炉は20メートルぐらいある。原子炉建屋があり、その中に格納容器があり、さらにその中に原子炉がある。
これとは別に、タービン建屋というものがある。これの方が原子炉建屋より大きい。今、タービン建屋の下に水が溜まっていることが問題にされている。この直近で問題になったことを、マスコミが大きく取り上げたので、私なりに説明したい。

もともとこの事故は全電源喪失事故だった。業界用語ではステーションブラックアウトという。自分の家で言えば停電が起こったに過ぎない。電気がこなくなるとプラントはダメになる。

地震が来ると地震3原則が進む。止める、冷やす、封じ込めるである。それで制御棒が入って、止まった。発表でも安全に止まったとされた。

しかし実はここが問題で、冷却機能を失っていた。津波でダメージを受けて、電源が動かなくなった。本来は電源がなくなると非常用のディーゼルエンジンが起動して、電気を起こし、ポンプを動かす。多重化のために、幾つも作っている。これがダメになり、炉心に水が入らなくなり、溶けてきた。


タービンの話に戻したい。原子炉で何らかの形で、放射能を含んだ水が漏れて、タービン建屋に溜まった。原子炉は厚さ10数センチあり、その中に燃料棒がある。しかしその放射能が外に出ているということは、炉心が傷んでいることを示している。どこから出てきたのかはよく分からない。

いずれにせよ大量の水が溜まっている。高濃度の放射能を含んでいる。設計的には、放射能は原子炉から出てはいけない。出たら即、事故を意味する。これは格納容器のバウンダリーが壊れたことを意味する。安全の最後の砦が突破されてしまったということ。

1号から3号までそれぞれ大量の水が溜まっている。2号が一番汚染がひどい。これは何とかしなくてはならない。ほっておくと、あふれて海や土壌を汚染する。必死になってどうしようかとなっている。

原子炉はどんどん冷却し、燃料プールも冷却してさらに水がくる。そこで復水貯蔵タンクにもっていくしかなくなる。
個人的には、米軍が外からバージというタグボードで引っ張ってくる鋼鉄製の船があって、真水を1000トンオーダーで持ってきて供給しようとしている。いいアイデアだが、これを使うといい。

これなら相当ガードできる。船は格納容器ほどの放射能を防ぐ機能はない。しかし流出はしない。それに移すといいのではないかと私は思う。


これはこれで大変なことだが、私が気にしているのは、この汚染水に注目が集まっているときに、原子炉の底が1号機から3号機まで抜けているということが昨日、明らかになった。これは知らない人が多い。報道があまりされなかった。しかしこれはとんでもないことだ。

原子炉圧力容器に穴が開いて、原子炉内と、原子炉格納容器がツーツーになっている。それが説明もなしに報道されて、そのまま全く取り上げられてない。そのことに私はとても危機感を持っている。

原子炉の中に核燃料がある。それはまだ燃えている。熱が出ている。これはずっと出る。冷やし切るまでは年単位がかかる。それでないと溶けてしまう。

ウラン21トンに対して、石油換算では30万トンタンカー5台ぐらいになる。大きなエネルギーを持っている。小さいものでも大きな熱量を持っていて、冷やすのを止めると溶けだす。

私はプラントが止まりました、安全ですと言われたとたんに愕然とした。これは何だと思った。もちろん、やたらと危機感をあおる必要はないと思う。

しかしもう止まりました、安全ですでは人をばかにしている。そういうことをやっているから、後で水素爆発が起こって、慌てることになった。今もやっていることはすべて後手後手だ。


話を技術的なことにしぼりたい。
原子炉の圧力が高くなると主蒸気逃がし弁というものがあって、ここから逃がすようになっている。自動的に動いて、格納容器に水蒸気に逃げて、圧力抑制プールに入るようになる。

このため原子炉格納容器は、上の部分のドライウェルと、圧力抑制プールがあるウェットウェルに分かれている。この二つをつなぐものをベント管という。この二つの中に放射能は押し込めなければならず、これができないときには運転してはいけない。

ところが実際には、色々な事故があったときに、耐圧ベントというところから圧力を抜いた。これは異例中の異例だ。これは放射能を閉じ込める容器だから、放射能を外に出す弁など本来、あってはいけない。設計思想上はそうなっている。

しかし今回のように圧力があがったらどうするかということで、後で付け加えられたのがこの弁である。

事故が起こって、電源がないため、非常用の冷却系統がダウンして、水が入らなくなった。熱が高いので、燃料棒が露出してきて、水素が発生して、それが建屋に溜まって爆発が起こった。

原子力プラントの場合、燃料が露出したら水素が出るのは常識。その水素が爆発することになる。しかし格納容器の中はチッソが封入してあるので、すぐには爆発しない。


直近に原子炉の底に穴が開いているという情報があってのでそれを推測したい。データがほとんどないので、確実なことはいえない。設計してきた立場の推測になる。

下の部分に制御棒駆動機構(CRD)ハウジングがある。下から制御棒を燃料の間に入れる。中性子を吸収して核反応を止める。ところがこれが原子炉の下から、差し込むように作っていて、原子炉と溶接してある。ここが熱に弱くて、ここから溶けた燃料が漏れている可能性がある。


最悪のシナリオという話がある。スリーマイル島の結果を見てみたい。この場合はPWR(加圧水型)原子炉で炉形は違った。
この場合は、福島と同じように、冷却水が入らなくなり、燃料が露出し、溶け落ちてしまった。

その後に、7,8年もの間、放射能が強くて中が分からなかった。
それから調べた。そのため事故の研究は20年とか行っている。後追いになる。福島も同じだ。われわれが中を見れるのは10年後になる。

そこで一体何が分かるのか。どこまで溶けたのか誰も分からない。
今も分からない。実は私は不安で仕方がない。唯一あるのは圧力容器の外側の2か所の温度を計測している。

それもどれだけ正確か分からないが、一時期、設計上の設定を越えて400度になり、非常に心配した。その後、少し落ち着いてきた。300度ぐらになってきているが、1号炉はまだ予断を許さない。

他の炉は、180度ぐらいまで落ちてきているが、忘れてはいけないのはまだ熱を出していることで、冷却を止めたら、また温度が上がっていく。ガスコンロに鍋がおいてある状態で、水を足さないと沸騰してしまう。

スリーマイル島のときは、原子炉下部に溶けたデブリが溜まった。もう少しで抜け落ちるところだった。これが抜け落ちるとどうなるかが問題だ。そうなることを何とか防がなくてはいけないというのが
一番の基礎になる。


格納容器の特徴を述べたい。福島のものはマーク1型という。特徴は圧力抑制プールに水があることにある。格納容器の設計では、原子炉がフルに運転しているときに、どこかの配管が切れる。蒸気が出る。その場合に、もっとも厳しい配管が切れても、圧力と温度がおさまるようにしている。
この場合に、圧力抑制プールで蒸気をふく。水で蒸気を凝縮するので容積が小さくなる。加圧水型にはこれがない。

今回のように冷却系がきかなくなると、サブレッションプールが利かなくなる。そうなると、圧力が高まって、格納容器が壊れてしまう。

2号機については、この圧力抑制プールのどこかが壊れていると発表されている。水素爆発の可能性がある。

格納容器が漏れているが、どこからか。水素が外に出た。格納容器の上の蓋の部分を止めてあるが、そこからと思われる。構造的に壊れるよりもここから漏れる方が早い。

これをフランジというが、ボルトでとめてあって、シリコンゴムのガスケットが入っている。280度から300度ぐらいで漏れてしまう。私はこれを研究していた。

ガスケットと同じようにケーブルが通っているところがある。原子炉は放射能を封鎖しているが、ケーブルを通さなければいけない。ここをエポキシで止めてある。ここも熱に弱く、漏れる関係がある。ここから圧力と温度に関する限界が出てくる。

実験と解析によると、設計上では138度、4気圧内にしてある。ところが今回は、温度はデータが出ていない。センサーが死んでいる可能性がある。圧力は設計圧力の1.7倍から2倍に推移している。それでそのままでは壊れるのでベントをしている。

格納容器は実は絶対に放射能が漏れないといことはない。堆積×0.5%が1日に出てもいいとなっている。設計上、そうなっている。これを満足しないと運転できない。

2号機は、何ケタも上で漏れている。1号機、2号機は、設計よりも圧力は上がっているし、温度も上がっているかもしれない。かなり大きな漏えい率になっている可能性がある。
運転しているときとはまったく違った状態になっている。ただ1号と3号の場合は、ダダ漏れではないだろうと推測している。

一番心配なのは温度データがないことだ。圧力は2倍近くになるとベントを行っている。「白煙が出たが、また止まった」とあるが、格納容器からリークした可能性もある。


どのように考えるか。
炉心は長期にわたって水面から出ている。ただし水位計が正しいか分からないが、かなりかなり損傷していると思われる。

燃料プールはどうか。運転が終わると、原子炉を入れて、そこに水をいれてそのままとりだして、プールに持ってくる。外には出さない。ところがここの水が抜けたので、ここでもかなり損傷している。

しかもクレーンなど、大きな構造物が落ちて、燃料棒にあたっている可能性がある。また爆発でコンクリートが損傷しているので、プールも壊れているかもしれない。どうなっているか分からない。それが心配だ。

今回のアクシデントは、シビア・アクシデントで、設計条件を超えている。
1980年代ごろは、日本ではシビア・アクシデントはないと安全委員会を含めて言い続けてきた。

1990年前後から、さすがに議論がはじまり、1994年にありうると方針転換した。しかし無視するほどに小さく、対策を義務化しないことになった。それで代替給水系ができたが消火系を使おうというものにすぎなかった。
過酷事故対策は、新たに追加したのではなく、経済性を考えて、あるものを使うとなった。この系から消防車などで入れていると思う。

格納容器は、事故があっても、放射性物質を中に閉じ込めるものだ。その機能を失ってはいけない。しかし圧力があがってきたらどうするか。圧力容器はどんなものでも安全弁がある。しかし圧力容器は、放射能を閉じ込めるものだから、これは安全弁とはいえない。放射能を放出するのだから、危険バルブだ。

東電や保安院の発表で腹が立つのは、このベントが必要があるので、当然、行っているように言っていることだ。全く違う。本来、絶対にやってはいけないことだ。そのために格納容器を作ったのだ。

だから本当は、平身低頭して、これから毒ガスを出しますと言うべきものなのだ。それをあのように、このまま圧力があがって困るから吹くというのはまったく違うと思う。法的には絶対に違う。やってはいけないことをやっているのだということを認識して欲しい。

私は技術者として、格納容器に放射能を閉じ込めることにかけてきた。しかし条件が整わないと、突破されることが分かった。それで私は格納容器が壊れるということを認識した。

スリーマイル島は、格納容器が壊れずに助かった。福島はもう格納容器が破損している。ぜんぜん違うのだ。チェルノブイリは爆発してしまった。あれは格納容器がないからとか言うが、それは違う。あんな爆発に持つような構造物はないのだ。

福島も今だからそれほどクリティカルではないとは言えるが、炉心が溶融している状態で、冷却に失敗して、溶融物が出て来て、最悪の場合、再臨界する可能性もあった。簡単にはならないが、そうなったらそこで格納反応が始まる。原子炉が止まったら再臨界はありえないと言っているが実際にはホウ酸水を入れている。あれは再臨界を恐れているからだ。ホウ酸水は中性子を吸収するので、臨界をおさえる。

要するにありうるかどうかは、確率的なことになる。あるかないかに対して普通のことなら、まあ、いいかということになる。例えば1万回に1回だったらいいかと考えてほしい。確率で落としていいというのは、他のリスクが高すぎる場合に限る。


話を戻すが、ベントで、格納容器が壊れるのを防ぐために仕方がなくて出す。
この場合でも、フィルターを介して出す。しかし今のものは、それも介してない。全然違う。大量に出す。とても放射能を処理できないので、フィルターもない。

これを使うのはケースでいったら、計算上は何千年に1度というもので、間違ってはいけないので、ラプチャーディスクというものがある。この場合でもサブレッションプールを介する。水を通ると、そこで
放射能がある程度とれる。

ところが先日、どうもこのバルブが動かなかった。それでウェットウェルベントができないといった。ドライウェルから直接出す。つまり原子炉からダイレクトに放射能が出る。そうすると今までひとけた以上のものを出すとさらりと言った。そのため、これからベントする時はウェットウェルとドライウェルで全然違うので非常に気にしている。


炉心溶融について説明したい。
冷却しないと、燃料が溶けて下に落ちて、原子炉格納容器を貫く。そのまま地下に潜ることが考えられるが、そのときに水をかけると水蒸気爆発を起こす可能性があり、周りの構造物を壊す。再臨界の可能性もある。
メルトスルーという現象もある。格納容器の中を溶けたものが流れて、ベント管の継ぎ目などから漏れ出す。

3号炉の確率論的安全評価というものがある。確率的に何が起こるかを解析したもの。
電源喪失が大きく、注水失敗、崩壊熱除去失敗とかが並んでいる。これが天文学的に小さい数だと発表してきた。しかし実際に起こった。

炉心が溶ける可能性が換算された。その場合、格納容器がどこまで持つかを解析した。これは確率的に小さくても物理的に起こりうるものとしてあった。こういうものを許していいのかが問題だ。


今の状況では一番の問題は安定的に冷やせるかだ。放射線に被ばくするので大変難しい環境だ。しかしなんとかしなくてはならない。大切なことは、今何をすべきかということを、きちんとデータと考え方を添えて出すべきだ。

半径20キロ以内は逃げろと言う。なぜなのか。分かっていることを全部出して言って、みんななくなく避難するのだ。ところが炉心がどうなっているのかも言わず、大丈夫だと言いながら避難しろと言う。こんなに馬鹿にしたことはない。私はここを誠意を持って明らかにすべきだと思う。



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明日に向けて(10)「何とも奇妙な数週間」の中を生きる

2011年03月30日 14時30分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

守田です。(20110330 14:30)

みなさま。
今日も、ゆっくりとしたチェルノブイリ事故が進んでいます。

想像を絶する量の放射能が依然、漏れ続けています。しかし新聞を検索していても徐々に原発関連の記事量が減りだし、他の記事の割合が増えているように思えます。

記事自身は、一時期のような「安全だ」のオンパレードや、楽観論、好転の兆しばかりを並べるような論調は低くなりつつあります。相変わらず価値判断抜きのままですが、大変シリアスな事実も書かれています。しかし、全体として見た場合、原発災害の扱いそのものが小さくなりつつあります。

漏れ出した放射能の総量はますます増え、放射線被ばくの恐れがさらに深刻になっているのに、いや、現に今、被ばくが進んでいるのに、関心が薄らいでいく。やはり「何とも奇妙な数週間」が進行中です。

正常な危機意識を保つのが難しくなりつつありますが、しかし現状をきちんとウォッチして、危険性を指摘し続けている人々もいます。そうした人々の発信をより集め、解析し、みなさんにお届けするのが今の僕の役割だと思っています。


さて福島原発では、タービン建屋などに溜まった放射能汚染水をどうするかに、報道が集中しています。数千トンの汚染水が溜まっています。日本の新聞は、もっぱらどのように除去するのかについての報道に終始していますが、ロイターには、アメリカの「憂慮する科学者同盟(UCS)」による放射能汚染の深刻さの指摘の記事が載りました。

この団体(Union of Concerned Scientists)は、1969年、科学の悪用・乱用を防ぐことを目的に、マサチューセッツ工科大学の教授や、学生によって設立された非営利の科学者団体だそうです。ワシントンDCやバークレーにも事務所を置き、10万人以上の科学者や市民を会員にしています。

同団体が指摘するのは、周辺の地下水、貯水池、海水が発電所から漏れ出た高濃度の放射能による「著しい汚染」に直面していることです。これは現在溜まっている汚染水が、数千トンに及ぶことや、すでに相当量が、海に流れ込み、汚染度が上がっていることなどからの判断のようです。また「建屋内にたまった水が蒸発することで、放射性物質が拡散する可能性」も指摘しています。

しかしこれは考え見れば、至極当たり前の推論だとも言えないでしょか。むしろこう考えない方がおかしい。そもそも、これまで原発の安全性は、放射性物質が5重のシールドで封印されていることにあると強調されてきたのにそれが破られたのです。

5重とは、放射性物質が、セラミック状態に焼き固められた燃料ペレットの中にあること、その周りをジルコニウム合金で被覆してあること、厚さ15センチぐらいの鉄板から作られた原子炉圧力容器があること、さらに厚さ3センチぐらいの原子炉格納容器があること、その周りに原子炉建屋があることです。

ところがこの5重のシールドはすべて破られてしまったのです。すでに気化しにくいプルトニウムが検出されているように、ペレットの中身が、冷却のために後から後から注いでいる水によって、外に大量に漏れ出して来ているのです。つまり放射能を防御するシールドは穴だらけで、時間が経てば経つほど、よりたくさんの放射能が出てくる。だからこそ、速やかに距離をとらないと危険です。

しかも汚染水は数千トンです。どれほどの汚染になっているか、誰も分からない状態です。時によって水面から1000ミリシーベルトもの放射線が出ていることが確認されてる程度です。このようなものをモニタリングすることなど、誰も想定してきていない。だからその実態も含めてアンコントロールなのですが、これまでサンプリングされた数値からも、とにかく「膨大」な量であることだけは分かります。(もはや「高濃度」も、「膨大」も意味をなしません。こういうのを桁外れと言うのでしょうか)

それは当然、さまざまな形で周りの環境を汚染します。海に入れば、海洋汚染もさることながら、近辺の浜にもうちあげあげられるでしょう。またいろいろな形で地下水脈の汚染も進むでしょう。記事もあるように、蒸発した水から放射性物質が拡散する可能性も極めて高い。

そしてそれは風に乗って周辺に飛んでいきます。いや今まさに飛んでいっているはずです。なぜかそれはモニタリングされてはいない。しかしそう遅くないうちに急激に放射能汚染の拡大が表面化する可能性が高いと思われます。

だからこそ避難を急ぐべきです。とくに福島県の人々全体の救出が急がれねばならない。それと知りつつ、口にしない政府とマスコミは、許されることのない罪を犯しつつあるのではないでしょうか。


続いて同じ事態を扱っている朝日新聞の記事を紹介してあります。朝日の記事は、汚染水の除去や、原子炉建屋を覆う布の使用など、もっぱら対処の方にフォーカスして書かれています。

そこからもこの処置が並大抵ではないことがうかがえます。タンカーを使う案が書かれていますが、そのタンカーはそのあとどうするのだろうと、津波で陸に打ち上げられたたくさんの大型船を目の当たりにした誰もが
思うのではないでしょうか。

しかも良く読むと、「燃料取り出し・移送」班は、建屋が倒壊した場合、どうやって破損した燃料を取り出し、どこに運ぶかを検討している。」と書かれている。つまり建屋が倒壊の危機に立っていることがここから分かります。ここにも危機の実態が見え隠れしています。しかし価値判断は出てこない。ただ、対処を行っているという政府の発表を、広報しているだけです。


さらにもう1本の朝日新聞の記事では、「温度や圧力の上昇が懸念されている1号機の原子炉は、29日に一時
300度を超えるなど不安定な状態が続く。2、3号機と比べ6割の出力しかなく、原子炉が小さいことから、「わずかな水量の違いで、温度や圧力が大きく変わることがある」という。」

という重大な事実が記事の中にさらっと書かれています。しかしそれが意味するのは、1号炉が、不安定で非常に険な状態にあり、「わずかな水量の違いで、温度や圧力が大きく変わることがある」という事実です。ここから温度や圧力のせいで、原子炉が崩壊してしまう可能性があること、それが「わずかな水量の違いで」起こりうることを、読み取ることが可能です。

この点は、元原子炉設計者の後藤政志さんが、原子力資料情報室の会見で繰り返し指摘してきたことです。原子炉圧力容器も、格納容器も、圧力だけでなく温度によっても破たんすることがある。

しかも1号炉は、原子炉格納容器が、一たび設計基準の4.3気圧を倍する8気圧にもなったことがありました。また温度も設計基準の302度を超える400度超にもなった。繰り返しダメージを受けているのです。その炉が「わずかな水の量の違い」で一気に危険な状態に陥ってしまう状態下にあります。

すでにここで報じたように、3月26日の原子力資料情報室の、田中三彦さんの会見でも、そもそも1号炉は地震当日に、冷却材喪失事故を起こしていた可能性が高いことが明らかにされています。配管の破断などが起こったことが予想されそれは今なお、修復できていないはずです。だから水がたまらず、コントロールができない。必死になって抑え込んでいるけれど、非常に難しい状態にあるのです。

これほどの危機があるのに、しかも後から後から放射能が漏れているのに、この国では、危機に背を向けた「奇妙な数週間」が進行しています。


明日にむけて、私たちたちは危機から目をそらさず、私たちのできることを模索し続けましょう。放射線被ばくから、少しでも多くの人を守りましょう。そのために危機をきちんとつかんでおくことが大事です。危機感と倫理観のマヒに陥っている政府とマスコミの醸し出す雰囲気に飲み込まれず、放射能を「正しく怖がり」続けることが大事だと思います。

繰り返しますが、放射能汚染は確実に広がっています。一時期の数値に一喜一憂せず、原発からどんどん出続けている現実に着目しましょう。近いところから、被ばくから身を守る態勢をより固めていきましょう。


情報発信を続けます。


(追記:ここまで書いて発信しようとしたときに、一番下に貼り付けた産経新聞の記事が目に飛び込んできました。どうかお読みください)




福島原発事故、周辺の地下水や海水、「著しい汚染」の恐れ=科学者団体

 [ワシントン 28日 ロイター] 科学者などで成る国際的な非営利団体「憂慮する科学者同盟」は28日、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響について、周辺の地下水、貯水池、海水が発電所から漏れ出た高濃度の放射能による「著しい汚染」に直面していると指摘した。

 数日前は、放射能は広大な海に流れ出れば薄まり、人体に影響を及ぼすリスクはないとの見解を示していた。しかし、28日に2号機のタービン建屋から外部につながる坑道(トレンチ)で高濃度の放射性物質を含む水が
検出されたことから、より厳しい見解を示した。

 地震で冷却機能を失った原発にはこれまで、海水を注入するなどの作業が行われてきた。専門家は、各種報道によれば、使用済み核燃料棒プールの水は満杯、あるいは放射能物質を含む水が流れ出ている可能性があると指摘。

 原発の構造に詳しい物理学者である「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン氏は28日の電話会見で「これによって海水が深刻な汚染に見舞われないとは考えづらい。希薄化される一方で、一部は再濃縮される
こともある」と述べた。

 環境や人体への影響を正確に予測するには、日本側からのさらなる情報が必要としている。また、東京の水道水で低レベルの放射能物質が検出されたことと、最新の事実との関連性には言及していない。

 ライマン氏は、原発を冷却するために使用された海水は放射能物質を含み、周辺の海、貯水池、地下水を汚染する可能性とともに、原子炉内外から漏れ出た水が危険と指摘した。

 週末には2号機のタービン建屋地下にたまった水から原発通常運転時の10万倍という高濃度の放射性物質が検出されたと報道されたが、「憂慮する科学者同盟」の原子力の安全性プロジェクトの責任者で原発エンジニアのデビッド・ロックバウム氏は「(放射性)物質が漏れ出す経路はいくらでもある」と指摘。1号機、3号機、4号機は建屋が崩壊しているため、もはや汚染が防御されない状態で、建屋内にたまった水が蒸発することで、
放射性物質が拡散する可能性があると述べた。

(2011年 03月 29日 13:02 JST)
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-20310620110329


建屋、特殊布で覆う案 内閣、放射性物質の飛散防止に

放射性物質の飛散対策(イメージ)

 東京電力福島第一原発で、建屋が吹き飛んだ1、3、4号機に、特殊な布をかぶせて放射性物質の飛散を防ぐ策を菅内閣が検討している。原子炉を安定して冷却するための電源復旧などに向けた作業環境を確保するためだ。タービン建屋地下に漏れ出した高濃度の放射能を含む汚染水の対策には、汚染水をタンカーで回収する案も出ている。東電の作業は難航しており、より大がかりな計画が必要との認識だ。

 関係者が朝日新聞社の取材に明らかにした。二つの対策は、放射性物質が原子炉から出続けていることで、原子炉の冷却作業がうまく進まなくなったため、急きょ出てきた。自然環境に大量の放射性物質をまき散らせていることへのあせりもある。

 大気への飛散対策では、まず1~4号機の建物内に付着している放射性物質に、特別な塗料を吹き付けて、閉じこめる。

 次に、原子炉建屋の上部を失っている1、3、4号機の壊れた部分を、特殊な布製の仮設建屋で覆う。密閉すると再び水素爆発が起きる危険性が出てくるため、フィルター付きの換気設備を取り付けることも検討している。

 タンカーで回収する方法は、強い放射性物質を含む汚染水の存在が、電線敷設やポンプなど各機器の復旧など、原子炉を冷やすために必要な作業の妨げになっていることや、水量が増え海にあふれ出る危険性が指摘され始めたため、首相官邸を中心に28日に浮上した。

 具体的には、第一原発の港湾部に空のタンカーを横付けし、2号機などに大量にたまっている放射性物質で汚染された水をポンプなどを使って移す案が出された。

 ただし、国土交通省などから、大型のタンカーをつけられる岸壁施設が整備されていない、など慎重な意見が出た。ポンプで水を移す際の作業員の安全が確保できない、といった反対意見も広がった。

 菅内閣はこのほかにも、厳しい放射線環境下で人間が作業することには限界があるため、ロボットを使ったり、機材をリモコンで操作したりするなどの対応も、産業界や米国と連携して考えている。

 第一原発の事故問題などを担当する首相補佐官に任命された馬淵澄夫・前国土交通相が、細野豪志・首相補佐官とともにチームをつくり、対策を練り始めた。

 対策チームには関係省庁や原子力安全委員会などの関係機関、東京電力、原発設備に関係する電機メーカー、ゼネコンなどが入っている。米国からも原子力規制委員会が参加している。

 チームは「遮蔽(しゃへい)」「リモートコントロール」「燃料取り出し・移送」の三つの班に分かれ、検討作業を進めている。

 「燃料取り出し・移送」班は、建屋が倒壊した場合、どうやって破損した燃料を取り出し、どこに運ぶかを検討している。
(2011年3月30日3時3分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY201103290495.html


汚染水、玉突き排水作戦 作業員419人苦闘

 東京電力の福島第一原発1~3号機のタービン建屋地下にたまった汚染水の排水作業が本格化している。29日朝の時点で419人の作業員が参加している。

 1号機では、6台の仮設ポンプを使って、毎時18トンの水を復水器に移している。仮設のポンプでは十分な能力が得られず、1台のポンプで水を地下から1階までくみ上げて、もう1台のポンプで復水タンクに入れるリレーを行っている。

 2、3号機の復水器は満水状態なので、もともと復水器内にある汚染度が低い水を、建屋外の「復水貯蔵タンク」にすべて移し替えて復水器を空にする。復水貯蔵タンク内の水は別の「圧力抑制室用貯水タンク」に移し替えて、それぞれ空き容量を確保する作業を28日に始めた。

 圧力抑制室用貯水タンクは各号機共用で、4号機の南にある2基は容量計6800トン、うち空き容量は約4千トンとみられる。2、3号機の貯蔵タンクを空にして、復水器に最大限の容量を確保する綱渡りの作業を続けている。

 一方、原子炉や使用済み燃料プールを冷やす注水作業は続いている。

 温度や圧力の上昇が懸念されている1号機の原子炉は、29日に一時300度を超えるなど不安定な状態が続く。2、3号機と比べ6割の出力しかなく、原子炉が小さいことから、「わずかな水量の違いで、温度や圧力が大きく変わることがある」という。

 また、3号機建屋の外で残留熱除去海水系配管の部品を取り外した際に、協力企業の作業員3人が配管にたまった水をかぶったものの、水をふきとった結果、放射性物質の付着はなかった、と発表した。

 4号機では、中央制御室が29日点灯。これで1~6号機すべての中央制御室が点灯した。

(2011年3月30日0時1分)
http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY201103290497.html


福島原発、放水口付近の海水から3355倍のヨウ素検出

 一度は減少も再上昇

 東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故で、東電は30日、福島第1原発の南放水口付近で、基準値の3355倍となる放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。これまでに海水から検出された中では最も高い値。

 東電によると、海水は29日午後1時55分に採取され、基準値の520.2倍のセシウム134なども検出された。

 また、29日午前8時20分に同地点で採取した海水では、ヨウ素131は基準値の2572.5倍、セシウム134は同395.5倍だった。

 同地点では、26日午後に基準値の1850.5倍のヨウ素131が検出されていたが、28日午後には同27.9倍まで低下していた。

(産経新聞 3月30日(水)12時50分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110330-00000543-san-soci




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明日にむけて( 9 )原発をとめるために、こどもを救うために・・・

2011年03月29日 18時27分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110329 18:20)

企画の呼びかけをご紹介します。
中心になっているのは、わが親友の、橋本尚樹さんです。

***********************

原発をとめろ!
核事故の真相を明かせ!
こどもを救え!


電力を使っているからって黙っていてはいけない。
同じことが二度と起こらないように、
未来に対しての責任が私たちにはある。

パニックが恐ろしいという。
けれど、危険が近くにあるのに静かに慣れてしまうのは、
もっと恐ろしいことではないか。


4月3日 16時 デモ出発 ~    ※雨天決行 

コース 三条川原→河原町通→河原町通仏光寺→折り返し
     →市役所前 解散

集合   15時

    ※プラカードなどを持参してください。


主催:原始力の会とピースウォーク京都

連絡先:橋本 080-5356-2140
    (仕事中は電話に出られません)

「放射能の測定器設置とデータの開示などを求める」



●「放射能の測定器設置とデータの開示などを求める」とは、どういうことか。

「放射線や放射性物質は目に見えない。」
だから、それが危険だとしても、またいくらかならマシだとしても、
大量に飛んできていても、少ないにしても、
見えないままだと、どういう対応をしていいのか判断することができない。

これから何をするにしても、放射能の危険がなくなるまでは、
それを「目に見える」ようにして、判断ができるようにしなければいけない。
そして、それは早い方がいい。
放射線や放射性物質を検出できる測定器が多ければ多いほど細かく測定できる。

ただ、その測定結果が一方的に知らされるような状態では、
個々に判断して行動することができない。
一目で判断できる情報として、いつでも誰でも知ることができるように
公開されていなければいけない。


●3月11日の「日本の被災」について個人的な想い

福島原発で水素が爆発して建屋が吹っ飛んだというニュースを聞いた時、
僕は100キロ圏の人はみんな避難してもらった方がいいのではと思った。
地震と津波によって悲惨な状況を知っていても、
救助の手が全然届いていないことを知っていても、
住み慣れた町、想い出の詰まった土地を離れることが辛いだろうとは思っても、
すぐに政府は最大限の力で住民を避難させるべきだと思った。
そうした方が安全を確保できるし、支援もできると思ったからだ。

日が経つにつれて、原発の被害は大きなものとなり、
放射能の危険が広がっていった。
ただでさえ困難で、被害の極端な現地までの道のりに、
放射能という大きな障害ができていた。
放射能は、その多くが海へと飛んでいるようだけれど、
現地にいる避難所の人のもとへも関東平野にも広がりつつあるようだ。

テレビではシーベルト(Sv)という初めて聞く単位で
放射線についてと言われるが、
どの数値をどんな風に判断材料にしてよいのかわかりにくく、
その上、その判断材料の数値が全然、そろわない。
ついで食料品などに今度はベクレル(Bq)という聞きなれない単位が使われる。
原子核が崩壊して放射線を放つ量が1ベクレル。
それが計測されるということで、どんな種類の物質かもわかるのか、
とにかく何かがそこにあるということはわかるようになってきた。
けれども、全ての放射性物質が計測されているわけでもないようだ。

生活の中では、水を使い、風呂にも入れば、洗濯もする。その水も汚染の対象だ。
料理は一種類の単品ではないから、総合的な放射線量もわからない。
とにかく、多かれ少なかれ汚染があるならば、
それがどれほどの数値であるのかわからなければ、灯らない信号のようなものだ。


関西からは、関東や東北がどんな状況にあるのか大まかにしかわからない。
個々人の生活がどれほどに大変で、
どれほどに不安に塗りつぶされているのか、どれほど悩ましい状態なのか。

「現地にいる避難所の人たちが我慢しているのに」と関東の人たちも我慢して、
そこでの生活を続けているらしい。
「せめてパニックにならないように」と精一杯頑張っているようだ。
けれど、もう「買占め」や「ガソリン不足」というパニックが
起きているように思える。
明らかに、何らかの不安と何らかの判断によってそれは起きている。


「冷静に判断してください」と「デマやチェーンメールに注意」と政府が言った。
テレビでは、専門家、学者と呼ばれる人たちが話している。
専門家や学者と呼ばれる全ての人が正しいのだろうか。
それとも間違っているのだろうか。
(僕は学問とは「全ての人間に寄与するもの」と考えている)
テレビに出ている多くの学者は原発を「安全なもの」と言っていた人たちでは
なかったのだろうか。
いずれにせよ、全部を人任せにしていて自分で選ぶという暮らしができるだろうか。

「まだ逃げることもできない現地の人を置いて、
自分たちが逃げるわけには行かない。」
関東に暮らしている多くの人たちがそう思っているのかもしれない。
けれども、この震災被害は日本全体のことではないだろうか。
関東の人もまた、仕事や住居、
生活の基盤となる事柄から離れるとなると苦しいどころではないと思う。

しかし、乳児は大人の3倍も放射線に対し感受性があるということだ。
ましてや、胎児ならどうだろうか。
また、これから生まれてくるこどもはどうなるのか。
せめて、小さなこどもがいる家庭だけでも
長期に渡り避難できる体制を作れないだろうか。
それが無理にしても、相応の補助金が出せないものだろうか。


関西にいてもわかることは、今、相当の支援とそれに見合う物資やお金、
時間が必要だろうということ。
避難してくる人を確実に受け入れていかなければいけないということ。
そして、それらを補償するのが国だとするなら、それらを揃えるためのお金がいる。
莫大な税金が使われることになると思う。


自給率が3割強という中、そのさらに何割が失われることになるだろうか。
海の汚染もどうなるものかわからない。
日本の経済力も落ちるだろう。
世界でも有数の食糧輸入国である日本であっても、食糧難のことを考えてしまう。
自給率を上げなければどうしようもないと思う。

原発の事故を、原発の被災を、ただの事故や被災と考えていいだろうか。
地震大国だと自他ともに認識できる国で、あの原発が作られていたこと。
東京電力のついていた嘘もそうだが、
それを結果として認めていたこの国の「過ち」ではないだろうか。


この「日本の被災」を機に、今からでも最善を尽くして、
こどもたちが安心して暮らせる世界を残していかなければいけないと思う。
そして、まだ現地は孤立していると言っていい状態であるし、
原発は危機的状況から脱してはいない。




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明日にむけて( 8 )数字にマヒしてはいけない!

2011年03月29日 18時05分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110329 18:00)

みなさま。今日も、「ゆっくりとしたチェルノブイリ事故」が進行中です。
放射能(放射性物質)がどんどん漏れ出していますが、数値がどんどん
大きくなって、だんだん世の中の感覚がマヒしだしているように思えます。
少なくとも政府や現場の記者たちは、かなり前からマヒしてしまって
いるように思えてなりません。

記事について解説します。
一つは、原子炉のタービン建屋の地下に、大量の放射性物質によって
汚染された水がたまっているというニュースです。それがタービン建屋の
外の「たて坑」と「坑道」に膨大にたまっていて、今にも海に漏れ出し
そうになっています。想像を絶する量です。

他のニュースでは、海に漏れないための対処を始めたとありましたが、
まずは土嚢を積んでいるといいます。またポンプで他の貯水槽に送る
こともしているそうです。

この汚染水の一部から、1000ミリシーベルトの放射線が出ている。
1シーベルトです。また単位が上がってしまった。しかも毎時です。

これまで繰り返し述べてきたように、私たち一般人が浴びて良い
放射線の許容量は1年間に1ミリシーベルトです。
それに対して、今、毎時1シーベルトの放射線が出ている。
1年間になおしたら8760シーベルト、ミリになおしたら、8,760,000
ミリシーベルトです。つまり一般人の許容値の876万倍の強さの
放射線です。


さらに原発から40キロ、45キロと離れた地域でも驚くべき値が出ています。
記事には、

「北西約40キロの福島県飯舘村で26日に採取した雑草1キロ
グラム当たりから、過去最高値の放射性セシウム287万ベクレルを検出
したと発表した。北西約45キロの川俣町でも過去最高値のセシウム57万
1000ベクレルを検出」

とあります。ここでも何百万という値が出てしまっている。
ちなみに、ものによって規制値はまったく違ってくるので、単純比較は
できないのですが、水道水に対するヨウ素汚染について、乳児に対する
規制値が、1キログラムあたり、100ベクレルであることを思い出して下さい。


さらに毒性の極めて高いプルトニウムまでもが検出され始めました。
さすがに枝野官房長官も「大変、深刻な事態」と述べましたが、どれほど
多くの人が、「大変、深刻」と受け止めることができたでしょうか。


数値感覚がマヒしつつあります。
これもまた、ゆっくりとすすむチェルノブイリ事故の特徴だと思えます。
そしてこのマヒが、私たちから、放射線被ばくから身を守る力を削ぎつつ
あります。このマヒは極めて危険です。


こうした中で、一昨日、東電や保安院が誤った数値報告を行いました。
タービン建屋に溜まった水の中から、ヨウ素134が1CCあたり29億ベクレル
検出されたという内容でした。僕はこれを新聞記事で読み、目が飛び出そうに
なりましたが、少しして、本当だろうかと疑わしくなりました。

この値だと、1リットル29兆ベクレルになってしまう。そうなるとあそこにざっと
見積もっても数トンの水が溜まっているはずだから、10万兆ベクレルぐらいに
なってしまう。つまりヨウ素134だけで10万テラベクトルになる。

しかしチェルノブイリ事故の際に放出された放射能の総量ですら180万
テラベクトルと言われていて、その5%以上の放射能にあたるヨウ素が、
あの水に溜まっていると言えるのだろうか?当然他の元素もあるはずで、
これはもの凄い値を示していることになる。

いやまてまて、そもそも自分の計算はあっているだろうか。テラと億を
間違えてはいないか・・・、繰り上げを間違えていないか・・・と、キツネに
つままれたようになり、しばし検算を繰り返しているうちに、発表の訂正が
報じられたことを知りました。


当然と言おうかなんと言おうか、新聞社各社は東電を責めました。枝野
官房長官も「あってはならないこと」と指摘しました。
しかし、そもそも1CC29億ベクレルもの水があそこにあるのだとしたら、
それが、もの凄く大変なことだということ、とんでもないことになっている
ということに記者たちは思いいたらなかったのだろうか。

だからまた疑ってしかるべきことでもあったことを、記者たちもまた、
まったく理解しえなかったのではないでしょうか。だからそのまま、
記事にしたのではないでしょうか。

また枝野官房長官も「あってはならないこと」と指摘しましたが、そもそも
このような、専門家でさえも混乱して発表を間違えるような、もの凄い桁の
放射性物質が次々と漏えいしていること、この現実の方が「あってはならない
こと」であり、その現実が、どれほどの危険をもたらしているのかという点こそ
がハイライトされ、指摘されねばならないのでしょうか。

ところが数値を間違えた東電の側がたたかれている。そのような場合では
ないのに・・・。

放射能に対するマヒが始まっています。
東電、保安院、政府と、マスコミから、マヒが始まっているように僕には思えます。


こうした中で、私たちに大切なのは、私たちまでも、数値にマヒしてしまわない
ことです。

何度も繰り返しますが、私たち一般人が、年間に浴びても良いとされている
放射線の値は、年間1ミリシーンベルトです。これはこの国の法律で
定められていることです。

1ミリシーベルトの放射線を浴びると、長年経ったのちにガンになる
確率が、10万分の5生じます。50ミリシーベルトを浴びると、すぐにもガンに
なる可能性、遺伝に悪い影響を及ぼす可能性が生じます。それがこれまで
共通認識にされてきたことがらです。

そしてそこからするならば、現場でどれほどとんでもない量の放射能が
漏れ出しているか、はっきりと理解するこができるはずです。
1時間当たり1000ミリシーベルトの放射線が出ている。年間になおしたら
876万ミリシーベルトです。そんなものが今、現実に私たちの暮しの近くで
出続けているのです。

みなさん。放射線被ばくへの身構えを、きちんと取り続けましょう。
身構えの第一は、正しい知識です。

それがマヒしてしまえば、避けるものも避けられなくなる。ある意味では、
マヒした方が今は楽ですらありますが、しかし長い目で見たとき、大きな
不幸に捕われてしまいます。
それこそ、励まし合って、正常な感覚、したがって正しい恐れを持ち続ける
ことが大事です。

放射能を正しく怖れましょう!
まさに今、それが問われています。


******************************


2号機建屋外に高濃度汚染水 地下坑道通じ漏出

建屋外への汚染水流出の様子

 東日本大震災で被害を受けた福島第一原発で、東京電力は28日、2号機の
タービン建屋から外へつながる坑道とたて坑にたまった水から、毎時1千ミリ
シーベルト以上の放射線が測定されたことを明らかにした。汚染水は容量
ほぼいっぱいとみられるが、排水作業は難航している。燃料を冷やすために
注水は止められず、水の漏出は続き、汚染水は増え続けるとみられる。
このまま行けば、大量の放射能を海など外の環境に投棄せざるを得なくなる。

 原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は28日の会見で、
「正直、大変な驚き。憂慮している」と話した。土壌や海水の汚染を引き起こす
可能性もあるというが、「どのような形で処理できるか知識を持ち合わせて
いない。原子力安全・保安院で指導していただきたい」と話した。

 東電によると、1~3号機でタービン建屋から外につながるたて坑と坑道に
水がたまっているのを見つけた。2号機の場合、たて坑は深さ15.9メートル、
坑道は長さ76メートル、容積は6千立方メートル。水の表面の放射線量は
毎時1千ミリシーベルトを超えた。その場に15分いるだけで作業員の
被曝(ひばく)限度量の上限を超えてしまう値だ。

 2号機では、タービン建屋内でも、同程度の汚染水が見つかっており、
東電は、建屋と坑道の間で水が行き来しているとみている。

 タービン建屋内は放射能を厳格に管理する放射線管理区域だが、坑道は
区域外。坑道には冷却用の海水をくみ上げて熱交換器に送る配管などが
通っている。汚染水はたて坑の出口から1メートルのところまで上がって
きており、ほぼ容量いっぱいとみられる。

 その一方で、東電は原子炉への注水作業を続けている。燃料を冷やすため、
注水を止めるわけにはいかない。だが注水を続ければ、坑道への水の
漏出が続くことになる。

 東電は対策として、タービン建屋からの水抜きを考えている。つながって
いる可能性が高いところを抜けば、坑道やたて坑の方の水位も下がるかも
しれないという。

 具体策として、あふれた水を復水器に戻そうとしている。だが、2号機では
復水器が満杯。3号機も容量に問題があり、排水作業は難航している。

 原子力安全委員会は28日夜の記者会見で、坑道の水がすでに海に
漏れている可能性もあるとの見方を示した。原発の沖合の海水を調べる
地点を増やして監視を強めるという。東電によると、たて坑の出口から
海までは約55メートル。海に漏れた跡は確認できないというが、坑道には
継ぎ目があり、防水加工は完全ではないという。

 2号機以外では、1、3号機の線量は、1号機の坑道の水表面で毎時
0.4ミリシーベルト、3号機は空間の線量で毎時0.8ミリシーベルトだった。
タービン建屋内の汚染の傾向を反映した数値になっており、いずれも
坑道と建屋内の水はつながっていると見られる。

 だが、東電の武藤栄副社長は26日の会見で、タービン建屋の地下で
汚染水が見つかったことについて、「(放射線管理区域から)外に出ていく
経路というのは設計上造っていない」と説明していた。

 また、汚染水が放射線管理区域外で見つかったのは27日午後だったが、
東電の武藤副社長は28日夜の会見で「情報は28日午後に聞いた」と述べ、
異常に気づいてから1日経って報告を受けたことを明らかにした。

2011年3月29日1時10分 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY201103280589.html


福島第1原発 2地点で放射性物質急増 福島・飯舘村など


拡大写真

福島第1原子力発電所周辺の累積線量結果
 文部科学省は28日、福島第1原子力発電所から北西約40キロの福島県
飯舘村で26日に採取した雑草1キログラム当たりから、過去最高値の放射性
セシウム287万ベクレルを検出したと発表した。北西約45キロの川俣町でも
過去最高値のセシウム57万1000ベクレルを検出。これまで減少傾向だった
放射性物質が2地点で急増した。文科省は「採取場所が全く同じではなく一概に
評価できないが、高いレベルの放射性物質が残留していることは確かで、
農作物への影響を注視する必要がある」と説明した。

【写真特集】自衛隊による福島第1原発の空撮映像

 飯舘村の雑草のこれまでのセシウム最高値は20日採取分の265万ベクレル。
セシウムの半減期は約30年で、採取地点付近では拡散しないで残留している
可能性が高い。一方、放射性ヨウ素は20日採取分の254万ベクレルから
103万ベクレルに減少。半減期が8日のためとみられる。

 川俣町で26日採取された雑草のセシウムは25日採取の49万7000ベクレル
を上回ったが、放射性ヨウ素は66万3000ベクレルから48万8000ベクレルに
下がった。これも半減期の差が影響しているとみられる。

 27日に採取した水道水1キログラムでは、茨城、栃木、埼玉、東京など
10都県で放射性ヨウ素0.34~37ベクレル、栃木、東京など6都県で
放射性セシウム0.25~5.2ベクレルが検出された。

 28日午前9時までの24時間で採取した1平方メートル当たりの定時
降下物(雨など)は茨城県で放射性ヨウ素74ベクレル、放射性セシウム
21ベクレルを検出。他に9都県でヨウ素6.3~59ベクレル、6都県で
セシウム5.5~36ベクレルを検出した。

 都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は28日
午後5時時点で茨城県0.229マイクロシーベルトなど7都県で1時間当たりの
大気中放射線量の通常値を超えた。いずれも数値は低下傾向。

 一方、原発から20~60キロ離れた福島県内の41カ所の屋外で28日
午前6時~午後4時にモニタリングカーで調査したところ、1時間当たりの
大気中放射線量は0.3~77.6マイクロシーベルトだった。【篠原成行】

(毎日新聞 3月28日(月)22時7分配信)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110329k0000m040079000c.html


福島第1原発:「一定程度溶融裏付け」プルトニウムで長官

枝野幸男官房長官
 枝野幸男官房長官は29日午前の記者会見で、福島第1原発の敷地内の
土壌からプルトニウムが検出されたことについて「核燃料に由来すると
思われる濃度比率のものが報告されているので、燃料棒から出ている
可能性が高いのはほぼ間違いない。燃料棒が一定程度溶融したと思われる
ことを裏付けるものだ」と述べ、核燃料や格納容器が損傷している可能性が
あるとの認識を示した。

 枝野氏は「大変深刻な事態だが、それによる周辺部への影響をいかに
阻止し、収束させるかに全力を挙げている」と述べた。【影山哲也】

(毎日新聞 2011年3月29日 11時28分 更新:3月29日 11時43分)
http://mainichi.jp/select/today/news/20110329k0000e010046000c.html




コメント

明日にむけて( 7 )気仙沼からの便り・・・その 2

2011年03月29日 16時07分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110329 16:00)

気仙沼のアビスさんからの便りを転送します。

なお、本日夜遅くに、京都から気仙沼に向けて、援助の車が出発します。
現地ではリストにある物資とともに、ノートパソコンを求めています。
現在使っているデスクトップパソコンでは、通信環境が悪く、ノート
パソコンなら、近くの図書館で高速ランに接続できるのだそうです。

このため僕自身が、富士通のFMVを1台調達し、動作チェックを終えたの
ですが、少々古いもので、使えはするものの環境が安定しません。
もし提供できる方があればご連絡ください。
(今からでは今夜の便には間に合いませんが、入手できたら、その後、
何らかの手段で送りたいと思います。)

以下、転載です。

*****************************

311東日本大震災後の岩手県陸前高田市 宮城県気仙沼市唐桑町
2011年03月28日20:24

昨日、宮城県気仙沼市唐桑町小原木中学校の 避難所に行った後、
岩手県陸前高田市まで足を伸ばしてみました。

カメラマンとして同行を頼んだ、Mちゃんの甥は、高田高校の卒業生です。
彼もテレビをとうして、何度も高田の様子を見ていたそうですが、
テレビと現実とのギャップに、比喩しようにも言葉が見つからない。
それが彼のせーいっぱいの比喩でした。

駅と高校の間を、3年通ったのに、今自分がどこにいるか、わからないと、
言ってました。

同じような経験を、気仙沼市鹿折駅前で、陸に上がった鯨のような
でかい船の前で、 俺も経験しました。

何十年も住み慣れた町で、目をつぶっても家に帰れた町で、
ある人は、戦後の焼け跡と錯覚し、ある人は、ハリウッドのセットに
迷い込んだような錯覚に、見舞われたことでしょう。

(アビスが撮った、映像のリンクです)
http://www.youtube.com/watch?v=ZBmnNkPufcQ&feature=player_embedded

http://www.youtube.com/watch?v=aCBrigkwnDk&feature=player_embedded

http://www.youtube.com/watch?v=zknbqVc2Fx0&feature=player_embedded


リストに加えたい物があります。 2011年03月28日20:28

311から、もう17日が過ぎました。環境の変化が激しかったこの期間、
子供たちのストレスは、家が無事だった俺には、想像することは、
出来るのでしょうか?

そんな子供が、泣き声を上げる事しか、意思を表示するすべがない今、
その声に、Stopはかけられない。
しかし、何十年も汗に埋もれて、働いて、やっとの思いで建てた家が
瓦礫になり、 希望とか、夢とかの言葉の意味が
分からなくなってしまった人が、泣く子供に怒鳴ってしまうことも、
Stopはかけられない。

今、私たちに何が出来るか?

小さい子供に、絵本をください。
新品じゃなくてもけっこうです。

小学生ぐらいを対象に、漫画もいいと思います。

人生ゲームみたいなのが、押入れにほこりをかぶって、
眠ってませんか?

ほかになんか思いつきませんか?、
書き込みにて、アイディア募集中!

それから、インスタントの味噌汁、スープ

すべてのもので、LLサイズが不足。
(尿漏れパット 生理用品 介護用おむつ 靴下 
    下着 長靴など、、、。)
   
ゴミ袋
 


昨日までのリストです。

紙オムツ
介護用尿取りパット
尿取りパット
生理用品   (各世代に対応できるように各種お願いします。)
トイレットペーパー
粉ミルク
ひげそり
下着   年配の方用には、股上の深いもの。ズロース。
   老若男女 どんなサイズでもけっこうです。 
   若い女性のブラジャーと言う声も、聞きました。
靴下    
腹巻    
 (下着、靴下、腹巻、などは、くれぐれも新品でお願いします。)
便秘薬
胃腸薬
目薬
風邪薬
長靴
爪きり
髪用ブラシ
使い捨て料理用手袋 (薄手)

新品のタオル
中古のきれいなタオル

新品のタオルは体などに使い、中古のきれいなタオルはほかの用途に
などに使います。
(新品のタオルと中古のタオルは見分けやすいよう透明の袋などに
分けて送ってください)


軍手
傘(折りたたみのほうが送るときに幅をとらず助かります)
耳かき
乾電池
靴   (きれいに洗ってあれば、
      中古ももらってもらいました。)
  (各世代に対応できるように各種お願いします。)
自由帳
トランプ
カルタ
将棋

童謡などの CD (コピーしたCD-Rで、結構です。)
(例:うたうううあ いろんな避難所に振り分けるので、
     同じものがあってもけっこうです。)

やはり、消耗品の紙オムツ 介護用尿取りパット
    尿取りパット  生理用品 トイレットペーパー
    粉ミルクなどは、非常に喜ばれます。

衣類、寝具、食料は、
足りていると聞きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山水人の仲間で、被災したアビスを通して、気仙沼周辺に、
持続可能な支援をしていきたいと思います。
是非、皆さんのご協力をお願いいたします。
以下義援金の振込先です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★郵便局からのお振込み…
【ゆうちょ銀行】口座名/ヤマウト
 記号一番号/14460-3267501
★他の金融機関からのお振込み…
【ゆうちょ銀行】口座名/ヤマウト
(店名)四四八(ヨンヨンハチ)
(店番)448 [普通預金]口座番号/0326750

「俺は、Hippyだから、全国に友達がいて、
  みんな心配していろいろ物資を送ってくれています。」
て、胸を張って言ってます。
「近くの行政より、遠くのHippy」と、
  思ってもらうように、
    皆さんの善意を届けたいと思います。byアビス



コメント

明日にむけて( 2 )あえて最悪のシナリオを考える (再送)

2011年03月29日 12時17分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。
一部の方に、「明日にむけて(2)」が届いていなかったようなので
再送します。重複するから申し訳ありません。

**************************

守田です。(20110328 1:00)

最悪のシナリオを考える意義

3月25日に、「マル激トーク・オン・ディマント」という番組で
僕が尊敬する京大原子炉実験所の小出裕章さんが電話インタビューに
答えられました。
それをノートテークしたので、みなさんにご紹介したいと思います。

番組は、「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」と題して
行われました。政府は安全、安全と繰り返していますが、現場を見ている
と到底、そうは思えない事態が進んでいます。このような中では、むしろ
現実に何が起こっているのかを知ることのできないことの方が不安だ
と番組の主催者たちはいいます。

そのため、敢えて「最悪の場合」はどうなるのか、科学的な洞察を
行ってもらい、それを踏まえて、危機への対処の心構えを作って
いこうという趣旨で番組が構成されました。

僕はこの考え方に大賛成です。なぜかと言えば、僕もまたこれまで
原発をウォッチしてきて、最悪のケースが起こりうる危機が続いている
と感じているからです。にもかかわらず、それがまったく隠されている。
これでは人々は危機に無防備なまま晒されたままです。

私たちは、最悪の場合、どのようなことが起こりうるのかを知って
おかなければ、ただ、おろおろと戸惑い、慌てふためき、パニックに
陥るだけです。
そうではなくて、どれほど恐ろしくとも、最悪のケースが何かを
理解していれば、何らかの構えを作り出すこともできます。

また現にあるこうした危機の可能性を伏せたまま、安全を強調されても、
相次ぐ放射能漏れの中で、もはや誰もが納得することができず、不安
ばかりが高まっているのが現状です。このままではむしろこうした不安を
背景に、何かのはずみで違ったパニックが生じてしまう危険性が高まって
います。社会学者もパニックを防ぐに一番大事なことは、真実をきちんと
伝えることだと指摘しています。

その意味で、政府の安全だ、安全だという言説がことごとくはずれて、
放射線被ばくが拡大している現状の中では、むしろパニックを避ける
ためにも、起こりうる危機は何なのかということと、誰もがしっかりと
向かい合い、自分にはどのような選択肢があるのかどうかを
考えることが大切です。

この番組のノートテークとその紹介も、同様の観点から行おうと思います。
その意味で、これは私たちの未来=明日にむけて、とても大事な内容だと
思っています。
ただし、最悪の場合の予想には、ショッキングな内容も含みます。
どうか冷静になって、小出さんの説明と向かい合ってください。

番組の案内と、出演者は以下の通りです。
「マル激トーク・オン・ディマンド 第519回(2011年03月25日)」
特別番組 「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」
http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php#profile_link

出演:
飯田哲也氏 (NPO環境エネルギー政策研究所所長)、
小出裕章氏 (京都大学原子炉実験所助教)
矢ヶ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)
松井英介氏 (元岐阜大学医学部助教授)
青木理   (ジャーナリスト)
宮台真司  (社会学者、首都大学東京教授
神保哲生  (ビデオニュース・ドットコム代表)

(なおノートテークは、主に小出さんのインタビューを扱っています。
また時間がないので、細かくきちんと校正ができていません。
そのため、転送などの場合は、あくまで守田による聞き取りと
説明書きして下さい。これをそのまま、小出さんの発言としては
送らないでください。)


青木
-今の現状は

小出
放射性物質は、原子炉本体と、使用済み燃料プールから出ている。
プールは1号炉と3号炉はむき出しになっており、4号炉に外から
見えるので、水を入れることはできる。放射線の強いところでやらなければ
ならないので、大変だが、原子炉本体を冷やすことと比べるならば
楽だと思う。問題はやはり原子炉本体をこれからずっと冷やしていけるかにある。

-原子炉はどんな状態にすすみうるか。

原子炉と呼ばれているものには3種類ある。炉心、炉心を含んでいる
原子炉圧力容器、全体を包んでいる格納容器、用語の混乱がある。
原子炉が壊れているという報道がある。炉心の中は壊れているが、
私は原子炉圧力容器は壊れてないと思う。格納容器は1号機から
3号機までどれも一部損傷はあると思う。

-現段階で考えられる可能性は

原子力安全委員会が、30キロ圏内も避難した方がいいと言いだした。
その理由として「放射能のこれからの漏えいが続く可能性を否定でき
ない」という根拠だった。政府も東電も最悪の事態がありうると判断
しているのだと思われる。

私が恐れているのは、メルトダウンがおきて、水蒸気爆発がおきて、
圧力容器が破損するということだ。

炉内には冷やすために水を入れている。水が熱を奪うと水蒸気が出て、
圧力があがる。そのためにベントで意図的に水を外に出してきた。それは
もうどうしてもやらざるをえないなっている。しかしそれ以外に原子炉
格納容器自身があちこち壊れて、水が漏れている面もあると思う。

タービン建屋で作業員の被ばくが起こった。それは主蒸気隔離弁という
一番大きなバルブが損傷して漏れていると思う。原子炉で発生する蒸気は
タービンに送って発電する。事故がおこったときは、主蒸気隔離弁というものを
閉めて、蒸気がタービンの方にいかないようにする。それが壊れていると
思う。それで漏れたと推測される。

-それが通常の冷却水の1万倍の放射能と言われたものだろうか。

そうだ。原子炉の水は、それほど放射能が高い濃度ではないので、1万倍と
いうのは私はそれほど高くはないと思う。つまり原子炉の破壊がそれほど
高いものではないのではと思える。それでも通常の状態の1万倍で、それが
隔離弁の損傷で、タービン建屋に流れているというのが私の推測だ。

-3号機はMOXなので毒性が強いのだろうか。

そうだ。プルトニウムという元素は、人類が遭遇した物質のうちで最悪の毒性
があるいわれていて、生物学的には毒性は、ウランの20万倍ある。
しかし私はMOXだから特に危険度が上がるとは思っていない。もともと
原子炉というものがウランを核分裂させて、核分裂生成物を作ってしまう限り、
とてつもなく危険なのだ。その上にプルトニウムを使う危険が、なにがしか
上積みされるということだと私は思っている。

-最悪のシナリオは、メルトダウンして圧力容器に穴があいてしまうという
ことだろうか。そのときはどうなるのか。

中のものが爆発的に放出される。すでに溶けてしまったものが、水の上に
落下して水蒸気爆発を起こす可能性を私は捨てきれない。その場合に
格納容器が壊れてしまえば、爆発的に放射能が外部に放出される。

-そうなった場合に、チェルノブイリ以上の惨事になるだろうか。

もちろんだ。どれか1つがそうなったら、作業員が発電所にとどまれなくなる。
そうすると必死でやっている冷却ができなくなるので、みんな壊れる。

-現在から予想すると、周辺はどうなるだろうか。

多分だが、日本の法律に照らしていう限り、かなりの土地が、放射線管理区域
に指定しないといけなくなっている。法律に厳密に従うならば、その地域を
無人にしなければいけない。それが今でも発電所の敷地から40キロまで達して
いる。それをどう考えればいいか、途方にくれている。

-最善の可能性、これでなんとか冷却が行われた場合はどうなるのか。
朝日新聞に1カ月で冷温停止すればいいと発言されているがそんなにかかるのか。

ポンプがすぐに動けばそんなにはかからない。しかしすでに原子炉の中に、
海水を大量に投入している。塩分を含んでいるので、あちこちに塩が析出
していると思う。塩分は多分、ポンプが動くことにも、冷却にも障害になる。
それを考えると、ずいぶん長い時間がかかるのではないかと私は思う。

-1号機、3号機は水素爆発で建屋が吹っ飛んでいる。とても素人目に
ポンプが動かせるとは思えない。ましてや被ばくがある。ポンプを動かす
ことも相当悲観的だろうか。

被ばく環境でやらねばならないことが最大のネックだと思う。普通の状況では
のんびり作業をして動かすことはできる。今は、アラームメーターをもって
何分以内でという形でやらなければならない。大変な困難な作業だと思う。

-使用済み燃料プールの方も、割れているのではないかと言われているが。

割れている。水がどんどん流れ出して、それが海を汚染している。

飯田
-メルトダウンではない最悪のケースとして、管理できない状態がズルズル
続いて、放射能が漏れ続けるのではないか。水の循環にまで持ち込める
のだろうか。極めて長期化して、放射能が出続けるのではないか。

最悪のケースはメルトダウンによる水蒸気爆発だが、今の状態で収められる
としても、本当に長い間、放射能と格闘せざるをえないだろうし、たくさんの人が
被ばくせざるをえないと思う。本当になんと言えばいいか分からないような
仕事を、これからやらなければならないと思う。

-チェルノブイリのような石棺も今は不可能か。

熱を持っているので、不可能だ。使用済み燃料は外部に運び出す以外にない。
その上で、石棺を作るしかない。

青木
-3号機は、格納容器の中から漏れているのではないか。

私はそう推測している。

-今までは、出て来ている放射性物質は、ヨウ素とセシウムと言われているが、
他に漏れてくることは想定されるか。

外部で検出されているのは、ヨウ素、セシウム、テルルだった。揮発性のもので
ガスになりやすいものだった。私もいくつかのサンプルを検出した。
それ以外は検出されていない。比較的外部に逃げやすいものだ。それで内部の
大量の破壊はないと思ってきた。1から3まですべてだ。
ただし3号機の損傷が問題になってきて、タービン建屋の床下にバリウム、
ランタン、セリウムという放射性核種があることが分かった。揮発する核種では
ない。ペレットから逃げにくいものだ。ひょうとするとウランのペレットが
一部で溶けていると疑い出している。そうなると新たな放射性核種が出てくる
可能性がある。

-それはどう違うのか。

被ばくの量が増える。それが出て来ているのは、炉心の破壊が進行している
ことだから、より悪くなっていることを意味する。ペレットから漏れて、液体の
方にくるとは今まで考えてなかったが、それが起こって、タービン建屋に
きている。


神保
-最悪の場合はどれぐらいの放射能が出るのか

破壊の程度による。

-想定しうる範囲で、どれぐらいのものを覚悟しなければならないのか。

炉心に含まれていたもののかなりの部分が出てくる。チェルノブイリと
同じようなものになるだろうと危惧している。

-その場合、人間が住めなくなるのはどれぐらいか。

チェルノブイリではソ連当局は、初めに半径30キロの人たちを全員避難させた。
しかし3か月たってから、200キロ、ないし300キロ離れたところで、猛烈な
汚染地帯があることを発見した。放射能の雲が流れて雨が降ったところだった。
そこで住民を強制疎開させた。ところがその後、ソ連が崩壊してそれ以上の
ことができなくなった。

日本の場合の法律に照らして言えば、原発から700キロの地域まで、放射線
管理区域に指定しなければならなくなる。そこは普通の人は入ってはいけない。
ごく特殊な人間が仕事のために入る場で、そこでは飲食はしてはいけない、
寝てはいけないというのが放射線管理区域だ。
当然、汚染が分かる器具をもって入る。

700キロだと、大阪から北海道まで入るが、ただし風下だけになる。
政府はコンパスを使って円を書いているが、実際には風下に汚染が広がる
のであって、細かい対応が必要になる。今回でも40キロ離れた地域でも
もの凄く汚染が広がっている地域がある。多分、そこは無人にしなければ
いけなくなる。

-チェルノブイリでは黒煙の火災が続いて、それでの飛散が大きかった。
それとの違いは。

確かに炭がたくさん燃えて、大変な火事になった。このため上空1500メートル
まで吹きあがった。したがってかえって周辺は猛烈な被ばくを避け得た。
それが風に乗って流れて、近隣の地域を汚染した。
福島では、爆発で炉心と格納容器が壊れると、放射能が上空高く吹きあげ
られることはない。地面を沿って汚染が広がる。だから発電所の風下の近傍は
猛烈な汚染を受ける。

青木
-プルトニウムが出てくると最悪なのでは。

プルトニウムは、高温でないと飛散しないし、その場にとどまるものが多い。
もともと不揮発性のもの。その場にとどまりやすい。チェルノブイリはヨウ素は
8割、セシウムは4割でたが、プルトニウムは4%ぐらいだった。福島でも
最悪でも大量にはでないと思う。

-その場にとどまったら、対処できないということか。

半減期が2万年なので、なくならないと思った方が良い。

-圧力容器の圧力が上がっているという報道があるが。

昨日初めて保安院がデータを出した。それで1号機が冷却ができていなかった
ことがわかった。1時間2トン入れていたが、私の計算では5トン必要だった。
それで400度にもなっていたことをようやく気がついた。それで1時間18トン
入れた。それが良かったか分からない。急激に冷やしてダメージがある
可能性がある。ともあれそれで水蒸気が出て圧力があがった。

神保
-最初、5トン入れなけれはならないのに2トンだった。次にいきなり18トン入れた。
なぜこのような対応になるのか。

とてつもない混乱状態にあるからだと思う。私は安全なところで、計算できる。
現場は同時進行でもの凄い危機に対応している。しかも被ばく環境で働いて
いる。それほど危機的な状況の中で少数の人が対応している状態で、
あながち責められないと思う。

青木
-評価尺度は

レベル6は当たり前で、もはやレベル7と言わねばならないと思う。

飯田
-先ほどの5トンという計算はどこから。

崩壊熱から計算できる。1週間後、1月後と基本的なことは計算できる。
福島1号炉だったら、今、4000キロぐらいの発熱がある。4000個ぐらいの
伝熱器が発熱しているようなもの。それを水でひやさねばならない。
それを蒸気として格納容器から出すしかない。

-漏れているのか。

必ず蒸発してしまうので、どこかで逃がすしかない。意図的なベントか、
漏れているかは分からないが、必ず逃がすしかない。

-東京での汚染はどうなるか。

私は広がって欲しくないと思っている。しかし止められるという確証はない。
現場に頑張って欲しいが、炉心の破壊を止められなけれ、汚染は拡大する。

青木
-今、現在でも、冷やし続けなければならない。その間、漏れてしまうのは
やむを得ない状態にある。ポンプは使えるのだろうか。

分からない。なんとか動かして欲しいのだが。ポンプは、結構、重たい。
モーターは重量がある。原子炉のポンプは何トンの重さのポンプだ。それが
使えないとなると交換しなければいけないが、大変な作業になる。
被ばくをしながらそうした作業をしなければならなくなる。

-その間、放射性物質は漏れ続ける。そうなるとこの状態と向き合うしかないのか。

その通りだ。

-そうなるともっと放射能汚染が広がる可能性はあると思うが。

そうならないことを私は祈るが、そうならないと確信を持っていうことはできない。

神保
-今、アドバイスを求められたら、何をしろというか。

私は外から見るしかできない人間だ。必要なことは冷却だ。電源を復旧して
正常なポンプを動かさないといけない。大変な被ばくをしながら、仕事を
しないといけない。正常な形で冷却回路を回復させるしかない。

-被ばくがあった。かなりの放射能が強い冷却水が漏れているが、これも
ポンプをなおさないとなおらないか。

そうだ。主蒸気隔離弁が破損して漏れていると思っている。いったいどこで
破損しているかで、ポンプが動いてもそこから漏れてしまう。あちこちで
漏れているだろう。長い時間がかかる。手作業でなおすしかない。
大変な被ばくの中で、活動しなくてはならない。

青木
-今の政府、東電の発表についてどう思うか

事故がもの凄くて、東電自身が把握できてないと思う。いくら発表したくても
できないことが多いと思う。しかしパニックを避けるために隠していることも
ある。こういうときは、どういう方向に放射能が流れるのかが一番重要な
情報になる。そのために開発してきたのが、スピーディーだった。20年間
かけて開発してきている。

ところがそれが当初は一切、公表しなかった。2週間たって公表した。
それでは意味がない。パニックをおそれて政府がおさえたのだと思う。
このようなあり方は著しく不誠実だ。

神保
-学者が安心、安心と繰り返していることについてどう思うか。

感じるところは山ほどある。
非常に限られた情報しかない。そういう中でどういう危険があるかを予測
しなければならない。そのとき悲観的な予測も楽観的な予測もできる。
しかし防災のときは悲観的な予測が必要。安全だ、安全だと言われる
中で危機に直面するのは大変だ。

-学会で、危険を危険と言えない雰囲気があるのか。

それはある。原子力村では、いっかんして原子力は安全だと言ってきた。
常に楽観的な情報を流すしかないとなっている。

青木
-大阪の番組で熊取6人衆と紹介されていた。科学者の責任を語りあって
きたが、小出さんは白眼視されながら、誠実な発言をしてきた。
知識人や科学者の責任についてどう思うか。

私は科学に携わる者として、自分の責任を果たしてきた。1人1人の
人生に私は口出しをしたくない。

神保
-今後、われわれは何に気をつけてニュースなどを見ていればいいのか。

冷やすということだ。どんなことでも冷やさないといけない。消防車では
長期間は持たない。ポンプしかない。それが使えるかどうかを注意して
欲しい。それが使えないときに他の手段があれこれでてくるだろうが、
それが有効かどうかを見てほしい。

以上



コメント

明日にむけて( 6 )気仙沼からの便り

2011年03月29日 00時35分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110329 0:30)

つい数日前に、ある出会いから山水人(ヤマウト)というMLへの参加を
依頼していただきました。情報発信の要請もありました。
当初は、不特定多数への発信ということで、不遜にも
お断りして、主催者の祖牛さんに転送してもらっていたのですが、
自分自身が、MLに参加しているのに、転送してもらうのも
なんだか変なことになってきて、思い切って、投稿に踏み切りました。

またその時が来たのだなとも思っています。
そのため、今後、発信のポリシーは貫きつつも、MLへの
投稿を解禁していきます。

さて、ここに参加して、最もありがたいことは、幾つかの
被災地と直接につながれたことです。とくに山水人の方たちは、
気仙沼とつながって、カンパや物資の援助なども行っています。
その気仙沼のアビスさんから、近況報告がきましたので、転送します。
ちなみにアビスさんは、Hippyです!
彼の決めゼリフは「近くの行政より、遠くのHippy」です。
かっこいい!!

被災地のみなさんの様子を、みんなでシェアしていきましょう。
(末尾にヤマウトからの気仙沼支援の呼びかけがあります。もし
よろしければ、お願いします!)

*****************************

近況報告。 2011年03月28日05:31

レターパック(以後 LPと表記) 19ダンボールの荷物
(以後 Dnbと表記) 5 現時点で、手元に届きました。

本当に、ありがとうございます。
みなさんの、善意をお届けしてきました。

届いた荷物の個数、種類の表記は考えた挙句、
表記しないことにしました。 アシカラズ。

これから到着した荷物を、 この場を使い、できるだけご報告したいと、
思ってますが、 なにぶんにも、初めての作業、 予想できない荷物の
数の為、 記入漏れの可能性もありますので、 送った方で、自分の
名前が、(送り状に書いた送り主の名前) 発送して1週間経ったけど、
掲示されてない場合、 メールまたは、電話にてご連絡ください。
宛てに、件名に「未掲示」と書いてもらえれば、こちらのチェックが
行き届きやすいので、 よろしくおねがいします。
注文の多い、窓口ですいません。

きのう、27日 気仙沼市で、一番北にある避難所、小原木中学校へ、
荷物を届けさせていただきました。
おとといまでに、市内の中心に近い避難所を、5箇所ほど回って
みましたが、中心に近いところは、物資の行き渡り度がかなり高い
ようです。
避難所の世話役をしている市の職員の方の話では、町から離れた
ところの避難所が、 物資が届くのが、遅れているらしいと、市の職員の
方の口から、不安の声が漏れるのを耳にし、是非この目で確かめようと、
昨日車を北に走らせました。

小原木は、Mちゃんの住むから桑町内で、その地区は電気はまだです。
小原木は、陸前高田、大船渡、釜石、へと北に延びる海岸線を走る
国道45号線沿いなので、 もしかすると、電話、水道などは、
復旧が早かったかもしれませんが、 電気はまだだということは、
確認しましたが、 電話、水道などは、 確認するのを忘れて
しまいました。
Mちゃんの住む地区は、 45号から枝分かれして南に突き出た半島
なので、 電気、水道、電話、みんなまだだそうです。

いつもは、お袋と一緒に行動してましたが、 今回は、北の被害を
カメラに収めたく、 カメラマンとして、Mちゃんの甥に
両親の承諾のもと、同行を頼みました。
彼は、今年盛岡の大学を卒業し、 気仙沼の地方新聞に内定が決まって
ましたが、 地震後、内定が取り消されたそうです。

一昨日彼の家で、彼の両親と彼に、 俺が言うまででもないのですが、
南風に変わる前に、富士山以西への避難を進めてしまいました。
子供を持つ、話せる同級生、親戚などには、 ついつい子供の避難を
進めています。

そのとき、俺には胸を張って 紹介できる頼れる友達がいるから、
当てがない時は、いってくれと言ちゃってますので、
そういう所でもみなさんを、頼るしかすべがないので、
その時は、無理のないとこで、よろしくお願いします。

避難所には、みなさんから送ってもらった、子供への、クレヨン、
画用紙、トランプ、将棋、 などの、子供用の物を買い物袋に詰め、
受付に行き、渡して挨拶してます。
その時、

「俺は、Hippyなので友達が多くて、
その友達は、みんな子供好きなので
いろいろ送ってくれてます。」
って、言っちゃってます。


車の中にほかにいろいろな物があるので、目を当してくださいと
言ってから、 品物を見てもらうようにしてます。
昨日もその手順で話を進めたら、 最初はどこかためらいに似た、
なんかのガードを感じましたが、

(Hippyって言った俺が悪いのか、
      感じた俺の被害妄想か?)

便秘薬もありますと言ったら、 一瞬にしてガードは消え去りました。
市内から距離もあるせいで、 避難所の人も、なかなか物資が
届かないんだよと、言ってましたので、ガードが消えると、
見てもらう荷物すべて、頂いて置きますといいながら、
車の外に自分らで並べてました。

おかげさんで、満載とはなってませんでしたが、 そこそこ荷物が
並べられていた俺のライトエースは、空荷で帰ってきました。

避難所小原木中学校に荷物を降ろし、その足で、陸前高田を見に
行ってみました。 途中、高校時代の同級生が この辺に住んでいる
ことを思い出しました。 帰りがけに国道沿いで、一斗缶で火を
起こして お湯を沸かしているとこを見かけたので、 車に積んでおいた、
作ったばっかの、 ロケットストーブを、おじさんに、
  「こいづ、優れもんだがらっさ、
        使ってみでけらいん。」

と、話しかけ、ロケットストーブと、うちわ、吹き竹、
を置いて来ました。

その時聞いたのですが、同級生の家は津波で流されていました。
Mちゃんの甥を家に送り、近所の同級生の家に立ち寄り、
ちょっと話し込んできました。

彼は、高校生の男の子、中学生の女の子、小学校低学年、
3人の父親です。
3人のこの母親は、地震のあった日からまだ家に帰ってきません。
ここんとこ、遺体安置所に何度も足を運んでいるそうです。
小原木の同級生の話をすると、ついこの間、偶然、遺体安置所で、
ばったり でくわしたと、言ってました。
小原木の同級生は、家族は無事らしいのですが、
親戚の何人かを、探しに来ていたそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(以上、アビスの日記です)
山水人の仲間で、被災したアビスを通して、気仙沼周辺に、持続可能な
支援をしていきたいと思います。
是非、皆さんのご協力をお願いいたします。
以下義援金の振込先です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★郵便局からのお振込み…
【ゆうちょ銀行】口座名/ヤマウト
 記号一番号/14460-3267501
★他の金融機関からのお振込み…
【ゆうちょ銀行】口座名/ヤマウト
(店名)四四八(ヨンヨンハチ)
(店番)448 [普通預金]口座番号/0326750

「俺は、Hippyだから、全国に友達がいて、
  みんな心配していろいろ物資を送ってくれています。」
て、胸を張って言ってます。
「近くの行政より、遠くのHippy」と、
  思ってもらうように、
    皆さんの善意を届けたいと思います。byアビス



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明日にむけて( 5 )冷却材喪失事故=大事故の可能性が隠された?

2011年03月28日 18時34分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

守田です。(20110328 18:30)

3月26日に、原子力資料情報室が記者会見を行いました。
元技術者として福島第一原発4号炉の原子炉の設計に関わったサイエンスライターの田中三彦さんがお話をされました。

これもノートテークしたので、みなさんにお届けします。
この際も、厳密な校正ができていませんので、伝達の際には、あくまでも守田が聞き取ってまとめた内容であるとただし書きをつけてください。

内容が難しいので、あらかじめ簡単な要約を行います。


冷却材喪失事故=大事故に発展の可能性が隠された?

数日前に、首相官邸のホームページで、ようやく福島第一原発の事故後のデータが公表されました。この中の1号炉のデータを田中さんが解析していて重大な事実(正確にはその可能性)に気づきました。事故直後に、冷却材喪失事故が起こっていたのではないかということです。

冷却材喪失事故とは、配管の破断等々により、冷却水が一気に抜け出してしまって、水位が急激に下がり、炉心がむき出しになる事故です。そうなると、一気にメルトダウンが起きる可能性があるため、考えられる事故の中で、最も恐れられてきたものでした。

これに対して、最後の砦とされてきたのが、緊急炉心冷却装置(ECCS)で、たとえ、冷却水が一気に抜けることがあっても、これが作動するので、メルトダウンが起きることはあり得ないというのが、原子力を推進してきた人々の共通見解でした。ところが今回は、電源が奪われたためにこれも作動しませんでした。

田中さんは、この点の重大さを、技術的な意味と、社会的な意味に分けて解説しています。技術的には、この時点で1号炉は、どのような重大事故に発展するか分からない状態におかれたということです。

当時のニュースを振り返ってみると、冷却ができなくなったことは報道されていましたが、格段に重い冷却材喪失は明らかにされていませんでした。冷却ができないことは、水の循環がとまってしまったと考えられ、事実ポンプが動かずに止まっているのですが、冷却材喪失は、さらに加えて、どこかで配管が破断したことを意味しており、その後に冷やすために投入された水は、どんどん漏れてしまう構造におかれたと考えられます。単に冷やせなくなっているよりも、水をためることすらできない、格段に危険な状態におかれていた可能性が高いのです。

そして社会的な意味は、それならば、このことはただちに公にされ、緊急避難措置が取られる必要があったということです。ところがこれがなされなかった。これは非常に重大な背信行為です。

この段階でこの事実がどこまで認識されていたのかは、明らかではありません。知っていたのは東電までなのか、保安院までなのか、政府までなのか。誰がどこで情報を止めてしまったのか。それは先々明らかになるでしょうし、法的な裁きも加えられるでしょう。

ともあれ、明らかになったのは、原発が爆発などの破局にいたる可能性が極めて高い段階に、緊急避難勧告が出されなかったという事実です。東電・政府は、周辺の人々、いや社会全体との信頼関係に著しく背いたのです。この事実は、大変、重いです。

また田中さんは、その後の水素爆発も、起きることが予測可能だったはずだと推論しています。その場合、設計者は原子炉を外からの水素爆発に耐えられるようになど設計していない。1号機でも3号機でも
水素爆発で原子炉が崩壊しなかったのはまったくの偶然でしかありませんでした。

つまりこの場合も、起こりうる水素爆発で、原子炉が崩壊する可能性があることを、事前に明らかにすべきだったのです。しかしその責任が放棄されました。こうした事故隠し、また重大な危機の隠ぺいが
すでに事故初期に行われていたこと、これを田中さんはデータ的に明らかにしたのです。

さらにここから技術的に推論されるのは、少なくとも1号機については、この間考えられてるよりもさらに修復が難しということです。これまでは冷却水の循環をつかさどるポンプが動かないことが課題と語られてきたわけですが、配管が著しく破損していれば、ポンプが作動しても、水はただ漏れてしまうだけだからです。しかも配管の破損個所によっては、修復が非常に難しい可能性も考えられます。

以下、詳しくは田中さんのお話をノートテークした部分でお読みください。(なお以上のことは、あくまでも可能性として語られていることにも留意して下さい。データが非常に限られているので、科学的には、どこまでも可能性としか言いえない状態にあるのだと思います。ただ非常に高い可能性といってよいと思います。この点付記しておきます)


記者会見における田中三彦さんのお話

当該情報は、原子力資料情報室より、次のように発表されました。

「福島第1原発の1~3号機では、原子炉の危機的な状況が継続しています。東京電力公表の事故の初期データの解析から、第一原発1号機で大口径配管の破断事故発生の可能性のあることが明らかになりました。東京電力は非常に不十分なデータしか公表しておりませんが、分析結果を公表いたします。」

以下のustreamのサイトで観られます。
その1
http://www.ustream.tv/recorded/13572861その2
http://www.ustream.tv/recorded/13573218その3
http://www.ustream.tv/recorded/13574257

田中三彦さんの解説

冷却材喪失事故が起こった。最も恐れられてきた事故だ。それが起こった可能性を説明したい。

私が今から申し上げることは、もしかすると、原子力保安院も、東電も日本の原子力安全委員会も、その事実を隠していた可能性があるということだ。

私の知る限り、世界中で、冷却材を喪失して、格納容器の圧力が上がると言う事故を知らない。

私たちは直接データにアクセスすることができないので、昨日、首相官邸のウェブサイトからダウンロードした資料ではそれが読み取れるということで説明したい。

事故は原子炉格納容器の圧力があがったというところから始まっている。運転時は、圧力がかかってない。だからこれに圧力がかかっただけで大きな異常だ。

地震で圧力容器を冷やすことができなかった。そうするとどんどん熱くなる。

運転時の圧力は70気圧ある。温度は270度ぐらいある。地震が来るとタービンを回るのを止めて、バイパスさせる。そして復水器で冷まされて原子炉に戻る。下から制御棒が刺されて運転が止まる。これが自動停止と呼ばれるもの。

ところが地震によって、電源が全部喪失した。非常用の電源も津波で壊れてしまった。したがって、原子炉を冷やさなければいけないが、冷やすことができなかった。

原子炉圧力容器の中には、いろいろな放射性物質がある。それらが熱を出すので、どんどん熱くなる。自動停止したあと、熱を除去しなければいけないのだが、炉心を冷却できなくなった。

そうすると、炉心の圧力と温度が上がっていく。そうすると配管が壊れる可能性がある。そういうことが起こらないように、逃し安全弁というものがある。多分、80から90気圧の設定。

そうすると圧力があがると、自動的に開いて、圧力抑制室に送られる。そうすると分かりにくいことが起こる。

通常運転中の冷却材のレベルは上から3分の2ぐらいにある。しかし蒸気抜けて行くので、水位が下がる。そのままどんどん水位が下がって、燃料棒が顔を出してくる。そうすると、いきなり冷却されなくなると、ジルコニウムの被覆管が溶ける。それが水の酸素を奪い、水素が発生する。すると水蒸気と一緒に、圧力抑制室に来る。

水蒸気や放射性物質は、水の中に落ちる。そうすると水素は、水に溶けないので、上にあがっていく。フランジというものがあって、水素が逃げ出す可能性がある。そうなって外に出て爆発した。

2号機は圧力抑制室で爆発が起こった。チッソが封入されているのでここでは水素爆発は起こらない。実際には起こったということは、水素が原子力格納容器を上がらずに、その辺で外に出た。
圧力抑制室は20から25メートルの地下にある。

2号機では圧力抑制室の近くで水素が漏れた。
圧力抑制室が格納容器についているところの溶接に弱いところがある。水素爆発があったのは、その漏れは、地震によったものと推定される。

1号機のパラメータの推移のデータが入った。公開されているデータは、なぜか3月11日のものがなくて、12日から始まっている。

原子炉の圧力は運転中は70気圧ある。12日2時45分には0.8メガパスカル、運転時は7メガパスカルだった。一気に落ちている。

2号機か3号機は5メガパスカルあたりを保っている。それに対して1号機は非常に落ちている。落ちた分は外に出てしまったと思われる。そのために急激に圧力が落ちている。

蒸気は原子炉から漏れて、原子炉格納容器に入るので、そこの圧力が急にあがった。7気圧になった。格納容器の圧力は運転中は1気圧だ。普通技術者は、1気圧はひく。これをゲージ圧という。発表されたものは絶対圧力だが、私が1気圧をひいて、ゲージ圧にしている。

つまりゲージ圧では、格納容器は0気圧である。その0が、7まで上がった。8気圧になったこともあった。

繰り返すと、原子炉の圧力70気圧で運転してきたものが、8気圧までおちた。そのかわり格納容器の圧力が8気圧まであがった。

ウォーターラインもみていきたい。これも急激に落ちている。原子力圧力容器の急激な低下、格納容器の圧力の急激な上昇、水位の急激な低下。これはほぼ間違いなく冷却喪失事故が1号機で落ちたことを物語っている。

これは社会的な意味と、技術的な意味とふたつ大きな意味を持っている。

こういう事故が起きた場合に、電源があれば、ECCS系というものを出して、終息させることを考える。それができなくなっていた。

1号機は地震直後のデータがないが、地震直後に破断があったので、その後にECCSが働いた可能性が強い。

実際に作動させたが不能だったことが、11日16時36分に書いてある。

作動させようとした時間は、地震がおきた2時間後だった。こうしたデータから言えることは1号機では、ほとんど間違いなく世界で最初の冷却材喪失事故が起こっていた、非常に深刻な事故が始まっていたことを意味する。

社会的な問題というのは、こういう事態がおきて、ECCS系が作動しないのは緊急事態の中の緊急事態だったということ。

ECCSが作動しなくて、止めようがないのだから、どうなるかわかない状態で住民をできるだけ早く、遠くに避難させる判断が行われなければならなかった。

ところがそうした深刻な状況が、誰に、どこまで伝わっていたのか。原子力安全委員会は知っていたのか。保安院や東京電力は知っていたのか。それは分からないが、住民には一切、こうした事態が起こっていることが伝えられなかった。

そうした問題があるのに放置した。そのため水素爆発が起こった。冷却材がなくなり、燃料棒が露出し、ジルコニウムが溶けて、そこから水素が発生し、1号機の建屋にたまって、爆発が起こった。出口はおそらく格納容器のトップヘッドのフランジから出てきたと推測される。

冷却材喪失事故が起こると、水素が出て、漏れ出して、爆発事故が起こることは専門家ならだれもがまっすぐに推論できることだった。それが大したことにはならないとかけた。あるいは格納容器の中にとどまると考えかもしれない。しかし8気圧にもなったので、フランジのふたがおしあげられて水素が出て行った。

格納容器は水素爆発に耐えられるような設計にはなっていない。設計者は誰もそんなことを考えて作っていない。

この爆発は地震が起きてからほぼ1日して起こった。

こういうことがわずか1日で起きてしまったメカニズムは、水素が圧力抑制室に回ってから原子炉格納容器に入ったのではなく、原子炉からすぐに上にあがって、出て行ったに違いない。

学者はこの爆発を見て、日本の原子炉設計技術は高いなどといったが、それは偶然だった。この段階で原子炉が崩壊する可能性があった。にも関わらず、水素爆発まで何の判断も下さずにただなすに任せていたことは非常に罪が大きい。

もうひとつ付け加えておけば、これまで楽観的な話ばかりをしている学者たちは、冷却材喪失事故が起こっていることを知っていた可能性があり、にもかかわらず、それに一切触れずに、楽観的な解説ばかりをし続けた。これも非常に問題がある。

おおげさに物事を言うという批判の仕方がある。原発に反対しているものはこういう批判を受けることがよくある。しかし楽観的な話ばかりするのも、ある種のおおげさな言い方であると言える。

もう一つの社会的問題は、作業者の被ばくの問題だ。3号機のタービン建屋で被ばくが起こった。それと関連して、国ははじめて原子炉に損傷があったことを認めた。その原子炉の損傷があったというのは、3号機でも同じようなことが起こった可能性が示唆している。

3号でも冷却材喪失事故が起きた可能性があって、今、データを解析しているところだ。

新聞によると、1号機もタービン建屋に大量の放射性物質を含む水が溜まっていることが明らかになっている。

東京電力は、今日(26日)、3号機で放射線量が高いことを知りながら作業をさせてことを明らかにして詫びている。

線量が高いことをあらかじめ知っているということは、ここで何かが起こったことを知っていることを意味しないかと思う。

もうひとつ技術的な問題がある。
もし冷却材喪失事故が起きていたら、水をいれてもどんどん漏れてしまう。実際に入れている水は入っていってない。そういうことになると、これをどうやって冷却していくのか、問題になる。

配管が壊れていると、もはや中に入っていって直すことができないので、漏れっぱなしになる。そういう本質的な難問があるはずだ。

以上が私が思っていることだ。
当然、データの読み違えがないとはいえないが、とくに1号については急速に圧力が落ちて、格納容器の圧力があがり、水位がさがったので、原発事故の中で一番恐れられてきた冷却材喪失事故が起きた、しかもECCS系が作動しないというおまけまでついた。

以上


コメント

明日にむけて( 4 )復旧作業の意味するもの

2011年03月28日 15時59分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110328 16:00)

昨日、京大原子炉実験所の小出裕章さんが、インターネット番組上で
受けたインタビューの内容を紹介しました。
ここで、その内容をどうとらえるのかの検討を行ってみたいと思います。


最悪の場合に備えて

番組の趣旨は、あえて最悪のシナリオを考えることにありました。
小出さんはそこで、最悪の場合、炉心にある燃料棒が冷却できずに加熱して
いき、溶けて下に落ちてしまい、そこにある水分と反応して水蒸気爆発を
起こすこと、当然にも原子炉も崩壊し、大量の放射能が爆発的に飛び出して
しまう可能性があることを示唆してくださいました。

その場合、広範囲に放射性物質が飛び散るけれども、チェルノブイリと
比較するならば、大火災が伴う可能性は少ないので、放射性物資が
上空高く巻き上げられてから拡散するのではなく、より近傍から著しい
汚染が広がるだろうということが明らかにされました。

僕は、こうした説明を受けて、さきほど、フランスの団体が出している、
放射性物質の拡散のシミュレーション情報をみなさんにお届けしました。
(ただしこのシミュレーションでは、放射性物質の放出は20日までにとまる
と仮定されています。実際にはその後も放出が続いているので、この点は
注意をしてみてください)
念のためアドレスをもう一度、ここに貼り付けておきます。

「2011 年3 月12 日より福島第一原子炉から放出された
放射能雲大気中拡散シミュレーション」
http://www.irsn.fr/EN/news/Documents/irsn-simulation-dispersion-jp.pdf


復旧作業の意味するもの

さて小出さんのインタビューでは、もう一点、非常に重要なことが
語られたと思っています。それは最悪の事態を防ぐことが何を意味して
いるのかです。端的に言えば、明らかに人命に危機が及ぶ放射線が
飛び交う場に、修理のために人を送りこむ必要性が生じており、実際、
現場はそこに踏み込んでいるという事実です。

小出さんは次のように語ったと僕は記憶しています。
「最悪のケースはメルトダウンによる水蒸気爆発だが、今の状態で収められる
としても、本当に長い間、放射能と格闘せざるをえないだろうし、たくさんの人が
被ばくせざるをえないと思う。本当になんと言えばいいか分からないような
仕事を、これからやらなければならないと思う。」

なんと言えばいいか分からないような仕事、それをしなければ最悪の事態の
回避はできないのです。しかもそれまで長い時間がかかります。つまり
非常にたくさんの人が従事しないと、この作業は達成できません。

私たちは、今ここで、非常に大きな難問に直面していることに気づかなければ
ならないと思います。多数の人々の安全のために、少数の人々を犠牲に
して良いのかという問題です。やむを得ないと言う前に、私たちは立ち
止まって考えなければならないのではないのでしょうか。現場の方たち
にとって、過酷な決断が下されていくことに私たちは、無関係であっては
いけないのではないかと僕には思えます。

だからと言って、僕にもそんな過酷な労働をさせるのはやめるべきだと
公言することはできない。誰かがやらなければ、破局が訪れてしまうのです。
しかもその破局は、海外の人々にも多大なダメージをもたらします。
だから誰かがやらねばならない。本当に「なんと言えばいいか分からない
ような仕事」です。どう考えればよいのか、途方に暮れてしまいます。

それでは今、どのような方たちが現場で働いているのでしょうか。
テレビに映るのは東電の社員、消防士や自衛官たちです。現場で奮闘する
方たちの姿は立派で、一部マスコミは美談として報道しています。
確かに美談と言えるものがたくさんありました。でも私たちは、もっとたくさんの
人々、原発の下請け業者の方たちが動員されていることを知っておく
必要があります。

このことを報じたニュースがあります。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の
「地上の星-本当の「フクシマ50」」という記事です。
http://jp.wsj.com/Japan/node_209339/?tid=tohoku


ここから少し引用します。

「福島第1原発では通常、日常的な原子炉の保守作業を行う数千人の
労働者が働いている。だが今その多くに対して、事故を起こした現場に
自ら志願して乗り込むことが要求されている。しかも、通常の賃金でだ。

 怖いが、誰かが行かなければならない、と多田堅司さん(29)は話す。
多田さんは、東京電力の下請け会社、東海塗装に勤務する保護塗装の
スペシャリストだ。」

「多田さんによると、多田さんの通常の月給は約20万円で、日本の
サラリーマンの平均月給29万1000円をはるかに下回る。それでも多田さんは、
仕方ない、誰かが行かなくてはならないと話す。だが、多田さんの母親は
行かせたがらなかったという。」

「福島第1原発から約30キロに位置する田村市の避難所にいる、原発設備
メーカーの男性社員も、今週初めに現場勤務を要請されたと述べた。男性は、
3号機への給水パイプの運搬と敷設をすることになると思うとした。

 男性は高卒で、月給は多田さんと同程度。男性によると、要請は拒否する
こともできると言われた。だが、受け入れなければならない義務だと感じた
という。他人のために自らの命を犠牲にした第二次大戦中の神風特攻隊を
思い出したのだという。」


みなさん。このようなことがあってもいいのでしょうか。いいはずがないと僕は
思うのです。しかし、いいはずがないことを、私たちは否定できません。
しかもこれからこのことが長い間続くのです。

これが「ゆっくりすすむチェルノブイリ」の、もう一つの悲しい姿です。

少なくとも、私たちは、あの困難な作業現場に、月給20万円で働いてきた人
たちが、賃金の上乗せすらないままに入って作業をしていること、こうした
事実としっかり向き合っていきたいと思います。これが原子力政策のもたらした
ものなのです。私たち自身が被ばくする恐ろしさとはまた違った、倫理的な苦しさ、
恐ろしさが、私たちに降りかかってきています。


明日に向けて、私たちは片時もこうした方たちがいることを忘れずに
いましょう。せめても、この方たちに事後的な手厚い補償をすること、
そうした深い責任を、私たちの社会は背負いつつあります。

またこうした方たちがつむぎだしている時を有効に使うこと。それが今、
私たちに問われています。少しでも被ばく者を減らす可能性を
追求することです。

情報発信を継続します。


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