明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(211)児玉龍彦さん発言の補足資料です・・・

2011年07月31日 22時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110731 22:00)

一昨日、児玉龍彦さんの発言をノートテークして配信しましたが大変な
反響がありました。この二日間だけで、このブログに54000人の方がアク
セスしてくださり、165000回の閲覧をしていただけました。各方面に発言
が拡散していることが分かります。

同時に何人もの方が、適切なアドバイスや追加情報を送って下さいました。
今回はそれをできるだけ多くの方と再度シェアできるように、ここに列挙
してまとめておきたいと思います。

リンクを貼ってくださったみなさま。転載してくださったみなさま。様々な
情報を寄せてくださったみなさま。どうもありがとうございます。


まず(208)に貼り付けた児玉さん発言の動画が削除されてしまいましたの
ので、再度、生きているものを貼り直しました。(208)の記述も直してあ
ります。

またこの日の参考人発言の全体、質疑応答の全体を記録したライブラリも
ありますので、それもご紹介しておきます。この質疑部分も大変見応えが
あります。ぜひご覧ください。
お時間のない方のために、この質疑部分を起してくださった方がいました
ので、そのURLも貼り付けさせていただきました。こちらもご活用ください。

また児玉さんが発言の際に使った資料のリンク先も貼り付けておきます。
全体資料と詳細資料です。これらは息子さんから提供されたものです。

この他に英訳をしてくださった方もいました!児玉さんの発言部分です。
英語圏にご友人のいる方は、ぜひ発信に使ってください。

最後に、児玉さんの盟友の金子勝さんの東京新聞への投稿記事を貼り付け
ます。それぞれでご活用ください。

********************************

児玉さん情報について

1児玉さん発言映像
http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M

2当日の各参考に発言・質疑など全映像(ビデオライブラリ)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163&media_type=wb

3児玉龍彦さん発言・質疑部分書き起こし
http://famasaki.com/japan/20110729105723/

4児玉さん発言配布データ
http://abukuma.us/takuki/11/img11/0727/kodama1.jpg
http://abukuma.us/takuki/11/img11/0727/kodama2.jpg
http://abukuma.us/takuki/11/img11/0727/kodama3.jpg

5児玉さん発言詳細データ
http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725343

6児玉さん発言英訳
http://d.hatena.ne.jp/sivad/20110730/p1#c

7金子勝さんの東京新聞への投稿
被爆放置、高まる危険  7月26日 東京新聞夕刊より

 放射能との闘いが始まった。  
 原子力安全・保安院によれば、福島第1原発事故で放出された放射性
物質は77万テラベクレル(テラは1兆)で、チェルノブイリの約1割程
度だという。一見、事故が小さいとの印象を与える。だが、チェルノブ
イリの放出量は520万~1400万テラベクレルと推計されており、広島型
原爆約200個分にあたると考えると、実は、福島第1原発事故は広島型
原爆20個分もの放射性物質をまき散らしたことになる。人間の命と健康
に影響がないはずはない。にもかかわらず、事故発生後、政府と東京
電力は情報を隠し、事態を放置してきた。

 七沢潔「『放射能汚染地図』から始まる未来Iポスト・フクシマ取材
記」 (「世界」8月号)は、水素爆発があった3月15日から現地に突入
した迫真のルポである。七沢らの計測によると、福島第1原発から4キロ
にある双葉町山田地区は、「セシウム137だけで1120万ベクレル」で、
チェルノブイリで居住禁止になる「第1ゾーンの下限値148万ベクレルの
約8倍」もの値であった。さらに七沢らは、3月15日に「『屋内退避』
(自主避難)地域に指定」された「原発から半径20kmから30kmの間」
にある浪江町北西部の赤宇木に入った。「だがそこが『屋内退避』では
済まされない高レベルの放射線に襲われていたことを、実は政府は知っ
ていた」という。

 文部科学省は、モニタリングカーを用いて「15日の夜8時40分から
50分にかけて、浪江町の原発から北西20kmの地点三ヵ所を選んで測定
を行っていた。その一つである赤宇木地区では「空間線量率は毎時330
マイクロシーベルト。日本の通常値の5500倍」が測定されていた。
「文科省はこのデータを官邸に報告」したにもかかわらず、枝野官房
長官は「『専門家によるとただちには人体に影響のないレベル』と語る
だけ」で、「『屋内退避』をこえる警告は何も発しなかった」。政府は、
1ヵ月もの間、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
(SPEEDI)の予測とデータを隠し、多くの人々を被曝するに任せ
ていたことになる。

 しかし、問題はそれだけにとどまらない。広範な地域において土壌が
汚染され、いまや福島県産牛肉やシイタケなどの食品にも放射能汚染が
広がっている。それらは低線量放射線の内部被曝問題を引き起こす。
チェルノブイリで地道な調査活動が行われ、さまざまな事実が明らかに
されている。

 崎山比単子「放射性セシウム汚染と子どもの被ばく」(「科学」
7月号)によれば、「ロシアのBryansk Oblast(ブリャンスク州)西部
地方で1991年から1996年に住んでいた5歳から15歳までの男女の児童」
を対象とした調査では、「土地の汚染度と子どものセシウム体内蓄積量
とは強い相関関係を示している」。またセシウムの体内蓄積量は、
「ミルク、キノコ、肉の3種類を食べない場合のセシウム量を1とする
とこの3種のすべてを食べる場合は3.2倍」になる。

 さらに、「ベラルーシ・Gomel(ゴメリ)州で10歳までに死亡した52
例の子どもの臓器」を調べた結果、甲状腺など内分泌腺をはじめ「多
臓器にわたる慢性的被ばく」が見いだされる。そして「汚染地区の
こどもたちには反復性呼吸器、消化器感染症、内分泌疾患、白内障が
非汚染地区に住む子どもたちより」多く、「明らかに正常血圧の児童
が体内汚染の高いグループで減少している」という。

 崎山は、福島でも「妊婦、乳幼児、児童はできるだけ早く避難させ
るように政府や行政は手を尽くすべきである」と主張する。

 児玉龍彦「″チェルノブイリ膀胱炎″ 長期のセシウム137低線量
被曝の危険性」(「医学のあゆみ」7月23日号)によれば、日本バイオ
アッセイ研究センター(神奈川県)所長の福島昭治博士らによって、
前癌状態である「増殖性の異型性変化を特徴とする″チェルノブイリ
膀胱炎″」が発見されている。そして、「すでに福島、二本松、相馬、
いわき各市の女性からは母乳に2~13ベクレル/kgのセシウム137が
検出」されており、この濃度は、福島博士らが調査した「チェルノ
ブイリの住民の尿中のセシウム137にほぼ匹敵する」。「そうすると、
これまでの『ただちに健康に危険はない』というレベルではなく、
すでに膀胱癌などのリスクの増加する可能性のある段階になっている」
と警告する。

 児玉は自身の南相馬における除染活動に基づいて、今の放射能汚染は
「土壌の粘土分に付着したセシウム137からの放射によると思われ、
土壌の除染が鍵」となっており、とくに「放射線障害は、細胞増殖の
盛んな子ども、免疫障害のある病人に起きやすいことから、保育園、
幼稚園、小学校、中高等学校と年齢の若い児童の接触、吸入可能性ある
ところから除染が急がれる」という。その際、20~30キロの同心円の
規制区域が線量の高さとずれており、早く「自治体の判断」にまかせる
とともに、「賠償と強制避難を結びつけるのをやめ、住民の避難コスト
は東電と政府で支払うべきである」とする。そのうえで、児玉はこう
呼びかける。「人が生み出した物を人が除染できないわけがない。
福島におけるセシウム除染は、次の世代への日本の科学者の責任で
ある」と。
かねこ・まさる=慶応大経済学部教授)
http://blogs.yahoo.co.jp/tukusinkai/35706031.html
コメント (2)

明日に向けて(210)シーベルトの嘘(児玉龍彦教授の発言によせて①)

2011年07月30日 07時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110730 07:30)

児玉さんの発言内容についてコメントしていきたいと思います。

児玉さんの発言は、格調高いものですが、わずか15分に言いたいこ
との全てを押し込んでいるため、一つ一つの点についてはそれほど
言葉を費やした説明をされていません。しかし非常に重要な内容が
ちりばめられていると感じました。そこでわずかな言葉からの感想
であることをお断りして幾つかコメントしたいと思います。

まず初めにここで触れたいのは、児玉さんが次のように語られた点
についてです。

「要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトと
いう形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。
I131(ヨウ素131)は甲状腺に集まります。トロトラストは
肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。
これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディ
スキャンしても、まったく意味がありません。」

これは非常に重要な点だと思います。「何ミリシーベルトという形
で言われていますが、そういうのは全く意味がない」つまり児玉さ
んは、本来、同一に測ることができない別々のもの=別々の障害を
同一の、「シーベルト」という値で測ることの無理、それでは個別
の臓器へのダメージが捉えられない点を指摘されたのだと思います。

これまで政府は「何ミリシーベルト」という表記で、放射線の人体
へのダメージがすべからく測れることを前提に話を進めてきていま
す。これは日本政府だけではなく、国際放射線防護委員会(ICRP)
などが採用している考え方です。このもとに放射線はどれぐらいで
どの程度のダメージをもたらすかという論議が組み立てられている。

もっともこの考え方の中でも食い違いがあります。ICRPが放射線に
はここからは安全というしきい値が設けられないとしていることに
対して日本政府は、これ以下では問題は生じない線があるという
言い方をしており、事実上それを100ミリシーベルトで区切り、それ
以下は無害であるとも主張しています。(ブレがありますが)

この発想のもとに、今、生涯にわたる放射線を浴びる許容値を100
ミリシーベルトに定めようとする動きがありますが、これは現在、
進行している牛肉のセシウム汚染問題に続いて、今秋にコメの放射
能汚染問題が浮上してくるのが必至とみてとっての構えだと思われ
ます。100ミリまでは食べても大丈夫と言いたいのでしょう。

しかしここには重大な誤りがあります。内部被曝と外部被曝を同じ
ものとして扱い、「シーベルト」という量で測った数値を単純に足
し合わせてしまう誤りです。このことで放射線核種が人体に及ぼす
影響の違いが無視されてしまいます。いや無視して過小評価するこ
とに、「シーベルト」という数値化の目的とするところがあります。

これに対して、児玉さんは、「放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、ト
ロトラストは肝臓に集まり、セシウムは尿管上皮、膀胱に集まる」
とのべています。他の核種に少し触れるなら、ストロンチウムは骨
に集まり、プルトニウムは骨と肝臓などに集まります。つまり人体
に与える影響がそれぞれの核種で全く違うのです。

また外部被曝で、人体を透過するのは、主にγ線です。それに対し
て内部被曝した場合は、それぞれの核種の出すα線、β線、γ線の
全てからの被曝を受けます。α線やβ線は、γ線よりもエネルギー
量がずっと多く、それだけ周りの細胞を激しく損傷します。その点
も大きな違いです。

児玉さんは、放射線障害が、DNAの切断をもたらすことを述べて
いますが、いうなれば全身をまばらに透過していく外部被曝の場合
と、局所に集中的に被曝をもたらす内部被曝の場合では、DNAの
切断力もまるっきり変わってきます。(この点については児玉さん
は特に言及されていませんが)

これらを踏まえて、児玉さんは「ホールボディースキャン」をして
も全く意味がないと言われているのだと思います。またそもそも、
ホールボディスキャンで測れるのはγ線だけであること、α線やβ
線は、ほとんどが細胞内部で止まってしまって外に出てこないので
これでは測れないことも知っておくべきことがらです。


ここから児玉さんの発言を少し離れて、シーベルト問題そのものを
もう少し深めていきたいと思います。

こうした「シーベルトの嘘」を最も早くから告発してきたのは、
アーネスト・スターングラスやラルフ・グロイブらアメリカの少数
派の学者たちです。特にこの二人は、放射線低線量被曝の恐ろしさ
をはじめて実験的に解き明かしたアブラム・ペトカウ博士の業績を
"The Petkau Effect"という本で紹介しこの問題にも言及しています。

ちなみに同書の邦訳は、つい最近、肥田舜太郎さんらによって行わ
れ、出版されたばかり。邦題は『人間と環境への低レベル放射能の
脅威』です。紹介については、以下を参照してください。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/c3922cde1f4c3ffcd8ff1b0a7b1bed8d

この中の第二章「原子爆弾と原子力発電所」(生物学的影響)の中
の1「核物理学の基礎」の中の9に「シーベルトの嘘」と書かれた
一文があります。この記事のタイトルのもとになっている題ですが、
ここで少し引用を試みたいと思います。

「シーベルトには問題が多い。シーベルトによるデータは、正確な
数値を表しているかのように見える。マンスタインによれば、シー
ベルトを用いた定量的な記述は複雑な生物学的過程をまったく考慮
しない、荒っぽい見積もりを基礎にしているという。放射線のタイ
プとエネルギーを一緒にすることは不可能であり、また、化学的な
条件と変化を一つの同じ概念に詰め込むこともできない。肺や肝臓
や腺などの個々の臓器は、それぞれ同じ組織で形成されていると考
えられるが、実際は多くの機能や感受性を持つ様々な構造の何百も
の細胞を含有する。
 さらに、体内に取り入れられた放射線核種の線量は直接計測は、
複雑な計算と測定が行われなければならず、ほとんど不可能で
ある。」(『同』あけび書房p59)

「マインスタインは「シーベルトの嘘」に言及し、以下のようにの
べている。『生体に対する影響を特定化するためにシーベルトを用い
ることは、それに関わる複雑な問題に対して自らの無知をさらけ出す
か、もしくは聞き手を欺いているかのどちらかである』」(『同』p60)

ちなみにボード・マインスタイン(1911-1977)は、ドイツのノン
フィクションライター、医学博士で、原子力による被曝問題をドイツ
連邦下院で訴えた人です・・・。


児玉さんが、こうした海外の研究内容を知って、あるいはそれらに
立脚して、あの発言をされていたかどうかは分かりません。しかし
短い言葉の中からも、基本的視座を共にしているように僕には見受け
られました。そしてそうであればこそ、今、漏出しているものが一
体何なのか、どの核種なのかがより問題になるのだと思います。
それによって人体に与える影響が違うからです。

危険性を「シーベルト」に一元化してしまう観点ではここが見えなく
なります。そこから何がどれだけ出ているかを調べずに、線量だけを
問題にすればいいともなってしまう。それでは迫りくる危機の実相を
正しく捉えることはできないのです。

まさにその意味で、日本のあらゆる英知を結集して、食品、水、土壌
の放射能汚染(どんな核種が、どれぐらいあるのか)をきちんと測定
し、その上で効果的な除染を試みる必要があります。
児玉さんの提言から私たちが学ぶべき第一の点はこのことだと思います。










コメント (4)

明日に向けて(209)児玉さんの勇気ある行動を支えたい(息子さんのツイートに触れて)

2011年07月29日 21時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110729 21:00)

昨夜、児玉龍彦東大教授の国会発言を取り上げましたが、もの凄い
反響がありました。児玉さんは、なぜ政府は、福島事故対策におい
て、きちんとした放射線測定と、防除活動に取り組まないのかとい
う点を厳しく追及されましたが、あらためて多くの方がこの点に関
心を向け、児玉さんと同じことを感じていることが分かりました。

僕自身、311事故以来、なぜ日本に多くいるはずの医療従事者の方々
や放射線業務従事者など、被曝の恐ろしさを十分知っている方々か
ら、的確なアドバイスが出てこず、政府による「放射能は怖くない
キャンペーン」がまかり通るのか、なんともやきもきした気持ちで
数か月を送ってきました。

その中でだんだんと現場に規制がかけられていること、同時にまた
専門家の多くも核武装と原発を推進してきた国家の側(かつての米
ソ二大大国をはじめ、イギリス・フランス・中国など、いわゆる左
右両極の巨大国家群)が打ち立ててきた「放射線学」の影響下にあ
り、被曝の実態が非常に過小評価されていることも見えてきました。

そのため長年にわたって、広島・長崎の被爆者たちが、本当に辛酸
を嘗めてきたこと、被害を被害として認定されず、被曝を被曝とし
て理解されずに苦しみぬいてきたこと、苦しみぬいてすでに多くの
方々が亡くなってしまったことを知り、そうしたことをよく知らな
かった自分が恥ずかしい思いがしました。

そのためこの問題は、私たち自身が解明していくしかないのだと考
え、内部被曝問題の第一人者である肥田舜太郎さんや、矢ケ崎克馬
さんらの著書、あるいは肥田さんが執念をもって翻訳されてきた
アメリカのアーネスト・スターングラスや、ジェイ・グールドなど
の本を読みつつ、友人と東電データを独自解析して歩んできました。

しかしいかんせん、専門的な計測器をはじめ研究施設・資金のない
側にどれだけ実相に迫れるか、大いに不十分なものを感じざるを得
ず、研究機関中枢からの声が出て来ることを本当に心の底から待ち
望んでいました。それだけに児玉教授の電撃的発言に本当に感激し
ましたが、多くの方が同じ思いを抱いたのではないでしょうか。

それと同時にただちに思ったのは、児玉さんを孤立させてはならな
いということです。そのために即座にノートテークを思い立ったの
ですが、児玉さんの発言を広げたいという思いも多くの人と共有し
ていたようで、たちまちのうちにたくさんの方が転送して下さいま
した。誤字訂正のアドバイスもたくさんいただきました。

そんな中で、ツイッターで、児玉さんの息子さんが、積極的な発信
を行っていることを知りました。息子さんのツイッターからは、
児玉さんがどのような思いで立ち上がったのかが垣間見えてきます。
そこでここではまずその思いをみなさんとシェアしていきたいと思
います。以下、ある方がまとめた息子さんのツイートを転載します。
特に最後の言葉をしっかりと受け止めたいです・・・。

************************

a_kodama  

 親父が厚労委員会に参考人として招致されました。東大放射線セ
ンター長として、毎週末南相馬に400km車を走らせて、自身で除染に
あたったうえでの訴えです。どうか見てやってください。

 俺は、この人の息子で良かった。

 とても多くの方から父の参考人招致について激励の言葉をいただ
き、感謝の言葉もありません。全ての皆さんにお返事するのが難し
いほどですが、全て拝見していますし、父にも伝えます。本当に
ありがとうございます。

 父は、3.11の前に東大のアイソトープセンター長に内定しており、
放射線の研究が本業というわけではないのですが、このタイミング
で父がなっていたのも何かの巡り合わせか、という気がします

 ちょうど一年前に父から肝臓移植をした母は、おかげさまでかな
り体調が回復し、今度仕事にでることになりました。あの時もいろ
いろな方に激励をいただきました。この一年間本当にいろいろな
ことがありますが、家族一同支え合ってなんとかやっています。

 親父からはいつも、勇気ということを教えられてきた。親父の
立場で、公開の場でああしたことをいうのは、どれだけの勇気が
いったことだろう。まずはそれをねぎらってあげたい。

 親父のスピーチを通して、どうか学者にも社会のため、人のため
に真摯に仕事をしている人間がいると伝わればと思っています。
利権やポジションにとらわれた人間の多さに嫌気がさすこともあると
思いますが、物事をよくするために行動することをどうかあきらめ
ないでください。

 繰り返しになりますが、父のスピーチに激励をくださった皆様、
本当にありがとうございます。きちんと伝えます。

 親父のスピーチを見ていただいた方に、一つだけお願いさせて
ください。父は影響力のある科学者ですが、同時に病気の妻を抱え
た58歳のただの男です。一人ですべてを解決できるわけではあり
ません。本当に状況が良くなるために、一人一人ができることが
あると思います。
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20110729/1311894381 

コメント (4)

明日に向けて(208)放射線の健康への影響について(児玉龍彦教授国会発言)改訂版

2011年07月29日 10時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110729 01:00 10:30改訂)

東大の児玉龍彦教授が国会で名演説をされました。非常に感動した
のでノートテークしました。これに解説などを加えて記事にしよう
と思っていましたが、ツイッターでの反響が凄いので、ともあれ
発言内容を先にご紹介しておくことにします。
明日、これへの僕のコメントを書いて、記事を追加します。

なお児玉教授は朝日新聞でもコメントしています。
測定と除染を急げ/児玉龍彦東大教授に聞く
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001107010005

以下、児玉さんの発言のノートテークをお届けします。
(なお当初投稿したものは、画像・ノートテーク共に最初が切れて
いたので、初めから映っているものに差し替えました。この際、誤
字脱字など数か所訂正しました。何人かの方がアドバイスをください
ました。お礼申し上げます)

*****************************

衆議院厚生労働委員会 「放射線の健康への影響について」
児玉龍彦教授発言 7月27日
http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M

私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉です。
3月15日に、大変に驚愕しました。私ども東京大学には27箇所の
アイソトープセンターがあり、放射線の防護とその除染などの責任
を負っております。

私自身は内科の医者でして、東大病院の放射線の除染などに数十
年関わっております。まず3月15日の午前9時ごろ、東海村で5マイ
クロシーベルトという線量を経験(観測)しまして、それを文科省
に第10条通報ということで直ちに通報いたしました。

その後東京で0.5マイクロシーベルトを超える線量を検出しま
した。これは一過性に下がりまして、そのあと3月21日に東京で雨
が降り0.2マイクロシーベルト等の線量が降下し、これが今日ま
での高い線量の原因になっていると思っております。このときに
枝野官房長官が、さしあたり健康にあまり問題がないということを
おっしゃいましたが、私はじっさいにこのときにこれは大変なこと
になると思いました。なぜなら現行の放射線の障害防止法というの
は、高い線量の放射線が少しあることを前提にしています。このと
きは総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロ圏で5マイクロ
シーベルト、200キロ圏で0.5マイクロシーベルト、さらにそれを越
えて、足柄から静岡のお茶にまで汚染が及んでいることは、今日、
すべてのみなさんがご存じの通りであります。

われわれが放射線障害をみるときには総量を見ます。それでは政府
と東京電力はいったい今回の福島原発事故の総量がどれぐらいであ
るかはっきりとした報告はまったくしていません。

そこで私どもはアイソトープセンターの知識をもとに計算してみま
すと、まず熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するもの
が露出しております。ウラン換算では20個分のものが漏出していま
す。

さらにおそるべきことにはこれまでの知見で、原爆による放射能の
残存量と、原発から放出されたものの残存量は1年経って、原爆が
1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は
10分の1程度にしかならない。

つまり今回の福島原発の問題はチェルノブイリ事故と同様、原爆数
十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと大量の残存物を放出
したということが、まず考える前提になります。

そうしますと、われわれはシステム生物学というシステム論的にも
のをみるやり方でやっているのですが、総量が少ない場合には、あ
る人にかかる濃度だけを見ればいいです。しかしながら総量が非常
に膨大にありますと、これは粒子の問題です。

粒子の拡散というのは、非線形という科学になりまして、われわれ
の流体力学の計算ではもっとも難しいことになりますが、核燃料と
いうものは、砂粒のようなものが、合成樹脂のようなものの中に埋
め込まれております。

これがメルトダウンして放出されるとなると、細かい粒子がたくさ
ん放出されるようになります。そうしたものが出てまいりますと、
どういうことがおこるかというのが今回の稲藁の問題です。例えば
岩手の藤原町(注)では、稲藁5万7千ベクレルパーキログラム、
宮城県の大崎1万7千ベクレルパーキログラム、南相馬市10万6千パー
キログラム、白河市9万7千パーキログラム、岩手6万4千パーキロ
グラムということで、この数値はけして同心円上にはいかない。
どこでどう落ちているかということは、その時の天候、また例えば
その物質が水を吸い上げたかどうか、にかかります。

今回の場合も、私は南相馬に毎週行っています。東大のアイソトー
プセンターは現在までに7回の除染を行っていますが、南相馬に最初
にいったときには1台のNaIカウンターしかありません。農林省が
通達を出した3月19日には、食料も水もガソリンもつきようとして、
南相馬市長が痛切な訴えをWEBに流したのは広く知られていると
ころであります。

そのような中で通達1枚を出しても誰も見ることができないし、誰
も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるとい
うことは、まったく農家は認識されていない。農家は資料を外国か
ら買って、何十万という負担を負って、さらに牛にやる水は実際に
自分たちが飲む地下水にその日から代えています。

そうするとわれわれが何をやらなければいけないのかというと、ま
ず汚染地で徹底的な測定ができるように保障しなければいけません。
われわれが5月下旬に行ったときに1台しか南相馬になかったという
けれど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しか
しその英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、われわ
れが行って、教えてあげて実際に使いだしてはじめて20個での測定
ができるようになった。それが現地の状況です。

それから先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウ
ンターというのではなしに、今日ではもっとイメージングベースの
測定器が、はるかにたくさん半導体で開発されています。なぜ政府
はそれを全面的に応用してやろうとして、全国に作るためにお金を
使わないのか。3カ月経ってそのようなことが全く行われていないこ
とに私は満身の怒りを表明します。

第二番目です。私の専門は、小渕総理のときから内閣の抗体薬品の
責任者でして今日では最先端研究支援ということで、30億円をかけ
て、抗体医薬品にアイソトープをつけて癌の治療をやる、すなわち
人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事ですから、
内部被曝問題に関して、一番必死に研究しております。

そこで内部被曝がどのように起きるかということを説明させていた
だきます。内部被曝の一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起きるか
というと、DNAの切断を行います。ただしご存知のように、
DNAというのは二重らせんですから、二重のときは非常に安定的
です。

それが細胞分裂するときは、二重らせんが1本になって2倍になり、
4本になります。この過程のところがもの凄く危険です。そのために
妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖の盛んな細胞に対
しては、放射線障害は非常な危険性を持ちます。

さらに大人においても、増殖の盛んな細胞、例えば放射性物質を与
えると、髪の毛に影響したり、貧血になったり、それから腸管上皮
に影響しますが、これらはいずれも増殖の盛んな細胞でして、そう
いうところが放射線障害のイロハになります。

それで私たちが内部に与えた場合のことで知っている事例を挙げま
す。これは実際には一つの遺伝子の変異では癌はおこりません。
最初の放射線のヒットが起こったあとにもう一個の別の要因で、癌
への変異が起こるということ、これはドライバーミューテーション
とか、パッセンジャーミューテーションとか、細かいことになりま
すが、それは参考の文献をつけてありますので、後で、チェルノ
ブイリの場合や、セシウムの場合を挙げていますので、それを見て
いただきますが、まず一番有名なのはα線です。

プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいると聞いて、
私はびっくりしましたが、α線は最も危険な物質であります。それ
はトロトラスト肝障害というところで、私ども肝臓医は、すごくよ
く知っております。

要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトと
いう形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。
I131(ヨウ素131)は甲状腺に集まります。トロトラストは
肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。
これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディ
スキャンしても、まったく意味がありません。

トロトラストの場合、これは造影剤でして、1890年からドイツで用
いられ、1930年頃から日本でも用いられましたが、その後、20から
30年経つと肝臓がんが25%から30%起こるということが分かってま
いりました。最初のが出て来るまで20年というのが何故かと言うと、
トロトラストはα線核種なのですが、α線は近隣の細胞を障害しま
す。そのときに一番やられるのは、P53という遺伝子です。

われわれは今、ゲノム科学ということで人の遺伝子の配列を知って
いますが、一人の人間と別の人間はだいたい三百万箇所違います。
ですから人間を同じとして扱うような処理は今日ではまったく意味
がありません。いわゆるパーソナライズドメディスンと言われるよ
うなやり方で、放射線の内部障害を見るときにも、どの遺伝子がや
られて、どのような変化が起こっているかということをみることが、
原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は、第一の段階でP53の遺伝子がやられて、それ
に続く第二、第三の変異が起こるのが20年から30年かかり、そこで
肝臓癌や白血病が起こってくることが証明されています。

次にヨウ素131、ご存知のように甲状腺に集まりますが、成長期の
集積がもっとも特徴的であり、小児に起こります。しかしながら1991
年に最初、ウクライナの学者が甲状腺癌が多発しているというときに、
日本やアメリカの学者は、ネイチャーに、これは因果関係が分から
ないということを投稿しております。なぜかというと1986年以前の
データがないから統計学的に有意だということが言えないということ
です。

しかし統計学的に有意だということが分かったのは、20年後です。
20年後に何が分かったかというと、86年から起こったピークが消えた
ために、過去のデータがなくても因果関係があるということがエビ
デンスになった。ですから疫学的な証明というのは非常に難しくて、
全部の症例が終わるまでだいたい証明できないです。

ですから今、われわれに求められている子どもを守るという観点から
はまったく違った方法が求められます。そこで今、行われているのは
国立のバイオアッセ―研究センターという化学物質の効果を見る、
福島昭治先生という方がチェルノブイリの尿路系に集まるものを検討
されていまして、福島先生たちが、ウクライナの医師と相談して500
例以上のある症例を集めています。

前立腺肥大のときに手術をしますと膀胱もとれてきます。これを見まし
て検索したところ、高濃度の汚染地区、尿中に6ベクレルパーリットル
と微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも
増殖性の前癌状態、われわれからみますと、P38というMAPキナーゼと、
NFカッパーBというシグナルが活性化されているのですが、それに
よる増殖性の膀胱炎というのが必発性でありまして、かなりの率で
上皮内の癌ができているということが、報告されています。

それでこの量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2から
13ベクレル、7名から検出されているというがすでに報告されていること
であります。われわれアイソトープ総合センターでは、現在まで毎週
だいたい4人ぐらいの所員を派遣しまして、南相馬市の除染に協力して
おります。

南相馬でも起こっていることはまったくそうでして、20キロ、30キロ
という分け方はぜんぜん意味が無くて、幼稚園ごとに測っていかないと
全然ダメです。それで現在、20キロから30キロ圏にバスをたてて、
1700人の子どもが行っていますが、実際には南相馬で中心地区は海側で、
学校の7割は比較的線量は低いです。

ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100
万円かけて、子どもが強制的に移動させられています。このような事態
は一刻も早くやめさせてください。今、一番その障害になっているのは、
強制避難でないと補償しないということ。参議院のこの前の委員会で
当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそのような答弁を行って
いますが、これは分けて下さい。補償問題と線引の問題と、子どもの
問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすこと
をぜひお願いします。

それからもう一つは現地でやっていて思いますが、緊急避難的除染と
恒久的除染をはっきりわけていただきたい。緊急避難的除染をわれわれ
もかなりやっております。例えば図表にでています滑り台の下、ここは
小さい子どもが手をつくところですが、滑り台から雨水が落ちて来ると
毎回ここに濃縮します。右側と左側にずれがあって、片側に集まって
いますと、平均線量1マイクロのところですと、10マイクロの線量が
出てきます。こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくては
なりません。

またコケが生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手を
ついたりしているところなのですが、そういうところは、高圧洗浄機を
持って行ってコケをはらうと2マイクロシーベルトが0.5マイクロ
シーベルトにまでなります。

だけれども、0.5マイクロシーベルト以下にするのは非常に難しいです。
それは建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、
一か所だけを洗っても全体を下げることは非常に難しいです。

ですから除染を本当にやるときに、一体どれぐらいの問題がかかり、
どれぐらいのコストがかかるかといことをイタイイタイ病の一例であげ
ますと、カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなのですが、
そのうち1500ヘクタールまで現在、除染の国費が8000億円投入されて
います。もしこの1000倍ということになれば一体どれだけの国費が必要
になるのか。

ですから私は4つのことを緊急に提案したいと思います。
第一に国策として、食品、土壌、水を、測定していく。日本がもってい
る最新鋭のイメージングなどを用いた機器を使って、半導体のイメージ
ング化は簡単です。イメージング化して流れ作業にしていくという意味
での最新鋭の機器を投入して、抜本的に改善してください。これは今の
日本の科学技術でまったく可能です。

二番目。緊急に子どもの被曝を減少させるために、新しい法律を制定
してください。私の現在やっていることはすべて法律違反です。現在
の障害防止法では、核施設で扱える放射線量、核種などは決められて
います。東大の27のいろいろなセンターを動員して南相馬の支援を行っ
ていますが、多くの施設はセシウム使用権限など得ていません。

車で運搬するのも違反です。しかしお母さんや先生たちに高線量のも
のを渡してくるわけにはいきませんから、今の東大の除染では、すべ
てのものをドラム缶に詰めて東京にもって帰ってきています。受け入
れも法律違反、すべて法律違反です。このような状態を放置している
のは国会の責任であります。

全国の国立大学のアイソトープセンターには、ゲルマニウムをはじめ
最新鋭の機種を持っているところはたくさんあります。そういうとこ
ろが手足を縛られたままで、どうやって、国民の総力をあげて子ども
を守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第三番目、国策として土壌汚染を除染する技術に、民間の力を結集して
下さい。これは例えば東レとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。
千代田テクノルとかアトックスというような放射線除去メーカー、竹中
工務店などは、放射線の除染に対してさまざまなノウハウを持っていま
す。こういうものを結集して、ただちに現地に除染研究センターを作っ
て、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみ
の公共事業になりかねないいう危惧を私は強くもっています。
国の財政事情を考えたら、そんな余裕は一瞬もありません。どうやって
本当に除染をやるか。七万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに
国会は一体何をやっているのですか。

以上です。

(なお文中の障害防止法とは、「放射線同位元素等による放射線障害の
防止に関する法律」のことと思われます。)

注 発言の中に、「岩手県藤原町」という呼称があり、配布資料にも
同じように記載されていますが、岩手県には藤原町はありません。
岩手県宮古市藤原か、岩手県東磐井郡藤沢町の誤りではないかと思われます。

コメント (27)

明日に向けて(208)放射線の健康への影響について(児玉龍彦教授国会発言)

2011年07月29日 01時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日

守田です。(20110729 01:00 16:00修正)

東大の児玉龍彦教授が国会で名演説をされました。非常に感動したのでノートテークしました。これに解説などを加えて記事にしようと思っていましたが、ツイッターでの反響が凄いので、ともあれ発言内容を先にご紹介しておくことにします。
明日、これへの僕のコメントを書いて、記事を追加します。

なお児玉教授は朝日新聞でもコメントしています。
測定と除染を急げ/児玉龍彦東大教授に聞く
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001107010005

以下、児玉さんの発言のノートテークをお届けします。
(その後、改訂版を出していますが、こちらの文章も訂正をいれました)

*****************************

衆議院厚生労働委員会 「放射線の健康への影響について」
児玉龍彦教授発言 7月27日
http://www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M

私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉です。
3月15日に、大変に驚愕しました。私ども東京大学には27箇所のアイソトープセンターがあり、放射線の防護とその除染などの責任を負っております。

私自身は内科の医者でして、東大病院の放射線の除染などに数十年関わっております。まず3月15日の午前9時ごろ、東海村で5マイクロシーベルトという線量を経験(観測)しまして、それを文科省に第10条通報ということで直ちに通報いたしました。

その後東京で0.5マイクロシーベルトを超える線量を検出しました。これは一過性に下がりまして、そのあと3月21日に東京で雨が降り0.2マイクロシーベルト等の線量が降下し、これが今日までの高い線量の原因になっていると思っております。このときに枝野官房長官が、さしあたり健康にあまり問題がないということを
おっしゃいましたが、私はじっさいにこのときにこれは大変なことになると思いました。

なぜなら現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射線が少しあることを前提にしています。このときは総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロ圏で5マイクロシーベルト、200キロ圏で0.5マイクロシーベルト、さらにそれを越えて、足柄から静岡のお茶にまで汚染が及んでいることは、今日、すべてのみなさんがご存じの通りであります。

われわれが放射線障害をみるときには総量を見ます。それでは政府と東京電力はいったい今回の福島原発事故の総量がどれぐらいであるかはっきりとした報告はまったくしていません。

そこで私どもはアイソトープセンターの知識をもとに計算してみますと、まず熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが露出しております。ウラン換算では20個分のものが漏出しています。

さらにおそるべきことにはこれまでの知見で、原爆による放射能の残存量と、原発から放出されたものの残存量は1年経って、原爆が1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。

つまり今回の福島原発の問題はチェルノブイリ事故と同様、原爆数十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと大量の残存物を放出したということが、まず考える前提になります。

そうしますと、われわれはシステム生物学というシステム論的にものをみるやり方でやっているのですが、総量が少ない場合には、ある人にかかる濃度だけを見ればいいです。しかしながら総量が非常に膨大にありますと、これは粒子の問題です。

粒子の拡散というのは、非線形という科学になりまして、われわれの流体力学の計算ではもっとも難しいことになりますが、核燃料というものは、砂粒のようなものが、合成樹脂のようなものの中に埋め込まれております。

これがメルトダウンして放出されるとなると、細かい粒子がたくさん放出されるようになります。そうしたものが出てまいりますと、どういうことがおこるかというのが今回の稲藁の問題です。例えば岩手の藤原町(注)では、稲藁5万7千ベクレルパーキログラム、宮城県の大崎1万7千ベクレルパーキログラム、南相馬市10万6千パーキログラム、白河市9万7千パーキログラム、岩手6万4千パーキログラムということで、この数値はけして同心円上にはいかない。
どこでどう落ちているかということは、その時の天候、また例えばその物質が水を吸い上げたかどうか、にかかります。

今回の場合も、私は南相馬に毎週行っています。東大のアイソトープセンターは現在までに7回の除染を行っていますが、南相馬に最初にいったときには1台のNaIカウンターしかありません。農林省が通達を出した3月19日には、食料も水もガソリンもつきようとして、南相馬市長が痛切な訴えをWEBに流したのは広く知られているところであります。

そのような中で通達1枚を出しても誰も見ることができないし、誰も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるということは、まったく農家は認識されていない。農家は資料を外国から買って、何十万という負担を負って、さらに牛にやる水は実際に自分たちが飲む地下水にその日から代えています。

そうするとわれわれが何をやらなければいけないのかというと、まず汚染地で徹底的な測定ができるように保障しなければいけません。
われわれが5月下旬に行ったときに1台しか南相馬になかったというけれど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しかしその英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、われわれが行って、教えてあげて実際に使いだしてはじめて20個での測定ができるようになった。それが現地の状況です。

それから先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというのではなしに、今日ではもっとイメージングベースの測定器が、はるかにたくさん半導体で開発されています。なぜ政府はそれを全面的に応用してやろうとして、全国に作るためにお金を使わないのか。3カ月経ってそのようなことが全く行われていないことに私は満身の怒りを表明します。

第二番目です。私の専門は、小渕総理のときから内閣の抗体薬品の責任者でして今日では最先端研究支援ということで、30億円をかけて、抗体医薬品にアイソトープをつけて癌の治療をやる、すなわち人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事ですから、内部被曝問題に関して、一番必死に研究しております。

そこで内部被曝がどのように起きるかということを説明させていただきます。内部被曝の一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起きるかというと、DNAの切断を行います。ただしご存知のように、DNAというのは二重らせんですから、二重のときは非常に安定的です。

それが細胞分裂するときは、二重らせんが1本になって2倍になり、4本になります。この過程のところがもの凄く危険です。そのために妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖の盛んな細胞に対しては、放射線障害は非常な危険性を持ちます。

さらに大人においても、増殖の盛んな細胞、例えば放射性物質を与えると、髪の毛に影響したり、貧血になったり、それから腸管上皮に影響しますが、これらはいずれも増殖の盛んな細胞でして、そういうところが放射線障害のイロハになります。

それで私たちが内部に与えた場合のことで知っている事例を挙げます。これは実際には一つの遺伝子の変異では癌はおこりません。
最初の放射線のヒットが起こったあとにもう一個の別の要因で、癌への変異が起こるということ、これはドライバーミューテーションとか、パッセンジャーミューテーションとか、細かいことになりますが、それは参考の文献をつけてありますので、後で、チェルノブイリの場合や、セシウムの場合を挙げていますので、それを見て
いただきますが、まず一番有名なのはα線です。

プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいると聞いて、私はびっくりしましたが、α線は最も危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害というところで、私ども肝臓医は、すごくよく知っております。

要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。
I131(ヨウ素131)は甲状腺に集まります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディスキャンしても、まったく意味がありません。

トロトラストの場合、これは造影剤でして、1890年からドイツで用いられ、1930年頃から日本でも用いられましたが、その後、20から30年経つと肝臓がんが25%から30%起こるということが分かってまいりました。最初のが出て来るまで20年というのが何故かと言うと、トロトラストはα線核種なのですが、α線は近隣の細胞を障害します。そのときに一番やられるのは、P53という遺伝子です。

われわれは今、ゲノム科学ということで人の遺伝子の配列を知っていますが、一人の人間と別の人間はだいたい三百万箇所違います。
ですから人間を同じとして扱うような処理は今日ではまったく意味がありません。いわゆるパーソナライズドメディスンと言われるようなやり方で、放射線の内部障害を見るときにも、どの遺伝子がやられて、どのような変化が起こっているかということをみることが、原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は、第一の段階でP53の遺伝子がやられて、それに続く第二、第三の変異が起こるのが20年から30年かかり、そこで肝臓癌や白血病が起こってくることが証明されています。

次にヨウ素131、ご存知のように甲状腺に集まりますが、成長期の集積がもっとも特徴的であり、小児に起こります。しかしながら1991年に最初、ウクライナの学者が甲状腺癌が多発しているというときに、日本やアメリカの学者は、ネイチャーに、これは因果関係が分からないということを投稿しております。なぜかというと1986年以前のデータがないから統計学的に有意だということが言えないということです。

しかし統計学的に有意だということが分かったのは、20年後です。20年後に何が分かったかというと、86年から起こったピークが消えたために、過去のデータがなくても因果関係があるということがエビデンスになった。ですから疫学的な証明というのは非常に難しくて、全部の症例が終わるまでだいたい証明できないです。

ですから今、われわれに求められている子どもを守るという観点からはまったく違った方法が求められます。そこで今、行われているのは国立のバイオアッセ―研究センターという化学物質の効果を見る、福島昭治先生という方がチェルノブイリの尿路系に集まるものを検討されていまして、福島先生たちが、ウクライナの医師と相談して500例以上のある症例を集めています。

前立腺肥大のときに手術をしますと膀胱もとれてきます。これを見まして検索したところ、高濃度の汚染地区、尿中に6ベクレルパーリットルと微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも増殖性の前癌状態、われわれからみますと、P38というMAPキナーゼと、NFカッパーBというシグナルが活性化されているのですが、それによる増殖性の膀胱炎というのが必発性でありまして、かなりの率で上皮内の癌ができているということが、報告されています。

それでこの量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2から13ベクレル、7名から検出されているというがすでに報告されていることであります。われわれアイソトープ総合センターでは、現在まで毎週だいたい4人ぐらいの所員を派遣しまして、南相馬市の除染に協力しております。

南相馬でも起こっていることはまったくそうでして、20キロ、30キロという分け方はぜんぜん意味が無くて、幼稚園ごとに測っていかないと全然ダメです。それで現在、20キロから30キロ圏にバスをたてて、1700人の子どもが行っていますが、実際には南相馬で中心地区は海側で、学校の7割は比較的線量は低いです。

ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて、子どもが強制的に移動させられています。このような事態は一刻も早くやめさせてください。今、一番その障害になっているのは、強制避難でないと補償しないということ。参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそのような答弁を行っていますが、これは分けて下さい。補償問題と線引の問題と、子どもの問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

それからもう一つは現地でやっていて思いますが、緊急避難的除染と恒久的除染をはっきりわけていただきたい。緊急避難的除染をわれわれもかなりやっております。

例えば図表にでています滑り台の下、ここは小さい子どもが手をつくところですが、滑り台から雨水が落ちて来ると毎回ここに濃縮します。右側と左側にずれがあって、片側に集まっていますと、平均線量1マイクロのところですと、10マイクロの線量が出てきます。こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはなりません。

またコケが生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが、そういうところは、高圧洗浄機を持って行ってコケをはらうと2マイクロシーベルトが0.5マイクロシーベルトにまでなります。

だけれども、0.5マイクロシーベルト以下にするのは非常に難しいです。それは建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、一か所だけを洗っても全体を下げることは非常に難しいです。

ですから除染を本当にやるときに、一体どれぐらいの問題がかかり、どれぐらいのコストがかかるかといことをイタイイタイ病の一例であげますと、カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなのですが、そのうち1500ヘクタールまで現在、除染の国費が8000億円投入されています。もしこの1000倍ということになれば一体どれだけの国費が必要になるのか。

ですから私は4つのことを緊急に提案したいと思います。
第一に国策として、食品、土壌、水を、測定していく。日本がもっている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を使って、半導体のイメージング化は簡単です。イメージング化して流れ作業にしていくという意味での最新鋭の機器を投入して、抜本的に改善してください。これは今の日本の科学技術でまったく可能です。

二番目。緊急に子どもの被曝を減少させるために、新しい法律を制定してください。私の現在やっていることはすべて法律違反です。現在の障害防止法では、核施設で扱える放射線量、核種などは決められています。東大の27のいろいろなセンターを動員して南相馬の支援を行っていますが、多くの施設はセシウム使用権限など得ていません。

車で運搬するのも違反です。しかしお母さんや先生たちに高線量のものを渡してくるわけにはいきませんから、今の東大の除染では、すべてのものをドラム缶に詰めて東京にもって帰ってきています。受け入れも法律違反、すべて法律違反です。このような状態を放置しているのは国会の責任であります。

全国の国立大学のアイソトープセンターには、ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところはたくさんあります。そういうところが手足を縛られたままで、どうやって、国民の総力をあげて子どもを守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第三番目、国策として土壌汚染を除染する技術に、民間の力を結集して下さい。これは例えば東レとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。千代田テクノルとかアトックスというような放射線除去メーカー、竹中工務店などは、放射線の除染に対してさまざまなノウハウを持っています。こういうものを結集して、ただちに現地に除染研究センターを作って、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみの公共事業になりかねないいう危惧を私は強くもっています。
国の財政事情を考えたら、そんな余裕は一瞬もありません。どうやって本当に除染をやるか。七万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに国会は一体何をやっているのですか。

以上です。

(なお文中の障害防止法とは、「放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」のことと思われます。)

注 発言の中に、「岩手県藤原町」という呼称があり、配布資料にも同じように記載されていますが、岩手県には藤原町はありません。
岩手県宮古市藤原か、岩手県東磐井郡藤沢町の誤りではないかと思われます。


コメント (108)

明日に向けて(207)肥田さんが7月31日に京都で講演します。(僕も30日に・・・)

2011年07月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110728 23:30)

「明日に向けて」でたびたび取り上げてきた肥田舜太郎医師が
7月31日に京都で講演するのでお知らせします。僕もぜひとも
聞きに行こうと思います。

主催は民青同盟京都府委員会です。
ピースジャム☆in京都2011という催しです。

また僕も30日に京都エルコープの協同組合研究会で
お話をさせていただきます。
一般参加も可能とのことでお知らせしておきます。

****************

ピースジャム☆in京都2011

毎年恒例の、原水爆禁止世界大会のプレ企画『ピースジャム☆in京都』
を今年もおこないます

今年のメイン企画は
『核兵器も原発もなくそう』 講師 :肥田舜太郎さん
肥田舜太郎さんは、94歳。自身も広島で軍医として勤務中に被爆され、
その後は一貫してヒバクシャ治療にあたられてきた医師です。これまで
医師としてみてきた被爆者の実態を訴えてこられました。福島原発事故
以降も、核兵器の廃絶と原発からの撤退を訴え精力的に発言されています。
企画後は、“核兵器も原発もなくそうパレード”もおこないます
たくさんの参加お待ちしています~

■7月31日(日)13:00開場 13:20開始
■場所:京都アスニー第2研修室
■参加費無料
http://dylj-kyoto.org/?p=169

******************

協同組合研究会 7月例会
7月30日(土) 14:00~17:00 
生活クラブ京都エル・コープ 西センター 3F会議室
(JR桂川駅より東へ徒歩1分)

生活協同組合生活クラブ京都エル・コープ 
京都市南区久世上久世町161番地
TEL 075-934-7370
FAX 075-934-7377

コメント

明日に向けて(206)放射能汚染が全面化してきた!コメが危ない!(小佐古氏インタビューによせて)

2011年07月27日 10時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110727 10:00)

7月26日の毎日新聞に短いですが、注目すべき記事が出ました。短いので全
文を掲載します。

放射性物質:福島産の小麦とナタネからセシウム検出

福島県は25日、広野町で採取した小麦から国の暫定規制値の1キロ当たり
500ベクレルを超える放射性セシウム同630ベクレルを、田村市で採取
したナタネから同720ベクレルを検出したと発表した。いずれも出荷され
ていない。小麦については農家1戸、ナタネは複数の関係農家に出荷自粛を
要請した。小麦、ナタネともに暫定規制値を超えたのは初めて。【種市房子】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110726k0000m040194000c.html

小麦から1キロあたり630ベクレルの放射性セシウムを検出・・・。これは今
後さまざまな地域の穀物から汚染が発見される前触れだと思います。

この点については、少し前になりますが7月2日のウォールストリートジャー
ナル日本版に載った記事が参考になります。
「日本の放射能問題は深刻=元内閣官房参与・小佐古氏」と題した記事で、
いわゆる20ミリシーベルト問題で、泣きながら辞任の記者会見を行った小佐
古氏から、辞任後初のインタビューをとったものです。

ここで記事は次のように述べています。

「菅内閣は海の汚染や魚への影響について迅速な分析ができておらず、汚染除
去コストを最小限に抑えるために特定の放射能の危険性を過小評価していると
述べた。日本の放射線安全学における第一人者である小佐古氏がメディアの取
材に応じたのは、4月に内閣官房参与を辞任して以来初めて。

同氏は、茶葉やほうれん草など、食品の汚染については、既に散発的に報告さ
れているものの、今年後半、特に日本人の主食である米の収穫が始まった頃に、
より広範な、憂慮すべき問題が明らかになるだろうとした。」

小佐古氏はここで、今後、コメの放射能汚染が明らかになるとともに、「より
広範な、憂慮すべき問題が明らかになるだろう」と述べています。注目に値す
る発言です。

小佐古氏が辞任した時、僕はその背後にあるものを分析し、3回にわたって記
事を書きました。涙ながらの会見には、小佐古氏の隠しようのない心情が表れ
ていると感じたのですが、その後、被爆3世の友人より、小佐古氏は、被爆者
の裁判で、常に国側証人として被爆者の前に立ちふさがってきた「御用学者」
であることを教えられ、涙の背景にあるものを分析する必要を感じたからです。

その結果、見えてきたのは、小佐古氏が、20ミリシーベルトという数値の危険
性に反対しているのみならず、放射能汚染の実態を隠し続けている政府の姿勢
についていけなくなり、もうこれ以上、共犯者になりたくないと辞任したので
はないかということでした。これは当時の小佐古氏の発言を分析していくと
見えて来るものです。興味のある方は是非、以下をご覧下さい。

明日に向けて(87)福島で、原発で何が起こっているのか。小佐古さん辞任劇
を読む・・・1
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8d11166c8ec7f8b593d329e178bdc616
明日に向けて(88)同・・・2
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b6d4d0a48defc519784b4920b1ae1f4c
明日に向けて(91)同・・・3
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4a704624345ae4f2b81558f8cf71a805


今回のインタビューにおけるコメの汚染に関するかなり確定的なの予測や、コ
メのことが明らかになるとともに「より広範な憂慮すべき問題が明らかになる」
との発言も、小佐古氏が、放射能汚染の深刻な実態を、この時点でつかんでいた
からこそ、可能になっていることは明白です。

つまりここから明らかなのは、放射能汚染の実態は、今、表面化しているもの
よりもかなり深刻であり、それが今後、不可避的に全面化してくるだろうとい
うことです。そのときの社会的インパクトは、今、話題になっているセシウム
による牛肉の汚染問題をはるかに凌駕することになります。問題が主食に及ぶ
からであり、かつ「より広範に」問題が出て来るだろうからです。

この点について、小佐古氏は問題を小出しにしないで、もっと知り得ているこ
とをきちんと公表すべきだと思いますが、いずれにせよ私たちは、食料汚染が
さらに大きな規模で進行していること、それがこれから表面化してくることに
ある種、腹をくくって向き合っていかねばならないと思います。

さらに注意しておくべき点は、こうした小佐古氏辞任劇が、4月初旬における
アメリカの日本政府への介入の強化と、その後の「放射能ストレスキャンペー
ン」のはじまり、つまり放射能の害はそれほど大きくなく、むしろそれを怖が
る方が害があるのだというキャンペーンや、4月15日の「チェルノブイリ事故
との比較」という、同事故をきわめて過少に評価し、被害実態を隠ぺいした、
ほとんど詐欺のような文章の首相官邸HPへの掲載などの流れの中で起こって
きたということ。つまりこの辞任劇には放射能汚染隠しの強化が背景にあった
ことであり、これが今なお継続中だということです。

それがここ数日、俄かにもち上がってきた、「生涯許容量100シーベルト」なる
キャンペーンの開始だと僕は思います。これは明らかに今後、主食の放射能汚
染が表面化することに対し、「それを食べ続けても生涯に100ミリシーベルトに
ならないから大丈夫だ」と強弁することを見据えた法制化の動きだと思われます。

つまり政府は、汚染の表面化に対して、それと立ち向かい、除去するのではな
く、汚染が表面化しても「問題がない」ように法を整備し、あるいは作り変え、
事態に対処しようとしているのです。繰り返しますが、汚染に立ち向かうので
はなく、汚染を国民と住民に受け入れさせることを考えているのです。

これは事故以来、政府が一貫してとってきた姿勢です。放射能の危険性から
国民と住民を守るのではなく、被曝被害への国民と住民の怒りから、政府を、
あるいは国際的な原子力産業を守ろうとしてきたのです。そのために、許容量を
どんどん緩くしてしまうなど、汚染を汚染と捉えないための整備を行い、危険を
安全といいかえ、結果的には被曝をどんどん促進する方策をとり続けてきたのが
私たちの政府です。

事故当初に福島に山下俊一教授を送りこんで、「心配するな。被曝などしない。
マスクもしなくていい」と言い続けたことと同じことが、今、国家レベルで、
行われようとしています。

・・・この問題の解析を続けます。

*********************************

【インタビュー】日本の放射能問題は深刻=元内閣官房参与・小佐古氏
ウォールストリートジャーナル日本版 2011年7月2日

菅内閣の元官房参与、小佐古敏荘氏(61)が原発事故に対する政府の対応を痛
烈に批判し、今後、放射能の脅威がさらに露呈する可能性があると警告した。

ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じた小佐古氏は、菅内閣
は海の汚染や魚への影響について迅速な分析ができておらず、汚染除去コスト
を最小限に抑えるために特定の放射能の危険性を過小評価していると述べた。
日本の放射線安全学における第一人者である小佐古氏がメディアの取材に応じ
たのは、4月に内閣官房参与を辞任して以来初めて。

同氏は、茶葉やほうれん草など、食品の汚染については、既に散発的に報告さ
れているものの、今年後半、特に日本人の主食である米の収穫が始まった頃に、
より広範な、憂慮すべき問題が明らかになるだろうとした。

同氏は、「今年の秋の収穫の時期が来れば混乱がおきる。収穫した時に米の中
に、どのようなレベルかわからないが、放射能が入っている。それがスキャン
ダルになり、東北の米は買わないということになれば、やっかいなことになる」
と述べた。

さらに、3月11日に原子炉が津波の被害を受けて以来、福島第1原発の状況に対
して政府がとってきた対応は、日本の政策決定のまずさを露呈したとし、「政
府の意思決定メカニズムははっきりしない。どういう理屈で何を決めているの
かはっきりしない。とても民主主義社会とは思えない」と述べ、東アジアの発
展途上国のような状況になっているとの見方を示した。

小佐古氏は、具体的に、校庭における放射能の許容水準を超える学校が17校に
とどまるよう、政府は許容水準を比較的高いレベルに設定した、と述べた。同
氏が主張していたようにより低い水準に設定した場合、何千校もの学校で全面
的な放射能除去作業が必要になる。菅首相率いる民主党は補正予算の国会承認
を得るために苦慮しており、同氏は、このようにコストがかかる選択肢は支持
されなかった、としている。

「今の内閣は生き延びるためだけに、色々な対策をうっているとしか私には考
えられない」と同氏は述べた。

本紙が小佐古氏の主張について政府のコメントを求めたところ、内閣府の高官
が匿名で回答し、政府は海の放射能除去に向けて最大限の努力をしており、漁
業従事者やその他関係者と緊密に協力していると述べた。

同高官は、「特に主食の米には細心の注意をはらっている」と述べ、既に作付
けは制限されているが、もし基準値を超える放射能が検出された場合は出荷を
停止すると付け加えた。

また、学校の問題については、政府は許容レベルの引き下げに向けて検討中で
あり、追加措置も考慮しているとした。

今年4月30日、政府や学界の審議会などに数多く参加してきた東京大学教授の小
佐古氏が菅内閣の官房参与を辞任したため、政府の原発事故対応をめぐる懸念
に拍車がかかった。小佐古氏は、同氏を含む専門家が行った多くの申し入れは
取り入れられなかったとしており、政府が定める校庭の放射能許容水準は「受
け入れられない」とした。自分の子どもでもそういう目に遭わせることはでき
ないと記者会見で涙をぬぐう同氏の姿は全国に放映された。

その後2カ月間、同氏は東京大学で放射線安全学の講義に集中してきたが、まず
は海外で心の内を明かす準備ができたと述べ、今後数週間は米国や台湾で講演
を行う。

同氏は、特に、被災した原子炉から周辺の海に廃棄された大量の放射性物質が
海を汚染する可能性について懸念を深めている。政府は、福島第1原発の原子炉
冷却過程で、何が海に廃棄されたのか、大ざっぱな報告しか発表していない。
小佐古氏は、海水の監視や、汚染水の拡散状況の予想をこれまで以上に行い、
海草から貝類、魚類にいたるまで様々な種類の汚染に対応するための措置を実
行するように求め、「ずっとやれやれといってきたのに、やっていない」と述
べた。

同氏は辞任の際、官房参与だった6週間に行ったすべての申し入れをまとめた、
「福島第一原子力発電所事故に対する対策について(参与提言を中心に)報告
書」と題する分厚い文書を政府高官に提出した。本紙は独立した情報源からそ
の文書のコピーを手に入れている。

3月16日に官房参与に着任して以来、小佐古氏とその他の専門家の一部は幅広く
様々な提言を行ってきたが、中には何週間も経ってから一般に知られるように
なったものもある。例えば、3月17日には、政府の緊急時迅速放射能影響予測
ネットワークシステム(SPEEDI)で「合理的な最悪のケース」を使い、
住民の被曝レベルを予想することを提言した。

3月18日には、政府の原子力安全委員会に対し、SPEEDIによるシミュレー
ションに基づいて、当初の避難区域の妥当性を再考するように勧告した。

しかし、SPEEDIデータは3月23日まで一般には公開されず、避難区域は
4月11日まで変更されなかった。政府を批判する向きは、そうした遅れによっ
て、何千人もの福島県住民が高レベルの放射能にさらされた可能性があるとし
ている。
記者: YUKA HAYASHI
http://jp.wsj.com/Japan/node_258611

コメント (3)

明日に向けて(205)圧力容器破損後の溶融デブリの挙動(後藤政志さん談)

2011年07月26日 23時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110726 23:30)

7月19日に原子力資料情報室で、後藤政志さんがシビアアクシデント解説
のその1として、「圧力容器破損後の溶融デブリの挙動」と題した講演を
行ってくださいました。再びノートテークしてみなさんと内容をシェア
したいと思います。

溶融デブリとは、燃料棒が熱で溶けてメルトダウンしたときの塊のことで
す。後藤さんは格納容器の設計師として、このデブリが発生した時にどの
ような挙動をみせるのかの研究にも携わってきており、今回、実際に起き
たと思われることを詳しく解説してくれています。

実際にどうデブリが動いたと推論されるかについては、格納容器の構造上
の問題を孕むので、文字だけで伝えることには限界があります。ぜひ適宜
映像を見て把握して欲しいと思いますが、考えられるのは、圧力容器を破
ったデブリが、格納容器の下のコンクリートの上に落ち、そのまま横に流
れて格納容器の鉄板に接触してその外に出てしまっているか、あるいは、
コンクリートの下に潜り込み、そこで鉄板に接触して外に出てしまってい
るかだということです。

ただしこれは福島第一原発1号機から3号機が採用しているマーク1型、ない
しその改良型で起こることで、この場合、圧力容器の外に出たデブリに水
をかけると水蒸気爆発が起こる可能性があるものの、今回はそれは免れて
いると思われます。

これに対して福島第一原発6号機や、柏崎1,2,3号などのマークⅡ型ないし
その改良型の場合、原子炉圧力容器の真下にサブレッション・プールがある
構造になっているため、溶融デブリはプールの中に直接落下してそこで水蒸
気爆発を起こす可能性が高くあります。

後藤さんが強調しているのは、いずれにせよ溶融デブリのコントロールなど
設計的にできないこと、つまり炉心溶融が起こったら、もう確実な対処はで
きないのであり、あくまでも原子力プラントの安全性は、炉心溶融を絶対に
起さないことを前提にしなければならないということです。

これに対して「シビアアクシデント」対策とは、炉心溶融が起こった場合の
対策のことであり、そこでは確実な手段はとてもではないけれどとりようが
ない。そのためシビアアクシデント対策をしたから運転を認めよというのは
あまりの暴論だと言うことです。

今回の解説はその1とされていますので、今後の後藤さんの説明もフォロー
して、この問題をより深く押さえていきたいと思います。

以下、後藤さんの発言のノートテークを貼り付けます。今回もあくまでも
「守田がかく聞いた」というものであることに留意をお願いします。

********************************

シビアアクシデント解説(その1)
圧力容器破損後の溶融デブリの挙動
後藤政志さん談 2011年7月19日 
http://www.ustream.tv/recorded/16103618

後藤です。

この間、シビアアクシデントという話が良く出てきた。原子力プラントの
設計条件を著しく越えて、例えば炉心融解するような事態をシビアアクシ
デントと言うが、それをシリーズで解説して行こうと思う。

一番最初だが、炉心が溶融するところはさんざん今まででてきている。水
位が下がって炉心がむき出しになってくると、炉心が溶けて燃料が溶けて
下に落ちて来る。圧力容器の下に落ちる。これがメルトダウンと言われて
きたことだ。

メルトダウンがおきた後、メルトスルーという言葉もある。圧力容器の底
が抜けて、溶融デブリが下に落ちて来る。このデブリというのは、略して
言っているが、炉心が溶け、核燃料が溶け、周囲の構造物が溶けて、塊に
なり、水で冷却できないと下に落ちていくだけのもので、それを溶融デブ
リと呼んでいる。

それがどういう挙動するかということが、格納容器にとっては特に重要だ。
圧力容器が壊れた後の挙動で、それが格納容器の中に落ちてどうなるのか。
それを少し詳しく、格納容器の型式との関係で説明したい。これは普通で
はここまで細かい解説はないと思うが、私自身が格納容器を担当していた
ので、マークⅠとマークⅡではどう違うかを説明したい。


過酷事故時の現象を確認したい。シビアアクシデントが起こり、炉心が溶
けていくと下に落ちて溜まる。それをデブリという。圧力容器は直径が5.5
mぐらい。高さが20mぐらいある。事故が起こってデブリが下部に溜まっ
たとき、冷却ができないと、デブリは下を抜けて格納容器へと落ちて来る。
溶融デブリは燃料が溶けているから3000度以上ある。普通の金属は1500度
ぐらいから溶けていくので、水で冷却しない限りはどんどん溶かしていく。

過酷事故は炉心の溶解が始まった後からのことで、そのときに格納容器で
なんとか止めることが設計上の核心だが、炉心が溶融してしまうと、だい
たい格納容器の設計条件も越えてしまう。格納容器はPCVという。プラ
イマリー・コンテイメント・ベッセル(Primary Containment Vessel)とい
う英語名で、プライマリー=主要な格納のための容器という名がついてい
る。放射能をここで閉じ込めるという意味をなしている。

これは沸騰水型だけの場合に言う。これに対して原子力建屋はセカンダリ
ー・コンテイメント・ビルディングという。二次格納建物という名だ。実
際に事故のときに放射能を止めるのは格納容器とされていて、建屋は圧力
に対してもたない。事故でない時に、建物の中が負圧にしてあるので、放
射能が外に漏れることはないという意味しか持たない。格納容器はそうい
うレベルではなくて、設計上は少なくとも3気圧か4気圧ぐらいまで耐えら
れるようになっている。

それでシビアアクシデントがどう起きたかというと、圧力容器が損傷して
デブリが下に落ちる。これがコンクリートと反応することをコアコンクリ
ート反応という。もう一つはPCVシェルアタックということが起きる。
これはマークⅠ型の特徴だ。マークⅠ型は、フラスコのような格納容器の
下部にドーナツのリングのように、圧力抑制室が取り巻いていて、そこに
向けてベント管という管がつながっているが、この管がフラスコ部分から
外側に突き出している接合部分から、デブリが漏れだすことだ。今日はこ
の、格納容器に落ちたデブリの挙動について詳しく説明したい。

シビアアクシデントをどうやって収束させるかという一般論から言うと、
炉心溶融がはじまって、圧力容器の底が抜けて、格納容器の圧力と温度が
上昇する。どうしようもなくなると格納容器ベントをして、冷却系統を復
活させるか、格納容器を満水にするとか、間欠ベントを行うことになる。

他にも過酷事故対策がいろいろとなされている。今回は電源車を外から持
ってきたり、放水車やポンプ車を持ってきて海水を注入したりした。こう
いうようなものを、プラントがだめな場合に、外から持ってくることが、
過酷事故対策だ。だから過酷事故対策は強力なものではなくて、プラント
そのものがダメなときにほっておけないので、何かの対策を講じるという
ことで、今回のように電源車を持ってきても、車がつかなかったり、つい
ても接続できなかったりということがあった。

プラントに組み込んでいいても、こうしたトラブルはありうるが、外から
非常用に持ってきたものが、稼働しない可能性はもの凄く高い。なので過
酷事故で電源車を持ってきて、接続できないというようなことは当たり前
に起こるのであって、むしろそうしたことに頼ろうとするのが間違ってい
る。訓練が足りなかったというのもその通りだが、訓練をしていればでき
たという問題ではない。だから過酷事故対策は、出来上がったプラントに
中を変えずに、外から何とかしようというパッチワーク的シナリオだ。そ
れを忘れてはいけない。

過酷事故対策として、格納容器ベントというものがあった。格納容器の圧
力があがったときに、格納容器のガス抜きをする。炉心が損傷を起した段
階では放射能が出てしまう。それで究極の選択として行う。ベントしない
で格納容器が爆発したら最悪だが、ベントをすると放射能を出してしまう。

そのときにフィルターがついていればいいという話がある。ヨーロッパの
考え方で、大きなフィルターで濾して出すという考えで、フランス・ドイ
ツ・スウェーデンでは実際につけており、国によっては義務化している。
それに対して日本はまったく顧みなかった。私も技術的にそれがあること
は知っていたが、それを採用しようと言うことにはならなかった。採用し
ようと言おうものなら、なぜ採用する必要があるのか。日本では過酷事故
は起きないという雰囲気だった。しかもこのフィルターは非常に高い。ま
た大きいので目立つとも言われていた。私は技術者としてそれは非常にお
かしいと思っていた。


さて、炉心が溶けて、圧力容器が破損すると、デブリが発生し、それがペ
デスタル=「圧力容器の下の基礎」の中に落ちる。デブリがドライウェル
の中に流出し、それが格納容器のシェルに接触して、格納容器シェルを破
損させてしまうか、あるいは、ペデスタルを破損させるか、RPV(圧力
容器)のスカートを破損させ、圧力容器本体が落下し、ベネべローズに過
大な荷重がかかり、格納容器シェルが破損する。このように考えられる。

デブリが落ちたときの挙動を考えると、マークⅠ型の場合、ペデスタルの
中にサンプという汚染水をためるピットがある。ここからドレン管が横に
走っている。これらは格納容器の床の面にある。

炉心が溶けて、圧力容器のスカートがあり、真下のペデスタルの中に落下
する。格納容器の床にあたるところだ。こういう状態になって、それでも
冷却ができないと、ペデスタルの開口部から炉心溶融デブリがドライウェ
ル内に流出する。そうするとペデステルに穴があいているために、デブリ
はコンクリートの上を横に流れて、格納容器シェルの鉄板に直接触れてし
まう。そうするとあっという間に鉄板が溶けてしまい、外に出てしまう。
今回も、早期に圧力容器がメルトダウンしてこういう状態になったとする
と格納容器が損傷している可能性がある。マークⅠ型の場合はこれが懸念
されている。マークⅠの改良型でも、似たことが起こりうる。

この場合、冷却水は圧力容器の下に落ちたデブリにかけられることになる
が、その場合、デブリは3000度もあるので、水蒸気爆発を起こすことがあ
りうる。今回の場合は、幸いにしてそれが起こらなかった。

これに対してマークⅡ型(第一福島6号、第二福島1号、柏崎1号)、マーク
Ⅱ改良型(第二福島3号、柏崎2号、3号)がある。
マークⅡ型は、ペデスタルがあって、ダイヤフラムフロアというコンクリ
ートの床があり、これでドライウェルとウェットウェル=サブレッション・
プールが仕切られている。

配管破断等が起こって水蒸気が出ると垂直なベント管を介してプールに噴
く。これによって圧力を吸収するようになっている。この場合、溶融デブ
リはどのように挙動するか。デブリが圧力容器を破ると、そのまま下に落
ちていくが、さらにそれを破ると真下にサブレッションプールがある。こ
こで水蒸気爆発が起こる。

マークⅠの場合は、格納容器のすぐ下に水が無い。サぶれションプールは
フラスコの周りをドーナツのように取り巻いている。ところがマークⅡの
場合は、すぐ下にサブレッションプールがあるので、水蒸気爆発の危険性
はこちらの方が高い。水蒸気爆発は、ほとんどコントロールは不可能。溶
融物が水と接触した時に起こる可能性があり、確実に防ぐ方法はない。

マークⅠの場合、脅威なのはデブリが格納容器の下を破っていくか、横に
移動して、ベント管あたりから鉄板を溶かして格納容器シェルの外に出て
しまうことであり、マークⅡの場合は、下に落ちて、水蒸気爆発を起こす
か、ぺデスタルそのものを溶かしてしまい、圧力容器自身が重みで傾いて
すべての配管などを壊してしまうことにある。

これはけして設計で考えるべきことではなくて、万が一、シビアアクシデ
ントで、炉心溶融した結果としてそうしたことが起こりうるというシナリ
オだ。もちろん壊れ方は千差万別で、代表的なものを言っているに過ぎな
いが、大切なことは炉心が溶融すると、いずれにしても最終的には、圧力
容器の破損、あるいは格納容器の破損まで行ってしまう。

格納容器はもともとも設計条件では、かなりの圧力と温度がかかってもそ
れに耐えて放射能を閉じ込めて事故が収束するはず。それが炉心溶融にな
ったとたんにかなりの確率で格納容器破損にいたる。これが過酷事故なの
だ。だから私は過酷事故対策なるものは、格納容器を確実に破損から防ぐ
のでなければ意味がないと思っている。

そういう意味で設計上、どうするかといえば、炉心が溶融していてコント
ロールしようというのはどだい無理な話で、そもそもが炉心溶融を止めな
いと原子力の事故は防げない。それ以降はもう負けてしまったけれども、
なんとか少しでも被害の拡大を緩和しようとするものにすぎない。

だから原子力プラントの設計は、炉心溶融を起さないようにされなければ
ならない。例えばベントにしても、そもそもベントしなければならない、
中の蒸気を出さなければならないという状況がもうダメなのだ。あくまで
も炉心溶融を起さないように手立てをしなければならないのだ。

今回、津波によって非常用のディーゼルが損傷して、炉心溶融を起してし
まったと説明されている。一つのモードとしてあるかもしれないが、それ
だけなのかというと非常に疑問が残る。他の要因が考えられる。格納容器
の破損が早期に起こったことは、津波の影響だと言うのは極めて疑わしい。

あるいは今回の事故に限らなくても、地震の影響は当然、考えなければな
らないところで、もし地震によって何らかの損傷を起した場合は、津波の
影響がなくても、炉心溶融から過酷事故のシナリオはいくらでもある。な
ので私は心配しているわけだ。

地震の問題はまた機会を改めて話をしたいが、ようは炉心溶融が起こった
後について、デブリの挙動の研究はいろいろされてきたけれども、所詮は
それを押し込めようとするのは無理がある。

ちなみにPCVシェルアタックについては、その前に堰をつけることも検
討されていた。しかしそれでシビアアクシデントを防ごうというのは無理
がある。やはり炉心溶融を起してしまっては無理がある。格納容器がベン
トしてしまってもおしまい。これらをすべて踏み込んだ格好の、安全設計
をするのが、今回の事故から学んだ教訓になる。これを本気でやらない限
り、原子力プラントが安心して運転するということにはならない。

今日は過酷事故にいたる炉心溶融の後の挙動、とくに炉心溶融してメルト
ダウンした後に溶融物が格納容器内に落ちて来る挙動について、マークⅠ
型とマークⅡ型の違いを主に説明した。マークⅠ型は冷却のために格納
容器内に後から水を注水する必要がある。マークⅡ型は、サブレッション
・プールに直接落ちて水蒸気爆発をする可能性が高い。

今日の話はここまでにしたい。















コメント

明日に向けて(204)南相馬からSOS プルトニウム・・・!?

2011年07月25日 22時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110725 22:30)

福島原発事故における高濃度の放射能汚染が心配される南相馬市から、
原発から出たとされている、31種類の放射線核種をきちんと調べ、公
表してほしいという要求が出されました。訴えているのは無所属の市
会議員、大山こういちさんです。

ユーチューブで訴えを公開しています。URLは以下の通りです。
http://www.youtube.com/watch?v=a4AoaGuLoMk

大島さんはここで6月6日に原子力安全保安院が、IAEAに提出した報告
書の中で、31種類もの放射性核種が大気中に放出されたとされている
こと、そのデータが、経産省のHPに掲載されていることを指摘してい
ます。しかるこれがマスコミでまったく報道されていないことに対し
「一体どうなっているのか」と疑義を提出するとともに、即刻これら
を調べること、またこれを多くの人々の声で実現させるころを提案し
ています。そのためこの情報の拡散も求めています。

ちなみにこの保安院が発表した31種の放射線核種大量放出情報は、以
下から閲覧できます。分量の大きな報告書ですが、13枚目の表5だけ
でもご覧ください。驚くべき放出量です。
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20110606-1nisa.pdf

僕のこの点を気に書けながら、このところ何を切り口にこの点を論ず
ればいいのか戸惑っていました。セシウム牛が関心を集めていますが、
しかし出ているのはセシウムだけではありません。しかし現状では、
あたかも放射性物質と言えば、セシウムだけをさすかのようにすらなっ
ている。そうではなく保安院の発表でも他に30種もが、大気中に飛び
だしながら、計測されてこなかったのです。

その意味でこの南相馬からのSOSは、私達全体の危機をも包含するもの
です。南相馬を助けるためだけでなく、私達自身を相互に助け合って
いくために、これらの核種の調査を進める要望を強める必要がありま
す。そのためにもぜひ、この大山さんの訴えに耳を傾け、共感された
方は拡散にもご協力ください。

なおお時間のない方のために、全発言をノートテークしましたので、
それも貼り付けておきます。
また大山さんの発言は、英訳バージョンもあり、海外でも反響を呼ん
でいます。発言が紹介されているTIMESの記事も紹介しておきます。
ここからは英字字幕付きバージョンを見ることができるので、英語
ネイティブのご友人などにもご紹介ください。
http://ecocentric.blogs.time.com/2011/07/21/is-this-mike-on-another-youtube-sos-from-fukushima/

以下、大山さんの発言の書き起しを貼り付けます。

*******************************

南相馬からSOS プルトニウム・・・!?

みなさん。こんにちは。南相馬市市会議員無所属の大山こういちです。
現在、継続中の原子力災害最先端地の南相馬市で、今、何が起こって
いるのか。南相馬市市民の皆さん。福島県のみなさん。日本の国民の
みなさん。そして世界市民に情報を発信したいと思います。

南相馬市桜井市長は7月8日、避難市民に対して、戻ってきてという帰
還要請をしました。それを受け、私のところに避難市民の方々から、
多くの不安が寄せられています。その中には放射線量の高いところに
仮設住宅や民間借り上げアパートがあるとか、校庭の表土もはぎとら
ずに仮設校舎を作ったとか、井戸水や自家消費の野菜も調べてもらえ
ないとか、避難して留守にしている住宅の放射線量の測定も、今後の
除染も、全部自己責任とか、不安でいっぱいだということが分かりま
した。

残念ながら避難市民のみなさんのご指摘通りで、なぜこんな段階で市
長が帰って来いと言えるのか。また政府が突然、緊急時避難準備区域
の解除を言うのか、寝耳に水で、みなさんが不安に思うのも当然のこ
とと思います。そこで議員の政務調査・広報の一環として、私も市長
に習い、このユーチューブで南相馬の現状を伝えるべく、情報を発信
することにしました。

避難市民が一番不安に思っていることを、これからお話します。6月
6日公表の、原子力安全保安院がIAEAに提出した報告書によりますと
31種類の放射性核種を大気に放出したことになっております。その中
には猛毒のプルトニウムやストロンチウムを大量に放出したことが一
覧表を見れば明らかです。

空中に出したものの量と種類が分かっていて、どこに落ちたか、調べ
られていません。市長や国会議員に直談判しましたが、未だ検査した
ともしなかったとも、回答が出てきていません。南相馬市は冬のフェ
ーン現象で、全村民避難の飯舘村を越して、空っ風が土ぼこりを巻き
上げ、噴きおろす、いわゆる国見おろしという強い風が、市内に土ぼ
こりをまき散らし、全域を覆います。おそらく今、除染をしても膨大
な量の放射性物質が水源地でもある阿武隈山脈に温存され、国見おろ
しや雨が、これらの移動、流下をさせ、そういう地形や位置に、南相
馬はなっています。

31種類の放射性核種の大量放出についての報告書は、経済産業省のホ
ームページで、誰でも見られるようになっています。しかしマスコミ
では一度も取り上げられておりません。一体、どうなっているのでし
ょうか。土壌調査をやらずに、区域解除や復興を語る事は、経済優先、
人命軽視です。国の宝、子どもの将来に対して、まずは事実を明らか
にして、首相、県知事、市長の三人の首長が、文字通り首をかけて、
責任を持って、安全宣言を出して、全ての責任を国が負うと約束して
からでなければ親としては安心できません。

現地、南相馬市では、時間の経過で、危険が無くなったかのごとく錯
覚し、無防備な日常生活に戻り、マスクもせず、土ぼこりを吸引して
しまっているような光景も目立ってきております。早急な31種の調査
と公表をみなさんで要求しなければ、埒が明かないのではないでしょ
うか。まずは事実を知り、それを踏まえて対策を立てていかねばなり
ません。後で取り返しがつかなくなってからではもう遅いのです。
今、拙速な対応を場当たりに的にしたのでは、子どもたちに申し訳が
立たないと思います。

ぜひみなさん。安心・安全のために、この情報を広げてください。
よろしくお願いいたします。
コメント

明日に向けて(203)沈黙の夏・・・(『死にいたる虚構』ノート(2))

2011年07月25日 08時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110725 8:00)

肥田舜太郎さんが翻訳されたジェイ・グールドの『死にいたる虚構』
ノートの2回目をお届けします。今回、取り上げるのは第三章「沈黙
の夏」です。このタイトルは言うまでもなく、レイチェル・カーソ
ンの名著、『沈黙の春』をもじったものです。

レイチェル・カーソンは、放射能と化学物質の複合汚染の恐ろしさ
をもっとも早く告発した人物として有名です。例えば『沈黙の春』
二章と四章の冒頭には次のような記述が見られます。

「禍のもとは、すでに生物の細胞組織そのものにひそんでゆく。も
はやもとへもどせない。汚染といえば放射能を考えるが、化学薬品
は、放射能にまさるとも劣らぬ禍いをもたらし、万象そものの―生
命の核そのものを変えようとしている。核実験で空中にまいあがっ
たストロンチウム90は、やがて雨やほこりにまじって降下し、土壌
に入りこみ、草や穀物に付着し、そのうち人体の骨に入りこんで、
その人間が死ぬまでついてまわる。だが、化学薬品もそれにまさる
とも劣らぬ禍いをもたらすのだ。」(『沈黙の春』新潮文庫p14,15)

「殺虫剤による水の汚染という問題は、総合的に考察しなければな
らない。つまり人間の環境全体の汚染と切りはなすことができない。
水がよごれるのは、いろんなところから汚物が流れ込むからである。
原子炉、研究所、病院からは放射能のある廃棄物が、核実験がある
と放射性降下物が、大小無数の都市からは下水が、工場からは化学
薬品の廃棄物が流れこむ。それだけではない。新しい降下物―畑や
庭、森や野原にまきちらされる化学薬品、おそろしい薬品がごちゃ
まぜに降りそそぐ―それは放射能の害にまさるとも劣らず、また放
射能の効果を強める。」(『同』p53)

彼女はこうした結果が、人間だけでなく動物たちにもおよび、春に
なっても鳥たちが鳴かない悲惨な事態が訪れてしまう、そうなる前
地球環境の汚染を止めなければならないと訴えたわけですが、実は
この書物を執筆したときに、彼女自身もまた乳がんに侵されていま
した。彼女は同書出版の2年後の1964年に56歳の若さで亡くなって
います。

ちなみにグールドは、『死にいたる虚構』に続く『内部の敵』で、
合衆国の乳がん死亡率が、核実験が頻繁に行われるようになった
1950年から1989年までの間に2倍になったこと、最も増加率の高い
郡では4.8倍にまでなったことに着目し、全データをコンピュータ
に入力して大掛かりな解析を行いました。

そこでは殺虫剤や農薬を含め、さまざまな癌発生の因子が扱われ
ましたが、死亡率が有意に上昇したアメリカの全ての郡に共通する
因子を調べて、唯一、あがってくるのは、その地域が、核施設から
100マイル(160キロ)以内にあることでした。事故だけではなく通
常運転時の許容量と称された放射能の放出も、深刻な被曝をもたら
してきているのです。

レイチェル・カーソンの乳がんが、こうした被曝の影響であったか
どうかを特定することは現代医学ではできませんが、全世界に先駆
けて化学薬品と放射能の複合汚染の危機を告発してくれた彼女が、
56歳で癌で亡くなっていることは、非常に印象的な事実です。因み
に私たちの国はそのほとんどが原発から100マイル以内です・・・。


さてグールドは、こうした事実に踏まえながら、1986年のチェルノ
ブイリ原発事故後のフォールアウトの影響下で、アメリカの一地域
で、実際に「沈黙の夏」が訪れたこと。つまり野鳥たちの多くが、
子育てに失敗し、毎年夏に爆発的に登場してくる若鳥がまったく
みられなかった事実をここで紹介しています。

この観測が行われたのは、サンフランシスコから北へ25マイル離れ
たポイントレイズ鳥類観測所でのことでした。ここで何年もの間、
網をはって野鳥を一時的に捕獲する方法で観察を行ってきたデービ
ット・デサンテ博士は、7月22日の時点で異変に気がつきました。
彼はこれを次のように述べています。

「いつもなら、あふれるほどの親鳥がこどもたちに餌をはこび、は
げましの歌、気持ちをふるい起たせる鳴声を耳にするところなのだ
が、ひな鳥たちのキーキー、チーチーも聞こえず、奇妙な静寂に出
くわしたのである。」(『死にいたる虚構』p23)

デサンテ博士はさらに観察を続けて、次のようなデータを得ます。

「7月後半の第8期間(10日ごとに区切った観察期間)には繁殖率は
通常の24%までに落ち込んだ。この頃はいつもなら鳥の数が最高に
なる時期である。1976年から1985年まで、7月の1日平均捕獲数は30
羽を越えており、デサンテによれば60羽や90羽になるのが普通だっ
た。しかし1986年の7月はどの日も24羽を越えることはなく、たった
3羽の時もあった。」(『同』p24)

デサンテ博士たちは、原因の追及をはじめますが、すぐに農薬、除
草剤、その他の化学薬品の影響をはずしました。少なくとも過去7年
間、問題の地点で、それらが使用された形跡が認められなかったか
らです。デサンテ博士は次のように述べています。

「誰の説明ができなかった。そこで私が冗談のつもりでチェルノブ
イリのせいに違いない、と言ったらみんなが一斉に笑った。何故な
ら、フォールアウトの雨が降った時、ラジオが『心配する必要はな
い。野菜や果物も洗う必要はない。警告は出すな。すべてうまくい
っている』と伝えていたからである。我々はフォールアウトについ
てそれ以上、考えなかった。」(『同』p25)

やがてデサント博士は、似た状況が他の地域でも起こっているので
はないかと、鳥類研究者への問い合わせを始めました。その結果、
得られたのは、こうした事態が、カリフォルニア州北部にのみ集中
して起こっていたことでした。そして今度は本当にチェルノブイリ
事故との関連を疑い始め、気象データを入手して、同年5月6日に、
「チェルノブイリ雲」が、西海岸沿いのワシントン州、オレゴン州、
北カリフォルニア州を通過したこと。これと繁殖減少地域が地理的
に一致していることをつかみました。

さらにこれらのことは鳥たちの種別の観測からも裏付けられました。
というのは、鳥たちの移動様式、生息地、巣の位置は繁殖の減少に
影響を与えていたなかったものの、餌の食べ方が大きく影響してい
たのです。要するに新緑をかじった虫の幼虫を餌とする鳥たちに被
害が集中し、キツツキやツバメなどには影響はなかったのです。

なぜかといえば、キツツキは、カブトムシの幼虫、しかも死にかけ
たものを木の中から掘りだして餌にしており、ツバメは主に水生昆
虫を餌にしているので、放射能の濃縮した餌をあまりとらずに済む。
これに対して、葉の上のいも虫たちを捕まえる鳥たちは、それだけ
生体濃縮された放射能をひな鳥に与えてしまうことになったのです。

これらの鳥たちは、小さなものも多く、大きな鳥に比べて、代謝が
早いために、体重当たりに食べる餌の量も多い。つまりそれだけ放
射能の害も受けてしまう。それが5月以降、ひな鳥たちに集中して
しまった。このためこの年の夏、カリフォルニア北部で「沈黙の夏」
が訪れてしまったのでした。チェルノブイリが引きよせた沈黙でした。


・・・僕はこれまで、日本の森林の崩壊を憂い、とくにここ10年ぐ
らい爆発的に進行しているナラ枯れ現象を問題にしてきました。ナ
ラ枯れは、地球温暖化の中で起こっていると思われますが、異常気
象は他にもさまざまに植生の変化をもたらし、それが昆虫の発生時
期を狂わし、鳥たちの繁殖に影響をもたらしています。

とくに冬が著しく暖かい年は、春の錯乱の影響が大きくて鳥たちの
子育ての失敗につながりやすく、そんな年は、夏に再度の子育てを
試みようとする鳥たちの求愛の声が聞こえたりもしていて、憂いを
感じてきました。そのため順調に木々が芽吹き、草花が開花する春
にはどこかほっとする思いも感じてきました。

それだけにこの「沈黙の夏」の記述は衝撃的であると同時に、それで
は、福島の夏はどうなのか。東北の、関東の夏はどうなのかと思わず
にはおれません。広範な地域のお茶からセシウムが検出されています
が、どれだけの鳥がたちが放射能をいっぱいかじった虫たちをひな鳥
に与えたことでしょうか。

いやそもそもその虫たちはどうなってしまうのだろう。そして鳥に
限らず、食物連鎖の連関の中にいる動物たちに、放射能汚染はどの
ような循環をもたらしているのだろう。それを思わずにはおれませ
ん。もちろん、その連鎖の頂点にいるのは私たち人間です。沈黙の
夏の影響は徐々に、しかし確実に私たちに迫ってきています。


・・・低線量被曝問題の調査・研究を続けます。


コメント (3)