明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1364)伊方原発の運転を認める判断に抗議しつつトルコに向け出国します!

2017年03月30日 20時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です。(20170330 20:30)

成田空港にいます!これからトルコに向けて出国します。今回はトルコ航空を使う必要があるため、トルコ航空が就航していない関空は使えず、伊丹からここまで飛んできました。

さらに21時25分のフライトでイスタンブールへ。到着は現地時間の4時10分。日本時間では午前10時10分です。そこで4時間待って、そのまますぐにシノップに飛びます。

 

昨夜、お伝えした伊方原発差止広島裁判ですが、本日15時に運転を認める不当決定が出ました!抗議の意志を表明したいと思います。

NHKがかなり詳しく報道していますが、資料価値が高いので、長いですが末尾に貼付けることにしました。ある意味でこの裁判の持つ社会的意義がよく反映されている記事だとも思ったからです。 

この報道によると、広島地方裁判所の吉岡茂之裁判長は「原子力規制委員会の新規制基準は、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた成果というべきもので、不合理な点はない」と指摘したそうです。

なんという不見識と無責任。そもそも福島原発はいまだ炉内の放射線値高すぎて十分な調査などできていません。6年も経ってからやっとロボットが2号機の中に入ったけれども、それすら初期の調査目標を果たせずに2時間で撤退してきました。放射線値は推定650シーベルト。人間なら数十秒で死んでしまう値です。

そんな状態でどうして事故の教訓を引き出す事ができるのでしょうか。そもそも事故はまだ収束してすらいないのです。吉岡裁判長はこの明白な事実を意図的に無視しています。

一方で記事では「仮処分の申立人で、広島市に住む綱崎健太さん(36)は「残念な決定ですが、諦める理由はないので、今後も原発を止めるため意思表示を続けていく」と話しました。」と紹介しています。その通り!諦める理由などないし、その必要もありません。さらに頑張れば良いのです。 

記事は次のことも伝えています。

「伊方原発3号機をめぐっては、このほかに松山地裁と大分地裁、それに山口地裁岩国支部でも、原発に反対する住民が運転停止を求める仮処分を申し立てています。」

また次の点も重要です。

「このほか裁判も各地で起こされていて、弁護団によりますと、現在全国の裁判所で審理されている仮処分や集団訴訟は、少なくとも37件に上っているということです。」 

そうです。どんどんこういう裁判を起こせば良い。デモや集会も無数に行えばいい。僕はそうすれば必ず原子力の火を止められると確信しています。

 

今日、稼働停止を残念ながら免れた伊方原発3号機は三菱重工製、一昨日、大津地裁の運転差止命令が覆された高浜原発もそうです。

その三菱重工がフランスのアレバと組んで作ろうとしているのがトルコのシノップ原発です。この建設計画をトルコの人々とともに白紙撤回に追い込んで、三菱重工の原子力事業からの撤退の道を切開くべく頑張ってきます! 

おりしも本日、東芝が子会社のウェスチングハウスについて、アメリカで破産法の適用を申請したことも発表されています。福島原発事故の責任企業である東芝は一足先に海外の原子力事業から撤退を決めました!理由はひとつ、「リスク回避」です。もはや原子力事業の海外展開は「リスク」でしかないのです。

東芝はウェスチングハウスを切り捨てて生きのびようとしていますが、うまくいくかまったく分からない。なんと今回の処置で東芝の2017年3月末の赤字が1兆円を超えてしまうからです。国内製造業で過去最大赤字だそうです。 

原子力の火を完全に止める可能性は確実に大きくなっている!

しっかりとこの事を見据えて、トルコ航空機に乗り込みます!

次号はトルコから発信します!乞うご期待です!!

 

なお今回のトルコ訪問やその後のドイツ反核サミットキャンプ参加のため、カンパを訴えています。

可能な方、以下にお願いします!

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151 

***** 

伊方原発運転停止の申し立て退ける 広島地裁

NHK 3月30日 15時04分

愛媛県にある伊方原子力発電所3号機の運転を停止するよう、広島県などの住民が求めた仮処分の申し立てについて、広島地方裁判所は「住民たちが重大な被害を受ける具体的な危険は存在しない」として退ける決定を出しました。

愛媛県にある伊方原発3号機について、広島県などの住民4人は去年3月、「重大な事故が起きる危険がある」として、運転の停止を求める仮処分を広島地方裁判所に申し立てました。

伊方原発の周辺には複数の活断層があり、四国電力は九州、四国、近畿にかけて延びる断層が長さ480キロにわたって連動した場合などを想定して、原発での最大の揺れを算定した結果、「原発の安全性は確保されている」と主張していました。

 

30日の決定で、広島地方裁判所の吉岡茂之裁判長は「原子力規制委員会の新規制基準は、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた成果というべきもので、不合理な点はない」と指摘しました。

そのうえで、「四国電力は詳細な地盤構造などの調査を行って不確かさを考慮しながら、想定される地震の最大の揺れを決めており、伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点はない。住民たちが放射線被ばくにより、重大な被害を受ける具体的な危険は存在しない」として申し立てを退けました。

 

一方、決定では、火山の影響について、「原子力規制委員会の立地評価に関する審査の内規『火山ガイド』は、噴火の時期や規模が事前に的確に予測できることを前提にしている点で不合理な点がある」と指摘しました。

伊方原発3号機は原子力規制委員会の新しい規制基準の下で去年8月に再稼働しています。

伊方原発3号機をめぐっては、このほかに松山地裁と大分地裁、それに山口地裁岩国支部でも、原発に反対する住民が運転停止を求める仮処分を申し立てています。

 

裁判所の主な判断

30日の決定では、地震や津波、それに火山などのリスクを考慮したうえで、原子力規制委員会の新規制基準や伊方原発の審査に「不合理な点はない」と判断しました。

このうち、地震のリスクについては、「最新の科学的・技術的な知識を踏まえ、不確実さも考えたうえで複数の手法を用いて多角的に検討しており、四国電力の地震想定に不合理な点はない」と判断しました。

一方で、「四国電力の地震想定の合理性の有無について、確信を得るにはなお慎重な検討を要すべき問題がある」としたうえで、「地震学者などの関係者を呼ぶ作業が不可欠だが、そのような証拠調べは正式裁判で行われるべきで、仮処分の手続きにはなじまない」と指摘しました。 

また、津波のリスクについては、四国電力が到達する最大の津波の高さを8.1メートルと予想し、原発の重要な施設が10メートルの高さに位置していることから、津波の影響はないとしていることについて「不合理な点はない」と指摘しました。

また、火山の影響については、「伊方原発の稼働中に大規模な噴火が発生する可能性の根拠が、今回の手続きで示されたとは言えず、再稼働を認めた原子力規制委員会の判断は、結論においては不合理な点はない」としました。

一方で、原子力規制委員会が審査で用いている指針の「火山ガイド」について、「噴火の時期や規模が事前に的確に予想できることを前提にしている点で不合理だ」と指摘しました。

 

申立人の綱崎健太さん「諦める理由ない」

仮処分の申立人で、広島市に住む綱崎健太さん(36)は「残念な決定ですが、諦める理由はないので、今後も原発を止めるため意思表示を続けていく」と話しました。

また、被爆者で正式な裁判を起こしている原告団の団長を務める広島市佐伯区の堀江壯さん(76)は「裁判官には被爆の実態や福島の現状を実際に自分の目で見てから決めてほしかった。世界でこれだけ事故が繰り返されている原発をなぜ、司法は止められないのか残念に思います。命の続くかぎり、次の世代に負の遺産を残さないよう訴えを続けたい」と話していました。

同じく被爆者で、原告団の副団長の伊藤正雄さん(76)は「放射能による被害のおそれが目前にあるのに、これが本当に良心に基づく決定なのか疑問で、本当に残念な思いです」と話しています。

 

住民側弁護士「極めて不当な決定」

住民側は記者会見を開き、この中で河合弘之弁護士は「極めて不当な決定で、決して許すことができない。決定の中で同様の仮処分が複数、申し立てられていることを理由に、判断の枠組みを、これまでの同種の仮処分で唯一、高裁で決定が出ている福岡高裁宮崎支部の判断に従うとしているが、裁判官の独立の放棄に等しい」と述べました。

そのうえで、「安全ではないと住民側が立証することを求めている部分があり、会社側がすべての情報を握っている中では、初めから結論は決まっているのと同じだ」と述べ、決定を不服として広島高等裁判所に抗告する考えを明らかにしました。

 

四国電力「安定運転に向け努力する」

四国電力は「3号機の安全性を十分に確保していることについて、裁判所に主張、立証してきた。今回の決定は、これまでの主張が認められたものであり、妥当なものだと考えている。今後も安全性の向上に終わりはないことを肝に銘じ、原発の安全、安定運転に向け努力する」とするコメントを出しました。

また、四国電力原子力本部の瀧川重理登副部長は「妥当な判断をしていただいてありがたく思う。これは1つの節目だが、ほかにも裁判が続いているので、誠実に対応するとともに、住民に対して今後も理解を求めていきたい」と話していました。

 

愛媛 中村知事「慎重かつ細心の注意で安全運転を」

愛媛県の中村知事は「決定は司法の判断にかかわるものであることからコメントは差し控えるが、四国電力には、今後とも決して事故を起こさないという心構えのもと、慎重かつ細心の注意を払いながら安全運転に努めていただきたい」というコメントを出しました。

 

伊方町 高門町長「判断尊重したい」

伊方原発が立地する愛媛県伊方町の高門清彦町長は記者団に対し、「裁判所の判断について特にコメントする立場にないが、その判断を尊重していきたいと思っている。四国電力は住民の中には不安があることを肝に銘じて、今後も、細心の注意を払って運転してほしい」と述べました。

 

全国で相次ぐ仮処分申し立てや裁判

原子力発電所を運転させないよう求める仮処分や裁判は、6年前の原発事故をきっかけに、全国で相次いでいます。

原子力発電所をめぐる裁判は昭和40年代後半から起こされていますが、6年前に福島第一原発の事故が起きると、改めて安全性を問う動きが広がりました。このうち、原子力規制委員会が新しい規制基準に適合していると認めた原発に対しては、運転停止の効力が直ちに生じる仮処分を住民が申し立てるケースが相次いでいます。

高浜原発3号機と4号機については、おととし福井地方裁判所が、再稼働を認めない仮処分の決定を出しましたが、福井地裁の別の裁判長に取り消されました。

これとは別に、滋賀県の住民が大津地方裁判所に仮処分を申し立て、去年、再び運転の停止を命じる決定が出されましたが、28日大阪高等裁判所はこの決定を取り消し、再稼働を認めました。

一方、九州電力の川内原発1号機と2号機に対する仮処分では、おととし、鹿児島地方裁判所が住民の申し立てを退け、福岡高等裁判所宮崎支部も抗告を退けました。

現在は伊方原発のほか九州電力の玄海原発3号機と4号機などに対して仮処分が申し立てられていて、住民などのグループの弁護団によりますと、近く松山地方裁判所でも、伊方原発に対する判断が示される可能性があるということです。

また、玄海原発についても近く佐賀地方裁判所で判断が示される可能性があるということです。

このほか裁判も各地で起こされていて、弁護団によりますと、現在全国の裁判所で審理されている仮処分や集団訴訟は、少なくとも37件に上っているということです。6年前の事故のあと、原発の運転に対する裁判所の判断は分かれていて、今後の動向が注目されます。

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明日に向けて(1363)明日30日、伊方原発運転差止広島裁判の判断が出ます!

2017年03月29日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です。(20170329 23:00)

明日30日にいよいよトルコに向かう事になりました。荷物の詰め込みを終えてあとはこの記事を配信するだけですが、その30日に別のより大きなことが私たちを待ち構えています。表題に書いたように、伊方原発運転差止広島裁判の判断が下されるのです。

もし運転を認めない仮処分が出されれば、ただちに伊方原発は停まります!

ぜひともそうあって欲しい!しかしご存知のように昨日、高浜原発差止を命じた素晴しい判決が高裁で覆されており、予断を許しません。

明日の仮処分決定言い渡しは午後3時です!

これに向けて伊方原発広島裁判応援団事務局の原田二三子さんから、広島地裁への結集の呼びかけが発せられているので転載します。広島方面のみなさん。ぜひ明日は広島地裁にお集まりください。重要な瞬間に立ち会われてください。

僕も一日ずれるなら駆けつけたのですが。いやこれもまた運命的なめぐり合わせかもしれませんね。

この裁判に向けて、僕は少し前ですが原告に参加させていただきました。裁判に向けて何もできてはいませんが、しかし伊方原発反対運動については、昨年コープ自然派愛媛さんに講演に呼んでいただいたときに、地元で長年活動してきた方たちと交流する事ができました。

また今年のはじめにもやはりコープ自然派の各県の理事さんたちと伊方原発に見学に訪れることができて、そのとき再び地元の方たちとお会いして、八幡浜市に拠点をおく「伊方から原発をなくす会」にも参加させていただきました。

それらもあって、僕はまさにわがこととしてこの決定を見つめています。

いやこの裁判に僕がこだわる理由がもう二つあります。

ひとつにこの裁判がはじめて被爆者が原告に加わってなされている裁判であることです。この意義ははかりしれなく大きい。

もう一つは伊方原発が三菱重工製の原発であることです。明日、僕が向かうトルコに原発を建設しようとしているのも三菱重工。正確には同社とフランスのアレバが合同で作ったアトメア社です。それゆえ、伊方原発の運転が認められなくなれば、さまざまな意味でトルコにもよい影響をもたらすと思えます。ぜひともそうなって欲しい。伊方原発を停めたい! 

ともあれみなさん。明日の決定にご注目ください!

可能な方は広島地裁に駆けつけてください!

僕はこの時間帯はまだ出国前になるので、しっかりと決定を見届けてから飛行機に乗り込む事になります。いずれにせよ広島裁判の息吹、私たち、日本民衆の原発反対の息吹もぜひともトルコに伝えてきます。 

明日が良き日になることを!!

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【仮処分決定日は3月30日 是非お立ち会いください】

伊方原発広島裁判原告団、応援団、支援者のみなさま

伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立事件の広島地裁判断日(決定日)がきたる3月30日と決定しました。午後3時に広島地裁民事執行センターで決定文が手渡されます。

 昨年3月11日、広島・長崎の原爆被爆者を中心とする伊方原発広島裁判原告団に選出された4名(広島市民3名、松山市民1名)は、現在運転稼働中の四国電力伊方原発3号機の運転差止を求めて仮処分命令を出すように広島地裁に申し立てました。その後実質5回の審尋期日を経て、今回の判断にいたるものです。

(「仮処分審尋期日のいきさつ」をご参照ください)

http://saiban.hiroshima-net.org/karishobun/index.html 

もしこの判断で運転差止仮処分命令の決定が出れば、四国電力は現在運転稼働中の伊方原発3号機の運転をただちに止めなければなりません。

3月30日の判断日当日は午後2時半から広島地裁前で集会を開いて、決定文を受け取る代理人弁護士の諸先生方や仮処分申立人を激励し受取に送り出します。

また「決定」あるいは「却下」のお知らせは、決定文受け取り後、直ちに地裁前で「旗出し」によってお知らせします。また広島弁護士会館で午後4時ごろから記者会見を開催、記者会見終了後報告会を開きます。

みなさま、当日広島地裁前にお集まりいただき、この歴史的瞬間にお立ち会いください。

伊方原発広島裁判応援団事務局 原田二三子

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伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立事件

2017年3月30日広島地裁仮処分判断日

 

当日スケジュール

広島地方裁判所前

御案内チラシ裏面の、「お願い」をご一読ください。

http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/20170330.pdf 

14:30  広島地裁前集合

     河合弘之弁護士スピーチ

14:50  決定文受取人グループ地裁へ移動開始、参加者は送り出し

     (受取人グループは広島地裁民事執行センターへ移動)

15:00  決定文受取り

15:05頃 旗出し

15:07頃 河合弘之弁護士による報告スピーチ

15:10頃 スピーチ終了、広島弁護士会館へ移動

(弁護団、原告団、申立人によるプレス対応)

 

記者会見会場(広島弁護士会館 3F大ホール)

12:00 開場

※12時には開場いたします。遠方よりお越しの方などで早めに到着された方は、こちらにお越し下さい。

14:00  広島地裁前移動

15:30頃 広島地裁前終了、広島弁護士会館3Fへ移動

16:00頃 記者会見開始

17:00頃 記者会見終了

17:05頃 報告会開始

17:30  報告会終了

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明日に向けて(1362)シノップに原発を作らせないためにトルコに行ってきます!

2017年03月25日 10時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170325 10:00)

表題にあるように、シノップに原発を作らせないためにトルコに行ってきます。

4回目の訪問です。3月30日に出国します。帰国は4月5日の予定です。

 

トルコではいま、2箇所での原発建設が進行中です。一番進んでいるのは南部、地中海側のアックユでの建設で、担っているはロシアです。二つ目は黒海側のシノップで、建設しようとしているのは日本の三菱重工とフランスのアレバ社です。さらに黒海のブルガリア国境近くイイネアダで、アメリカと中国との契約がなされようとしているそうです。

今回、僕が訪ねるのは黒海沿岸のシノップです。この計画では建設はまだ始まっていません。原発輸出の前提になる原子力協定が2013年に安倍首相とエルドアン首相(当時、現在は大統領)の間で結ばれましたが、現在は経済的採算や土地調査などが行われ、報告書が出されている段階です。

トルコに原発を輸出してはならない最大の理由は、この国が日本と同じく地震大国であることです。しかも黒海沿岸にはトルコの国土を横断する大きな断層帯が走っています。

2011年3月に大地震のもとで福島原発が激しく壊れ、いまなお放射能の影響に苦しんでいる日本から、地震大国のトルコに原発を輸出してよいわけがない。なんとしても停めなくてはいけない。日本人としての責務にかけて僕はこのために尽力しなければと思い続けています。

 

同時に、シノップはとても美しいところ。トルコの中で住民が幸せを感じている度合いが一番高い町なのだそうです。このためシノップはトルコの方達にとってのリゾート地となっています。とくに夏場はたくさんの人たちがここを訪れます。シノップは漁業と牧畜の町ですが、この時期は稚魚を保護する目的もあって漁業は禁漁となり、かわりにみなさんが観光業にいそしみます。トルコ中から人々が訪れてくるからです。

もちろん世界に「ここなら原発を作っても良い」ところなど一つもあるわけではありませんが、それにしてもこの美しいシノップを蹂躙するのは許せない。

なんとしても頑張りたいです。

みなさんにシノップの姿、またシノップを守るために奮闘しているトルコの人々の姿を知っていただくために次のビデオを紹介します。日本人研究者が関わって作ったビデオです。5分間のビデオですがとても素晴しい出来ですのでぜひご覧下さい!

 UNSILENCED (沈黙しない人々)

 https://vimeo.com/180398868 

はじめの方に出てくる「シノップ環境の女」のハーレ・オウズさん、「シノップ反原発プラットフォーム」のメティン・ギュルブスさんは、初回の訪問時から僕を歓待して迎えてくださるシノップの友人です。原発を食い止めるために先頭に立って頑張っておられます。とくにメティンさんはご自身が経営するホテルやご自宅に毎回、僕を泊めてくださいます。またお会いすることが楽しみです。 

今回のお招きはトルコ弁護士協会の方たち。4月1日にシノップで大きな集会が開かれます。

特徴的なことは、今回はフランスからも二人の教授が招かれていること。フランスアレバ社の問題、日本三菱重工の問題をそれぞれから発話することになります。僕としてはこの場でフランスの方達ともがっちりとつながってきたいと思っています。なおプログラムを末尾に貼付けておきます。申し訳ないですが時間がないので英語のままです。雰囲気だけでもつかんでいただければ幸いです。

今回はこのシノップでの集会参加がメインで、その後、イスタンブールでインタビューを受けたり小集会に参加するかもしれません。いずれにせよ目一杯活動してきます。

 

先にも述べたように僕は日本人としての道義的責任にかけてトルコへの原発輸出を停めなければならないと思っていますが、同時に、トルコの方達の頑張りで輸出が止まれば、日本の原発メーカーはますます苦しくなり、安倍政権の原発輸出政策もさらにボロボロになるのです。

それは結果的に私たち日本に住まうものにとってもまた、核の脅威を遠ざける結果につながるります。その点でこれはトルコのためでもあり日本のための行動でもあり、もちろん世界全体のための行動でもあります。

その点でトルコの方達、シノップの方達は頼りがいのある仲間です。僕も頼りがいのある日本の仲間として認められるように頑張らねば!

 

このトルコ訪問の後に7月にドイツで行われる反核サミットキャンプにも参加します。世界の人々の声で原発を包囲していきたいからです。

ここにトルコの友人たち、ドイツの友人たち、そしてあらたに友人となるだろうフランスの方達と一緒に参加してきます! 

Anti-nuclear summer camp 2017

http://www.nuclear-heritage.net/index.php/Anti-nuclear_summer_camp_2017

これらの活動へのみなさんのカンパを求めています。

今回のトルコへの渡航費は大変ありがたいことにトルコ弁護士協会が出してくださることになったのですが、ドイツでのキャンプは活動家ばかりが集まってくるので予算がないそうで、渡航費・滞在費ともに自費になります。取材費、経費も必要ですのでお力を貸していただけるとありがたいです。

可能な方、ぜひ下記にお願いします。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151

以下、シノップのスケジュールを貼付けておきます。

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Bar of Associates Symposium in Sinop on 1 April 2017

(10:00-10:15)  Opening speech

1.Av. Ali Arabacı ,

2.Cairman of Sinop Bar of Associates,

3. Chairman of Samsun Bar of Associates.

(10:15-12:30) First session

Prof. Dr.İbrahim Kaboğlu (1. moderator)

(Introduction&speech 15min ) Legality of nuclear power plants(npps) and its place in the constitution from human rights point of view. Introduction of  French side of the French&Japan Concersium established for Sinop. Introduction  of guests’ speech theme.

1)Prof. Michel Prieur from France: "Catastrophe nucléaire et droits de l'homme" Nuclear  disaster and human rights, information about compensations.

2) Prof. Dr. Hubert Delzangles from France:"La régulation de la sureté nucléaire en France"Nuclear safety in France. How will other sectors such as fisheries, tourism and agriculture is affected by npps.

**If possible some information about nonconformities of Areva that resulted with closure of 20 reactors and recent accident happened at Flamanville Plant. 

12:00-12:30 QA

(13:30-15:30 ) Second session

Pınar Demircan (2.moderator  )

(Introduction&speech 15min ) Fukushima Nuclear Disaster and how it affected Japan and Turkey (very short) . Introduction of Japanese side of the French&Japan Concersium  established for Sinop. Introduction  of guests’ speech theme.

1) Lawyer Kazuki Homori from Japan

Mr Homori will provide information about Datsugenpatsu bengodan (Lawyers fighting against nuclear power plants ), their  focus points,courts have been opened by them. How they managed relations with civil society. Their approch to Japan’s export decision of nuclear technology to other countries.   

2)Activist&Free Journalist Toshiya Morita from Japan

Recent situation in Japan, social life after nuclear disaster, Fukushima liquidators’ situation in Japan

15:20-15:45 QA

15:45-17:30 Forum (Discussion)

Av.Arif A.Cangı(Forum Moderator)

Metin Gurbuz, Member of Platform against Nuclear in Sinop(SNKP),  Lawyer Yakup Okumusoğlu (how Chernobyl affected Turkey especially Blacksea region) , Alfred Manyata  Sepepe (ex. Worker at Nuclar power plant in South Africa will share information about health concerns of being a worker at npp, labour rights and difficulties that workers at npp experience)

17:45 Closing

 

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明日に向けて(1361)京都の未来を考える企画、びわこ123キャンプ、コープ自然派和歌山でお話しします!

2017年03月24日 22時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20170324 22:30)

週末から月曜日にかけて3つの企画に参加してお話しします。

3月26日午前中は京都市で「第8回 京都の今とこれからを考える」に参加します。この企画は1年前に行われた京都市長選に際し、本田久美子候補を応援した「勝手連」を継承する「ウチら困ってんねん@京都」の主催によるもの。僕もメンバーです。

私たちによる昨年の京都市長選の敗北の総括は「選挙期間があまりに短かった」というもの。「本田さんが立ったのが遅かった」と言いたいのではありません。選挙戦を「候補が決まる前から始めるべきだった」と考えたのです。

今回の企画はその考えに基づくもの。私たちなりに推したい候補を考察中ですが、しかし誰が立つのだとしても、先んじて「みこし」を作ってしまおうと思うのです。

そもそも現市長のもとで京都市はどんどんお金儲け優先、お金持ち優先の市政がまかり通っています。例えば古来から祈りの場であった下鴨神社のある「糺ノ森」の一部が、なんとマンション建設のために売り払われてしまいました。また京都市美術館の名前が特定企業に売られ、企業の名を冠した美術館に変わろうとしています。

一方で、子どもや障がい者に対する行政は冷たさを増すばかり。その一つ一つの現場と向かい合っている人々と結合し、助け合う中で、京都市政をお金儲けから住民優先へと転換したい。そのために、次の市長選でこそ民衆の側に立った人を押し上げたい。だから今からもう選挙を見据えて、さまざまな京都市での取組を行っていきたいと思うのです。

僕は京都市での脱原発運動の進め方の新しい提案をしようと思います。「なるほど京都ならではの運動だ!」と思えるサプライズ提案をします!内容は来てのお楽しみです!

この他、教育問題のプロフェッショナルである前回の市長選候補の本田久美子さんにも来て、その後の教育行政、子どもへの施策の移り変わりをお話いただきます。

合計8つの課題で発話を受けます。京都市内の方も近郊の方もぜひお集まりください!

 

さてこの日の午後は滋賀県高島市マキノ町に飛んでいって「びわこ123キャンプ」に参加します。福島や関東などの子どもたちを招いて繰り返し行っている保養キャンプです。今回がなんと14回目の開催。

僕もほぼ毎回、参加して子どもたちに身の守り方をお話ししています。今回は午後3時ぐらいからのお話になります。一般参加も可能ですので、詳しくは主催者にお尋ねください。

なお同キャンプはカンパで運営されています。その点でのご協力もお願いしたいです。

3月27日は早朝から和歌山県に向かいます。和歌山市の紀ノ川で「~さまざまな食の汚染から、子どもの体を守るために~」というタイトルでお話しします。

主催はコープ自然派和歌山さんです。

主に放射能の脅威とその中で何をどうやって食べるのかについてお話ししますが、+アルファとして原発メーカーの崩壊の中でのトルコへの原発輸出問題にも触れます。

なおすでに申し込み期日が過ぎていますので、参加ご希望の方は直接、コープ自然派和歌山に問い合わせをお願いします。

みなさま。お近くの会場でお会いしましょう。

以下、それぞれの詳しい案内を貼付けます。

*****

326日京都市

 

第8回 京都の今とこれからを考える

京都市長選挙から1年 京都市政は今‥

https://www.facebook.com/events/675147479355661/


3月26日午前9時45分から!

京都教育文化センター1F101号室にて。

参加費500円

発言者多彩です!

一年前の市長選で候補として大活躍してくださった本田久美子さんも発言してくださいます。ぜひお越しください。

☆☆☆

京都市長選から一年

お金儲け優先市政のもと

矛盾が深まるばかりです

 

糺ノ森では

ひどい破壊が進み

京都市美術館の名前まで

売りに出されています

 

福井の原発は停まってるけど

避難計画はおざなり

避難者対策は冷たいまま

 

保育所も小学校も

障がい者支援対策も

悪くなるばかりで

冷たさが際立っています

 

こんな京都市はいやだ!

 

再び会って

みんなで考えませんか?

京都市政を変えるため

新たな歩みを始めませんか?

 

スピーチ 

本田久美子さん 京都の教育について

守田敏也さん  京都の脱原発運動のこれからについて

中津さん    糺ノ森パリ報告

小岸さん    京都市美術館のこと

大西さん    障害のある子どもと共に

榛葉さん    息子さんの死亡事故裁判について

ジョナさんと

お母さん(趙さん) 車いすと京都市政

萩原さん    原発事故避難者として 

主催 ウチら困ってんねん@京都

連絡 携帯 090-8202-3831(山本)

*****

3月26日 滋賀県高島市

びわこ123キャンプ

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=734227370089317&set=a.147984038713656.1073741888.100005061817278&type=3&theater

第14回 東日本大震災支援プロジェクト 『びわこ☆1・2・3キャンプ』 

〜東日本大震災による福島第一原発事故で、福島をはじめとする広い範囲でそれまでよりも放射線量の高い地域ができてしまいました。

学校や通学路、住宅の除染も行われていますが十分ではなく、事故から6年になろうとしている今でも、決して安心して子どもたちが生活できる状況ではありません〜

【期間】

2016年 3月25日(土)~ 4月 4日(火)

【宿泊先】

白藤学園マキノ研修センター

(滋賀県高島市マキノ町新保1132)

【カンパ振込先】

ゆうちょ銀行

振替口座記号番号 00910-1-256985

加入者名 びわこ☆1・2・3キャンプ実行委員会

一口 1000円(何口でも感謝です)

(被災者の方々の負担にならないように、交通費や宿泊費・食材費などを私たちの支援でまかなえるよう、ご協力をどうぞ宜しくお願いします。)

【ボランティアも募集中】

子どもたちと遊んだり、話を聞いたり、ごはん作り、洗濯、移動など色んな仕事があります。

ぜひ私たちの仲間になって関わってください。

※現地までの交通費は実費になります。

※お子さま連れのボラ希望は(ボラさん自身のお子さまの危機管理を考え…)ご遠慮お願いしております。

※ボラは高校生以上とさせて頂いています。

【主催】

びわこ☆1・2・3キャンプ実行委員会

【後援】

滋賀県・滋賀県教育委員会

滋賀県社会福祉協議会

高島市・高島市教育委員会

【協力】白藤学園 東洋産業

よつ葉ホームデリバリー

***** 

3月27日 和歌山市紀ノ川

3/27 ★春休み企画★ 守田敏也さん講演会 ~さまざまな食の汚染から、子どもの体を守るために~

http://www.shizenha.ne.jp/wakayama/detail/5/index.html?articleId=20689

私たちのいのちを育む食べ物。子どもたちの成長を支える食べ物。そんな大切な食べ物が汚染されているとしたら…?農薬、化学肥料、遺伝子組み換え食品、放射性物質による汚染…いま私たちを取り巻く食環境は、必ずしも安全とは言えません。特に成長期にある子どもは、食の汚染により大人の何倍もの影響を受けると言われています。講師に守田敏也さんをお招きして、食の汚染から様々な社会問題についても語っていただきます。安全な食べ物の選び方や、内部被ばくを避ける方法について学び、自分や家族の体を守っていくために何ができるか考えてみませんか?

※お子さまと一緒にキッズスペースでお聴きすることもできます。 

■日 時:3月27日(月)10:00~12:00

■場 所:河北コミュニティセンター ワークルーム (和歌山市市小路192番地の3)南海電鉄紀ノ川駅下車 徒歩3分

■講 師:守田敏也さん
フリーライター、篠山市原子力災害対策検討委員会委員。著書『原発からの命の守り方』(海象社)『内部被曝』(共著、岩波ブックレット)他、ブログ「明日に向けて」発信中

■参加費:組合員200円 組合員以外300円



■定 員:60名   

■持ち物:筆記用具



■託 児:あり。(0歳~小学生) 託児の定員15名

組合員500円/1人、組合員以外750円/1人
※託児はきのくに子どもNPOに依頼します。先着順で、申し込みは定員になり次第締め切らせていただきます。


■子どもの同伴:可 ※応募多数の場合抽選。外れた方のみ連絡いたします。



■申込み締切日:3/17(金) 

■申し込み先:フリーダイヤル0120-408-300、携帯・IPフォン088-603-0080(組合員サービスセンター)

参加申込内容
①組合員コード②組合員氏名と電話番号

③参加する人の氏名と電話番号④託児の有無・人数・名前 ※託児のある場合

 

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明日に向けて(1360)追悼! 被爆医師・肥田舜太郎先生!

2017年03月22日 08時02分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170322 0802)

みなさま。広島原爆に被災したその瞬間から、被爆者の命と身体を守るために奮闘し続けて来られた肥田舜太郎先生が、一昨日20日午前8時2分に他界されました。100歳を二ヶ月と二十日、超えられた日のことでした。

肥田先生に心からの感謝を捧げるとともに、ご遺族のみなさまに哀悼の意を捧げます。同時に微力な身ですが、肥田先生の教えを受け継ぎ、終世走り続けることを誓います。

 

肥田先生が亡くなられたことをいかに受け止めるのか。何を最も大事な教えとして継承すべきか。考えあぐねました。なかなかまとめることができませんでしたが、いま、三つのことがストンと胸の中に落ちて来ています。

一つに僕は、何よりも肥田先生が、100歳を超えてまで生き延びられたことに腹の底から熱い拍手を送りたいと思います!

先生は生前、被爆者に対して「長生き運動」を提起され「原爆を落とした奴らが驚くほど生き延びてやろう」と唱えられました。そうです。原爆は最も大量かつ効果的に人々を殺すために開発された兵器です。肥田先生はそれを浴びせられながら、今日まで命を守り抜かれたのです。自らの言葉の完璧な貫徹です。ぜひみなさんと拍手喝采したいです!「肥田先生、素晴しい!よくやられました。最高でした。感動しました!」と。

人は必ず最期に死にます。これを書いている僕も、読んでくださっているみなさんもですが、僕は100歳まで生きられるでしょうか。みなさんはどうでしょうか。私たちの生死には、運、不運もありますが、肥田先生が実践されたように、自分の命の主人公になり、命をどこまで大切にすれば可能性は開けるはずです。僕はまずこの生き様を自分に問い続けたいです。肥田先生のような大往生を目指して日々の努力を重ねます。

次に思うのは、肥田先生の人生の輝きは原爆を投下したアメリカと、それに追従する日本政府に終世、抗い続け、人々の命を守る中でもたらされたということです。

中でも特筆すべきことは、内部被曝の被害が隠されていることを暴露し続けたことです。私たちにとっての最大のプレゼントはここにこそあると僕は思います。

ご存知のように、放射線被曝には外部被曝と内部被曝があります。今では社会の常識ですが、実は政府高官が内部被曝という言葉を初めて使ったのは、福島原発事故後の枝野元官房長官による談話の中でのことだったそうです。なぜかと言えば、核戦略を維持するためにアメリカが行った被曝被害隠しの要が内部被曝の無視だったからです。

これは今日まで貫かれています。被曝の具体性が全く違う外部被曝と内部被曝を、シーベルトという抽象的な単位に換算し、内部被曝を極めて過小に扱っているのです。

これに対して肥田先生は、アメリカによる放射線防護学の誤りに気付かれました。ご自身が診られた被爆者の言葉に耳を傾けることからでした。肥田先生は教科書よりも患者の言葉を信用されたのでした。

「放射線防護学と僕が診た被爆者の様子がまったく違っていたのです」と先生は後年、繰り返し語られましたが、そこには前提として、被爆者の側に寄り添って考えようとされた先生の立ち位置がありました。だから他の多くの医師が見過ごした事実に気づかれたのでした。いやそもそも原爆投下から何年もの間、原爆に関する情報の一切を機密にしようとしたGHQのもと、医師の多くは被爆者を診察することにさえ及び腰でしたが、肥田先生はアメリカ憲兵隊に何度か逮捕すらされながら、被爆者のもとに通い続け、被害の実相をつかみ続けたのでした。

しかしメカニズムも治療法も分からず、肥田先生は長い間、苦悶され続けました。そんな先生に転機がもたらされたのは、核実験で被曝させられたアメリカ兵を診てこられたアーネスト・スターングラス博士とのアメリカでの出会いでした。この時までおよそ30年が経過していました。

ここからの先生の奮闘もまた凄まじい。なんと臨床医としての激務の合間にアメリカの重要文献の翻訳を始めたのでした。スターングラス博士の『死に過ぎた赤ん坊』を訳したのが60歳代、続いてジョン・グールドの『死にいたる虚構』などを70歳代で、さらに90歳代でペトカウ効果について書かれた『人間と環境への低レベル放射能の影響』を訳されました。驚異的な医学的、学問的業績です。私たちにとっての珠玉の遺産です。この肥田先生が携われた内部被曝のメカニズムの解明を受け継いでさらに進化し、被曝被害を防遏する必要があります。

三つ目に肥田先生から継承すべきことは、先生が述べ続けられた「あなたがあなたの命の主人公になりなさい」という観点です。

前述のように肥田先生は、被爆者に寄り添い、内部被曝の実相に近づきながらメカニズムや治療法の分からない辛い日々を送りましたが、しかし手をこまねいてはいませんでした。命を長えるために思いつくすべてのことに挑まれたのです。僕はその中で最大のことが、あの戦後の動乱期に日本共産党に入党され、革命を志されたことだと思います。医療の場では全日本民主医療機関連合会(民医連)の創設にも関わられました。

すべての人の命のために、革命を志し始めた肥田先生は、被爆者だけでなく、戦後の貧しさの中から立ち上がった多くの人々に対しても、優しいまなざしを向けられました。そして人々がいかにすれば能動的に生きられるのかを考え続けられました。その中で先生は「人々に自分の命の主人公だという意識を受け付けることこそが人権意識の確立だ」という観点に至られました。

実はこのとき肥田先生は、従来の革命理論をすら超えつつあったと僕には思えます。というのは当時の日本の社会運動を牽引していたのはマルクス・レーニン主義で、正しい理論に基づく前衛が遅れた意識の下にある民衆を率いていくという観点に立っていたからです。

ところが肥田先生は、人々に「自分の命の主人公であれ」と教えたのでした。それがレーニン主義を超えるものであるかどうかなど先生の意識外のことだったと思いますが、肥田先生はその上にさらに、命を長らえるために毎日をいかに過ごすのか、いかにものを食べるのかが最重要課題であることを語られ続けられました。

僕が思うに実はこの点でも先生は、当時の社会変革思想に欠けていたものを超えつつありました。なぜならこれまでの社会変革運動、とくに左翼思想に牽引された運動は、命のことや食べ物や食べ方のことにほとんど注意を払って来ていないからです。他人ごとではありません。若い時に社会変革運動に飛び込んだ僕自身、40歳ぐらいまではデモとデモの間に、ハンバーガーショップに駆け込んで何でもいいからお腹に詰め込むような生活をしていました。自分の命を大事にするために、食べ物と食べ方を吟味する観点など、持っていなかったのです。

肥田先生はこうした社会風潮に対し「みなさんは病になったら医師の下にいって治してもらえば良いと思っている。それではダメです。みなさんの命の主人公はみなさんなのです」と唱え続けられましたが、それは革命家であり被爆医師である肥田舜太郎にして初めて語ることのできた言葉なのだと僕には思えます。

だからこの追悼文を僕はこう結びたいと思います。

革命家、肥田先生!内部被曝の実相の解明のご努力と、すべての人が命の主人公へという教えをしっかりと受け取りました。これからも先生の後に続いて走り続けます。そしていつか先生にお会いする時に「先生、僕も頑張りましたよ」とご報告することをかたくお約束します。その日まで今は先生、さようなら!

合掌! 

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明日に向けて(1359)『原発からの命の守り方』を読もう!(3刷発行に際して)

2017年03月09日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20170309)

2015年11月4日に初版を上梓した『原発からの命の守り方』が2017年3月9日に3刷発行となりました。お買い求めてくださったみなさんと販売にご協力くださったみなさんに深く感謝いたします。

この書物は、僕が2012年秋に、兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会に加えていただいて以降の実践を媒介として練り上げたもので、原子力災害対策のリアリティを解き明かしていますが、自信があるのは、あらゆる災害対策に共通の事項、災害からの命の守り方をベースに対策を考え抜いて来たことです。

このためこの本を読めば原子力災害のみならず、必ず災害対応力全般、命を守る力をアップすることにもつながります。ぜひみなさんや周りの方の命を守るために、みんなで本書を手にとり、広げていただきたいです。

おりしも2月19日に原子力規制委員会の田中委員長が鹿児島県に乗り込み、三反園知事に対して、「原発事故時には5キロ圏外は屋内退避が基本だ。むやみに避難させてはならない」などととんでもないことを言い出しました。これは原発メーカーの東芝が崩壊し、原発輸出路線が大きな座礁を迎えつつある中で、原子力産業延命のためには再稼働を急ぐ以外に方途がなくなった中で出されて来たものに他なりません。再稼働強行のために、ネックとなっている避難計画を、もはやなくてもいいことにしてしまおうというのでしょう。

しかし反対に言えば、避難計画の策定こそが、再稼働にとって最も邪魔なものとして浮上してもいるのです。ここが重要な点です。だからこそ、ぜひとも災害全般への対策も見据えながら、それぞれの地域で、原発を動かすとはどういうことか、その場合、どのような対策をとらねばならないかを、本書を手引きに討論していただきたいと思うのです。格好の話題提供ができると自負しています。いまだ一冊の類書もないオリジナルな本です。

福島原発事故からまる6年を振り返るための話題も豊富に盛り込めています。それだけに、いまこの時期に、本書の内容を再度、みなさんに詳しくお伝えしたいと思っていたのですが、ちょうどジャストタイムで本書の書評を執筆してくださった方があらわれました。知人でNPO法人京都アカデメイア会員の舟木徹男さんです。同NPOのホームページの書評欄や、アマゾンのブックレビュー用にと書いてくださいました。

さっそく一読して、見事に本書のエッセンスをつかんで、的確に解説してくださっていることが分かり、感動してしまいました。とてもありがたいことです。

ぜひこの書評をお読みいただき、みなさんの周りの方に本書を進めるためのツールとしても活用していただきたいです。そんな願いを込めて全部を転載させていただきます。

原発からみんなで命を守り抜くために、本書を読んで活用してください!

*****

書評 『原発からの命の守り方: いまそこにある危険とどう向き合うか』

一家に一冊。優れた啓蒙書にして実用書 

2017/3/9 NPO法人京都アカデメイア会員 舟木徹男

著者の守田敏也氏は、経済学者の故・宇沢弘文(一九二八-二〇一四)氏の学統を継ぐ京都在住の著述家であり、これまでも永らく原発の危険性を訴え続けてきたほか、カシノナガキクイムシの虫害からの森林保護など、「社会的共通資本」の観点から様々な問題について論じ、また実践を続けてきた。東日本大震災の一年後の二〇一二年三月には、物理学者の矢ケ崎克馬氏とともに『内部被曝』(岩波ブックレット)を上梓し、アメリカや日本の政治的な動機によって過少に低く見積もられてきた内部被曝の危険性の実際について、すぐれた啓発活動をおこなった。

先日(二〇一七年三月)に第三刷が出た本書『原発からの命の守り方』(海象社)では、震災以降の四年半のあいだ、東北を含め各地で原子力災害についての調査・研究・報告を継続してきた蓄積をもとに、私たちが今後、原子力災害から自分や家族の命をいかに守ればよいのかについて、極めて具体的に分かりやすく説いている。

本書は全六章からなる。第一章「原発事故とはどのようなものか」では、福島原発の四号機プールの使用済み核燃料棒から膨大な量の放射能が漏れなかったのは、まったくの幸運な偶然によるものであったことや、今後も新たな地震などによって福島原発を巡る事態が悪化する可能性がある(それ以前に、危険すぎて近寄れないために原発内部の状況がどうなのかすら誰もよくわかっていない)という事実が明らかにされる。また、事故後に国が定めた新たな安全基準もまったく安全を保障できる内容ではないことや、福島原発から流れ出た放射性物質によっていまも膨大な数の人間の被曝が継続しているという事実などが、具体的な数値と論拠をもって説明される。評者はこの第一章を読んだ段階で、自分いまが置かれている現実をいかに甘く見積もっていたか、ということを知らされた。おそらく本書の読者の多くもまたそうなのではなかろうか。こうした現状をも顧みずに各地の原発が再稼働されつつあるという暗然たる現実を正面から見据え、その危険を少しでも回避すべく、本書は最善の策を以下の章で提示してゆく。

第二章「あらゆる災害に共通する〈命を守るポイント〉がある」では、まず原子力災害に限らず、災害時には危ないと感じたら国や自治体の指示を待たずに「とっとと逃げる」ことが鉄則であることが確認される。そのうえで、避難を遅らせてしまう三つの心理的要因が挙げられる。一つは火災報知機が鳴った時に「どうせ誤作動だろう」と考えてしまう類の「正常性バイアス」である。二つ目は、周りの人々と共に危機の認識が薄いときには自分も「大丈夫かな」思ってしまう「集団同調性バイアス」である。三つ目は、「本当のことを知らせると人はパニックになるに違いない」と考え、危険を実際よりも過少に伝えてしまう「パニック過大評価バイアス」である。これらのバイアスのために、避け得たはずの危険を逆に増大させて多数の死者を出してしまった実例として、韓国の大邱地下鉄火災事件が挙げられる。そして、こうしたバイアスを解除する最良の方法として危機を想定した避難訓練の必要性が説かれる。原発に限らず災害一般について論じた本章では、明治以降、無理な開発を進めてきた東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の五大都市が、防災の観点から見て危険な都市として世界ランキングの上位十位内に入っているというスイスの保険会社の調査結果も紹介されていて驚いた。東日本大震災がそうであったように、原発事故は自然災害とセットで起る場合が多いことを考えると、私たちがいかに危険と隣り合わせの日常を送っていることかと思わざるを得ない。

第三章「原発災害への対処法」では、前章での内容を踏まえたうえで、とくに原子力災害に的を絞った対処法が説かれる。放射線は無色・無臭・無味なので、原子力災害においては上記の三種のバイアスが自然災害の場合以上に生じやすいこと、それゆえ事故の際の避難・対処の仕方をシミュレートしておく必要性がいっそう大きいことが指摘される。重要なポイントに絞って列挙すれば、①避難すべき距離②家族や友人同士でいざというときの避難場所や持ち出す物、避難の経路③病人や障碍者など「避難弱者」のための避難シミュレーション、などについて、守田氏は具体的な指針を数多く提供している。また、福島の事故からも明らかなように、公式発表される事故情報は被害をどうしても過小評価したものになる。そして今後も同じことが繰り返される可能性が極めて高い以上、政府の発表を待たずとも、危険と判断したら「空振り」の可能性を顧みずに「とっとと逃げる」ことが肝心であることが説かれる。

第四章「放射能とは何か 放射線とは何か 被曝とは何か」では、その表題のごとく、被曝を免れるための前提として必要になる、放射能・放射線・被曝についての基礎知識がわかりやすく説明されている。とくに内部被曝の危険性が政治的理由で極端に過小評価されてきたことが指摘されるが、本章は守田氏の前著『内部被曝』と併せ読むことで一層の理解が深まるであろう。

第五章「放射線被曝防護の心得」では、前章で確認した基礎知識を前提に、ヨウ素剤の服用を含め、外部被曝・内部被曝のいずれについても、具体的な防護対策を提示している。印象に残った点としては、被曝してしまったあとの対処として、広島の被曝医師である肥田舜太郎氏の意見を参考に①腹を決めて免疫力を高める生活をする②食べ過ぎない③元を断つ(=原発を廃炉にする)、といった事柄が提案されていることである。東日本大震災以後の日本において被曝から完全に免れることは不可能に近いという厳しい現実を踏まえたうえで、可能な限りの対処法を提案せんと努めることが本書の一貫した姿勢であるが、ここにもその真摯さが窺える。

終章である第六章「行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)」では、行政、とくに市民生活にとって最も身近な市役所や町村役場レベルでは、原子力災害に対してどのような対応が可能なのかが説かれる。現在、原発から半径三〇キロメートル以内にある地方自治体には避難計画の策定が国から求められており、雛型である「原子力災害対策指針」に沿う形で災害対策を打ち立てることが促されている。しかし、三〇キロメートルという数字は何の根拠もない狭い見積もりであること、燃料プール事故の対策を全く欠いていること、いったん自治体が避難計画を策定しても政府はその審査もしていないこと、そもそも原子力災害はどのように推移するかを予測することが困難なこと、などの点から、この「指針」がまったく非現実的であることが指摘される。地方自治体が国の無責任のツケを押し付けられているこうした現状を踏まえた上で、ではいかにして少しでも現実的な方策を立てうるかについて、守田氏自身が二〇一二年以降、兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会の一員として活動した経験をもとに説かれている。

以上の構成からなる本書は、ここまでの要約からもわかる通り、原子力災害の危険と講じるべき対策について、客観的な事実とデータを挙げつつ、誰にでもわかる平易な筆致で記されている。理想的な啓蒙書といえるだろう。結果的に現在の日本政府への批判もなされてはいるが、それは決して「ためにする」感情的批判ではなく、冷静な事実分析に基づいているところが特徴である。前著『内部被曝』とともに、今後の日本に生活する私たちすべてによって――原発反対派もさることながら、むしろ推進派の人々によってこそ――読まれるべき、必携の「実用書」といえるだろう。

なお、守田氏は書中で「僕自身、これまで大学の女子寮の防災訓練や、地域の自治会の防災訓練の場などに招かれたことが何度もあります。今後も呼んでいただければ、喜んで講演をさせていただきますので、ぜひお声掛けください。」と記している。講演では本書出版以後の原発関連の最新情報や原子力災害対策についての新たな知見を得られるであろう。連絡先については、守田氏の情報発信ブログ「明日に向けて」http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011をご覧になられたい。

*****

本書は全国の書店から注文できますが、出版元の海象社さんのHPをご紹介しておきます。本書の目次も掲載されていますのでご覧下さい。

http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html

また直接、守田にご注文いただいても対応することができます。

ブログの場合はメール欄から、メルマガの場合は返信していただくことでご注文ください。よろしくお願いします!

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明日に向けて(1358)国際女性デー(ミモザの日)に思う

2017年03月08日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です。(20170308 23:30)

みなさま。今日、3月8日は国際女性デーです。

1904年3月8日に、アメリカで女性労働者が女性の参政権を求めてデモを起こしました。これを受けて1910年にコペンハーゲンで行われた国際社会主義会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう日」を作ろうという気運が生まれました。これを力強く押し上げたのが1917年に起きたロシア二月革命でした。この革命は旧暦では2月23日に始まったので二月革命と呼ばれるのですが、新暦のグレゴリー暦ではまさに3月8日が始まりの日でした。

この時も革命の火ぶたを切ったのは女性たちでした。当時の首都ペトログラードで女性労働者を中心としたデモが起こり、皇帝を倒すことにつながっていったのでした。

この革命に世界中の人々が勇気づけられ、やがて1921年に3月8日が「国際女性デー」と決められたのでした。日本でも1923年3月8日に社会主義フェミニスト団体の初の集会開催が行われています。

この女性の日に、世界のあちこちで男性から女性への感謝が捧げられて花束が贈られているのですが、最も粋なのはイタリアの男たち。ミモザの花を贈っているのです。

なぜミモザなのかもイタリアらしい。イタリアではこの日をFesta della Donna(女性の日)と呼ぶそうですが、定められたのは第二次世界大戦後の1946年、イタリア女性連合の提唱によるものでした。そのとき、どんな花を贈るのがふさわしいのかが論議され、「すみれがいい」となったのだそうです。

しかし当時、スミレは高価な花でした。これに対してイタリアに自生する身近な花であるミモザならば、貧富の差に関わらず、どんな人でも感謝の意を表すことができるということで、ミモザが贈られることになったのだそうです。

イタリアは日本と同じく、第二次世界大戦の時にムッソリーニ率いるファシスト党に支配され、ドイツ、日本と同盟して連合国を相手に戦いました。国土は戦場となり、乱れに乱れましたが、戦争末期にパルチザンが立ち上がって、ムッソリーニを倒し、共和制が作り出されました。

そのときイタリア社会は貧しい人々を大切にし、ミモザの花を選んだのでした。戦乱の苦しみの中から立ち上がり、はにかんだ顔でミモザを女性に渡すイタリアの男たちの顔、それを喜んで受け取る女たちの顔が見えるようで、なんとも心が温かくなります。

なおミモザそのものはオーストラリア原産で同国の国花とされています。オーストラリアのスポーツチームのカラーの黄色と緑もここから来ているのでしょう。ちなみにオーストラリアではミモザは「ワトル」と呼ばれています。

花言葉は「友情」「真実の愛」「秘やかな愛」「豊かな感受性」「堅実」「エレガンス」「神秘」だそうです。

 

さてこのミモザの日=国際女性デーを迎えて思うのは、間もなく7回目の3月11日を迎えるこの6年間が、ものすごい数の女性たちがものすごい行動を起こした日々であったということです。

一番先頭に立っていたのは、原発事故に際して、率先的避難者となって、危険地帯を飛び出した人たちでした。この行動に全国の女性たちが感化され、放射能から子どもたちを、命を守るための大行動を開始しました。素晴しい行動でした。

私たちがしっかりと見据えておくべきことは、この行動がどの政党も、組織も、マスコミも動かなかった中で行われたことです。このとき、政治家も革命家もジャーナリストも、やすやすと追い越されてしまったのです。

もちろんそのことにすぐに気がついた一群の人々が一緒に走り出した。僕もその端くれにいれたと思います。それでこれまでこの国の歴史になかったことが次々と行われていきました。

その一つが東京の首相官邸前や、全国の電力会社の本店、支店前、あるいは主要ターミナルで行われている金曜行動です。今日、そのどれもが200回を軽く超えています。これほど持続的で広範囲な地域で行われている政治行動は日本の歴史の中になかったものです。

この力は裁判所をも動かして原発の再稼働を阻み、ついに原発メーカーの一つ、東芝が瓦解する結果にもつながってきました。

もちろんこの行動は女性たちだけで成り立っているわけではありません。文字通り老若男女の力によって作り出されて来たものです。でも僕はその原動力になったものこそ、命を育み、守ろうとする女性の心温まるパワーだったと思うのです。

だとするならばここから先、日本社会を根底から変えていくために最も重要なことはもっともっと女性たちの力が発揮しやすいようにこの国を変えていくことです。もちろんそれは安倍政権が目指している「名誉男性」とでも言うような、男性的な暴力のロジックを受け入れた女性たちが重用されるようなあり方のことをさすのではまったくありません。

女性がもっと活躍ができるようになるためには、男性が、いや社会全体が、この国がまだまだ深刻に女性差別的な国であることを見据え、自己変革をしていくことが必要なのです。

この際、参考になるのは世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2016年10月20日に発表した「世界ジェンダー・ギャップ報告書( Global Gender Gap Report 2016)」です。この際、毎年発表されている2016年版「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」も公表されました。

対象は世界144カ国ですが、格差が少ない国=女性の社会的地位の高い国の1位から4位までは北欧諸国が独占、順位はアイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンでした。なお内戦でたくさんの男性が失われたアフリカのルワンダが5位に入りました。

その他、主な国ではドイツ13位、英国20位、米国45位、中国99位となっているのですが、では日本はどうなのかというとなんと111位なのです!144カ国中です。これらはジェンダー間の経済的参加度および機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントなど、4種類の指標を基にしたものです。

20位までの国を並べてみましょう。アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ルワンダに続き、6位アイルランド、7位フィリピン、8位スロヴェニア、9位ニュージーランド、10位ニカラグア、11位スイス、12位ブルンジ、13位ドイツ、14位ナミビア、15位南アフリカ、16位オランダ、17位フランス、18位ラトビア、19位デンマーク、20位イギリスです。

日本は111位。なんという嘆かわしいありかたでしょう。しかも昨年は101位だったのにそこからも大きく後退してしまったのです。安倍政権のもと、女性差別は進行するばかりなのです。

もちろんG7諸国とロシアを含む「先進8ヶ国」の中では断トツの最下位です。というか、これでは「先進国」だなどと言っていることが恥ずかしい限りです。

このことが物語っているのは私たち男性もまた、国際基準から見てかなり劣った位置にいるという残念な事態です。私たちの多くの常識が世界では非常識なのです。

いやジェンダー差別は社会的構造によるものですから、私たちの社会全体の女性観、男性観がまだまだ劣っていると捉えなくてはいけません。そもそもこんな国を「美しい国」だなどと言っていることが恥ずかしすぎる。この恥ずかしい状態を自覚的に、意志的に変えていく必要があります。

ではどこから変えていったら良いでしょうか。僕は私たちの民衆運動をもっと女性が活動しやすいものに変えていくべく努力を重ねることが大事だと思います。そのためには保育などの社会的充実化などを実現することも大事ですが、行政に何々をせよと言う前にもっとあらゆる組織で女性がリーダーになりやすい環境をみんなで整えることが大事だと思います。

その点でぜひともあらゆる政党や進歩的組織で女性のトップやリーダーを増やしていただきたい。そのことを意識的に行っていく必要があると思います。

またそのためにも、子育て世代がもっと集会に参加しやすいように工夫を重ねる必要があります。ぜひあらゆる集会に託児だけでなく、親子スペースを設けて、子どもの泣き声がある中で進行できるようにしていただきたいです。

その際、男性のみなさんに一緒に考えて欲しいのは、ともすれば理屈ばかりに走りがちで、実は屁理屈にも引っかかりやすい男性的思考性を自己変革しようということです。

福島原発事故のとき、多くの男性、とくにさまざまな組織のリーダー的な位置にいた男性が、「にわかに健康に被害はない」などという政府の発する屁理屈に騙され、避難を呼びかけたり、自ら決行したりすることができなかったことに対し、多くの女性たちが「危険だ!逃げなくては!」と直感に基づいて行動できたこと、このギャップを捉え返すことがカギです。

繰り返しますが、それまで民衆運動のリーダーを自認していた多くの政党や社会組織の男性たちほど、「避難しよう」という組織的なかけ声をかけられなかったことを捉え返すことが大事なのです。

女性の地位の向上のために何かをするという前に、男性の側が自らを捉え返し、変わっていくことこそが、大きく道を開くことにつながると僕は思っています。その点で私たち男性は、世界の111位という悲しい現実から自らを解き放っていくこと=「男性解放」を意識化していく必要があるのです。

ジェンダー差別とは女性と男性の間で社会的に成り立つものであるわけですから、その克服の早道は男性の側が変わっていくことです。

もう3月8日自身は過ぎ去ってしまいますが、そんな気持ちも込めて、いま私たち男性は、女性に深い感謝を捧げようではありませんか。

もちろんその中で同時に私たちは、女性、男性というアイデンティティのあり方をももっと豊かに超えて、ありとあらゆる存在のあり方が肯定され、リスペクトされる関係性を作り出していく必要があると思います。

ミモザの日にそんなことを思いました。

最後に女性だけでなく、すべてのみなさんにミモザの花を贈ります。Facebookのページに載せたものです。以下をご覧下さい!

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明日に向けて(1357)福島原発事故から6年、私たちは何をなすべきか?(講演等のお知らせ)

2017年03月07日 23時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20170307 23:30)

このところなさねばならないことがたくさんあり、「明日に向けて」の更新が滞っていました。大変、申し訳ありません。「守田はまた体調を悪くしているのではないか」とご心配下さっている方もおられるかもしれませんが、ご心配なく。僕はいたって元気で、さまざまなことで動き回っています。

それにしてもこう更新が滞ってしまうのは本当に申し訳ないです。またできるだけ空きのないように頑張って書いていきますのでどうかよろしくお願いします。

 

さて今宵はまもなく迎える7回目の3月11日を前後しての講演や参加企画をお知らせします。

あの大津波と福島原発事故から早くも6年。あのとき小学1年生だった子どもたちがもう中学生なのですから、時の早さを実感させられます。

しかし6年経っても、福島原発はコントロールできないまま。相変わらず大量の放射能を漏らし続けており、原発が一度事故を起こせばどんなに大変なことになるのかを示し続けています。

これに対し民衆の側は、この6年間、原発の再稼働を懸命に食い止めてきました。いま動いているのは川内原発1号機、2号機(ただし2号機はまだ調整運転中)と伊方原発3号機のみです。現在、生き延びさせられている原発は全部で46基ですから圧倒的な数を私たちは止めています。

原発反対で立ち上がっているのは私たちだけではありません。福島原発事故以降、世界の至る所で人々が立ち上がり、声をあげ、原発の稼働を難しくしてきました。その流れの中で今日、日本の原発メーカー三社の一つ、東芝が音を立てて崩壊しつつあります。原因はアメリカでの原発建設や輸出が完全に行き詰まってしまったからであり、この影響は残る二つのメーカー、三菱重工と日立製作所をも直撃しています。

このため日本政府や原子力推進派は窮地に立っています。それで加速されつつあるのが日本の原発を無理矢理再稼働させることです。この間、特徴的なこととしてあるのは、これまで避難計画に対して一言も発言してこなかった原子力規制委員会が、「5キロ圏外は屋内退避が基本、むやみに避難させてはならない」と言い出したこと。再稼働の最大のネックである避難計画の作成作業をすっ飛ばしてしまおうというのです。

しかしここには東芝の崩壊の中での原子力推進派の大きな動揺が介在しています。大事なのはこのことを見据えて、展望がどんどん薄れている再稼働と原発輸出の流れと対決することです。追いつめられているが故に原子力規制委員会がむちゃくちゃなことを言い出した事をはっきりとみすえ、安全工学や災害社会工学などの立場からもきちんとした批判を行い、広範な人々に伝えて、再稼働を食い止めていきましょう。

原発メーカーはもはや息も絶え絶え。すべての原発を廃炉に向かわせていく事は十分に可能です。

しかし他方で、原発から出て来た放射能から身を守る点ではまだまだ多くの面でなさねばならないことが山積しています。もはや完全に「放射能安全論」に傾き出した政府のあり方を徹底して批判するとともに、民主的勢力の中でも、被曝への評価が甘い側面がまだまだあり、往々にして避けられる被曝が避けられていない現実があることをしっかりとみすえ、人々の命を守る活動を強化していく必要があります。

7年目を迎える3月11日に多くの方とこのことをしっかりと確認しあいたいと思います。

 僕は今年は3月11日は京都市で迎えます。「バイバイ原発きょうと」集会が開かれますが、呼びかけ人の1人をさせていただいています。といっても実行委活動に参加できておらず、中心的に活躍されているみなさんに申し訳ないばかりなのですが、ともあれこの日は一日、京都市のみなさんと原発反対の声を精一杯あげたいと思います。

その前後でお話をさせていただきます。まず10日に生活クラブ京都エル•コープでお話しします。「バイバイ原発前夜の集い」の場においてです。

また12日には岡山県和気町で「3•11を忘れない」特別講演会でお話しします。この和気町での講演のタイトルは「あれから6年〜いま何が起きているのか、わたしたちは何をすればいいのか」です。エル・コープでも同じ視座からのお話をしようと思います。

みなさん。それぞれの地で3月11日を前後して、脱原発、脱被曝の声をあげましょう! 

以下、案内を貼付けます。

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3月10日 京都市 

バイバイ原発 前夜の集い

3.11福島原発事故から今、知っておきたいことがあります。

聞きに来てください。

これは私たち自身のこと。

日時:3月10日(金)15:00〜20:00 会場:生活クラブ京都エル・コープ

西センター3 階(JR 桂川駅東側すぐ) 参加費:500 円(食事含む)

6名のスピーカーによるリレートークです。

時間は長いですが、何時から何時までの参加でも結構です。組合員はもちろん、この企画を知って下さった方はどなたでもご参加下さい。心ばかりのお菓子、おばんざいを用意しています。休憩時間には一緒に食べながら、飲みながら、話しましょう。詳細はホームページ、Facebook をご覧くださるか、お電話下さい。

※駐車場がありません。公共交通機関でお越しください。 

ゲストスピーカー(時間は前後する可能性があります)

15:30 菅野千景さん

16:00 海南友子さん

17:00 守田敏也さん

17:30 吉野裕之さん

18:30 石田紀郎さん

以下からチラシが見られます。裏面に発言者のプロフィールがあります。

http://kyoto.seikatsuclub.coop/event/pdf/3.11%E5%89%8D%E5%A4%9C%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.%EF%BC%92_.pdf

http://kyoto.seikatsuclub.coop/event/pdf/%EF%BC%93%E3%83%BB%EF%BC%91%EF%BC%91%E5%89%8D%E5%A4%9C%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7%E8%A3%8F%E9%9D%A2.%EF%BC%94.pdf

お問合せ:生活クラブ京都エル・コープ西センター(075-934-7371)

担当理事:細谷(090-6963-6890)

http://kyoto.seikatsuclub.coop/ 

*****

3月11日京都市 

==2011年3・11から6年=

高浜原発動かすな!福島に思いはせ みんなでデモしよう

バイバイ原発3・11きょうと2017

3月11日13:00開場 13:30開始 円山野外音楽堂 雨天決行

■スピーチ:

  長谷川健一(ひだんれん共同代表/元酪農家)

  鹿島啓一(弁護士・高浜原発差し止め仮処分裁判など多数)

■アピール:

  福島敦子(原発賠償訴訟原告団共同代表)

■パフォーマンス

  中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)※14:25ごろよりライブ

■デモ:15:00出発(円山公園~京都市役所まで)

※問合:TEL 075−252−5222 FAX:075−251−1003

 

詳しくは以下を参照

http://nonukeskyoto.com 

*****

3月12日 岡山県和気町 

「3•11を忘れない」特別講演会

あれから6年、いま何が起きているのか。

わたしたちは何をすればいいのか。

 

お話 ジャーナリスト 守田敏也さん

日時 2017年3月12日(日)午後2時〜4時

会場 和気町商工会・研修室(和気町立図書館三階)

入場 無料

託児 あり(申し込み3月5日まで。人数に制限あり)

主催 「3•11を忘れない」実行委員会

   (和気町役場危機管理室/日本基督教団東中国教区社会委員会

    /シェアハウス「やすらぎの泉」)

問合 和気町役場危機管理室・則枝(のりえだ)

電話 0869−92−1122

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