明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1427)政治は劣化しきった!今こそ災害対策の前進を!地域から政治を立て直そう!(講演会にご参加を)

2017年09月28日 12時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170928 12:30)
 
総選挙に向けて大荒れの状態になってきました。言いたいこと、言うべきことはたくさんありますが、一言、現状を示すならば、政治家の劣化のもとでの大混乱が起きていると言うことです。
もちろん一番悪いのは安倍政権です。今回の解散、大義がないどころか、明らかに朝鮮からのミサイルを追い風にしたものでとんでもなさすぎる。
安倍首相は国連で「北朝鮮との対話は不可能。圧力のみが有効だ」などと連呼しましたが、それが意味するのは日本の私たちにどんどん戦争の危機が迫ってくることです。
 
これに対して韓国はまさにこの時期に人道援助を行いました。これは朝鮮民主主義人民共和国に対しての「戦争をする気はない」という大きなメッセージの発信です。
日本の右派系メディアは「裏切り」だの「国際的足並みを乱す」など言っていますが、冗談じゃない。戦争になったら真っ先に一番死ぬのは朝鮮半島に住まう南北の人々なのです。
だからこそ、被害を最も受ける当事者であるがゆえに韓国は、アメリカトランプ大統領の圧力に抗して、戦争を避けるメッセージを北に送っているのです。国民、住民を守ろうとする立派な態度です。
 
安倍政権はまったく逆です。戦争を煽っているようにしか思えない。実際に中国は「日本はアメリカに戦争を煽っているように見えるが危険すぎる」と懸念を表明しています。
では本当に安倍首相が戦争になることを考えているのかというと、まったくそうではないことが透けて見えてしまう。
一つに朝鮮半島の目の前にある高浜原発を稼働させ続けていること。本気で戦争を考えるなら真っ先に止めているでしょう。さらに「国難」だとかなんだか叫んでいるこの時期に、政治空白が生じる解散総選挙に打って出たことです。
 
これに対して小池新党が立ち上り、民進党がまさかの解党で合流して、政局の大転換を狙いだしたわけですが、端的にどうなろうと日本の政治が流動化するのは必至で、とてもですが、短期のうちに朝鮮半島の緊張関係に向き合える態勢など作れません。
事態のここまでの流動化を安倍政権は予想していなかったと思われますが、ともあれ安倍政権をみているとはっきりと目に見えるのは、実は心の底では朝鮮民主主義人民共和国を信頼しかつ甘えきっているということです。
かの国が高浜原発を狙うことなどはないだろう。政治の空白時に戦争を起こすことなどないだろうとまったく高をくくっているのです。
 
もちろん実際に僕もかの国が高浜原発を襲うことも、戦争を仕掛けてくることもないと思います。もちろん、そうなればアメリカの軍事力による報復は必至で、とても国家を維持できなくなるからでもありますが、それ以上にそもそも朝鮮民主主義人民共和国が一貫して求め続けているのは、アメリカと平和友好条約を結び、1950年に始まった朝鮮戦争以来続いている「休戦」状態に最後的に終止符を打つことにあるからです。それこそが戦略目標なのです。
しかしそうであるならばその読みをこそ明らかにし、アジアでの無用なテンションの高まりを作らない努力を続けることこそが平和の道なのです。いまのように「北が暴走することなどない」と考えて恫喝を繰り返すのはタカ派の平和ボケです!
 
これに対して小池東京都知事にしても前原民進党党首にしてももう滅茶苦茶です。もし小池氏が国政に転じたならば、東京都民はまたも莫大なお金をかけて知事選挙を行わなければならなくなる。
いや衆院選に出ずとも、いまの状態では小池氏は東京都のことにとてもではないけれども専念できないでしょう。しかしそれで築地の問題はどうなるのでしょうか。オリンピックを強行しようとすることで生じている歪みはどうなるのでしょうか。(オリンピックそのものはもはや返上すべきですが)
ようするに東京は、小池氏とその周りの人々によって、政権をとるための「だし」にされているのでしかありません。
 
前原氏の解党、無党派出馬も滅茶苦茶です。前原氏はこれまでの野党共闘において、「理念の違う人々と一緒に政権を目指すのはいかがなものか」と語り続けていました。
しかし今回、理念を語り合う場はあったのでしょうか。何もなしです。ただ議席をとるためだけの解党に走ってしまいました。では投票者はいったい何の理念に投票するのでしょうか?安倍首相以外ならなんでも良いのでしょうか。今のままでの解党、希望の党へのなだれ込みは、政治的理念の解体をしか意味しません。そもそも希望の党はきちんとした政策理念すら公表していないのです。
しかも小池氏は、民進党が「憲法違反」と正面から批判してきた「安保法制」に賛成しており、これを希望の党から旧民進党候補者が公認を得る踏み絵にしようとしています。これでどうしてまともな合流になるのでしょうか。
 
はっきりしていることはもはや与党から大半の野党まで、政治が劣化しきってしまっていることです。劣化しているのは安倍政権だけではなかったのです。安倍政権とともに多くの政治家がもう本当に劣化しきってしまったのです。
この事態を私たちはどう捉えたら良いのでしょうか。僕は実は政治は、今、劣化したのではなく、もうとうにダメになっていたのであって、その現実が今日、表面化したに過ぎないと思います。
大切なことはもはやこれ以上政治を、「政治家」なる、よく考えてみればわけのわからない人々に委ねていてはだめだと言うことに多くの人々が目覚めるときだと言うことです。私たち民衆がもっと政治に参加しなくてはいけない。
 
もちろんそこには国政選挙運動への参加も大事なモメントとして含まれます。各地で新しいムーブメントが育っていますが大いに進めていただきたいです。
それと同時に僕は、こんなときこそ、中央ではなくて地方で、それぞれの町々で、崩れ去っている政治を立て直すことが大事だと思います。
その際、何を軸にすべきかと言うと災害対策だと僕は思っています。なぜか。真の国難である大災害が連続して起こり続けているからです。
 
言うまでもなくその筆頭は東日本大震災と福島原発事故災害です。
この災害は、被災者の救助の面、三陸の町々の再建の意味でもまだまったく終わっていません。いわんや福島原発はまだ事故の収束にすら程遠い現状にあります。
さらに原発事故避難者は国によって見捨てられたままです。さまざまな形で激発が報告されつつある健康被害にいたっては、何らの国家的対処すらなされていません。
 
その上、この国には南海トラフ地震による壊滅的な被害が迫りつつあり、それこそ総選挙の政治空白の間にそれが起こってもおかしくないのに、まったく有効な対策が進んでいません。いわんや住民の啓蒙策は皆無に等しい。
ちなみに朝鮮民主主義人民共和国から弾道ミサイルが発射され、この国の領空ではなく、はるか空のはての何百キロも上空を通過したときに、けたたましくアラートが発せられましたが、あれは防災対策上、最悪の、犯罪に等しい行為でした。
なぜか。絶対にこの国のどこかにミサイルが落ちてこないことなどわかっていて警報を発したからです。これまた選挙のためだとしか思えませんが、しかしこんなことをしたら人々はアラートに反応しなくなってしまいます。
 
まさに「狼少年」の寓話で語られてきた行為そのものです。そもそも災害が間近に迫っている時ですら、人々はしばしば正常性バイアスに捉えられて迅速に動けないのです。
ましてや嘘のアラートなんか発せられたら、人々は行政機関から発せられるあらゆる警報にますます鈍感になり、「どうせ危険など迫ってきやしないよ」と捉えて、避難や退避行動をとらなくなってしまいます。
そもそも東日本大震災で15000人を超える死者が生じたことも、これまでの警報の発し方や、正常性バイアスへの対応におけるこの国の蓄積されたあやまりの結果だったのでした。にもかかわらず災害に弱い国作りにしかならない愚策が再びなされてしまいました。最悪です!
 
しかし情けないかな、この観点からアラートを批判した政党は僕の知る限りありませんでした。警報をもてあそぶのは犯罪行為であるにも関わらずです。
ようするに多くの政治家が、劣化が著しいがゆえに災害に対して鈍感になり続けているのです。だから南海トラフ地震に対する備えもまったく進んでいないし、もろに被害を受ける位置にある伊方原発も再稼働されてしまっています。
このままでは子どもたちの命も、私たちの命も、未来の命も守ることができない。
 
だからこそ東日本大震災でのすべての被害への対処も含めた災害対策にこそ、いまこの国は力を入れるべきだし、それを地方から進めていくことこそが、政治の劣化を克服していく一番の道だと僕は思います。
こう思うのは、これまでの原子力災害対策へのかかわりの中で、中央の政治家たちの劣化に比して、地方、ないしおのおのの現場の方たちが、いまなお誠実に己の職務を遂行しているのを見てきたからです。
中央がこんなに崩れているのに、この国が崩れ切らないのはそのためです。矛盾がどんどん地方に押し付けられ、あるいは現場に丸投げされているにも関わらず、多くの現場で涙ぐましいまでの努力が継続されている。
 
そこにもはや「右」も「左」もありません。この国の多くの方は平和を願っています。誰も戦争など望んでいません。自民党や公明党の党員でもそうです。与党でも野党でも大半の現場の方は戦後に作られた平和を愛しています。
そしてそうした方たちがいま、各地で激発する災害の際に、命を賭して町を守っているのです。それらをみても痛感するのは、もはや地方の自民党公明党の人々と安倍政権とはまったく別物だと言うことです。
だから劣化した政治家たちにこの国の命運を任せず、下から、草の根で国の方向を変えていく。お金儲けよりも命を大事する国に変革していく。その大きな足場が災害対策になると僕は感じています。
 
ぜひみなさんの現場でこうしたことを語り合ってください。
迫りくる、いやすでに来てしまっている本当の国難に立ち向かうために、災害対策を、下から進めていきましょう!
政治の完全な劣化を見据えて、地域から政治を立て直していきましょう。
 
*****
 
以下、当面の講演をお知らせしておきます。10月6日まで連続5回お話します!
 
9月29日 滋賀県高島市
 
29日に高島市でお話します。
「くらしとせいじカフェ@原子力災害〜 備えておきたい知識と心構え【議員さん向け勉強会】」というタイトルで、今年6月に草津市で行った際に参加された高島市の議員さんなどが動いてくださって開催が決まりました。
今回は「くらしとせいじカフェ@たかしまの防災」のタイトルとなりました。
 
企画には高島市原子力災害対策室が来てくださって報告もしてくださいます。また米原市の防災課の方も来てくださいます。
高島市と高島市教育委員会が後援してくださいます。
自然災害と原子力災害双方からの命の守り方についてお話し、高島市の方たちと災害対策をしっかりと進める一助としたいです。
https://www.facebook.com/events/110819852881329/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2223%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D
 
9月30日 京都市下京区
 
30日に京都市下京区でお話します。18時半21時まで。ひとまち交流館京都にてです。
僕も参加している「ウチら困ってんねん@京都(ウチこま)」の主催です。
 
ウチこまではこの間、「京都の今とこれからを考える」という連続企画を行って来ました。
今回はその原子力災害対策版です!タイトルは「原子力をめぐる自体体の取り組みと世界情勢」です。僕自身、篠山市で原子力災害対策を推し進めてきた経験をぜひ京都市に還元したいと思っており、いくつかの具体案を用意しています。また国際情勢については、この間のドイツ訪問で見えてきたことに触れます。
原子力災害対策を京都市でいかに進めていくのかぜひ京都市のみなさんと一緒に考えたいです。
https://www.facebook.com/events/232880117238221/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2223%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D
 
10月2日 兵庫県神戸市
 
月が替わって2日に神戸市でお話します。神戸市勤労会館405号室にてです。
依頼された内容は以下の通りです。
1、福島原発事故以後の全国の状況
2、関西電力の高浜・大飯原発等の再稼働への動きと、その危険性
3、高浜・大飯原発事故の際の甲状腺被曝の広がりと危険性。安定ヨウ素剤の備蓄・配布の必要性
とくに2,3を重点的にということですので、これに沿ってお話します。
主催はセンター神戸(全神戸労働組合センター)です。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211957556992602&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=3&theater
 
10月5日 京都府舞鶴市
 
5日に高浜原発間近の舞鶴市にまたお話にいきます。
今回の主催は京都生協南丹ブロックさんです。
タイトルは「原発災害にたくましく備えよう」です。
 
午前10時から11時45分まで
中舞鶴総合会館5階セミナールームにてです。
参加費200円です。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211957568832898&set=a.3300903639751.2140616.1182740570&type=3&theater
 
なお10月6日夕刻に京都市のたかつかさ保育園でもお話しますが、保護者の方たち中心です。
詳しくはたかつかさ保育園にお聞きください。

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明日に向けて(1426)日本は自然災害にも極めて脆弱。ましてや戦争などとてもできない!

2017年09月22日 15時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170922 15:00)

前回の記事で日本を軍事力で守ることは到底できないことを述べました。とくに防空体制に必須な旧陸軍の分類による「消極的防衛」・・・都市構造を空襲から強くすることなど現代ではとてもできないからです。
そもそも第二次世界大戦時に比しても、日本は空襲に対して格段に脆弱さを増しています。原発や石油コンビナートをはじめ攻撃されたらひとたまりもない構造物が海岸線に林立しているからです。
これらを空襲を避けるために疎開させるなどまったく現実味がありません。外交で、絶対に空襲など受けないようにすること以外に、この国をリアルに守る道はないのです。

そればかりではありません。実は現代の日本は自然災害に対しても極めて脆弱な都市構造を持ってしまっています。これらの弱さをたたかれたらやはりひとたまりもありません。
このことはスイスの保険会社スイスリーが、世界の616の都市を主に水害の観点から比較する中で明らかにされたことです。
それによるとなんと世界で最も危険度の高い都市圏は東京・横浜だとされたのです。ワースト4が大阪・神戸、ワースト6が名古屋と、日本の五大都市がランクインしてしまっています。
以下にランキングとニュースソースを示しておきます。(東京・横浜、大阪・神戸は一つの都市圏として捉えらえている)

1位 東京・横浜(日本)
2位 マニラ(フィリピン)
3位 珠江デルタ(中国)
4位 大阪・神戸(日本)
5位 ジャカルタ(インドネシア)
6位 名古屋(日本)
7位 コルカタ(インド)
8位 上海・黄浦江(中国)
9位 ロサンゼルス(アメリカ)
10位 テヘラン(イラン)

http://news.livedoor.com/article/detail/8709053/
http://media.swissre.com/documents/Swiss_Re_Mind_the_risk.pdf

日本の諸都市の水害へのこの圧倒的な脆弱性を踏まえて、このことを特集した東京新聞紙上で、元東京都職員の土木専門家、土屋信行さんが次のように述べられました。
「日本を攻撃するのに、軍隊も核兵器も必要ない。無人機が一機、大潮の満潮時にゼロメートル地帯の堤防を一カ所破壊すれば、日本は機能を失う」

東京新聞の2014年の紙面でのことです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
 「明日に向けて(933)東京は世界一危ない都市・・・警鐘「首都沈没」(東京新聞より)
 2014年9月11日
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/974f310ea1faae553cb23b4ad71496a8

どうしてこんなに水害に弱いのか。
二つ理由があります。一つに明治以来の河川管理の誤りです。

河川管理の誤りは次の点です。
日本は世界の中でも有数の豪雨、豪雪地帯で、しかも列島の中央にいくつもの山脈が走っているため、山にたくさん降った雨が常に一気にくだってくる構造を持っています。
むろん、雨が多いことは一方で命の水が豊富である長所とセットのことです。この国の歴史はどう水の害を抑え(治水)、上手に活用していくのか(利水)の知恵を、さまざまに重ねることで彩られてきたと言えます。

ところが明治以降、日本とはまったく条件の違うヨーロッパの治水思想が持ち込まれてしまいました。
ヨーロッパは平原の多いところで、川も多くがゆったりと流れています。この自然条件を背景に強固な堤防で洪水をおさえこむ技術が発達してきました。
これに対し江戸時代までの日本は、洪水時にあらかじめ堤防の一部を水が乗り越していくようにするなどして、洪水の被害を散らす技術を発達させてきました。

維新後に成立した明治政府は、この日本古来の知恵を捨て、西洋の「おさえこみ」技術の導入にあけくれました。
そのため堤防を高く頑丈にしていきましたが、日本の川の流量は膨大で抑えきれず、やがて堤防の大破堤が起こってしまいました。
ところが「西洋かぶれ」してしまったこの国の歴代の政権は、堤防が壊れるとより大きな堤防を築いて、二度と破堤が起こさないことを志向しました。

すると川の流量が増してしまいました。水の力がより大きくなってしまったのです。このため前の災害を上回る大破堤が起こりました。
するとどうしたのか。またまた堤防をかさ上げしてしまったのです!
これらの結果、関東を流れる利根川、中部を流れる長良川、揖斐川、木曽川、そして関西を流れる淀川が、史上最大の流量をたたえてしまい、大きな危機を背負ってしまっています。これが三大都市圏がワースト10に入った理由の一つです。

同じことが日本中のすべての河川について言えます。洪水に弱い河川管理の欠陥が正されずに来ているため、その限界がこの間、豪雨のたびに日本のどこかで姿を現すにいたっているのです。
その点で、この間の河川の決壊、洪水による被害は、けして「自然災害」とだけ捉えられるべきものではなく、都市構築のあやまりによる人災でもあることをおさえておく必要があります。

その上に世界的な規模での気候変動がこの国を襲い続けています。
「記録的短時間大雨情報」という言葉が頻繁に登場していますが、この言葉は「大雨警報発表中に、現在の降雨がその地域にとって土砂災害や浸水害、中小河川の洪水害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることをお知らせするために発表するもの」と発表主体の気象庁に定義されたものです。
その「稀にしか観測しない雨量」が各地で頻繁に降ってしまっています。

たとえば7月の九州北部豪雨の際に、福岡県朝倉市では12時間で1000ミリというとんでもない量の雨が降りました。
朝倉市のこれまでの年間平均雨量は約1600ミリですからその6割が半日で降ってしまったのです。こんなことになったらどの都市、どの町でも排水が追いつきません。さまざまな水害が起こって当然なのです。
しかも朝倉市は山が放置されてきたことを背景に発生した大量の流木の直撃をも受けて甚大な害を被ってしまいました。

ところがこの間、これほどの猛威が繰り返されてきたのに、この国は災害対策をなおざりにし続けています。
その結果、起こった悲劇の一つが東日本大震災による被災でもあったことを私たちは胸にとめおく必要があります。
例えば津波研究の第一人者の河田惠昭氏は2010年12月発行の岩波新書『津波被害』のまえがきで、本書の執筆の動機が、同年2月27日に発生したチリ沖地震津波の際に出された避難指示・勧告に従った人が対象地域の3.8%にしかみたなかったことにあると述べています。

「『こんなことではとんでもないことになる』というのが長年、津波防災、減災を研究してきた私の正直な感想であり、一気に危機感を募らせてしまった。
沿岸の住民がすぐに避難しなければ、近い将来確実に起こると予想されている、東海、東南海、南海地震津波や三陸津波の来襲に際して、万を超える犠牲者が発生しかねない、という心配である」
そしてこの本のわずか3か月後に、河田氏の心配は現実化してしまいました。あまりに痛苦です。津波被害への対策、とりわけ住民への啓蒙と災害対応力を育ててこなかったこの国の政治こそが被害をあたら拡大してしまったのです。

にもかかわらず、あれから6年半も経つのに、こうした災害対策の脆弱性が何ら反省されていません。
そもそも3大都市圏が世界のワーストテンに入るほど水害に脆弱だということすら住民に知らされていません。現にある危機がきちんと知らされないで、つまりなんの備えもしないで、どうして有事に人々が命を守るために有効に動けるでしょうか。
だからこそまたこの国を攻撃するのはあまりに容易なのです。とてもとても守り切れるはずがない。

僕自身は戦争のためではなく、平和のため、人々の命を守るために、原子力災害対策を軸としつつ災害対策全般を強化すべきことを訴えていますが、本来、これは政府が主導になって行うべきことです。
この国の脆さ、弱さ、危険さをこそ明らかにし、国をあげて対策を重ねていななくていけない。しかしそうした現実にほとんど目が向けられていません。

まとめます。
日本には戦争など行う余裕などありません。確実にやってくる東海、東南海、南海地震に備えなくてはいけないし、各地で「想定外」のことが起こり続けている現実を踏まえて、災害対策に大幅に予算を振り向け、人員を拡大すべきです。
政府のみならず、すべての政党、団体、そして諸個人にこのことを訴え続けていく必要があります。

続く

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明日に向けて(1425)日本列島を軍事的に守り切るのは不可能。憲法9条で日本を守るのが軍事的リアリティだ!

2017年09月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)
守田です(20170917 23:30)
 
大型の台風18号が日本列島を通過中です。いま四国から瀬戸内海を経て兵庫県に向かおうとしているようです。
すでに台風の通過した地域や暴風雨に襲われているたくさんの地域で避難指示や勧告が出されたり、川が氾濫危険水位を上回ったりしています。
どうかみなさま、気を付けてお過ごし下さい。避難指示に従うとともに、指示や勧告が出ずとも、危険を感じたら早めに避難されるようにしてください。
 
一方でこの間、朝鮮からのミサイル発射が繰り返されています。日本政府はそのたびにけたたましくアラートを発しており、そのたびにテレビのワイドショーなどでミサイルのことが報道されています。
これらの政府のアラートやワイドショーを見るにつけ思うのは、最も大事な点が抜け落ちていることです。ここにもっと大きな焦点をあてなくはいけない。
 
ちょうど明日の午後に京都市左京区の母親大会で「世界から見た日本~平和力を今こそ~」というタイトルでお話するので、今日、朝鮮半島情勢についてもまとめていました。
要点をあらかじめここに記事として出しておこうと思います。なお明日の企画については「明日に向けて(1422)」をご参照ください。
 
さて政府の広報やワイドショーにもっとも欠けている重要ポイント、それはそもそももはや日本列島は軍事的に守り切るは不可能だということことです。
憲法9条は高い政治理念を伴ったものであって、人類史における大きな思想的な意義を持つものだと僕は思いますが、同時に日本列島の状況を考えたときに、もはや軍事的リアリティであるとも言えるのです。
 
もう一つ。そもそも政府はアラートを出して大騒ぎしながら、朝鮮が軍事攻撃を本当にかけてくるなどとはまったく思っていないとしか考えられないことも大事です。
なぜなら「地下に退避せよ」などと大げさにいいながら朝鮮半島の目の前にある高浜原発を停めようとしないし、福井の原発銀座の原発の燃料プールから核燃料を運び出そうとしないからです。
そればかりかアラートを連発するほどの軍事的緊張関係をアピールしているこのときに、安倍首相は大きな政治の空白を作ることになる衆議院の解散総選挙を行うことすら打ち出しました。
 
実は政府が朝鮮が本気で攻撃を仕掛けてくるなどとまったく思ってないことがこれらに如実に表れています。
実はこの二つのことは密接につながっているのですが、まず今回はなぜ日本列島が軍事的に守り切れないものなのかを明らかにしたいと思います。
 
日本列島が軍事的に守り切れないこと。このことは論理的に語る以前に、第二次世界大戦末期に事実によって完膚なきまでに証明されている事柄です。
日本の諸都市はアメリカ軍に度重なる空襲によって、それこそ徹底的に燃やされて、破壊し尽くされてしまったからです。
 
とくに軍隊対軍隊の戦いが、フィリピン・レイテ島をめぐる1944年秋の攻防でほぼ決着がついた後の1945年に、アメリカは大々的な本土空襲を開始したのでした。
甚大な被害を与えた攻撃の口火を切ったのは1945年3月10日未明に行われた東京大空襲でした。この空襲での死亡・行方不明は一晩で10万人以上。単独空襲ではいまのところ1日あたりで空前絶後の被害をもたらしました。
しかもアメリカは続けて日本の大都市に連続空襲を敢行。東京は合計106回襲われ死亡総数不明。名古屋は合計63回襲われ死亡総数1万人以上。大阪は合計33回襲われ死亡総数約1万人。神戸は合計128回襲われ死亡総数約1万人でした。
さらに大都市だけでなく全国200以上の都市も執拗な空襲を受けました。その結果、当時「内地」と呼ばれた領土の2割の戸数が焼失。死者総合計は東京新聞の発表で558,863人、米国戦略爆撃調査団の発表で252,769人でした。
 
この上にアメリカは終戦直前に広島・長崎に原爆の投下さえ行いました。また日本軍によるポツダム宣言の受諾が発せられた15日までに、備蓄した爆弾を使い果たすための駆け込み空襲も各地で行われました。
空襲は、軍人と民間人を分けることなくして行われるものですから明らかなる戦争犯罪です。アメリカは諸都市の空襲、沖縄戦による無差別攻撃、原爆投下という戦争犯罪を繰り返したのでした。
僕はこれらは先々、国際法廷に訴えでなければいけないことだと思っています。
 
さてこれほどまでに空襲で蹂躙されてしまった事態はその後、軍事的にはどのようにとらえ返されてきたのでしょうか。
この点でのユニークな研究を見つけました。『日本陸軍の本土防空に対する考えとその防空作戦の結末』という論文で、防衛大学教官で軍事研究家の柳澤潤氏が執筆しています。
インターネットで見つけたのでアドレスを記しておきます。2008年に発せられた論文のようですが「現在、北朝鮮による弾道ミサイルの脅威から日本の防空体制について見直しが進められている」と書き起こされていました。
 
『日本陸軍の本土防空に対する考えとその防空作戦の結末』
 
戦前から戦中において本土防空は陸軍の主要任務でしたが、防空は3つの観点に分けて考えられていたそうです。
まずは攻勢的防空と直接防空。総じて積極的防空とくくられるもので、敵攻撃地を先に叩いてしまうのが攻勢的防空で、飛来した敵攻撃機を撃墜、撃退するのが直接防空でした。
これに対して3つ目に考えられたのが消極的防空で、いわば空襲への備えを民間の努力も含めてしておくこと。建物の耐火性を強めたり、都市構造を火災から強くするなど、攻撃されても被害が拡大しないようにすることでした。
 
陸軍は当初より攻勢的防空にばかり偏重した作戦ばかりをたてていたそうです。1920年代ごろは航空機の性能がそれほど高くなかったせいもありましたが1930年代には早くも大型爆撃機による空襲も考えられていたにも関わらずです。
とくに火災に弱い家屋からなる日本の諸都市に対して、すでに1930年代の初頭に「100機あまりの爆撃機で焼夷弾をばらまかれれば容易に壊滅させらてしまう」ことが認識されていたことを柳澤氏は指摘しています。
そのため一部の軍人から空襲への抵抗力を考えた都市構造の改編が主張されたそうですが、敵撃滅に主眼を置く陸軍首脳に取り入られることはなく、直接防空にさえあまり力が入れられませんでした。
 
こうした都市防空の観点の著しい欠損は、戦争突入時にも改めらませんでした。このことを柳澤氏は次のようなエピソードによって紹介しています。
「太平洋戦争開戦直前の12月2日、参謀総長杉山元大将は、国土防空の状況を参謀本部担当部員の神笠武登中佐に問うた。同中佐が「国土防空の現状では、戦争遂行はほとんど不可能に近い」旨を述べると、参謀総長は無言となったという」。
 
その後日本は1945年に、いわば予想された通りに主要都市のすべてを焼き尽くす攻撃を受け続けたわけですが、ここで確認できるのはけしてそれらはB29戦略爆撃機の格段の性能によってもたらされたばかりではなかったということです。
大日本帝国政府が諸都市の防空対策を立てる義務を怠っていたがゆえに、アメリカによって街がいいように燃やされ続け、人々が火炎地獄の中で殺され続けたのでした。
そしてこの経験をそのまま現代に移したときに、くっきりと浮かびあがってくることは、現代の日本が、消極的防空の観点を持った、戦争に耐えるような都市づくりなどしてきていないことです。
 
その第一は攻撃された場合にもっとも危険で脆弱な原発が海岸線に50基以上も建っていることです。その上に六か所の施設もあります。これらがすべて極めて脆弱な燃料プールを抱えています。
原発だけではありません。火力発電所のほとんども海岸線に立っており、これがやられてしまうと大停電が勃発して日本は機能を失います。
そればかりか石油タンクやガスタンクなど、爆発すれば極めて甚大な被害がもたらされる構造物が本当に無数に海岸線に並んでいますし、新幹線など攻撃しやすい交通網も多くが海岸線に存在しています。
 
政府が朝鮮の弾道ミサイルに対して直接防空の手段としてのミサイル迎撃システムを購入して構えるのなら、つまりそうしたことがありえるという想定に立つのなら、本来は同時に消極的防空もやるべきなのです。
まず真っ先に動いている原発を停め、さらに各燃料プールからせっせと核燃料をおろすことが必要です。しかし運転直後の核燃料は危機が迫ったからといって5年はおろすことができないのだから絶対に動かすべきではありません。
さらに海岸線に林立しているタンク、工場等々、さまざまな施設を奥地に疎開させなくてはならない。
 
にも関わらず、第二次世界大戦の教訓で決定的に欠けていたことが立証されている消極的防空をせずに、なぜに政府は攻撃に脆弱な原発を動かし続けているのでしょうか。
ここに見え隠れすることは、実は日本政府が、どこかで朝鮮民主主義人民共和国を深く信頼していることです。
絶対に原発への攻撃などしてこないと考えているのだと思えます。そもそもそうでないのなら朝鮮半島の目と鼻の先にある若狭湾にあれほどの原発を建てたこと自体が信じられないのです。
なにせ事故を起こした時に桁違いに危険なもんじゅさえ、わざわざあそこに建てているのですから。
 
これらから私たちは次のように結論し、政府に迫るとともに、あらゆる人々の間に広めていきましょう!
 
日本列島は軍事では守れません。もし本気で戦争に耐えられる国づくりをするというのなら、都市構造を変えて「消極的防空」を進めるべきですが、現代ではもはやそんなことは絶対に不可能です。
この点で政府は、もはやこの国は戦争不可能な国家構造になっていることをこそ、全国民、全住民に明らかにするとともに、唯一の国を守る手段である外交交渉にもっと精進して和平の実現をめざすべきです。
事実、政府は朝鮮が日本にミサイルなど撃ってこないと確信しており、だからこそ、消極的防空体制など何もとろうとしていないのですから、なおさらさらに信頼関係を醸成する努力を重ねるべきです。
 
そもそもそれこそが憲法前文に書かれている精神、政府と国家公務員が順守すべきものでもあります。
その点で憲法9条を守り、すべての国と話し合って平和の創設をめざることこそ、高い道理に基づくとともに軍事的リアリティからも導出される唯一の結論です。
続く
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明日に向けて(1424)一番大事なのはアメリカに朝鮮との平和友好条約を結ばせること!

2017年09月07日 10時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170907 10:30)

前回の続きを書きます。
アメリカと朝鮮はいま、シビアな緊張関係の中にありますが、ではこの関係の中で朝鮮が主張してきたことは何なのかに着目してみたいと思います。みなさんはどう思われますか。
答えは実にこの戦争状態の終結なのです。「朝米平和友好条約の締結」こそが朝鮮が求め続けていることなのです。
例えば2015年10月1日に第70回国連総会に参加した朝鮮の当時の外相であるリ・スヨン(李洙ヨン)氏は以下のように述べています。

「朝鮮民主主義人民共和国政府は、朝鮮半島における戦争や紛争阻止のために建設的対話をする用意があるが、それは、米国がマスコミを通じ誰かの挑発について主張せず、現行の休戦合意に代え、完全な平和条約に調印して初めて可能となる。
これが、我々が為しうる最高のバリエーションであり、我々がここで提案できる最高の解決策である」
スプートニク 2015年10月02日
https://jp.sputniknews.com/politics/20151002980981/

また同年10月17日に朝鮮外務省は声明の中で以下のように示しています。

「朝鮮半島で平和を保障する方法は二つしかない。
米国が対朝鮮敵視政策を改め平和協定の締結に応じ「信頼に基づく真の恒久的な平和を樹立」する方法か、もしくは朝鮮が核抑止力に基づく自衛的国防力を一層強化し、米国の度重なる核の威嚇と戦争挑発行為を抑える「冷戦の方法」である」
Korea File 2015 No.5 20151228
http://www.chongryon.com/j/kr_news/file/kf15_5.pdf

このように朝鮮は、平和友好条約による「真の恒久的な平和」の創造を求めてきているのであり、それにアメリカが応じないなら「米国の度重なる核の威嚇と戦争挑発行為を抑える「冷戦の方法」」をとらざるを得ないと語り続けてきているのです。
ここには、「真の恒久的な平和」が創造されれば「冷戦方法」はとる必要がなくなり、核兵器開発もしなくてすむという朝鮮の側のメッセージを読み取ることが可能です。

しかしアメリカは朝鮮戦争を最後的に終結させようという朝鮮の要請をことごとく無視してきました。そうなると在韓米軍や在日米軍の存在意義が著し低くなってしまうからです。
日本の安倍首相も、軍事大国への道を歩みたいがゆえに、同じように朝鮮の要請を無視してきました。平和になってしまうと軍拡できないので、朝鮮が「適度に暴れる」方が都合が良いからでしょう。
それどころかこの間、森友・加計問題で追い詰められている安倍首相は、ぎりぎりのがけっぷちにいるときに、朝鮮がミサイルを発射したために支持率がちょっと回復することで助けられてさえきました。
僕は一部の方たちが言うように、両政府が裏でつながっているとまでは思っていませんが、しかし朝鮮の対アメリカ対決路線が、日本の極右政権に有利に働いていることは事実です。

これらからするならば、アジアに平和をもたらす道は、実はさして難しいものではないことが見えてきます。朝鮮とアメリカの間の休戦協定を恒久的な平和条約に変え、朝鮮半島の火種を最後的に消してしまえばよいのです。
その上で米軍に出ていってもらう。あとはアジアの国々同士で話し合って解決していく。それでもう十分なのです。

さらに一歩進んで私たちが認識すべきは、アジアにとって最大の危険要因は、米軍がいることそのものにあるということです。
第二次世界大戦中から今日に至るまで、もっとも多くの戦争を行い、軍事作戦を展開し、最大数の殺戮を犯してきたのがアメリカです。
しかも原爆投下や都市空襲、沖縄地上戦をはじめ、戦争犯罪以外のなにものでもない一般市民の虐殺を繰り返してきています。
つい最近でもイラクに無根拠に攻め込みました。正確にはイラクが「大量破壊兵器を隠し持っている」が故の「自衛」だとの名目でしたが、占領してみたらそんなものはどこにもなかったのでした。

しかしアメリカは一度もこうした戦争犯罪を謝罪したことはありません。だからこの先も、こうした非合法的な戦闘に踏み込む可能性、戦争犯罪を繰り返す可能性は十二分にあります。
朝鮮からしてみればそんなアメリカが目と鼻の先でものすごい規模で軍事演習しているわけです。しかも自分たちの国の代表を「斬首する」ための訓練まで行っているとすら語られているのです。
こんな「テロ国家アメリカ」を目前にしている朝鮮の側のフラストレーションに対して、私たちはもっとイマジネーションを働かせるべきではないでしょうか。

しかも朝鮮のGNI(かつてのGNP 国民総生産)で測った国力は日本からみても非常に低いのです。戦争を継続できる財力など持っていないのです。
ただし朝鮮は自国の経済指標を発表していないので、ここでは韓国銀行の推定にもとづいて記述されている外務省のサイトを参照します。

外務省 北朝鮮(North Koria) 基礎データ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/data.html

これにによると朝鮮のGNIは2014年で34.2兆韓国ウォンです。これをアメリカドルに直すと、2014年末のドルと韓国ウォンのレートが1ドル=1104ウォンでしたから約1100ウォンと計算して約310億ドルほどであることが分かります。
日本円になおすと2014年末のドルと円のレートが1ドル=119円なので約120円として計算すると3兆7309億円だったことになります。これに対して日本の2014年10月から12月のGDIは約527兆円。対比してみると朝鮮のGNIは日本のそれの0.7%にしかなっていなかったことが分かります。
アメリカはどうかというと2014年の統計でGNIが17兆3931億ドルもある。日本円になおすと2087兆1720億円です。朝鮮とアメリカを対比させてみると朝鮮のGNIはアメリカのそれのわずか0.17%に過ぎないことが分かります。1000対1.7という圧倒的な差です。

為替レートは一年の間でも刻々と変わっていますし、そもそも朝鮮に関する数値はあくまで韓国銀行の推定にすぎません。なのでこれらはあくまで大づかみな理解です。
しかしそれにしたって何かものすごくおかしいとは思いませんか?なんで1000分の1.7のGNIぐらいしか持たない国に超大国アメリカが翻弄されるのでしょうか。
一部は冷戦状態を生き延びてきた朝鮮の高度な政治技術のためであるかもしれない。また東アジアをアメリカの好きにはさせたくない中国とロシアの影響も無視できないでしょう。
しかしそれ以上に考えられるのは、こうした軍事的緊張関係があることはアメリカにとってはむしろ好都合であり、だから積極的に改善しようとはしてこなかったのではないかと思われる点です。
日本もアメリカの尻馬にのり、朝鮮を利用する形で軍拡を進めてきています。その背景に見え隠れするのは国際的な武器商人たちの暗躍です。武器商人たちにとっては軍事的緊張こそが儲けの源泉なのです。

朝鮮の側からすれば、どれほど強気であっても、500倍以上もの国力を持つ国と全面戦争して勝てると本気で思っているはずがないでしょう。
だからこそ朝鮮は「戦争状態を止めたい、万が一にも攻め込まれる状態をなくしたい」と考え、世界に公言もしてきたわけです。アメリカは合法的な根拠などまったくないままの侵略戦争を何度も行ってきた国なのですからなおさらです。

以上から私たち市民の進むべき道は明らかです。「アメリカは朝鮮の長年の要望に応じて平和条約を締結し朝鮮戦争を終結させよ」と声を上げることです。
さらに朝鮮、アメリカ、日本政府に対して「核兵器禁止条約に調印し、核廃絶の道を歩め」との声も上げる必要があります。
平和の道はこれほどにシンプルです。大事なのはアメリカ政府や日本政府の中枢ないしは背後にいて戦争をしたがっている人々、戦争で儲けたがっている人々のあらゆる騙しにのらず、真実を暴き続けていくことです。

それが「戦争からの命の守り方」であり、平和の作り方だと僕は確信しています。
一緒に歩んでいきましょう!

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明日に向けて(1423)核実験―緊張を深める朝鮮半島情勢の背後にある隠された事実をつかもう

2017年09月06日 16時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170906 16:30)

9月2日に滋賀県朽木村に向かい、山水人に参加してお話してきました。「原発からの命の守り方」と「戦争からの命の守り方」を柱とした話でした。
3日は彦根にいって「くらしとせいじカフェ@ひこね」に参加してきましたが、ちょうどそのころ朝鮮民主主義共和国が新たな核実験をしたことが報じられました。
これを踏まえて、山水人で朝鮮半島情勢について語った観点をお送りしたいと思います。

まず朝鮮民主主義人民共和国が行った6回目の核実験に対して、心からの怒りを表明します。
核兵器はあらゆる兵器の中でも最も非人道的なものです。破壊力がけた違いにすごく、環境や次世代へ計り知れない影響を与えるからです。
実はこの爆弾のひどさは原爆投下から72年経って、さらに明らかにされつつあります。すさまじい光線によって血管内部の水蒸気が蒸発して血管破裂をおこし、数日かけてじわじわと人を悶絶の苦しみの上に殺していったことが明らかになったからです。
これらの点についてはより詳しくは、本年8月に報道されたNHKスペシャル『被爆死 ヒロシマ 72年目の真実』に着目されてください。すでに「明日に向けて」で番組の文字起こしを行っています。

肝心なことはこのようにあまりに非人道的な核兵器は、どの国も使用することも、威嚇に使うことも許されないと言うことです。
朝鮮民主主義人民共和国が行ったからではなく、どの国も等しく、使用はもちろん、実験も所有も認められないのです。
これらは本年7月7日に採択された核兵器禁止条約にもはっきりと書き込まれています。

この点で、アメリカがこの核実験を批判するならば、同国も即刻、核武装を止めるべきであることは言うまでもないことですし、日本もまた朝鮮だけを批判し、アメリカの暴力は全面的に擁護しているあり方を抜本的に変えなくてはなりません。
にも関わらずアメリカに追従して核兵器禁止条約に不参加の態度を決め込んだ日本政府の姿勢は、結局は核兵器による威嚇を容認するものであり、それでどうして朝鮮を批判できるのでしょうか。なんの説得力もありません。
核兵器はどの国も実践にも威嚇にも使用してはならないし、だから製造も実験も、等しく認められないというのが「国際社会」の圧倒的多数派の見解なのです。いつでもどこでも貫かれなければならないのはこの原則です。

これを踏まえた上で、この間の朝鮮半島をめぐる軍事的緊張関係の本質を紐解いていきましょう。
核実験の直前の8月29日には、平壌から弾道ミサイルが撃たれ、北海道の上空を飛翔して太平洋に落ちました。アメリカへの威嚇とされました。
これに対してアメリカは31日に戦略爆撃機B1とステルス戦闘爆撃機F35を韓国上空に派遣。韓国軍とともに空襲訓練を行いました。B1との朝鮮半島近くの海域での訓練には自衛隊機も参加しています。

どうみたって双方が「威嚇」しているのですが、平壌からのミサイルが米本土には届かないことに対し、アメリカはかの国の目と鼻の先の韓国で、戦略爆撃機から爆弾を落としているのですから、客観的に見て、こちらの方が脅威の度合いが圧倒的に高いです。
核実験にしてもアメリカはこれまで1000回も繰り返し、膨大な量の核弾頭を持っているのですから同じことです。そればかりかここ数年、アメリカは朝鮮民主主義人民共和国の指導者の「首を獲る」、斬首作戦をちらつかせてすらいます。
この部隊は「暗殺部隊」と呼ばれています。非合法的な殺人部隊であることの公言ですが、どうしてこういうときだけ「テロリスト」とは言われないのでしょうか。しかも日本国内では、かの国からのミサイル発射だけが「挑発」と報道されています。あまりにおかしいです。

ちなみに実はここまで、僕は名称問題に困難を抱えながら記述しています。お気づきでしょうか?「朝鮮民主主義人民共和国」をなんと呼称するのか思い悩んでいるからです。
かつてはそれほど悩まずに「北朝鮮」と書いてもいたのですが、ある方から「それは世界のどこにもない国名で、無批判的に使うのはいかがなものか」と指摘されて「確かに」と思い至りあらためることにしました。
今回あるところでこのことを論じあっていて、ジャズピアニストの河野康弘さんが、2008年に同国を訪れた際に「北朝鮮と呼ばないで」と言われた経験を教えてくださり、より確信を深めることができました。
以下、河野さんのホームページをご紹介しておきますのでぜひお読み下さい。

「北朝鮮」って呼ばないで! 
2008年9月12日 河野康弘
http://www.earth-harmony.com/jp/frameset_katudo-nco.html

それではどう書いたら良いのだろう?いちいち「朝鮮民主主義人民共和国」と書くのでは長すぎるように思えます。
英語表記を参照してみると正式には北の側がDemocratic People's Republic of Koreaで南の側がRepublic of Koreaです。しかしこれも長いし、DPRKと略しただけでも伝わりにくい。
このため英語ではNorth KoriaとSouth Koriaと略される場合もあります。これはこれですっきりもしていますが、それを日本語に訳すとなると、Koreaをどう訳すか、「朝鮮」なのか「韓国」なのかで困ってしまう。

ちなみに北は自国・自民族の略記を「朝鮮」としています。南は「韓国」です。そして互いの国のことを北から南は「南朝鮮」、南から北は「北韓」と呼んでいます。
悩んだ末に、いまここでは僕は朝鮮民主主義人民共和国を「朝鮮」と呼称することにします。大韓民国も「韓国」を略称として使っているので、それぞれが自らの略称しているものを使うのが公平だと思えるからです。
ただこうした過程をあえてご紹介したのは、この名称問題には、実は朝鮮半島をめぐる最も重要でありながら、意図的にせよ非意図的にせよ隠ぺいされてしまっている重大事実が介在しているからです。
なぜ北部の表記に困ってしまうのか。それは端的に言って日本と朝鮮が国交を結んでないからです。「朝鮮民主主義人民共和国」は日本にとっては存在しない国なのです。国家として承認してないからです。

では日本はなぜ朝鮮を承認していないのか。日本の事実上の宗主国であるアメリカが承認していないからです。ではなぜアメリカが承認していないのかと言えば、アメリカがいまだ朝鮮と交戦状態にあるからです。正確には交戦の中の休戦状態です。
もっとも重要なのはこの点です。なんの交戦状態なのかと言えば1950年に始まった朝鮮戦争なのです。この戦争はいまだに完全終結にいたってないのです!1953年に結ばれた休戦協定が継続中なのです。
もちろん北と南の両国も国交を結んでいない。両国にとって領土とは朝鮮半島全体であり、それぞれが南に、北に、違法政治勢力が居座っているという立場を採っています。国際的にも「実効支配」などと言われます。

しかるに朝鮮半島をめぐるあらゆる日本の報道の中で、この重要な前提を踏まえたものはほとんどないのです。東アジアの諸問題の中で、朝鮮とアメリカが休戦状態にあることこそ最大の不安定要因だということが無視されてしまっている。
それを象徴するのが、「朝鮮」と「韓国」の他、アメリカ、日本、中国、ロシアが参加のもと、対話で「朝鮮」の核問題の解決を目指すために行われてきている会議が「六か国協議」と報道されていることです。
この言葉が通用するのは、実は朝鮮半島情勢があいまい化されている日本国内だけなのです。そこに集まっている6つの勢力の中には、互いに「国」として認めていないものが含まれるため、本来は「国家間対話」とみなすことができないからです。

では何というのかというと6つの政治勢力が集まっての会合ですから、英語ではSix‐Party Talksと書かれるのです。決してNationという言葉は使われない。
これを日本語に正しく訳すとどうなるでしょうか。「六者会合」なのです。事実、日本政府の中でも外務省のサイトだけはこう書いています。
このサイトは日本語を理解できる海外の外交官が読むので、恥ずかしくて「六か国協議」とは書けないのです。参考までに外務省のサイトをご覧ください。

六者会合関連協議 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/

ところが「六か国協議」と書かれれてしまうと、この重大事実が著しくぼかされてしまうのです。
そしてあたかも6つの国が平和のうちに存在していて、その中で「北朝鮮」という「国」だけが「挑発」を繰り返し、悪さをしている・・・かのような報道ばかりが繰り返されてきています。
しかし事実は違う。互いに国家として承認せず、休戦状態の中にある政治勢力がにらみあっているのが実態なのです。

続く

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明日に向けて(1422)原発からの命の守り方と、戦争からの命の守り方についてお話します!

2017年09月01日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)

守田です(20170901 21:00)

今週末からまた各地でお話します!ぜひ近くの場にお越しください。
それぞれの現場で話す内容は変わりますが、基本的には「原発からの命の守り方」と「戦争からの命の守り方」についてお話します。

「原発からの命の守り方」については再稼働している川内、伊方、高浜原発の危険性と、災害に対してどのように備えたら良いのかをお話します。
いつものことですが、その際、災害全般を問題にします。災害に備えるために共通する事項が多いためです。
とくに今年は各地で洪水が多発しました。しかもどこも年間降水量の半分近くが1日で降るようなとんでもない状態になっています。
今日9月1日は関東大震災のあった日で、全国的に「防災の日」ですが、迫りくる南海トラフ地震の危機や東海大地震に本当に備えるものになっていません。
いやそればかりか利根川や淀川の堤防決壊の恐れも現実味を帯びてきており、まじめに国防を考えるならもっと抜本的な災害対策を進める必要があります。

にもかかわらず政府はこの現実を無視して、愚かにも原発を再稼働させてしまいました。
危機意識が根本的に欠如しています。東日本大震災の教訓すら生かされていない。いわんや福島原発事故の教訓など何一つ引き出していない。
こんな政府に命をゆだねていたらダメです!この点についてもっと具体的なお話をします。

同時に今回は「戦争からの命の守り方」についてもお話します。
この間、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国の間で軍事的なテンションがあがり、ミサイルが北海道を越えて撃たれたり、朝鮮半島上空にアメリカの戦略爆撃機が展開したりして、注目が集まっているからです。
その際、「戦争からの命の守り方」の基礎中の基礎は、戦争に向けて、国民・住民を動員するための嘘のカラクリを見破る観点を身に付けることです。
戦争をおこす側が常に問題とするのは、自国民の戦争に向けた意志をいかに作りだすかで、端的には「敵国」の脅威をあおり、憎しみを植え付けようとします。
朝鮮半島問題ではそれがどのように行われているのか、嘘のカラクリの軸にあるのは何かについてお話します。

ぜひお近くの場にお越しください!以下、それぞれのスケジュールをご紹介します。

*****

9月2日 滋賀県朽木村 山水人

明日2日は山水人(やまうと)に参加してお話します。
「山水人まつりのまつりday2」の場で午後1時20分からです。
高浜原発のこととともに、朝鮮半島をめぐる緊張関係など、平和の道をどう切り開くかについてもお話します。

山水人のスケジュール全体については以下をご覧ください。
http://yamauto.jp/?page_id=318#matsuri

9月3日 滋賀県彦根市

3日は「くらしとせいじカフェ@彦根 3党代表者の方々と一緒に」に参加します。
このカフェは2月に一度、彦根、米原、長浜でまわしてきたもの。
毎回、民進党国会議員の田島一成さんと僕が発話し、討論をしてきましたが、今回は共産党の石黒良治さんと社民党の小坂淑子さんが加わります。
3人がそれぞれの党の立場から発話されるので、今回は僕は聞き役にまわります。

とくに民進党は今日、党大会を行い、前原氏を新代表に選出しました。
前原氏は野党共闘の見直しを公言しています。この点についての田島さんの意見をぜひ聞きたいですね。
また僕からは各党の代表にということで、原子力災害対策についてどのように考えているのかをお聞きしようと思います。
以下、イベントページを記しておきます。
https://www.facebook.com/events/257635091394613/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2223%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

9月9日 神奈川県横浜市

9日に横浜市でお話することになりました。
午後4時半から6時半 横浜駅西口 県民センター305号室にてです。
タイトルは「守田敏也さん講演会 『原発からの命の守り方』」です!

主催してくださるのはマネキンフラッシュモブ藤沢などで活躍している朝倉優子さんです。
相談したら瞬く間に企画を立ち上げてくださいました。
詳しくはイベントページをお読み下さい!講演会にいたる経緯なども書いていただいています。
ちなみに神奈川県ではこれが初めての講演になります。横浜のみなさんとの出会いが楽しみです。
https://www.facebook.com/events/462493410804196/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2223%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

9月18日 京都市左京区

18日に第58回左京母親大会でお話します。京都教育文化センター(左京区聖護院川原町4-13)にてです。
母親大会そのものは午後0時半から開始ですがその前にもランチとミニバザーがあるそうです。
0時半からは3つの分科会を開催。
1、ストレッチ体験/身体をこわさない子どものスポーツ
2、放映中止になったテレビドラマ「ひとりっこ」上映
3、医療・介護・くらしカフェ~みんなの命を守ろう~

午後2時半から4時半まで全大会で、僕はここで「世界から見た日本―平和力を今こそ―」のタイトルでお話します。
詳しくは主催者の左京母親大会実行委員会(075-721-0970)にお問い合わせください。

9月29日 滋賀県高島市

29日に高島市でお話します。
「くらしとせいじカフェ@原子力災害〜 備えておきたい知識と心構え【議員さん向け勉強会】」というタイトルで、今年6月に草津市で行った際に参加された高島市の議員さんなどが動いてくださって開催が決まりました。
もちろん議員さん向けと言っても誰でも参加可能な会です。


この企画には高島市が高い関心を示してくださっているそうで、高島市と高島市教育委員会が後援してくださるそうです。高島市はびわこ123キャンプに開催場所を提供してきた「一二三館」もあるところでもあります。これまでこのキャンプの場でも、地域の方たちや高島市の災害対策課をお呼びして講演を行ったり、地元の小学校でお話しする機会を持たせていただいてきましたが、今回はさらに規模が広がりそうです。

ここでは今年の夏の各地の洪水被害、アメリカでもハリケーンによる豪雨で大変な被害が出ていることを踏まえて、自然災害と原子力災害双方からの命の守り方についてお話します。高島市の方たちと災害対策をしっかりと進める一助としたいです。https://www.facebook.com/events/110819852881329/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2223%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

9月30日 京都市下京区

30日に京都市下京区でお話します。18時半21時まで。ひとまち交流館京都にてです。
僕も参加している「ウチら困ってんねん@京都(ウチこま)」の主催です。

ウチこまではこの間、「京都の今とこれからを考える」という連続企画を行って来ました。今回はその原子力災害対策版です!僕自身、篠山市で原子力災害対策を推し進めてきた経験をぜひ京都市に還元したいと思っており、いくつかの具体案を用意しています。原子力災害対策を京都市でいかに進めていくのかぜひ京都市のみなさんと一緒に考えたいです。

10月2日 兵庫県神戸市

月が替わって2日に神戸市でお話します。神戸市勤労会館405号室にてです。
依頼された内容は以下の通りです。
1、福島原発事故以後の全国の状況
2、関西電力の高浜・大飯原発等の再稼働への動きと、その危険性
3、高浜・大飯原発事故の際の甲状腺被曝の広がりと危険性。安定ヨウ素剤の備蓄・配布の必要性
とくに2,3を重点的にということですので、これに沿ってお話します。
主催はセンター神戸(全神戸労働組合センター)です。

この他、5日京都府舞鶴市、6日京都市たかつかさ保育園でのお話が決まっていますが、詳細が決まってないのでまたの機会にお知らせします。

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