守田です(20250801 16:30)
● 被曝被害の実相をきちんと書き掲載して頂きました
『月刊社会民主』2025年8月号に僕の論文が載りました。この冊子は社会民主党の機関誌です。
今回は戦後80年にあたりますが、「戦後80年と村山首相談話の意義」という特集が掲載されており、それに絡める形で広島、長崎、福島の被害の実相を問うた論文が載りました。54ページからです。
同冊子に関する社民党のページをご案内しておきます。
https://sdp.or.jp/category/sdp-journal/
内容は各地の講演で繰り返し話していることですが、まずは広島・長崎の被害がかなり過小評価されてきたこと。それを背景に福島原発事故での被曝被害の多くも隠されていることです。
しかしそれを打ち破る形で三田茂医師が、「新ヒバクシャ」に「能力減退症」が起きていることを明らかにし、治療の道を切り開いてきたこと。
私たち京都「被爆二世・三世の会」もそんな三田さんの実践にも励まされて被爆二世・三世の健康調査アンケートを進めてきたこと。
そしれそれらを最近、被曝医療の領域で長い実践を重ねてきた村田三郎医師が、積み上げてきた大きなデータを背景に、三田さんの実践を高く評価して下さったことなどを書き込みました。
この内容で、こうした紙誌に原稿を載せることができたのは初めてのことです。
京都「被爆二世・三世の会」の2024、2025年度年次総会で、三田さん、村田さんにご講演して頂いた時の動画や、私たちのアンケート結果報告書も、QRコードを添えて紹介することができました。
三田さんの実践を取り上げて下さった文春オンラインの記事も紹介しました。
ここからもっとこの内容を積極的にあちこちに広げていきたいと思います。どうか手に取って頂きたいです。
こんな情報も掲載して頂きました
なお社民党に申し込んで頂ければ送られてくると思いますが、購入先がちと分かりづらいので、僕に申し込んで頂いても良いです。
僕からは定価800円、送料込み1000円でお送りします。
● 特集「戦後80年と村山首相談話の意義」が素晴らしい!!
同時にご注目頂きたいのは、先ほども紹介した特集「戦後80年と村山首相談話の意義」です。
執筆者は内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)、東郷和彦(元外務省条約局長)、田中宏(一橋大学名誉教授)、藤田高景(村山首相談話を継承し発展させる会・理事長)、内田雅敏(弁護士)の各氏。
それぞれが違った角度から村山首相談話の意義について述べているのですが、これが素晴らしい!
この談話は1995年に戦後50年の節目になされたもの。核心部でこう述べられています。
「我が国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損失と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史的事実を謙虚に受け止め、ここに改めて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/07/dmu_0815.html
特集ページに添えられた写真より 「歴史を直視し日中友好、永久の平和を祈る」との村山首相揮毫の額の前で
大事な点は、この談話は日本政府の公式見解として、その後、20年もきちんと継承され続けたことです。その間、数々の首相が誕生し、談話を発表しましたが、どれも村山談話を継承しました。
この流れを変えようとしたのが安倍晋三氏でした。安倍氏は事前に「全体として引き継ぐ」けれども「個別には引き継がないところもある」と述べていましたが、実際には確かに次のように「全体ととして引き継ぐ」立場を表明しました。
「事変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。」「先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。」「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。」
それでは「個別に引き継がないところもある」という点はどうか。実はここで五氏の論はベクトルの違いを見せていて、そこも読ませます。特に元外務省条約局長の東郷和彦氏の論は、僕の中になかった視座で、唸る思いで読みました。
いずれにせよ大事なのは、歴史の修正を行おうとし、旧日本軍性奴隷問題についても「広義の強制はあったが狭義の強制はなかった」など、強制連行の事実を消し去ろうとした安倍氏をもってしても、村山首相談話の骨格は崩せなかったことです。
つまりここに先の大戦から学んで戦争を否定し、侵略の過ちを捉え返そうとしてきた日本の市民、あるいは私たちの先輩たちの努力が結集しているのです。修正主義を跳ねのけて!
それがアジアをはじめとする諸外国から高く評価されてきたことも、私たちは広めていく必要があります。
今日、再び歴史修正主義とレイシズムを掲げる政党が伸長する中で、あらためて私たちは村山首相談話を振り返り、侵略戦争への反省を真摯に行い受け継いできたことを、誇りをもって語っていきたいです。
一方で、執筆者の一人の内田雅敏さんが述べているのですが、その談話の精神は未完のもの。今なお実践が問われています。僕はこの観点から、旧日本軍性奴隷問題の真の解決を求めて行動し続けていますが、私たちはさらに頑張らねば。
ぜひみなさんとこの夏、この思いを共に深めたい。
なお特集以外の他の記事も読みごたえのあるものが多い、かなり充実度の高い冊子です。ぜひお手に取って下さい。お読み下さい。
#月刊社会民主 #社会民主党 #村山首相談話 #戦後80年 #被爆80年 #侵略戦争の反省 #アジアへのお詫び #歴史修正主義を許さない #被曝被害の実相を問う #広島長崎福島
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