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明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2517)被爆者、原発被曝労働者、在韓被爆者、被爆二世、水俣病患者、福島原発事故避難者と向かい合い、診察も行ってきた村田三郎医師講演の読み解き行います(7月7日月曜日より)

2025年07月02日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250702 23:00)

7月7日(月)から全3回で読み解きを行います

阪南中央病院村田三郎医師が5月に行った講演動画を読み解く会を行います!対象とするのは以下の講演です。

5月の京都「被爆二世・三世の会」年次総会記念講演として話して頂いたもの。
これを3回に分けて丁寧に読み解きます。村田医師もご参加して下さいます!

日時:7月7日(月)午後6時半から8時半
場所:京都市西院のラボール京都とZoomのハイブリッド

以下からお申し込みを
https://forms.gle/YoivGMcQ3VbsU8GT9

なお第2回は9月8日(月)午後6時半から
第3回は10月6日(月)午後6時半からです

アーカイブ視聴も可能です。
参加費無料ですが可能な方はカンパでお支えを!

Facebookイベントページもあります
https://fb.me/e/53pAjCiac


被曝医療の可能性を広げるために―三田医師と歩んできた日々

この企画を行う目的は、被曝医療を広げ、多くのヒバクシャ(すべての核被害者)を苦しみから救い出していくことです。

これまで僕はそのために京都「被爆二世・三世の会」の仲間と共に、岡山在住の三田茂医師と連携してきました。
三田医師は、福島原発事故で被曝した『新ヒバクシャ』が、間脳の視床下部から分泌されるホルモンの出方が悪くなっていることをつかまれ、『能力減退症』と名付けてホルモン補充療法に乗り出し顕著な効果を上げてこられました。

そのお話を耳にしつつ、私たちは一方で自ら被爆二世・三世の身に起こっていることをつかみとろうと健康調査アンケートを行い、被爆二世100人以上の回答を得て『被爆二世健康調査アンケート結果報告書』を出版しました。これです。
『被爆二世・三世健康調査アンケート結果報告書』
http://aogiri2-3.jp/chousa/20240430.pdf

これを三田さんにお渡ししたら大変驚かれてこう言われた。「新ヒバクシャとの類似性、共通性に驚いた」「かなりの高率で治療できる、症状を軽くできるという確信を得た・・」
それで昨年の年次総会にお呼びし、講演して頂いたのです。それがこの動画です。

私たち被爆二世が被ってきたさまざまな症状が、福島原発事故で被災した「新ヒバクシャ」の身におきていることと大きく重なっているのです。私たちの報告書は、福島原発事故での被曝によって起きたことを点検する手引きにもなっている。
三田さんはこの点をおさえて、具体的な症状の一つ一つについて解説して下さいました。まるでみんなで三田さんの診察室に入り、丁寧にキュアして頂いているような時間でした。


被爆80年、村田医師の経験に学んで、被曝医療の可能性をさらに大きく広げよう

この三田医師と私たちの企画を熱い目でご覧に下さっていた方がおられました。阪南中央病院の村田三郎医師です。
村田さんは同病院スタッフとともに、1200人の被爆者の対面調査を行い、100人の福島原発の被曝労働者の聞き取り、20人の治療に加わり、さらに在韓被爆者50人、被爆二世50人、水俣病患者、福島原発事故被災者の診察も行われてきました。

その村田さんが、長年の経験から、三田さんの治療を全面的に支持して下さったのです!それでお話をうかがいにいったところ、なんと被曝で中枢神経系の問題、ホルモンの異常の可能性があることまでつかまれていました。
しかし当時、ホルモン検査だけでも高額で市中病院では手が出なかった!それで実際に検査、治療に三田さんが進まれたことをみて、「自分の考えが正しかったことが立証された」と思われたのだそうです。

そんなお話を聞いて、村田さんの長い経験をじっくり語って頂いたのが5月講演でした。それは三田医師が行っておられることの大きなデーター的裏付けであるとも言えました。たくさんの被爆者、被曝労働者、被爆二世を診られた経験によってです。
だからこそ、いま村田さんが講演で話された内容を、じっくりと深めたいと思い、連続三回の学習会をセットしました。

おりしも今年は被爆80年。たくさん方が被爆者を助けようと活動を積み上げてきました。しかしなかなかこじあけることのできなかったのが「原爆ぶらぶら病」の苦しみでした。その手当ての道が大きく開けつつあります。
これにもっと、たくさんの医師たちに参画して頂きたいですが、そのためにも私たち自身が学びを深めねば。それがきっといまも苦しみの中にいる世界のヒバクシャを救う道へと太くつながると確信しています。ぜひご参加下さい!


村田三郎医師と 阪南中央病院にて 柳田かや乃撮影

#京都被爆二世三世の会 #村田三郎 #阪南中央病院 #三田茂 #被爆者 #被爆二世 #新ヒバクシャ #能力減退症 #原爆ぶらぶら病 #被曝労働者

*****

連載2500回越えと夏季一時金の時期に際して活動カンパを訴えます!
この夏、被爆80年を迎える中、ますます反核・反被爆(被曝)・反原発の運動を力強く推し進めます。ぜひ応援して下さい。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は 
モリタトシヤ 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/1000

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明日に向けて(2516)連載2500回越えに際し、核と戦争のない未来に向けた活動支援=夏の一時金カンパを訴えます! 

2025年06月27日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250627 23:30)

核なき未来に向けてカンパをお願いします!

ブログ「明日に向けて」は2月22日に2501回目を迎えました。2500回越えに際し活動支援のカンパを訴え、幾人かの方から嬉しいご協力を仰ぐことができました。
核なき未来に向けた活動ですが、まず訴えたのは、2015年に上梓した『原発からの命の守り方』の続編を書くこと。いま精力的に作業を進めています。

このときブログで「この他にもまだまだ計画があります。続きは次号に書きます」と予告しつつ、参加すべき企画の告知を続けることなどを優先して、なかなかできませんでした。
そこでさらなる計画についてここで明らかにしたいと思います。夏の一時金の時期であることも踏まえて、心よりカンパを訴えます。
核なき未来を引き寄せるための活動に、ぜひお力添え下さい。以下にお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は 
モリタトシヤ 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/1000


放射線被曝被害隠しとの対決こそが核なき未来への道を開く

この間、放射線防護活動を様々に担ってきましたが、この中で強く実感してきたのは、被曝被害を正確につかみとることの重要性です。
なぜか。広島と長崎での大量虐殺の後、アメリカや核推進勢力が、最も力を注いできたのが被曝被害の隠蔽だったからです。
それは相次ぐ核実験、核兵器製造工場や原発の事故での被害隠しにもつながってきました。

とくに力が注がれてきたのが、被曝の遺伝的影響の否定でした。原爆の犯罪性を最も鋭く批判したのが遺伝学者たちであったからです。
そのため様々なからくりのもと、被爆被害、遺伝的影響が否定され、被爆者にも大変な圧力がかけられてきました。
被害を訴えても誰も助けてくれず、バッシングや差別すら行われる中で、往々にして被害者自身による被害隠しも行われてきました。

それが今も続いています。典型例は福島原発事故で膨大な放射能が飛び出したのに、健康被害が一件も報告されていないこと。また主要な政党やメディアのどこもが、ここに切り込もうとしていないことです。
「核なき未来」を手繰り寄せるためにキモになるのはここです。放射線被曝が、人間の命に、心身に極めて危険であることを実情に即して明らかにする必要がある。まるまる隠されている実態を明らかにするのです。
僕が今後も最も精力的に進めたいのはこの領域です。


これまでの活動で被曝被害の実相をつかみ治療の可能性にも辿り着いた

それで被曝被害の実相をいかにつかみとって行くのか。それを僕は二つの系で進めてきました。
一つは東日本を中心に、講演で訪れた各地で聞き取りを行うこと。それをその後の講演に反映させ、さらなる反応を聞き取ることです。
この行為の中で、被曝被害と格闘し、治療の可能性を切り開いてきた三田茂医師と合流しました。それで三田医師に学んだ知見も講演に反映させ、さらに様々に反応を集めてきました。

もう一つは被爆二世・三世健康調査アンケートを通じてでした。京都「被爆二世・三世の会」の仲間との共同作業で、被爆当事者による被害実態の炙り出しです。この報告書が昨年1月にできました。
これです→http://aogiri2-3.jp/chousa/20240430.pdf

ところがこの報告書を読んだ三田茂医師から驚くべきことが語られました。福島原発事故の被災者、三田医師が『新ヒバクシャ』と定義している人々に起きている症状と、極めて似通っているというのです。
すでに三田医師は、新ヒバクシャの症状、広島・長崎で「原爆ぶらぶら病」と言われた症状を『能力減退症』と規定し、その原因が大脳視床下部からのホルモン分泌異常にあることをつかみ、その補充療法を確立させてきました。

このことを京都で講演して頂いたところ、阪南中央病院の村田三郎医師が現れ、強く支持して下さった。村田さんは1200人の被爆者の面談調査、100人の原発労働者の聞き取り調査のもとでの20人の診察。50人の在韓被爆者と被爆二世の診察もしてこられた。
その村田さんが「自分も中枢神経系の問題とまで追及したが、ホルモン検査は高値で市中病院からは手が出なかった。三田さんの実践で、自分の推論が正しかったことが証明されたという思いがある」ともおっしゃって下さっています。
この村田さんの長きにわたるヒバクシャの治療とサポートは、三田さんの実践の正しさをかなりの厚みをもって裏付けるものでもあります。今後、ぜひこれらを広げていきたいです。(お二人の講演動画を貼り付けておきます)


今後、行っていくべきこと

それでは今後、とんなことを進めようとしているのか。一つには三田さんや村田さんの見解を広げていくことです。医師を中心にさまざまな人と意見交換して深めていきたい。
そのために今後もさまざまに学習会なども行います。呼びかけますのでご参加下さい。

さらに被爆二世・三世アンケートをリニューアルして進めます!現在二世100名ちょっと。三世10名ちょっとですが、もっと大きく広めたい。
また調査を進める中で、いまのアンケートでは問うことができてないものが、たくさんあることが見えてきました。それらを取り込んでより進化したアンケートを進めます。

同時にここで扱っている項目が、新ヒバクシャ=福島原発事故による被曝被害をも浮き彫りにできていることを踏まえ、ぜひ新たに新ヒバクシャアンケートにも踏み込みたいと思っています。
これをぜひ避難者のみなさんとの協力のもとに進めたいです。

僕はこれらの調査を、私たちの世代から未来世代への贈り物としても行いたいと思っています。残念ながら世界にはすでに膨大な量の放射性物質が生まれていて、確実に未来世代に送られてしまいます。ならば少しでもこれに対抗する何かを送りたい。
それには被曝の実相をつかみ、明らかにし、そのメカニズムと対処法を送ることだと思います。ぜひみなさんにも共に担って頂きたいです。

以上のことを、核なき未来をたぐりよせるために進めます。そのためにはとにかく資金がいります。ぜひカンパをお願いします。カンパを通じてみなさんもこの活動を共にされることを呼びかけたいです。どうかよろしくお願いします!

#カンパ要請 #明日に向けて2500回越え #原発からの命の守り方 #被曝の実相をつかむ #被爆二世三世健康調査アンケート #三田茂 #村田三郎 #原爆ぶらぶら病 #能力減退症 #新ヒバクシャ

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明日に向けて(2515)「原発からの命の守り方」について茨城県つくば市でお話しします(6月28日土曜日)

2025年06月17日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250617 23:30)

コリドイオつくば市民センター3Fにて 14:00からです!

表題のように「原発からの命の守り方」についてお話ししますが、これに向けたチラシが素晴らしい。
まるでパンフレットのようなチラシです!まずはご覧下さい。



チラシは以下から入手できます
https://toshikyoto.com/press/9454.html

主催の「軍拡NO!女たちの会茨城」のHPでも詳しく案内されています。
https://atcube8.main.jp/13/


企画の詳細です。
2025年6月28日(土)14時~17時
コリドイオつくば市民センター3F大会議室
参加費 一般1000円 学生500円
高校生以下、障害者無料

主催:軍拡NO!女たちの会茨城
https://atcube8.main.jp/13/

問合せ申込み
長田満江 090-7845-6599 osada3220@nifty.com
小張佐恵子 090-9108-0464 saekoobari@gmail.com
小林納美子 090-1258-9868 12namiko17@gmail.com


一番のポイントは放射線被曝の危険性

今回、あらためて福島原発事故とは何だったのかからお話ししますが、一番のポイントは放射線被曝の危険性についてです。
この点について、チラシで冒頭にこう書いて下さっています。

「知らされなかった「危険」—福島原発事故から学ぶ
2011年の福島原発事故では、放射性物質の危険性が十分に知らされていなかったため、多くの人が避難の判断を誤り、汚染地にとどまることを余儀なくされました。
日本で原発を止めることができない背景には、放射線被曝に関する正しい知識が社会に広まっていないからかもしれません。」

そうなのです!ここがキモ。原発事故はなぜ怖いのか。放射能がたくさん飛び出してきて、被曝が起きるからです。心身が危機に晒されるからです。
そうであるがゆえに、原子力を推進してきた人々は、あの手、この手で、「被曝の危険など大したことない」というキャンペーンを繰り返してきました。
それは広島・長崎で原爆による大量虐殺が行われた時から続けられてきたことです。だから「原発からの命の守り方」にとって一番のポイントは、被曝の危険性、何が起きるのか、きちんと知ることです。


● 被爆(被曝)と向き合う上で大事なこと

ここまでは誰もが納得して下さると思いますが、しかし「被曝で何が起きるかきちんと知ること」には大きな壁があります。
被爆(被曝)によって生じるのは様々な傷害と障害、遺伝的影響もあります。
そうするとそれをきちんと知ると、しばしば自分が抱えている深刻な何かを知ることにもなる。それは当然にも怖く、しんどいです。

しかもそれは、大量被曝でなければ「必ずこうなる」と言えるものでもない。影響は深刻かもしれないけれど、さして出ないかも知れない。
それなら知らないで過ごして、結局、被害が出ない結果に辿り着くことを望みたい。誰しもがそう思って当然だと思います。
地域の汚染を知って「避難しなければならないのか」と思い、悩みたくもない。「避難せよ」と言われて言葉を交わすのもしんどい。そう思うのもよく分かります。

実は「放射能安全キャンペーン」は、ここに乗っかってきます。「そんなことない。大して危なくなんかない。大丈夫だ」・・・誰もがそう思いたいので幾重にも畳みかけてくる。
それって典型的な詐欺です。人のどこかにある「騙されたとしても安心したい」「自分に都合の良いように思いたい」というツボに付け込んでくる。原子力マフィアが重ねてきたのはまさにそれです。
これを超えないと騙されてどんどん命を削るだけ。ではそうならないためにどうしたらいいのか。ポイントは不安は漠然としているほど大きくなることです。正体があいまいなものほど怖い。だから具体化すると良いのです。それで向き合えるようになる。
それで僕は被爆(被曝)の実相を一緒に具体的につかむことを呼びかけ続けています。


被爆(被曝)しても終わりじゃない!治療し克服する道が切り開かれている!

僕がこの間、最も力を割いてきたのはこの具体化の領域。そのために各地で講演しながら聞き取りを行い、被爆で何が起きているのか、鮮明化してきました。
同時にこの「怖さ」を内側から越えようと、京都「被爆二世・三世の会」の仲間たちと、被爆二世に生じている遺伝的影響をつかみ取る調査を行ってきました。漠然とした不安を具体化し、見える化してきたのです。
そうしたらなんと、被爆二世に起きてきたことが、福島原発事故の被災者=「新ヒバクシャ」に起きている症状とかなり似通っていることが見えてきた。驚きの発見です。

さらに対処の可能性も大きく開けてきています。岡山市在住の三田茂医師が、被曝で大脳の間脳の視床下部が影響され、そこから出るべきホルモンが出なくなっていること、だからホルモンを補充すれば症状を軽減できることをつかんで実績を上げてます。
そしてここを掘り下げたら、実は戦後直後に広島・長崎に入り、被爆者を診ていた日本の医師たちが気づいていたことが見えてきた。重大な事実です。80年近く前に、すでにこの道は切り開かれつつあったのです。
悔しくてならないことに、その道はなんと大量虐殺の下手人、アメリカ軍によって潰されたのでした。悲しい!でもそれならもう一度、ここを掘り起こせばいい。


三田茂医師と。岡山市でのライブハウスでの講演で 2024年11月

この点に気付いて、実際に道を切り開いてきたのは三田茂さんですが、最近、同じ方向性で被爆(被曝)と立ち向かわれてきた方と新たに出会いました。阪南中央病院の村田三郎医師です。
村田さんは同病院で行った1200人の被爆者との面談調査、100人の福島原発被曝労働者からの聞き取り、50人の在韓被爆者への関わり、さらに50人以上の被爆二世の健康診断など、被爆医療を様々に積み上げて来ています。
その村田さんが「自分が行ってきた経験から三田さんの治療の方向性は正しいと確信している」と述べ、それを裏付けるたくさんのデータも示し、私たちの確信をさらに強固なものにして下さいました。


村田三郎医師と 2025年3月11日 阪南中央病院にて


正常性バイアスを克服し、あらゆる災害に対応できるたくましさを身に着けよう

これらの点も含めて、チラシでも紹介して下さっている「正常性バイアス」の克服についてお話しします。
原発事故に際して働く「正常性バイアス」は、「事故は拡大などしない」「収束していく」というものと、「放射能は思ったほど危なくない」「多少被曝したって大丈夫」というもの。
福島原発事故の時も、枝野官房長官(当時)に「にわかに健康に被害はない」と言われ、たくさんの方が逃げ遅れてしまいました。「健康に被害はない」とは言ってなかったのに。

こういう言葉にもう騙されないために知恵を身につけましょう。
その知恵はあらゆる災害にも適用できるもの。だからあなたとあなたの愛しい人を守るために、この知恵を一緒に身に着けて下さい。
6月28日、お待ちしています!


コリドイオの地図 つくば駅そば

#原発からの命の守り方 #コリドイオ #つくば #福島原発事故 #軍拡NO!女たちの会茨城 #放射線被曝 #原発避難 #とっとと逃げる #正常性バイアス #原子力災害対策

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連載2500回越えと夏季一時金の時期に際して活動カンパを訴えます!
この夏、被爆80年を迎える中、ますます反核・反被爆(被曝)・反原発の運動を力強く推し進めます。ぜひ応援して下さい。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は 
モリタトシヤ 店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番 448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615
Paypalからもカンパができます。自由に金額設定できます。
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明日に向けて(2514)被爆者はひとたび米軍の核兵器大量使用を食い止めた!「二度と被爆者を作るな」という声こそ受け継がねば(長岡京市講演をご覧下さい)

2025年06月13日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250613 23:00)

● ノーベル平和賞と核兵器禁止条約と憲法9条は深くつながっている!

昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞以来、これをどう受け止めると良いのか、繰り返し講演してきました。
そのような中で、「ノーベル平和賞と核兵器禁止条約の関連を語って欲しい」「憲法9条との関連にも触れて欲しい」というご依頼を頂きました。
主催の「「憲法9条の会」長岡京校区連絡会」の方たちからです。「さよなら原発長岡京市民の会」も協賛して下さいました。

それで行った講演のアーカイブをご紹介します。ぜひご覧下さい。

僕なりにこの3つの深いつながりをきちんとお話しできたと思っています。


● 広島の被爆者の声ー峠三吉さんの『原爆詩集』を紹介

これまで僕はノーベル平和賞が被爆者のどんな声に対して授与されたのかを説くため、2022年の長崎平和式典の田上市長(当時)のスピーチをお借りしてきました。
田上さんこの時、被爆者の渡辺千恵子さんのことを紹介されました。学徒動員中に被爆し、落ちてきた梁で腰をやられて、終生、歩くことができない状態ながら、1956年の長崎大会に出席し「二度と私のような被爆者を作らないで」と訴えられた方です。

今回はこれに加えて広島の声を紹介しました。取り上げたのは峠三吉さん。
峠さんのあまりに有名な『原爆詩集』の序を読み上げさせて頂きました。

ちちをかえせ
ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ

わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ

にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ

何度読んでも、心がかきむしられるような詩です。「かえせ、かえせ、かえせ」という悲痛な叫びを通して、へいわを訴える思いが胸にストレートに迫ってきます。ぜひみんなで受け継いでいきたいです。
なお講演ではこれに続いて渡辺千恵子さんの言葉も読み上げさせて頂いています。


守田講演スライドより


● 峠三吉はあの詩を通じアメリカの原爆使用を食い止めようとした

僕がこの詩の紹介に続いて述べたのは、峠三吉さんがこの詩によって、朝鮮戦争による米軍のよる原爆使用を食い止めようとしたことです。

朝鮮戦争は1950年6月に始まり、当初、朝鮮民主主義人民共和国軍は韓国軍を圧倒。一時は釜山一帯にまで追い詰めました。
これに対し一旦は朝鮮半島から撤退していた米軍が地上軍派遣を決定、マッカーサーの指揮のもと、9月に仁川(インチョン)に電撃的に上陸して反攻を開始。
韓国軍とともに国連軍を名乗って北へ進撃し、朝鮮と中国国境の鴨緑江まで北側を追い詰めました。
これに対して中国が人民義勇軍を派遣。10月に川を渡って反撃に打って出ました。国連軍は南部に後退。やがて北緯38度線を流れるイムジン川付近で戦線が膠着し、休戦協定が結ばれました。

この過程でアメリカは何度も原爆攻撃をほのめかしました。とくにマッカーサーは執拗に原爆攻撃を主張した。なんと彼は原発30~50発を朝鮮半島の付け根部分に「落とす」ことを考えていました。
後年、ニューヨークタイムズのインタビューに答えてこう語っています。(1954年1月に行われ死後に公開)

「まず(北に進出している)海兵隊を南に移動させ、その後ろに、満州の付け根の部分に沿ってコバルト60を使った原爆を30発から50発落とす。
その目的は、半島を日本海から黄海まで横切る、放射能に汚染された広い帯状の地帯を作ることだ。(もしくは)車やトラックや飛行機を使って放射性物質をばらまいてもよい。
コバルト60の放射能は60年から120年は消えないから、そうなれば少なくとも60年は北(中国やソ連)から朝鮮への侵入はない。これこそ切り札だっただろう」

これに対して峠三吉さんは仲間とともに、原爆使用を食い止めるために詩を書き続けました。「ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ」と突きつけることで、原爆を使わせまいとしたのです。


守田講演スライドより


● 原爆使用反対の声が世界に広がる中、アメリカは使用を断念

峠三吉さんはまた吉川清さんら30人の被爆者とともに「原爆障害者更生会」を1951年9月に結成、これが初の被爆者団体でした。
彼はまた「われらの詩の会」も結成。冊子『われたの詩』を発刊して原爆と朝鮮戦争に反対し続け、それらの詩を世界に向けても発信しました。

これが世界中に伝播するとともに、イギリス・フランス政府からも、米軍の使用に対する報復でヨーロッパが核戦争に巻き込まれるとの懸念から、米軍に原爆使用中止を要望。
けっきょくアメリカは、原爆を使えば世界中から孤立すると悟り、原爆使用を断念。最後まで使用をあきらめないマッカーサーを司令官の地位から解任しました。

広島、長崎に次ぐ原爆での大量虐殺、しかも30発から50発の使用というとんでもない事態は、こうしてあやういところで食い止められたのです。
核兵器の使用を実際に食い止めたこの歴史を私たちはしっかり受け継ぐ必要があります。


守田講演スライドより

続く

#ノーベル平和賞 #核兵器禁止条約 #憲法9条 #峠三吉 #原爆詩集 #朝鮮戦争 #マッカーサー #原爆使用を食い止めた #被爆者 #トルーマン

連載2500回越えと夏季一時金の時期に際して活動カンパを訴えます!
この夏、被爆80年を迎える中、ますます反核・反被爆(被曝)・反原発の運動を力強く推し進めます。ぜひ応援して下さい。

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明日に向けて(2513)原発・核燃サイクルの中止を求めて 院内集会に参加してきます

2025年06月11日 02時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250611 02:00)

● 本日11日午後1時15分からです!

「原発・核燃サイクルの中止を求めて 省庁・全国市民・議員の院内集会」に参加します。
午後1時15分より衆議院第一議員会館大会議室にてです。
脱原発政策実現全国ネットワークの主催です。


●第一部 核燃料サイクルを問う

まず第一部基調講演で田窪雅文さんが『核燃料サイクル政策を問う』というタイトルでお話しされます。
とくに取り上げて下さるのはイギリスが保存してきた100トンものプルトニウムの利用をあきらめ、廃棄する判断をしたことこと。
イギリスは「核燃料サイクル=ウランを燃やしながらプルトニウムを作り出し、そのプルトニウムを燃やしながら燃やした以上のプルトニウムを得ていくサイクルを実現する夢の計画」など、まったく不可能であることをはっきり自覚し、この判断を下したのです。


イギリスのプルトニウム廃棄決定を報じる毎日新聞 20250507

僕はこの間、繰り返し「原発政策はもう終わっている」「原発はオワコンだ」と語ってきましたが、今回のイギリスの決定によってもこのことがより確かに証明されています。
日本政府もこのイギリス政府の当然の決定に倣い、すでに破綻している核燃料サイクル計画を断念し、再処理から完全撤退して工場を閉じるべきです。
この点について田窪さんより詳しい説明がなされます。


守田のパワポより


● 第二部 省庁からのヒアリング

第二部では原発政策関係省庁の方からのヒアリングを行います。これは毎回行ってきているものですが、そのたびに重要な証言を得ることができています。
対応に出てくるのは若手の官僚の方たちですが、未来の原発廃止=廃炉作業も担うであろうこの方たちに、原子力政策がどうにもこうにも生き延びれないことの自覚を深めて頂きたいとも思いつつ、毎回、丁寧なやりとりを行っています。

今回も四つのテーマでの聞き取りを行いますが、このうちの「Ⅳ事故時の避難計画について」を僕が担当します。
割り当て時間が20分と少ないのですが、実はこの点についてはすでにこれまでも何度もやりとりしてきています。
とくにこの間、六ヶ所再処理工場と東海再処理施設の事故想定が極めて甘いことを問題にしています。

例えば六ヶ所再処理工場を運営している日本原燃は、日米で共同運営されている三沢航空基地にジェット戦闘機が離発着していることを踏まえ、「F16戦闘機が秒速150メートルで衝突しても耐えられる」ことをうたってきました。
ところが自衛隊はすでにF16をすべてF35aに代えてしまったのです。そのF35aはざっくり言ってF16の倍の重量がある。しかも2019年に三沢基地東方の会場に墜落事故を起こしているのですが、その時の海面衝突スピードは秒速300メートルでした。
米軍もF16をF35aに代え、36機から48機に増量することを発表しています。


F35は何度も墜落事故を起こしている アラスカでの事故を報じる「乗りものニュース」20250130より


それで前回もこの点を問うたのですが、繰り返し「F16には耐えられます」といってF35aについては答えられない。

それで僕が「なんだかもうお聞きすることがかわいそうな気持ちがしてきましたが、F35aだったら耐えられないことくらいは分かりますよね」と言ったら、若い官僚の方は苦渋に顔をゆがめつつ、黙って首を縦に振られました。

今回はこの話に加えて東海再処理施設についても問います。この施設はF16よりやや重い、F15の衝突に耐えられるようになっているとうたっているそうなのですが、直近には自衛隊百里基地があります。
航空機は離発着の時の11分が一番危険でこの時間帯は「魔の11分」と呼ばれ、特に離陸時3分、着陸時8分が危ないそうです。
実際に今年の5月14日に航空自衛隊小牧基地を飛び立ったT4練習機が、10キロ離れた犬山市の池に墜落しています。この池は観光施設の明治村の隣にあり、当時、たくさんの観光客が来場していたそうで、一歩間違えれば大惨事でした。


T4練習機の墜落事故について報じるNHK 20250514

百里基地もまたT4練習機を使っているので、その危険性への認識についても尋ねますが、より調査したところ、実はこの基地にもこの間、日米共同演習などの際に、たびたびF35aが飛来し、離発着を繰り返していることが分かりました。
つまり東海再処理施設もまた、これまでの事故想定をあらためなければならなくなっているのです。

これに加えて、両施設ともに大地震が直撃する可能性が、政府発表の中でも指摘されており、その点でも危険性が高いのは明らかです。
にもかかわらず現在、両施設は想定される事故は原発よりはるかに軽いと想定され、いざというときに災害対策をほどこすべきゾーンも極めて小さく設定されています。これでは住民をだましているに等しい!

事故の危険性を考えるならば、とっとと再処理からの撤退を決め、両施設ともに安全状態に移すべきです。
といってもそこには危険な放射性物質がたくさん集められていて、すぐには安全確保ができないので、そのことを周辺住民に十分に広報し、政府が責任をもって避難対策に乗り出すべきことを問いたいと思います。
もちろんその際にもあらゆる事故に対応する避難計画など作れるはずもない。そのこともまた正直に住民に明らかにし、いざというときに少しでも被害を軽減するための工夫を重ねていくしかない。その点を提案しようと思います。

このⅣでのヒアリングは、それまでの三つのヒアリング内容を前提にしたものになります。そこで再処理工場・施設の危険性を十分に明らかにしたのちに、想定される被害がもっとずっと大きいことを明らかにするべきことを問います。
なおこのヒアリング時に、北海道、福島、新潟、愛媛の方からの各省庁への要望書の提出も行われます。


● 第三部 政党との懇談会

第三部は政党との懇談会です。毎回、原発政策に反対している議員さんがいくつかの政党から参加されていますが、今回はイギリスがプルトニウム使用を断念したことを踏まえた活気ある討論ができるのではと期待しています。

以上、明日の午後いっぱい頑張ってきます!ぜひ応援して下さい!

#原発核燃料サイクルの中止を #イギリスはプルトニウム廃棄を決定 #原発はオワコン #六ヶ所再処理工場 #東海再処理施設 #事故想定があまりに過少 #再処理工場はF35の衝突に耐えられない #三沢基地 #百里基地 #再処理工場に大地震が迫っている

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明日に向けて(2512)村田三郎さん講演録をお聞きください!ー放射線被曝からの命の守り方についての掘り下げを進めています!

2025年06月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250610 23:30)

みなさま。「明日に向けて」の更新が一月、空いてしまいました!ご心配をおかけしたかも知れませんが、僕はこの間、ずいぶんたくさんの旅をし、講演を行い、現地取材を重ねてきました。とても元気です!
さらにその中で主催者のご要望に応えて、毎回、講演内容ーパワポを更新しながら臨むことができて、おかげさまでずいぶん、パワーアップもまた重ねられたように思っています。
これらはそれぞれの企画の主催者のみなさんと繰り返しやり取りする中で、かつまた講演会の来場者のみなさん、ご視聴頂いたみなさんの反応によってもブラッシュアップされたもの。みなさんとの共同作業だと思っています。

関わっていただいたみなさんに心の底から感謝しつつ、今後、「明日に向けて」の場で暫時それらを反映させていきます。


● 村田三郎さん講演録画をお聞きください!

今回はその初めに5月10日に行なわれた村田三郎さんの講演動画をお送りします。


これは僕も世話人を務める京都「被爆二世・三世の会」2025年度年次総会の記念総会として行われたもの。
長らくたくさんのヒバクシャにかかわられてきた立場から、話して頂いたものです。この間、私たちの会が強くタイアップしてきた三田茂さんが挑んでいる医療的試みにも触れて頂いたものです。

またこれに先立って行った私たちの年次総会の動画もお知らせしますので、ご覧ください。


● 村田三郎さん講演の読み解き会を行います!

さてこの日の村田さんの講演、とても豊かな深み、広がりがありました。
1回ではとても理解しきれなかったと思います。(それで当然です!) ぜひ動画を活用し、よりじっくりご覧になり、学習を深められて下さい。
動画は無料公開していますので、周りの方に広くお知らせ頂きたいです。よろしくお願いします。

京都「被爆二世・三世の会」では、今後、せっかくのこの講演内容を掘り下げる「読み解き会」を開催することを決めました。
私たち自身、より細かくこの動画を咀嚼することで、理解を深めたいと強く思うからです。
そのためにもこの講演に関するみなさんのご感想やご質問も寄せて頂けるとありがたいです。

まだ構想中ですが、7月ぐらいから月1回のペース(ただし8月はお休み)ではと思案中です。
総会と同じように、ラボール京都とZoomでの併設で行います。
村田三郎さんにも可能な限りご参加頂けるそうです!日程が決まりましたら、再度、ご連絡させて頂きます。


次から次へと隠されてきた被爆(被曝)実態について力説する村田三郎さん 下澤陽子さん撮影


● 下澤陽子さんによる「解説」をお読み下さい

今後、講演内容の解説を僕なりに行っていこうと思いますが、その前に、率先避難者の一人であり、にょきにょきプロジェクトの仲間である下澤陽子さんの「解説」をご紹介させて下さい。
陽子さん。講演の直後、16日にすぐにこれをアップして下さった。いつもながらに素晴らしい取材・発信力です。もう本当にありがたい。ともあれまずは下澤さんの力をお借りします(なお投稿はFacebookタイムラインになされたもの。オリジナルには絵文字がいくつか使われていますがここでは反映できません。また幾つか写真も添えてありましたが、2枚だけ添えることとしました)


村田三郎さんを囲んで! 年次総会と記念講演後の交流会にて 後ろの列の右から2番目が下澤さん

*****

村田三郎さん講演を聞いて
下澤陽子

先日、「被爆二世・三世の会」総会にてお話しされた村田三郎さんの講演、
『被爆者、被爆二世、水俣病患者、被曝労働者への治療と支援を続けてきて思うこと・・・三田茂医師の試みにも触れて』
https://toshikyoto.com/press/9380.html

を聞いて、込み上げてくるのは、
そう、悔しさ、こんちくしょうという気持ち。
あ、こんちくしょう、て、そういえば肥田舜太郎先生も言ってたな、笑。GHQに向かって
思わず、同じ言葉が込み上げてきた!

この思いで、この講演の大切なお話を紹介したい!と思いましたが、何しろパワポ60枚にわたる、膨大な内容。
一体どこからどうやって…まとめきれない、でも、伝えたい!!

なので、勝手ながら、私なりの捉え方で、心に響いたところをまとめて、私のことばも一緒に、お届けさせてください。
よければお時間あるときに読んで、思いと、大切な事実を共有してくださったら嬉しいです!
この地球に生きるすべての人が知るべきことでした。

以下です。

………………………………………………

私たちの手に、医療、医学、を、取り戻したい!いわば、人を容易に、惨たらしく、殺戮抹消するための兵器、の、手から。
人の健康、命を守る、という、医療の本来の姿を取り戻してほしい。
講演を聞きながら、改めて、湧き上がり続ける思い。

"過ちは繰り返しません"と、書かれてる。

繰り返す?
いえ、
続いている。

少なくとも、爆弾を落とした側の下から、その支配から、生き残られた被爆者を守っていくことぐらいやれなくて、繰り返しません、はないと思う。だって終わってない。

続いている。

被爆者が、被ばくの現状を訴えても、ABCCのデタラメな原爆被害の過小評価をまかり通らせて、国は自らそれに習い、勝手な線引きを許し、何も認めさせず、被爆者を深刻な厳しい状況に追い込んでおいて。

繰り返しません?

続いている。
いえ
続けられている。

原爆被爆は被爆に起因する多くの病気を引き起こし、被爆者は動けなくなり、家族の生活が破壊された。

いのち、くらし、こころ

の、破壊。

その補償の仕方は、"社会保障"
気の毒な状況にある人たちを救済しましょう、、と?
国の責任で持って始められた戦争責任に基づく、"国家保障"は、とらない。

戦争の被害は、国民一般が、等しく受忍するべきもの。受忍論。
原爆の被爆者だけ、特別というわけではない…、と。

ABCC、放影研、その下にある国、厚生労働省の原爆被害の意識的な過小評価。

原子爆弾被爆者認定審査のそうしたひどい実態とは裏腹に、村田さんが講演で語られた被爆者の健康被害の実態。それは紹介された、阪南中央病院の実態調査のたくさんのデータによって裏付けられている。
がん、白血病の増加、そして癌以外の様々な疾患の有病率。

阪南中央病院にて、被爆後40年、1200人あまりの被爆者の実態調査が始まる。それは、ひとりひとり、対面で行われた。
いのち、くらし、こころ
その全般にわたって苦しんでいるという実態を、村田さんは検診で受けとる。

村田さんは書かれている。
原爆の被害について。
瞬間的、大量無差別、根絶性、残虐性、全面性、持続性において非人道的なもの、と。

そう、この、最後にある、持続性、について、完璧に切り捨てることによって、原爆の非人道性はここに完成するのではないかと私(下澤)は思う。
村田さんがそのお医者人生をかけて成し遂げた、調査とそのデータに裏打ちされた圧倒的な事実が語ることは、核被害、被ばく被害の、

放置と隠蔽

それはずっと続れられている、今も。

日本の原発被爆労働者は、手帳交付の統計から現時点で約65万人に登る。(うち20万人が福島事故後の除染作業従事者)   
放射線疫学調査の累積被曝線量のデータから推定すると、原発と除染による集団線量から、がん・白血病死だけでも400人規模と推定される。
が…

なんと、実際の労災認定者は24名。

因果関係の証明ができない。
医師が気づかない。
審査基準の厳格さ。

許容線量、線量限度とは?
働く人に対して安全、というものでは決してない。
政治的に、状況的に、被ばくをさせて、原発を回すことの危険を、そして、原爆の被害を、小さく見せるためのものである。

政治的な判断で決められているということ。
そのことを理解していただきたい。

政治、で語るならば、福島原発地後の政府の対応は水俣病問題でのやり方と類似している。
・事故原因究明における隠蔽の構造。
・被害の過小評価=補償対象を限定
・被爆、線量、評価、記録と情報公開をしない→分断と反目と差別

阪南中央病院では、福島原発、下請け被曝労働者の実態調査も行われてきた。

放射能漏れは無い、の報道の裏に、原始的被曝労働。
下請け構造の中で、労災隠し、病名隠し。
健康被害を名乗り出られない構造の下で、
村田さんは大阪から福島まで、長時間かけて月に1度ほど現地へ赴き、101名の聞き取りと診察を続けられた。

見えてきた、癌の多発、慢性疾患の増加。そして「ぶらぶら病」症状が40代から50代の労働者に。
その自覚症状の実態は極めて原爆被爆者のものと類似していた。
(項目は、体がだるく、疲れやすい、風邪をひきやすい、視力の低下、背中、腰の痛み、etc)

それは、一般の地区老人と、明らかな違いが見えたことと、対照的。

ほぼ差がない

どういうことか?
原爆の被爆はいちど切り。
原発労働者の被曝は少しずつ積み重なる。

しかし、同じような形で出てくるのではないか?
調査をする中で感じる。
慢性原爆後障害といわれたその特徴。
「原爆ぶらぶら病」とよばれたもの。

それは、チェルノブイリ原発事故後に見られた子どもたちの健康影響とも類似。
福島原発事故後に現れた多彩な症状とも類似。三田医師が名付けた「能力減退症」の臨床データには、とホルモン系の関与と治療経過がある。
こうしたことから「原爆ぶらぶら病」は、神経・免疫・ホルモン系への被曝の影響として表れた、と考えることができる。

被爆直後、調査に入った東大の医者、都築正男による『慢性原子爆弾症』より…
長いですが、大事なので、ここに一部コピーします。引用された全文は、貼ってます。是非読んでみてください。

『…これらの人々は、表面的には健康で、日常生活・業務を営んでいるが、「常に疲れ易いことを訴各業務に対する興味ないし意欲が少なく、記憶力の減退を訴え、しばしば感冒や胃腸障碍、特に下痢に悩んでいる。」

…中略…

第一次放射能のほかに中性子の作用に基づく誘導放射能、特に体外誘導放射能の影響と、原子核分裂破片の作用とを蒙っているものと考えなければならないものも少なくない。血液及び骨髄の傷書に基づく出血性症状は、皮膚粘膜は勿論、肺臓、心臓、肝臓、腎臓を始めとして、中枢神経系臓器にも出血病巣を作ることが臨床症状、病理解剖学的にも証明されている』


村田さんのパワポより

村田さんが語る。
…私たちが考えたことが(三田医師も含め)、"全く同じこと"が、広島長崎原爆の被爆の、10年後位に書かれている。
"全く同じこと"が当初から言われていたことがわかる。

そして、精神科医の小沼十寸穂も、語る。

小沼十寸穂(1956年)
「被爆者の精神神経医学的観察から、原爆後障書としての血液の異常が強い場合、それが植物神経中枢に投影し、身一心身症状を表出させ、いわゆる間脳症候群と同定されるような脳症としての苦訴あるいは症候を現す」

"間脳症候群"という言葉が出てきた。
間脳とは?

間脳とは、視床、視床下部、のある脳の中央部。自律神経系の調節、ホルモン分泌などの役割をになう、生命維持に不可欠なところ。

つまり、やはりは、脳、ホルモン、中枢的なところ。
間脳症候群とは、そこがやられる、という話。

その症状とは、

・消化器系、循環器系の症状が30-40歳代で68%に。
・発汗異常、原因不明の発熱が一年に数回。
・出血傾向があり、ちょっとした怪我でも紫斑を残す。
・季節の変化に耐えず、風邪を引きやすい
・全身倦怠感、健忘症、眩量、頭
重・頭痛、精神作業不堪、

…昨年の三田茂先生の講演でも聞かされたお馴染みの症状。それは、被爆ニ世や311後の新ヒバクシャに見られるものと、同じ。

そして、そのメカニズムについて、やはり同じことが語られている。
都築医師と、村田医師と、三田医師と、小沼医師と、、

同じ話をしている。

話は飛んで、
チェルノブイリの長い影より、紹介。

妊娠女性と胎児との、視床下部、下垂体が影響受けたことから、胎児の形成、異常が起きていることなど。。
あと、マリジェフという人の、
『神経免疫内分泌相互作用の可能な役割と照射後病態の発達』
というクラクラしそうな内容なのだけど、、村田さんが翻訳してくれたのをさらに翻訳を試みると…笑

免疫というのは、ホルモンや神経系の調節をするために頑張ってる。
要するに、免疫関係の異常は、ホルモンのバランスの乱れにつながる。

ここがやられると、放射線照射による、遺伝的確率的な影響の出現に影響する。
つまり、視床下部、下垂体というホルモンを作るところが乱される、特に大事な副腎のホルモンコルチゾールの分泌に影響する。
免疫の異常がある場合は、コルチゾールの値が有意に低かった。

このところは、三田先生のやっておられることの裏付けというふうに言えると思う、と、村田さん。

つまりは、都築医師と、村田医師と、三田医師と、小沼医師と、、
そして、チェルノブイリの医学調査(マリジェフ)と、、

同じ話をしている。

さて、ここまできた
長かった。。

三田茂医師の話す「能力減退症」とは?

記憶力の低下
疲れやすさ
集中力、判断力、理解力の低下コントロールできない眠気
身体の免疫力の低下、あるいは時間的な遅れ
傷害組織の治癒力の低下

はい、同じです。

原発被ばく労働者
ヒロシマ・ナガサキ被爆者&二世
チェルノブイリ被災者
3.11後の新ヒバクシャ

"ヒバクシャ"は、同じことで苦しんでいる。
でも、誰も助けられなかった。
治療はもちろん、その病態の存在さえ、認識されてこなかった。

今…

三田医院では、こうした症状は、相対的に不足している副腎皮質ホルモンを口から投与して、正常レベルに近づけることによって、7割8割が、回復するという実績がある。

1945年7月、アメリカのトリニティーにて、世界で初めて核爆弾が投下され、環境中に人工の放射性物質が放出されることによって、人間が、ヒバク、させられる、ヒバクシャが生み出されることが始まり、80年。
今、やっと、世界のヒバクシャの苦しみに光が当てられ、治療と改善へのひとつの道が照らされた…
私はそんなふうに感じる。

私の頭には、かつて聞き続けた我が子の声はいつもある。

「お母さん、気持ち悪い」
「朝なのに、疲れて動けない」
「力が出ない、歩けない」
「手が痛い、足が痛い、体中全部痛い」
「寒気がする、鼻水が止まらない、顔が熱い」

11年前、首都圏から神戸と避難し、子どもはメキメキと回復したけれど、また時折以前の症状で苦しむこともあった。

「そうだった…原爆ぶらぶら病って、治った人っていないんだったよな…」

ヒヤリとする思いで娘の未来への絶望も感じ、救いを求める気持ちで、岡山の三田医院へと向かったことを思い出す。
肥田舜太郎先生の話す、原爆ぶらぶら病、なんと我が子の症状と似ていることか。その気づきから始まった闘い。

もし、三田医院がなかったら?
もし、三田茂先生の取り組みがなかったら?

それは、考えるだけで、恐ろしい。

どこの病院へ行っても、放射能の懸念を口にすると、母親である私は医者に叱られ、そして笑われて相手にされなかった。
事故後、こうした思いをした避難者の母親は数知れない。

病院、医療への絶望は根深くある。

3.11後、日本の多くの人はヒバクした。
放射性廃棄物は、薄めて安全とされ、流され燃やされ回される。
行きどころのない核のゴミは世界中にある。
人は、これからもヒバクし続けていく。
この世の中では、そのほぼ全てが無自覚で、存在しないことになっている。

放置と隠蔽。

村田さんが話したこと、そのままに。
それは、核兵器を許して、作り続けていくがために。。

でも痛み苦しむのは自分の体、我が子の体。
原因を知ることができること、治療に向かうことができること、これがどれほどの救いであるか、私は身をもって知っている。

はじめに書いたこと、改めて思う。
核兵器の下に、奪われながら、そのことに目隠しをされながら、生きていくのは真っ平ごめん!
1人でも多くの人が、多くの医者が、同じ思いでつながってほしいと、願い続けてる。

この講演の日は、私は人間の歴史に残る大切な日だったと思います。
このことに立ち向かう、お二人の医師に、感謝の思いと、希望を抱きます。
いてくださって、ありがとうございます!

いわゆる「能力減退症」様の症状で苦しみ、無事に大人になれるのか?確信さえ、なかった私の子どもは、元気に成長し、今年、成人を迎えます。
感謝とともに、人間が守られる世の中で、ありますように、と、願います。
私たちは、ここにつながって、ともに歩みたいです!
未来のために!

*****

下澤陽子さんの「解説」はここまでです。下澤さんに大感謝です!

#京都被爆二世三世の会 #村田三郎 #阪南中央病院 #年次総会 #被爆者 #被爆二世 #水俣病患者 #原発労働者 #健康調査アンケート #被曝労働者

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明日に向けて(2511)多くのヒバクシャ、水俣病患者さんを診られ、支援してきた村田三郎さんのお話を聞きに来て下さい!(5月10日) 事前のインタビュー動画と全文文字起こしを掲載します

2025年05月07日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250507 23:00)

● 5月10日(土)午後は村田三郎さん講演会へ!

すでにお知らせしたように5月10日(土)に京都「被爆二世・三世の会」2025年度年次総会を開き、記念講演で阪南中央病院の村田三郎医師をお招きします。

京都市西院のラボール京都第12会議室とオンライン(ZOOM)でのハイブリッド開催。
午後2時30分~4時30分です。参加費無料です。オープン企画なのでどなたでも参加できます。

主 催 京都「被爆二世・三世の会」 http://aogiri2-3.jp
お申込みは以下から
https://forms.gle/89B1CrYEjCTCXZMt6

詳しくは以下からチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/event/9376.html


● 村田三郎さんインタビューをご覧下さい。

これに向けて村田さんに守田がインタビューさせて頂きました。

これを全文文字起こししました。長くなりますが一気に掲載します。動画と共にご覧下さい。なお当日の撮影と文字起こしを京都「被爆二世・三世の会」会員の柳田かや乃さんが担い、動画と文字起こし文章の編集を守田が行いました。


● 村田三郎さんへの守田敏也のインタビュー全文

守田 
みなさんこんにちは。守田敏也です。今日は大阪の松原市の阪南中央病院に来ています。
今年度の京都「被爆二世・三世の会の年次総会に、記念講演としてお呼びする村田三郎さんを訪ねています。村田三郎さんは阪南中央病院で、沢山の医療行為をされて来られたのですが、特に被爆者、被爆二世、水俣病患者さん、被曝労働者、そしてお話を聞いたら福島原発事故の避難者、そういう方も含めて治療をされ、さらにいろんな支援も続けて来られました。その中で思うこと、三田茂医師が積極的に福島原発事故で被災した方たちを「新ヒバクシャ」と命名して治療を開始していますが、そこにも触れて思うところをお話頂こうと思っています。今日は前宣伝で、村田さんがどんな話をされるか、皆さんに知らせたくてビデオ撮りしています。それでは村田さん、よろしくお願いします。

村田 
阪南中央病院の村田です。よろしくお願いします。守田さんからこの題で講演をということで、非常に光栄に思っています。

守田 
ありがとうございます。

村田 
私は医者になってから、もう53年になるのですけれど、この問題に関わってきてから50年になります。
もともと高知県の出身で、子どもの頃にビキニの核実験がありました。第五福竜丸が被爆をしたのですけれど、高知県は鰹漁船がたくさんこの近辺に航海していまして、沢山の方が被爆したのです。
そのようなこともあって、子どもの頃から、平和、核実験や原水爆禁止の問題とかに関心がありました。親の教育の影響もありましたが。

守田
お父さん、お母さんが教職員組合で頑張られたと。

村田 
両親は教師で、子どもの時から平和運動、平和行進とかがあったのですけれど、そういう時に学校の授業をさぼって、こんなこと言ってはいけないのですけれども、一緒に参加して平和行進したりしました。
ということで、ちょっとそういう教育もあってですね、大学は大阪大学に来たのですけれど、ちょうど学生運動とかが活発だった時期で、当時、ヨーロッパで中距離核ミサイル配備問題とかがあって、関心を持ちました。
核兵器の使用と地球の人類の破滅の可能性、「人類の存続に相反するものである核を禁止しなければ人類は破滅する」という議論がすごくされた時期だったので、子どもの時からの記憶もあって、平和運動に関わるようになりました。
それでこの病院に来た頃に、ちょうど原爆被爆者の健康診断をここの病院はやっていましたので、それに関わるようになりました。ちょうどその頃は被爆40年ですか、それに近い時機でしたので、被爆者の方々が、被爆者援護法を求めて・・・。

守田 
そうですね。まさに被爆者援護法を政府に制定させようと向かっていった時ですね。

村田 
そういう時代だったのです。ところがこの被爆者援護法の要求に対して、国は「受忍論」とかと言い出しました。「原爆の被爆も含めて国民全体が受任しなければならない」というのです。国の始めた戦争によって被爆を受けたわけですけれども、それに対する国家補償をしないというのが国の政策としてあったのです。
それに対して被爆者には被爆後40年経っても、健康被害が起こっていて、それに基づいて生活を破壊されて、働くこともできない二重三重の苦しみを味わっていることが、診療の中で分かりましたので、国に援護法を制定させる運動の一端に、自分は医療の立場から加わることが出来るということで、被爆者の実態調査というのをさせて頂きました。

その中で被爆者の方々がガンや白血病だけでなくて、高血圧とか心臓病とか脳梗塞だとか糖尿病だとか、いろんな病気に被爆者の方がたくさんかかられているということが実態調査で分かりました。
私が特に気になったのが、言葉は悪いのですが「原爆ぶらぶら病」という状態がありまして、この人たちは「病気ではない」と言われて、あちこちたらいまわしにされて、結局はそのまま放っておかれるみたいな状態が続いていたこともあって、ガン、白血病以外の一般の病気と「原爆ぶらぶら病」についてはやはり見逃すことはできないということで、診療の中で、少しでも支えられるようなことができないかなとやって来たわけです。

守田 
聞き取り調査は1200人されたと。

村田
大阪と広島、長崎まで。被害者団体の協力を得ながらですね。うちの職員にもたくさん協力してもらって、マンツーマンで聞き取り調査をしました。他の病院ではあまりできないそういうことをやらせてもらって。

守田
この調査の記録をさっき見せて頂きましたけれど、まさに「原爆ぶらぶら病」、三田茂医師が「能力減退症」と初めてこれに診断名を初めて付けられましたけれども、その様々な症状の聞き取りをこんなにもされていらっしゃったのだなというのを知りまして、驚くと同時にとても感動しました。

村田 
三田先生がその病名を付けられて、ホルモンの関係とかを、色々な研究、診療の中で解明して、ホルモン補充療法とかをされておられますね。それが劇的に効いた方もいるし、なかなか効かなかった方もいらっしゃるかと思うのですけれど、ホルモン補充によって、その方の不定愁訴だとか、気持ちの問題だとか、ストレスだとかと言われた病態、病状を改善することが出来た。私としては三田先生のやって来られたことについては非常に意義があるし、感銘を受けました。

守田
さっき見せて頂いた当時の説明資料で、もう村田さんも中枢神経系の問題だということに気が付かれていたわけですね。

村田
ホルモンとかね。免疫の関係で起こっていることだろうということは。
当時のいろんな研究では議論されていたけれど、それが40年経っても無視され、放置されていた病態だったのですけれど、それをね…

守田
そのころから、小沼十寸穂 (ますほ)さんの「間脳症候群」とか、そういうことに注目されていたのですか?
注:小沼氏は精神科医、後に日本精神神経学会会長も務められた。「原爆症後遺症としての間脳症候群」などの論文がある。

村田
そうですね。都築正男先生の論文も拝見して、興味というか関心はあったのですけれど、なかなか病院の仕事として、それをちゃんと検査して治療するところに結びつかなかったのですけれど。
注:都築氏は東大名誉教授、戦中は陸軍軍医少将。「原爆症研究の父」と呼ばれる。1945年8月30日より広島に赴いて研究、しかし11月にGHQが原爆に関する研究発表を禁止したことに反発、それを理由に1946年に公職追放となり、東大退官を余儀なくされた。原爆症に関する多数の論文がある。


守田講演パワポより

守田 
というか、当時そこまでホルモンを測るのは難しかったのですよね?

村田
そうなんです。

守田 
ものすごい高額で。

村田 
高額の医療費がかかったのと、それから沢山の方のその検査をやるとですね、病院の性格上なかなか難しいことがあったのです。三田先生はそれをご自分の診療所で、医院として責任をもってやられた。大きな仕事だと思います。
実は被爆者だけでなくて、それとはまた別に福島原発の下請け労働者、原発労働者の調査もさせて頂きました。現地の方、原発反対同盟の方ですね、その方と協力して、これまた100人余りの聞き取り調査をさせて頂きました。

それで実にびっくりしたのは、被爆者の症状と、原発労働者の症状が、全く一緒だということが分かったことでした。これまた「ぶらぶら病」という形で、当時の近くの先生方に診てもらっても「これは病気じゃない」「病名が付けられない」と言われました。
ある所へ行ったら「心臓の専門の先生のところで診てもらえ」「糖尿病のところで、ホルモンのところで診てもらえ」と、どこに行っても病名が付かないので、たらいまわしになっていた。
それで結局は働けなくなって、家でお孫さんの世話をするとかしていましたが、お孫さんの世話をしていても、一緒に走ってもついて行けないとか、そういう実態があった。
その場合、被爆(被曝)の形態は、広島・長崎は1回の被爆だけれど、原発労働者は比較的少量だけれどずっと何年も続けているわけです。でも被爆(被曝)は、かたちが色々違っても、同じような症状がでてくるのだということも分かりました。

守田 
同じ症状なのですね。

村田
それが分かったのです。

守田
この点もさきほどグラフを見せていただいて、すごく驚きました。これはもう大事なグラフです。みなさん。5月10日にはこれが見られます。是非見て頂きたいです。

村田 
そんなこともあって、被爆者のかかっている病が、原爆とか放射線が起因した病気だと認めさせる「原爆症認定」とか、被曝労働者だったら労災認定とか、そういうことを勝ち取ることに軸足を置くようになって、「原爆症認定」を30人余り実現しました。

守田
30人も!!

村田
はい。それから原発労働者の場合も、少なくとも2人、私の診断書のもとに労災認定を勝ち取りました。
これには周りの運動の力も勿論あったのですけれど、診断書を書く医者がほとんどいなかったので、私が書かせて頂いて、日本では初めて白血病以外の血液関係の病気で多発性骨髄腫という病気と悪性リンパ腫という病気、この2つの新しい認定疾病を勝ち取ったのです。


守田講演パワポより

守田
素晴らしい!

村田
その後はその病名で労災認定される方もたくさん出てきました。現在もそれもぼつぼつ出ていますね。

守田
みなさん、ここはですね、先ほどものすごく驚いたことがあります。その一人の方が福島原発2号機などで、プルトニウムなどに被曝された長尾さんという方なのです。
その長尾さんの労災申請を村田さんがサポートして下さったのですけれど、その時にそれを受けて「これは被曝要因である」、正確に言うと「被曝要因であることを否定できない」という所見を書かれた医師がおられるのですが、それがK先生とおっしゃって、丹波篠山の原子力災害対策検討委員会の件などで、僕が大変お世話になってきた方なのです。
僕もそのK先生から「実は私は原発の中で被曝した方の所見を書いたことがあるんですよ」と聞いていて、それでさっき村田さんに「この方が労災認定を受理されたことをご存知ですか」と聞いたら、「それは私が書いた申請書です」とおっしゃられて、すごく深いつながりを感じました。なんかだか「嬉しいなあ」と思いました。

守田 
講演の時には自由にいろいろとお話をして欲しいのですけれど、今日のこのビデオ撮りでは、最後にもう少し三田さんの行っている実践に対しての、村田さんの思い、みたいなものを話して頂ければと思います。

村田
先ほどもちょっと言いましたけれど、私が病院の中で一つの制約があって、「原爆ぶらぶら病」とかいう病気はホルモンの関係とか免疫系の病気であって、普通の病気として捉えられるべきだと考えていたのですけれど、それ以上のことが進められなかったのですね。
ところが三田先生の場合は、ホルモンを調べたり、副腎皮質ホルモンとか、脳の方のホルモンを調べて、それがやはりちょっと足りないのじゃないかということを医学的に証明され、それを補充することによって症状が良くなるのではないかということを試された。試した結果、劇的に良くなる方が結構いたということで、それは私が考えていたその理論的なところを、先生が臨床的に解明され、それを治療に結びつけたということで、「病気ではない」と言われていた人たちが、本当に自信をもって生活し、仕事に出ることが出来るようになったわけで、とても素晴らしいことだと思います。
福島の原発事故のあと、いろんな症状が出られた人をも含めて、そういう方が是非ともそういう「ぶらぶら病」に類似した、「能力減退症」と三田先生が言われ「新ヒバクシャ」と言われていますけれど、そういう方々ができるだけ普通の生活に戻れるような治療と言うか、関わりを今後も是非ともやって頂きたいなと思います。

それが被爆二世の方も含めて、やはり同じようなことが起こって来ているのではないかと思うところがありますので、それは少し、今度の話の中で結び付けることができる、それも変な結び付け方ではなくて、私の臨床的な体験から言えるのではないかと思いますので、そこをつないでお話ができたらと思います。
もう一つ大事なことは、原爆の問題と同時に私は水俣病の問題を担ってきたのですけれど、公害問題とか被爆(被曝)の問題で、やはり政府とか御用学者の人たちは被害を無いものにしてしまおうとして、難しい理論とか、単純な理論のようで難しい考え方を持って来て、ヒバクシャを無きものにしようとしています。その点の構造がよく似ているので、それについても時間があればお話させていただければと思います。

守田 
はいどうもありがとうございました。
皆さんそういうことで、5月10日、ラボール京都というところで午後の時間 (午後2時半から4時半)で行いますけれど、同時にzoomでも配信しますので、全国からでも参加できます。是非聞いてください。

以上でした。村田さんありがとうございました。 



#京都被爆二世三世の会 #村田三郎 #阪南中央病院 #年次総会 #被爆者 #被爆二世 #水俣病患者 #原発労働者 #健康調査アンケート #被曝労働者

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明日に向けて(2510)被団協のノーベル平和賞受賞、放射能汚染と国の責任、核兵器のない世界への道、原発建設を食い止めた市民の奮闘、原発事故避難計画についてお話します!

2025年05月03日 11時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250503 11:30)

 5月後半に京都市、奈良市、長岡京市、鳥取市、松江市で、記事のタイトルに掲げた内容でお話します。
それぞれの内容の簡単な紹介とチラシを紹介します。ぜひお近くの会場にお越し下さい。

5月15日(木)京都市午後6時半から

第76期京都人権文化講座第3回でお話します。
『被爆二世として生きる~被団協ノーベル賞受賞に寄せて~』とのタイトル。
被爆問題、被爆者・二世問題を力を込めてお話します。

場所は京都府部落解放センター4階ホール。烏丸通と紫明通の交差点南東角。
時間は18時30分~20時30分まで。参加費1200円。
主催は部落解放・人権政策確立要求京都府実行委員会です。

詳しくはチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/9395.html


5月17日(土)奈良市午後1時半から

はかるなら(奈良・市民放射能測定所)12周年記念セレモニーでお話します。
『核なき未来への道~放射能汚染・被ばくの視覚化、国の責任を問い続ける~』とのタイトルです。

この測定所では光栄なことに開設式の時にも講演させて頂いています。
いまの被爆(被曝)の現状を問い、その視覚化のためにどんなことが問われているかなど、心を込めてお話させて頂きます。

場所は奈良市西部公民館5F第2講義室。
時間は午後1時半から4時まで。参加費500円。
主催は「はかるなら(奈良・市民放射能測定所)」です。

詳しくはチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/9398.html


5月18日(日)長岡京市午後2時から

長岡京市でお話します。
『ノーベル平和書受賞が開いた核兵器のない世界への道』とのタイトル。
ノーベル賞のその先に私たちがどう進むのかをお話しますが、主催者から「一方的に話を聞くのではなく、みなさんの質問に答えて頂くなど双方向の講演会にしたい」と提案されています。
それで、核なき未来に向けて僕が大事だと思っているポイントを話した後に、できるだけみなさんからにご質問を頂き、お応えしたいと思います。

場所はバンビオ3階メインホール。JR長岡京駅徒歩2分。
時間は午後2時から。参加費500円。
主催は「憲法9条の会」長岡京校区連絡会
協賛:さよなら原発長岡京市民の会

詳しくはチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/9401.html


5月24日(土)鳥取市午後2時から

青谷原発建設を食い止めた「青谷反原発共有地の会」代表の横山光さんとのジョイント企画です。
企画のメインタイトルは「原発も核もない未来のために、原発建設計画を止めた先人たちに学ぶ 原発のないふるさとを」。

第一部で横山光さんが『鳥取県に原発がない理由を知ってますか?』とのタイトルでお話されます。
これを受けて僕が第二部で『原発を動かしてはいけない理由を話しましょう』とのタイトルでお話します。
そして第三部『みんなで話そう原発のこと』で横山さんと守田で対談しながら、会場のみなさんともお話します。
この企画への参加はとても光栄。前日に青谷=旧原発建設予定地の見学にも連れて行って頂きます。

場所はわらべ館(鳥取市西町3丁目202)
時間は午後2時から4時まで。資料代500円(大学生以下無料)
主催は、えねみら・とっとり (エネルギーの未来を考える会)です。

詳しくはチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/9404.html


5月25日(日)松江市午後2時から

昨年末に島根原発2号機が再稼働させられた島根県松江市でお話します。
『原発事故!避難計画はあなたの命を守れない』とのタイトル。
原発で過酷事故が起きた際、国や行政の作っている避難計画ではとても命を守ることはできません。
福島原発事故によってどんな被爆(被曝)が起きているのかを明らかにしつつ、リアリティをもって原発の危険性と、国の語る避難計画の非現実性、あるいは非倫理性を明らかにします。
そしてその上で、原発を止めるために頑張るとともに、事故に市民の立場からはどう備えたら良いのかもお話します。

場所は松江市民活動センター501・502。
時間は午後2時から4時。資料代500円。
主催:島根原発2号機運転差止訴訟原告団
共催:中国電力・島根原発3号機の運転を止める訴訟の会

詳しくはチラシをご覧下さい。
https://toshikyoto.com/press/9408.html

出来る限りそれぞれの会場からLIVE配信も行うつもりです。
近隣の方、それぞれの会場にお越し下さい。

#守田敏也 #ノーベル平和賞 #放射能汚染と国の責任 #核兵器のない世界への道 #原発建設を食い止めた市民の奮闘 #原発事故避難計画 #原発再稼働反対 #核兵器反対 #市民放射能測定所 #青谷原発

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明日に向けて(2509)原発災害、大地震、洪水、事故などからの命の守り方を身につけよう―韓国セオゥル号沈没事故、福知山線事故に学びながら

2025年04月25日 23時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250425 23:00)

16日はセオゥル号沈没事故14回忌、今日25日は福知山線事故20回忌の日です

4月16日に韓国南部でセオゥル号が沈没し、304名が亡くなってから14年の日を迎えました。(299名死亡、5名不明という報道も)。さらに今日25日で、JR福知山線脱線事故で107名が亡くなってから20年の日を迎えました。
それぞれの事故で亡くなられた方、ご遺族、縁者のみなさまに、深い哀悼の意を捧げたいと思います。またこの事故によるさまざまな痛み、悲しみ、嘆きを抱かれた全てのみなさまにもお見舞い申し上げます。
この機に双方の事故から何を学ぶのかを書き記したいと思います。


セオゥル号沈没事故で特筆すべきことは何か

僕はこの事故を「とっとと逃げる」ことを学ぶ一つの例として取り上げてきました。セオゥル号が傾きだしてから沈没まで101分。十分に逃げる間があったのに、修学旅行中の高校生など、たくさんの方が脱出できずに亡くなってしまったからです。
この事故を特徴づけたのは、船会社と船員の余りの酷さでした。そもそも同船は過積載だった。しかもそれを隠すために船底にバランサーとして積んでいたバラスト水の量をかなり減らしていた。その上、同航路が未経験の三等航海士に操舵させていた。
それでこの航海士が危険水域で急激に舵を切ったため、横倒しになったのですが、その時、「とっとと逃げる」ことが必須な状態で、船内に「その場にとどまるように」との放送を流した上、なんと船長を先頭に、船員たちが真っ先に逃げ出したのでした。

あまりと言えばあまりの所業でした。船員たちは乗客を逃がす義務を放り出して逃げたのです。後に船長は殺人罪で訴追され、無期懲役が確定。会社も厳しく咎められましたが当然です。事故は儲け優先の新自由主義、その酷い現れによって起きたのでした。
これに輪をかけたのが韓国海洋警察のあり方でした。そもそも救命艇で接近しながら、なかなか救助に着手しようとすらしなかった。そこにはいざという時に市民を助ける訓練や準備を怠ってきた韓国政府の限界が大きくあらわれていました。
一方でそんな状態の中でも高校生をはじめ、たくさんの乗客、そして一部の船員が最善を尽くし、多くの友だち、乗客を救い出してもいました。

中でもすごかったのは、最初に近くの木浦警察署にSOSの電話をしたのが高校生だったことでした。船員の救助要請が同警察署に届く9分前に連絡し、この9分で助かった命がたくさんありました。しかしその生徒自身は亡くなってしまいました・・・。
あるいは傾く船内の中で泣き出した友だちを励まし「みんなで脱出するよ」と数珠つなぎで船内を這い上がった女子高生たちがいました。リーダーの彼女は後ろからみんなを励まし続け、何人かの脱出を成功させましたが、流入してきた海水に飲み込まれました。
そんな話もたくさんあります。ぜひそれぞれで事故を検索し、調べて欲しいです。特筆すべきなのは、船会社のあまりの酷さとそれを許していた韓国の新自由主義の誤り、そしてその中ですら互いを助けあい命を救った奮闘です。その双方が教訓です。



JR福知山線脱線事故で特筆すべきことは何か

福知山線事故は、JR尼崎駅に向かう急カーブに、列車が猛スピードで突っ込んたために起きた脱線事故でした。背景にあったのは収益向上を目指したJR西日本が、運行スピードを上げる中で、運転士に予定厳守を強いていたことでした。
しかもこれを逸脱した運転士には「日勤教育」というさまざまな過酷なペナルティを課していて、事故を起こした運転士も、前駅でのオーバーランで相当に焦り、遅れを取り戻そうと危険な速度でカーブに進入してしまったのでした。
さらにその際、自動列車停止装置(ATS)の新型であるATS-Pが設置されていれば、速度超過に対応して電車は自動的に減速したのに、経費削減のためにJR西日本がこの設置への取り換えを怠っていたことでも、この事故は防げませんでした。


この制限速度を示す70の標識のあるカーブに電車は40キロオーバーで進入、奥に見えるマンションに突っ込んだ。守田撮影 2005年5月4日

そのために列車は猛スピードのまま線路を離れ、近くのマンションに突っ込み、1両目は駐車場で大破、2両目はマンションの外壁にあたり、折れ曲がって側面からぶつかってきた3両目との間に挟まれ、激しく損壊してしまいました。
これまた儲け優先の新自由主義がもたらした事故でしたが、この際、新自由主義の別の側面の影響も大きく出ていました。それは「市場の自由な競争を阻害する」という名目のもとに行われた労働組合=国労(国鉄労働組合)潰しでした。
これは国鉄「分割民営化」によるJRの創設とセットで行われましたが、この際、国労から労働者を離脱させるために数々のイジメが行われ、なんとそれが日勤教育としてその後に生き残り続け、運転士を蝕んで、あの事故につながっていったのでした。


現場直近に作られた祭壇 守田撮影 2005年5月4日

そもそも国労が健在だったらあのような事故は起きなかった。なぜなら国労が無理な運行など許さず、そのことで労働者と乗客を守っていたからです。理不尽な懲罰などもありえるはずもなかった。
だから特筆すべきなのは、JR西日本の日本政府の新自由主義的体質と国労解体が事故の主因だったことです。

同時にこの事故の時も、周辺の多くの方が駆けつけ、最善を尽くしました。中でも近所の女性が一早く踏切で停止信号のボタンを押しました。反対方向から特急が来ることを知っていたからです。これで大惨事の拡大が防がれました。
あるいは近くの日本スピンドル製造株式会社は、事故の一報を受けて直ちに操業を停止、全社員が救助に赴きました。とくに一両目が突入した駐車場でガソリンが充満し、火花の散る電動工具が使えなかったことに対し、工場から大量の手動工具が持ち込まれた。
さらに大量の水、氷も運び込まれ、被害者の救済に大いに役立ちました。工場労働者たちは、大けがをしている被害者を励まし続けもしました。さらに先ほどの女性も含めて、たくさんのダイイングメッセージすら受け取ったそうです。


女性が懸命に停止ボタンを押し信号がいったため直前で止まったJR特急。あと少しで現場に突っ込むところだった。この写真の左方向に日本スピンドル製造株式会社の尼崎工場がある。 守田撮影 2005年5月4日

そんなすごい奮闘もあり、懸命に生き延びた方もおられた。しかし生き残った方の多く、そして見事な救援を行った周辺の方たちの多くが、その後に罪の意識を背負いました。誰かの犠牲で助かった、頑張ればもっと助けられたはず、と思ってしまったからです。
こうした心の傷に対しても、政府はほとんどなんらの対応も手当てもしてきていません。こうした点にも日本政府の事故対応への無責任さは際立っています。このこともぜひ知って頂きたいです。


セオゥル号・福知山線脱線事故の教訓から引き出さねばならないのは原発を止めること

さてこのように両事故をあらためて見つめていて思うのは、やはり危険な原発を、一刻も早く止めなければならないということです。

セオゥル号の船長や主な船員たちは本当に酷かった。転覆する恐れのある船を儲け優先で運行していました。しかしそれと同じことがいま、原発で行われています。過酷事故を起こす可能性のある原発、それも老朽化したそれが動かされています。
セオゥル号が転覆した時、韓国海洋警察は有効な救出ができなかった。市民を助ける訓練や準備を怠って来たからですが、では原発事故が起きたときの訓練や準備がどれだけできているでしょうか?まともな避難計画など一つもないし、作れもしないのです。
セオゥル号では船員が真っ先に逃げ出しましたが、福島原発事故でも真っ先に逃げる指示が届いたのは東電の家族たちでした。それだけなく、天皇(現上皇)などに東京脱出の打診が行われました。(上皇は断られたそうです)。しかし市民には何も知らされなかった。

福知山線事故では、儲け主義優先の姿勢が危険な運行を生み出していました。いま原発もまた福島原発事故からの教訓もまともに引き出せていないのに、稼働が強行されています。事故を起こしたのと同じ型の沸騰水型(島根、女川)まで動かされています。
福知山線事故では、組合潰しのための理不尽なペナルティが運転士に課され、追い詰められていましたが、原発では反対に安全をまったくないがしろにした運転姿勢が、現場職員のモチベーションとモラルを著しく低下させ、不祥事連発を引き起こしています。
福知山線事故では、列車がスピード超過したときに対応するATS-Pの設置がなされていませんでしが、原発では過酷事故を起こさせない信頼ある仕組みなどなく、次世代こそ安全になるとまで言い出されている。つまり現世代は過酷事故を防げないのです。


守田講演パワポより

だからこれでは第二の過酷事故が起きてしまう。そして一度事故が起きたら、今度こそ日本の過半が住めなくなってしまう可能性大です。
二つの事故から学んで、危険な原発、社会を崩壊させる原発を止めることにこそ、私たちは全力を上げましょう。そのことこそ、両事故で亡くなられた方たちが、私たちに問いかけているように僕には思えます。聞こえるのは「もう二度と被害者を生まないで」という声です。


政府は福島原発事故が最悪した場合、半径170キロ圏内が強制移住と想定していた 毎日新聞より

原発災害、大地震、洪水、事故などから命を守るために

このこと、原発事故を何としても止めるために声をあげようということを、何度も何度も強調した上で、あらゆる事故から身を守るための術を共に学ぶことを訴えたいと思います。
そのために明日、午前中に学習会を行います。原発事故をなんとしても防ぎたいですが、しかし明日、大地震が起きて過酷事故が始まってしまうかも知れません。
その時、電力会社も政府も私たちを守ってはくれません。だから少しでも被害を減らす知恵も身に着けておく必要があります。

それは大地震、洪水、事故などにも適用できるものです。詳しくは明日の学習会を聴きに来て下さい。ZOOMからも参加可能です。
以下、Facebookイベントぺージをご案内しておきます。
https://fb.me/e/eB6XmiEkv

#セオゥル号沈没事故 #修学旅行の高校生が犠牲に #韓国海洋警察 #JR福知山線脱線事故 #国労 #国労解体 #日勤教育 #国鉄分割民営化 #原発を止めよう #原発からの命の守り方

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明日に向けて(2508)京都「被爆二世・三世の会」2025年度年次総会記念講演を5月10日(土)に行います。阪南中央病院村田三郎医師にお話頂きます。ご参加を!

2025年04月13日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20250413 22:30)

ラボール京都とzoomでのハイブリッド開催です

京都「被爆二世・三世の会」の年次総会記念講演へのお誘いです。
講師・期日・場所などを記します

講 師 村田三郎 医師 (阪南中央病院)
日 時 2025年5月10日(土)
午後2時30分~4時30分
会 場 ラボール京都第12会議室+オンライン(ZOOM) 
参加費 無料

主 催 京都「被爆二世・三世の会」 http://aogiri2-3.jp
連絡先 (京都原水協気付)電話075-811-3203 FAX075-811-3213

お申込みは以下から
https://forms.gle/89B1CrYEjCTCXZMt6



チラシを以下から入手できます。
https://toshikyoto.com/event/9376.html

Facebookイベントページもご紹介しておきます。
https://fb.me/e/2x2lwmJNP

なおアーカイブ視聴も受け付けています。


京都「被爆二世・三世の会」からの呼びかけです(チラシより転載)

京都「被爆二世・三世の会」は2020年から被爆二世・三世を対象にした健康調査アンケート(2回目)を進めてきました。
すでに二世だけで100人以上の回答を得て、昨春「アンケート結果報告書」をまとめました。
昨年の記念講演では、このアンケートを進める際に助言を頂いた三田茂医師を招き、結果報告書の丹念な読み解きを行って頂きました。
その後、私たちはこの内容を繰り返し学ぶ場も作っています。

こうした私たちの試みに、熱い視線を注いで来て下さったのが、医師で阪南中央病院に勤めておられる村田三郎さんです。
村田さんはこれまで、たくさんの被爆者、被爆二世、水俣病患者、被曝労働者への治療と支援を行われて来た方でもあります。
私たちの会員の中でも、父親の主治医が村田さんだった方がおられます。
さらに村田さんは、この間、私たちの年次総会・記念講演にも何度もZOOMで参加して下さっています。

今年の年次総会では、その村田三郎さんをお招きし、長年にわたる被爆者、被爆二世、水俣病患者、被曝労働者への治療と支援について思うことをうかがうことにしました。
村田さんは三田さんの試みを高く評価されてもいますので、その点についても触れて頂きます。ぜひご参加下さい。

なお当日は同会場で13時30分から京都「被爆二世・三世の会」年次総会をオープン開催します。
会員外の方も参加できます。お時間のある方はこちらにも是非ご参加下さい。

お申込みは以下から
https://forms.gle/89B1CrYEjCTCXZMt6

なお昨年度年次総会における三田医師講演をご紹介しておきます。
三田茂医師講演 「原爆ぶらぶら病」と『能力減退症』=被爆者と『新ヒバクシャ』その類似性、共通性ー被爆・被曝の新しい理解・病悩の解決の可能性


● 村田三郎さんインタビューをご覧下さい

企画に向けて、村田さんをインタビューし動画を作成しました。17分です。ぜひご覧下さい。
バナーをクリックして頂くと動画に飛べます。

村田三郎さん(阪南中央病院内科医師)インタビュー


みなさま。ぜひ会場 or ZOOM or アーカイブ視聴にてご参加下さい!

#京都被爆二世三世の会 #村田三郎 #阪南中央病院 #年次総会 #被爆者 #被爆二世 #水俣病患者 #原発労働者 #健康調査アンケート #被曝労働者

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