明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1570)高浜4号機蒸気漏れはパッキンへの異物混入が原因!不具合や人為的ミスが繰り返されている!

2018年08月24日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180824 23:00)

(注記:前々回の記事で加圧水型原発の構造を説明する際、一次冷却水がそのままタービンを回しているかのような記述をしてしまいました。
細川弘明さんのご指摘に基づきブログ・HP・Facebookの記事を訂正し、蒸気発生器で熱を二次冷却水に移してタービンを回していることを書き添えました。この点をお知らせしておきます。正確さを欠き申し訳ありませんでした)

台風が過ぎ去り、幸いにも死亡事故などは起こらなかったものの、淡路島で発電用の風車が倒壊するなどさまざまな爪痕も残りました。まだ土砂災害の危険性も残っています。
鉄道の運休も相次ぎましたが、僕も今宵は綾部の市議選応援に駆け付けるつもりがJR山陰本線が時間までに復旧しなかったので断念しました。(現在は動いています)。
今日はJR福知山線も宝塚より北で止まっていましたが、今は復旧したので明日は元気に篠山に行ってきます!

● 高浜4号機蒸気漏れはパッキンへの異物混入が原因?

さて再稼働を前に20日に高浜4号機が一次冷却水蒸気漏れ故障事故を起こしましたが、関西電力によって原因が発表されました。
原子炉上蓋にある温度計を収めた管の接続部分のパッキンに微小な異物が混入していたというのです。となれば点検交換時の人為的ミスだということになります。
高浜4号機は2016年2月29日に再稼働したときにも、発電した電気を送電線に流した途端にアラームが鳴り非常停止してしまう故障事故を起こしましたが、このときも原因は危険値の入力ミスでした。今回は誤っての異物混入です。

関電によるプレスリリースをご紹介しておきます。

前回、この故障は150気圧もの高圧で回している一次冷却系で起こったがゆえに危険性が高いことを指摘しましたが、これを目視で発見した作業員の被曝も大問題です。
一次冷却水の放射能汚染度は極めて高く、防護服を着ていても確実に外部被曝が起きています。労働災害に他なりません。
関電は「微量だから問題ない」と開き直っていますが、しかし「微量」というのは主観的なもの。どれだけの被曝量があったのか公開すべきです。
そもそも目視で点検している労働者の前で一次冷却水が蒸気となって噴出しているなど空恐ろしいことです。

● 再稼働した原子炉9基のうち5基で9回も故障事故が起きている!

この間、指摘してきたように、こうしたトラブルが再稼働の度に繰り返されています。(なお以下の記事の最後につけているかっこ内の数字は再稼働が強行されてから起こったトラブル回数です)。
最初にトラブルを起こしたのは2015年8月11日に再稼働を強行した川内1号機でした。稼働からわずか10日後に復水器内の配管にピンホールがあき、二次系に海水が混入しました。
ただしこれは二度目の不具合。再稼働前に原子炉以外の機器を立ち上げた直後の7日にも原子炉冷却水ポンプの軸の振動を測定している計測器の数値が異常に低下するトラブルを起こしました。(1)(2)

この後に再稼働を強行したのが高浜3、4号機で、後者がトラブルを起こしました。まずは再稼働直前の2016年2月20日に一次冷却水の浄化装置付近から34リットルの放射能汚染水が漏れ出しました。
一次冷却水から「不純物」を取り除く設備の弁のボルトが緩んでいたためとされましたが、関電はそのまま26日に再稼働を強行し、より大きなトラブルに。29日の送電開始とともに原子炉が自動停止してしまったのです。
発電した電気を送電線に送る部分にある検出器への入力を間違い、異常ではないのに検出器が「危険」と判断して非常ブレーキをかけてしまったのでした。(3)(4)

続けてのトラブルは伊方3号機で起きました。2016年7月26日の再稼働直前の17日に一次冷却水循環ポンプから水漏れを起こしました。
原因はこのポンプを稼働させているモーターの軸のシール部分が、耐圧試験で壊れてしまったためとされましたがこれは怪しい。(5)

2018年3月23日には玄海3号機が再稼働を強行しましたが、30日に蒸気発生器に水を送る配管の一部から蒸気漏れを起こして発電が停止されました。配管を覆う保温材の隙間から雨水が染み込み、パイプを腐食させて穴があいていたのでした。
当時の九電社長だった瓜生氏は思わず次のように言いました。「(運転を)7年間止めていたため『何が起こるか分からない』と言っていたが、現実になってしまい、非常に残念だ」・・・。(6)

玄海は4号機でもトラブルを起こしました。再稼働を前にした2018年5月3日に一次冷却水ポンプの故障事故を起こしたのです。
これは伊方3号機の事故とまったく同じ部分で同じように起こった故障事故でした。このポンプは同様の故障が各地の原発で繰り返し起きており、構造的欠陥が強く疑われます。(7)

そして今回の再びの高浜4号機のトラブル。1回目は19日で非常時に蒸気発生器に給水を行うポンプから制御油が漏れだしてしまいました。(8)
2回目は20日の一次冷却水が蒸気となって飛び出してきてしまった事態。原因は異物が混入していたこととされています。(9)

● こんなにトラブルが続くのは安全など確保されていない証!労働被曝も大問題!

再稼働に向けてどうしてこんなにトラブルが繰り返されるのでしょうか。端的に言えるのは原発が安全面から言って未完成な技術でしかないことです。だからどんなに慎重を期しても繰り返しトラブルが起きる。
その上、それぞれの原発が一度は長く止まっていたため、さまざまな不具合につながる要因をため込んでしまっているのです。
九電の旧瓜生社長がいみじくも言ったように「何が起こるか分からない」のが現状なのです。とてもではありませんが安全など確保されていません。

しかもこうした不具合が起こるたびに放射能漏れが起こり、現場労働者が立ち向かわなければならないのです。そのたびに確実に被曝が起きている。それを「許容範囲だ」とか数値の発表のなしに開き直って稼働を繰り返しています。

こんなもの、もう動かし続けていてはいけません!安全面から言っても。倫理面から言っても!
「トラブル続き被曝続きの原発の運転を止めよ」との声を強めましょう!

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明日に向けて(1569)綾部市議選応援・原子力災害はじめ災害全般への対策・南仏反核サマーキャンプ報告・社会的共通資本勉強会第2回・憲法9条と原発の考察・・・と連続してお話します。ぜひご参加を!

2018年08月23日 22時30分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20180823 22:30)

台風がさきほど徳島に上陸しました。今後、瀬戸内海を渡り、岡山県、兵庫県付近を駆け抜けていくのだと思われます。
またこれに伴って広い範囲で大雨が降りつつあります。どうか最大限の警戒で今宵をお過ごしください。

さて明日より各地でいろいろなお話をします。文字情報でお知らせすると膨大になるのでチラシやイベントページなどをお知らせすることで案内に代えます。
みなさまどうか興味のある場にお越しください。

● 中島ゆうこお話会に参加してスピーチします(24日金午後7時 京都府綾部市)

綾部市で市議選が展開中です。明日は候補の一人、中島ゆうこさんの応援のために綾部に行きます。台風12号が去った翌日に訪れたの続いての訪問です。
イベントページをお知らせしておきます。
https://www.facebook.com/events/485141921896576/

●「原子力災害及び災害全般からの命の守り方」というタイトルでお話します(25日土午後2時 兵庫県篠山市)

篠山市主催の講演会です。篠山市の広報のページをご紹介します。
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/cat3/21.html
チラシも以下からご覧になれます。
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/assets/2018/08/tirasi.pdf

● 南仏反核サマーキャンプの報告を行います(27日月午後6時半 京都市)

京都被爆2世3世の会の月例会にてお話します。今回の反核サマーキャンプは8月6日9日を含んで行われ、僕も原爆についてしっかりとした講演を行って来たのでまずはわが二世三世の会で報告させていただきます。
午後7時から右京区西院のラボール京都にてです。私たちのホームページもご紹介しておきます。
http://aogiri2-3.jp/

● 社会的共通資本勉強会第二回を行います(28日火午後7時 京都市)

社会的共通資本に関する第二回目の勉強会です。今回は宇沢先生が「社会的共通資本」の考え方をまさに至られたときに書かれた名著『自動車の社会的費用』(岩波新書)を取り上げます。BIT CUBE art space(京都市左京区一乗寺中ノ田町26番地2)にてです。
市民がつながる小さな夜間学校「あたりまえの幸せを取り戻すための経済学・社会的共通資本勉強会」が正式タイトルなのですが、これ宇沢先生がとても喜ばれるネーミングです。イベントページを示しておきます。
https://www.facebook.com/events/884428055086499/

● 憲法9条について、平和について、そして原発についてお話します(31日金午後7時 京都市)

原発と憲法9条の話をします。両者のつながりも話します。京都市北区のたかつかさ保育園(京都市北区大将軍坂田町8−1)で午後7時からです。

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明日に向けて(1568)高浜原発4号機から一次冷却水が蒸気となって漏えい!またも再稼働目前で故障が起こった

2018年08月22日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180822 23:30) (0824 22:00一部訂正) (1003 13:00関電発表の数値の誤りを付記)

みなさま。南仏ナルボンヌでの反核サマーキャンプを終え、15日深夜に帰宅しました。
その後、少し休みをいただきつつ、19日にびわこ123キャンプの子ども夏祭りを訪れて子どもたちやスタッフのみなさんと歓談し、翌日20日にショートステイin信楽に移って講演をしてきました。
さらにだんだんにパワーをあげてこの間、学んだことを生かしつつ、頑張っていきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

● また原発で故障事故が起こった!

さてキャンプを終えて再度、日本の現実に向かい合おうとするや否や、再び原発の故障事故が起こりました!
高浜原発4号機における原子炉からの水蒸気漏れです。圧力容器の中から高濃度の一次冷却水が漏れだしてきてしまった事故で極めて深刻です。

どんなものであったのかを見ていきましょう。NHK NWES WEBの8月20日21時35分づけの記事から引用します。
「20日午後3時ごろ、運転再開に向けて原子炉の圧力を上昇させていた関西電力の高浜原発4号機で、原子炉の上蓋にある炉内の温度を計測する温度計を収めている管から微量の蒸気が漏れているのを点検中の作業員が見つけました。
 蒸気漏れは管のふたをとめるパッキンの近くで起きていて、関西電力は午後6時から原子炉の圧力を下げて詳しい調査に入りました。」
「蒸気漏れが起きた管は今回の定期検査で分解してパッキンの交換を行ったということで、関西電力は、今月24日に予定していた4号機の発電と送電を遅らせて詳しく原因を調べることにしています。」

さらに以下の図をご覧ください。関西電力がプレスリリースしたものです。

● 加圧水型原子炉は冷却材を喪失しやすい

この故障事故が深刻なのは、加圧水型原子炉がその名の通り炉内を加圧し、約160気圧にもしているため、一次冷却水の通り道のどこかで「抜け穴」が生じるとそこから一気に冷却材喪失事故が起こりかねない構造を持っているからです。
加圧するのはそのことで水の沸点をあげより高温(300度以上)の熱水を沸騰させることなく蒸気発生器まで運ぶためです。そこで二次冷却水に配管を介して熱を移し、蒸気を発生させてタービンをまわす仕組みなのですが、このことが沸騰水型原子炉に比べても、万が一のときには早くメルトダウンが始まりかねないあり方につながってしまっています。
今回の故障事故に特徴的なことは、当然にもこの部位の危険性を関電も熟知しているため、定期点検でパッキンの交換を行ったはずなのに、まさにその場で漏れ出しが起こっていることです。

原因はまだはっきりしておらず、関電の釈明を待ちたいと思いますが、あるいはこの間、各地の加圧水型原子炉で繰り返してきた一次冷却水ポンプの故障のように構造的欠陥なのかもしれません。
あるいはパッキンの交換の際に人為的ミスを犯していたのかもしれない。
ともあれいずれにせよ、新品に代えていたのにそこから一次冷却水が漏れだしたのは極めて深刻です。

● 実は前日にも故障事故を起こしていた!

今回の故障事故の問題は実はこの蒸気漏れだけにとどまりません。実は前日の19日にもトラブルが起こっていたのです。関電のプレスリリースから抜粋します。
「高浜発電所4号機は、第21回定期検査中のところ、本日8時11分に「タービン動補助給水ポンプ制御油圧低」警報が発信しました。
直ちに現場の状況を確認したところ、床面に約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)が漏れていることを確認したことから、制御油ポンプを停止しました。
このため、同日8時26分に保安規定の運転上の制限を満足していない状態にあると判断するとともに、タービン動補助給水ポンプを待機除外としました。」

高浜発電所4号機の運転上の制限の逸脱について
関西電力 2018年8月19日
http://www.kepco.co.jp/corporate/notice/20180819_1.html

このポンプは通常の給水系統の機能が失われたときに、蒸気発生器に給水を行うためのものですが、そこから制御油が漏れだしてしまったのでした。
実はこれもまだ原因が分かっていません。高浜原発は二日続けて原因不明のトラブルに襲われたのです。

しかもこの発表、数値が誤っています!「約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)」とありますがこれなら20リットルになるはずです。関電は漏れた油の量を10分の1に発表してしまっているのです。あまりにも杜撰です。

● トラブルばかりの再稼働をもうやめるべきだ!

この間、川内でも玄海でも伊方でも、再稼働を前に故障事故が続いてきました。
これらからはっきりしているのは、国と電力会社がとてもではないけれど、原発の安全性を確保などできていないことです。
むしろおっかなびっくり、ばくち打ちのような稼働が続けられています。こんなことを放置していてはならないです。

私たちの命、そして未来の命を守るために「トラブルばかりの再稼働をもうやめよ!」との声を大きくしていきましょう!

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明日に向けて(1567)隠された原爆被害と核をめぐる日本の現状(ナルボンヌ講演から)−2

2018年08月14日 08時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180814 08:30)

ナルボンヌ講演の続きです。

6、大気中核実験は食い止めたけれども“Atoms for peace”に騙された!

もっとも核実験が行われた時期に多くの人々が立ちあがりました。日本では1954年ビキニ環礁で行われた水爆実験で漁船が被曝したことから大きな運動が起こりました。この運動をけん引したのは女性たちでした。東京の魚屋さんのお母さんが呼び掛けた署名運動がまたたく間に広がり、この年の秋までに日本国内でだけで3500万人分も集まりました。これが世界中に広まり、署名は5億人を超えたと言われています。

「魚の汚染を許すな」と叫んだデモが行われ、原水爆実験を批判する「ゴジラ」という映画がヒットしました。

実は私もこのころのことを覚えています。私は1959年の生まれですが、子どものころ母に「雨にあたってはいけない。放射能で頭がはげる」と言われました。母のアドバイスのおかげで、まだ私の頭には髪の毛が残っていますが、ともあれ私の年代は多くがこうした記憶を持っています。日本中の女性たちが子どもたちを守るために奮闘していたのでした。

これにアメリカは大きく追い詰められ、ソ連、イギリスとの間に1963年までに大気中核実験を中止する条約を締結しました。同時にアメリカは“Atoms for peace”と言い出しました。核エネルギーは戦争による殺戮という暗い過去を背負っている。しかしこれからは原子力を平和に使おうというのです。

このもとで原子力発電の普及が叫ばれ始めましたが、残念なことに核実験に反対した日本の人々はこれに騙されてしまいました。その典型は私の尊敬する日本のマンガ作者の手塚治虫さんです。彼は自分のロボットアニメの主人公に「アトム」という名を付けました。彼の妹はウラン。お兄さんはコバルト。放射性物質一家なのです。

あるいはみなさんは日本のアニメの「ドラえもん」をご存じでしょうか。このドラえもんもまた原子炉で動いているとされていて、解剖図巻に原子炉が載っています。ただしここは福島原発事故後に削除されました。

このように広島・長崎の被曝を受けた日本民衆は、核実験には猛烈に反対したけれども“Atoms for peace”にはすっかり騙されてしまったのです。この時も低線量内部被曝の危険性があまりに低く評価されていたことが大きな要因をなしました。

実はこれはアメリカが狙ったことでした。アメリカはヒバクシャがたくさんいる日本でこそ、“Atoms for peace”が浸透し、原子力発電所が増えることをのぞみ、そのことで核戦略の生き残りを図りました。日本民衆はすっかり騙され国内に50基以上の原発が作られてしまいました。 

7、福島原発事故後の被曝被害

この状況が大きく変わったのは2011年の福島原発事故によってでした。それまでチェルノブイリ原発事故後の数年をのぞいて日本の原発反対運動は停滞していました。しかし福島事故後に大きな運動が起こっています。

この原因の一つは被曝の深刻な影響があちこちで出たことです。その一例として東京小平市で内科医院を開いていた三田茂医師の調査をご紹介します。三田医師は放射線を扱う業務に携わる人が「電離放射線検診」を受けてきたことに着目しました。放射線を浴びると白血球の数が減るからです。三田さんはこの検査を東京の子どもたち3000人に試みました。すると白血球の中の好中球に端的な変化が出ていました。

一例を示します。三田さんの住んでいた東京の小平市(都心から西より)では2011年から2012年まではそれほどの影響が出ていませんでしたが、このころから都心である東京の東側、東京オリンピックの会場になる地帯では子どもたちの好中球が大きく平均を下回ってしまいました。

中には好中球がゼロになってしまった子どももいました。三田さんは命の危機を感じ、お母さんに西日本への移住を勧め、母子での即座の移住が実現されました。すると好中球の値はV字回復しました。

三田さんはさらにたくさんの福島原発事故による新しい被爆者の治療を進める中で、被曝によってホルモンバランスの異常が起こり、免疫力が落ち、さまざまな能力が減退する「能力減退症」が起きることを突き止め、「新ヒバクシャの能力減退症」という論文を書きました。英文のペーパーもあります。私が属するグループのホームページにリンクを貼り付けますので興味のある方はお読み下さい。なお三田さんは東京に住んでいる危険性を感じ、自ら西日本の岡山県に避難移住されています。

もちろん三田さんの見解を日本の医学界はまったく受け付けていません。アメリカが作った放射線防護学の影響が強いからです。このため革新政党を含めて日本のどの政党も福島原発事故当初から今日まで、広域避難を呼びかけたことがありません。いまも原発に反対している人々の中ですら被曝に関する評価は大きく分かれています。

しかし「何か深刻なことが東日本で起こっている」という実感を持っている人々はどんどん増えていて、その力もあって日本ではこれまでなかったような持続的な原発反対運動が継続されています。

8、 全国で毎週金曜日にデモが行われている

とくに福島原発事故以降になかったことが全国各地で毎週金曜日に原発反対行動が取り組まれていることです。中心になったのは東京の首相官邸前のデモでピーク時には20万人が集まりました。今でも毎週、数千人が集っています。その後、各地にこのデモが広がりだし、東京に集まるだけでなく、全国の主要な鉄道に駅や電力会社の本店・支店前などでの行動が行われていて、その多くがいま300回を越えています。

ここにお見せするのはドイツ・デーベルンで行われた反核サマーキャンプのときに250回を越えた西日本の姫路市の前の金曜行動です。あれから1年経ってこの行動も最近300回を越えました。私が住んでいる京都市でも同様の行動が続けられています。京都駅のすぐ近くにある関西電力京都支店前に毎週100人ほどが集まり、多い時には何倍かになります。私もときどき参加しています。 

9、核の灯を消すために

このような私たちと世界のみなさんの行動により、いま原発産業は大きく後退しています。私たちのデモへの対応から規制当局がどこでも基準を上げざるを得なくなり、新規原発建設コストが倍になり、採算が合わない事態が続出しているからです。

その中で日本の原発メーカーの東芝が瓦解しました。フランスでもアレバが瓦解を深めています。そのアレバと日本の三菱がトルコ・シノップに原発を作ろうとしていますが、やはりコストが倍になって可能性が狭まり、日本の総合商社の伊藤忠が撤退しました。これはトルコのみなさんの熱い努力の成果です。

私たちは全世界で原発産業を追い詰めつつあります。しかしいまなお多くの国が核兵器をもち、被曝被害を軽く扱い続けています。そのもとでチェルノブイリや福島のヒバクシャは正しく扱われていません。

私たちはこの状態を変える必要があります。そのための一環として私は今回日本から始められている「ヒバクシャ国際署名」を持ってきました。まだ翻訳がないものはぜひ今日、ここに集まったみなさんで行っていただき、ともに全世界にこれを広めたいです。これも一つの手段としながら核の灯を止めましょう。今日、広島原爆投下73年目の日にみなさんとこの決意を共にしたいと思います。ありがとうございました。

終わり

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明日に向けて(1566)隠された原爆被害と核をめぐる日本の現状(ナルボンヌ講演から)−1

2018年08月14日 08時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180814 08:00 バルセロナ時間)

バルセロナのホテルからです。みなさま、いよいよ今回の旅の最終日を迎えました。一昨日の夜にナルボンヌから列車でバルセロナに移動し、一日を経て、今日、帰国の旅につきます。上海経由で明日15日の遅い時間に帰り着きます。

旅の報告の最後に、8月6日に今回のキャンプで行われたすべてのプレゼンのトップを飾ってお話させていだいた僕のスピーチの日本語原稿をお届けします。長いので2回に分けます。どうかお読みください。

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隠された原爆被害と核をめぐる日本の現状

私は日本の京都市在住のジャーナリストです。私の父は広島原爆のサバイバーの一人です。母は東京大空襲のサバイバーの一人です。そのため私は戦争と核兵器、核エネルギーが大嫌いです。そのため私は福島原発事故以降、人々を放射線から守るために奔走してきました。

1、広島・長崎原爆を振り返る

1945年8月6日、いまから73年前の朝8時15分、アメリカ軍が原子爆弾を広島に落としました。この攻撃で推定14万人の人々が1945年12月末までに殺されました。9日には長崎にも原爆が落とされました。やはり1945年末までに約7万4千人が殺されました。

被爆者はその後もさまざまな病で命を落としてきました。殺された総数はもっとずっと多いのです。しかもこの時、爆心地に最もたくさんいたのは子どもたちでした。死亡数と年齢を示したグラフには広島では13歳の子どもたちが最も殺されたことが分かります。

原爆はこの点だけからも無差別大量殺人であり戦争犯罪です。アメリカは謝罪すべきです。私はこのことを集まったみなさんと一緒に確認したい。アメリカの植民地政府である日本政府は一度も謝罪を要求していませんが、私は謝罪を求め続けます。 

2、原爆投下は人体実験だった。戦争犯罪だ!

みなさん。なぜ原爆は2個落とされたのか、理由をご存じですか?答えはアメリカが二つのタイプの原爆を作ったからです。一つは濃縮ウランで作った原爆、広島に落とされました。もう一つはプルトニウムで作った原爆、長崎に落とされました。アメリカは二つの計画を同時に走らせました。どちらがより有効か試す必要があったのです。その結果、二つのタイプができたのでどうしても二つ、落としたかったのです。

さらに広島への8時15分という投下時間に重い意味があります。この時間は広島の人々の通勤時間で、この時、広島市近郊からも中心部に人が集まってきていました。

しかも移動中だったので広島市内で最も多くの人々が建物の外にいました。アメリカ軍は投下前にたくさんの偵察機を飛ばして写真を撮り、この時間を割り出したのです。できるだけたくさんの人々に放射線と熱線と爆風を浴びせかけるためです。投下が夜中だったら被害はもっとずっと少なかったでしょう。

このことを昨年、日本のNHKがドキュメントで初めて可視化しました。当日の55万7千人の行動データをCGで再現したのです。これをみなさんにお見せします。青い線が広島市の郊外からも中心部に集まってきていることが分かります。アメリカはこのように人々が一番多い時を狙って原爆を落としたのでした。

アメリカの原爆投下は明らかに人体実験でした。そもそも当時、日本軍の主力は壊滅状態で交戦能力もありませんでした。にもかかわらずアメリカは戦争をあえて続行し、原爆による人体実験を行ったのでした。

3、広島・長崎の被害報道をもみ消し、禁止したアメリカ

さて今日、みなさんとシェアしたい大きなポイントはさらにその次にあります。こうして行われた原爆投下による人体への影響、被曝による被害の実態がアメリカ軍によってかなり低く見積もられてきたという事実です。

原爆が投下され、15日に日本が降伏した後に、アメリカとイギリスの新聞記者が広島潜行ルポを行いました。『ニューヨーク・タイムズ』は「原子爆弾は、いまだに日に100人の割合で殺している」と、ロンドンの『デイリー・エクスプレス』は「広島では・・・人々は『原爆病』としか言いようのない未知の理由によって、いまだに不可解かつ悲惨にも亡くなり続けている」と書きました。1945年9月5日のことでした。

これに対してアメリカ軍はすぐにマンハッタン計画副責任者ファーレル准将に東京で記者会見させ、9月6日に「死すべき人は死んでしまい、九月上旬において、原爆で苦しんでいる者は皆無だ」と発表しました。実際には死者が続出していたのにです。

さらに1945年9月19日にはプレスコードによって原爆報道を全面的に禁止。すべての記者を追い出し「原爆被害の全資料を占領軍の管轄下におく」と声明しました。

アメリカが恐れたのは放射線被曝の大きな危険性が被爆地から世界に伝わることでした。そもそも被曝の危険性は1927年に生物学者のH・Jマラーが、ショウジョウバエに放射線を当てると遺伝子を傷つけ、次世代へ著しい影響が起きることを証明したことで知られていました。このため遺伝学者などから激しい批判が台頭し、ヨーロッパを中心に核兵器反対運動が起こりました。

アメリカは核兵器の精度をあげるための大気圏内核実験を繰り返していたため、科学者たちの声をおさえないと核戦略が維持できませんでした。そのため広島・長崎から報道陣を追い出し、厳重な支配下で都合のいい被曝被害調査を始めたのでした。

4、被曝影響を小さく見せるテクニック=内部被曝の無視

アメリカによる被曝被害隠しのテクニックはシンプルでした。被曝の影響を初期放射線(Initial radiation)だけに限ったのです。初期放射線とは原子爆弾が爆発した時に出た放射線のことで、主に中性子線とガンマ線です。身体の外からあたるので「外部被曝」と呼ばれます。アメリカは初期放射線の被害は爆心地から半径2キロ以内に限られていたと主張し、その外にいた人々の調査をあえてしませんでした。

しかし実際には人々は原爆が作りだした広範な死の灰によっても激しく被曝していました。原爆が作りだした原子雲は放射性物質の塊で、半径2キロ以内どころか、数十キロの地域の下に放射性物質を降らせました。人々はこれを身体の内側に取り込み、内部被曝をしましたが、アメリカはこの被害を一切、カウントしませんでした。

こうしてアメリカは内部被曝の影響をほとんど無視した「放射線防護学」を作りだしました。被爆者に対する嘘の調査を基礎データとしていました。今日、ICRPが出している勧告もこの虚構の上に作られています。

5、 内部被曝の影響を隠したままアメリカは核実験を繰り返した

アメリカは内部被曝隠しを行ったのは核戦略を守るためでした。アメリカは旧ソ連と核実験競争を繰り返したので放射線被曝の危険性を知られたくなかったのでした。

アメリカとソ連は戦後直後から大気圏内核実験を共に禁止した1963年までそれぞれ215回、219回も大気圏内核爆発を行い、たくさんの放射能を世界にばらまきました。イギリスもこの禁止条約に加わりましたが、それまで21回の大気圏内核実験を行いました。

フランスは1963年後も大気圏内核実験を続け、50回も放射能を世界に撒きました。中国も22回も大気圏内核実験を繰り返しました。

 

こうして作りだされた放射能の雲は日本、ヨーロッパやユーラシア大陸、アメリカ本土をも覆いました。放射能はあらゆる地域で命を被曝させました。

しかし残念ながら今日にいたるも世界中の多くの人々がこうした内部被曝の影響をほとんど無視した「放射線防護学」に騙されたままです。世界中が深刻な被曝をうけたことが隠され続けています。だから今日、私はこう言いたいのです。被爆者とは誰なのか。被爆2世3世とは誰か。それは私だけでなくここにいるみなさん全体なのだと。私たちはこれへの怒りを胸に核の灯を無くすために努力する必要があります。 

続く

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明日に向けて(1565)マルベジのウラン工場に対して立ち上がった人々と共に過ごして

2018年08月13日 09時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180810 18:30 ナルボンヌ時間)

 
キャンプが終了しました!いま僕はバルセロナのホテルにいます。
少しだけバルセロナを見学して明日の朝、日本に向けて飛びたちますが、その前にまだキャンプの報告を続けたいと思います。
 
わが友エルヴィと共に 
 
今回のキャンプ、ナルボンヌやすぐ近くのモンペリエのローカルグループが大きな支えとなってくれました。もちろん参加者数も一番多かったと思います。
その中心を担っているのはエルヴィさん。ニュークリア・ヘリテージ・ネットワークの一員でもあり、長い期間、準備のためのSkype会議を共にしてきた仲間です。
一緒に撮った写真をご紹介します!

 
 
ちなみにフランス語ではエルヴィとなる彼の名前の綴りはHerve。これを他の国の仲間はハーヴィと呼びます。本人に聞いてみたらアイルランドに由来する名前だそうで英語圏ではハーヴィと読むのが普通なのだとか。「僕はどっちでも呼ばれてもいいんだ」と言うので「でもエルヴィの方が良くない?」と聞いたら「うん」というのでそれからはエルヴィと呼び続けています。
 
そのエルヴィさん。まるで優しさが服を着て歩いてるような性格。それもあってかいろんなことが「エルヴィ、お願い」「エルヴィ、頼むよ」と持ちかけられます。
「みんな毎日、エルヴィはどこだと言っていて僕は寝る時間がないよ」とニコニコと笑ってました。
 
福島原発事故直後にマルベジのウラン転換工場前に人々が集った
 
さてそのエルヴィさんが住んでいるナルボンヌには、マルベジというところにオラノ社(旧アレバ社)のウラン転換工場があります。ナルボンヌ中心街から3キロのところです。いわゆるウランのイエローケーキ(ウラン鉱石の濃縮物)の精製工場で、原発の燃料であり、核兵器製造の出発点でもあるウラン燃料製造の一部を担っています。ここからは放射性物質であるとともに重金属としての被害ももたらすウランをはじめさまざまな汚染物質が出ています。
 
地域の人々はかなり前からこの工場の存在を知っていたけれどもとくに主立った行動をしたことはなかった。フランスは核兵器を持っている国であり、なおかつそれを国家の威厳の1つとしているので核産業に対する声は上げにくいのです。
ところが福島原発事故が起こった時に、マルベジ周辺の人々が「自分たちも核に反対する何かの行動をしなければいけないのではないか」と考え、その一人が「とりあえずマルベジの工場の前に集まろう」と提案した。確か事故から10日以内のことでした。
 
そうしたらみんなの想像を超えて地域の70人ぐらいの人々が集まった。「これならもっと何かできる」と人々が考え出し、次なる行動を目指したのですが、なんと一気に飛躍して「核物質の運搬を阻止しよう」という話になりました。
方法はシンプル。警察のバイクの先導のもと、核物質を積んで工場から出て来たトラックを近くの交差点で待ち伏せ。トラックが止まると近くの草むらからワラワラと人が出て来て車の前でダイイン。それで数時間、輸送を停めてしまったのでした。
 
するとなんとダメージを受けた会社側が車での輸送をやめ、貨車輸送に切り替えてしまいました。そしたら今度は人々は路線上に櫓のようなものを作り、やはり数時間にわたって列車をとめてしまったのです。
その後、ナルボンヌの市庁舎をバタフライの形で囲む抗議行動を提案すると、町の中から、近郊から、どんどん人が集って来てなんと数万人になってしまった。
 
この話はエルヴィさんによる昨年7月のドイツ・デーベルンでの反核サマーキャンプでのプレゼンで知りました。阻止行動のビデオもありました。その後にエルヴィさんと話すと「フランスの人々は福島原発事故で変わっただよ。やっと大きく声を上げ始めたんだ」と語ってくれました。僕も「日本もそうだよ。いやきっと世界が変わりつつあるんだよ」とお答えしました。
 
工場見学の際、女性たちが泣き出した
 
そんないきさつの中ででは「次はこの行動をみんなで応援しよう」という思いもあってここでの開催が決まり、エルヴィさんが地元グループに頼み込んでくださったのですが、それで今回はみんなでこの工場の見学にも行きました。少し離れた小高い丘に旗を先頭にみんなで上り、工場や裏手にある汚染水のたまり場などを見学しました。
膨大な汚染水がきれいな大地を浸食するように広がっていてなんとも心が痛くなる光景でした。
写真は旗を掲げるベルギーの仲間と工場の廃液プールです。
 
 
一通りの説明を受けて引き上げようとした時に、池田上人がお太鼓を叩きながら「南無妙法蓮華経」を唱え始めました。僕も唱和しました。上人はそうやって行く先々が平和になることを祈って「南無妙法蓮華経」を唱えられてるのですが、いつもその場にいる人々の心を揺り動かします。
このときも南仏在住の女性がにわかに泣き出しました。「私はこの工場があることが辛いの。悲しいの。ずっと心の痛みなの」と語られました。
 
そばにいたネイティブ・アメリカンのレオナさんがすぐさま彼女を抱きかかえました。レオナさんたちもずっとウラン鉱山に苦しめられ続けているのです。やがてレオナさんの目からも涙が落ち始めました。
そのかたわらで上人と僕は「南無妙法蓮華経」を唱え続けました。
写真は池田上人と僕、プナールさん、ドイツからの仲間、レオナさんです。
 
 
そんなことがあって最後の方から丘を下っていくと、車を止めた付近で何か人々がワーワーもめている。何かと思ったら5人の警察官たちの姿が見えました。出口も警察の車で封鎖されている。マルベジの工場を警備している警官たちのよう。さあ、どうなってしまうのでしょう‥。
 
続く
 
*****
 
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明日に向けて(1564)世界の人々と話していると核問題が共通の課題であることが強く見えてくる!−2

2018年08月11日 09時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)
守田です(20180811 09:30)
 
● アメリカ(ニューメキシコ)の友は原爆投下を謝罪してくれた
 
このほかの参加者はアメリカのニューメキシコ州から今回も参加して来たレオナ・モーガンさんといつも行動を共にしているアイリーンさん。2人は今日の夕方に「ニュークリア・コロニアリズム」と題した講演を行います。
レオナさんは実は兵庫県篠山市に僕を誘ってくれた玉山ともよさんと親しい仲。僕とも合うたびに互いの信頼関係を深めてくることが出来ました。
今回は日本からのグループの半分が去る日に「ぜひみなさんとお祈りの場をもちたい」とナバホ(ディネ)の伝統的な祈りを共にしてくれ、さらに原爆投下に対するアメリカ人としての謝罪を語ってくれました。
僕は「とても嬉しいけれど、でも一番最初のヒバクシャはディネの人々だよ」と語りました。
考えてみればこれは僕が「アメリカ人」からきちんとした謝罪の言葉を丁寧に受け取った初めての体験になると思います。それがインディアンのレオナであることに深い意味を感じました。
 
● いつも行動を共にしてきたトルコの仲間と再会!
 
トルコからはやはり前回に続いてプナール・デミルジャンさんが参加して、トルコの反核運動の現状を話してくれました。プナールさんとはトルコでの講演の旅を4回、さらにポーランド、ドイツ、パリ、ナルボンヌと4回の国際会議、それに加えて東京での行動をともにしてきたことになります。僕がもっとも強い国際的な連帯を作り出してこれている心強い仲間です。
トルコの状況はいまとても厳しい。政府に逆らう人々が次々とまったく不当に逮捕されています。毎年4月にシノップで行われているチェルノブイリの日の大きな集会も、なんと前日に中止になりました。
そんな中でもプナールさんはすべての生き物の命に襲いかかる原発に反対し続けています。プナールさんの深い基づいた行動です。
トルコでのすべての原発建設を停めるため、これからも彼女と一緒に頑張り続けたいです。
 
● スペインの女性たちが「エコフェミニズム」を提起!
 
スペインからはヨランダ・ピカソさんともう一人が参加しました。2人とも女性です。
スペインの方たちはポルトガルの方たちとMIAという組織を作っています。
2人は昨日、講演しましたが、タイトルは「反核運動に対するエコ・フェミニズムからの視点」でした。
彼女達が強調したのは、自分たちの国でもヨーロッパの多くの国でも政治の中心は男性達が牛耳っていること。とくに核産業は社長が男性ばかりなこと。それどころか反核などの社会運動でもしばしば男性たちが中心になって女性たちが脇に追いやられていることでした。この状態を変えないと核の問題も解決できないということです。
2人の発話後に「ぜひ参加者全員の声を聞きたい」とのことで、それぞれが一言ずつ話しました。僕は日本軍性奴隷問題に関わって来ていることを紹介し、「核兵器や核エネルギーは暴力と差別の象徴だと思う。だから今日はこの場に参加できてとても嬉しい!」とコメントしました。
 
● 各国からの話を聴いていると核の問題は世界の共通の問題であることが見えてくる
 
このほか今回はベルギーのレオさんも参加されました。ベルギーはドイツ・フランス・オランダなどと国境を接していて国境付近に原発があります。これはベルギーに限ったことではなく、ヨーロッパの国々はどこもより国境地帯に多くの核施設を建てています。
しかしこのことは国境をとっぱらってしまうと多くの原発がヨーロッパの都市と都市の真ん中にあることが見えて来ます。ベルギーの方の話を聴いていて、どの国の原発の問題も自分たちの問題だということがストレートに見えて来ました。
 
インドからもパリの反核社会フォーラムに参加した女性が参加してくれました。でも前回参加し、パリでの今回のサマーキャンプに向けた準備会にも参加していたクマール・スンダラムさんが残念ながら不参加。どうも何人かと一緒に来ようとしていたのにビザが下りなかったらしい。詳しいことはよく分からないのですが。。。
 
ロシアからも前回に続いてアンドレさんが参加されました。残念ながら彼の講演は聞き逃したのですが、そのアンドレさんも参加する放射性廃棄物に関する国際セッションがかなり面白かったです。
レオナさんがコーディネートし、フランス人の女性、ドイツ人のファルクさんと放射性廃棄物問題に取り組んで来たヘニングさん、そしてロシア人のアンドレさんとアメリカ人のアイリーンさんが並び、さらにベルギーのレオさんが並びました。
ポイントだけ書くと、結局、廃棄物問題はどの国もまともな解決の方途などなく走って来てしまっている。ばかげたことが続いているのです。
ロシア人のアンドレさんが「ロシアは原発だけでなく核兵器まで持っているからそれだけ廃棄物も汚染も多い」と語り、となりに居合わせたアメリカ人のアイリーンさんと目が合って2人で「まったくう」というポーズをされたことが印象的でした。
 
この他の参加者としてはラテンアメリカの方、ペルーの女性とあとひとりはどの国の方でしょうか。また他の国からの参加者で僕が把握してない方もいるかと思います。
ともあれこんな感じで約10の国からの参加者が集って、たくさんのセッションを実現してきています。
 
キャンプはいよいよ大詰めで、明日の午前中の全体の振り返りで終わりますが、最後まで集中してプレゼンに参加し、たくさんのことをさらに学び、たくさんの方と結びつきたと思います。
 
続く
 
*****
 
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明日に向けて(1563)世界の人々と話していると核問題が共通の課題であることが強く見えてくる!−1

2018年08月11日 08時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180810 18:30 ナルボンヌ時間)

キャンプ6日目を迎えています。最終日の一日前です。
ここまで僕の講演や沖縄から参加の吉井さんの講演、そして日本から来たみなさんのパフォーマンス、映画上映などが次々実現してきました。また世界各国から来た仲間たちが次々と講演を行い、それぞれの問題意識を披露してくれています。
 
一昨日撮った集合写真をお見せします。日本からの参加者も入っています。僕はブルーフラッグを掲げたのですが、この写真では隣の人の手に隠れてしまった。「守田を探せ」に挑戦してみてください(笑)
 
 
● フランスの人たちを中心に約100人が参加!
 
参加者は総数では100人を超えたでしょうか。多い時で70人ぐらいがいたと思います。
中心を担っているのはやはりフランス人たち。それも地元ナルボンヌや近郊のモンペリエの人たちが多い。もちろんフランス各地で原発問題に取り組んできた方たちも集っています。地元も方たちのことはまた次回にお話しします。
 
それ以外の方で一例をあげると福島原発事故後、放射線測定などで福島に多大な貢献をしてくれた科学者と市民の組織CRIIRADに属するブルーノ・クレイヨンさんが参加して下さいました。僕の声かけに応じてくださったのです。作年11月の反核世界社会フォーラムinパリで出会ってからのことで、その後、日本の測定所の連帯組織である「みんなのデータサイト」の方とつなぐこともできました。
彼らは放射線測定の技術・資材をたくさん持っていて、緊急時の福島に高価な測定器をぼんぼん送ってくれ、さらに日本人をフランスに招き、10日間の講習までしてくれたのでした。今回もここナルボンヌのマルベジにあるウラン工場の危険性や、放射性物質を輸送する際の周辺に与えている危険性を、実際に運搬車や貨車に測定器をあてた結果を示しながら語ってくれました。
 
他にはビューレという場で核廃棄物処分場建設に反対し、ラディカルな行動を続けている方たちが報告に来てくれました。「ビューレの抵抗」という30分のビデオを持って来てみせてくれましたが、人々は建設予定地にある森を守ろうと森の中やさらには木の上に小屋を作り、そこに陣取って頑張っている。
時には警官隊と衝突し、ガス銃をうたれたり、放水車で水を撒かれたりというシーンもありましたが、果敢な抵抗をしていました。みなさん、誇らし気にこの報告をされていました。

● ニュークリア・ヘリテージ・ネットワークとは何かを説明
 
他の国からの参加者で多めなのはドイツ人たち。ニュークリア・ヘリテージ・ネットワークをたちあげたファルク・バイヤーさんももちろん参加しています。
彼はこの運動を2000年代の初めの頃から始めて来ました。おもにヨーロッパでの核廃棄物問題を中心に、フィンランドやバルト海周辺での積極的なアクションにも参加し、その後にだんだんと活動を拡大して、昨年は7月にデーベルンで反核サマーキャンプを行い、11月パリの反核世界社会フォーラムへのネットワークとしての参加を経て、今回のキャンプを組織してきました。「現在34カ国の方が参加しています」と各国の名を映し出しながら語ると、吉井さんの夫でベトナム人のチャンさんが「ここにベトナム人もいるぞ!」と発言。参加者は35カ国になりました。

ファルクさんが強調したのは私たちのこのネットワークは特定のリーダーや中心組織を行いネットワークであること。誰もが同じ立場で参加していくものであること。そこで核問題に関する様々な知識や行動に関する情報などを交換し合い、それぞれの現場への手助けになることを目指しています。僕もこの主旨のもとにこのネットワークに参加しています。
 
続く
 
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明日に向けて(1562)反核サマーキャンプ(ナルボンヌ)で原爆被害の真実を伝えました!

2018年08月09日 16時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180809 16:00 ナルボンヌ時間)

連投をお許しください。
 
● 原爆と被爆の真実を伝える
 
前回の続きです。日本からの参加者による素晴しい奉納の時間を受けて、次に設定されたのが僕の講演でした。今回のキャンプのオープニングのプレゼンでした。タイトルは「隠された原爆被害と核をめぐる日本の現状」で、僕が語ったのは1つに「原爆と被爆」の真実でした。
ここで「原爆」と「被爆」をあえて分けるのは、まずは原爆投下が広島においては人々が通勤ラッシュで広島市内に最も集まり、なおかつ建物の外にいる時間を狙って投下したことを各国のみなさんに伝えたからです。
 
原爆投下は人体実験でした。原爆投下そのものが許しがたい戦争犯罪ですが、さらに効果を最大限にし、できるだけたくさんの人々を殺し、苦しめ、その「成果」を図ることを狙ったのが8時15分の投下だったのでした。
長崎へは当初の投下目標の小倉を断念したたため時間が11時02分となりましたが、しかし人体実験としての犯罪性は少しも変わりませんでした。
 
同時にきちんと伝えたのが隠された「被爆」ないし「被曝」の真実でした。
原爆の被害はアメリカによって極めて小さく切り縮められました。核戦略を維持し、核実験を続けるためでした。
テクニックは極めてシンプルで、被曝を外部被曝に限定し、内部被曝を無視することでした。それが現代の放射線防護学の基礎にもなっています。
 
その上で、つまり世界を騙した上で米ソ、そしてイギリス・フランス・中国が繰り返したのが核実験でした。このため大気圏内核実験などで繰り返し世界中の人々が被曝させられました。だから「ヒバクシャとは誰なのか」と言えば、みなさんすべてなのです。この話に多くの参加者が首を立てに振って共感の思いを伝えながら聞き入ってくださいました。
 
● 日本の人々はかつて騙されたけれども、いま覚醒をはじめた!
 
その後に話したのは日本の人々が原発に騙された歴史と福島原発事故後の反原発・脱原発運動の高まりでした。
核実験に対して私たちの先達はビキニ環礁での第五福竜丸の被曝を契機に大きな運動を起こしました。中心になったのは女性たち、母親たちでした。この流れの中で第1回の「母親大会」も開かれ、その動きが世界に広がって1963年までに米ソとイギリスが大気中核実験の実施を断念しました。
 
しかし核戦略の生き残りを図ったアメリカは"Atoms for Peace”と言い出しました。「原子力の平和利用」です。残念ながら私たちの先達はこれに騙されてしまった。そして総数で59基もの原子炉が作られてしまったのでした。この悔しい歴史を、いずれも原子炉で動いていると想定された「鉄腕アトム」や「ドラえもん」などを示しながら話ました。
 
しかしこの関係性がついに大転換したのが福島原発事故後の民衆の立ち上がりでした。これを促進したのは多くの人々が被曝を実感したからでした。政府は安全宣言をしているけれど被害は東京でもたくさん確認されています。
今回はこのことを三田茂医師の取組みを紹介する中で語りました。三田さんが年頭に出された論文「新ヒバクシャに能力減退症が始まっている」を細かく紹介しました。
 
こうしたことを背景にしつつ各地でデモが起こり出し、やがて首相官邸前に20万人が集まり、それが各地に広がって金曜行動が取り組まれ、いまや各地で300回を迎えています。
これを播磨の方達の関西電力姫路支店前の行動などを例に語りました。というのは昨年7月のドイツ・デーベルンでの反核サマーキャンプに参加した時、ちょうど播磨の行動が250回目を迎えて、紹介したからでした。「あれから一年、このデモは300回目を迎えました」と二つの行動の写真を示して語ると共感の声が起きました。
 
● 原発メーカーの瓦解は止まらない。いま大事なのは被曝の真実をさらに明らかにしシェアすること
 
最後にこうした私たちや世界の人々の努力のもとで東芝、そしてアレバなど原発メーカーが疲弊しきって崩壊局面にあること、もはやこの流れは止まらないことを明らかにしました。
しかしまだ残っているのは放射線被曝に対する過小評価です。このことと核兵器の存在がリンクしており、これがチェルノブイリや福島のヒバクシャ、さらにはウラン鉱を掘らされて来た各地のヒバクシャの被害の過小評価がリンクしています。
 
この現状をともに変えなくてはいけない!それでこそ本当の平和をつかみろとう!
そのために民衆に力を!Power to the People!
と話を締めくくりました。
 
これまで海外に出て十分には出来なかった被曝被害の実相についての説明を行えたと思います。
 
次回からこの発表原稿をみなさんに紹介します。
また新しく作ったホームページに日本語原稿、英文原稿、スライドなども載せ、参加者に振り返ってもらったり、新たな方に紹介してもらったりするつもりです。
 
続く
 
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明日に向けて(1561)ナルボンヌで原爆犠牲者への祈りを捧げ、平和への思いを共にしました!

2018年08月09日 15時37分10秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20180809 08:30 ナルボンヌ時間)

みなさま。今日は長崎原爆投下の日です。
慎んで犠牲になった方々の霊に哀悼の意を捧げたいと思います。
同時に核の火をこの世界から無くして行く決意をあらためて明らかにしたいと思います。
 
日本から来られた多彩な方と一緒にキャンプに参加
 
8月4日にいろいろなことを経てナルボンヌに辿り着きました。
5日の午前中はキャンプ地設営を少し手伝ってからこの日から数日の予定で借りたホテルに移動、そこで今回キャンプに参加して下さる日本からの参加者の方々と合流しました。といっても一人はフランス人高校生のエリザさん。日本留学中にキャンプのことを知り、ちょうど夏休みで帰国するからと参加してくれました。
 
日本から駆けつけてくださったのはプロフラダンサーのAyumi Kekamalkamalukoaさん、映画『ホピの預言』を携えてきてすでにポーランドで素晴しいフェスティバルのもとでの上映会を実現してきた辰巳玲子さん、シュタイナー学校の校長先生を32年務められ、やはりオイリュトミーという素晴しいダンスを踊られるはたりえさん、針灸師であると同時に「たんぽぽ舎」の一員として反原発運動を担われきた坊理可さん、日本山妙法寺の池田寛信上人です。もちろん上人はお太鼓をお持ちです。
さらに6日には沖縄大学の吉井美知子さんと夫でベトナム人のチャン・ヴァイ・ソイさんが加わり私たちの参加者は9人になりました。
 
8月6日、原爆犠牲者の霊に奉納の祈りと舞を捧げました!
 
その私たちグループから6日に大事な催しをみなさんに提供することができました。
1つは原爆犠牲者の霊に奉納するパフォーマンスです。
まずは池田上人が登場。祭壇を作りお太鼓とともに「南無妙法蓮華経」を唱えました。僕も唱和しました。続いて上人が妙法蓮華経の一説を奉納してくださいました。
続いてAyumi Kekamalkamalukoaさんが神に捧げる古典フラを披露してくださいました。祭壇の前に座り、力強く太い声で歌いながら上半身を右に左にと揺らしながら踊りを奉納してくださり、続いて私たちが見慣れている現代フラも披露してくださいました。
さらに、はたりえさんがオイリュトミーというダンスをクラシックミュージック、バイオリンに合わせて踊られ、奉納してくださいました。なにもかも包み込むような踊りで三人のパフォーマンスを締めて下さいました。
 
最初と最後に三人をキャンプに誘ってくださった辰巳玲子さんが英語で説明を行い、これをエリザさんが適宜フランス語に通訳してくれました。
全体で40分あまりでしょうか。参加してくださったみなさんが一様に「奉納」の輪の中に入って下さり、ヒバクシャに強い思いを寄せてくださっていることが分かりました。中には涙を流されている方も。みんなで被爆の痛みを分かち合い、苦しんだ方々に思いを寄せ、そしてただひたすら平和を願う気持ちを作り出すことができたのではと思います。このパフォーマンスが今回の反核サマーキャンプ2018のオープニングとなりました。
 
続く
 
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