明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(308)人の悪意とどう向き合うのか。(続荒木田さんへのコメント)・・・除染に参加して(5)

2011年10月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111031 23:30)

明日に向けて(306)に続いて、荒木田さんの文章へのコメントを掲載
させていただきます。同時に、私たちの行っている除染活動へのコメ
ントも掲載します。

一つ一つにコメントを返せなくて申し訳ないですが、栃木県北部で
非常に高い線量の中にいながら、食べていくために移動できないとい
うセキノヨシヒサさんの痛み、みなさんでシェアしていきたいです。

またそうした現状を変えるために、こおりやまで行われてきた「ふく
しま集団疎開裁判」を担っている方からの無念のご報告もあります。
これも、どうかお読みください。

一方で「風来坊」さんの「怒り」というコメントについて、ここに
掲載するかどうか悩みました。

「荒木田さんに心無い暴言を吐いてくる連中の顔面を、本当に思いっ
きり殴りつけてやりたい。放射能の危険について話すことをあたかも
悪いことのような「空気」を醸成して、知識のある人々を黙らせよう
とする者たちも、地獄の底へ蹴り落としてやりたい。本当に死んでし
まえばいいとさえ思います。」

という文章があるからです。ここでの風来坊さんの怒りはとてもよく
分かるし、僕の呼びかけに応えて、荒木田さんを守ろうとして出して
下さった言葉でもあるので、その点はありがたいと思っています。
またセキノさんの痛みや、こおりやまでの裁判のことを思う時、僕の
中でも怒りはどんどん高まるばかりです。

だからやはり掲載しようと思ったのですが、それでも、やはり、「地獄
の底へ蹴り落としてやりたい、本当に死んでしまえばいいとさえ思う」
のは、僕には何か悲しいと思えるし、何かを言わずにはおれない気が
しました。


理由は二つあります。

一つに、「放射能の危険について話すことをあたかも悪いことのような
空気を醸成して」いる人たちも、大きくは三つに分かれると思うのです。
一つは政府サイドに立って、意図的にこうした言説をあおっている人た
ちで、こうした人たちにはただただ腹が立ちますが、もう一つは、政府
の言説を信じ込んでしまって、本当に、放射能については危険が少なく、
危機を強調することの方がよくないと思っている人たちもいます。さら
には心の中ではかなり不安を持っているけれども、それを打ち消したく
て、そうた話を聞きたくないと思っている人たちもいる。

この二つ目、三つ目の間にいる方もたくさんおられると思うのですが、
そうした方たちに対しては、ねばり強い説得を続けていきたいと思うの
です。そして一緒になって放射線防護のために努力を重ねたい。


さらにもう一つ。確かに怒りはとても大切なことで、人々を「地獄の苦
しみ」に追いやっている政府や東電を許してはいけないと思います。
その点で、私たちの国の民は、もっと怒りの声を高めないといけないと
思う。

しかし僕はそこから「報復」の感情に自分たちが入ってしまうことを
戒めたいと思うのです。それは己を焼き尽くす業火になると思えるから
です。憎しみは私たちの心を狭くしてしまう。

違った表現で言えば、私たちは公共的な憤慨を持ち続け、まっとうな
社会的正義の実現を目指し続ける必要があります。しかしそれが私的
憤慨、私憤になることを戒めないといけないと思うのです。

その意味で、理不尽なことをする人に対しての抵抗、反撃は、それ自身が
人間的な愛情に裏打ちされたもの、公共的憤慨に裏打ちされたものである
必要がある。なんというか、ダーティープレーに対して、フェアプレーで
対応するというか、そういう心構えが大切だと思えるのです。


巨悪に対しても同じだと思います。人間は何かに抵抗するときに、しば
しば抵抗している相手のやっていることをコピーしてしまう側面がある。
同じことをやりかえしてしまう。しかしそれでは、どこかで相手のして
いることを認めることになってしまいます。だから人間的な悪意とたたかう
ときには、その悪意が私たちの心の中に侵入し、私たち自身を変えてしまう
ことともたたかわなければいけないと思うのです。

なので、人々を地獄に落とした犯人を捕まえたときですら、その人を地獄
に落とすのはやめたいと僕は思います。なぜならそれでは、人を地獄に
落としたその犯人の価値観を認めてしまうことになるからです。

風来坊さん、せっかくいただいたコメントに批判的なことを書いてしまい
すみません。北関東の高濃度汚染地域での生活はさぞ苦しいものだと思い
ます。海外への移住もいろいろとリスクがあって大変だと思いますが、
どうかすべてが順調に行くことをお祈りしています。

以下、みなさんのコメントをご紹介します。

*****************************

荒木田さんへ

共感!Danke! (ヘルブラウ)
2011-10-29 06:35:39

ドイツのハンブルクよりブログ発信しているものです。
荒木田さんの記事、多くの人に読んで欲しいので転載させていただき
ましたので不悪ご了承ください。
これからも未来に少しでも悔いが少なくなるように努められている方々
の応援をしていきたいと心新たにおもっています。


同感です。 (サトウアユミ)
2011-10-30 00:08:52

福島県の隣県、宮城県に住んでいます。被災地でもあり、放射能という
言葉を口にした者への批判の現状よく解ります。なぜなのでしょう。
なぜ子供達が犠牲にならなければならないのでしょう。この汚染の現実
を受け止め、なぜ国民は国へ、東電へ批判の矛先を向けないのでしょう。
荒木田さんのような方々の行動が世界を変える一歩になると信じています。


実感です! (セキノ ヨシヒサ)
2011-10-30 20:07:43

この中で福島が、ということなのですが私の住んでいる栃木県北部も非常
に高い放射能値です。また茨城など周辺近県でも同じくでしょう。我が家
も除染を何度か試みるもたちまち元の木阿弥。家の中で毎時0.6μS/Hの
世界に暮らしていると、気が変になりそうです。でも、食べていかなきゃ
ならないのです、避難したらどうやって食べていくのか、いけるのか?
毎日地獄のようです。


怒り (風来坊)
2011-10-31 04:06:42

荒木田さんは本当に聖人のような方です。危険な除染作業に自ら従事すると
いう勇気が私にはありません。荒木田さんに心無い暴言を吐いてくる連中の
顔面を、本当に思いっきり殴りつけてやりたい。放射能の危険について話す
ことをあたかも悪いことのような「空気」を醸成して、知識のある人々を
黙らせようとする者たちも、地獄の底へ蹴り落としてやりたい。本当に死ん
でしまえばいいとさえ思います。どうして多くの日本人は、非常事態時に
意志と論理と知性を総動員することができないのか?私も北関東の高濃度
汚染地域に住んでいますが、海外移住を考えています。放射能の危険もその
理由ですが、それよりも「日本人的なるもの」から解放されたいという欲求
が強いのです。


ふくしま集団疎開裁判 (yuima21c)
2011-10-30 17:59:00

郡山市の住民です。ふくしま集団疎開裁判にかかわる者として、一筆書かせ
ていただきます。
この裁判で債務者(被告・郡山市)側は、10月7日に提出した最終書面で、
小中学生の疎開を認めない理由として、①郡山市は除染に努力しており、
空中線量は低下傾向にある、②憲法などに定める生存権などは単なる抽象規
定である、③事故の責任は東京電力であり、郡山市にはない、④郡山市は
自主避難を妨げるものではなく、転居や転校は自由にできる、といった4点を
あげました。

債権者(原告・14人の小中学生)側の理と誠意を尽くした主張にはまともに
反論をせず、このような粗雑な論理で責任逃れを図る行政の姿勢には、怒り
を通りこして、悲しみ…否、絶望すらも感じます。おおかた弁護士の作文な
のでしょうが、憲法の規定さえも抽象論で片付けるのには開いた口もふさが
りません。

「絶望」と書きましたが、日々の実践の中に、かすかな希望の光を求めなけ
れば、生きてはいけない…そのように考えています。

最後に私事を書かせていただければ、わたしの孫たちは福島原発曝心地から
約115km、喜多方市山都町に居住しています。3月11日以来、孫たちを郡山に
招くわけにはいかなくなりました。これが、わたしの悲しみであり、怒りの
原点です。

***************

除染活動についての感想

読んで (たいが)
2011-10-23 23:29:04

大変だとは思っているんですが、本当に深刻ですよね。なんか僕も被災地の
為にやらないと、何かしたいな、とは思っているんですが…なかなか一歩を
踏み出せずにいます。日々の生活もキツいんですが、自分よりもっとキツい
人の為に自分が助けなきゃ、うん(_ _)


御山地区には (minet)
2011-10-24 19:11:14

小学生を抱えた友人がいます。
あの付近の線量の高さに衝撃を受けました。
防御対策も無しで日常を送っているとのことですが あきらめ、あるいは馴化
が進行しているのではないかと危惧しています。
言い換えれば、無理に正常性バイアスを持たなければ生活出来ない、といった
ところでしょうか。

心が痛みます。


お疲れさまでした (くさ太郎)
2011-10-27 01:42:01

除染と言うのが、どれほど難しく、困難であるかが伝わってきます
自力で移動できない子供が住んでいる
大人の都合で、用意すれば出来るのに、汚染された物を食べている子供が
いる・・・
毎日、心が痛みます

今週末からは座り込みに参加する予定です
少しでも、無関心な大人の意識が高まりますように。


除染行動に賛同します。 (中島)
2011-10-27 19:49:39

除染というあらたな試みに挑戦されることに、共感し賛同します。実際にめ
ざましい効果があるかどうかとは別に、そのような運動が発信するデータや
人のつながりが成果だと思います。

私は、労働組合で活動しておりそれで手一杯ですが、組合活動の現場でも、
被曝労働相談をどうするか、行政交渉にどのような内容を盛り込むか、など
これまでの組合運動の脱原発運動への取り組みの甘さを自己批判しつつ、
今回のまったなしの課題を考えようとしています。
無理せず、着実にがんばっていきましょう。


除染、本当にお疲れさまです (nini)
2011-10-28 02:11:15

都内在住です。1歳の私の息子が通う保育園でも、親たちのボランティアで
除染活動をしました。夫が行ってくれましたが、園庭を除染するだけでも相当
な作業だったようです。

福島を考えると気が遠くなりそうです。

守田さま、みなさまの志の高さにただただあたたかい気持ちになります。私も
できることをしていきたいです。


除染について (匿名を希望します)
2011-10-29 22:09:14

除染に関しての記事を拝見し胸が張り裂けそうな気持ちになりました.
政府や自治体の対応に関わる報道は「どの程度までの汚染地域を除染するか」
ということ程度しか私の耳には入っていませんでした.記事から、ひとまず
年間の空間線量を1mSV(つまり毎時0.1μSV程度)に抑える努力が如何に困難か
を知りました.前途が多難であることは承知の上で、トライ・エラーの中から
適切な方法を模索する皆様の労苦に頭がさがります.また、この様な具体的
な取り組みを周知することをは、空間的に隔たった方々の智慧も結集する上
でもとても大切なことだと思います.

私は神奈川に暮らしています.付近の線量そのものは少ないですが、幼子が
二人おりますので、地震の発生当初に断続的に続いた余震、原発の混乱、
そして、食べ物や飲み水の汚染のこと等を気にせざるを得ず、この様な意味
では、首都圏に暮らしていても被災者であるとも感じています.また、震災
当初は子供達の寝顔をみる度に、何故この様な大変な時代に生を受けてし
まったのだろうかと悲しい気持ちになりました。しかし、子供達、しいては
日本の未来を再興するのは私たちの努力によるしか無いと感じます。震災後
3ヶ月程だってからようやくその様に考えられる様になってきました.しかし
結局、今夏は節電程度しかできず、余震も収束したかに見える時期に宮古の
復旧作業にボランティアとして参加をするだけにとどまりました.

程度の差こそあれ、私たちも今なお大変不安な生活をおくっていますから
被災地の方々と思いをともにしています.

私はもう40歳をすぎていますので、様々な事態が収束し、新しい世の中が
現れるまで、おそらくその余生のすべてが必要になるであろうとも感じて
います。長丁場の中で今しかできないこと や 日常的かつ恒常的に取り組
むべきこと等、沢山の為すべき事、自分が手伝える事があると思います。

今は動きが悪くて大変申し訳なく、だがしかし、すこしでも望ましい未来の
為に私もがんばらないと と 感じています。その為にも情報が必要です。
お忙しいと思いますが、これからも除染の進捗や創意工夫等、原発関連の
情報をご紹介ください。

こうした記事に投稿することもはじめてで、長文かつ乱筆ですが書かずに
いられませんでした。読みにくい部分があればご容赦ください。
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明日に向けて(307)福島のセシウム、政府発表の2倍?海へは東電発表の30倍?

2011年10月29日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111029 23:30)

海外から相次いで重要な情報が伝わってきています。一つは福島原発事故で放出され
たセシウムの総量が、日本政府の2倍超にあたるという推計です。ノルウェー大気研
究所の研究チームが発表し、主に韓国の複数メディアが取り上げることで日本に流れ
てきています。一部に自ら翻訳して情報を流してる方もいます。

さらにフランスの放射線防護原子力安全研究所が、海に流出したセシウムの総量が、
東電のこれまでの発表の30倍あるという試算を発表したことが、やはり韓国メディア
経由で流れてきています。どちらもかなり重大なニュースでありながら、日本国内
であまり重視されていないことも共通しています。

セシウムの総量がこれまでの発表から2倍以上というのが意味するのはどういうこと
でしょうか。これまで私たちが、「こんなもの」と知らさせてきたのと、同じ規模の
事故が実はもう一つ起こっていたことが明らかになったのと同じです。数値的には
もう一か所で同規模の原発大災害が起こっていたことが分かった・・・ことを意味
します。

海洋汚染が30倍というのは、もっと凄いことで、私たちがこれまで思ってきた汚染を
まき散らす事故が、さらに29回も起こっていたのと同じことを意味します。しかし私
たちは政府や東電がこれまであまりに繰り返し大ウソをついてきたので、こうしたこ
とに敏感に反応できなくなってしまっている。どんなに大きなウソが明らかになって
も、またかと思えてしまう面がある。しかしそれは相当に危険です。

本当に汚染が2倍超だというなら、今でも極端に少ない除染の予算を最低でも倍増し
なければいけない。海に対する対策は30倍する必要があります。いやそれだけでなく
て、そもそも汚染評価を即刻見直し、避難地域を大幅に拡大する必要がある。同時に、
そもそもなぜこれほどに汚染に対する低い評価がされてきたのか、その点を徹底的に
検証する必要があります。こんな大幅な過少評価は、それ自身が国民・住民への深刻
な裏切りだからです。

この点に留意しつつ、暫くこの大問題としての2倍、30倍問題について注意深い
ウォッチを続けます。

***

ノルウェー研究所、福島のセシウムは日本政府発表の2倍超=韓国
サーチナ 10月29日(土)16時8分配信

ノルウェー大気研究所の研究チームが、福島第1原発事故による放射性セシウムの流出
量は日本政府発表の2倍を超えるとの調査結果を発表した。韓国の複数メディアが28日、
相次いで伝えた。

ノルウェー大気研究所のアンドレアス・ストール氏が率いる研究チームは、原発事故
発生後から4月20日まで全世界の大気中に含まれる放射性セシウム137の量を分析した結
果、3万6000テラベクレル(1テラ=1兆)相当放出されたと試算した。

この量は原子力・安全保安院が6月に発表した1万5000テラベクレルの2倍以上で、史上
最悪の原発事故とされるチェルノブイ事故に伴った放出量の42%に相当する。韓国メ
ディアによると、同研究結果は研究の中間報告として学術誌『大気化学・物理』に掲載
されたという。

日本政府発表の放出量と大きな偏差がある理由について同研究チームは、日本政府が海
への放出量を推算に入れていない可能性を指摘。セシウム137の飛散状況については5分
の1が日本の地表面に、残りの大半は太平洋に流れたとみている。

一方、研究チームは福島第一原発の近海の汚染は相当期間続くと予想。セシウム137の
半減期は30年以上と言われており、すでに海に流れたセシウムに加え、雨水などで今後
も福島原発近くの海にセシウム137が流れ込む可能性があることから、汚染が長引くと
の見方を示した。フランスのIRSN(放射線防護原子力安全研究所)も最新の発表で同様
な見解示し、持続的なモニタリングの必要性を主張した。

韓国メディアはノルウェー大気研究所の中間報告やフランスIRSNの発表内容を元に「福
島の放射性物質の実際の流出量は日本政府発表の2倍以上」と相次いで伝えた。
(編集担当:金志秀)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111029-00000019-scn-kr

***

セシウム海洋流出、東電発表の30倍
TBS系(JNN) 10月29日(土)7時20分配信

フランスの研究機関は福島第一原発の事故で海に流出したセシウム137の総量につい
て、東京電力が発表した数値の30倍近くになるとの報告書を発表しました。

フランスの放射線防護原子力安全研究所は、福島第一原発から海に流出したセシウム
137の総量がおよそ2.71京ベクレルにのぼるという推計を発表しました。東京電力
は4月下旬の発表で福島第一原発から流出したセシウム137の放射能の総量を940兆
ベクレルと推計していましたが、今回発表された数値はその30倍近くに相当します。
報告書は海に流出した放射性物質の量としては過去最大としています。

今年の秋以降、遠洋の魚介類に対する汚染の影響は弱まると推測していますが、一方で福
島の沿岸部では「相当な汚染が当分続くだろう」と警告しています。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20111029-00000017-jnn-int
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明日に向けて(306)荒木田さんへの共感の声が続々と・・・放射能除染・回復プロジェクトに参加して(4)

2011年10月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111028 23:30)

明日に向けて(304)で、「除染するほど、『住めない』と思う』という
タイトルの荒木田さんの文章を載せ、共感した方はコメントをと求め
たところ、瞬く間に、10通を超えるコメントが集まってきました。中に
は福島県郡山市、いわき市の方からのコメントもありました。それぞれ
がまた、とても切実で、読んでいて胸を打たれるものばかりでした。

みなさんとシェアしたくて、新たにこれらを一つの記事としてまとめて
お届けします。ほとんどがブログへの書き込みですが、私にダイレクト
でメールを下さった方のものもあり、それを一番最後に加えています。
ここに書かれたものへの共感があれば、どうか再びおよせください。

コメントを書いて下さったみなさま、どうもありがとうございました!
一つ一つ、コメントを返せなくて申し訳ないですが、とても感動し、
勇気をもらえました。課題はとてつもなく大きいですが、みんなで手を
つなぎ、労わり合って、歩んでいきましょう!未来のために!

*******************************

今、だからできること (たかしま)
2011-10-27 18:04:10

荒木田さんの行動、お考えにとても賛同いたします。私たちはチェル
ノブイリから何も学ばずに来てしまった。しかし、これから第2の福島
を世界に創り出さないために、私たちは行動することができます。
荒木田さんの行っていることはまさにそれなのです。結果が分かるの
は20年30年先かもしれませんが。だからこそ今できることを、と思い
ます。


同苦 (松田正 dadajiji39)
2011-10-27 18:12:08

ツイッターからたどり着きました。南相馬へ3・19よりボラに行って
いました。私も除染は厳しいだろうなあと思っていました。周りは山や
自然がいっぱいのところ除染するところは1~2%の所でしかない。
それにどこへでも入りこむ小さな物体。屋根であれば瓦屋根は隙間だら
け。やねの下地ごとすべて変えなければならない。私は早く除染をあき
らめ移住をしてほしいと思います。美しい山河ではありますが、人が住
むところではありません。人は、もともと放射線を避けて生きてきたの
だと思います。早い決断が必要です。


共感します。 (K)
2011-10-27 20:30:47

関東から避難していますが、郡山出身です。親戚、友人、たくさん福島
に住んでいます。誰1人避難していません。みんな放射能のことを気に
していないわけではないだろうけど、「前向きに生きて行くために」な
るべく「考えないように」しているんだと思います。ただでさえ人生は
難しいのに、東電の原発事故のせいで、福島の人は、今まで考えたこと
もないような深刻な問題を抱えざるを得なくなりました。あまりにも荷
が重すぎるのです。福島以外でも、多くの人は、原発のことも放射能の
ことも考え続けることができない。僕たち家族が次に郡山に墓参りに行
けるのはいつになるか分かりませんが、子供を連れて戻ることはないと
思っています。お墓のある寺は田んぼの中の高台にあって、とても好き
な場所だった。そこが放射能汚染されたと考えると、とても悲しいです。
でも、郡山に住んでいる知り合いのことを考えると、まずます絶望的な
気持ちになります。全部原発のせいです。しかし、それでも諦めたくな
い。荒木田さんのように、絶望を見据えながらも前向きに行動したいと
思います。僕も、もがいています。


応援します (Y)
2011-10-27 21:06:06

福島県いわき市在住です。
荒木田さんのように現状を伝えようとすると、それをいけない事のように
態度や発言をされる方が多いのは、私も実感しております。
それでもなお、行動し、表に立ち、発言をしてくださった荒木田さんを
応援しております。


同感です (A.H)
2011-10-27 22:21:27

8月まで郡山に住んでいました。今は山形に母子避難しています。
自分で自宅周辺の除染をしてみて、やはりその困難さは身に染みて分かり
ます。家の外を水で洗っても、ほとんど線量は落ちません。
まして、福島県は原発事故だけでなく全壊・半壊の住宅も多く、瓦を直す
のに3年待ちとまで言われています。そのためブルーシートがかかった家
が数多くあります。

今福島では「国が安全というから避難する必要がない」「避難して新しい
場所で生活することの方が負担になる」という意見と、「避難したいが、
仕事を辞められない」「周りが避難しないのに除染もしないで避難したら、
戻った時に周りに何を言われるか分からない」といった意見とで大変混乱
しています。

荒木田さんの言葉は県外に避難している福島県民の思いそのものです。
まだとどまっている県民は国・県から見捨てられたと思いあきらめている
のです。県外に出てしまった避難者は、地元の友人や家族を想って、でも
沈黙するしかなありません。いちばん辛いのは、まだ福島に留まっている
人だと分かっているから。

地元にいるこうした知識人にもっともっと情報発信をして欲しいと思い、
コメントしました。


現状・・・ (たぬきち)
2011-10-27 22:46:56

これが現状なのですね・・・。
言葉もありません・・・。

今、私たちは人類が経験したことのない危険な状態に置かれてしまった
のだと実感しています・・・。

あまりに辛いので何もなかったように過ごしたい気持ちは理解できますが、
そのままでは私たちは茹でガエルになってしまいます・・・。

政府にも専門家と呼ばれる人にも、もはやお任せで生きていくことはでき
ない。国民一人一人が覚悟を決めて立ち向かっていくしかないのです・・・。

あの日以来、毎日が辛いです・・・。

それでも・・・

私を含め国民がそのことを自覚して考え、行動し
日本の未来を切り開いていかなければならないのだと荒木田さんの文章を
拝読して再確認いたしました・・・。


ありがとうございます (そら)
2011-10-27 22:53:03

荒木田さんの文章を読み、福島の現実を肌で感じることができました。
こちら仙台では表面上は、全く放射能などないような日々です。安全キャン
ペーンに取り込まれそうになりながら、何とか踏ん張る毎日です。

「チェルノブイリハート」を多くの人に見てほしい。今ならまだ間に合うか
もしれない。気づいた人、決心がついた人から、一人でも多く避難してほし
い。何かできることはありますか?自分は子どもがいないけれど、子どもが
大好きです。子どもこそが未来の希望です!将来、子ども達が苦しむ姿を見
たくない!

今度、時間を見つけてモリタさんへ支援金を送りたいと思っています。自分
に何かできることがあれば、何でもしたい。

この事故を境に、今まで知らなかったこの国のカタチが見えてきました。
大きな張りぼてだったんですね。新しい人のつながりができてほしい。自分
も周りの人も大事にできて、一部の人だけがいい思いをするのではない、
本当に開かれた国になってほしい。

国やマスコミの安全キャンペーンによって、市民同士が無駄な敵対関係に
なることが悲しいです。周囲からの言葉で揺らぐこと、辛い思いをなさる
ことが多々あることと思います。それでも、ぜひ福島からの発信をお願い
します。無関心こそが一番怖いです。


子供達を避難させたい (武藤修一)
2011-10-28 00:29:01

郡山在住のものです。

今 郡山の小学生が集団疎開を求めて 郡山市に対して集団訴訟をしています。

子供達は未来そのものです。
親達の事情で疎開出来ないでいる子供達。
はっきりした事情も分からず 真夏に長袖・マスクを強要されていた子供達。
そして 今 現在 高い放射線の中で暮らしている子供達。

郡山市は集団疎開を行う心算は無い! と はっきり拒否して来ました。
市民を護る筈の行政の仕打ちが これです。

一人でも この行動に賛同する市民を増やす事が 私達 大人のするべき事だ
と思っています。そして 一日でもはやく 子供達を避難させたい・・・・・。


共感します (順子)
2011-10-28 08:36:53

こんにちは。私は静岡県に住んでいます。

福島第一原発のような事故が浜岡で起きたらと思うと、現在福島県に住んで
いる皆さんの事は他人事ではありません。

子供達が線量計を首から下げて学校生活を送る様子を見て、非常に悲しくま
た辛くなりました。

除線だなんだという前にまずは避難だと思います。
遠くからでも何か出来る事はないか日々考えています。


読んでいて、苦しいですね (くさ太郎)
2011-10-28 09:07:09

たんたんと作業をする・・・

たんたんとした状態に持っていかなければならない
心の痛みが、伝わってきます
毎日、どれほど、重い心と体を動かしているのだろうか

どうすれば、そこに住む子供やわかい世代を助けることが出来るのだろうか

体に気をつけてお過ごし下さい、としか言えません


ありがとうございます。 (山田)
2011-10-28 15:34:12

まずはじめに、この記事を書いてくださってありがとうございます。
この記事を通して荒木田さんの考えを少しでも知れて、本当に良かったと思
います。

私は神奈川在住です。
神奈川ですら、日常を営んでいくことにストレスを感じています。
福島の方たちの苦しみや、苦悩を思うと、本当に胸が痛みます。

せめて子供たちだけでも、親から無理やり引き離してでも、避難させたいと
思うほどです。

荒木田さんの言葉を読んで、「風評被害」という思考停止につかまらないよう
に、もがき続けようと強く思いました。

荒木田さんのように、私も、自分の足で立ち、自分心で感じ続けたいと思い
ます。

荒木田さん、どうかお体を大切に。
ご自愛ください。

*****

守田様

いつも精力的なご活動、情報発信に頭が下がります。ありがとうございます。

荒木田さんの淡々とした文章に、きっとそれ故でしょう、「風評被害」とい
う言葉のそら恐ろしさを感じます。この言葉さえ発しておけば、うかつに現
状報告はできない!という恐ろしさです。これほど巧妙で狡猾な情報隠蔽は
ありません。それに当たり前に立ち向かい、淡々と除洗作業をなさっている
荒木田さんに感謝の気持ちをお伝えください。同じ大学の研究者として、
歴史学者として、やはり、今進行している汚染の現状と情報隠しの現実をき
ちんと記録し、後世に残すことは不可欠のように思います。そしてそれを
傍観しているのではなく、共に行動しなければならないということを強く感
じます。行動の一歩を踏み出す機会を模索しています。なかなか出ない一歩
を後ろから思い切り蹴飛ばされたように思います。

荒木田さんの文章だけ引用させていただこうかとも思ったのですが、やはり
守田さんの文章の中でこそ活きると思いました。これを私のブログにそのま
ま転載させていただけませんでしょうか。

三重大学考古学研究室
山中 章

yaaさんの宮都研究 http://blog.goo.ne.jp/yaasanarchaeologue
(守田注、ブログへの転載は大歓迎とお答えしました。すでに載せていただ
いています)

コメント (1)
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明日に向けて(305)「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み~」第1日目、総勢702名が参加!!

2011年10月28日 01時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111028 01:00)

みなさま。昨日27日より、東京の経産省庁舎前において、「原発いらない福島の
女たち~100人の座り込み~」が始まりました。経産省に(1)すべての原発の停止
・廃炉。(2)停止中原発の再稼働禁止。(3)子どもの避難・疎開と、その損害補償。
(4)電源三法の廃止・・・を求めた素晴らしい行動です。

この行動を聞きつけてたくさんの方がかけつけ、なんと総勢702名が参加したそう
です。(うち福島からの参加は65名)。僕もかけつけたい気持ちは山々ですが、
今は動けません。東京方面で可能な方は、ぜひご参加をお願いします!みんなで
一緒に声を高めていきましょう。

以下、この行動のために作られたサイト「原発いらない福島の女たち」より、
1日目の報告を転載させていただきます。ここにはこれからの行動予定、全国での
連帯行動なども載っています。ぜひアドレスをクリックして全体をご覧ください。

****************

「原発いらない福島の女たち」
http://onna100nin.seesaa.net/

2011年10月27日
座り込み1日目!

「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み~」
第一日目が終了しました!

ご参加のみなさま、東京でサポートくださったみなさま、
たくさんのカンパ・差し入れをくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
もう、どうお礼をいっていいかわからないほど、
たくさんの愛をいただきました。

参加者の総数(受付を通った方の数)は、
総数702名(福島県の参加者65名)でした。

どこまでも続く長い長い座り込みの列を見て、
感動で涙が出ました。

本日のメインアクションは、経産省への要請文の申し入れです。
「原発即時廃止・子どもたちの疎開に関する要請書」は、
下記よりダウンロードできます。
経済産業省要請文.pdf
http://onna100nin.up.seesaa.net/js/11102720E7B58CE6B888E794A3E6A5ADE79C81E8A681E8AB8BE69687.pdf

(1)すべての原発の停止・廃炉
(2)停止中原発の再稼働禁止
(3)子どもの避難・疎開と、その損害補償
(4)電源三法の廃止
の4つの要望を届け、11月11日までの回答を求めました。
どうぞ、ご注目ください。

きょうは、嬉しい出会いもたくさんありましたが、
不手際もいっぱいあったと思います。
そんなわたしたちを支えてくださった、
すべてのみなさまに、心からの感謝を贈ります。



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明日に向けて(304)除染するほど、「住めない」と思う・・・放射能除染・回復プロジェクトに参加して(3)

2011年10月27日 17時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)

守田です。(20111027 17:30)

今回の除染プロジェクトへの参加では、福島の方々に大変、お世話になりましたが、その一人に、プロジェクトメンバーとして初めから除染活動に参加してきた荒木田岳(あらきだたける)さんという方がおられます。福島大学行政政策学類准教授です。その荒木田さんが、現在発売中の『週刊朝日』(11月4日号)に表題の投稿をされました。

僕は現地で発売前のゲラをいただいて読んだのですが、とても胸を打たれたので、「明日に向けて」の転載をお願いしました。『週刊朝日』にはごめんなさいかもしれませんが、ともあれまずは荒木田さんの文章をご紹介します。From Fという、福島大学の研究者に「いま福島で起きていること」を語ってもらう連載の4回目です。

*****************

除染するほど、「住めない」と思う
荒木田岳(あらきだたける)

5月から福島大の同僚や京都精華大などの先生たち、市民の方々と一緒に福島県内の除染に取り組んでいます。最初は、通学路や子どものいる家から作業を始めました。

政府は「除染をすれば住めるようになる」と宣伝していますが、それは実際に除染活動をしたことのない人の、机上の空論です。現場で作業している実感からすれば、除染にかかわるたびに、「こんなところに人が住んでいていいのか」と思います。

原発から約60キロ離れた福島市内ですら、毎時150マイクロシーベルトなんて数字が出るところがあります。信じられますか?今日もその道を子どもたちが通学しているんです。

30マイクロくらいの場所はすぐ見つかります。先日除染した市内の民家では、毎時2マイクロシーベルトを超えていました。つまり、家の中にいるだけで年20ミリシーベルト近くを外部被曝する。これに内部被曝も加味したらどうなるのか。しかもそんな家でも、政府は特定避難推奨地点に指定していません。

そしてどんなに頑張って除染しても、放射線量はなかなか下がりません。下がっても雨が降ったら元の木阿弥(もくあみ)です。一回除染して「はい、きれいになりました」という話じゃないんです。

今、私の妻子は県外に避難していますが、電話するたび子どもたちが「いつ福島に帰れるの」と聞きます。故郷ですからね。でも私には、今の福島市での子育てはとても考えられません。

そんな私が除染にかかわっているのは、「今しかできない作業」があり、それによって50年後、100年後に違いが出てくると思うからです。多くの人が去った後の福島や、原発なき後の地域政策を想像しつつ、淡々と作業をしています。歴史家としての自分がそうさせるのでしょう。

結局、福島の実情は、突き詰めると、元気の出ない、先の見えない話になってしまいます。でもそれが現実です。人々は絶望の中で、今この瞬間も被曝し続けながら暮らしています。こうして見殺しにされ、忘れられようとしているわが町・福島の姿を伝えたいのです。そうすれば、まだこの歴史を変えられるかもしれない。今ならまだ・・・・・。

*****************

みなさま。どのように思われたでしょうか。ちなみに荒木田さんは、『週刊朝日』の誌面にご自分の写真も載せています。勇気を持って、はっきりと自分の素性を表にだして発言されています。しかし僕が「とても胸を打たれました」とお伝えすると、「福島市内では「風評被害を作っているのはあんただ」というような話にされてしまいます」との答えが返ってきました・・・。

僕は荒木田さんの文章は事実を正確に伝え、その中で「今しかできない作業」に取り組んでいる、人間としての、そして歴史学者としての、誠意がこもった素晴らしいものだと思います。それを短い中にきちんと納めていることも素晴らしい。表題は、編集者の方がつけられたのだそうですが、文意と荒木田さんの思いを見事にくみとったものだと思います。


その荒木田さんが、福島の今後のこととして、「あずまおろし」が吹き始めることを憂いをもった顔で僕に教えてくれました。これは福島市西部から山形県米沢市南部にかけて連なる吾妻連峰から吹き下ろしてくる風のことで、毎年、雪が降る季節になると猛烈に吹く風です。それも正面から受けると自転車が進めないほど強いと解説されるほどです。

しかも、雨の多い10月までの気候と違い、福島はこれから乾燥していくのだそうです。乾燥した状態で、非常に強い風が吹く。「そのことで放射能が舞い上げられてより拡散するのではないか。それが心配です」と荒木田さん。気象庁より今年は冬の到来が遅いことが発表されていますが、しかし僕が訪れた10月20日、吾妻山は初冠雪を迎えています。

荒木田さんは誰よりも、福島の今を憂いている。そして「見殺しにされ、忘れられようとしているわが町・福島の姿を伝えたい」とこうした文章を書いている。しかしそれが「風評被害を作っているのはあんだた」と言われてしまう現実があります。僕はその中で発言している荒木田さんを応援していきたい。荒木田さんと共に、「するほど「住めない」と思う」除染に、今後も携っていこうと思います。ただし次回は、作業被曝に対する防御の工夫をもっと凝らして。


荒木田さんの文章に共感された方は、どうか私までメッセージをお送りください。荒木田さんにお届けしたいです。今、私たち福島の外にいるものができるのは、福島の苦しみをシェアし、そこでの「もがき」に寄り添っていくことだと思うのです。「元気のでない、先の見えない話になってしまう」この時期を共にすることが大切だと思います。

同時に僕は思うのです。この中からきっと何か大事な知恵と経験が生まれてくるのではないかと。その意味で福島はけして同情の対象なのではなく、新たな知恵が生まれる場、世界が学ぶべき対象にもなりうるのではないかとも。これまで幾度も人類が大きな苦しみの中からこそ、新たな知恵を紡ぎだしてきたように。僕はできればその誕生に立ち会いたい、そのための何かのお手伝いをしたいと思うのです。

続く

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明日に向けて(303)屋根の放射能は容易には落ちない!・・・放射能除染・回復プロジェクトに参加して(2)

2011年10月26日 22時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111026 22:30)

放射能除染・回復プロジェクトに参加したご報告の2回目です。その前に僕が
ここで何を書こうとしているのか、伝えたい核心は何かを整理しておきたいと
思います。明日に向けて(302)でも書きましたが、福島市の放射線値は、小学
生の通学路のようなところですら大変、高いです。5μS/hという値がすぐに
計測されました。おそらく市内にはもっと高い値を示すところが多数あるはず
です。

この状態からは避難が必要ですが、必ずしも全員が避難できないので、少しで
も放射線値を減らすための除染が必要です。緊急回避のための除染で、それが
行われれば、安心して暮らせるというものではありません。しかしそこに自分で
移動できる手段のない子どもたちがいる限り、また経済的にもその他の理由でも
とても移動できない大人がいる限り、少しでも被曝を減らさねばならない。

このことを踏まえた上で、しかしお伝えしなければならないのは、除染は非常に
難しいということです。根拠の一つに広域汚染の中の除染に対し、人類はその
経験を余りに少ししか持っていないことがあります。とくに日本では除染の経験
があるのは、部分汚染に対するものだけです。例えば机の上に放射性物質が漏れ
た、あるいは原子炉格納容器から少し外に漏れた、などに対する対応の経験です。

ところが今回は野山が、草原が、道路が、川(土手)が、汚染されてしまって
います。したがって、一か所を除染しても、すぐにまた近くから放射能が移動
してきてしまう。風で運ばれたり、雨水に混じって流れてきてしまう。その
ために除染が非常に難しいことが第一に押さえられる必要があります。あまり
に除染対象が広範囲なのです。


続いて今回、1日目に実際に試みた屋根の上での除染についてお伝えします。
すでにお話したように、僕が参加した除染プロジェクトは、行政の高圧浄水方式
に極めて批判的です。それでは放射能を移動させたことにしかならず、除染に
ならないからです。むしろ内部被曝の可能性を作りだすばかり。効果がない
ことに加えて、作業者や住民の被曝の危険性を作りだすのですから最悪です。

ではどうしてたらいいのか。除染プロジェクトが考案してきたのは、ノリで固め、
はがして取って捨てる方式です。しかも洗濯ノリに使われている安価な素材を使
い、それを汚染カ所に塗布し、その上から紙を張って、乾いたら紙ごと取るとい
うものです。今回は、さらに新しい試みとして、壁紙が採用されることになりま
した。そのために京都からあるメーカーさんも参加。実際に糊を塗り、壁紙を
屋根に貼りました。

このうち僕が1日目に担ったのは除染する家屋の各部屋内の放射線値の計測と、
屋根の上での計測でした。場所は福島市中心部から南東に30分ほど車で向かっ
た地域のあるお宅です。飯舘村にも近いところです。ここにFさんと僕と、静
岡から参加されたSさんで向かいました。まずはお宅の中に入らせていただい
て、部屋の中の放射線値をこまめに測りました。屋根に近い高めのところで、
僕のRADEXを用いて0.82μS/hという値が出ていました。後により信頼性の高い
堀場製作所の計測器と並べて測ったところ、僕の持参したRADEX RD1503・2台は、
双方とも、2割ぐらい低めの値が出ていたので、実際の値は1μS/hに近いと思わ
れます。

続いて屋根に上がりましたが、これが一苦労。平屋1階建てでしたが、やはり危険
な高さです。高所作業に手なれたFさんはひょうひょいと上がって行きましたが、
僕はFさんが持参したロープを、屋根を横断して張り、登山用のハーネス(安全
ベルト)を腰にまき、カラビナにシュリンゲ(テープ)を通して、その先に
ユマール(登高器、ザイルにつけると上には動くが下には動かない)をつけて
屋根の上に。

その状態で、屋根の上をゆっくり移動しながら何か所も計測しました。このとき
に使ったのは、福島大学の方が借り出してくれた表面汚染計測器。銀色の金属で
できた特大のハンコのような検知器が、本体からコードでつながっているもので、
重いし、高価な機械です。これを手にゆっくりと屋根中に移動して計測しました。


そうすると、だんだんと汚染の傾向が見えてくる。まず汚染値は屋根の傾斜に沿
って、高くなっていることが分かりました。屋根が外に張り出した方、場所的に
は近づきにくい所の方が値が高いのです。さらに何度も計測するうちにより高い
ところ、屋根上の、マイクロホットスポットと呼べるところがあるのが分かって
きました。どこかというと瓦の重なりあう部分です。

二枚の瓦が上から下へと並んで、一部が重なっている姿を想像して下さい。その
上の方から雨水が垂れてくる。そうすると雨水は一枚目の瓦の下の端に溜まり、
そこから瓦の厚みの部分を伝わって、次の瓦に垂直方向に落ちていきます。この
落ちる前と落ちる断面(瓦の厚み)の部分が線量が非常に高いのです。さらに落
ちた水は瓦に沿って下に流れるだけでなく、一部は瓦が重なった隙間に毛細管
現象で入り込んでいく。瓦の内側に入ってしまうのです。

ここに溜まるのだから、当然、上からの放水では押し流されない。そのため雨で
ももはやそれほど流されない。この屋根上のマイクロホットスポットは目視する
ことができます。水あかが溜まっている部分で、そこに放射能が含まれているか
らです。黒ずんで見えるところ、流れてきた泥が乾いて付着しているところです。
これはどうやれば取れるのだろうか。

今回は二日目に、業者の方を交えて再び屋根の上に登り、問題の個所の一部に試験
的に糊を塗布し、用意したシートを貼って作業を終え、3日目に糊が乾いたことを
確認してはがしてみる予定だったのですが、残念なことに3日目に雨が降ったため
作業を中止せざるをえず、糊によるはがしの効果を実測できていません。そのため
はがしの効果はまだ分からないのですが、そもそもこの方法では、瓦の重なりの
部分の放射能は取れません。これには他の対処がいることになる。ブラシなどで掻
きださないといけないかもしれない。しかしこの作業は粉塵として放射能の入った
泥を掻きだすのですから、非常に危険です。

これに対して行政の高圧洗浄では、一部、下から水を当てていることもあるようで
すが、これをやると瓦屋根の構造上、瓦が持ち上がって、中に水が入ってしまう。
事実それで水漏れが出ているそうですが、これはもう本当に最悪です。瓦の隙間に
付着した放射能を、わざわざ水で屋内に押し込んでしまうからです。これでは除染
ではなく、汚染です。水漏れした水滴が屋内に入り、防護体制を取っていない住人
にあたれば、内部被曝につながる危険性がある。下から水をあてることの危険性を
強調しておきたいと思います。


このような状態ではどのような除染が考えられるでしょうか。除染プロジェクトと
しての見解としてまとまっているわけではないですが、僕の実感では屋根の葺き替
えをし、下ろした瓦をその場で除染して再利用するのが最も合理的ではないかと思
えます。高所作業で、瓦の間に入った汚染物質を掻きだすのは、技術的にも難しい
とともに、被曝と転落という2種類の危険性にさらされるからです。しかも相当に時
間もかかると思われます。

しかし被災地の全ての家でそれをするとなると、膨大な社会的コストがかかってしま
う。いやコストだけでなく、そもそも大震災後、瓦の修復作業そのものが、圧倒的に
需要過多、供給不足で、何カ月も待たなければならない状態にある。職人さんの数が
全く不足しているのです。これに加えて、放射線防護という特殊な訓練を施した上で
の作業となると、いったい、どれだけの時間とコストがかかるのだろうか・・・。

プロジェクトの山田國廣さんが考えているのは、新たに業者が開発した、高圧洗浄と
バキュームをセットにした洗浄器の利用です。消防車のような2台のポンプ車とセット
でやってくるものだそうですが、洗浄した水をその場で吸い取ってしまうのです。歯
医者さんで使われている「バキューム」を巨大化したものと、洗浄器が一体化したよ
うなものです。これは有効かもしれません。しかしそれでも瓦の重なり部分をどうす
るかという課題は残る。

ともあれプロジェクトとしては、今回の成果は、屋根の洗浄の課題を見つけたにとどま
りました。このことで、高圧洗浄方式の限界と誤りを、よりリアルにつかみましたが、
しかしオルタナティブを進められたわけではない。ここをどう突破するのか、つまり
より被曝の可能性が少なく、高所作業の危険性がなく、なおかつ、時間とお金がかから
ない方法な何か、考案していかなくてはなりません。

課題はあまりに大きい。

こうした試みは、あるいはドンキホーテのようなものかもしれません。しかしこの紆
余曲折が、未来の知恵、人々の幸せにつながると信じたいです・・・。

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明日に向けて(302)連載300回を越えて・・・カンパのお願い

2011年10月25日 07時30分00秒 | 連載の節目に・・・カンパのお願い
守田です。(20111025 07:30)

みなさま。「明日に向けて」が連載302回目を迎えました。その前の
「東北地方太平洋沖地震について」を48回出したので、合計350回を
数えたことになります。この間、本当に多くの方にご協力を頂き
支えられてここまで歩んできました。どうもありがとうございました。

ちょうど連載300回を越えた日々に僕は福島市を訪れました。放射能除染・
回復プロジェクトに参加してのことです。その第一日目の感想を既に
書きましたが、とにかく福島の人々が被った被害の酷さに胸がつぶれる
ような思いがしました。汚染は激しく、除染は困難です。

それでもなお、そこに人がいる限り、除染は行われなければならない。
避難の促進とセットのものとしてですが、とくに自分では避難の判断が
できず、また手段もない子どもたちがそこにいる限り、絶対に捨て置く
ことはできない。子どもたちに避難しないから悪いなどとは言えない。

もちろん、親御さんたちもそうなのです。どうして避難などしなければ
ならないのか。多くの場合、真面目に、つつましく生きてきたのに、何の
咎もないのに、いきなり何の補償もなく、見知らぬ土地に移動しなければ
いけない。そんな理不尽なことはないです。

しかしそこにいては危ない。あまりに危険です。このどうともならない
ジレンマを解くことに私たちはチャレンジしていかなければなりません。
そのために僕は全力を傾けます。急がば回れで、放射線の害の危険性を
もっと訴える必要がある。政府の安全キャンペーンを覆す必要がある。


ただそのために活動資金が必要です。これまでこの点に触れませんでし
たが、実は僕自身、311以降、生活のための仕事をほとんどふっ飛ばして
行動してきてしまいました。今日までこれたのは、一つには近しい友人・
知人がカンパをして支えてくれたためです。本当に心から感謝しています。

さらに何よりもパートナーが多大な苦しみを背負いながら、本当にギリギリ
限界まで僕を支えてきてくれました。彼女は日本軍性奴隷問題(いわゆる
従軍慰安婦問題)の被害女性、その中でも台湾の女性を支える活動をして
年4,5回台湾を訪問していますが、今は断腸の思いでそれを中断しています。

しかしその間にも、阿媽(台湾語でおばあちゃん)が一人、二人と亡くなり、
にもかかわらず駆けつけることができずに、悲しい日々を過ごしています。
それだけでなく、生活の全てを働いて、生活費を作りだすことにかけてくれ
ています。


こうした状況を突破するためにどうするのか。今、さまざまな出版計画を
立ち上げています。放射線の害をできるだけ分かりやすく解き明かすもの、
これを絵本作家さんの絵と文章で表現していくもの、放射線の害による
白血病、多発性骨髄腫を解説し、闘病の在り方を示したもの。

これ以外にも、ガンの多発の中で、「ガン保険」の新商品が出て来ることを
見越して、保険そのものを問い、悪質な商品の登場への警戒を促すもの、
食の安全性を解き明かすものなどなどです。「明日に向けて」の連載をまと
めて、311からの流れを捉えなおすものなども企画しています。

それらにより、総じて、放射能との共存時代をいかに前向きに生き抜くのか
そのための指針・・・とまでいかずとも、ヒントとなるものを打ち出してい
きたい。またその中で、自らの収入も得て、活動資金を作りだし、そのことで
取材の幅を広げていきたいと思っています。


しかしそのためには今は原資が必要です。そこで大変、僭越ながらみなさん
に取材活動へのカンパのお願いをさせていただくことにしました。これまで
は、京都OHANAプロジェクトへの支援依頼をさせていただいたものの、個人と
しての訴えは出しませんでした。被災地が絶対優先だと思ってのことです。

今でも強い逡巡もあります。しかし僕は被災地全体のことを考える上でも、今
は放射線の害を押しとどめること、そのために政府の政策を改めさせることが
最も大事であり、そのための行動を拡大しなければならないと思っています。
そして僭越ですが、自分の活動は有効だと自負しています。

またこの国は大新聞や企業社会による支配が、あまりに強すぎて、独立した
ジャーナリストやアクティビストが余りに育ちにくい土壌があります。この
構造を変えないと政府のウソがまかり通る状況を崩せません。そのために僕
は自分で新たな活動モデル作りだしたいとも思っています。若い人も育てたい。

みなさまどうかそのためにご協力下さい。311以降の誰もが苦しい状態の中で
心が痛みますが、カンパを訴えさせていただきます。
どうかよろしくお願いします。振込先を以下に記しておきます。


振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金
口座番号 2266615




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明日に向けて(301)福島の現状は厳しい・・・放射能除染・回復プロジェクトに参加して(1)

2011年10月23日 23時00分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111023 23:00)

放射能除染・回復プロジェクトに参加して、20日早朝より福島入りし、
22日まで3日間の除染活動を担って、今朝、京都に戻ってきました。
往復ともに夜行バスを使った強行軍でしたが、ホテルの部屋にパソコン
を借りて持ち込み、発信態勢を整えたものの、キーボードの前で考えあ
ぐねてしまい、発信できませんでした。もちろん連日の展開がかなり
ハードだったためもあります。

京都に戻り、この3日間を振り返って。何回かにわけて報告を書きたい
と思いますが、全体としての率直な感想は、「放射能はあまりに手ごわ
い」「除染はかなり厳しい」というものでした。また参加した目的の
一つに、行政主導の高圧洗浄方式の誤りを正したい思いがあり、それ
をリアルにつかむことができましたが、同時に、公的に除染すべきと
ころはあまりに膨大で、ほとんどぜんぜん進んでいないといわざるを
えないことも分かりました。


まず僕が驚いたのは、市内のある小学校の現状です。20日早朝に除染
プロジェクトを精力的に担っている市内のFさんが福島駅についた僕
を車で迎えに来て下さり、市内の御山地区に向かい、いくつか汚染の
激しいところに案内してくださりました。御山地区は、福島駅のすぐ
北側にある信夫山をトンネルで抜けたところにあります。ここは全体
として汚染レベルが高い。

ちょうど近くにある御山小学校が登校時間にあたっていたので、その
様子をみることができました。車から見ていると学校に向かう子ども
たちのうち、マスクをしている子どもはざっと2割から3割ぐらい。し
かし一方で、多くの親御さんたちが、子どもを車で学校まで連れてき
ています。夕方には正門前に、迎えの車で列ができるそうです。放射
能への対応が、マスクもつけさせない、マスクをつけて登校させる、
車で送り迎えすると大きく3つに分かれている。

この小学校の敷地に隣接してJR東北本線が走っており、通学路の一
部が線路がある土手の脇道に当たるのですが、その斜面にたくさんの
雑草が多い茂っています。「ここは線量が高いですよ」というFさんの
言葉に基づいて、車を降りて、僕が持参したガイガーカウンターRADEX
RD1503と他の方のTERRAで計測してみましたが、すぐに5μS/h(毎時5
マイクロシーベルト)を越えてしまう。0.5ではなく5です。

このとき使ったTERRAは、RADEXより常に少し高めに計測値が出る傾向が
あったのですが、こちらではより高いところでは8μS/hを越える値が
出ました。両方とも、アラーム音がなりっぱなしになり、すぐにアラー
ムの設定値を高く修正せざるをえなくなりました。ちなみにそれぞれ
茂っている草の上で観測したので、地上から10㎝ぐらいだったり、
もっと高い地点で測りました。

僕がすぐに思いだしたのは、世田谷の「ラジウム騒動」です。このとき
最初に報告された値は2.8μS/hでした。それで周囲は立ち入り禁止措置が
取られ、新聞沙汰にもなった。僕も「明日に向けて」で取り上げました
が、ここではそれを倍する以上の値が計測されるのに、話題にもならな
い。ショッキングなことにその横をマスクもしないで多くの子どもたち
が通学しているのです。頭がクラクラする気がしました。

「これはJRの土地なんです。ここの除染は第一にJRに責任がありま
す。もちろんここの値が高いことは連絡済みです。でもこんな状態で、
手がつけられてないのです。福島市にはこんなところがたくさんありま
す。除染なんかぜんぜん進んでないのです」とFさんが説明してくれま
した。


続いて、やはり学校から数百メートルの距離にある山田電機テックラ
ンド福島店の駐車場に行きました。ここは6月に側溝から150μS/hとい
う信じがたい値が計測された場所です。このときは放射能除染・回復
プロジェクトの面々が、すぐに周囲の雑草を刈り取って対応し、劇的
に線量が下がったのですが、そこに再び雑草が生えだしていました。

その中で水の流れが集まりそうなところを計測してみると、どんどん
数値が上がり、RADEXは検出限界の9.99μS/hに達してしまいました。
TERRAはさらに数値があがっていき、12.06μS/hという数値を計測し
ました。それも一か所だけではない。例えば駐車場から周りの草地な
どにわずかな傾斜で水が流れるようなところで測ると、すぐに10μS/h
に近い値が計測させる。Fさんは経験から、あそことあそこと・・・と
指さすのですが、それらはいずれも値が高い。

そんな私たちの横を、高校生の女の子が、やはりマスクもせずに自転車
で走り抜けていきます。小学生の子どもたちの通る時間は過ぎていまし
たが、ここもまた多くの子ども・中学、高校生が通る場所です。もちろ
んこれらのことも山田電機に伝えてあるし、一度は、プロジェクトが
除染も行っている。しかしそれでも再びこのような高い値の出る状態が
生み出されてしまっているのです。

これは厳しい、相当に厳しいという思いを感じつつ、今回の除染活動に
入っていきました。


続く・・・次回は、今回のメインの一つだった屋根にあがっての瓦の
除染について報告します。





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明日に向けて(300)放射能除染・回復プロジェクトに参加します!(10月20~22日)

2011年10月19日 14時00分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111019 14:00)

明日、10月20日より22日まで、福島で「放射能除染・回復プロジェクト」に参加
してくることになりました。このプロジェクトは「福島の住民の呼び掛けに応じて
エントロピー学会有志と複数の大学教員らにより始められ、住民と一体となって
進めているプロジェクト」です。詳しい内容が「放射能除染マニュアル」(文責
京都精華大学山田國廣教授)がネットにアップされているので、ご参照ください。
http://entropy.ac/download/yamada.pdf

僕もすでに6月16日に「明日に向けて」でこのプロジェクトについて報じています。
「明日に向けて(154)福島で「放射能除染・回復プロジェクト」が始動中!」
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/c/cf8c2e5a75f2c8d16ffc43de25a5fa0a/1

もともと共感を持って見ていたこのプロジェクトに参加しようと思ったのは、少し
でもお手伝いしたいという気持ちはもちろんですが、プロジェクトが実践的に積み
つつある除染のノウハウを自分もまた身につけ、各地に拡大していきたいと思って
いるからです。

その場合、あらかじめ除染と避難の関係、また除染は可能か否かという点について
論点をまとめておこうと思います。さまざまに論じられている点だからです。
またこのプロジェクトと、行政が主導で行っている除染との違いを明確にしておく
ためでもあります。まず「放射能除染マニュアル」での記述に触れます。



「福島の子供たちは、一刻も早く避難すべき状況にある。一部の子供たちは家族と
ともに自主的に避難している。しかし、まだ多くの子供たちが福島で不安を感じな
がら暮らしており、一刻も早く放射能除染を行なうべきである。「避難」と「除染」
という2つの方法は、互いに矛盾するものではない。子供たちの健康と生命を放射能
の脅威から守るという最も重要で基本的な立場に立つならば、「避難」と「除染」
は相互補完的なものである。ところが、国や福島県は、避難させないことを目的に
“除染”を呼びかけているかのようにみえる。もしそうだとしたら、国や県の姿勢は、
守るべき根本価値を見誤った本末転倒な態度である。
 
福島における子供たちのこのような現状を憂慮した私たちは、「子供たちの放射線
被曝量を可能な限り減らす」ことを目的として「放射能除染・回復プロジェクト」
を立ち上げ、活動を開始した。」


つまり同プロジェクトは、汚染の激しいところからは避難をすべきことを主張し
つつそれでも避難できない人々とその子どもたちがいることにかんがみて、除染
活動に踏み切ったということです。この除染活動は、行政などの取り組みにはるか
に先んじたものであったことも知っていただきたい点です。

国と行政は夏ぐらいになって、避難をおしとどめる観点からも「除染」に取り組み
始めていますが、その際の主力は「高圧洗浄」です。これに対して同プロジェクト
はこの方式は、放射能を移動させ、拡散させているだけであり、除染にならないば
かりか、むしろ被曝を促進すると、批判を行っています。以下、マニュアルよりこ
の点を抜粋します。


「放射能除染において圧力洗浄機を使用することの問題点
1. 圧力洗浄機放水によって除去された放射能は、水の中に溶け込み混合して移動
して場所を変えて新たな汚染場所を生み出すだけであり、除染したことにはならない。
2.圧力洗浄は放射能除染のチャンス(情報)を失くしてしまう。
3.屋根やコンクリートにへばり付いているセシウムは、圧力洗浄では一部しか除去
できない。
4.砂、土壌にへばり付いた放射能を圧力洗浄する場合の問題点。
⇒新たな汚染場所を生み出すだけである。
5.「汚染者負担原則」により、除染された放射性物質は東京電力が引き取る責任が
ある。圧力洗浄は、東京電力の責任をわからなくしてしまうことになる。
6.集団被曝線量の考え方では、集団被曝線量=一人の被曝線量×被曝人口という式
で与えられる。この式では、圧力洗浄によって、一人当たりの被曝量を少なくするこ
とになるが、放射能を薄めて拡散するため被曝人口が増え、集団被曝線量は変わらない
ことになる。よって除染においては「放射能は薄めてはいけない」ということになる。」

・・・詳しくはぜひマニュアルの当該個所(27,28ページ)を読んでいただきたいと
思いますが、同プロジェクトが、「避難」と「除染」を有効にリンクすることを目指
していること、また行政による「高圧洗浄方式」を、除染ではなく拡散だとして批判
していることがつかみとれると思います。


実はこうした高圧浄水器を使った、「福島市による大規模除染」も昨日より開始され、
汚染が高い福島市大波地区の民家から「除染」が開始されました。この日は野田首相
も現場に訪れましたが、住民を含め、多くの人々が集まっている場の建物の屋根で、
高圧洗浄が行われ、放射能を含む水しぶきが舞っているのが、NHKニュースの映像
で流れていました。

僕は野田首相や、政府の要人がマスクをしてないことに、「本当に内部被曝の恐ろし
さを知らないのだ」と思いましたが、ある知人より「パフォーマンスだったのでは?」
と言われて、なるほど、そうかもしれないと思いました。なぜなら作業者は、かなり
厳重な防護を行っていたからです。この場面を捉えたものとは違いますが、民放の
ニュースがネットで見れるので、アドレスを記しておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=6P1P5Gm4HdU

高圧洗浄方式による除染は必ず失敗します。放射能を移動させているにすぎないばか
りでなく、拡散させてしまい、除去=つかまえるチャンスを逃してしまうからです。
さらに霧状に舞い散らせることや、下流に流してしまうことで、周りの家、農地など
に放射能を入れてしまうことでも内部被曝を含んだ被曝を拡大してしまいます。膨大
な予算を使って、効果もなく、健康被害の促進ばかりを生む行為が行われつつあり、
ストップをかけていかなければならないと思います。


さてこうした点に踏まえ、ここからは僕の考えをまとめておきます。以降は同プロジェ
クトの見解ではないこと、守田の個人的意見であることに留意してお読みください。

まず除染は可能かどうかという点についてですが、それはどういうところで、どこま
での除染を行うかに依存する問題であるということです。
汚染の激しいところでは、恒久的に住むための除染は無理だと思います。例え個別の
家の放射線量を低減することは可能であったとしても、かなり膨大な労力もかかるし、
膨大な放射能のゴミがでてくるのでその処理も大変です。

しかし可能な地域もたくさんあります。福島だけでなくより広域に見ていくならば、
東京や横浜でも多数のホットスポットが続々と見つかっています。そうしたところでは、
その汚染物質をとりのぞいて、空間線量が平常値に落ち着くのであれば、除染は極めて
有効な手段になります。それが行われない現状では、どのような危険があるのか分から
ないので、子どもたちを避難させることが必要だと思います。ホットスポットにたまった
放射性物質が乾燥して舞い散り、吸い込む危険性が高いからです。もちろん大人にとっ
ても危険です。

横浜でストロンチウムが観測されたのですから、東京の多くの地域でも今後、発見さ
れると思います。その場合、その地点は必ずセシウムの汚染も高いところです。しかし
東京や横浜から大多数の人が避難することは、この先、ほとんど望みえないことだと
思います。なので各地でどんどん市民による計測を進め、ホットスポットを見つけては
対処していき、被曝を減らしていてくことが大事だと思います。

実際には、地域の全体的な線量は高くないけれども、部分的にホットスポットがあると
いう地域から、地域全体の汚染が非常に強い地域までが、グラデュエーションのように
存在しているはずです。まだら模様にといった方が正確かもしれません。なので多くの
地域で除染が有効な手段になると思いますが、除染しても住み続けて良いのかどうかと
いう判断もその都度、問われると思います。

ただしその場合、どこからが避難地域で、どこからがそうではないかという線引も大変
難しいことを踏まえる必要があります。ここには内部被曝の危険性をどのように見積も
るのかという問題も横たわります。僕自身は内部被曝の危険性を、外部被曝と比較する
ならば、同じ線量でも平均で600倍の身体への打撃があると考えるべきだいうヨーロッパ
放射線リスク委員会(ECRR)の考え方が正しいと思っています。しかし現状では
多くの方が、ある線量における内部被曝と外部被曝の身体への影響を同等とみなす国際
放射線防護委員会(ICRP)の考え方に従っています。

そのため僕自身は、内部被曝の危険性をより強く訴え、できるだけ避難を拡大させるこ
とを訴えていますが、そうした認識が一般的ではなく、社会的合意になっていないこと
に留意しながら、話を進めなければならないとも思っています。つまりどこからが避難
すべきところなのかという判断基準そのものが、社会的に定まっていない。現状では
政府による「放射能は怖くないキャンペーン」や、そのバックボーンにあるICRPの
考え方が社会に強い影響を与えています。だから避難しないで良いと考えている人も
多いわけです。

また政府が放射線の危険性を非常に過小に評価している現状では、人々は避難にあたっ
ての資金や、その後の生活保障が受けられません。そのことも大きなネックになってい
ます。さらにそもそも故郷を捨てるのは誰にとっても耐えがたいことであり、そこで失
うものの大きさを考えると、健康被害を差し引いても、移動するよりその場で暮らした
いという判断もまたありうると思います。

その点で避難は義務ではなく権利であることを私たちは忘れてはいけないと思います。
もちろんある地点からは「強制」になります。その場合、居住の権利は奪われる。現状
でも原発近隣の地域はそうなっています。しかしその周りに広がるのは避難の権利のあ
る人々の住まう地域で、その権利が認められていないのが私たちの国の現状です。

それらを考えれば、ある判断基準からは、もはやそこに住むべきではなく、避難すべき
だと考えられたとしても(それが妥当であっても)、なおそこに住むべき人々がいる限
り、その地域での除染(可能な限りの放射線の低減)はなされねばならないと僕は思い
ます。もちろんそれもまた公的補償のもとに行うべきことがらです。避難しない人が
被曝するのもその人たちの責任なのでは断じてない。すべて責任は毒を撒いた東電と
政府にあります。だからそこに残る人がいる限り、除染の努力はされてしかるべきです。


しかしここでもう一つの問題が浮上します。そもそもそんなに広域の除染の経験を、
人類はまだもっていないということです。いや正確にはチェルノブイリでいろいろな知
恵が重ねられてきているはずですが、政府や原子力推進派が、それを受け取り、温め、
発展させることを拒否してきました。それもあって、私たちはあまりに未経験なところ
から出発せざるをえません。

こうした状況を政府や行政にまかせていたら、高圧洗浄方式に明らかなように、またし
ても形だけの除染、形だけの安全宣言、実態としての汚染と健康被害の拡大を招くだけ
です。今後、医療予算に手厚く振り向けざるを得ない貴重な国家予算が、最悪の形で
浪費されてしまう。だから放射線計測を、積極的に市民の側で進める必要があるのと
同じように、除染においても積極的に市民の側で経験を積み、知識を蓄えていく必要が
あります。

これは矢ヶ崎さんに指摘していただいたことなのですが、例えば、東北の農地は、春の
段階で、つまり春以降の作付のために耕す以前の段階で、農地の上の数センチの表土を
剥げば、かなり汚染を低減できた可能性がありました。少なくとも、そうした措置を
なすまで、田畑を耕してはいけないという通告を政府がだすべきでした。しかし安全
宣言ばかりが繰り返される中で、多くの農家の方が、田畑を耕し、農地の深くまで、
放射性物質を梳き込んでしまった。

こうした経験はスリーマイルでもチェルノブイリでも積まれていたはずだ。その蓄積を
日本は怠った。そのため守るべき農地が守れなかったと矢ヶ崎さんは悔しそうに話され
ていました。もちろん当時から矢ヶ崎さんはそのことを主張してまわられたそうですが、
そもそも放射能に対する何の構えもなかった行政に理解できることではなかったの
でした・・・。

これに対して、今回僕が参加する「放射能除染・回復プロジェクト」では、田畑の汚染
の除去、すでに撹拌されてしまった農地でも可能な方法を考案し、実験に踏み切ろうと
しています。アイデアマンである京都精華大学の山田先生の発案です。僕自身がまだ
十分にその方法を飲みこめていないので、説明は割愛しますが、可能なら画期的なこと。
いやそうやって、色々なことにチャレンジしていくのも放射能との大きな闘いだと思い
ます。


なお作業にあたっては、被曝を伴います。内部被曝は厳重に避けるための努力をします
が、γ線による外部被曝は、減らす努力はしても、完全には避けようがないからです。
このため同プロジェクトのマニュアルには、若い方は参加すべきではないと明記されて
います。僕自身は若くないので参加しますが、しかし被曝するのはとても嫌です。怖い
というより東電によって被曝させられるのが悔しくてならない。

それでも僕が赴くのは、私たちの総体としての被曝を低減するためです。何よりも放射
能汚染と闘うための知恵を身につけたい。その点で、同プロジェクトの方々のこれまで
の実践は大きな魅力です。実践知の宝庫です。それに学ぶことで、市民の手に科学を
取り戻していくこと、あるいは実践的な、放射線科学とよぶべきものの確立に貢献して
いきたいと思うのです。

・・・福島からの報告にご期待ください。
コメント (2)
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明日に向けて(299)あいた口がふさがらない・・・東電の「試算」に接して

2011年10月18日 11時00分00秒 | 明日に向けて(251)~(300)
守田です。(20111018 11:00)

昨夜、政府と東電による「改訂工程表」で、「冷温停止」の前倒しの
実現が発表されたことに対し、原子力資料情報室で行われた後藤政志
さんの講演を紹介し、水素爆発の可能性ひとつとってもみても、事故
は収束への階梯とはほど遠い段階にあることことをご紹介しました。

ちなみに一部の方へのメールで情報が抜けてしまいましたが、後藤
さんの会見が行われたのは10月13日。「改訂工程表」が出される数日
前のことです。しかし非常にタイムリーな指摘であったと思います。

ところがさらに東電が、「再び福島第一原発発電所の1号機から3号機
で炉心損傷が起こる確率」なるものを試算し、5000年に1回という数値
を発表したことを知り、あいた口がふさがらないというか、唖然とする
というか、本当にあきれ返ると同時に、強い怒りを感じました。

問題の発表では、今後起こる可能性として、注水停止が20時間起こり、
それで炉心損傷が起こりうるが、5千年に1回の確率だとされています。
これに対して記事を掲載した読売新聞は、事故前には炉心損傷の確率
が1000万年に1回とされていたので、2000倍になったと指摘しています
が、これもかなりトンチンカンな指摘です。

そもそも現在、炉心は激しく損傷していて、しかも誰も近づけず、
その実態すら完全につかめてはいません。また後藤さんが指摘して
いるように、水素が溜まって大変危険な状態が続いています。さらに
大規模余震も懸念され続けており、福島原発はまだまだ安心・安全と
は程遠い段階にあります。

そんなときに、今後の可能性は5000年に1回などと、どうしてそんな
ことを言い出すことができるのでしょうか。現実のあらゆる危険因子を
排除したシミュレーションを行ってこうした数値を出したのでしょうが、
僕は今の時期にこうしたことを言い出すこと自身が、もはや犯罪的で
すらあると思います。

こんな誰にでも分かるようなデタラメな試算を出す東電に、まともな
事故対処などできるわけがない。またこれを批判できない新聞社に
まともな記事が書けるわけがないと僕は思います。現に水素爆発の危険
性を排除できていないのに、「注水が止まる」ことを想定して、5000年
に1回だとうたっている。科学性はもちろん、技術者としての良心の
のかけらもない試算だと言わざるを得ません。

そんな「試算」を行う予算があるのなら、原発事故被災者の方たちへの
賠償にまわすべきです。あるいはそんな余剰人員がいるのなら、被災地
にでてがれきの一つでも運びなさいといいたい。一体、どれだけたく
さんの人々を傷つけ、今なお、避難などでどれほどの苦しみを人々に
与えているのか東電は分かっているのでしょうか。まったく分かって
いないのです。何の痛みも感じてないことが強く伝わってきます。

その点で、僕はこの発表は九州電力の「やらせメール」調査報告書と
同じ位相にあるものだと思えます。九電も、東電も、こんなことをして
国民・住民が怒らないと思っているわけです。いわんや詫びる姿勢など
まったく無い。何より僕はそこに強い怒りを感じるし、捨て置けないと
感じています。

これらのことは、こんなにひどい事故を起こし、もの凄くたくさんの
人々を傷つけながら、東電が潰されず、ただの一人の逮捕者も出て
いないことによってもたらされているのではないか。そのことが東電
のあまりに傲慢な体質を温存させているのではないか。そのことと
事故に今持ってなお、東電が真剣に向き合おうとしていないことが
絡まっていると思えます。

私たちは今、東電に対する追及の声をもっと強くしなければなりません。
事故の責任を追及し、一刻も早くしかるべき額の賠償をすること、また
必要な避難の措置などを東電が率先してとっていくことなど、さまざまな
ことを求めなくてはいけない。そしてあのような人災を引き起こした東電
を、解散に追い込まなくてはいけないし、責任者の処罰を求めねばなり
ません。

もちろん国の監督責任は重大です。枝野経済産業大臣は今、九電を前に、
正義派の顔をしていますが、その枝野元官房長官こそが、もっとも重大な
時期に「安全宣言」を繰り返し、国民・住民が被曝から自らを守る機会を
奪ったことを忘れることはできません。やらせメール事件より、枝野大臣
が犯した罪の方が甚大なのです。

ともあれ私たち国民・住民はもっと怒らないといけない。こんな試算を
のうのうと出されて黙っていてはいけないと思います。

・・・怒りを胸にしつつ、頭は適宜クールダウンしながら、情報ウォッチ
を続けます。

***************

注水停止20時間で炉心損傷、確率5千年に1回
読売新聞 2011年10月17日22時43分

東京電力は17日、福島第一原子力発電所1~3号機で再び炉心が
損傷する確率は、約5000年に1回とする試算結果をまとめた。

同日、経済産業省原子力安全・保安院に提出した施設運営計画に盛
り込んだ。事故前の試算では1000万年に1回としており、
2000倍も高くなった。

試算は、安定化の目標である「冷温停止状態」を維持するため、施設
運営に生かす。損傷確率の計算は、原子炉の注水系統の故障、外部
電源の喪失、大津波など7項目を想定。それぞれの原因で、1~3
号機の一つに約20時間にわたる注水の中断が起き、炉心損傷が起きる
1200度に達する確率を合計した。

炉心損傷に至る確率が最も高かったのは、大津波が原因で注水機能が
回復できないケース。大津波そのものの頻度は700年に1回と
見積もっている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111017-OYT1T01099.htm

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