明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1359)『原発からの命の守り方』を読もう!(3刷発行に際して)

2017年03月09日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20170309)

2015年11月4日に初版を上梓した『原発からの命の守り方』が2017年3月9日に3刷発行となりました。お買い求めてくださったみなさんと販売にご協力くださったみなさんに深く感謝いたします。

この書物は、僕が2012年秋に、兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会に加えていただいて以降の実践を媒介として練り上げたもので、原子力災害対策のリアリティを解き明かしていますが、自信があるのは、あらゆる災害対策に共通の事項、災害からの命の守り方をベースに対策を考え抜いて来たことです。

このためこの本を読めば原子力災害のみならず、必ず災害対応力全般、命を守る力をアップすることにもつながります。ぜひみなさんや周りの方の命を守るために、みんなで本書を手にとり、広げていただきたいです。

おりしも2月19日に原子力規制委員会の田中委員長が鹿児島県に乗り込み、三反園知事に対して、「原発事故時には5キロ圏外は屋内退避が基本だ。むやみに避難させてはならない」などととんでもないことを言い出しました。これは原発メーカーの東芝が崩壊し、原発輸出路線が大きな座礁を迎えつつある中で、原子力産業延命のためには再稼働を急ぐ以外に方途がなくなった中で出されて来たものに他なりません。再稼働強行のために、ネックとなっている避難計画を、もはやなくてもいいことにしてしまおうというのでしょう。

しかし反対に言えば、避難計画の策定こそが、再稼働にとって最も邪魔なものとして浮上してもいるのです。ここが重要な点です。だからこそ、ぜひとも災害全般への対策も見据えながら、それぞれの地域で、原発を動かすとはどういうことか、その場合、どのような対策をとらねばならないかを、本書を手引きに討論していただきたいと思うのです。格好の話題提供ができると自負しています。いまだ一冊の類書もないオリジナルな本です。

福島原発事故からまる6年を振り返るための話題も豊富に盛り込めています。それだけに、いまこの時期に、本書の内容を再度、みなさんに詳しくお伝えしたいと思っていたのですが、ちょうどジャストタイムで本書の書評を執筆してくださった方があらわれました。知人でNPO法人京都アカデメイア会員の舟木徹男さんです。同NPOのホームページの書評欄や、アマゾンのブックレビュー用にと書いてくださいました。

さっそく一読して、見事に本書のエッセンスをつかんで、的確に解説してくださっていることが分かり、感動してしまいました。とてもありがたいことです。

ぜひこの書評をお読みいただき、みなさんの周りの方に本書を進めるためのツールとしても活用していただきたいです。そんな願いを込めて全部を転載させていただきます。

原発からみんなで命を守り抜くために、本書を読んで活用してください!

*****

書評 『原発からの命の守り方: いまそこにある危険とどう向き合うか』

一家に一冊。優れた啓蒙書にして実用書 

2017/3/9 NPO法人京都アカデメイア会員 舟木徹男

著者の守田敏也氏は、経済学者の故・宇沢弘文(一九二八-二〇一四)氏の学統を継ぐ京都在住の著述家であり、これまでも永らく原発の危険性を訴え続けてきたほか、カシノナガキクイムシの虫害からの森林保護など、「社会的共通資本」の観点から様々な問題について論じ、また実践を続けてきた。東日本大震災の一年後の二〇一二年三月には、物理学者の矢ケ崎克馬氏とともに『内部被曝』(岩波ブックレット)を上梓し、アメリカや日本の政治的な動機によって過少に低く見積もられてきた内部被曝の危険性の実際について、すぐれた啓発活動をおこなった。

先日(二〇一七年三月)に第三刷が出た本書『原発からの命の守り方』(海象社)では、震災以降の四年半のあいだ、東北を含め各地で原子力災害についての調査・研究・報告を継続してきた蓄積をもとに、私たちが今後、原子力災害から自分や家族の命をいかに守ればよいのかについて、極めて具体的に分かりやすく説いている。

本書は全六章からなる。第一章「原発事故とはどのようなものか」では、福島原発の四号機プールの使用済み核燃料棒から膨大な量の放射能が漏れなかったのは、まったくの幸運な偶然によるものであったことや、今後も新たな地震などによって福島原発を巡る事態が悪化する可能性がある(それ以前に、危険すぎて近寄れないために原発内部の状況がどうなのかすら誰もよくわかっていない)という事実が明らかにされる。また、事故後に国が定めた新たな安全基準もまったく安全を保障できる内容ではないことや、福島原発から流れ出た放射性物質によっていまも膨大な数の人間の被曝が継続しているという事実などが、具体的な数値と論拠をもって説明される。評者はこの第一章を読んだ段階で、自分いまが置かれている現実をいかに甘く見積もっていたか、ということを知らされた。おそらく本書の読者の多くもまたそうなのではなかろうか。こうした現状をも顧みずに各地の原発が再稼働されつつあるという暗然たる現実を正面から見据え、その危険を少しでも回避すべく、本書は最善の策を以下の章で提示してゆく。

第二章「あらゆる災害に共通する〈命を守るポイント〉がある」では、まず原子力災害に限らず、災害時には危ないと感じたら国や自治体の指示を待たずに「とっとと逃げる」ことが鉄則であることが確認される。そのうえで、避難を遅らせてしまう三つの心理的要因が挙げられる。一つは火災報知機が鳴った時に「どうせ誤作動だろう」と考えてしまう類の「正常性バイアス」である。二つ目は、周りの人々と共に危機の認識が薄いときには自分も「大丈夫かな」思ってしまう「集団同調性バイアス」である。三つ目は、「本当のことを知らせると人はパニックになるに違いない」と考え、危険を実際よりも過少に伝えてしまう「パニック過大評価バイアス」である。これらのバイアスのために、避け得たはずの危険を逆に増大させて多数の死者を出してしまった実例として、韓国の大邱地下鉄火災事件が挙げられる。そして、こうしたバイアスを解除する最良の方法として危機を想定した避難訓練の必要性が説かれる。原発に限らず災害一般について論じた本章では、明治以降、無理な開発を進めてきた東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の五大都市が、防災の観点から見て危険な都市として世界ランキングの上位十位内に入っているというスイスの保険会社の調査結果も紹介されていて驚いた。東日本大震災がそうであったように、原発事故は自然災害とセットで起る場合が多いことを考えると、私たちがいかに危険と隣り合わせの日常を送っていることかと思わざるを得ない。

第三章「原発災害への対処法」では、前章での内容を踏まえたうえで、とくに原子力災害に的を絞った対処法が説かれる。放射線は無色・無臭・無味なので、原子力災害においては上記の三種のバイアスが自然災害の場合以上に生じやすいこと、それゆえ事故の際の避難・対処の仕方をシミュレートしておく必要性がいっそう大きいことが指摘される。重要なポイントに絞って列挙すれば、①避難すべき距離②家族や友人同士でいざというときの避難場所や持ち出す物、避難の経路③病人や障碍者など「避難弱者」のための避難シミュレーション、などについて、守田氏は具体的な指針を数多く提供している。また、福島の事故からも明らかなように、公式発表される事故情報は被害をどうしても過小評価したものになる。そして今後も同じことが繰り返される可能性が極めて高い以上、政府の発表を待たずとも、危険と判断したら「空振り」の可能性を顧みずに「とっとと逃げる」ことが肝心であることが説かれる。

第四章「放射能とは何か 放射線とは何か 被曝とは何か」では、その表題のごとく、被曝を免れるための前提として必要になる、放射能・放射線・被曝についての基礎知識がわかりやすく説明されている。とくに内部被曝の危険性が政治的理由で極端に過小評価されてきたことが指摘されるが、本章は守田氏の前著『内部被曝』と併せ読むことで一層の理解が深まるであろう。

第五章「放射線被曝防護の心得」では、前章で確認した基礎知識を前提に、ヨウ素剤の服用を含め、外部被曝・内部被曝のいずれについても、具体的な防護対策を提示している。印象に残った点としては、被曝してしまったあとの対処として、広島の被曝医師である肥田舜太郎氏の意見を参考に①腹を決めて免疫力を高める生活をする②食べ過ぎない③元を断つ(=原発を廃炉にする)、といった事柄が提案されていることである。東日本大震災以後の日本において被曝から完全に免れることは不可能に近いという厳しい現実を踏まえたうえで、可能な限りの対処法を提案せんと努めることが本書の一貫した姿勢であるが、ここにもその真摯さが窺える。

終章である第六章「行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)」では、行政、とくに市民生活にとって最も身近な市役所や町村役場レベルでは、原子力災害に対してどのような対応が可能なのかが説かれる。現在、原発から半径三〇キロメートル以内にある地方自治体には避難計画の策定が国から求められており、雛型である「原子力災害対策指針」に沿う形で災害対策を打ち立てることが促されている。しかし、三〇キロメートルという数字は何の根拠もない狭い見積もりであること、燃料プール事故の対策を全く欠いていること、いったん自治体が避難計画を策定しても政府はその審査もしていないこと、そもそも原子力災害はどのように推移するかを予測することが困難なこと、などの点から、この「指針」がまったく非現実的であることが指摘される。地方自治体が国の無責任のツケを押し付けられているこうした現状を踏まえた上で、ではいかにして少しでも現実的な方策を立てうるかについて、守田氏自身が二〇一二年以降、兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会の一員として活動した経験をもとに説かれている。

以上の構成からなる本書は、ここまでの要約からもわかる通り、原子力災害の危険と講じるべき対策について、客観的な事実とデータを挙げつつ、誰にでもわかる平易な筆致で記されている。理想的な啓蒙書といえるだろう。結果的に現在の日本政府への批判もなされてはいるが、それは決して「ためにする」感情的批判ではなく、冷静な事実分析に基づいているところが特徴である。前著『内部被曝』とともに、今後の日本に生活する私たちすべてによって――原発反対派もさることながら、むしろ推進派の人々によってこそ――読まれるべき、必携の「実用書」といえるだろう。

なお、守田氏は書中で「僕自身、これまで大学の女子寮の防災訓練や、地域の自治会の防災訓練の場などに招かれたことが何度もあります。今後も呼んでいただければ、喜んで講演をさせていただきますので、ぜひお声掛けください。」と記している。講演では本書出版以後の原発関連の最新情報や原子力災害対策についての新たな知見を得られるであろう。連絡先については、守田氏の情報発信ブログ「明日に向けて」http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011をご覧になられたい。

*****

本書は全国の書店から注文できますが、出版元の海象社さんのHPをご紹介しておきます。本書の目次も掲載されていますのでご覧下さい。

http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html

また直接、守田にご注文いただいても対応することができます。

ブログの場合はメール欄から、メルマガの場合は返信していただくことでご注文ください。よろしくお願いします!

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明日に向けて(1253)地震多発を踏まえ「原発からの命の守り方」の拡散とさらなる研究にご協力を!

2016年04月30日 09時56分30秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20160430 09:30)

一月ほど前になってしまいましたが、3月24日に『原発からの命の守り方』の二刷りがでました!
おかげさまで売れ行き好調ですが、熊本・九州地震を踏まえて、さらに各地にこの本をお届けしたいと強く思っています。ぜひご紹介などにご協力下さい!
またさらに研究を進め、国際放射線防護委員会(ICRP)批判をより前に進めたいと思っています。研究と書籍の作成にもご協力下さい。

本書は福島原発事故の分析を丹念に行うことを通じ、原発事故がどのような恐ろしさを持っているのかを明らかにすると同時に、この国の政府と電力会社が、事故に対していかに不誠実な態度を取り続けてきたのかを暴露したものです。
残念ながらこのままならば同じことが繰り返してしまう。あれほどひどい対応が行われ、避けられる多くの被曝までもが避けられずに来たのに、責任者が誰一人処罰されていないからです。
これまでの科学的知見を超える大規模地震が続発し、さらなる大地震の発生も強く懸念されているのに、危険極まりない川内原発を停めようとしないことや、中央構造線上の伊方原発を再稼働しようとしていることにもそれが表れています。

これに対して、繰り返し述べてきたように、川内原発を停めよ!の声を何度も上げていく必要性がありますが、同時に原発が事故を起こした時のために「原発からの命の守り方」を多くの人に身に着けてもらうことが必須です。
いやそれだけではありません。そもそも今回の熊本・九州地震があらためて私たちに突きつけているのは、この国が自然災害大国なのだということです。
災害対策の第一人者で、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんは、今回の地震対策でもテレビ出演し「世界で起こる震度6を超える地震の5回に1回は日本で起こっている」と警鐘を鳴らしています。

それだけではありません。日本は今、歴史上、最も水害に弱い国にもなってしまっています。戦後の気候のあり方が比較的穏やかな時期に、乱開発を繰り返し、本来ならば人が住んではいけないところを多数、分譲してきてしまっているからです。
いやそれよりも危険なのは、利根川や淀川などの大河川が、堤防のかさ上げを繰り返してきてしまったため、有史以来、もっとも大量の水が流れていることです。利根川が大規模に決壊したら、たちまちのうちに首都圏は機能を失います。
火山の数でもそうです。日本には世界の約1割の火山があります。面積が0.25%しかないにもかかわらずです。いつ大噴火が起きるかも分かりませんが、歴史上、繰り返されてきたのでいつかは必ず起こるのです。

このため本書では水害や事故などの人災も含めて、災害に直面した時、私たちにとって何が一番大切なのかにも誌面を大きく割きました。
あらゆる災害に共通している「正常性バイアス」など、人間の心理面を知り、だからこそあらかじめの備えを行っておくことの重要性を詳しく解き明かしました。
その点で本書は多発する地震や、災害の規模が大きくなるばかりの土砂災害・水害への対策にも有効性をもたせてあります。だからこそ今の時期に、できるだけ多くの方に読んでいただきたいのです。

なお本書は日本図書館協会選定図書にも選ばれています。

本書は海象社さんから出版されています。A5判並製272頁 本体1380 円(税別)です。
海象社さんのホームページをお知らせしておきます。
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo57.html

僕自身も受付ますので以下のメールアドレス、ないしFacebookページからお申し込みください。
morita_sccrc@yahoo.co.jp
https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

僕からの購入の場合は税込み1490円、送料無料です。必要ならばサインもさせていただきます。
また僕が講師となる講演の場にご参加いただけた場合は、特別価格で販売させていただいています。ぜひ講演の場でもお求めください。

同時に「原発からの命の守り方」を各地に広げることと、さらなる研究の前進のためのカンパを心より訴えます。
本書はこれまでも必要に応じて無料での送付も行ってきましたが、今回、とくに熊本・九州地震の被災地や川内原発、玄海原発、伊方原発周辺の関係機関にお届けしたいと思っています。そのための資金を必要としています。

さらに放射線から命を守るために必要不可欠なのは、被曝影響を極端に低く見積もっている今の放射線防護学の何がどう間違っているのかをきちんと解き明かすこと。これこそ被曝から身を守るのに必須の知識です。
本書でも必要最低限度で触れてありますし、琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんにお話を伺う形で編んだ岩波ブックレット『内部被曝』でより詳しいことを形にしていありますが、さらに一歩も二歩も前に進まなければと思っています。
とくに国際放射線防護委員会(ICRP)体系の誤りにより切り込んだ研究を行い、出版につなげ、被曝の強制に立ち向かいたいです。そのため矢ヶ崎さんの研究の最新の知見も盛り込んだ書籍を、なんとか夏までに形にせねばと思っています。

これらの活動へのみなさまのご協力を心の底から訴えます!

以下、カンパの振込先を記しておきます。
書籍購入の場合の代金もここにご送付ください。

振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615

以下、参考までに『原発からの命の守り方』の目次と、さまざまな方が書いてくださった書評を列挙しておきます。

*****

『原発からの命の守り方』目次

まえがき 
  
 第1章 原発事故とはどのようなものか     
 1- 1 2011年春の危機  
 1- 2 今後、どのような事故が起こり得るか 
 1- 3 原発を再稼働させないことが一番  
 1- 4 実際に避難はできるのか 
      
 第2章 あらゆる災害に共通する「命を守るためのポイント」がある     
 2- 1 災害心理学から考える  
 2- 2 避難時の行動を災害社会工学から考える  
 2- 3 災害対策の見直しが問われている  

第3章 原発災害への対処法     
 3- 1 原発災害を想定したシミュレーションを  
 3- 2 原発の事故情報をどう見るのか  
     
 第4章 放射能とは何か、放射線とは何か、被曝とは何か     
 4- 1 放射能とは何か  
 4- 2 被曝のメカニズム  
 4- 3 内部被曝の危険性と過小評価  

第5章 放射線被曝防護の心得     
 5- 1 被曝を防ぐためにーその1、ヨウ素剤を飲む  
 5- 2 被曝を避けるーその2、放射線をかわす、被曝を減らす  
 5- 3 被曝したらどうするのか  
      
 第6章 行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)      
 6- 1 原子力災害対策において地方自治体の置かれた立場  
 6- 2 兵庫県篠山市の原子力災害対策への関わりを振り返って  
      
あとがき  

*****

書評を列挙します。

新著 『原発からの命の守り方』(感想)
星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)寺本和泉
http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html

直言曲言 京都在住の知人でフリーライター、守田敏也さんが・・・
毎日新聞2015年12月6日 鳥取版
http://mainichi.jp/articles/20151206/ddl/k31/070/353000c

原発防災のリアリティを解き明かす伝道書
投稿者  哲郎  トップ1000レビュアー 投稿日 2015/12/21
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%91%BD%E3%81%AE%E5%AE%88%E3%82%8A%E6%96%B9-%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%9D%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E5%8D%B1%E9%99%BA

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必読。「原発からの命の守り方」(守田敏也著)
帽子作家ぜんばやしの贅沢な自給自足的生活
http://zisoku.com/kyoto/2015/12/23/book/

読了「原発からの命の守り方」
Narratives from a Counsellong Room 2016/4/4
http://nfacr.net/blogpost/2183/%E8%AA%AD%E4%BA%86%E3%80%8C%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%91%BD%E3%81%AE%E5%AE%88%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%80%8D/
 

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明日に向けて(1229)『原発からの命の守り方』・・・ぜひ広めて下さい!

2016年03月04日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20160304 23:30)

高浜原発4号機緊急停止問題について、関西電力は調査を繰り返していてあまり主だった原因の発表に至っていません。
その後、電気関係の関連機器には異常がなかったと発表されており、過電流を感知するして原子炉を自動停止させた機器の設定にミスがあった可能性がほのめかされています。
そうであった場合、原子炉の緊急停止につながら安全対策上の核心部分に設定ミスがあったことになります。ともあれ暫くは関電による究明を待つばかりです。
今回の事態は原子力規制員会の新規制基準のもとでの審査のいい加減さも突き出しています。その点から現に動いているすべての原発の危険性が容易に推察されます。ただちに稼働をやめるべきです。

同時に原発再稼働を見すえて、民衆の側から原子力災害対策を強めるべきことを前回述べました。
その際、ぜひ参考にしていただきたいのが昨年秋に緊急出版した『原発からの命の守り方』です。
原発の問題を説いた書物の中で、災害対策に大きなウエイトを割いた書は本書が初めてだと自負しています。それだけに川内・高浜原発をめぐる緊張関係の中で、ぜひ多くの方に本書を手にとっていただきたいと思います。

そのために今回は、本書に対する書評を二つとりあげさせていただくことにしました。
一つは大阪府高槻市などを中心に形成されている「星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)」のブログに掲載された寺本和泉さんの書評です。
もうひとつは、帽子作家ぜんばやしさんの書評です。
双方とも大変的確に本書の内容を表してくださっています。大変ありがたいです。ぜひお読み下さい。心からの感謝を込めてみなさんにお勧めします。

またみなさんにお願があります。
1つに本書を手に取って読んでください。
2つに本書をご友人や周りのみなさまに広めてください。
3つに本書の感想をお寄せください。適宜、「明日に向けて」でご紹介します。
4つに本書を図書館でリクエストしてください。
5つに本書の書評をお寄せ下さい。
6つに本書の書評をアマゾンブックレビューなどに投稿してください。(今回の二つの書評もすでに投稿していただいています)

ぜひともよろしくお願いします!
以下、書評を掲載します。

*****

新著 『原発からの命の守り方』(感想)
星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)寺本和泉
http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html

この本は原発反対または推進のいずれの立場の人であっても目を通すべき本ではないだろうか? なぜなら、著者も書いているように、日本には現実に多数の原発があり、使用済み核燃料だけでも約1 万7000トンもあるという(p.36)。
なんの防護もない冷却プールが大地震などで破損すれば、これまで以上の核被害が起きるおそれがある。それだけではない。世界には老朽化した原発が多数あり、旅行や出張や留学で事故に遭遇する危険性も否定できない。
本書は市民だけでなく、事故発生時に出動することになる消防,警察,自衛隊員などの放射能防護対策にも言及し、社会全体で防災、減災にとりくむべきことをていねいに説得している。
本書の目次を見ただけで読むことを敬遠する人は、すでに「正常性バイアス」のワナにおちている可能性がある。正常性バイアスとは、危機に直面したときに危機そのものを認めず、事態は正常だととらえてしまう心理のことである。
災害心理学において重要なポイントだそうだ。そのほかに「集団同調性バイアス」、「パニック過大評価バイアス」がある。
本書では、韓国テグの地下鉄火災事件がわかりやすい例にあげられているが、いずれも東電原発事故でもみられたし、自分でもおもいあたるところがある。

また、本書では、いわゆる「自主避難者」の行動が、社会にとっていかに重要な役割を果たしているかを客観的に説明しており、この認識は市民も共有しなければならない。
第 6 章 行政はいかに備えたらよいのかでは、兵庫県篠山市 (ささやまし) の原子力災害対策検討委員会のメンバーとしての経験から、行政の原子力防災・減災の具体的な実践例や提言が書かれている。
原発推進または反対のいずれの立場の人であっても、この課題は避けられないはずである。
本書のように、柔軟に、あるがままの現実を見て課題を発見する立場は大切であり、市民の自発的判断力と行動力がそれを実現していく道であろうとおもわれる。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
目次
まえがき
第 1 章 原発事故とはどのようなものか
第 2 章 あらゆる災害に共通する「命を守るためのポイント」がある。
第 3 章 原発災害への対処法
第 4 章 放射能とは何か,放射線とは何か,被曝とはなにか
第 5 章 放射線被曝防護の心得
第 6 章 行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)
あとがき
(A5 版,271 p.)
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『原発からの命の守り方
――いまそこにある危険とどう向き合うか』
2015 年 10 月 17 日 初版発行
著者 守田敏也
発行所 株式会社海象社
http://www.kaizosha.co.jp
ISBN978-4-907717-43-8
定価 1,380 円(税別)

*****

必読。「原発からの命の守り方」(守田敏也著)
帽子作家ぜんばやしの贅沢な自給自足的生活
http://zisoku.com/kyoto/2015/12/23/book/

少し前に入手していたが、中々読みきれていなかった守田敏也さんの新刊。やっと読了。昨日夜、何とか一気に後半読みきった。
その名もズバリ、
原発からの命の守り方: いまそこにある危険とどう向き合うか
という、まさに「原発について今知っておきたいこと」をテーマにした本である。

守田敏也さんは京都に非難移住した人ならほぼ知っているであろうと思われる、フリージャーナリストの方。
2011年の震災後からずっと継続して原発の問題について追いかけて、どんなに小さい会であろうとも講師になり具体的な提言をされてきた人である。

私が守田さんに初めて会ったのはたしか、「カライモブックス」での震災瓦礫処理問題の勉強会であったと思う。
震災瓦礫処理問題では感情的とも思われる論争が多い中、先ずその徹底的にデータを集めて「問題の本質」を突き止めようとするそのありかたに独特のものを感じたのをよく覚えている。
岩波ブックスからすでに出ている、矢ヶ崎先生との共著・内部被曝もよくここまで簡潔にまとめたなとしか言い様の無い凄い本であるが、次の本はどのような提言をされるのであろうか・・と心待ちにしていた。

本中では「正常性バイヤス」と呼ばれる、大きな災害が目の前に起こっていてもそれを認めず、結果的に大惨事に巻き込まれてしまう人間の心理の働きとは?について念密な考察と、そこから逃れるにはどのような処方が有効であるか?が具体的に語られる。
匂いも色も何も無い放射能からの被曝への具体的処方に関しては、私も自分自身と娘の命を守る為に必死に学んできたが、この本中にも記述があるヨウ素剤についての話は初めて知った。具体的で、非常に参考になる。
本後半では兵庫県篠山市での取り組みが紹介されているが、京都市も同じようにヨウ素剤配布を早急に検討して欲しいものだ・・ちなみに篠山市では、来年一月から配布が開始されるそうです。

本中の他の話は私自身としては大体の大枠は知っている内容であったが、一般にはあまり認知されていない事実であろうと思う。
原発の問題とは実際のところ何なのか、十分これからも起こりうる問題としての原発からの「放射能被曝」に対して今認識しておきたい前提を伝えるのに最良の本であると思う。
これからの世の中を生きていくのに、まずここで語られる事は知っておきたい。作者に惜しみない拍手を送りたいと思う。

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明日に向けて(1195)『原発からの命の守り方』への反応と拡散のためのお願い

2015年12月22日 17時00分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151222 17:00)

11月4日に発売された『原発からの命の守り方』、お陰さまでとてもよく売れています。
一カ月半あまりが経って、いろいろな反応が出てきました。
まずご報告したいのは日本図書館協会の選定図書に指定されたことです。
年刊6万点は出ると言われている新書の中から選ばれるのだそうで、およそ16%が該当し、全国の図書館に推薦が送られるとのことです。とても光栄です。

論評や書評も出てきています。
まずは毎日新聞鳥取支局で知人の太田裕之記者が短いスペースながらも素敵な紹介を書いてくれました。

 直言曲言 京都在住の知人でフリーライター、守田敏也さんが・・・
 毎日新聞2015年12月6日 鳥取版
 http://mainichi.jp/articles/20151206/ddl/k31/070/353000c

 京都在住の知人でフリーライター、守田敏也さんが新著「原発からの命の守り方」(海象社、1490円)を出版した。東京電力福島第1原発の事故以降、被ばくの問題と対処法を研究し、「明日に向けて」と題したブログや全国各地での講演で発信し続けている▼副題は「いまそこにある危険とどう向き合うか」。次々に進められる再稼働では完全な安全性が保証されたわけではなく、重大事故が起きた場合の避難計画も実効性は不明。停止中の原発でも冷却し続けなければならない使用済み燃料棒によるリスクは常にある▼福島の事故で多くの人を被ばくさせた後も原発への固執を続ける国に「もはや命を預けていてはならない」と守田さんは指摘する。「私たち自身で守る力をより強くする」「(もともと)無理な避難計画作りを求められてきた自治体の方たちにも読んでいただきたい」。原発に隣接する鳥取県の人たちにも参考になると思う。【太田裕之】

個人・団体のブログでは東日本震災避難者の会の「サンドリ文庫」、「SAVE LIFE action」への佐藤光夫さんの投稿、滋賀県東近江市の「でこ姉妹舎・アートにどぼん」でも取り上げて下さいました。
大阪府高槻市,茨木市,島本町などで活動している「星の対話プロジェクト」(災害避難者の人権ネットワーク)、また「脱原発の日ブログ」でも触れていただいています。それぞれのみなさまに感謝しつつ、リンク先をご紹介します。

 東日本大震災避難者の会 サンドリ文庫
 http://linkis.com/WOaLR

 SAVE LIFE action 佐藤光夫さんの投稿
 http://save-life-action.org/10-21-2015.htm

 でこ姉妹舎 アートにどぼん
 http://dekosimaisha.shiga-saku.net/e1205419.html

 星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)
 http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html

 脱原発の日ブログ
 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-12086093487.html


アマゾンのカスタマーレビューでも取り上げられました。
特にご紹介したいのは、知人でもある「哲郎さん」の書評です。
哲郎さんは200以上の書籍に関する説得力のあるレビューを掲載していて、アマゾントップ1000レビュアーに選ばれている方です。

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原発防災のリアリティを解き明かす伝道書
投稿者  哲郎  トップ1000レビュアー 投稿日 2015/12/21

著者はすでに岩波ブックレット『内部被曝』で、一般にはなじみがなかった(そして原子力ムラからはその恐ろしさを隠ぺいされていた)原発放射能による人体へのダメージを人々に分かりやすく伝えている。
社会科学を基礎とした人間と社会への洞察を背景に、福島第1原発事故のあり得た災害規模、災害から避難するとはどういうことか、為政者はどういう情報操作を行うか、そして改めてアルファ線・ベータ線が人体にどういう作用を及ぼすかなどを、透視画のように明晰に解説してくれる。
兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会で有識者として活動した経験から、人が陥りやすい心理的バイアス、それを克服する防災訓練などの有効性などを、あたかもそばで見ているような臨場感を感じさせる解説をしてくれる。
困難の中にある福島のに人びとへの同情、再稼働を始めた原子力ムラの政府と事業者への憤り、肥田俊太郎医師からの聞き取りなど、暖かさと知性を感じさせる筆致に、快い共感を覚えた。
評者がとくに勉強になったところを以下に挙げる。
-福島第1から放射能が飛散した範囲が250kmを超えており、様々な僥倖に助けられることがなかったら、東京圏も居住不能になった可能性があること。
-各原発地元自治体が過酷事故時の避難計画立案を求められているが、すべての人が避難できる計画が立てられないこと。
-避難行動について、津波や洪水からの避難の歴史から、行政が号令をかけるのではなくて個人ひとりひとりが自分で身を守るという行動をとる以外に方法がないこと。
-官庁の発する原発避難指示はどうしても手遅れで、かつ、範囲が過小になること。
-被ばくによる体内のダメージは、エネルギーだけでは表現できないこと。
-ICRPの基準は人柱を前提にして原発推進を行うためのALARA原則によること。
-安定ヨウ素剤はすぐのむこと。副作用は実質微少であること。
-行政が行う防災訓練は十分に効果があること。
きわめて実践的な指針が示されており、原発地元の人々や防災担当の方々にとって過不足ない教科書だと思う。


もう一つは遠藤忠様の投稿です。内容紹介というより本書を読んで思われたことの紹介となっています。

原発被害について
投稿者  遠藤忠   投稿日 2015/12/18

原発事故で懸念されるのは、被害補償である。日本の原発でチェルノブイリ級の事故が起こった場合、その損害額は数百兆円に昇るとみられているが、現行制度では、電力会社には千二百億円の保険加入義務しかない。実際、福島事故では今もなお多くの避難民の方が十分な補償を受けられず苦しんでいる。
そこで、再稼働の条件として、稼働する原発に対し電力会社の全社員及びその家族が各人数億円規模の保証を締結することを提案したい。
一見厳しい条件のようだが、再稼働について国民の理解を得られる自信があるなら、家族を説得することなど朝飯前であろう。(私が家族の立場なら即絶縁するが)
もちろん、首相や関係閣僚及びその家族・秘書の方々にも原発保証に加わっていただきたい。その位のリスクを背負った上で再稼働を決めるのが、真の覚悟ある決断である。

*****

こうしてとりあげていただけるのはとてもありがたいです。
出版を祝う会に寄せていただいた本当に温かいみなさんの思いやこうした評価にお答えし、さらに頑張って活動をレベルアップしていきたいと思いますが、そのために本書をもっと大きく広げたいと思っています。
何よりそのことで、原発からの命を守るすべを大きく広げていきたい。同時にその中でまた原発とは何か、なぜ、どこがどのように危険なのかというリアルな討論を広げていきたいです。
しかもそれを国内にとどまることなく世界に広げていきたいと思います。核の恐怖から解き放たれていくのは全世界の民衆の共通の課題だからです。

そのためにぜひお願いしたいことがあります。
1、本書をぜひお読み下さい。
2、読んだら知人にご紹介ください。できれば感想も伝えてください。
3、周りの方と学習会などでお役立てください。
4、可能な方は感想を文字にしてお寄せ下さい。できるところに投稿してください。
5、お近くの図書館に本書をリクエストしてください。

これらの情報をお寄せいただけたらぜひフィードバックさせていただきます。
本書の最終章で触れた兵庫県篠山市では来年1月末から安定ヨウ素剤の事前配布を始めます。話題になると思いますので、ぜひ篠山市のこの行動ともタイアップしつつ本書を広げていきたいです。
心の底からご協力をお願いします!

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なお出版元の海象社さんによる本書の紹介と購入案内が記されたページもしめしておきます。
DE かいぞう 58号
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html

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明日に向けて(1194)『原発からの命の守り方』出版を祝う会へのお礼です!

2015年12月21日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151221 23:30)

12月12日に新著『原発からの命の守り方』の出版を祝う会を友人たちが京都市で開催してくださいました。
たくさんの方が集まってくださいました。ものすごく嬉しかったです。
Facebookには数日後にお礼を出したのですが、この場では次々と生じる事態に対応していてお礼を出すのが遅れてしまいました。すみません。Facebookに出したものを転載させていただき、お礼に代えさせていただきたいと思います。

***

御礼!

みなさま。12日に新著『原発からの命の守り方』の出版を祝ってくださる会を開催していただき、90人近い方が駆けつけて下さいました。本も72冊も買っていただけました。
ご参加いただいたみなさま。本当にありがとうございました。心からお礼申し上げます。
会場ではなんだか舞い上がっていて、十分にお礼の言葉を尽くせませんでした。この場を借りて心からの感謝をお伝えしたいです。

とくに発言をいただいたみなさん、準備していただいたみなさん、おいしいビールやコーヒー、食べものを意用してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
また僕にとって嬉しかったのは今回、新旧の仲間たち、友人、知人、そして僕のブログなどを読んで下さっている方など、多様な方が駆けつけて下さったことです。
僕の福島原発事故直後の活動を最も後押ししてくれた親友、故安藤栄里子さんのご両親をはじめ、ピースウォーク京都以来の仲間やつばめ劇団の面々、放射線防護、脱原発運動で新たに知り合った方々、京都被爆2世3世の会の方たちなど本当にたくさんです。

そんなみなさんを前に記念講演もさせていただきましたが、今までで一番上がりました(笑)
またその後の発言でもみなさんが次々と僕をほめそやしてくださるのでなんだか気恥ずかしく、やはりずっとあがっていました。いやもう本当にありがたや、ありがたやでした。
こんなに大事にしてもらってしかも褒めちぎられてしまったら、頑張るしかないなあとしみじみ思っています。

すでに会場でも、また「明日に向けて」でもお伝えしましたが、この本の作成の舞台ともなった兵庫県篠山市でこのお祝い会の前日まで市議会が開かれていました。
篠山市では来年1月からの安定ヨウ素剤配布に向けた準備を幾重にも重ねてきているのですが、それでも市議会から「準備不十分」を理由に待ったがかかり、予算が却下されるかもしれない事態に。
そのこともあって前日は原子力災害対策検討委員会の緊急会議があって駆けつけていたのですが、結局、予算案は午後3時過ぎに委員会を通過し本会議にまわることになってほぼ成立の目途が立ちました。これで事前配布実行にさらに一歩近付けました。
年明け早々に大々的な配布が開始されると思います。

今後もこの篠山市の実践にしっかりと根をおろしつつ、原発からいかに命を守るのかの論議と実践をみなさんと一緒に各地に広げていきたいと思います。その中から民主主義の大きな発展・レベルアップを目指したいです。
みなさま、骨身を削って頑張ります。あ、だからといって身体を悪くすることなく、健康的に、元気いっぱいに骨身を削ります(笑)
これからもどうかよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

***

当日、IWJ京都の萩崎さんが中継してくださいました。以下にアドレスをご紹介しています。

 【京都】守田敏也さん『原発からの命の守り方』(海象社)出版を祝う会(動画)
 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/278379

当日はオープニングに豪華なピアノ演奏があり、途中でボサノバの美声を持っている友人がプロのギタリストの伴奏で3曲もの歌をプレゼントしてくれました。グッときました!
お祝いにいろいろなものもいただきました。
お酒(日本酒・ワイン)、アロマオイルとミスト機のセット、天然素材クッキー、チョコレートセット、漢方薬、僕が飲んでいる漢方薬のもとになる黄連という草(驚いた)、そしてカンパなどなど・・・。
僕は本当に仲間や先達、後輩に恵まれたなあと思います。

この他にお祝いの言葉自身はこの会にこれなかった友人・知人からも本当にたくさんいただきました。
多くの方が企画などが被っていて、これない代わりにと豪華なシュトーレンを送ってきてくれた友人もいました。
この山のような温かい励ましの声を力に変えてさらに前に進んでいきたいと思います。

なお本書への書評などの反応も出始めています。次回にそれらをご紹介します。

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明日に向けて(1189)篠山市で沸騰する原発からの命の守り方をめぐる議論(本日は京都市新島会館へ!)

2015年12月12日 12時00分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151212 12:00)

今日は『原発からの命の守り方』の出版を祝う会を催していただける日ですが、その前の昨日は篠山市で原子力災害対策検討委員会の緊急会議が招集されて行ってきました。
実は昨日まで篠山市議会が開催中。来年1月から始めようとしている安定ヨウ素剤の事前配布の予算執行に対して、少し前に議員の一部から「待った」がかかり紛糾していたのです。

理由は「市民へのヨウ素剤配布の意義の周知が徹底していない」「もっと時間をかけてやるべき。例えば学校で生徒・児童に対してもっと徹底した説明を行うべきだ」などというもの。
同時に事前配布にはたくさんの医師、薬剤師の関わりが必要であり、それなりの予算が必要なのですが「そんなにかかるとは知らなかった」とも。

これに対して市長・副市長と市役所職員が説明不足を己に問いつつ、説明に次ぐ説明で大奮闘、ようやくのところで賛成多数を得て予算案が委員会を通過(ただし付帯決議付き)、本会議にまわりました。
昨日の私たち検討委員会は、議会で配布方針がひっくり返ってしまう可能性も含めて、市から議会の様子をお聞きすることをメインとしていましたが、事務局を務める市民安全課防災係のみなさんが、やつれながらも安堵していたことが印象的でした。

実はその前にも篠山市医師会からもいったん待ったがかかりました。この時も説明が不十分だった面もあると捉えて、委員会に属する兵庫医大の上紺屋先生や事務局のみなさんがさらなる丁寧な説明を行ってくださいました。
職員の方たちは医師からの高度な医学的質問にたじたじしたりしながらも、説明を繰り返されたそうです。すると医師会のみなさんがようやく理解を示してくださり、ヨウ素剤配布に医学的見地から前向きに協力して下さることになりました。

それもあってこの間。職員の方たちからいろいろと僕にも質問が。
「燃料プールの事故の場合でも放射性ヨウ素は発生しますか?」「甲状腺等価線量50ミリシーベルトというのは、もし放射性ヨウ素だけが飛んできたと仮定して実効線量ではどれぐらいになりますか?」
・・・さてみなさん、これらにすぐに答えをだすことができますでしょうか?

篠山市はこの間、こんなことをあちこちで論議しています。これまで安定ヨウ素剤の説明を行った自治会は206。説明会参加者数は4300人。ちなみに篠山市の人口は約4万人です。
市議会では「それでも足りない」という意見が出てきたわけです。「よーし、それならもっと徹底して説明しますよ!」とか僕は思っちゃいましたね。

医師会や議会から待ったがかかる度にハラハラどきどきで、必死で汗を書いている事務局のみなさんには著しく申し訳ない言い方にはなりますが、僕はこれはこれでとても意義深いことだとも思っています。
なにせ篠山市のあちこちで放射能からの命の守り方について論議しているのだからです。こういうときはどうするんだ、こういうことが考えられてないじゃないかとかやっている。その中で説明が繰り返されている。この過程こそが防災力をあげるのです。

篠山市は小さな行政体でお金があまりない。だから初めからモニタリングポストを建てるだとか、事故通報システムを整備するだとか、そんな高額のハード整備については考えてきませんでした。考えたって買えなくては仕方がないのですから。
その分「人の頭」を啓発することに焦点を絞ってきた。ヨウ素剤配布でも事前の啓発活動に力を入れてきました。それでも足りないという突込みが議会でありましたが、その際の細かい質問にまで事務局の方たちが対応できる。だって勉強してきましたから。

とはいっても最低限の必要なものは買っていただいています。そのひとつに消防団の原発災害時出動用にゴアテックスのカッパを新調したことがあります。1着約1万円を1200着。
もちろん安定ヨウ素剤はいち早く全市民分を購入して備蓄済みだし、ガイガーカウンターなども買いそろえました。消防団では今後、眼を守る曇り止め付きゴークルを揃える予定です。精度のよいマスクも。

昨日の帰りがけに職員の方が言いました。「ヨウ素剤配布。はじめたらすごいことですわ。物理学もやらんならんし、薬事法も調べんならんし、その上、原子力規制庁の指針も読まなあかん。私のようにズブズブの文系にはえらいですわ」
僕が言いました。「僕ももともと文系なんですよ。でもまあそれでもよくここまで来ましたよねえ。気がついたら驚くような高い山に登っていたことになりますよ。ご苦労様です」・・・。本当に心の底から篠山市のみなさんの奮闘に敬意を表したいです。

ヨウ素剤配布の現場にはたくさんの医師、薬剤師が立ち会ってくださることになったのですが、この方たちももともと放射能のことに詳しいわけではありません。今、懸命になって勉強していただいているところです。
こうして篠山市は、放射能問題を学び、理解し、安定ヨウ素剤についてのしっかりした知識を持つ医療関係者や自治体職員の数が増えつつあります。もちろんしっかりした知識を持った市民の数自身も上昇中。大変良いことだと思います。

さらに放射能の問題に限らず、災害全般への市民の対応力を伸ばそうとしているのが私たちの委員会が出している災害対策の「ミソ」です。
僕はこのことは民主主義そのものの促進につながるという確信も最近深めてきています。今日もそのことを結論として発言したいなと思っています。

原発から、放射能から命を守るために、同時に私たちの町、社会を下から作っていく市民的能動性を高めていくために、さらに多くのみなさんと一緒に前に進みたいです。
お近くの方、本日はぜひご参加下さい。

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守田敏也さん「原発からの命の守り方」(海象社)出版を祝う会
https://www.facebook.com/events/178060139201488/
 

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明日に向けて(1186)災害対策のソフト面からの強化は民主主義の促進につながる(12日は新島会館に)-2

2015年12月08日 09時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151208 09:30)

昨日の続きです。三回に渡った滋賀県での取り組みに関する感想の続きです。

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近江八幡での「くらしとせいじカフェ」もとても印象的でした。ここには社民党の福島みずほさん、共産党の宮本たけしさん、民主党の徳永ひさしさんなど国会議員と国会経験者が参加されていて、さまざまな話題が論議されました。
最後の方で僕が原子力災害対策についての自論と兵庫県篠山市での実践を紹介し、同じような取り組みを各党で行って欲しいと要望したところ、社民党の福島みずほさんが、国が行っている避難計画のひどさを指摘し、避難なんかできないと言われるのです。
ちなみに福島さんのお連れ合いの海渡弁護士は数々の原発訴訟を担われてきた方です。福島さん自身も各地の原発の視察を行われています。僕など足元にも及ばないほど、原発の現場を周ってきて原発に反対して来られた方です。

しかしその福島さんですら、国の行っている災害対策のひどさの指摘(それ自身は実に的確ですが)にとどまってしまい、それでは民衆の側がどうすべきかについては触れられない。「避難は無理」と断言される。
僕は「避難はできないとは言わないで下さい。それでは実際の事故の時に多くの人が避難しなくなってしまう。現実には原発事故はどう進展するか分からない。もちろん最悪の場合は膨大な人が急性死することもありえる。
だから完璧な避難計画などできないと言うのは正しいけれども、実際に避難できないかどうかとは違う。福島原発事故では時間的余裕があった。だからとどうなるか分からないから可能性にかけて必死に逃げ出すことが必要です」と述べました。

これに対して、くらしとせいじカフェin長浜では、民主党の田島一成議員と僕が発話させていただき、僕の話の後に、彦根や長浜からの避難のリアリティも討論になったのですが、田島さんは彦根からなら南下しないで関が原方面に逃げた方が良いと言う。
南下した場合、湖岸に近い道路を通ることになるわけですが、しかし放射能は琵琶湖の上をすぐに渡ってきてしまうので琵琶湖の西側の湖西と東側の湖東の間には距離はないと思った方がいい。だから彦根にいるなら自分なら関ケ原方面に逃げると言うのです。
他にも田島さんはご自分がいろいろに考えておられる事故想定と、対処方針を語られていました。田島さんとは「くらしとせいじカフェ」を何度もご一緒してきたのですが、こうしたリアルな想定を深められていることがなんだか嬉しかったです。

僕はここにキモがあると思うのです。原子力災害対策のみならず、国や行政の行う災害対策はとかくハードに傾きがちです。典型的には風水害対策では一級河川の多くの堤防を増強し、100年に一度の洪水に耐えられるようにするという。
しかしそれには莫大な費用がかかるし、実は非常に遅々としてしか進展していないのが実情なのです。このままでは国中の河川を改修するのに1000年かかってしまいます。100年に一度の洪水をふせぐために1000年かかる。矛盾が大きすぎます。
しかも大事なのは、そうやって整備しても、100年に一度の規模を越える洪水が来たら、もう打つ手なしなのだということです。概してハードは予算がかかる上に、想定が越えられたらまったく役に立たなくなってしまう。

これに対して僕が言うソフトとは人の頭脳のことです。災害に対する民衆の能動性を高めるのです。そのために事前の学習を増やし、判断力をみんなでアップしていく。いざというときにそれぞれが自力でやれることを増やしておく。
概してソフト強化はハード強化に比べてお金がかかりません。その上、人間の知恵を高めておけば、想定が破られてもまだまだ対応する余地があります。人間には柔軟な応用力があるからです。
そのために災害対策は国や行政がやるものという従来のパラダイムを転換し、国や行政がやるべき範疇は残しつつも、民衆の側、人間の側の力をアップさせることに力を注ぐのです。そうすれば災害・事件などあらゆることに適用でき、費用対効果も抜群です。

ところが原子力災害対策の場合、ソフトの強化に踏み込めば、原発と放射能の危険性を多くの人々があまねく知ってしまうことになるため、原発推進側によって避けられてきたのです。このことに着目すべきです。
反対に、民衆が下から原子力災害対策を強化すれば、自ずと隠されてきた真実も明るみに出てくる。放射能から身を守る知識を増やす中でこそ、原発の危険性がよりしっかりと把握されるのです。しかも身を守る術が軸ですから能動的に学べます。
その意味で、この取り組みは民主主義を強化するものでもあること、民衆の能動性を磨くものであることを強く訴えたいです。

新著にはこうしたことをたくさん盛り込みましたが、この間の滋賀県への関わりの中で、僕自身、さらに確信を深める思いがしました。
そもそも、しがの方たちが作った「くらしとせいじカフェ」というキャッチ自身がこのことを表しています。ここには「政治は政治家がするもの」という、いつの間にかできあがってしまった硬い想念をスルっと抜けていくモメントがあります。
「くらしのばでせいじをかんがえようよ」という柔らかい呼びかけがある。「想念を打破せよ」なんて怖い言い方はしない。「カフェでせいじをはなそう」というわけです。その場で「放射能がきたらどっちに逃げる?」なんてがやがや語り合ったわけです。

さてすでに何度かお伝えしましたが、新著の出版を祝う会を12日に友人たちが催してくれます。京都市内の新島会館で午後2時から行われます。
もちろん僕も30分ほどスピーチすることになっていて、何を語ろうか考えていましたが、いま述べてきたような話をもっと煮詰めて話そうかなと考えています。
原発からの命の守り方をみんなで高めあげ、その中で民主主義を育てていきたい。ラディカルなデモクラシーの発揚へとつなげていきたいと思うのです。

お近くの方、ぜひ出版を祝う会にお越しください。
来られない方も、原子力災害のみならず、あらゆる災害に対する私たちの能動性を一緒に磨いていきましょう。
そのために新著をぜひお手に取ってください。自信を持ってお勧めします!

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守田敏也さん「原発からの命の守り方」(海象社)出版を祝う会
https://www.facebook.com/events/178060139201488/

守田敏也さんは、2011年の東日本大震災と福島原発事故の直後から、ブログ「明日に向けて」(http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011)にて、原発事故や放射能の情報を発信し続けてきました。
被災地や日本各地に避難した方々を訪ね、励まし、人と人の関係をつなげながら、その活動はトルコ、台湾、ドイツにもおよび、放射能による被曝からの身の守り方、各地の実践に根ざした原子力災害対策のパイオニアとして奔走されています。 

10月末に出版された『原発からの命の守り方』(海象社)には4年半の活動の成果と、「原発」からだけでなくさまざまな災害から命を守るための具体的な知恵がどっさり盛り込まれています。
守田さんがつないできた多くの人たちが集い、この大切な一冊の出版を祝う場を持ちたいと思います。守田さんには、台湾訪問などの最新情報を加え、渾身の記念講演をお願いしています。
明日に向けて、師走の午後にみんなで出会い楽しみましょう。お誘いあわせのうえ、ぜひお越しください。

日時:12月12日(土)午後2時~4時頃
場所:新島会館 別館 京都市上京区寺町丸太町上がる
http://www.doshisha-alumni.gr.jp/access/access.html
会費:1000円(おやつ付)

主催:守田敏也さんの出版を祝う仲間たち
連絡先:090-3704-3640(蒔田)

出席される方は蒔田までご一報ください。
こちらへ⇒bosko@gaia.eonet.ne.jp


 

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明日に向けて(1185)原発災害対策をどう進めるのか-ソフトの強化こそキモ!(12日は新島会館に)-1

2015年12月07日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151207 23:30)

新著『原発からの命の守り方』を上梓して以降、原発災害をめぐるいろいろな講演、企画に参加しました。
あるいはさまざまな企画の場に、この問題を持ち込ませていただきました。
中でも特筆すべきは、滋賀県で三週間にわたって企画参加したことです。

まずは11月23日に大津市で「滋賀の原子力災害対策について知ろう」という企画に参加し、講演させていただきました。
続いて11月29日に「くらしとせいじカフェin近江八幡」に参加、終盤に原子力災害対策について3人のパネラーとやりとりさせていただきました。
そして12月6日に「くらしとせいじカフェin長浜」に参加。前2回の経験を踏まえ、滋賀の原子力災害対策に大きくフォーカスしつつしっかりと話させていただきました。

なぜこれだけ滋賀県に続けて行っているのかというと、嘉田知事を継承した現三日月知事の選挙戦の際に、しがのかあちゃんたちを中心にさまざまな方たちがこの選挙を支え、自民党政治への舞い戻りを食い止め、そこから新しいモメントも生まれたからです。
そのひとつが「くらしとせいじカフェ」です。いわば市民の側にせいじを取り戻すと言うか、くらしの場、なじみ深い場にまでせいじを持ってきて、多くの方の参加を促すようなモメントです。
このなんともしなやかな動きが三日月知事や滋賀の政治家たちをさまざまに囲んでいる。これまた何とも面白い。それで僕も継続的に参加させていただいてきたのですが、とくにこの間は原子力災害対策についてぐっと深みがでることとなりました。

とくになかなか画期的だったことに、大津市での企画で、ここには大津市と滋賀県の原子力防災の担当者が参加され、それぞれの対策について講演してくださいました。
これは主催者の方たちが、ダメもとで頼み込んでOKをしてもらったものです。このように行政にしなやかにアプローチして、スルっと来ていただいてしまうのも「しが流」です。
同時に大津市の側、滋賀県の側に語るべきものがあったことも市民集会に出てきた下さった理由だと思います。

というのは大津市は、原子力規制庁が原子力災害対策を事実上半径30キロの市町村にだけ求め、あたかも30キロより遠くには放射能の被害はおよばないかのように振る舞って言ることに対し、独自の計画を作り出したのです。
具体的には避難を含む災害対策エリアを半径47キロにまで拡大設定したことで、福島原発事故で、原発から30キロから47キロに位置していた飯舘村が、今もって全村避難していることを踏まえたものです。
大津市はさらにこのラインを越えてホットスポットが生じうることにも言及し、計画を柔軟に運営することを述べています。

この点では滋賀県も独自にラインを43キロと設定し、原発にもっとも近い湖北地域に安定ヨウ素剤の備蓄を行っています。
この際、なかなか凄いと思ったのは、小中学校、幼稚園、保育園への備蓄を行っていることです。これは篠山市でもまだ実現していないことです。
学校施設は薬品に関するトラブルを防ぐために、基本的にあらゆる薬剤を配らないことにしているからです。この点をどう進めたのか、滋賀県の担当者に聞いたところ「拝み倒しました」と語られていました。素晴らしい!

もちろん僕は原子力災害対策は半径47キロでもとても足りないと思っています。そもそも原発事故が最悪化した場合、どこまで放射能被曝するか分からない。
そのため市役所が高浜原発から54キロにある篠山市では何かあったら「とっとと逃げる」ことを方針にしているし、その際、ヨウ素剤を飲んで逃げるべきことを市民に伝えています。そのために来年1月から事前配布を開始します。
大津の会合では、大津市と滋賀県の取り組みの積極面を高く評価させていただくとともに、さらにもっと対策を推し進めること、ぜひヨウ素剤の事前配布に踏み込んで欲しいと訴えました。

同時に行政の方にも市民の方にも大きく訴えたのは、そもそも私たちが災害対策のパラダイムチェンジの時代を迎えており、その必要性がもっとも高いのが原発災害への対応だということです。
というのは僕が新著のタイトルを『原発からの命の守り方』とした所以の一つなのですが、「災害対策」というと何かしら行政がすべきことだと想念されてしまいやすい。それはこの国の防災システムが行政主軸でできあがっているからです。
しかし昨今、地球的規模での気候変動の中で、これまでの想定をはるかに越える事態が頻発しており、避難指示や勧告が間に合わない事態なども多発しています。行政に頼っているだけではダメなのです。

これが一番顕著なのが原子力災害です。端的に言って原発の運転主体でもなんでもない各府県や市町村に原子力災害対策の知識も経験もないのがあたりまえで、本質的にここには国と電力会社の責任に属するものが押し付けられている構造があります。
加えて各行政は、しばしば想定を越える風水害に直面しており、その面だけでもアップアップになっている。その上、東海大地震や南海トラフ地震にも備えなくてはならない。とてもではないけれども余裕がないのが実情なのです。
しかも、福島原発事故で明らかになったのは、事故になったら国も電力会社も情報をきちんとつかむことなどできないということでした。何せ、1日目に始まったメルトダウンが、既定の事実として認識されたのは5月の連休頃だったのですから。

だから国に的確に逃げろと言う時期をつかむことなどできません。いやそれどころか4号機が危機に陥り、半径170キロの強制避難までが予想されたにもかかわらず、国はあのときこの危機を隠して安全ばかりを強調し続けました。
そのことが何ら反省もされず、責任追及がなされていないのですから、同じ事態になれば必ず同じことが起こりうる。国は迫りくる危機を伝えてなどくれないのです。
だからこそ、民衆の側が自ら危機を察知し、回避し、脱出する術、あるいは被害を少しでも減らす、被曝を少しでも減らす能動性を身に着ける必要があるのです。

続く

企画案内です。12日はぜひ新島会館にお越しください!

守田敏也さん「原発からの命の守り方」(海象社)出版を祝う会
https://www.facebook.com/events/178060139201488/

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明日に向けて(1176)台北は原発事故からの避難は可能か?(台湾で反原発集会に参加します)

2015年11月06日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151106 23:30)

11月中旬に台湾を訪問することになりました。

メインの目的は、日本軍性奴隷問題(いわゆる軍隊「慰安婦」問題)の被害女性のおばあさんたちを訪問することです。
もう何回目かの訪問になりますが、とても悲しく淋しいことに、その度にお祖母さんが少なくなっていってしまいました。亡くなってしまわれたのです。
今回、会えそうなおばあさんは二人。うち一人は病院への訪問ですが、僕らがいくととても喜んで下さいます。
今回もおばあさんたちの勇気に満ちた証言、そしてあれほどの苦難を経てなお、あふれるような人間的愛情と尊厳を示し続けてくれたことに対してのお礼の旅です。おばあさんたちと良い時間を過ごしてきます。

同時に今回は台北で行われる反原発イベントにも参加することになりました。
反原発の中でもとくに原発が災害を起こした時の避難の問題を扱ったイベントです。

北京語になりますが、まずはイベントページをご覧下さい。
https://gcaa.neticrm.tw/civicrm/event/info?reset=1&id=64
https://www.facebook.com/%E6%BC%94%E7%BF%92-461412837327417/?fref=ts

イベントではまず映画『演習』が上映されます。英語ではdrill、日本語では「避難訓練」と訳した方が良いでしょう。
この映画は台湾で原発事故が起こった時に、避難が可能かどうかを問うたものです。
監督は現在の台湾の避難計画にはあまりに矛盾が大きいことを指摘しつつ、あるべき避難の方法を模索している方で、僕の考えとかなり近いところがあります。

実は昨年の夏に監督と映画スタッフが日本まで来て僕にインタビューをしていってくれたのです。
同時に僕が篠山市消防団に講演することを知り、そのシーンも撮っていきました。その後、僕が手配してちょうど翌日に行われた高浜原発の避難訓練も映像に収めて帰りました。
その映画がようやく完成してテレビなどでも公開され、今回、イベントが行われることになって、僕にも登壇の機会が与えられたのです。光栄です!

台湾は今、3つの原発サイトが稼働中です。そのうち第一原発と第二原発は台湾島の北部にあり、台北市の直近なのです。なんと二つとも30キロのラインを描くと台北市がスッポリ入ってしまいます。
非常に危ない。事故が過酷化した場合、人口密集地が放射能に襲われる可能性があります。ものすごく危険です。
もう一つ、第三原発は台湾島の南の端にあります。さらに北部に第四原発が作られようとしていました。日本製の原発のため「日の丸原発」と呼ばれていましたが民衆運動によって建設が止まりました。この意義は計り知れなく大きいです。

では台北は原発事故からの避難は可能でしょうか?
正しい答えは「事故の規模と起こり方による」ということです!これが最も正しい答えです。逃げ出せる可能性もあるかもしれないけれど、あっという間に放射能に襲われて絶望的な数の急性死が訪れる可能性もあります。
ではどうしたら良いのか。一つは原発を止めるための努力を重ねることです。災害対策のリアリティから言ってこれがとても重要です。

しかし他方で、今すぐ止められないことも考えて、リアリティのある避難計画を作っていく必要性があります。
これは原発が停まっても必要なことです。燃料プールがあるからです。ここで水抜け事故が起こったり、地震などで核燃料がゆすぶられた結果、臨界が起こってしまうかもしれない。
これまでも繰り返してきたように、原発は停まってもなお、過酷事故を起こしうるので、備えが必要なのです。

その際、全員が完全に逃げ出せる完璧な避難計画は立てようがないことをしっかりと認識したうえで、事故の際に少しでも災害を減らす、被曝を減らす減災の観点にたった防備を重ねておくことが大切です。
そのために最も重要かつ有効なのは、事前の意識啓発です。原発事故の特性、放射能被曝の特性を知り、とっとと逃げること、積極的に被曝を避けることを、あらかじめ多くの人々ともに学習しておくのです。
そのことで人々の原発からの命を守る力を可能なかぎりアップしておくこと、これに勝る対策はありません。

映画について、視聴版を見せていただきましたが、その中で政府関係者がこう語っています。
「台湾と言う国の規模が分かりますか?それでどれだけ災害対策にお金を避けると思いますか?予算は凄く少ないのです。それでできることをするしかないのです・・・」
原発を稼働している側の言い方としては無責任ですが、災害担当者の苦しい胸の内としては良く分かります。だからこそ、あらかじめ人々の意識を啓発しておくことが大事なのです。

一般に事故対策においてはさまざまな機器の調達など、ハードウェアの事前準備には多額の予算がかかります。
しかもこれらはある想定のもとで行われるので、想定が破られればまったく役に立たなくなってしまう可能性もあります。
これに対してソフトを強化しておくこと、人々の意識をレベルアップし、災害対応の能動性を高めておくと、事態の変化にもかなりの程度まで対応できます。しかも予算がそれほどかからないことが大きな利点です。

この点で僕は台北の企画でみなさんに安定ヨウ素剤をお見せし、ぜひ台北在住者は手元に持ってほしい、政府をして買わせて事前配布させて欲しいと訴えようと思います。
ヨウ素剤自身、一人の1回分は日本円でたかが10円ですから大変安いとともに、大事なのはヨウ素を配る時に、学習を重ねることができることです。このことで人々の放射能に対する知識、防護に対する知恵を増していくのです。
もちろん、安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素にしか対応できないことも強調しておく必要があります。いざとなったら安定ヨウ素剤を服用してとっとと逃げだすことが正しい答えなのです。安全確認は逃げた後にすればいい。

これらは最新刊の『原発からの命の守り方』で書いたことですが、これを台湾にも伝えてきたいと思います。
企画そのものでは10分しか発言できないのですが、僕は映画の中で結構、話しています。また企画の主催者たちに可能な限り内容を伝えてこようと思います。
通訳もつけてくださるとのことなので、本も何冊か持って行って、通訳の方の他、日本語の分かる方にプレセントしてきます。

ちなみにこの映画監督、日本軍性奴隷問題被害者のおばあさん達を描いた傑作の映画『蘆葦之歌』を撮った監督のお弟子さんなのだそうです。
期せずして台湾の映画監督の師弟の映画に出演することになってしまいました。ありがたいことです。

なおこうした海外展開にはどうしてもさまざまな面でお金がかかります。
持続的にこうした活動を可能とするために、今回の台湾の反核企画への参加へのカンパを求めたいと思います。
よろしければ以下にお願いします。

振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関の口座からのお振り込みの場合は以下に。
店名 四四八(ヨンヨンハチ) 店番448 預金種目 普通預金 口座番号 2266615

最後に企画内容として台湾側から送られてきた案内文を貼り付けておきます。

*****

*司会者:色公民行動聯盟秘書長 崔愫欣(チエ スーシン)

*講演者:
《演習》プロデューサー 鄭文堂様
《演習》監督 蔡宇軒様
北海岸反核行動聯盟執行長 郭慶霖様
日本兵庫縣筱山市核災對策檢討委員會委員 守田敏也様

‧講演者紹介
監督と守田様以外の講演者についてご紹介させて頂きます。

鄭文堂様,台湾の有名な映画/ドキュメンタリー監督です。鄭様は長い間様々な民衆運動に参加し、この映画の発想者です。2000-2012年の間に台湾宜蘭縣の文化局局長を務めて、地方政府が災害に遭った時に行われた緊急対応会議に出席しました。
ずっと原発を反対している鄭様は、もし原発で災害があったとき政府はどう対応して、民衆を助けるかを考え始めました。これも本映画の原点です。
311後,鄭様は宜蘭縣政府と一緒に福島の管制エリアへ訪問し、たくさんの日本政府の方と会話できて貴重な映像記録を残しました。今回の講座は本映画のプロデューサー、そして宜蘭縣政府元文化局局長として参加になります。

郭慶霖様,長年台灣北海岸文化と歴史に力を入れています。北海岸反核行動聯盟の執行総長です。今台湾で運行している3つの原発所の中に2つは北海岸にあります。北海岸出身の郭様は長い間故郷での原発反対活動に参加しています。
《演習》撮影期間の時も色々手伝ってくださいました。台湾は2,3年前に第4つ目の発電所が建てられることで、原発の安全性が重視されていましたが、発電所の工事が停止になったら、一般民衆がまた原発の安全性問題を忘れていきました。
ですが、1号機、2号機はとても古くて、まだ続いて使うかどうかの問題や廃棄物の処理問題はまだ解決されてないです。これも郭様がずっと力を入れていることです。

*当日の流れ
19:00オープニング挨拶、講演者紹介
19:15《演習》放映

20:20講座開始
講演者は一人10分間ございます。最後20分間の質問コーナーがございます。

順番:
プロデューサー 鄭文堂様
監督 蔡宇軒様
北海岸反核行動聯盟執行総長 郭慶霖様
日本兵庫縣筱山市核災對策檢討委員會委員 守田敏也様

21:20講座終了

 

 

 

コメント

明日に向けて(1171)没落しゆく原子力産業-稼動反対運動と原発災害対策の強化が問われている!上

2015年10月22日 18時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151022 18:30)

24日土曜日、25日日曜日と広島県の尾道市、広島市で連続講演をしてきます。

尾道市での講演のタイトルは「福島原発の今!」
主催は今回も「フクシマから考える一歩の会」。もう何回呼んでいただいたのでそうか。今年も7月後半にも呼んでいただいたのですが、わずか3ヶ月でまたお招きいただきました。
さきほど主催者の一人の大住元さんが案内を僕のFacebookのタイムラインにもアップして下さいましたので引用します。

***

川内原発1号機に続き、2号機が10月15日に稼働されました。愛媛県伊方原発も規制委員会の審査を終え、伊方町議会も愛媛県議会も再稼働賛成の議決をしました。島根原発についても、同じように再稼働を目指しています。
「もうどうしようもないか。」と落胆するのですが、守田さんは決してそうではないことを、世界の政治・経済の動き、国民の運動から話されます。
 福島原発の様子、健康被害の広がり、汚染水や放置されている廃棄物処理、帰還政策などについてもお話いただき、私たちの暮らしをどうするか。ベトナムやトルコの原発を巡る動きと戦争法にも触れたいただきます。
きっと希望と勇気をいただけるでしょう。是非、ご都合付けてご参加ください。

***

そうですね。再稼働が強行された上に、伊方・高浜も続きそうなことが報道されると、確かに「もうどうしようもないか」と思えてきます。
しかしこれはなかなか肝心なところをつかんで報道してくれないマスコミのせいでもあるし、政府による世論操作のせいでもあります。
現実は全く逆です!「もうどうしようもないか」というがけっぷちに立っている人々こそ、世界の原子力村であり原子力産業なのです。尾道市でも広島市でもこれを強調したいです。

端的に言いましょう。東芝は粉飾決算問題でガタガタです。粉飾決算の大元は原発事業への無理な投資の焦げ付きによる巨額の赤字。経団連会長を出すなど日本のリーディングカンパニーだった会社が崩れ落ちようとしているのです。
これは相当に深刻な事態です。東芝の粉飾決算は2006年に市場価格3000億円以下だった米ウェスチングハウス社をなんと6200億円で買い取ったことが原因。早くもリーマンショックを被った2008年に不正会計を開始しています。

もちろん、これを営業の挽回によって克服しようとしたのですが、あまりに大きな打撃となったのが福島原発事故でした。理由は福島原発の2,3,5,6号機が東芝製の沸騰水型原発であったことにあります。
この時期、東芝はアメリカに初の原発輸出を行いつつありました。サウステキサスプロジェクトと言う名で沸騰水型の原子炉2基の建設が進行中でしたが、これがとん挫。共同出資していた東電が引き上げたこもあって中止に追い込まれてしまいました。
さらに日本の原発が次々停まってしまい、再稼働ができなくなりました。これで東芝には定期的に入っていた巨額の点検料も入らなくなりました。

これに対し東芝経営陣は、現場に一方的に矛盾を転嫁して、無理な営業目標の達成を強いて凌ごうとしたのですが、そんなことできるわけもなく、ますます粉飾決算が構造化。ついに耐えきれなくなった現場からのリークで事態が露見したのでした。
このようにみてくると、この問題には原発に入れ込み過ぎた東芝の大いなる失敗が横たわっていることが分かります。しかもあまりに根が深く、健全再建の道が見えなくててすでにメインバンクが見放しつつあると言う情報すらあります。
無理な投資を重ねた末に福島原発事故を起こすことによって、東芝という巨大企業が沈みつつあるのです。

これに対して、もう一つの大きな原発メーカーが三菱重工です。加圧水型原発のメーカーです。
東芝製の沸騰水型が信頼を失い、再稼働がおぼつかないことに対し、沸騰水型よりも安全だと宣言して再稼働に向けて走っています。すでに強引に動かされた川内原発も、これに続こうとしている伊方、高浜原発も同じ三菱重工製加圧水型原発です。
さらにもう一つ、僕が反対運動に関わっているトルコにも、三菱重工製の原発が輸出されようとしていますが、この三菱重工製の原発も実は今、「もうどうしようもないか」というところに立ちつつあるのです。

加圧水型原発は、構造的に「蒸気発生器」というところに大きな欠陥を抱えています。炉内を150気圧300度の温水となって回している一次冷却水の熱を、細いパイプを隔てて二次冷却水に伝える装置です。
そうすると二次冷却水が沸騰し、発電タービンを回すことになるので「蒸気発生器」と呼ばれるのですが、この細管の破断が度々起こっているのです。これが技術的にクリアできない。
その象徴が三菱重工がアメリカのサンオフレノ原発に部品輸出して2010年と2011年に据え付けた最新型の蒸気発生器でした。このうちの一つがわずか2年も経たないうちに事故を起こし、点検の結果、ともに著しく劣化していることが発覚したのです。
これに対して周辺住民が粘り強い廃炉要求の運動をする中で、アメリカ原子力規制庁はサンオノフレ原発の改修の展望がないと判断。なんと廃炉が決まってしまったのです。

このため三菱重工は原発所有者のサウスサウザンドエナジー社からなんと9800億円の損害賠償訴訟を受けています。
これ自身が三菱の経営にとって死活を制する問題ですが、同時にこのことは三菱重工が今もってなお、蒸気発生器の致命的欠陥を克服できていないこと内外に明らかにしました。
問題が知れ渡るともう世界のどこでも東芝のみならず三菱の原発も売れなくなります。もちろん国内での新規建設も望めない。ようするに二大メーカーが「どうしようもない」状態に陥っているのです。

続く

以下、集会案内を貼り付けておきます。

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10月24日尾道市

福島の今 守田敏也講演会

10月24日(土)午後2時~4時
図書館大会議室  室内に子どもスペース設けます。
 参加無料
 主催 フクシマから考える一歩の会

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10月25日広島市

■グローバリゼーション講座
 「日本が原発輸出するトルコ訪問報告」
 ~トルコ市民4万人の声を聞こう~

■講 師:守田敏也さん(フリー・ジャーナリスト)

■日時:2015年10月25日(日)14:00~16:30
■場所:ゆいぽーと(広島市男女共同参画推進センター)5階研修室4
 (広島市中区大手町5-6-9、電話:082‐248‐3320、鷹野橋電停から3分)
■参加費:500円(学生無料)
  
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