明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1173)世界が暴力化している・・・今こそ平和の声を!-1

2015年10月31日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151031 23:30)

『原発からの命の守り方』を10月27日付で上梓しましたが、大変、売れ行き好調です。みなさんに感謝したいです。
このためこの間、注文受付、発送などに追われていました。
しかしその間にも世界でどんどんいろいろなことが起きて気が気ではありませんでした。今宵はこの数か月のことを振り返っておきたいと思います。

世界が暴力化しています。あちこちで戦乱が拡大しています。
かなり深刻です!

この間、アフガニスタンにおけるアメリカ軍による国境なき医師団の病院への意図的な攻撃についての批難の記事を何度か書いてきましたが、今度はイエメンで国境なき医師団の病院が空襲されました。
犯人はサウジアラビアを中心とする「連合軍」のようですが、あまりにひどい。戦闘地域での病院への攻撃が常態化しつつあります。
これについても分析を深めねばと思っていますが、正直なところこのイエメンでの戦闘について僕はまだ十分な分析ができていません。情報収集と解析に努めたいと思います。

 イエメンで「国境なき医師団」病院空爆、国連総長が連合軍非難
 http://news.livedoor.com/article/detail/10760853/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

ご存知のように理不尽な暴力の発動はこれにとどまりません。とくに滅茶苦茶な様相を呈しているのがシリア・イラク情勢です。
関与者が多すぎてこれもまた僕自身、十分に分析できているとは思えないのですが、ざっくりと起きていることをみなさんと一緒につかんでおきたいと思います。
これは、今、目の前で振るわれている暴力に麻痺しないためです。そのために一つ一つの関係性を分析的に把握するのです。もちろんすべては分析しきれないかもしれない。しかしこちら側で事態を追いかけていく座標を作っていく必要があるのです。
そうでないと、あちらでもこちらでも暴力が多発することによって追いかけていく気力を失ってしまう。暴力に麻痺させられてしまう。それではいけない!暴力に立ち向かうためにはまずはしつこく分析を行っていくことが大事です。

さて、まずは世界中の多くの人々が胸を痛めているシリア難民問題についておさえておきましょう。
シリア・イラク情勢を観るとき、どうしてもIS(イスラム国)に意識を奪われがちですが、もともとこれは主にアサド政権とこれに反対する「反政府勢力」の間の内戦によって発生したものです。
その後に、IS(イスラミック・ステート)が第三の勢力として台頭してきたわけですが、難民はそれ以前から発生していたことを注視しておくことが必要です。
さらにこの間、一気に難民が拡大しているのも、周辺各国が戦闘に参加し、各地で市民を巻き込んだ空爆が繰り広げられているからです。

そもそも空爆に「誤爆」は「つきもの」です。空から正確に戦闘員だけを攻撃することなどできるわけはない。だから空爆そのものが戦争犯罪なのです!なんの罪もない民間人を巻き込むことを前提にした作戦だからです。
今、発生している難民はアサド政権も含んだ紛争当事者たちによる空爆や民間人を巻き込んだ戦闘という戦争犯罪によってこそ拡大していることを見ておく必要があります。
もちろんこれに支配地域で極めて残虐な行為を行い、それで恐怖をあおることを一つの戦略にしているISがさらに難民発生を後押ししていることも間違いありませんが、問題はISを除去すればそれでいいということではないことに着目せねばなりません。

さて難民は国境を接しているトルコに入り込み、ヨーロッパ各地を目指していますが、見ておくべきことは難民に対してもっとも寛容な態度を示しているのはトルコの人々だということです。
すでに200万を越える人々が流入しています。これに対して他国にありがちな移民排斥などは起こっていません。トルコの人々は戦乱に苦しんでいるシリアの人々に手を差し延べているのです。それでなければとても200万人なんて受け入れられない。
そのトルコからヨーロッパに向かう難民に対して、各国が国境を閉鎖し始めましたが、トルコはそうはしていない。その点で私たちはシリアの人々の苦しみをシェアしようとしているトルコの人たちに学ぶ必要があります。

しかし政府の動きは全く別です。トルコ政府はもともとシリアのアサド政権を批判してきたので、難民を拒否できない面があるのだと思われますが、一方でISに対しては一定の距離をたもって静観してきた感がありました。
これにはさまざまな理由があるように思えます。もっとも大きいことはトルコとシリアの国境が700キロもあり、とてもではないけれどシリア側から入ってくる人々をチェックしきれないこと、そのためISがトルコにかなり多数入り込んでいることです。
このためトルコ政府がISと正面からぶつかると、国内での自爆攻撃を受けてしまう可能性がある。そのためISを敵にまわしたくない面があるように思えます。

さらにより大きいことはトルコ政府が長年、軍事的に敵対してきたトルコ北部からシリア、イラク北部などに広範囲に存在しているクルドの人々がISとの衝突の最前線に立ち、アメリカなどが武器供与することに警戒を強めてきた点です。
トルコ政府はクルドの人々、とくに左翼思想に依拠し、武装闘争を繰り返してきたクルディスタン労働者党(Partiya Karkerên Kurdistan=PKK)と繰り返し軍事的に衝突してきたことから、ISとの戦闘でPKKなどクルドの人々に国際的な注目が当たることを良しとしてなかったのです。
およそこれらのことを背景に7月にトルコは対IS参戦を宣言し、空爆を開始しました。しかし実際にはPKKなど、クルドの人々に対する空爆との二正面作戦であり、しかも圧倒的にクルドの人々への攻撃に傾斜した「二正面作戦」でした。

アメリカはどうかというと、アサド政権に対して反旗を翻している武装勢力に援助を行ってきました。これらの諸グループはISとも戦闘をしています。先にものべたようにアメリカはクルドの武装グループも支援しています。
ちなみにアメリカは自分たちの戦略に位置づけられるときは、これらの人々を「反政府派」と呼びます。しかし一度、アメリカに反旗を翻すと「イスラム過激派」などと呼ぶのです。
その点で「過激派」という言葉もかなり恣意的に使われていることに留意する必要があります。

その点では「テロ」も同じです。「テロ」はもともと恐怖政治を意味する言葉ですが、昨今では「卑怯」「卑劣」「非合法」などのイメージが付与されています。
しかし、国連決議もまったく無視してパレスチナ・ガザ地区の住宅街に、これまた国際的に使用を禁止されている黄燐弾などを白昼堂々と撃ちこむイスラエルに対してはけして「テロ」という言葉は使われません。
さらに「卑怯」「卑劣」「非合法」な戦争犯罪なら、広島・長崎への原爆投下をはじめ、最もたくさん行ってきた国こそアメリカです。そのためアメリカの軍事攻撃こそが「国家テロ」と呼ばれなければなりませんが、もちろんほとんどの人々はそうはいわない。

この点から僕は自らの論稿の中で「テロ」という言葉を使わないことにしています。同時にさまざまな呼称について、それが誰がどのような価値観から名付けているものなのかを分析してし続けています。
実はこんなことに、現代世界を読み解く重要なポイントがあるのです。

続く

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明日に向けて(1172)没落しゆく原子力産業-稼動反対運動と原発災害対策の強化が問われている!下

2015年10月23日 00時30分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151023 0:30)

前回の続きです。
既に述べたように今、行なわれている三菱重工製の原発の再稼働強行や、強引な輸出への動きは、ほとんど死滅しかかっている原子力産業を、なんとか生き延びさせようとさせるためのものです。
日本政府にとってこれ以上、原発の再稼働を引き延ばすわけにはいかない。なぜか。
実は日本の原発はこれまで平均でほぼ4年4カ月も停まっています。それなのに日本は電気が足りている。何ら困ってない。それどころかこの体制下で株価の大幅な上昇さえありました。
原発などまったくいらないのだということが内外にどんどん分かってきてしまいました!だからこそ強引にも「原発ゼロ状態」を「無くす」必要があったのでした。

二つ目に原発そのものがこれ以上、停めておくと動かなくなることです。平均で4年以上といいましたが、世界最大の出力を誇る柏崎刈羽原発等、すでに8年以上も停まっています。
おそよあらゆる機械の常識からいって、これほど動かしてなければもう機械としてダメなのです。だから今、動かし始めないと、すべての原発が技術的にも動かせなくなってしまう。
さらにこれではウランが売れないし、メーカーも点検料も入らないので、原子力産業全体が「もうどうしようもない」状態に陥りつつあります。
事実、ウラン濃縮会社の世界4大メーカーの一つ、アメリカのユーゼックが2014年3月に倒産してしまいました。ちなみに東芝はここにも投資していました。このままでは原子力村の斜陽がさらに続いていく。
これらから、再稼働と原発輸出を強行することでなんとか「どうしようもない」状態を打破し、延命の道を探ろうとしているのが原子力産業です。

ここに表れているのは私たち日本民衆の力の大幅な増大です。福島原発事故を契機に本当にたくさんの人が覚醒しました。覚醒してどんどんデモを始めた。スタンディングをはじめた。全国で毎週、毎週、集会が行われてきました。
それがもう4年も続いています。こんなことはこれまでのこの国の歴史になかったことです。
このため国会では野党を完全に蹴散らしてきた与党が、原発の再稼働をなかなかできなかったのです。昨年末の総選挙の時に与党が配ったパンフレットなど、原発の「げ」の字も書いてなかった。再稼働は避け続けられてきたのです。
しかし時間的余裕がないがゆえに、今日、再稼働が行われていますが、こうした政府の姿勢は攻勢とはまったく言えません。このままでは死滅するがゆえに再稼働に踏み切ったのでしかないのです。

だから私たちがこれまでの運動を継続し、政府と対決していけば、必ず矛盾が露呈し、この流れを止めることができます。何せ、二大メーカーである東芝と三菱重工がボロボロなのです。
むしろ私たちは東電だけでなく、東芝の粉飾決算問題=経済犯罪を追及し、三菱重工の原発の危険性を世界に広く訴える中で、さらに原子力村を追い詰めていきましょう。そのことはまったく可能です。

ただし楽観ばかりできない重大なことがあります。このままでは死滅するからとなりふりかまわぬ再稼働に政府と電力会社、メーカーが走り出したため、原発事故のリスクが大きく高まっていることです。
とくに川内原発は欠陥のある蒸気発生器を付けたまま再稼働しています。欠陥は1号機にも2号機にもあります。1号機は新型に交換しました。しかし新型はアメリカでは2年も持たなかった欠陥製品です。
これに対して2号機は交換予定を中止して古いままの蒸気発生器のままに動かしました。そもそも交換を予定していたのだから現行の蒸気発生器はポンコツなのです。しかし新型も危ないがゆえに交換できなかったのです。
だから新型の蒸気発生器を付けている1号機も、旧型のままの2号機もともに危ない。どちらがより危ないのかはおそらく三菱重工自身が分かっていないでしょう。

なりふりかまわぬ再稼働の強行だからこそ、事故リスクはいや増しています。
これに対しては、民衆の側から原子力災害対策を逞しく作り上げていく以外に対抗手段はありません。これにぜひとも各地で取り組んで欲しいのです。
そもそも原発は燃料プールに核燃料が入っている限り、動いてなくても危険ですから、それだけでも原子力災害対策は必要です。
同時に、原子力災害対策に真剣に取り組むと、原発の是非をいったん横において、原発がどれだけの危険性を抱えているのかをあらゆる場で討論することができます。討論の結果、放射線被曝から身を守る力を身に着けられます。

世界の原子力産業も同じことが言えます。完全な斜陽状態です。しかしそれでもまだ原子力村が生き延びようとしているので、世界中で悲惨な原子力災害が発生する可能性が高まっています。
その上にイラク・シリアをめぐる戦闘の激化で原発が戦火に巻き込まれる可能性すら拡大しています。だからこそ、世界のどこでも原子力災害対策を民衆の側から積み上げ、放射能からの身の守り方を身に着ける必要性があるのです。
このような状況にかんがみて、今回、新著『原発からの命の守り方』を書き上げたので、ぜひこれを各地で活用していただきたいです。それこそが戦争に反対することと並ぶ平和を守るための重要行動だと僕は思います。
幸いにして出版社である海象社さんが懸命に努力して下さり、出版が今回の講演会にぎりぎりで間に合うことになりましたので、24日尾道の会場で新著の初売りをします!広島会場でも売らせていただきます。

ちなみに尾道市では「福島原発の今」に即しつつ、現在広がっている健康被害について詳しくお話します。内部被曝のメカニズムについて、またこれに対してどう対抗すれば良いのかについてきちんとお話したいと思います。
同時にこれまで尾道であまりお話できてこなかった原子力災害対策についても触れ、時間の許す限りで、汚染水問題、帰還問題、そして戦争法などにも触れたいです。

広島市ではこうした中でのトルコの方たちの原発反対運動への取組についてもじっくりお話します。
僕は原発大国のトルコに原発を日本から輸出することが道義的に許せないので、日本人としての責任にかけてこの問題に関わってきました。
しかし最近思うことは、トルコの方の頑張りで輸出が停まったら、日本の原子力産業の息の根が止まり、その分早く、私たちが核の悪夢から解放されるということです。
まさに「情けは人のためならず」・・・。トルコの方たちに一生懸命に連帯することは、私たちの幸せにも直結することなのです。この点についてトルコの様子を交えて詳しくお話します。

尾道、広島方面の方、ぜひ会場にお越しください。
またぜひとも『原発からの命の守り方』をお買い求めください!

連載終わり

以下、集会案内を貼り付けておきます。

*****

10月24日尾道市

福島の今 守田敏也講演会

10月24日(土)午後2時~4時
図書館大会議室  室内に子どもスペース設けます。
 参加無料
 主催 フクシマから考える一歩の会

*****

10月25日広島市

■グローバリゼーション講座
 「日本が原発輸出するトルコ訪問報告」
 ~トルコ市民4万人の声を聞こう~

■講 師:守田敏也さん(フリー・ジャーナリスト)

■日時:2015年10月25日(日)14:00~16:30
■場所:ゆいぽーと(広島市男女共同参画推進センター)5階研修室4
 (広島市中区大手町5-6-9、電話:082‐248‐3320、鷹野橋電停から3分)
■参加費:500円(学生無料)
  
Globalization Watch Hiroshima
連絡先: 〒733-0815広島市西区己斐上4-17-15
TEL&Fax: 082-271-0854、090-6835-8391(渡田)
ホームページ:
http://globalwatch.o.oo7.jp/

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明日に向けて(1171)没落しゆく原子力産業-稼動反対運動と原発災害対策の強化が問われている!上

2015年10月22日 18時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151022 18:30)

24日土曜日、25日日曜日と広島県の尾道市、広島市で連続講演をしてきます。

尾道市での講演のタイトルは「福島原発の今!」
主催は今回も「フクシマから考える一歩の会」。もう何回呼んでいただいたのでそうか。今年も7月後半にも呼んでいただいたのですが、わずか3ヶ月でまたお招きいただきました。
さきほど主催者の一人の大住元さんが案内を僕のFacebookのタイムラインにもアップして下さいましたので引用します。

***

川内原発1号機に続き、2号機が10月15日に稼働されました。愛媛県伊方原発も規制委員会の審査を終え、伊方町議会も愛媛県議会も再稼働賛成の議決をしました。島根原発についても、同じように再稼働を目指しています。
「もうどうしようもないか。」と落胆するのですが、守田さんは決してそうではないことを、世界の政治・経済の動き、国民の運動から話されます。
 福島原発の様子、健康被害の広がり、汚染水や放置されている廃棄物処理、帰還政策などについてもお話いただき、私たちの暮らしをどうするか。ベトナムやトルコの原発を巡る動きと戦争法にも触れたいただきます。
きっと希望と勇気をいただけるでしょう。是非、ご都合付けてご参加ください。

***

そうですね。再稼働が強行された上に、伊方・高浜も続きそうなことが報道されると、確かに「もうどうしようもないか」と思えてきます。
しかしこれはなかなか肝心なところをつかんで報道してくれないマスコミのせいでもあるし、政府による世論操作のせいでもあります。
現実は全く逆です!「もうどうしようもないか」というがけっぷちに立っている人々こそ、世界の原子力村であり原子力産業なのです。尾道市でも広島市でもこれを強調したいです。

端的に言いましょう。東芝は粉飾決算問題でガタガタです。粉飾決算の大元は原発事業への無理な投資の焦げ付きによる巨額の赤字。経団連会長を出すなど日本のリーディングカンパニーだった会社が崩れ落ちようとしているのです。
これは相当に深刻な事態です。東芝の粉飾決算は2006年に市場価格3000億円以下だった米ウェスチングハウス社をなんと6200億円で買い取ったことが原因。早くもリーマンショックを被った2008年に不正会計を開始しています。

もちろん、これを営業の挽回によって克服しようとしたのですが、あまりに大きな打撃となったのが福島原発事故でした。理由は福島原発の2,3,5,6号機が東芝製の沸騰水型原発であったことにあります。
この時期、東芝はアメリカに初の原発輸出を行いつつありました。サウステキサスプロジェクトと言う名で沸騰水型の原子炉2基の建設が進行中でしたが、これがとん挫。共同出資していた東電が引き上げたこもあって中止に追い込まれてしまいました。
さらに日本の原発が次々停まってしまい、再稼働ができなくなりました。これで東芝には定期的に入っていた巨額の点検料も入らなくなりました。

これに対し東芝経営陣は、現場に一方的に矛盾を転嫁して、無理な営業目標の達成を強いて凌ごうとしたのですが、そんなことできるわけもなく、ますます粉飾決算が構造化。ついに耐えきれなくなった現場からのリークで事態が露見したのでした。
このようにみてくると、この問題には原発に入れ込み過ぎた東芝の大いなる失敗が横たわっていることが分かります。しかもあまりに根が深く、健全再建の道が見えなくててすでにメインバンクが見放しつつあると言う情報すらあります。
無理な投資を重ねた末に福島原発事故を起こすことによって、東芝という巨大企業が沈みつつあるのです。

これに対して、もう一つの大きな原発メーカーが三菱重工です。加圧水型原発のメーカーです。
東芝製の沸騰水型が信頼を失い、再稼働がおぼつかないことに対し、沸騰水型よりも安全だと宣言して再稼働に向けて走っています。すでに強引に動かされた川内原発も、これに続こうとしている伊方、高浜原発も同じ三菱重工製加圧水型原発です。
さらにもう一つ、僕が反対運動に関わっているトルコにも、三菱重工製の原発が輸出されようとしていますが、この三菱重工製の原発も実は今、「もうどうしようもないか」というところに立ちつつあるのです。

加圧水型原発は、構造的に「蒸気発生器」というところに大きな欠陥を抱えています。炉内を150気圧300度の温水となって回している一次冷却水の熱を、細いパイプを隔てて二次冷却水に伝える装置です。
そうすると二次冷却水が沸騰し、発電タービンを回すことになるので「蒸気発生器」と呼ばれるのですが、この細管の破断が度々起こっているのです。これが技術的にクリアできない。
その象徴が三菱重工がアメリカのサンオフレノ原発に部品輸出して2010年と2011年に据え付けた最新型の蒸気発生器でした。このうちの一つがわずか2年も経たないうちに事故を起こし、点検の結果、ともに著しく劣化していることが発覚したのです。
これに対して周辺住民が粘り強い廃炉要求の運動をする中で、アメリカ原子力規制庁はサンオノフレ原発の改修の展望がないと判断。なんと廃炉が決まってしまったのです。

このため三菱重工は原発所有者のサウスサウザンドエナジー社からなんと9800億円の損害賠償訴訟を受けています。
これ自身が三菱の経営にとって死活を制する問題ですが、同時にこのことは三菱重工が今もってなお、蒸気発生器の致命的欠陥を克服できていないこと内外に明らかにしました。
問題が知れ渡るともう世界のどこでも東芝のみならず三菱の原発も売れなくなります。もちろん国内での新規建設も望めない。ようするに二大メーカーが「どうしようもない」状態に陥っているのです。

続く

以下、集会案内を貼り付けておきます。

*****

10月24日尾道市

福島の今 守田敏也講演会

10月24日(土)午後2時~4時
図書館大会議室  室内に子どもスペース設けます。
 参加無料
 主催 フクシマから考える一歩の会

*****

10月25日広島市

■グローバリゼーション講座
 「日本が原発輸出するトルコ訪問報告」
 ~トルコ市民4万人の声を聞こう~

■講 師:守田敏也さん(フリー・ジャーナリスト)

■日時:2015年10月25日(日)14:00~16:30
■場所:ゆいぽーと(広島市男女共同参画推進センター)5階研修室4
 (広島市中区大手町5-6-9、電話:082‐248‐3320、鷹野橋電停から3分)
■参加費:500円(学生無料)
  
Globalization Watch Hiroshima
連絡先: 〒733-0815広島市西区己斐上4-17-15
TEL&Fax: 082-271-0854、090-6835-8391(渡田)
ホームページ:
http://globalwatch.o.oo7.jp/

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明日に向けて(1170)アメリカは病院爆撃への調査に同意すべきだ(署名への協力を)

2015年10月20日 17時00分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151020 17:00)

アフガニスタンにおける国境なき医師団(MSF)の病院に対してのアメリカ軍の空襲問題の続報です。
今回、アメリカが行った攻撃はいわゆる「誤爆」ではなく意図的なものであった可能性が非常に強くあります。
医療施設や医療従事者への攻撃はジュネーブ諸条約で禁止されています。また国境なき医師団も、誤爆などを避けるために、米軍にもアフガン政府にも病院の位置情報を正確に通知してきました。
にもかかわらず今回の攻撃は極めて正確になされました。しかも攻撃開始直後に、国境なき医師団が米軍とアフガン政府に病院が襲撃されていることを伝えたにも関わらず、その後も数度にわたって正確な攻撃が続けられたのです。

すでに明らかなる戦争犯罪と言えますが、大事なのはそのことをアメリカに認めさせることです。
そのためには加害者であるアメリカやアフガン政府ではなく、独立した第三者機関による調査が必要ですが、今のところそれが可能なのはスイス・ベルンの国際事実調査委員会(IHFFC)です。
同組織はこれまで稼働実績がないのですが、しかし今回は米国とアフガニスタンが同意すれば調査を開始すると発表しています。
そのため国境なき医師団日本支部が以下のように、アメリカに調査への同意を求める署名運動を始めました。まずはぜひこれにご協力ください。同時に拡散をしてください。

「オバマ大統領が病院爆撃の調査へ同意するように、協力してください! 国境なき医師団」
https://www.change.org/p/%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%9E%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E3%81%8C%E7%97%85%E9%99%A2%E7%88%86%E6%92%83%E3%81%AE%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%B8%E5%90%8C%E6%84%8F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB-%E5%8D%94%E5%8A%9B%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84-%E5%9B%BD%E5%A2%83%E3%81%AA%E3%81%8D%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E5%9B%A3?recruiter=50897116&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=autopublish&utm_term=des-md-share_petition-reason_msg&fb_ref=Default

現地のアメリカ軍はこの事態をもみ消そうともしています。
攻撃された病院に、15日に軍事車両で門を突破して侵入し、証拠隠滅を図ったのです。
この件に関する共同通信の記事をご紹介しておきます。ただし「誤爆病院に米軍侵入」というタイトルは誤りです。
どうして現時点で「誤爆」と報道してしまうのか。言葉には常にどの立場から語られているものなのかというバイアスが入り込んでいます。日本のマスコミはあまりにこの点に無自覚です。というより、政府やアメリカ軍サイドに立ちすぎです。

 アフガン、誤爆病院に米軍侵入 車両で門破る
 共同通信 2015年10月20日 11:01
 http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015102001001291.html

さて今回は多くの方に、世界の戦場で起こっていることのリアリティ、またその中での国境なき医師団の姿を知っていただくために、知人である国の難民キャンプで働いていた方から届いたメールをご紹介します。
ぜひこのメールをお読み下さい。そして戦争のなんたるかをつかんで、多くの人に伝えて下さい。
なお特定を避けるため、国名などは伏字にさせていただきました。

*****

私が○○○の国境の難民キャンプで働いていた時、MSFの病院に、○○○側で地雷を踏み、明らかに軍服姿の軍人たちが怪我をした状態で5、6人運ばれてきました。
難民キャンプ内の病院なので、私は国連の統治する病院で兵士の治療をするのは国際条約違反で、ただちに民間施設に輸送すべきだと主張しました。
しかし私の上司とMSFは、人道的に負傷した人を何もしないで放置するわけにはいかないとして、その場で治療を受けさせました。

私は我々に危険が及ぶ行為だと思い、中立性を保つ立場から反対しましたが、人道的理由でMSFがそうした判断をすることは尊重します。それが本来の、人間としてあるべき姿だと思います。
結局難民キャンプの病院では応急手当しかできず、MSFの軍用機でもっと良い病院のある首都へと負傷のひどい人達を空輸したのですが、結局途中の乗り換え地点で兵士であるという理由で、そこから搬送を拒否されたと聞きました。

難民キャンプにはいつも兵士が平服で休息や家族に会いに来ているのは周知の事実。
難民キャンプには軍人を保護しないという条項があるにもかかわらず、我々には確証がないので、そうした人々がキャンプにいても怪しきは罰せずで取り締まれないのも確か。
武器狩りはしますし、実際に発砲が日常的にあるので、武器がキャンプに大量にあるのもわかっています。
ただその一部のごく例外の兵士が紛れ込んできたことを理由に、難民キャンプを空爆したり病院を空爆したりすることは完全な戦争犯罪です。

今回の空爆は明らかに、アメリカ政府や軍人のメンタリティーの本質をはっきりさせたということで、特筆すべき出来事だといえます。
軍人にとって、ほんの数人のタリバンが病院にいるというだけの情報で、大多数の市民や人道支援従事者の命は取るに足らないもので、そうした敵を殺すことの方が、市民の命より大切だと言う判断をするということです。
正にこれが戦争の本質だと思います。

戦っている人たちは、ひとたび”敵”に固執すると、その敵を殺すためであれば、自国の人道支援従事者(国民)であろうと、その命を守るよりも数人の潜伏している敵を殺す方が大切という、非常に本末転倒した決定すら下すのだということ。
これをはっきりと指摘してください!
これが戦争、そして今回の安保条約の本質です。
軍人や軍隊にとって、敵により大きな打撃を与えるためには、自国の国民複数人の命が犠牲になってもそれが作戦である、というような発想をする人たちことが軍人なのです。

今の日本人はあまりに平和を当たり前とし過ぎていて、戦争の現場をあまりにも理解していない。戦争の汚さに完全に目をつぶっている。
おぼちゃん育ちの苦労知らずの安倍首相に一体何が分かっているのか?
まず安保法に同意した人たちが、自衛隊の最前線に戦闘要員として参加するところまで責任を取ってもらいたい。

怒り心頭です。

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明日に向けて(1169)新著『原発からの命の守り方』を上梓します。ぜひお買い求めを!

2015年10月19日 22時00分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151019 22:00)

みなさま。
講演会の場では何度かチラシで発刊予定をお伝えしてきた新著がようやく完成直前に漕ぎ着けました。
今、印刷にまわっており、遅くても来週には手元に届きます。

本書の表紙を示しておきます。

なぜ今、本書を上梓するのか。まえがきの冒頭から引用します。
「『原発からの命の守り方』と題した本書は、原発事故の際の身の守り方と、福島原発事故(以下、福島第一原発事故と同義)で、すでに放出されてしまった放射能からの身の守り方について考察した本です。
 福島原発事故から2015年9月11日で4年半が経ちましたが、事故はいまだに収束していません。原子炉格納容器が壊れていて高濃度の汚染水が漏れ出していますが、内部は放射線値が高すぎて詳細が分からず、修復ができない状態です。
もちろん、事故の詳しい進展状況も分かっていません。にもかかわらず、政府は川内原発の再稼働を強行し、さらに停止中の原発の再稼働を進めようとしています。恐ろしい軽挙です。
 この動きに対して、2014年5月に福井地方裁判所が、大飯原発3号機と4号機の運転を禁ずる判決を下しました。この判決においては「人格権」という言葉が使われました。
人格権は「生命や身体、自由や名誉など個人が生活を営むなかで、他者から保護されなければならない権利」と規定されるもので、憲法13条と25条に根拠を持つものです。
 福井裁判所は、原発事故が起きたときの被害が、原発から半径250キロメートルに及ぶと断定し、その中に住まう原告166人の人格権の保護のために、原発の運転差し止めを命じる判決を下したのです。
 本書もまた、福井地方裁判所が示した人格権を、いかに守るのかという観点に立ちつつ、「原発事故が起こったときにどうするのか」「福島原発から飛び出した放射能に、いかに対応するのか」を検討しました。
この先、万が一、原発事故に遭遇したときを考えて、あらかじめ知っておくべきことを網羅しておくとともに、すでに福島原発から飛び出してしまった放射能による被曝からの身の守り方について述べました。」(本書p12より)

本を作るにあたっては、これまでの放射線防護活動へのさまざまな取り組みと、兵庫県篠山市での原子力災害対策への取組を通じて実践的に積み上げてきたことをベースにしました。
そのためタイトルも「原発災害」だけでなく「原発」からの命の守り方としました。
本文の中で強調しましたが、原子力災害対策の観点から言っても、原発の再稼働はあまりに危険であり、絶対にやめるべきものです。その点で、災害対策を網羅した本書はけして再稼働を容認するものではありません。
しかし原発は稼働していなくても、燃料プールに使用済み核燃料が入っているだけで大変危険であり、私たちは原発をすべて完全に止めたあとも、廃炉を進め、安全な状態を確保するまでは常に原子力災害に備え続ける必要があるのです。

一方で原子力災害対策は原発への是非をいったん横において進めることができる性格も持っているため、この問題に取り組み、避難のリアリティを考えることで、広範な方と原発が抱えている危険性とはどんなものかを学びあうことができます。
その点でぜひ本書の内容を把握することの中から、より多くの人と原発について論じる可能性を広げていただけたらと思います。
そうすると、これまでもいまも政府や電力会社が、原子力災害対策にきわめて消極的な理由も見えてきます。リアリティをもって備えようとすると、原発の抱える巨大な危険性が多くの人に具体的に見えてきてしまうからです。
その点からも、つまりまだまだ多くの人々が実感していない「いまそこにある危険」と向き合うためにも、本書を参考にされ、ぜひさまざまなレベルでの原発災害対策に取り組んで欲しいと思います。

主に読んでいただきたい方、読者として想定した方は一般の市民の方ですが、同時に消防署員、警察官、自衛隊員、あるいは地域の消防団の方など、いざという時に原子力災害に向かいあわねばならない可能性の高い方にも読んでいただきたいです。
現に今、福島第一原発の本当の収束の為に奮闘されている方にも何らかの知恵となると思います。
また原発の運転には何の責任もないのに、避難計画の策定をいきなり政府に押し付けられて四苦八苦している各地の行政の担当者の方々にも読んでいただきたいです。

同時に本書は災害全体に共通する事項についてもかなりのページを割いています。
そもそも地球的規模での気候変動のために、風水害のあり方もこれまでの「想定」がやすやすと突破され、大災害にいたるケースが増えています。
とてもではないけれども市民の側が行政に頼りきっているだけでは私たちの命を守れない。行政の側も市民の能動的な力必要としているのです。さまざまな災害への対応力を逞しくして命をまもる力を育てていくべき必然のもとに私たちは生きています。
その意味では「原発」からだけではなく、さまざまな災害から、みなさんの命を守るために、ぜひ本書を手にとっていただきたいです。

本書は海象社から10月末までに発行されます。A5判並製272頁 本体1380 円(税別)です。ものすごく奮闘して書き上げた自信作なのでぜひお買い求めください。
海象社のホームページをお知らせしておきます。
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo57.html

僕自身も受付ますので以下のメールアドレスにお申し込みください。
morita_sccrc@yahoo.co.jp
FBページからも受付ます。メッセージからご注文ください。
https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

なんだか恥ずかしいというか恐縮な言い方ですが、僕に直接お申し込みの場合で、もしサインをお求めの方がいらっしゃれば、記入してお送りさせていただきます。
僕からの購入の場合は税込み1490円、送料無料です。ご注文のあった方に振込先をお知らせします。
また僕が講師となる講演の場にご参加いただけた場合は、特別価格で販売させていただくつもりです。ぜひ講演の場でもお求めください。

以下、目次の各章各節までを貼り付けます。

*****

『原発からの命の守り方』

まえがき 
  
 第1章 原発事故とはどのようなものか     
 1- 1 2011年春の危機  
 1- 2 今後、どのような事故が起こり得るか 
 1- 3 原発を再稼働させないことが一番  
 1- 4 実際に避難はできるのか 
      
 第2章 あらゆる災害に共通する「命を守るためのポイント」がある     
 2- 1 災害心理学から考える  
 2- 2 避難時の行動を災害社会工学から考える  
 2- 3 災害対策の見直しが問われている  

第3章 原発災害への対処法     
 3- 1 原発災害を想定したシミュレーションを  
 3- 2 原発の事故情報をどう見るのか  
     
 第4章 放射能とは何か、放射線とは何か、被曝とは何か     
 4- 1 放射能とは何か  
 4- 2 被曝のメカニズム  
 4- 3 内部被曝の危険性と過小評価  

第5章 放射線被曝防護の心得     
 5- 1 被曝を防ぐためにーその1、ヨウ素剤を飲む  
 5- 2 被曝を避けるーその2、放射線をかわす、被曝を減らす  
 5- 3 被曝したらどうするのか  
      
 第6章 行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)      
 6- 1 原子力災害対策において地方自治体の置かれた立場  
 6- 2 兵庫県篠山市の原子力災害対策への関わりを振り返って  
      
あとがき  

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明日に向けて(1168)アメリカによる病院攻撃はジュネーブ条約違反の戦争犯罪だ!

2015年10月16日 16時00分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151016 16:00)

アフガニスタンで10月3日におきた米軍による病院攻撃に関する続報です。

7日、国境なき医師団(MSF)インターナショナル会長のジョアンヌ・リュー医師が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で会見を行ない、MSF医療施設への爆撃に関して、国際事実調査委員会(IHFFC)による調査を呼びかけました。
ここで注目すべき点は、MSFがこの事件を「MSF医療施設への爆撃」と呼び、「誤爆」という言葉を使っていないことです。その点も含めて、第三者機関による調査を求めているのです。

MSFは次のように述べています。重要な点なので引用します。

 「今回の出来事はMSFの医療施設への攻撃というだけでなく、ジュネーブ諸条約への攻撃でもあります。これは看過できません。ジュネーブ諸条約は戦争のルールを定めるもので、紛争に際し、民間人を保護するために制定されました。
 傷病者と保健医療従事者、そして保健医療施設も保護の対象です。この諸条約によって、非人間的な状況に一定の人間性がもたらされるのです。」
 「本日、MSFはクンドゥーズの攻撃について、IHFFCによる調査を求めることをお知らせします。同委員会はジュネーブ諸条約の追加議定書で制定され、国際人道法侵害の専門調査を目的に結成された唯一の常設組織です。
 事実が突き止められ、紛争下の保健医療施設の保護が改めて明言されるよう、各調印国に、IHFFCの始動をお願い申し上げます。
 「IHFFCは1991年から存在しますが、実働実績はありません。76の調印国の1つが調査を提案しなければならないのですが、各国政府は今まで、遠慮や怖さからその実例をつくることはありませんでした。今こそ、この調査が活用されるべき時です。」
 「各国が「紳士協定」を隠れ蓑にし、それによって無法状態や責任逃れを生み出すことなどあってはなりません。
 医療施設が爆撃され、医療従事者および患者が命を奪われても付随的被害としか見なされず、単なる過失で片付けられることなどあってはならないのです。」

以下、国境なき医師団の声明の載ったウェブサイトのアドレスを紹介します。

 アフガニスタン:病院爆撃の原因調査に国際事実調査委の始動を呼びかけ
 国境なき医師団 日本語ウェブサイト 2015年10月07日掲載
 http://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease_2516.html

これに対して同じく7日にアメリカのオバマ大統領が病院攻撃を行ったことがアメリカ軍であることを認め、MSFへの謝罪を行いました。
朝日新聞が以下のように報じています。

 オバマ大統領、国境なき医師団に謝罪 アフガン病院誤爆
 朝日新聞 ワシントン=奥寺淳 2015年10月8日10時04分
 http://www.asahi.com/articles/ASHB82JPCHB8UHBI00D.html

朝日新聞のこの見出しのつけ方、報道の仕方には問題があります。今回の事件を「アフガン病院誤爆」と断定してしまっているからです。しかしさきほども述べたようにMSFは一度も「誤爆」という表現を使っていません。
オバマ大統領の謝罪に対してもMSFはこのように声明しています。再び引用します。

 「爆撃の当事国から謝罪と弔慰の表明がありましたが、それだけでは不十分です。外傷センターがそこにあったことは地域では広く知られていました。
 敷地内には患者と医療スタッフしかいなかったにもかかわらず、15分間隔の爆撃が1時間以上も続いた理由は、依然として明らかではありません。私たちは真相を知る必要があります」
 「戦争の"ルール"が変質してしまっているのではないでしょうか。クンドゥーズに限らず、世界各地の紛争地で活動しているスタッフの安全を守るためにも、この点を確認する必要があると考えています」

MSFは一貫して今回の攻撃が、対象が病院であることを知りつつ意図的に行ったものである可能性を捉えて、厳正なる調査を求めているのです。そして実際に「国際事実調査委員会(IHFFC)が始動したとの情報を得た」とも語っています。
IHFFCは現在、米国とアフガニスタンから調査への同意を待っているそうです。

 アフガニスタン:国際事実調査委員会が始動――MSF外傷センター爆撃の調査へ
 国境なき医師団 日本語ウェブサイト 2015年10月15日掲載
 http://www.msf.or.jp/news/detail/headline_2526.html

さらにMSFの駐アフガン代表、ギルヘム・モリニー氏が11日夜に首都カブールで朝日新聞のインタビューに応じ、スタッフ12名と患者10名が死亡。他にもがれきの下に遺体があるとした上で、以下のように語りました。記事から抜粋します。

 「空爆当時の状況をアフガン国防省は「タリバーンが患者らを『人間の盾』にして攻撃してきた」と発表。これに対し、モリニー氏は「負傷した戦闘員を治療することはあっても、武器は持ち込ませないというルールは厳格に守られていた。
  病院周辺は戦闘開始以来、初めての静かな夜で、医師らは戦闘が激しい間は見合わせていた3件の手術にとりかかった。そこがいきなり空爆され、動けない患者がベッドで犠牲になった」と反論した。
 さらに「2011年の病院開設以来、政府側と反政府側の双方から(病院に手を出さないという)同意を取り付け、反政府側の支配地域にも診療所を設けていた」と強調。
 「国際人道法が定める病院の不可侵性は空爆の時まで尊重されていた。守られないなら、世界中の紛争地での人道活動は不可能になる」と述べた。」

以上の引用を含む記事のアドレスは以下のとおりです。

 米軍誤爆の病院「手術中の患者が犠牲」 国境なき医師団
 朝日新聞 カブール=武石英史郎 2015年10月14日10時41分
 http://digital.asahi.com/articles/ASHBF02VWHBDUHBI01J.html?rm=403

ここでも注目すべき点があります。アフガン国防省が「タリバーンは患者らを『人間の盾』にして攻撃してきた」としている点です。
ようするにアフガン政府はこのタリバンに攻撃を行うために米軍に病院への爆撃を依頼したことを強く示唆しているのです。
そこには『人間の盾』にされた患者をタリバンと一緒に殺してもかまわないという恐ろしい発想が浮き出ています。
これに対してモーリ氏は「負傷した戦闘員を治療することはあっても、武器は持ち込ませないというルールは厳格に守られていた」と反論しているのです。

ここから見て取れるのは、アフガン政府はそこにタリバンがいる限り、医師や患者が巻き込まれようと攻撃するのは正当だと主張していることです。
米軍もこれと同じ価値観に立って、病院を攻撃したのです。
これに対してMSFは、戦闘で傷つき武器を手放したものは誰であろうと兵士ではなく患者として扱い、治療していたということであり、その際には武器は持ち込ませないというルールを厳格に守っていたということです。

私たちが見てとるべきことは、このアフガン政府と米軍の発想こそが軍人の正体なのだということです。
敵を倒すためならば、巻き込まれて犠牲が出ようがなんであろうが攻撃する。戦闘員と非戦闘員を分けず、戦闘員の周りにいる非戦闘員は巻き込んで殺してもいいと思っている。
だから病院であろうとも攻撃する。それが軍人と戦争の本質です。

ジュネーブ条約は、この戦争に「最低限これはしてはならない」というルールを持ち込んで、軍人と軍隊の暴力性を少しでも抑止しようとしたものです。
それが民間人を保護すべき義務であり、とくに傷病者と保健医療従事者、そして保健医療施設を保護すべき義務です。
ところが今回、アフガン政府と米軍はこれを破り、だからこそ病院に対する正確な攻撃を行った可能性が極めて高い。「誤爆」ではなく戦争犯罪なのです。
もちろん誤爆とて、あってはならない戦争犯罪です。誤爆の可能性がある限り、攻撃など止めるべきなのです。しかし今回は誤爆ではなく明確な病院攻撃です。この違いは重大です。

ではこれまでアメリカは、他に民間人と戦闘員を区別しなかったり、相手を倒すためならば平気で病院を蹂躙する攻撃を行ったことがあったでしょうか?
もちろんあります。その最たるものが広島・長崎への原爆投下です。東京・大阪・名古屋などをはじめとする全国の都市空襲です。そして沖縄上陸戦です。
このすべてでたくさんの民間人が殺されたばかりか病院が猛爆撃に合いました。患者も医療従事者も病院も、跡形もなく破壊されてしまった例もたくさんあります。そしてそれほどの非人道的無差別殺戮をしながらアメリカはまだ一度も謝罪していません。
アメリカに隷属し続けるこの国の政府も、一度もこの非人道的戦争犯罪を告発してきませんでした。

このことを踏まえて、私たちは国境なき医師団を支持し、紛争地での医療活動を守るためにも、今回の病院攻撃の戦争犯罪性を突き出し続けていこうではありませんか。
同時に、今こそ私たちは「戦争で紛争は解決できない。軍人は民間人を保護しない。非人道性に溢れた戦争は報復の連鎖しか作らない」ことを訴え、戦争による紛争の解決の国際的禁止を訴えていく必要があります。

今一度、「誰の子どもも殺させない」という原点にたちかえり、平和の道を力強く歩み続けましょう!

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明日に向けて(1167)川内原発再稼働反対現地行動に連帯を!危険性をきちんと捉えよう。

2015年10月13日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151013 22:00)

川内原発2号機の再稼働が15日にも強行されようとしています。
現地、鹿児島で懸命の反対行動が行われています。

一つは11日に開始されたハンガーストライキです。「再稼働不同意住民の会」の呼びかけで20人が参加。「ハンスト中、再稼働反対」と書いた白い法被姿で午後1時より座り込みを始めました。
以下に毎日新聞の記事を紹介しておきます。写真もあるのでぜひご覧下さい。「川内原発再稼働阻止キャラバン」のFacebookページもご紹介しておきます。

 川内原発2号機:再稼働反対の住民らハンガーストライキ
 毎日新聞 2015年10月11日 20時20分(最終更新 10月11日 21時06分)
 http://mainichi.jp/select/news/20151012k0000m040064000c.html
 
 川内原発再稼働阻止キャラバン
 https://www.facebook.com/sendaikyaraban

さらに12日には県内約90の団体が集う「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」呼びかけの1800人の集会とデモが行われました。
以下にKTS鹿児島テレビの動画と朝日新聞の記事を紹介しておきます。これもぜひご覧下さい。

 【動画】川内原発2号機再稼働に反対する集会
 KTS鹿児島テレビ 2015年10月13日
 http://news.ktstv.net/e60289.html

 川内原発再稼働は「自殺行為」 鹿児島で1800人集会
 朝日新聞 中島健 2015年10月12日18時47分
 http://www.asahi.com/articles/ASHBD5416HBDTLTB001.html

現地の頑張りにぜひ応えましょう。
「ストップ再稼働! 3・11鹿児島集会実行委員会」の連絡先を記しておきます。激励のFAXなど送ってください!Facebookページではコメントもできます。
事務局 〒892-0873 鹿児島市下田町292-1 TEL099-248-5455 FAX 099-248-5457


朝日新聞の見出しにあるように、参加者は川内原発再稼働を「自殺行為」と呼んで反対しています。
まさにその通り。この再稼働は私たちを大変な危険性に晒しています。
とくに現地の人々が強調しているのは、2号機が2009年二交換を発表した「蒸気発生器」を交換しないままになされようとしていることです。
この点については「明日に向けて」の前号を参照して下さい。

 明日に向けて(1166)川内原発2号機の再稼働はあまりに危険!みんなで食い止めよう!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/4b723d9972dd00d65f24baa1e200ebab

この点にとどまらず、「明日に向けて」では、繰り返し川内原発再稼働の危険性を指摘してきましたが、再度、ここで最も重要な「新規制基準」のあやまりをまとめておきたいと思います。
ぜひ学習会などに活用して深めて下さい。こうした内容を一つ一つ、市民の側が身につけていくことが大事です。これらは今後の再稼働が狙われている高浜原発や伊方原発にも通じる事柄です。
そのために「明日に向けて」(1132)の載せた(1060)~(1065)と(972)で連載した内容(2015年3月24日~4月6日と2014年11月15日)を再度掲載します。
2015年3月~4月の連載は、福島原発事故以降、事故の進展や規制庁による新規制基準の提出などに即して、純技術的側面からもっとも適格な解説を行ってきてくださった元格納容器設計者・後藤政志さんの発言に学んで行ったものです。

第一に指摘すべきは、そもそもの九州電力が行った再稼働対策に向けた許認可申請があまりに杜撰に行われたことです。
後藤さんは「プラントの配置関係を全部伏せて白抜きになっている。どこに何があるか分からない状態になっている。耐震強度を計算する時に耐震の解析モデルがあるが、それの高さ方向の値がすべて白抜きになっている」と怒りをもって指摘されました。
要するに川内原発再稼働に向けた許認可申請は、主要部分を公開せずに行われたのです。あまりに杜撰でした。

 明日に向けて(1060)あまりに杜撰な川内原発工事認可申請(後藤政志さん談)
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/0870cd08844d3d12e17ae6345ae8b79b

第二に再稼働の是非を審査する、規制庁の新規制基準に大問題があります。端的に新しい規制基準では「重大事故」が防げないことを前提にしているということです。
福島第一原発の教訓を踏まえて、「重大事故」を絶対に起こさないようにする・・・とは言ってないのです。
起こさないように努力するが、それでも「重大事故」は発生しうる前提に転換したのです。大事故がありうることが前提に再稼働を認めると開き直ったのです。こんなことは絶対に認めてはなりません。

 明日に向けて(1062)原発再稼働に向けた新規制基準は大事故を前提にしている!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d3e4b0cb07ae7a68734a3b52c9c693f

第三に規制委は「福島第一原発事故の教訓」を参考に新基準を作ったと言っているのですが、そもそも福島原発事故はその全容がまだ解明されていません。
それどころか1号機から3号機は放射線値が高すぎて内部がほとんどみれず、溶け落ちた核燃料の状態やありかさえつかみ切れていないのです。
事故は継続中です。汚染水の発生から明らかなように格納容器のどこかが壊れているのは確実ですが、どこかが分かっていない。事故がどのように進展してどこが壊れたのかも分からないのです。それでなぜ対策ができるのでしょうか。

 明日に向けて(1063)福島の教訓に基づく重大事故対策などまだできるわけがない!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8718f402298f072498d32eb7f59478f8

第四に、規制委が新基準に盛り込んだ地震対策のあやまりです。ここにはそもそも地震の揺れの大きさは現代科学で十分に解析できるのかという問題が横たわっています。
この点で重要なのは8年近く止まっている柏崎・刈羽原発を襲った2007年中越沖地震の地震動です。この原発の設計基準地震動は450ガルでしたが、実際には1699ガルの地震動がここを襲ったのでした。4倍もの揺れでした。
ここで明らかになったのは現代科学ではまだ地震動の揺れを正確に捉えることができないことです。にもかかわらずこの重大問題に目を伏せたまま規制委は認可を与えています。

 明日に向けて(1064)原子力規制庁・新規制基準の断層と地震動想定のあやまり(後藤政志さん談)
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a3f0e8c33a857d8a36a56280845eedc1

第五に、新規制基準における「重大事故」対策の内容が、事故を収めるどころかむしろ拡大しかねないより危険な内容をも含んでいることです。
とくに重要なのは、川内原発や高浜原発で採用されている加圧型原子炉の格納容器には、東電のような沸騰水型原発と違って窒素が充填されておらず、水素爆発が起きやすいので、イグナイタ―をつけて水素が溜まる前に燃やしてしまおうとしていることです。
しかし福島原発事故で明らかになったように「重大事故」ではそれまでの設計上の想定が突破されているのですから、こうした非常用の装置も期待通りに動くとは限りません。水素が一定たまってから着火がされてしまえばかえって自爆してしまいます。

 明日に向けて(1065)新規制基準の「重大事故」対策はあまりに非現実的でむしろ危険だ!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d4c8272d4c01e698efd2e68600b4b4af

 明日に向けて(1075)川内原発再稼働も禁止すべきだ!~加圧水型原発過酷事故対策の誤りを後藤政志さんに学ぶ~
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9605e1dc395c1d33815861dad65ac36a

第六に、火山に関する噴火評価が火山学会の誠実な提言を踏みにじって行われたことです。川内原発は日本の中で破局的な噴火を起こしうる10の火山のうちの5つが集中する地帯にあり、どの火山の大噴火でも深刻な被害を受ける可能性があります。
これに対して九電は大噴火の兆候は数年前に分かるので、そのとき核燃料を炉心から降ろして安全な場に移すと述べており、原子力規制もこれを承認しています。運転中の核燃料を降ろせるようになるには数年がかかりますがその前に分かると言うのです。
しかし火山学会は繰り返し現代の技術では数日から数時間の範囲でしか予測ができないと語っています。いわんや数年の規模での予想などまったく不可能というのが学会の常識なのです。再稼働はこの火山学会の提言をまったく無視してなされています。

 明日に向けて(972)原子力規制委の噴火評価はデタラメ!火山学会の誠実な提言を受け入れるべきだ!
 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9f924552b380fc1efc744322658a6fad

以上、新規制基準はなんら原発の稼働の安全性を保障していません。
それどころか、申請が杜撰、「重大事故」に開き直り、解明されていない福島原発の教訓に学べるはずがない、地震の揺れが正確に予想できないことを無視、「重大事故」対策がかえって危険、火山の大噴火の予知ができないことを無視と矛盾だらけです。
私たちはこの間の復水器トラブルは、こうしたもともとの再稼働の本質的誤りの上にさらに危険性を示すものとして表れていることをきちんととらえておく必要があります。これらの点を広げ、稼働を許さない民主的パワーのアップを図っていきましょう。

 

 

 

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明日に向けて(1166)川内原発2号機の再稼働はあまりに危険!みんなで食い止めよう!

2015年10月08日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151008 23:30)

8月に川内原発1号機の再稼働が愚かにも強行されましたが、続いて2号機が10月14日以降に再稼働されようとしています。
2号機は2011年9月1日に定期検査に入って以降、稼働していなかったので4年1ヵ月ぶりの再稼働になります。1号機と同じく長く停まっていたのでそれだけでも大変危険です。
これに対して「ストップ再稼働!3.11鹿児島集会実行委員会」が10月12日に鹿児島での全国集会を呼びかけています。11日から原発正門前でのハンスト決行も予定されています。
集会とハンストの案内を末尾に貼り付けます。僕は残念ながら駆けつけることができませんが、お近くの方、ぜひご参加下さい!

この集会への呼びかけの中で2号機再稼働の危険性に関する重要な点が指摘されています。蒸気発生器に関することです。
これまでも述べてきたように、川内原発が採用している加圧水型の原子炉は、蒸気発生器やそれにつながる冷却系に致命的な欠陥を持っています。
とくに度々事故を起こした来たのが、加圧されて150気圧300度になっている一次冷却水の熱を二次冷却水に伝える「蒸気発生器」です。
細いU字型の配管を通して一次冷却水から二次冷却水に熱を伝えるのですが、ここにピンホールができることが繰り返され、さらには完全破断してしまう大事故が美浜原発などで起こってきました。

この事故が最悪化すると加圧された一次冷却水が一気に抜けて、原子炉がメルトダウンしてしまうことになります。
このため加圧水型原発は、設計当初の想定にはない蒸気発生器の交換を繰り返してきています。
川内原発でも1号機の蒸気発生器の交換がすでに行われており、2号機でも交換を行うことが2009年に発表され、敷地内に交換用の蒸気発生器が運び込まれていました。
ところが2号機の蒸気発生器はなぜか交換されませんでした。そのままに今回の再稼働を迎えようとしているのです。

なぜか。考えられるのはアメリカの原発で起こった三菱重工製の蒸気発生器の事故の影響です。
これはロサンゼルス南東120キロにあるサンオノフレ原発で2012年1月に判明した放射能漏れ事故のことで、運転中の2号機と3号機の両方で三菱重工が納入した蒸気発生器の配管の一部が破損し、放射能が漏れているのが発見されたのです。
構造的欠陥が明らかになったこの原発はその後に廃炉になり、建設に関わった電力事業者の米サザン・カリフォルニア・エジソン社(SCE)など4社が三菱重工に75億7000万ドル(約9300億円)の損害賠償を求めて提訴に踏み切っています。
三菱側は167億円の損害賠償の支払いを主張しており、両者の見解は真っ向から対立して法廷闘争必至の状況ですが、敗訴した場合、三菱が背負う賠償額はあまりに巨大で、同社の経営を一気に悪化させる可能性すらあります。

この蒸気発生器の交換が行われたのは2010年、2011年でした。これに対して川内原発2号機の蒸気発生器の交換は2014年までに行うと予定されていました。
ところがサンオノフレ原発ではなんと1年ないし2年で蒸気発生器に深刻なトラブルが起きてしまい、その後に川内原発2号機で、蒸気発生器の交換が理由が明らかにされないままに見送られたのでした。
三菱重工は川内原発での交換に予定されていたものとサンオノフレ原発で交換された蒸気発生器は別の製品だと語っていますが、しかし時期からいっても三菱重工にとって同じ最新の技術が採用されていたことは間違いありません。
ようするに三菱重工は最新の技術をもってしても、蒸気発生器が構造的に抱える欠陥を克服できていないのです。だからこそ川内原発での交換がなされたなかった可能性が濃厚です。

そのため川内原発2号機は2009年に発表された蒸気発生器の交換を理由を明らかにしないままに再稼働を迎えようとしています。
これは川内原発2号機が巨大な危険性を宿していることを告げるものです。なにせ九州電力自身が蒸気発生器の交換の必要を考えて、2009年に交換予定を発表していたのです。
このまま旧来の蒸気発生器を使い続けることに不安を感じていたのです。ところがサンオノフレ原発での事故によって新たな蒸気発生器にも信頼が持てなくなった。だから交換ができないまま今回の再稼働に至ったに違いありません。

しかも再稼働は4年1ヵ月ぶりに行われるものです。これだけでも危険性が高いのに、さらに本来は交換が予定されていた古い蒸気発生器の予定されていた交換を経ないままに再稼働に向かっています。危険性が二重になっています。
この危機を克服できるのは私たち市民の草の根の行動だけです。このことを見据えつつ、現地での再稼働反対行動と連帯しながら全国各地から「無謀な再稼働を止めよ!2号機の再稼働を止め、1号機も停止せよ」という声をあげていきましょう!

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10.12全国集会 川内原発2号機再稼働を許さない!
ストップ再稼働!3.11鹿児島集会実行委員会 2015年9月25日
http://kagoshimashukai.chesuto.jp/

みなさま

昨日のストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会で、集会の開催が正式に決定しました。
各所に、伝達拡散お願いいたします。

10.12全国集会
川内原発2号機再稼働を許さない!
 鹿児島中央駅東口広場

PM1:00~2:00大集会(鹿児島中央駅東口広場)
PM2:00~4:00パレード(東口広場から天文館、朝日通り)

■1号機、即時停止を求める
火山、地震、過酷事故対策、さらには避難計画、様々な角度から出される問いに対して何一つまともに答えられない規制当局、九州電力。これではいつ大事故が発生してもおかしくありません。
8月7日には1次冷却水ポンプの軸振動計が故障。21日には復水器のパイプが破れ、海水が漏れ出す事故が発生しています。即時停止し、稼働を見直すべきなのです。

■蒸気発生器、未交換の2号機
1号機の諸問題に加えて、2号機はさらに重大な問題を抱えています。それはアキレスけんといわれ、大事故に直結する蒸気発生器が未交換だというのです。
九電は2009年に交換を国に申請し、国は2010年に認めました。県も2011年に認めています。九電は、2014年中の取り換え計画を示していましたが、未交換のまま放置されていたのです。2号機再稼働は、まるで自殺行為です。

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10月15日起動に抗議し11日より正門前でハンスト決行

九州電力は川内原発1号機に続き、またもや2号機の再稼働を強行しようとしている。
私たちは、福島事故の教訓を活かすことなく再稼働に走る国や県、電力会社に対し再三にわたって申し入れ、抗議行動などを行ってきた。
しかし、そうした国民の声を返りみるどころか、肝心の九電に至っては、 再稼働に伴う安全確認、万一の際の避難計画など、周辺30キロ圏を主体とする住民の当然の説明要求さえ無視するという、およそあり得ない傲岸不遜な姿勢を崩そうとしない。

こうした問答無用の強硬姿勢は何処からくるのか。沖縄県民の民意を蹂躙する辺野古新基地建設強行、引いては国会に於ける戦争法の強行採決等と軌を一にするものだ。元凶は安倍政権である。
いまや、再稼働阻止が安倍政権打倒に直結していることが誰の眼にも明らかだ。原発も沖縄も憲法蹂躙の戦争法も反安倍で一つになろうとしている。安倍政権を倒すもっとも確実な手段は、選挙で安倍政権に連なる議員たちを議席から追い出すことである。

私たちは、九電が2号機起動を予定する10月15日に向け、10月11日より原発正門前でハンスト行う。今こそ立ち上がろう。原発反対の思いを行動に転化しよう。自分ができることは何かを考え実行しよう。 非暴力抵抗の手段としてのハンストはその一環に過

ぎない。ー選挙はその先にある。 さいごに。川内原発当局の安全運転を心より祈念しつつ。

2016年10月6日 九電川内原発正門前ハンスト行動 参加者一同

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明日に向けて(1165)内部被曝、福島原発、原発輸出(トルコ)、原発からの命の守り方について話します!

2015年10月07日 14時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です。(20151007 14:00)

講演などのスケジュールをお知らせします。
10月11日に大阪府豊中市でお話します。タイトルは「~子どもの未来を守るために~食と放射能・内部被ばくって何?」です。
今回は内部被曝のメカニズムと避け方についてしっかりとお話しようと思います。

10月18日に滋賀県米原市で「くらしとせいじカフェ」に参加します。
まだ内容をつめているところだそうですが、僕としてはちょうど15日に2号機の再稼働が予定されている川内原発のことをお話しようかなと思っています。

ちなみに「せいじとくらしカフェ」が生まれたのは昨年6月。翌月に控えた滋賀県知事選に向け30~40代の母親5人ではじまったのだそうです。
選挙の候補者や政治家との座談会、原発・安保法制などの勉強会などを行ってきました。この間は政治家では滋賀二区選出の民主党の国会議員の田島一成さんが参加されています。
僕も滋賀県にはいろいろな関わりを持ってきたことから、途中からアドバイザーとして参加させてもらっています。
米原方面で興味のある方、ぜひご参加下さい。

10月24日に広島県尾道市でお話します。タイトルは「福島原発の今」です。しっかりと現状分析を行い、再稼働問題にも触れたいと思います。
尾道への訪問はもう5回目以上になると思うのですが、いつもとても温かく迎えていただき、なんだかホームタウンのようになってきました。尾道のみなさんとの再会も楽しみです。

翌日25日は広島市でお話します。タイトルは「日本が原発輸出するトルコ訪問報告 ~トルコ市民4万人の声を聞こう~」です。
原発輸出について、3回にわたるトルコ訪問について、またトルコへの輸出に参画している三菱重工製の加圧水型原発の問題にも触れようと思います。
ちなみに被爆70年での広島市訪問となるため、午前中に平和記念講演を訪問してこようと思います。

11月23日に滋賀県大津市で原子力災害対策についてお話します。タイトルは「滋賀の原子力災害対策について知ろう 地域で出来ること・個人でできること」です。
原子力規制庁の30キロまでが避難ゾーンとする考え方に対して独自に47キロまでを避難ゾーンと設定した大津市や、滋賀県の原子力災害対策の担当者の方も参加される予定だそうです。
大津市や滋賀県の原子力災害対策を検討させていただきつつ、「地域でできること・個人でできること」を突き出します。

この企画には滋賀県のみならず、京都府や福井県など近隣の自治体の方にも参加していただきたいです。当然のことですが放射能に県境はありません。このため近隣自治体がどのような対策を立てているかを知ることはとても重要です。
ともに福井県の原発銀座という日本の中で最も危険な施設が林立する地帯を近くに抱えたものとして、いかに命を守るのかを考察したいです。

以下、具体的な案内を貼りつけます。お近くの講演にご参加下さい!

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10月11日 大阪府豊中市

守田敏也さんお話会
~子どもの未来を守るために~
食と放射能・内部被ばくって何?
http://nonuketoyonaka.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

福島原発事故後、私たちの生活は変わり、放射能の影響を受けることになりました。事故は収束どころか、今も海や大気中に放射能が排出されています。
法令で決めれられた放射能の被ばく限度線量は1ミリシーベルト/年ですが、福島では20ミリシーベルト/年の地に帰還が進められています。
食品の放射能基準値も緩く、その下で食品が全国に出回っており、全国どこでも内部被ばくの可能性があります。
このままで、市民・子どもの命・健康は守られるのでしょうか?

「内部被ばくと食の安全・放射能健康被害」「原発再稼働と避難計画」「原発輸出」問題など、多岐にわたる分野に詳しいジャーナリストの守田敏也さんからお話をうかがい、子どもたちの未来のために、今何ができるかを考えていきたいと思います。

日 時 : 10月11日(日) 14:00 ~ 16:30
場 所 :とよなか男女共同参画推進センター すてっぷ・ホール
     (阪急豊中駅 直結 エトレ豊中 5階)
参加費 : 500円
保 育 : ホール内にてスタッフが対応致します。
申し込み: 当日参加も可能ですが、できれば事前に予約をお願いします。
問い合せ: 090-8980-2436 (山田)tj5tymd@gmail.com

★守田敏也さんプロフィール★
豊中市で小・中学時代を過ごし、同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在はフリーライターとして活躍中。
3.11以降は主に原発事故問題を追いかけ、2012年3月には物理学者・矢ヶ崎克馬さんとともに『内部被曝』(岩波ブックレット)を上梓。
トルコへの原発輸出に反対して、トルコ・シノップにも足を運び、現地での講演は新聞1面に掲載される。
また、兵庫県篠山市原子力対策委員会に参加し、避難計画に取り組んでいる。

【”福島の今”写真展】
13:30開場
 福島現地激励訪問(7/3~5)で撮ってきた写真をホール内で展示します。
カフェ(コーヒー、クッキー)、書籍、資料 などもご用意しています。

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10月18日 滋賀県米原市

第7回 くらしとせいじカフェ

日時:2015年10月18日(日)10:00~12:00
参加費:500円
場所:渡部建具店 (米原市柏原871)

くらしとせいじcafe
http://kurasitoseijicafe.blog.jp/archives/1041265691.html

これから 私たちの暮らしはどうなっていくのかなと 思うのです

 戦争 原発 TPP 環境 教育 医療 健康 子育て
 どうやら政治がきめてるらしい ということが分かってきた

 ん?政治ってなんだ?
どうやら暮らしとつながってるらしい ってことも分かってきた

 まずは わからんなりに わからんからこそ 語りあってみませんか
 そんなことから 明るい未来が見えてくるかもしれないなー
明るい暮らしを作っていくってことかもしれないなー

 くらしと政治カフェ
 ちょっと お茶でも飲みながら
 おかあちゃん、おとうちゃん 未来をつくる
 ステキでしょ  

  これ 大事なんだ  

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10月24日 広島県尾道市

福島原発の今 フリーライター守田敏也さん講演会
10月24日(土)午後2時~ 尾道市立中央図書館大会議室

福島原発事故から4年半。今また原発推進勢力が息を吹き返し、私たちが現状を正しく把握することを妨げる動きが活発になっています。私たちは福島原発の今を正しく知ることによって何をなすべきかを考えてみませんか。
☆食べ物は安全なの?
☆集めた放射性廃棄物はどうなるの?
☆避難者の「帰還」政策はどうなるの?
☆汚染水はどうなるの?
その他聞いてみたいことは何でも。
※参加は無料です。

主催 フクシマから考える一歩の会

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10月25日 広島県広島市

第20回グローバリゼーション講座
「日本が原発輸出するトルコ訪問報告」
 ~トルコ市民4万人の声を聞こう~

今年の4月、トルコの原発建設予定地シノップ(黒海沿岸)で市民約4万人が集まり、「原発はいらない!」「日本は原発を輸出しないで!」と声を上げました。
シノップでは三菱重工とアレバ社(仏)の合弁会社が開発した加圧水型原発4基が2017年から建設着工予定です。   
講師の守田さんは、昨年2回、今年4月にもシノップを訪問されています。トルコの現状とシノップ市民の行動の様子を報告してもらいます。是非ご参加ください。

■日時:2015年10月25日(日)14:00~16:30
■場所:ゆいぽーと(広島市男女共同参画推進センター)5階研修室4
広島市中区大手町5-6-9
電話:082-248-3320
■講師:守田敏也さん(フリー・ジャーナリスト)
参加費:500円(学生無料)

■主催:グローバリゼーションを問う広島ネットワーク
http://globalwatch.o.oo7.jp/

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11月23日 滋賀県大津市

滋賀の原子力災害対策について知ろう
地域で出来ること・個人でできること
https://www.facebook.com/events/947166738662256/

先ごろ大津市でも原発事故を想定した避難計画案が発表されました。国の原子力災害対策指針で定める30キロ圏を越え、福島県飯館村の例を元に大飯原発から47キロ圏を想定した独自のものです。
これを機に原発立地隣接県の住民として原子力災害についてきちんと学び、地域防災の視点から、また個人でできる備えについて考えたいと思います。
とかく専門的で難しいと思われがちな分野ですが、初歩的な基礎知識からわかりやすく解説していただきます。どうぞこの機会にともに学びましょう。

滋賀県と大津市の原子力災害避難計画について、ジャーナリストの守田敏也氏に解説をしていただきます。
氏は矢ヶ克馬氏とともに岩波ブックレットから『内部被曝』を上梓され、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めておられます。
311以降は特に原発事故問題について積極的に関わっておられます。

日時:2015年11月23日(月・祝)13:30~16:30
場所:明日都浜大津5F・ふれあいプラザ大会議室
参加費:800円(資料代含む)<高校生以下無料>

お申込み:当イベントページにて参加ボタンをクリックいただくか、下記メールアドレスへお名前、連絡先、参加人数をお知らせください。
※お子様連れでの参加をご検討の方は、当イベントページまたは下記メールアドレスへお知らせください。

11.23滋賀の原子力災害対策について知る会
https://www.facebook.com/1123taisaku
連絡先:1123shigahinan@gmail.com

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明日に向けて(1164)「国境なき医師団」が米軍空襲を「戦争犯罪」と批判!第三者による調査を要請

2015年10月06日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20151006 22:00)

米軍による「国境なき医師団(MSF)」空襲問題の続報です。
表題にも記したように、MSFが米軍空襲を戦争犯罪として批判し、第三者による調査を要請しています。
この件に関するMSFの声明を転載します。

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「MSFは、一部のアフガニスタン政府当局者が声明を発表してクンドゥーズ州内のMSF病院に対する爆撃を正当化したことに嫌悪感を覚えます。
これらの声明はアフガニスタン軍と米軍が共同で、完全に機能している病院を壊滅させる決定を下したことを示唆しています。
タリバンの構成員が現場にいたからというのが彼らの主張ですが、当時病院にいたのは180人以上のMSFスタッフと患者、付き添いの人びとであり、10月3日早朝の米国の爆撃以前に外傷センター敷地内で戦闘があったと証言しているMSFスタッフは1人もおりません。彼らの主張は戦争犯罪を認めたことに等しいものです。また、爆撃の正当化は当初米国政府がこの攻撃を『巻き添え被害』として矮小(わいしょう)化しようと試みたこととも全く矛盾しています。
MSF病院を標的にしたこの忌まわしい攻撃について正当な理由などあり得ません。MSFスタッフ12人と、子ども3人を含む患者10人が今回の爆撃で命を奪われているのですから。これは国際人道法の重大な侵害です。MSFは改めて、国際的な第三者機関による完全で透明性のある調査を求めます。紛争の当事者による内部調査だけでは、まったく不十分です」

クリストファー・ストークス
MSFベルギー事務局長

引用は「国境なき医師団」日本語ホームページより
http://www.msf.or.jp/news/detail/headline_2510.html

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これは非常に重要な点です。「誤爆」とは攻撃目標をそれたミサイルや爆弾が攻撃する意図のなかった建物などに着弾したとき、あるいは攻撃目標と誤って断定した違う建物に着弾したときなどに使われる言葉です。
それとても重大な犯罪であり人道上の罪であって、もっと「誤爆」という言い方そのものにも気を付ける必要があると思いますが、今回はその「誤爆」ですらない可能性が高くあります。アフガン政府と米軍が明確に病院を攻撃目標にしたということです。

MSFはこれまで繰り返し病院の位置を米軍・政府軍・タリバンに通知してきていました。しかも空襲開始後にただちに米・アフガン両政府に病院が襲われていることを通知しました。
にも関わらずその後も「15分間隔の爆撃が1時間、首相施設に極めて正確に着弾」したのです。MSFはこのことを重視し、当初より「誤爆」という言葉を使わずに「戦争犯罪」の可能性を強調し続けてきました。
これにさらに重要な情報が加わりました。アフガン内務省が「病院内にイスラム原理主義勢力タリバンが潜伏していた」と発言をし、攻撃が意図的であったことをほのめかしたのです。

この点について5日、アメリカ軍も驚くべき声明を発しました。
アフガン駐留米軍のキャンベル司令官による米国防総省での会見で「アフガン治安部隊が敵から攻撃を受け、米軍に対し空からの支援要請があった」「タリバンの脅威を取り除くために空爆しその際に誤って市民の犠牲者が出た」と述べたのです。
情報元は朝日新聞です。以下に記事を示しておきます。

 国境なき医師団病院誤爆 米「空爆、アフガンが要請」 医師団「責任転嫁」
 朝日新聞 2015年10月6日掲載
 http://apital.asahi.com/article/news/2015100600026.html

米軍の声明は、病院攻撃が「誤爆」ではなく意図的な攻撃だったことが明らかになりつつあることに対し、責任をアフガン政府に転嫁しようとしたものですが、そのことでさらに攻撃が意図的だったことが濃厚になりつつあります。
これに対してMSFはただちに「責任転嫁」を許さないと批判していますが、今、重要なのはMSFが主張するように、米軍とアフガニスタン政府をのぞいた第三者機関による調査を行うことです。そして責任者の処罰をきちんと行うことです。
もちろん加害者による被害調査など絶対に認めてはいけない。認められるはずもない。これがきちんとなされなければ、犠牲者があまりに浮かばれません。
またこうしたことを放置してうやむやにすれば、再び武力による報復が叫ばれ、実行される可能性があります。そのことで戦闘は拡大するばかりでしょう。さらなる争いを少しでも減らすためには、「公正な裁き」こそが必要なのです。

国境なき医師団はスタッフを大量に失い、かつ病院機能も完全に失ってしまったことで、アフガニスタン北部から撤退せざるをえなくなったそうです。
紛争地から医療が撤退してしまう。そのことで、確実に、今までなら助けることができたたくさんの命が失われてしまうのです。
MSFによれば、襲撃された「外傷センター」は、アフガニスタン北東部で唯一、さまざまな外傷治療に対応できる施設だったそうです。2011年開設後、高い水準の外傷治療(四肢の温存療法を含む)を無償で提供してきたのでした。
2014年だけでも、なんと2万2000人以上を治療し、5900件以上の手術を行ったそうです。米軍はそれを担った医師やスタッフを入院患者とともに殺害し、施設を蹂躙し、病院を廃止に追い込んだのです。本当に罪深いです。

日本政府も第三者機関による調査をせよときちんと声明すべきです。前回も述べたように、アメリカ軍を相手とした集団的自衛権の行使を世界に宣言したのだからです。もはや第三者の顔をしていることは許されません。
いや私たちも同じです。もはや第三者ではないのです。「こんなひどい戦争犯罪を行う米軍との自衛隊の共同行動を止めよ」という声を高める必要があります。
世界の平和を、人々の命を、みんなで守るために、アメリカの戦争犯罪と徹底して対決しましょう。それこそが真の「積極的平和主義」だと僕は思うのです!

 


 

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