

弟の須佐之男命という神様がいらっしゃいました。
須佐之男命はあばれんぼうで、
いろいろな悪さをしましたが、
最初は大御神もがまんしておられました。
しかし、須佐之男命のいたずらはひどくなるばかり。
さすがの大御神もおいかりになり、
天の岩戸に隠れてしまわれたのです。
するとどうでしょう、
世の中は真っ暗になり
いろいろ悪いことがおこりはじめました。
そこで天の神様たちは、
どうしたら大御神が外に出てきてくださるか
いろいろ相談をしました。
はじめに、天児屋根命(あめこやねのみこと)という神様が
岩戸から出てきてくださるよう
祝詞という手紙を、声を出して読まれました。
その声と文章が素晴らしかったので
気になられた大御神はちょっと岩戸を開けられました。
次に天宇受売命(あめのうずめのみこと)という神様が
岩戸の前で舞を舞われると、
それがとてもおもしろかったので
まわりにいた天の神様はみんな大わらわです。
外の様子が気になられた大御神が
もう少し岩戸を開けました。
そのとき、天手力男神(あめのたぢからおのかみ)という神様が
岩戸を開けられたので、
天照大御神が外にでてこられたというお話です。

葉室 頼昭 著



今の子どもたちもきっと知っていることだろう
僕の子供の頃の疑問は
神様たるもの、そして天子様である天照大御神ともあろうお方が
弟が悪さをしたからといってどうして
天岩戸になんか隠れてしまわれたのだろうか
ましてや自分がいなくなれば
この世がどうなるかわかるはず、
大御神様といえ気ままなのだろうか
それだけ、日本の神様は我々下々と似たり寄ったりなのだろうか
そんな気さえしたものだ
でも日本人として田んぼや機織りの機械を壊すことが
どういうことなのか見せしめる意味で
ペナルティーを科したのかもしれない
そしてこの本の解説によれば
正しい文章をしっかりと読み上げる
古くから伝わる舞や祭りの文化をしっかりと受け継ぎなさい
という意味が込められているとのこと
今、現代日本の現状を思うに
須佐之男命のような人が蔓延し本来の日本を見失い
近い将来、天子様は岩戸に隠れてしまわれるのでは...!
我々大人がしっかりといなければと感じた次第



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