トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

盗癖

2006-02-18 19:01:28 | 子供
私は依存症と言う言葉を舅がアル症だと気がつく前からしっていた

「買い物依存症」「パチンコ依存症」「薬物依存症」「過食、拒食」
知らないのはアル症と共依存症ぐらいだった
それを1番知るべきだったのに無意識に避けていたのかもしれない

自分はいつか何かの依存症になるんじゃないかと不安に思っていた
だからそれらの本もいろいろ読んだりしていた

だから息子への物への制限は今の息子の友達に比べると
厳しかったと思う
舅が酔いに任せて遊びに行くたびに息子に1万単位でお小遣いをくれたりするのは
本当に嫌だった

私が「子供に2万もお小遣いは要らないです」と言えば
「いんだ。いんだ。あんたにやるんじゃないんだ。
なぁ。じいちゃんがお金あげるから欲しいもの買って貰えよ」と息子の手に
握らせた

帰りの車の中ではいつも
「おじいちゃんがお金くれた。お店によってー!!!玩具買ってよー!
おじいちゃんが買いなさいって言ったんだー!!」と泣き叫んで手が付けられなかった

だんだん私は舅のお小遣いに敏感になっていった
このまま息子が物欲を我慢できない子供になってしまうようで心配だったのだ

舅の家に行く前には必ず息子に
「いいかい。お小遣い貰っちゃ駄目だからね!分かった!!」
と叱り付けてから出かけた

それでも必ず舅はお小遣いをくれようとした
息子は私の顔色を見て「だって、お母さんが貰っちゃ駄目だって・・・」言うと

「駄目なのか?出した金は引っ込められないぞ。持って行け!」と怒り出す
息子は間に挟まれ身が縮む思いだったろう
でも私はいつしか意地になっていた

舅のように物欲を我慢できない人間になったら大変だとひたすら心配していた
だから厳しくしなければ。
我慢できるように躾けなければと・・・

ゲームやガチャポンをやれば好きなものが出てくるまでやりたがる
泣いてでも欲しいと言う
ビデオを借りに行けば一週間で観きれないほど借りようとする

本屋に行けばあれが欲しい
コンビニに寄ればこれが欲しいとねだった

その度に「そんなに欲しがってばかりいると我慢できない人になるんだよ
我慢できない人になったら泥棒になるんだよ」と説教を繰り返した
その度に息子は泣いて謝った

私は舅と夫の事でいつも頭がいっぱいだったので、息子に何かを教えるとか、伝えるとか全くしなかった
言葉も麺類を「チュルチュル」と言っていたが別にラーメンでもそばでも「チュルチュル」でいいじゃないかと思っていた

言葉を理解することが遅かった息子は話すことも遅かった
でもいずれ話すだろうと簡単に考えていたし、分かりやすく言葉を変えて伝えれば通じたのであえて直そうとか考えなかった

そんな事よりまずは舅と夫だった

そのつけは幼稚園になって現れた。
言葉で人に伝えることが全く育っていなかった
伝わらないと癇癪を起こして友達とトラブルになったり、大声で泣いて訴えたりしてまるで1才か2才の子供から全く成長していなかった

子供は自分で育っていくものだと勝手に思っていた
その癖、周りの目には敏感だった
お店で欲しいと言って泣き出す息子は体も大きく人目を引いた
それは私にとってとても恥ずかしい事だった

だからこそ余計にクドクドと説教を繰り返し、分からせようと必死になった
ママ友も
「うちの子もやりたがったり、欲しがったりで大変。今の子達って物欲強すぎだよね」と話すことがあったけれど
「うちは違う舅が依存症なんだから息子にもその素質があるに違いない。
早いうちに悪い芽を摘まなければ。」という思いと
私の子供は我慢強い子なんだと自慢したい思いだった

息子が初めてお友達のカードを盗んだ時本当に動揺した
あんなに躾けたのにやっぱり舅を見てきたからそういう風になりやすいんだ
と愕然とした

もっと躾けなければ、よく言い聞かせなければと思った

舅がアル症だと分かってからは益々不安が膨らんでいった
ちょっとでも息子が「あれ、欲しい。」とか言い出すと
「なに?何が欲しいって。1つで我慢できるの?あんた1つ買ったら次も欲しいって言うじゃない・・・・」クドクド、グチグチ言い続けた
息子はいつしか「駄目ならいいけど・・・・」と言うようになった

その言葉を聞いて初めて「仕方ない、1つって分かっているんなら買ってあげる」といって買い与えてやった
そんな風に買ってもらってもきっと少しも息子の心は満たされなかったに違いない

でも私はとにかく物欲は悪い事だと分からせるのに必死だった

息子は「我慢ができないとおじいちゃんみたいになって、家族に捨てられちゃうんでしょ」と言うようになった

「そうだよ。おじいちゃんはお酒が我慢できない人になっちゃったんだよ」と脅かした

息子はその頃から物を欲しがらなくなった
その様子にもう大丈夫コントロールできたと大満足だった

でも息子は我慢に我慢を重ねていきなり爆発を繰り返した
スーパーにおつかいを頼めば持って行ったお金以上の物を買おうとして
スーパーから電話が掛かってきたりした事もあった

「どうして?頼んだものだけ籠に入れないの?」と聞くと
「だって欲しかったんだ」と言う

頭にカーッと血が上って「頼んだもの意外買っていいってお母さん言った?
そんなの泥棒と一緒だよ!」と怒鳴りつけた
「あんた、ちっともお母さんの話分かってないんでしょ!そこに座りなさい」
と何時間でも説教をした

「もうしない。ごめんなさい」と泣いて謝っても許さなかった
たとえ許しても事ある事に「物を我慢できないと・・」と脅かすようになった

息子はどんどん追い詰められていった
私は息子を叱っていながら実は自分の中にいる舅に怒りをぶつけていたのだ

お酒を我慢できないために私はこんなに傷つけられた、今度は息子の依存症に傷つけられたくないと自分の不安を息子に全てぶつけてしまったのだ

そして叱っても叱っても息子の盗癖は悪化していった
そして最後に息子は義理母の財布を盗み、
散々怒られた次の日に今度は私の母のゲームソフトを盗んだのだ
(息子に書いてある)

本当にこの子は依存症になってしまったのだと絶望した
でも息子がその時「俺、じいちゃんみたいになるのかな。依存症になったのかな」と言った時私は初めて自分の間違いに気がついたのだった

(つづく)











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2 コメント

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お子さんは「依存症」でもなんでもない (中年A)
2006-02-19 11:49:31
 「中年A」と申します。依存症で悩んでるものです。突然失礼します。

 

 ブログ読ませていただきました。トリイ・ヘイデンさんは、私も好きです。一度、彼女の講演会に行って、握手してもらったことがあります。身体も心も大きな人(180センチはある)でした。



 さて、ちっこさんのお子さんが依存症じゃないかと心配なさってるようですが、文面からはそうは思えません。



 というか、依存症というのは基本的に大人の病でして、子どもが依存的であるのは正常な証拠です。依存的でない子どもがいたらそっちの方が変!



 お子様は、ご両親の関心=愛情が欲しいだけではないでしょうか。あるいは、自分の「不安」を沈めてくれるものを求めているのではないでしょうか。



 彼が、買い物をねだったり、盗みまでしてしまうのは、本当に必要なものの「置き換え」「メタファー」ではないでしょうか。いつも自分の心配事で頭がいっぱいで、上の空で、心がどっかへいっちやってる「空虚な」お母さん(とお父さん)を自分に引き寄せるために、無意識にやっているのではないでしょうか?



 彼の、自分のことばを受け止めてほしい、自分を大切にしてほしい、というメッセージが私には見えるようです。



 子どもは、非常に繊細でしかも弱い立場にいますから、親の問題を「病気」「症状」という形で表現してくれるものです。



 といっても、賢いちっこさんならもうお気づきだと思いますが。



 お子さんの行動の表面だけを見て、一喜一憂するのはやめて、その「本質」に目を向けることをお薦めします。



 私には、姑・舅の共依存症よりも、あなたの旦那さんの失業よりも、まず、あなたが目を向けるべきは、あなたご自身の問題だと思えてなりません。



 すいません、生意気なこと書いて。



 私も、自分の問題に迫ろう。子どもに自分の夢を託すのはやめて、何歳になっても、自分の夢は自分で追いかけよう。



 



 

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中年Aさんへ (ちっこ)
2006-02-19 17:34:36
全くその通りだと思います

私は無知のあまりに情報に振り回され

思い込み息子を追い詰めに追い詰めてしまったのです



本当に悔やんで悔やんで今やっと少し

息子にたどり着いたところです



>私には、姑・舅の共依存症よりも、あなたの旦那さ>んの失業よりも、まず、あなたが目を向けるべき

>は、あなたご自身の問題だと思えてなりません。



これも私なりにちょっとづつ進めているところなんです



最初に急ぎすぎて自分で苦しくなりすぎてしまいましてゆっくりゆっくり進んでいます



専門家の方や集まりにも参加したいと思っています



>私も、自分の問題に迫ろう。子どもに自分の夢を託

>すのはやめて、何歳になっても、自分の夢は自分で>追いかけよう。



本当ですね。私もそうありたいと思います

中年Aさんの真剣にレスしてくれたお気持ち嬉しかったです



ありがとうございます









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