トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

無力

2006-09-15 09:51:28 | 子供
「私は酒の前では無力である」

姑が帰ってしまった時に断酒会の人に教えてもらった言葉。
どんなに手を尽くしても舅の酒を止めさせる事は出来なかったし
姑を引き止める事もできなかった

自分はなんて無力なんだ。
そう認めた瞬間だった

無力を認めて手放そう
そう思えたとき本当に気持ちが楽になった

もう舅から酒を奪う事も姑から舅を奪う事も止めよう
だって私は無力だから


息子は作文が苦手。
先日書きかけの宿題の作文が鞄や机の上に放りっぱなしになっていた
「提出物は守らなくちゃいけないんだよ。遅れても良いから書いて出してごらん」と諭した

息子は何時間もかけて何枚もの提出物を完成させた
「明日出すね」と達成感いっぱいで言った
帰ってきて「出したの?」と聞けば
「先生が良く頑張ったねって褒めてくれた」と言った

「ほらね。頑張って良かったでしょ。今度からは守るんだよ」と2人でにっこり笑い合った

ところが今朝息子に「雑巾洗ったよ」と持って行くと
もう鞄を背負っていた息子が「入れて」と背中を見せた
鞄を覗くと出した筈の作文達がそのまま入っていた

「出したんじゃなかったの?」
「あ!!!。忘れてた。今日出すよ」ともの凄く慌てて靴を履きだした

もの凄くがっかりした・・・
そして「褒められた」とまで言って嘘をついた息子に腹がたった

許せない・・・
そんな感情が持ち上がって思わず
「お兄ちゃんって嘘つきなんだね」と吐き捨てるように言ってしまった

息子は傷つき顔が歪んだ

「行って来ます」と消え入りそうな声で言ったけど腹が立って返事をしなかった

ドアが閉まってから暫くして、ドアを開けて覗いた
もう息子の姿は見えなかった

あー。やってしまった・・・
あなたメッセージを使ってしまった・・・

「あなたは嘘つきだ」あなたを主語にするメッセージは相手を傷つけるだけで何も伝わらない

「私はあなたの嘘が悲しかった」私を主語にするメッセージは自分の気持ちを伝える事で相手に考える時間を与える事が出来る

これはあるサイトで教えてもらった方法だ
それを知ってからずっと私メッセージを心掛けてきた
でも今日は怒りに任せてやってしまった・・・

息子は傷つくだけでなんの答えも得られなかっただろう・・・
失敗だった。
大体、提出物を出すか出さないかは息子の問題なのだ

遅れて困るのは自分なんだから

私って本当に無力なんだと感じた
夫に対しても子供に対しても無力なんだなって

思えば息子が産まれた時から無力だったなぁ
何で泣いているのかも分からないし、泣き止ませようとすれば益々泣く
ミルクが飲まないといっては悩み
夜泣きをすれば悩んだ

言葉も通じない赤ん坊相手にお手上げ状態だった

ただオロオロとしているうちに息子は這うようになり、歩くようになり
そして言葉が通じるようになった

私が役に立ったことなんてわずかしかない
病気にならないように怪我をしないように見ていただけだ

息子が帰ってきたら
「嘘つきって言ってごめんね。お母さん嘘をつかれて悲しかったんだ」って言おう

「私は無力である」
私は夫に対しても子供に対してもそして自分自身にも無力である
まずはそこへ戻ろう

原点に戻ろう

今日も聞いてくれてありがとう