JR東日本が建設予定の羽田空港と東京都心を結ぶ新路線「羽田空港アクセス線」に関し、東京ディズニーリゾートの最寄り舞浜駅(舞浜駅,千葉県浦安市)と直結させる方向で検討を始めた。
2月9日(日)のニュースである。
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羽田空港の新駅は国内線と国際線のターミナルに設ける。
新宿駅方面につなぐ「西山手」ルートを、長野、山梨方面と結ぶ中央線に直通させる。
東京駅を経由し茨城、栃木、群馬各県と結ぶ「東山手」ルート。
この計画、ようやく動き始めたかなと思う。「羽田空港アクセス新線」(’14-08-28)「東京駅-羽田空港 新線」(’14-07-24)で取り上げて6年である。あのときに書いたとおりのこともあるが、今回ニュースで出てきたのは、以下の情報。
国内線駅は第一ターミナルと第二ターミナル間の地下に位置し、空港近くの東京貨物ターミナルとトンネルで接続。
・・・京急駅とは違い、ターミナルビルに直行ではない。
15両編成対応、1時間に8本運行。15両編成は湘南新宿ライン、上野東京ラインの高崎線、宇都宮線の車両長である。
開業予定は’29年。
・・・具体的なホーム長、開業目標予定は初情報だろう。
記事を読むと、「東山手」ルートは、上野東京ラインのある程度の本数が羽田に乗り入れ、「西山手」ルートは湘南新宿ライン&埼京線・りんかい線(大崎から)、新宿駅経由で中央線のある程度の本数が、羽田新駅に乗り入れることになるようだ。かなりの「混雑」が予想される。
JR東の試算では所要時間は、東京駅~新駅約18分、新宿駅~新駅約23分、新木場駅~新駅は約20分である。
なお、ルート案・環境影響評価等については「鉄道計画データベース」の「首都圏」「JR羽田空港アクセス線」が詳しい。
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実現すれば素晴らしい計画だが、心配事がある。
最近のことだが、昨年11月、神奈川県の相模鉄道が埼京線に乗り入れを開始した。これにより相模鉄道の車両が都内・埼玉県内、JR埼京線・川越線の車両が神奈川県内をそれぞれ営業運転で走り始めている。'22年には相鉄は東急東横線で渋谷、同目黒線目黒にも乗り入れる。
東急の渋谷はいったい何本の路線が乗り入れているのだろう。
相鉄が埼玉県を走行なんて、ちょっと信じがたい乗り入れである。
昔のことを思い出してみる。
大宮から新宿へのアクセスは、以前ならば大宮<乗換>赤羽<乗換>池袋-新宿。現在の大宮-新宿は埼京線と湘南新宿ラインの2系統で、いずれも乗り換えなし。埼京線は大崎でりんかい線と接続。乗り換えなしで新木場まで行くことができる。これらのルートは、当たり前だが逆のアクセスも向上させている。
大宮から東京へのアクセスは、大宮-東京は京浜東北線で乗り換えなしと、宇都宮線・高崎線で上野<乗換>東京*である。京浜東北線は変わらないが、現在後者は上野東京ラインとして、乗り換えなしで東京まで行くことができる。大宮ー上野は宇都宮線・高崎線が同じ線路を、上野-東京は常磐線からの列車も同じ線路を走行している。これらの列車はほぼそのまま東海道線に乗り入れている。
拡大した乗り換えなしエリア
現在羽田を目指す場合、上野東京ラインで品川、そこから京急で羽田に向かうルートもできた。以前のように、大宮-浜松町<乗換>モノレール-羽田より、東山手ルートができれば、時短利便性アップだ。
大宮駅で湘南新宿ラインの逗子や平塚行き、上野東京ラインの熱海行きを見ると、ずいぶん遠いと毎回思う。大船は京浜東北線で見慣れている駅名だが、その先の鎌倉に乗り換えなしでアクセスできる。逗子や熱海は家族で泊まりの旅行のイメージだ。便利になった。
遅れの原因は、ずいぶん遠く
JR東の計画では、新宿から中央線経由の列車も羽田空港アクセス線に乗り入れることになる。羽田と各方面のアクセスが便利になり万々歳だが、各方面から羽田を目指して列車がなだれ込む感じが否めない。15両編成が毎時8本ということは7、8分間隔である。「西山手」「東山手」「臨海部ルート」それぞれから毎時何本になるかはわからないが、東山手ならば上野-東京、西山手ならば新宿-大崎または大井町、アクセス線本体の「どこかで・何か」が起きたり、JRと東急東横線に相互乗り入れの相鉄線の「どこかで・何か」が起きると、ダイヤの乱れは現在の比ではなさそうに思う。大丈夫だろうか。鉄道が遅れても、飛行機は待ってくれないだろう。ここ10年ちょっと、大宮駅での列車遅延情報を見て、ずいぶん遠い場所が原因だと思うことが増えた気がする。
でもとても楽しみだ。
いろいろ心配はある。3ルート全ての完成は、10年では無理だろう。でも、上野東京ラインでそのまま羽田にアクセスできる日を待ちたい。
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*東北・上越新幹線開業前は東京乗り入れがあった。覚えている人は少ないだろう。