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2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

聖霊降臨後第二主日

2009年06月14日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 2006年6月の聖霊降臨後第二主日の聖伝のミサ聖祭(東京にて)の説教が、聖ピオ十世会の日本語のサイトの「説教集」のコーナーにアップされています。ご参照までに。

天主様の祝福が愛する兄弟姉妹の皆様の上に豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)@ニュー・マニラでは、今日のミサ聖祭の直後に御聖体行列がありました。

皇帝の新しい旗 その3

2009年06月14日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 アンデルセンの童話『皇帝の新しい服』をもじったお話『皇帝の新しい旗』の続きです。

 カルロス皇帝の統治の間に、伝統と栄光ある「永遠で決して滅びない」と言われた帝国は、凋落して行きました。カルロス皇帝の後継者となるべきプリンス(と言ってもカルロス皇帝の統治と寿命の長さゆえに年をとった王子です)であるフランツヨーゼフさえ、帝国のことを「沈みつつある船」にたとえたことがある程の失墜ぶりでした。

 帝国の弱体化に引き替え、カルロス皇帝の人気は抜群でした。カルロス皇帝が崩御した時、世界中の革命的でリベラルなリーダーたちは、その死を惜しみました。

 社会主義評議会連邦の党中央執行委員会発行のプラウダ紙は、カルロス皇帝を賛美して追悼していました。セントラル共産主義人民共和国だけは、カルロス皇帝を赦そうとしませんでしたが、世界中の国は、カルロス皇帝の葬儀に最高の代表を送って、その業績をたたえ、愛着を示そうとしました。これほどの人気は、かつてこの帝国の転覆を図って何百人もの秘密のエージェントを送って来た外国の国々が何十年もかけて破壊工作をしてもどうしてもできなかったことを、カルロス皇帝は一人でやりのけてしまったからだったのでしょうか!?人々は次第にカルロス大帝と呼ぶようになりました。

 しばらく喪に服した後、フランツヨーゼフが新しい皇帝となりました。世界中が彼の出方を見守っていました。

 フランツヨーゼフ皇帝は、就任の時、長い間忘れられていた帝国の言葉で演説しました。「朕、惟ふに、偉勲高けり先帝の轍を忠実に歩まんとす!」と。

 就任の最初の年のクリスマスのお言葉では、新しい帝国旗の大切さを述べ、新しい帝国旗を見て古い帝国旗を読み取り、新しい姿の下に、昔の帝国旗を理解しなければならない、新しい旗も古い旗も同一視しなければならない、と説きました。お話の内容は、つまり、黒を見て白を理解せよ、黒が黒ではなく白であると見て本当の帝国旗理解だ、ということでした。(フランツヨーゼフ皇帝は、王子時代に、新しい帝国旗と古い帝国旗とは、矛盾していると言っていました。この矛盾の乗り越える理解をするようにということでしょうか。)

 就任の翌年の七夕に、いきなり、フランツヨーゼフ皇帝は、古い帝国旗は決して廃止されていない、誰でも自由に古い帝国旗を掲げることができる、新しい帝国旗は、帝国の特別様式の旗だ、と発表があったのです。しかし、一般の帝国民にはこれが何を意味するのか良くは分かりませんでした。

 しかし、何はともあれ、40年間、天の川の洪水が帝国の過去と現在とを引き離してしまったかのようでしたが、すでにカササギのような白髪を帯びた皇帝は、天高く栄る帝国の過去と失墜した帝国の現在とをその時、結び付けようと努力したのでした。

 この旧皇帝旗復活の勅令が出された時、ルーブル大臣はすでに故人となっていました。フランツヨーゼフ皇帝はルーブル大臣のことを、皇太子時代から良く知っていました。フランツヨーゼフ皇帝はこの勅令を出しながら、何を思っていたのか、皇帝の個人的感傷は、皇帝という公務ゆえに、人民には知るよしもありませんでした。

 ルーブル大臣は、亡くなる直前に、帝国の基礎と皇帝とを革命勢力から守るように、自分の養子であるエコン氏に全てを委ねていました。エコン氏は帝国近衛兵の大将で、部下にウィルファインドザトゥルース氏やケント伯コルディリオ氏など、300名の軍人がいました。(ハリウッドの映画のスパルタの300とは全く関係がありません!)ただ、彼らは帝国のリア皇帝の永久法に従って旧旗を使い続けていたのでした。そして、そのために反逆罪の嫌疑がかけられ、カルロス大帝の統治下で、大将のエコン氏やケント伯コルディリオ氏またウィルファインドザトゥルース氏そしてルーブル大臣の4名には不当に「非国民」のレッテルが張られてしまったのです。全ては、帝国のため皇帝のためだったのにもかかわらず。しかし、故ルーブル大臣とその他の3名は、全てを帝国と皇帝とのために耐え忍ぶことでしょう。

 就任の翌々年、1月21日聖アグネスの日には、今度は、3名の名誉回復の勅令を出しました。以前の「非国民」発表は金輪際無効である、と。彼ら嫌疑をかけられた4名は、罪無くほふられた小羊(アニュス)であったが彼らの犠牲といけにえとほふりによって帝国に恵みがあったということを意味しているのでしょうか。

 しかし、全てがうまく行ったのではありません。

 これら一連の動きに、帝国内の県知事たちは不満を爆発させたのです。

(続く)

愛する兄弟姉妹の皆様の上に天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

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