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バリナスクス (ノトスクス類、セベコスキア)



解説はChimerasuchusさんの動画が良い。

バリナスクスは新生代の中新世中期にベネズエラ、ペルー、アルゼンチンに生息した最大のセベクス類(またはセベコスキア)で、部分的な頭骨が見つかっている。新生代の初めも島大陸だった南アメリカでは、真獣類が侵入する前、陸上捕食者のニッチをめぐって肉食有袋類、恐鳥類、ワニ類がしのぎを削っていた。ノトスクス類の中でもセベクス類とバウルスクス類は大型の捕食者として進化した。そのうちセベクス類は新生代の前半まで繁栄していたグループである。中でもバリナスクスは中新世中期まで生息していた、陸生ワニ類最後の星である。

バリナスクスの頭骨は約1m 、全長は少なくとも6 m 、体重は1.6-1.7 tと推定されており、新生代を通じて最大の陸上捕食者とされている。完全に哺乳類の時代となってもなお、三畳紀のラウイスクス類の栄光再びとばかりに、頂上捕食者として君臨していたとは、ワニ類のポテンシャルには敬服せざるを得ない。

ネット上のイラストには、セベクスの頭骨そのもののような顔で描かれているものがあるが、不完全ながら頭骨があるのだから、セベクスではなくバリナスクスの頭骨を見て描く方がいいだろう。バリナスクスは少なくとも吻の形がセベクスとは異なる。鼻先が角ばっていて前縁がより垂直に近い。セベクス類やバウルスクス類に共通して頭骨は丈が高く幅が狭く、眼窩は側方を向いている。また歯は側扁したナイフ状で後方に反っていて鋸歯がある。獣脚類と収斂した顔つきである。

アンデス山脈が隆起したなどの影響を受けた気候変化によって、バリナスクスもついに絶滅したらしい。ベネズエラあたりなら低地に移動したり小型化して、なんとか生き残って欲しかった系統である。ワニ類はほぼ熱帯に限られるが、性決定機構が温度に依存することがやはり脆弱性となっているのだろうか。

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