tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

かさ地蔵の秘密

2008-01-07 19:58:18 | プチ放浪 都会編

大晦日の賑わいを見せる新横浜駅前。最高気温5度という寒空の下、配ったティッシュの数は、なんと500個。テレクラのティッシュ配りとは違うくて、あのCMでよく踊ってるやつ。某消費者金融。友達のお姉ちゃんが正社員で頼まれた。単発のバイトって個人的にすごく好き。日雇いみたいだけど。でも格好がかなりやばかった。まるでサンタがギャルになったような真っ赤なジャンパーに、パンツ見えそうな真っ赤なミニミニスカート、その上真っ赤な帽子。でも、そう言う格好をするだけで、ティッシュの売れ行きがとても良くて驚いてしまった。昼前に配り終えてしまったバイトの帰り道。

今年初めてといえる寒波で、予報では午後から雪になるらしい。長光寺前で右折して坂を登り、宮ノ下の交差点を過ぎて幼稚園の前を通りかかる。道路に面したところにある小さなお堂。中に右手に杓を持った錫丈を持った小ぶりの石地蔵さんが立っている。お地蔵さんの前には誰があげたのか栄養ドリンクのビン。手前の花瓶には枯れてしまった花がそのままになっていた。もう、長いこと誰もお参りしていないのかもしれない。帰宅途中、時々、このお地蔵さんに手を合わせるけど、勝手にこちらの都合でお参りされるほうも大変かなと想い、最近は感謝だけにしている。自分のお願いはしなくなった。お願いは、近所の神社の初詣の時だけ。願いを叶えてもらえるよう、いっぱいお賽銭をあげて。
今日も足を止めてお地蔵さんに手を合わせた。よく見ると近所の子供たちのいたずらだろうか。お地蔵さんの顔に白いチョークでおしろいが塗られ、目には炭のアイラインが描かれていた。しかも、寒空の下、鼻先の一部が濡れて鼻水が垂れているように見えた。どうしよう。でも、まわりには誰もいなかったので、バッグからポケットティッシュを出して顔をきれいにしてあげた。今年一年、無事に過ごせたことを感謝しながら・・・・・・。そして帰宅して、一人でゲーム。昼から降り出した雪は夜半に本格的になって、いつもなら友達と行く初詣は中止。

翌朝、玄関口で騒いでいる兄に起こされた。雪は止み、天気は回復。一面を真っ白に染めた雪は朝日にあたってキラキラ輝いていた。兄は家の玄関に”まめがき”が置いてあると言う。”まめがき”ってなんだろう。見てみたらそのままだった。銀杏のような小さな柿がたわわに実った一枝。実は熟して黒くなっていて、干し柿のように白く粉を吹いている。兄が一粒つまんで口に入れ、「うまい」と一言。それにしても、近所に豆柿を植えている家などなく、なぜそんなものが玄関に置いてあったのか不思議だった。さらにもう一つ、不思議といえば、夕べ降り積もった雪に一筋の大きな跡が。40cmぐらいの幅だけを雪かきしたように、そこだけが圧雪されてずーっと歩道の向こうまで続いている。

犬の散歩がてら、兄と一緒に雪の上に残った筋状の跡をたどってみた。歩道の上のなにかの跡は、駅の方に1kmほど続いていて、幼稚園前の交差点まで。お地蔵さんがいるお宮の4段の石段のところで途切れていた。そして、お宮の中に置かれているはずのお地蔵さんが倒されて石段の下に。
「だれがやったんだろう!?」
兄は雪を払ってお地蔵さんを抱え起こすが重くて大変そうだ。兄を手伝って、2人でお宮の中へ。
「ひょっとしたら、お地蔵さん、雪で滑って、すっころんだのかしら・・・・・・」
「バカ。お地蔵さんが動き回るわけねーべ」
兄がバカにしたように私を見た。
「冗談よ」
そう言った私に、お地蔵さんがニコッと笑ったように見えた。
白い雪でいろんな事をキレイにしてくれて、新しい年がスタートした。


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