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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

朝青龍さま

2018-09-05 23:45:22 | 日記

モンゴルツアーに同行した若い添乗員さんに、ウランバートルの飲み屋には強い酒で酔っぱらったモンゴル人が多く、中国人と勘違いされてボコボコにされるから行かない方がいいですよと釘を刺された。
なんでも、酔っ払いにからまれたら中国人じゃないことを主張し、「朝青龍・相撲レスリング」とか叫んで逃げ出すのにかぎるとのこと。

モンゴルの人々から中国人が嫌われているのは深い歴史がある。そもそも、遊牧民の冬の放牧地に侵入し、勝手に大地を耕して畑にしちまうのは農耕民族の漢人たちだった。遊牧民が大切にする草の大地をである。
そんなのは、土地から追っ払い、ついでにいろんなものを略奪しておけばいい。
深刻なのはもっと時代が進んでからのことだ。
漢人たちは、農耕民族の作物である茶を遊牧民に売りつけた。馬乳酒でかろうじて必須ビタミンを得ていた遊牧民たちは、お茶で代用することを覚えた。

その代償は借金だ。貨幣を持たない遊牧民たちはヒツジを質草にお金を借りた。そのお金でお茶を買った。しかし、借金を返済できるはずもなく、遊牧民たちはヒツジを手放し貧困を極めていく。儲かるのは中国人だけだった。

なので、モンゴルの人々は中国を嫌い、ロシアの社会主義についた。遊牧生活で培われた彼らの物欲のなさは社会主義にぴったりとマッチした。中国由来の宗教も、文化もすべて捨て去られ、ロシアの文化が導入された。

韓国もモンゴル人たちに嫌われているようだ。モンゴルの人々はアジアの国々に出稼ぎに行く。その多くは韓国。そこで過酷な労働条件で搾取され、恨みはつのっている。

・・・外に飲みに行くなといわれて素直に従う良い旅行者じゃない。戦場に身を投じるほどの度胸はないが、これまで世界のあぶない夜の街へ繰り出してきた平和ボケを自認する自分がいる。行かないでか。。

初めての国の飲み屋は緊張する。お金を注文時に払うのか、テーブルで払うのか、レジで会計するのか。それにもまして、どんな酒が置いてあって言葉が通じないのにどうやって注文するのか。
ウランバートルのホテル街をひたすら歩き、見つけたパブ。中は若者たちでいっぱい。馬に飲ませるような巨大なビアピッチャーがテーブルにでんと置かれ、若い女性たちがガンガン、ビールを飲んでる。
どうやら、こっちが朝青龍になっちゃいそうだ。