tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

エターナル・サンシャイン

2007-04-22 16:43:33 | cinema

ずっと心の奥にしまっておきたい、大切な映画の一本。

甘く切ない記憶。恋は、切なさと楽しかった記憶が表裏一対になっているものかもしれない。楽しければ楽しいほど逢えない時間の切なさが増し、切なければ切ないほど強く記憶に残っていく。
そして失恋の苦しさは、幸せだった日々に確実に比例するのだろう。幸せが深ければ深いほど、それを失った時の心の痛手はより大きくなる……。 食事も喉を通らず、夜も眠ろうとしても眠れない。重たい気持ちを抱えて過ごす毎日。だれも分かってくれない長い夜を迎える。フロイトは、つらい記憶に対処するために記憶を抑圧するという説をとなえた。しかし、最近の研究、(ダルハウジー大、カナダ)によれば、楽しい出来事は不幸な出来事よりも思い出されにくいという。だから、なかなか忘れられないんだね・・・・・・。涙が止まらないなら、誰かに頼ってもいい。 助けてと言える勇気が必要・・・・・・ 失恋鬱の苦しさを解ってくれる人に助けを求めること・・・・・・。
失恋による心の痛手は、種にとって不可欠のことなのだろう。この痛みゆえに、より愛が深まり、そして種の保存につながっていく。

もしも、記憶喪失になったとしてオレが彼女と再会したなら、自分はなんと思うのだろうか?やっぱり、さいこーの女と思うのだろうな。こんなに素敵なレディがオレを思ってくれてたなんて・・・・・・。
映画「いま、会いにゆきます」で未来にタイムトリップした澪は、記憶を失くしつつも将来の自分のダンナと出会う。しかし、澪は自分の日記を読まない限り、彼らの出会いは出会いじゃなくなっていたのだろうか?
そして、映画「潮風のいたずら」では、女性の記憶喪失をいいことに工賃を踏み倒された恨みを晴らすため、自分の妻だと偽って身柄を引き受ける。記憶がリセットされれば、なかなか現実をそのまま受け入れるのは難しいのだろうか・・・・・・。

同じ忘却であっても、かすかな記憶に濁りがあれば、それは不幸かもしれない。5年前に亡くなった母方の叔母はアルツハイマー症だった。年少の頃の記憶は鮮明なのだが認知機能は低下しており、我々とは異なる異空間にいるようだった。彼女と話していて、彼女の目の前には明らかにオレとは異なる人物がいた。誰が会いに行っても、彼女を現世に引き戻すことは難しかった。彼女にしてみれば、家の中の全員が他人なのだろう・・・・・・。そして、もう一人の叔母も、夢と現実の区別が無くなりつつある。

もしも、認知症になったとして、やっぱり、さいこーの女と思いたい。こんなに素敵なレディがオレを思ってくれてたなんて・・・・・・。