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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

忘れ雪(泣いてねーよ)

2007-03-29 20:16:12 | プチ放浪 山道編
シナリオ発表会の準備については、ぼくらはメールでやり取りして概略を決めていた。スポンサーからの資金については、集めてみなければわからないので、発表会の費用はできるだけ負担が少なくなるように手作りで行くことになった。発表会場はゲレンデのすみっことし、各自が自前のアウトドア用のテーブルとイスを持ち込んで会場を設営する。各テーブルにノート型パソコンを置き、それぞれのパソコンをシンクロさせてロングバージョンのビデオを表示させる。3月のことだから、おそらく雪はもう降るまい。もし、雨が降ったら、当日は傘などの雨具が必要になるかもしれない。発表会の司会はルソーくんが担当だ。英語でのDJ風の司会で場を盛り上げてくれるはずだ。彼のDJのかっこよさは、プロモーションビデオのナレーターで実証済みだ。司会のセリフを前もって決めておけば、あとは彼がアドリブで何とかしてくれるだろう。ルソーくん自身も結構その気になっており、まんざらではない様子だった。発表会用のオーディオ装置は、FMマイクとCDラジカセを使う。CDラジカセを3台ぐらい配置して、マイクの音を拾って拡声させる。スキー場はパブリックスペースだ。だから、他のスキーヤーにできるだけ迷惑をかけないように音量は抑える方針で行くことにした。
事前にスキー場に問い合わせたら、草津国際スキー場は3月10日でナイターリフトの営業は終了予定とのこと。だから、3月17日に開催する発表会はナイターの時間をあてる事はできない。開催時間を15:00~17:00として、夕刻迫る発表会の照明はアウトドア用のLEDランプを補助的に利用することにした。その時間にはスキー場のリフトに設置された照明も利用できるのだが、できるだけ華やかにするためには、多数のLEDランプで会場をライトアップすることが必要となる。このため、ネットで調べて安いアウトドア用のLEDのテーブルランタンをいくつか準備することにした。このランプの調達はイズミさんが担当してくれることになった。
また発表会の際に、ぼくらはショーとしてフォーメーションスキーのデモンストレーションをすることにした。パソコンの小さな画面でも先月撮ったフォーメーションスキーを見ることができるのだが、実際にスキーをして見せた方がより盛り上がるに決まっている。ぼくらメンバーは、ある程度自慢できるスキーの腕前を持っていて、これほどの技術を持ったスキーヤーがそろうのは滅多にあることではない。なによりも、発表会の当日はスキー場にいるのだから、スキーを滑らない手は無い。
心配なのはパソコンのバッテリーだった。特ににぼくが持っているIBMのA4ノートは数世代前のものでバッテリーもヘタリつつある。雪山など気温の低い所に持っていけば、30分も持たずにバッテリーが上がってしまうかもしれない。そこで、バッテリーがあがってパソコンでの表示ができなくなり次第、用意しておいた多数のデータCDを配布することにした。続きは、自宅に持ち帰って見てもらうことになる。こうして、ぼくらはお互いに発表会を盛り上げるためのアイデアを出し合って準備を進めていった。
ぼくらは、主にメールで連絡を取り合っていたが、メンバー達は以前のようにときどき2chのスレッドにも書き込んでいるようだった。定期的に2chをのぞきに行くと、スレッドが思いもかけずに伸びていることがあり、そんな時はメンバーのだれかの書き込みにいろんな人からの反応があった時だったりする。お互いにメールでの連絡がしっかりと取れているので2ch掲示板のスレッドをのぞく意味はあまりないのだが、ある意味でぼくらがやろうとしていることの良い宣伝になっているようだった。だから、一時のように毎日スレッドを巡回することはしなくなったが、たまに訪れた時にタイミングよく書き込みを見つければ、ぼくもそれにレスをできるだけ書くようにしていた。

忘れ雪(泣くなよ)

2007-03-29 00:30:08 | プチ放浪 山道編

3月17日 草津国際スキー場

志賀高原のOFF会から戻ってからは、みんなで3月17日(土)に開催を決めたシナリオ発表会の準備で結構急がしい日々を送っていた。OFF会で取ったスキーのビデオは合計2時間以上の長さがあったが、これを編集して3分程度、数10メガバイトのファイルにまとめて映画のプロモーションビデオを作った。この編集作業を担当したのはコスギくんだ。先月のOFF会の夜にタナカさんのデジタルビデオカメラのSDカードをアダプターを介して持参したノート型パソコンに接続し、そのMPEG2データをハードディスクにコピーした。そのデータを自宅に持ち帰り、AdobeのPremiere Elementsを使って編集したとのこと。OFF会の夜の宴会中に簡単な編集作業の様子を見せてもらったが、いくつかの動画(クリップ)をドラッグ&ドロップで配置するだけで面白いように映像の編集ができていた。タイトルを入れたり、特殊なエフェクトをかけられたりでプロが作るような映像の作成も可能とのことだ。1週間も待たずに、いくつかのバージョンの映像を仕上げて彼のホームページにアップロードしてくれた。ぼくらは、それぞれの映像を自宅のPCでダウンロードすることで、自分の好きな時間にその映像を鑑賞することができた。ぼくらはインターネットの利便性を充分に利用した。そのようにして、最終的に決まったのが各シーンをつなぎ合わせた約3分間の映像だった。当初の予定では、「私をスキーに連れてって」を真似て松任谷由実の初期のナンバーを映像にかぶせるつもりであったが、音楽著作権の問題などで見合わせた。そのかわり、ナレーションを入れることにした。このナレーションを担当したのがルソーくんだ。完成したプロモーションビデオは、15秒から長くても30秒程度のシーンが次々と出てくる構成で、出演したぼくらが驚くほどの躍動感にあふれた映像になっていた。それに加えて、ややたどたどしくも、ルソーくんのDJ風の英語のナレーションがスピード感があふれる映像を盛り上げている。なかなかの力作である。最初は、動画のデータは大きいので、DVDに焼き付けてと考えていたが、CD-Rでも十分なサイズに収まっていた。
そのほか、スキー場の様子や滑っているところなどを撮ったデジカメの写真の中からベストショットを20枚選び、映画の原作のテキストファイルと合わせて先のプロモーションビデオとともにCD-Rに焼きこむこととした。もちろん、スポンサーの募集要項も一緒に焼きこむ。このCDを作る作業を分担して、各個人が自宅で行っていた。データを記録したCD-Rの印刷面に、インクジェットのカラープリンタでタイトルを印刷して作業は終わり。この印刷のデザインはヒロコさんが担当した。夜のスキー場を背景にしたなかなか斬新なデザインだ。できあがったCD-Rを、めいめいが決めたスポンサーになってくれそうな企業や団体へ郵送したのだった。ぼくが送った会社は、サントリーと上毛新聞社、NHK、スキーメーカーのサロモンなどだ。いずれの企業・団体も、ネットで所在地を調べてそこに郵送した。できるだけたくさんの会社に送れば、そのうちどっかの会社や団体が興味を持ってくれて、スポンサーとして支援してくれることになるかもしれない。他のメンバー達も同様、手当たり次第、いろいろな企業へCD-Rを送って、シナリオの宣伝とスポンサー募集をしてくれていた。ぼくらは、毎日のようにメールを交換し合って、その日の活動を報告しあっていた。
プロモーションビデオの発送を開始してから1週間が過ぎると、映画の原作をテキストでアップロードしていたぼくのホームページのアクセス数がいつもの倍になっていった。あっちこっちで宣伝した効果が表れているのだろう。ぼくはこのアクセス数の増加に、ひょっとしたらとんとん拍子に映画化がうまく行くかもしれないと、あらぬ期待を抱いた。いったい、シナリオ発表会には何人の人が集まるのだろう。大盛況のイベントとなるかもしれないと期待がいやがおうでも高まっていった。