小泉八雲の「明治日本の面影(講談社学術文庫)」に、「蛍」を題材にした随筆がある。
江州(ごうしゅう)琵琶湖畔の石山で、夏の間、蛍を捕えこれを売って生計を立てている話だ。
「長い竹竿を肩にかつぎ、腰には茶色の蚊帳で作った長い袋を帯のようにまきつけている。
一番よく光っている木を長い竿でその枝を叩く。地面に落ちた蛍が光るのを見て、驚くばかりの早業で両手を同時に使いながら、蛍をつまんで、器用に口の中に放り込む。」
捕った蛍は、その光の強弱によって値段が異なる。
売り先は、旅館、料理屋。宴会の客に見せるため。
また、蛍の死骸は、製薬会社へ売られ、湿布薬や丸薬や、漢方薬に用いられたらしい。
蛍から作られた薬は、百鬼を追い払うとされていたようだ。
また、合戦などで切り結んでも、傷を受けない「監将丸」や「武威丸」などの丸薬があったらしい。
もちろん、いまも、ホタル祭りなどのイベントや、大学の実験用、ビオトープの造形のための蛍の商売がある。だが、かつての日本の面影は今はない。
螢とり
迷ひ子の泣く泣くつかむ螢かな
暗きより暗き人よぶ螢かな
言う事のきこえてや高く飛ぶほたる
追はれては月にかくるる螢かな
奪ひ合うて踏み潰したる螢かな
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ほろ苦い味覚が春の到来を感じさせる一品。
茹でて刻んだふきのとうを炒めて味噌で和えた「ばっけ味噌」。
東北(青森、秋田、岩手)の春の山菜料理だ。
(山形ではばんけ、秋田ではばっきゃとも、アイヌ語ではマカヨ)
知らなかったのだが、フキノトウはフキの花のつぼみ。
「フキ」ノトウの「フキ」は、そのまま「蕗」だった。
大量に発芽するにもかかわらず、夏の間、お目にかからないと思ってたが、そういうわけだった。
同じ様な場所に、時期を変えて、両者が生息する。
ばっきゃは、まだ葉が出る前につぼみだけが独立して地上に出てくる。
寒さに耐えるように、つぼみを何重にも苞(ほう)が取り巻いている。
採らずにいるとあっという間に茎が伸びて花が咲く。 遅れて、地下茎でつながっている葉が出てくる。
・・・まるで子供を背負っているように。。
ちなみに、「ばっきゃ」の語源は、アイヌ語の「子供を背負う」を意味する「ハッカイ」から来ている。
http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/Fukinotou.htm
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もうじき北陸新幹線が開通する。
新幹線が通れば、これまで走っていた在来線の特急電車は現役引退になるにちがいない。
そのせいか、直江津から乗り換えた信越線特急「白山」の窓からは、走り行く列車の写真を撮ろうと望遠レンズを構えたカメラマンたちが多数見えた。
ただし、「白山」に対してはレンズの方向が逆向きだったから、彼らが狙ってたのは「白山」じゃなくて「トワイライトエクスプレス」とかだったかもしれない。
ちなみに15年度末には、「トワイライトエクスプレス」(大阪-札幌間)と「カシオペア」(上野-札幌間)が姿を消す予定らしい。
鉄道ファンや寝台特急ファンからすればとても辛いニュースかも。
大阪発札幌行きの「トワイライトエクスプレス」は1,495.7kmを約22時間かけて走行する日本一の長距離旅客列車。
鉄道にはほとんど興味を持ってないにもかかわらず、とても寂しくなる。
まだ出会ってもいない日本の古き良き物が姿を消していくのつらいものだ。
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横手市立鳳中学校の生徒たちによる無数のミニかまくら。
もともと、「かまくら」は、中に入って、正面にまつられた水神様にお賽銭を上げて、家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などを祈願するもの。
そのむかし、武家では、四角い雪の壁の中に門松、注連(しめ縄)飾りなどのお正月飾り、書き初めの書など焚きあげ、災難を除き子供の無事成長を鎌倉大明神に祈った。一方、商人など町家では、井戸のそばに雪穴を作り、水神様(おしずの神さん)を祀り、良い水に恵まれるようにと祈った。
大正の終わりごろまでは、各町内ごとにかまくらをつくっていたが、各家々でかまくらをつくるようになり、交通の邪魔にならないように形も縦長になって、規制を受けた道路ではかまくらが作られなくなった。
そのかわり、蛇の崎橋の川原や横手南小学校の校庭に多くのミニかまくらが作られるようになった。
「蛇の崎」という名前の由来は、大蛇と河童が戦ったという説や、後三年合戦で源義家がつり橋ごと落とされ、蛇篭によって助かったからなど、いろいろな説がある。
横手駅から蛇の崎 観音寺付近まで徒歩10分。そこから横手公園まで徒歩20分。
城を背景に見るかまくらがまた見事。横手城の天守閣から、横手市内を一望できる。
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水神様をまつる横手の小正月行事「かまくら」。
子どもたちがかまくらの中にお客さまを招き、お餅や甘酒でおもてなしをする。
町中には100基ほどのかまくらが並び、灯りを受けて幻想的な光景を作り出す。
1936(昭和11)年に、この地を訪れたドイツの建築家ブルーノ・タウトが、この素朴で幻想的な情景を「まるで夢の国」と絶賛したことから有名になり、観光客が増えたという。
しかし、当時の素朴で幻想的な情景は今はなく、観光行事になってしまっている。
週末で観光客がたくさんいるので、中に入るきっかけがつかめない。
「はいってたんせ」と、よばれてもいないのに、かまくらの外には順番待ちの人々。。
カマクラは、「蔵開き」「天筆書き」「天筆建立」「鳥追い小屋」「松にお焼き」「竹打ち」「鳥追い」「天筆焼き」などの一連の行事を総称したものだ。
横手の「かまくら」は、その中の鳥小屋行事だけを残して観光にした。これが「かまくら」行事として全国的に有名になった。
本来は、弥生時代から行われてきた豊作祈願の行事に、宮廷で行っていた「左義長」と「吉書焼き」が合わさった行事。
もっと観光客の少ないカマクラを求めて、次は他の町を中心に訪れるとするか。
去年の横手かまくら。↓
http://blog.goo.ne.jp/tetujin282014/e/d09c955ef5509df42e3d1fab529d6797
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