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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ドナドナ

2019-02-25 22:42:10 | 人々

ウランバートルから宿泊した遊牧民のおじいちゃんのゲルまでは、四駆の車で道なき道を走る。夏と違って冬は、わだちが掘れたぬかるみなどないからスタックの心配はないが、乗り心地は決して良くない。

ゲルに向かう途中、2頭の馬を搬送しているトラックが前を走ってた。馬たちはトラックの荷台につながれて、キルトで胴体を防寒されている。
売られていく馬かなとか思ったけど、近くの村で草競馬(ナーダム)があり、出場する馬の輸送中らしい。

ナーダムとは、もともとシャーマンによる儀式が起源で、オボー祭りと強い関連性があった祭典のよぷだ。本来ナーダムは、夏から秋の短い期間に行われることが一般的。しかし現在は、伝統文化や観光ビジネスのため、冬もナーダムを行うことが多くなっている。
ナーダムは飼い馬とともに個人が参加する。体重が軽い方が有利なので、騎手は小さな子供たちだ。寒さが厳しいモンゴル高原で、幼い子供が競馬に乗ることはとてもリスクが高い。凍傷や落馬で、重体になったり、亡くなったりする事故も起こる。このため、2018年1月から、冬の競馬を全面禁止するよう法律が改正されたはずとのことだ。

 レースは馬の年齢別に行われる。近頃のナーダムでは、お金持ちたちがアラブ種やサラブレッドをレースに持ち込むことが多いと通訳のプージェーは嘆く。
大きな大会では、アザラガ(牡馬)、イナ・ヘス(高齢去勢馬、または6歳以上)、ソヨロン(5歳)、ヒャザーラン(4歳)、シュドレン(3歳)、ダーガ(2歳)に加えて混血種のレース(サラブレッド)と区別されているが、地方ナーダムだと、それがあいまいなのかもしえない。
牡馬と高齢去勢馬のレースで優勝するのはものすごく大変なこと。名誉あることだ。


モンゴルの初詣

2019-02-24 22:44:32 | 人々

ウランバートルにある仏教の寺院、ガンダン・テクチェンリン寺。
モンゴルの人々からの信仰がとても篤く、モンゴル・ラマ教の総本山ともいうべき場所。この寺の一番奥に、観音堂があり、中に入ると高さ25mもある大きな観音菩薩(メグジド・ジャナライサク)が立っている。
観音菩薩の周りにはマニ車と小さな仏像が取り囲んでいる。

モンゴルの正装でお参りする人たち。
いつも混んでいるというガンダン寺だが、ツァガンサル(白い月)のこの日の午後はさほど混んでなかった。みんな親戚への新年のあいさつ回りで忙しいのだろう。

今年もよい年でありますように。
ネガイヲカナエタマエー~~\(-ω- )三( -ω-)/~~バサッ (-人-。)


冬のモンゴル

2019-02-23 10:27:37 | 人々

これまで経験した極寒気温は、アラスカ・フェアバンクスの年末年始。ヒートテックの下着とダウン・ジャケットでなんとかなってた。
ちなみにフェアバンクスの寒い日はマイナス45℃にもなるらしい。↓

https://blog.goo.ne.jp/tetujin282014/e/373d7fd8804bfdf0983aba482bd253b5

じもぴーは水着だし、大丈夫じゃね?とか思ってたけど、モンゴルでは雪がさほど積もらない分、日が落ちてからの放射冷却は半端ない。よく言われるように、夜の戸外で30分もじっとしていると、外気にさらされてる顔がジンジン痛みだす。
ウランバートルなど都市部では、酒に酔っぱらって道路に寝込んでの凍死冬にはたまにあるらしい。
ちなみに、持ってったデジタル温度計は、マイナス30℃を超えたあたりでリチウムイオン電池の起電力が低下、表示しなくなった。あるいは、液晶が凍結してしまったのかもしれない。


通訳のプージェーによると、モンゴルのゲルでは電気がほとんど利用できないから、車のエンジンを温める電気ヒーターなんて使えない。なので、昔は車のエンジンの下で火を燃やしてエンジンを温めスタートさせる。
かつてモンゴルでは、可愛い外観をしているロシア製の車プルゴンが普及していた。燃料噴射制御など難しい電気仕掛けはなかったから、エンジンを直接火で温めても問題なかったわけだ。いや、問題なかったわけではない。時々、エンジンオイルに引火し火を噴くこともあったらしい。

というようなモンゴルの土産話を職場の同僚たちにすると、そんな極寒の世界にわざわざお金を払って身を投じるのは信じられないという。
冬のモンゴルは確かに極寒の地であるけど、どこまでも明るく、人情味に溢れる人々が幸せに暮らしている。


ゲルの寝場所

2019-02-22 22:00:31 | 人々

ふだん、おじいちゃんのゲルは、おばあちゃん、息子夫婦とその子供たち2人の合計6人。これに長い休みになれば、親戚の男の子メンクバトが加わり7人。
ゲルの室内にはベッドが3つ。入口の反対側にもベッドが置かれて、その両脇に祭壇、および、チェスト。普通のゲルに比べてベッドが一つ多い分、一般的な配置とは違った家具の配置をしている。

そのゲルへ通訳のプージェーを伴ってのホームステイ。いくら何でも総勢9人は多いから、息子さんの奥さんと一人の子供は里帰りしてたのかもしれない。モンゴルの遊牧民は、そんな気遣いをしてくれる人たちだ。今になって、それに気づくのも遅すぎだが( ^ω^)・・・。

さて、3つのベッド。滞在中、どうやって寝たかというと、おじいちゃんは絨毯をしいて床の上、それに倣ってぼくも床の上。客用の入り口から左側のベッドは、ぼくに譲られた通訳のプージェー。普通なら祭壇がある入口の正面のベッドに息子さんと5歳の女の子。台所用品が置いてある入口の右側は、おはあちゃんと孫のメンクバト。

実は保温性の高いゲルの中でストーブに石炭をくべるから、ゲルの上部と下部でかなりの温度差がある。ベッドの高さあたりは20℃に近い温度、床の上はそれよりも5~10℃ぐらい温度が低い。なので、ベッド組はT-シャツ一枚。ふとんからはみ出して寝ていることもある。
一方、床上は冬用の寝袋でちょうどいい温度。寝返りをうってもベッドから落ちる心配ないから、心おきなく動ける。

親戚のメンクバトがいる変則的な寝場所なのだろうけど、ぼくらゲストがいない時はどんな配置で寝ているのだろう。息子さん夫婦が一人ずつ子供と寝るとして、おばあちゃんはメンクバトと。とすれば、おじいちゃんはやっぱり床の上ということ?
男はつらいよだね( ^ω^)・・・。


モンゴルの大晦日

2019-02-21 22:12:26 | 人々

モンゴルの大晦日にあたる日はビトゥーン。「閉じる」という意味らしい。一年の締めの日だ。
この日は朝の家畜たちの世話が終わったら、大掃除の後、お正月の飾り付け。そして、みんながゲルにいるから、久々のテレビのスイッチ・オン。
多くのチャンネルで、ウランバートルで開催中のモンゴル相撲の中継が行われている。大晦日のモンゴル相撲は、国民的な行事であり、抜群の視聴率という。勝者が決まってモンゴル相撲の中継が終われば、番組はモンゴルの歌謡曲。いろんなモンゴルの人気歌手が延々とはやりの歌を歌い、飾り付けの家族もまた、歌に合わせて口ずさみながら仕事を進めていく。

昼と夜ごはんは、ゆでた羊肉(前菜?)から始まって、前もって大量に作って冷凍保存してたボーズ。縁起を担いで幸せを包み込む小麦粉の皮で肉を閉じて蒸した餃子のようなショウロンポウのような料理。そして甘さを感じる乾燥チーズのアーロールがテーブルに並ぶ。〆は羊肉うどんのゴリルタイシュル。

夕ご飯が終わって牛の乳しぼりも終わって、ひと段落すると、おじいちゃんは、ストーブのそばで数日間、解凍していた羊のお尻の肉を大きな鍋で蒸しはじめる。いわば、羊の下半身の豪華な姿蒸し。モンゴルの豪勢なお正月料理の主役だ。
ストーブに石炭をくべガンガン蒸す。そのうち、ゲルの中は、室温が28℃、湿度90%に。真夏の日本の暑さ。
ヒートテックやらなにやらを重ねて厚着していた、ぼくはたまらずのぼせてゲルの外へ一時避難。マイナス30℃の夜風が気持ちいい。

良い加減に体を冷やしゲルに戻ると、またそこは熱帯夜の東京。温度差は60℃近くあってふらふらになる。ゲルの中では、羊の大腿骨を割って骨中の髄をみんなで食べてた。通訳のプージェーが、骨を割るのは「開く」という意味がある・・・とかなんとか説明をしてたような気がするが、もう体の限界。一人だけ床面に広げた寝袋に潜り込んで、比較的涼しい床面で就寝。寝酒とか不要。モンゴルのビトゥーンは蒸し暑く、そして、料理はたまらなくおいしい。。
ちなみに、おじいちゃんが蒸してた羊の下半身の豪華な姿蒸しは、今年は失敗作らしい。どうにも長時間蒸しすぎたようで、下半身の格好があるべき姿にはならなかったようだ。なので、残念ながらお正月のテーブルには乗らなかった。長い人生にはそんなこともある。