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開業北海道新幹線の青函隧道

2016-03-26 00:00:00 | 観光
東北新幹線は新青森駅から延長されて、念願の津軽海峡を青函トンネルで一路函館へとつながり、北海道新幹線となった。
青函隧道着工から実に半世紀後の2016年3月のことである。

津軽海峡・・海底に青函トンネルが対岸の北海道に向け走っている


竜飛の"津軽海峡冬景色"やや右手に青函トンネルが走る

思い起こせば東海道新幹線が東京~新大阪間を4時間(現在2時間22分)で結んだ同じ年の1964年に青函トンネルが着工する。新幹線が通るトンネルとして工期10年の目標であったが、その後オイルショックや国鉄の財政難から計画は一時凍結にもなった。
工事の経験はそれまで、関門トンネル(3.6km)きりなく、53.85km(海底部23.3km)のトンネルは難航した。
ようやく24年かかって1988年に世界最長のトンネルは完成した。また、この年は瀬戸大橋の開通もあって、日本がひとつに結ばれ、「にほん列島」が「一本列島」と呼ばれた。
ここで青函トンネルは世界一長い?と疑問視、英仏海峡に設けられたトンネルの方が長いのでは思った。だが、海底部分については、英仏海峡トンネル37.9kmと遥かに長いのだが、全長となると青函トンネルが3kmほど長いようで、トンネルとしてはやはり世界一であった(英仏海峡トンネルは全長50.49km)。
青函トンネル開設の発端は昭和29(1954)年に発生した、死者・行方不明者1,155名(岩波総合年表)の洞爺丸沈没事故である。





延長された新青森~新函館北斗駅間は1時間余り、東京からは最速で4時間2分(平均4時間19分)。これは羽田~函館空港間2時間20分に比べれば比較にならぬが、昔の青函連絡船青森~函館間4時間30分に比べれば早いものだ。因みに青函トンネル内では、並走する在来線の関係で、当面140km/h走行となるため所要時間は24分かかるという。と云っても在来線は電圧が新幹線対応になるため貨物便だけが走るようだ。



新幹線と在来線が共用する線路のため3本レールが敷かれている


青函トンネル記念館・・青函トンネルについて展示 海面下140mの坑道にも行ける




健さん・小百合さんの映画"海峡"・・青函トンネル工事の紆余曲折を男女間のからみを交えて描いている(1982年作品)

新青森駅を出ると38.5km走って奥津軽いまべつ駅で、その後6kmほどで青函隧道に突入する。奥津軽いまべつ駅は、人口2,700人ほどの今別町に新設された駅で、「津軽海峡の四季が体験できる」ということが大まかな駅のキャッチフレーズのようだ。

北海道新幹線奥津軽いまべつ駅・・建物の窓は青函トンネルをデザインしている




駅駐車場には近くの在来線駅の案内も

以前はここに津軽今別という無人駅があったそうだ。その無人駅が新幹線が通るということで一気に昇格し、13往復中7往復が停車する駅となった。町長は10往復が希望だったようだ。

新幹線駅の並びにはいまべつ道の駅がある

この駅の先で北海道新幹線は在来線と並走して青函トンネルを潜る。

"青函隧道"の文字は開通当時の首相・中曽根康弘氏


H5系北海道新幹線(Net画像)

ようやく北海道へ新幹線が走り出した。
新幹線で五稜郭見物と思っていたが、所要4時間は思いのほか時間がかかる。そこには建設費用を安くした整備新幹線・最高時速260kmの壁があるようだ。
しかし、日本技術の新幹線、東海道新幹線が当初より4割時間短縮されたように、いずれは短縮されるだろう。
期待したい。

訪れた日:2015.8.22

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