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此処はひとつのところで七福神めぐりができるお寺である。
そのお寺の名は天台宗 薬王院医王寺である。
場所は川崎市南部 京急大師線港町駅下車にある。
開山は延暦22年と古く平安時代と1200年以上の昔である。
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その古いお寺にはふたつの伝説がある。
ひとつは「塩とけ地蔵」で もうひとつは「赤いカニ」の伝説である。
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「塩とけ地蔵」の伝説
医王寺の境内に骨と皮だけになったまっ白い塩どけ地蔵があります。昔、村でできものが流行し子供たちが大変難儀をしました。子供達はイタイヨー、カユイヨーと泣いていました。村人は地蔵さんに身代わりに成って下さる様、願をかけました。すると子供達のできものはたちまち治り、これを聞いた親たちが我も我もと願掛けをし地蔵さんはやせほそってしまいました。今日でも塩どけ地蔵様に皆んなのお詣りが絶えないと言われております。
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「赤いカニ」の伝説
医王寺の山門を入った所に池があり、そのそばに鐘つき堂がありました。池には色んな魚が住みほとりには、たくさんのカニがくらしていました。池の上を白いサギが群れをなして、はるかに飛んで行くのを見てカニ達は「つり鐘さまのおかげです」と喜んでいました。あの恐ろしいサギの群れが来るたび鐘がひびき、ゴーンゴーンと鳴るたびサギはおどろいて空高くにげて行くからです。おかげでカニ達も安心してくらしていました。
ある日、寺近くで火事が起こり風にあおられて医王寺本堂、山門を焼けつくし鐘つき堂にせまりました。池のカニ達がぞくぞくと現われ、あぶくを出しながら鐘つき堂によじ登り、炎とたたかい、堂を守ろうとしました。炎とすさまじい戦いでした。一面焼野原の中に鐘つき堂のみが残りました。皆んなよく助かったと喜び、みんな集まって来ました。和尚さんは、堂の下に死んでいる何百とゆうカニを見つけ、おまえ達が堂を守ってくれたと合掌し池のほとりにカニ塚を立て供養しました。
それかた医王寺のカニは、どうした事か背中を炎を浴びた様に赤くなったそうです。
薬王山 天台宗 医王寺 住職
川崎市の七福神めぐりはあと中原にある。